第5章 残陽時代

【元年】

ブライト聖堂が建てられる

 

遺灰の戦いが終わった後、生き残った人類は廃墟と崩れた大地を目の当たりにし、悔い改めを始めました。

彼らは自らの傲慢を悔い、神への不敬を悔い、魔法の乱用を悔いました。

彼らは神々の許しを求めましたが、デューラだけが応えました。

デューラは神の力で失われた生命力を取り戻し、干上がった農地を再び肥沃にし、生き残った人々の基本的な生存条件を保証しました。

生き残った人々はデューラの無私に感謝し、敬虔な信者たちは廃墟からまだ使えるレンガを集め、デューラを祀るための簡素な聖堂を建てました。

これが最初のブライト聖堂です。

 

【33年】

アナイは嫉妬に燃え、カタストロフが生まれる

 

数百年にわたる遺灰の戦いが終息したものの、人間は一息つく間もなく、新たな災難が迫っている。

人々が人体錬金術という欺瞞の真相を知ったとき、死の神アナイの陰険さを唾棄し始めた。

もともとデューラに嫉妬していたアナイは、人間が自分とデューラに対して全く異なる態度を取るのを見て、ついに抑えきれなくなった。

彼の嫉妬は絶えず増殖し、最終的にこの極端な負の感情が彼の神力の作用で具現化し、数え切れないほどのカタストロフとなった。

アナイはエスペリアの主神であり、彼が具現化したカタストロフは、人間の悪から生まれたカタストロフよりもはるかに強力である。

これらの破壊本能に駆られた高位のカタストロフは、エスペリア世界各地に散らばっていた低位のカタストロフを集結させ、一夜にしてエスペリア世界各地をカタストロフの大軍勢が席巻した。

この時、人間たちは400年以上続いた戦争を経験したばかりで、戦争の傷からまだ回復しておらず、四部五裂し、まるで砂のようにばらばらで、カタストロフに対抗する力は全くなかった。

一部の人間は宥和政策を選び、戦いを避け、さらにはカタストロフの手先に成り下がった。

カタストロフの突然の攻勢の下、多くの要地が次々と陥落した。

 

【37年】

ブライト王国の建国

 

しかし、すべての凡人が座して死を待つことを望んでいたわけではありません。

聖堂の信徒たちの推挙により、シレンという名の若者が危機に際して任命されました。

彼は自身のリーダーシップと人格的魅力で多くの人々を団結させ、新たな人類の政権「ブライト王国」を樹立しました。

分裂していた人類は再び同じ旗の下に集まり、この生まれたばかりの帝国は、危機の中で、よろめきながらも力強く廃墟の中から徐々に台頭していきました。

 

【39年～55年】

黎明の先遣隊がカタストロフを討伐する

 

ブライト王国が建国された後、シレンは人類が過去にカタストロフに対して常に受動的な防御姿勢を取っていたのを改め、積極的に攻撃を開始し、帝国はカタストロフを討伐するための先鋒軍隊ーー黎明先遣軍を編成しました。

シレンはかつての戦友ザフラエルを黎明先遣軍の総指揮官に任命し、カタストロフに対して攻勢をかけました。

数年後、ザフラエルはカタストロフとの戦争で卓越した戦績を上げ、ある神が危機に瀕した際に状況を一変させたことで、諸神に認められ、神に封じられました。

封神の前に、ザフラエルは黎明先遣軍の指揮権を副官のカイス・ライアンに引き継ぎました。

 

【42年】

ババリア部族が戦いに参加する

 

カタストロフがエスペリアの世界を荒らした後、タスタン砂漠もカタストロフの毒害を受けました。

カタストロフの大規模な侵攻に直面し、全民皆兵のババリア部族は一歩も妥協せず、当時の大酋長とババリアの戦神の指揮の下、ババリア部族は迅速に強力な武装を集結し、カタストロフとの地域戦争を開始しました。

 

【61年】

ヴェルディア連盟が結成され、戦争に参加する

 

ヴェルディアたちはユグドラシルの自然の庇護によって一時的に戦禍を免れていたが、ヴェルディアの中の一部の賢者たちは心配していた。

後世にオークの賢者と呼ばれるこれらの賢者たちは、カタストロフを放置すればユグドラシルがいずれその鉄蹄に踏みにじられることをよく理解していた。

その時、ヴェルディアが持っているすべてが消えてしまうだろう。

そこで賢者たちはヴェルディアに積極的に出撃し、カタストロフを追放するよう呼びかけ始めた。

しかし、生来の性質から、大部分のヴェルディアはこの戦争に参加したがらなかった。

彼らはすでに現在のこの平和で静かな生活に慣れていた。

ましてや彼らの祖先は戦火を避けるためにこの森に隠遁してきたのだから、今彼らに戦争に参加させるのは、先祖の初志に反するように思えた。

賢者たちは懸命に説得したが、効果はほとんどなかった。

しかし、ヴェルディアたちがデューラが他の凡人種族を率いて前線でカタストロフと戦っていることを知ったとき、彼らは最終的に、この大陸全体の生死存亡に関わる大災害において、ヴェルディアが傍観者でいることはできないと認識した。

そこでヴェルディアの各種族は集まり、数百年続いた部族社会を終わらせ、賢者たちを中心に同盟を結成し、同盟軍を編成した。

その後、軍隊は出発し、ユグドラシルを離れ、戦争の前線に向かい、他の種族を支援した。

 

【69年】

デューラは異界の鍵を使ってカタストロフを封印することに決めた

 

凡人とカタストロフの間の戦争は数年続きました。

カタストロフの力は一時的に弱まったものの、すぐに再び息を吹き返しました。

デューラは、カタストロフが万物生霊の心の中の悪念によって生まれ、万物生霊の悪念を食べていることに気づきました。

したがって、人々の心の悪が断絶しない限り、カタストロフの力も崩壊しないのです。

カタストロフの脅威を完全に排除するためには、彼らを世間から隔絶された空間に封印し、物質世界とのつながりを断つ必要があります。

そのため、デューラは一つの考えを思いつきました。

ホーナスが彼女に残した異界の鍵を使って、亜空間を創造し、カタストロフの大軍をその亜空間に封印することです。

しかし、デューラは二者択一の選択に直面しました。

異界の鍵を使ってカタストロフを封印すれば、深海の下にいるイグテスに気づかれることは間違いありません。

一方、カタストロフを放置すれば、エスペリアはカタストロフに汚染され、死の星となり、最終的には暗黒星界に引き込まれてしまいます。

二つの害を天秤にかけ、最終的にデューラは異界の鍵を使ってカタストロフを封印することを決定しました。

そのために、彼女は一つの計画を立てました。

しかし、この計画は神々だけでは実現できず、デューラは凡人たちの助けが必要でした。

デューラの計画は、各地に散らばっているカタストロフの大軍を一つの集中した場所に追い込んでから、その集中地帯に亜空間を創造し、カタストロフの大軍を封印することです。

したがって、デューラは凡人の軍隊に連携して戦線を圧縮し、カタストロフの軍勢を大陸各地から一つの場所に集める必要があります。

デューラは神託を通じてこの計画をブライト聖堂の神職者、ブードゥー神殿の巫医長老、そしてヴェルディア議会のオークの賢者たちに伝えました。

これらの各種族の尊敬される人々の呼びかけの下、凡人種族は連携して戦闘を展開しました。

 

【70年】

シレン大帝はドワーフと盟約を結んだ

 

デューラは計画中の亜空間を開く場所を山の麓に決めました。

そして、ブライト王国軍がカタストロフを追い払うルートは山の麓のドワーフの領地を通る必要があります。

計画を順調に進めるために、シレン大帝は自らドワーフの領地に赴き、ドワーフ王と秘密裏に会談を行いました。

彼は理を尽くして説得し、ドワーフと同盟を結び、帝国に兵力と地域の便宜を提供し、ブライト王国の今回の行動を支援するよう求めました。

数日間の交渉と調整の末、最終的にドワーフ王はシレンの要請を受け入れ、両者は同盟を結びました。

ドワーフの協力に感謝するために、シレンはドワーフに誓いを立てました。

もしもいつの日かドワーフが王国の援助を必要とする時が来たら、彼の子孫と王国は躊躇なく支援することを。

 

【73年】

冬の戦乙女はその威厳で群れの魔物を震え上がらせ、厳冬ｈがエスペリアを覆う

 

人間の種族は数年にわたる共同作戦の末、包囲の勢いを形成し、ついにカタストロフの軍勢を山麓まで追いやった。

しかし、狡猾なカタストロフはその勢いを利用して兵を山頂に向け、神々の宮殿を攻め落とそうと試みた。

カタストロフは大規模な攻城部隊を派遣し、山頂に向けて狂気の攻勢を仕掛けた。

蝗の群れのように密集したカタストロフの手先が山に押し寄せ、山壁を這い上がり、山頂を目指した。

しかし、この行動は山を守護する女神ーー冬の戦乙女アルナを怒らせた。

彼女は山頂で怒りの咆哮を上げ、その神の怒りは天地を揺るがす雪崩を引き起こし、山頂から雪の波が押し寄せ、カタストロフたちを埋め尽くした。

カタストロフの軍勢はこの光景を見て恐れをなし、山を占領する考えを捨てた。

アルナの抑えきれない怒りは長く続く寒波となり、彼女の咆哮と共に大陸全体に押し寄せ、エスペリア大陸は初めての冬を迎えた。

広大な初雪が大地を覆い、氷雪を見たことのない人間たちはこの神の奇跡を目の当たりにし、山の方向に向かってひざまずき、崇拝した。

 

【74年】

デューラは破滅の深淵を創造し、第一次カタストロフ戦争は最終的に勝利を収めた

 

カタストロフが山々を攻め落とす計画が失敗した後、凡人種族の連合軍はさらに戦線を圧縮しました。

デューラは時機が熟したと見て、自らの神力を異界の鍵に注ぎ込み、山の麓に亜空間の入り口を創造しました。

それは後世に「破滅の深淵」と呼ばれる領域です。

群れを成した悪魔たちは消滅の井戸に吸い込まれ、そこに囚われ、エスペリアの世界と接触することができなくなりました。

ごくわずかにエスペリアの世界に残った者もいましたが、もはやこの世界に脅威を与えることはできませんでした。

数十年にわたる第一次カタストロフ戦争はこうして終わりました。

 

【75年】

罪を詠む者は追放された

 

第一次カタストロフ戦争では、多くの人々がカタストロフの威圧に屈し、カタストロフの手先となって人類の同胞に刃を向けました。

戦争が終わると、人類はこれらの戦犯を裁きました。

彼らの中の一部は軍事法廷で処刑され、大多数はブライト聖堂によって荒れ果てた不毛の地に追放されました。

追放された者たちには恥辱の印が施され、聖堂の神職者が聖光の焼印で彼らの額に消せない罪の烙印を刻みました。

この罪の烙印は彼らの血脈にまで刻まれ、彼らの子孫が生まれる際には、額にこの罪を象徴する烙印が刻まれていました。

そして、これらの追放者とその子孫は「咏罪者」と呼ばれました。

 

【76年】

シレンは神になることを拒否した

 

第一次カタストロフ戦争で、シレンは人類を率いて多くの重要な戦いに勝利し、多くの偉業を成し遂げたため、神々に認められました。

さらに、多くの神々が第一次カタストロフ戦争で陥落し、神位が空席となり、神々は新しい血を注入する必要があったため、シレンを神に封じることを決定しました。

しかし、シレンは戦争が終わったとはいえ、帝国はまだ再建の途上にあり、この時に彼の民を離れることはできないと考え、神々の招待を断りました。

 

【82年】

異界の鍵は七つに分かれ、七つの神器は人間界に落ちた

 

デューラは破滅の深淵を創造する際、大量の神力を消耗し、ホーナスと同様に神力が衰えた。

同時に、破滅の深淵が開かれた瞬間、深海の下で眠っていたイグテスも強烈な空間波動を感知し、異界の鍵がエスペリアにあると推測した。

しかし、この時彼はまだ元気を回復しておらず、深海の下から陸地に戻って異界の鍵を探すことができなかった。

弱ったデューラは自分の命が長くないことを予感し、もし自分が陥落したら、イグテスが必ず深海の下から再び現れ、異界の鍵を奪うことをよく知っていた。

異界の鍵を隠すために、デューラは残りの神力を使い、神の匠アンセルの助けを借りて、異界の鍵を分解し、七つの神器にそれぞれ鋳造して凡間に散らした。

このことを知っているのはデューラとアンセルだけであり、したがって異界の鍵の行方は再び謎となった。

デューラは曖昧な予言を人々に残し、その後、群山の頂を去った。

 

【96年】

デューラが陥落し、シレンが崩御した

 

デューラが山を離れたとき、彼女はすでに瀕死の状態だった。

彼女はユグドラシルの中の静かな谷にたどり着き、そこで静かにこの世を去ることを望んでいた。

いくつかのヴェルディアの民たちが自発的に谷の周辺を守り、誰もここに足を踏み入れさせず、デューラの最後の静けさを守っていた。

ここで十年以上を安らかに過ごした後、デューラはついに神としての命を終えた。

臨終の際、デューラは自分の計画を神の匠アンセルに託した。

同じ年、古稀を迎えたシレンは重病に倒れ、病状は悪化し、再び神々から神格化の招待を受けた。

しかしシレンは再び拒否した。

シレンは自分が凡人の王として、自分の民に恥じることはなく、この生に何の後悔もないと考え、神格化によって自分の命を延ばす必要はないと考えた。

ある冬の夜、シレンは寝室の炉のそばでこの世を去った。

 

【183年】

残陽の守人が設立する

 

人々が残陽時代に入った初め、遺灰の戦いの傷に浸り、魔法による世界の終焉への恐怖から、多くの人々が魔法に対して抵抗感を抱いていました。

特にブライト聖堂の厳しい監視の下で、民間の魔法研究は一時禁止されました。

一部の魔法使いたちは秘密裏に魔法研究を行い、わずかに残った魔法を辛うじて伝承していました。

百年の時を経て、人々は次第に傷を忘れ、魔法に対する態度も徐々に寛容になり、魔法は再び日の目を見ることができました。

しかし、ほとんどの魔法は遺灰の戦いの大災害で失われ、百年の伝承の断絶も加わり、人類が掌握する魔法は非常に限られています。

神の文字と竜の言語はすでに世間から忘れ去られ、深遠で難解な呪文に直面して、魔法使いたちは主観的な推測でその断片を推し量るしかなく、魔法はかつてない低迷期にあり、かつての全盛期とは比べ物になりません。

そこで、一部の魔法使いたちは「残陽の守人」を結成し、互いの魔法知識を共有しようとしました。

また、彼らにはさらに壮大な目標があります。

あの輝かしい魔法文明を再現し、再び神と肩を並べる時代を開くことです。

「残陽の守人」という名前には、彼らのこの深い期待が込められています。

たとえどんなに美しい夕暮れの残陽でも、真昼の太陽と競うことはできないかもしれませんが、彼らはこの残陽を見守り、いつの日かそれが再び烈日の火を燃やすことを期待しています。

 

【262年】

ケハディマンが再びこの世に戻る

 

死の神アナイは嫉妬から堕落し、神職を放棄した後、行方不明になった。

死の世界は監視を失い、元々死の世界で長い眠りについていた魂たちが次々と目覚め、生者の世界に強い執着を抱き、人間界に戻ることを渇望していた。

ベロンヴィルの災害後、敵国の拷問で処刑されたエリート魔法使いケハディマンもその一人である。

ケハディマンの記憶には多くの失われた魔法が保存されており、彼はその豊富な魔法知識を利用して、死の世界の法則を理解し干渉しようと試みた。

彼の死前の怨恨は死の世界での力を倍増させ、ついに彼はその鍵を見つけ、生と死の絶対的な境界を打ち破り、亡者として人間界に戻ることができ、死霊術の研究を始めた。

 

【349年】

ヴェルディアの民はディオーンの語り部を設立しました

 

ヴェルディアの民は世間を避けて出てこないが、外界の動向を把握するために、特殊な才能を持つヴェルディアの民で構成された情報組織「ディオーンの語り部」を設立した。

この特殊な才能をもつヴェルディアの民は「風術師」と呼ばれ、生まれつき感覚が鋭敏で自然に親しんでいる。

彼らは風の流れを通じて万物を洞察することに長けており、風の動きだけで自然のリズムを感じ取ることができ、遠くからの声を風の中から聞き取ることができる。

風が吹く場所であれば、たとえ何千里も離れていても、その声は最終的に風術師の耳に届く。

したがって、風術師たちは深く隠れて森から一歩も出ないが、外界のことを熟知している。

さらに、風術師同士は風を通じて遠距離での交流も可能である。

この風によって構成された独特な情報ネットワークは、手紙などの通常の情報媒体よりもはるかに効率的で安全である。

 

【423年】

デビルハンターフラタニティ結成

 

ケハディマンは、死霊魔法に関する百年にわたる研究を通じて、死の世界の法則をさらに明らかにし、死者の怨念を力に変える方法を学びました。

死の世界に満ちる怨霊の力を彼は奪い取ります。

彼は、同じく再生を渇望する死者たちと契約を結び、彼らの願いを満たすと同時に彼らを従わせます。

ある意味で、ケハディマンは無主の死の世界を徐々に支配し、死者を支配する絶対的な力と権威を持ち、死者たちから「恐怖の主」と呼ばれています。

同時に、ケハディマンは死霊魔法を凡人の世界に広め、一部の凡人も死霊魔法の秘密を研究し、死んだものを復活させるために死霊魔法を利用し始めました。

死霊魔法で復活した生物は、もはや生死の束縛を受けず、ほぼ不死の命を持つようになります。

しかし、これらの不死生物の魂には、消え去ることのない怨念が満ちており、それが彼らを人間や動物などの生き物を襲わせるのです。

一方、第一次カタストロフ戦争が終わった後も、エスペリア世界にはわずかにカタストロフが残存しています。

これらのカタストロフは大きな脅威を構成することはできませんが、本能に駆り立てられて悪事を働くことがあります。

そのため、死霊やカタストロフなどの暗い生物を狩ることで報酬を得る戦闘専門家たちが大陸各地で活躍し始め、これらの戦闘専門家はデビルハンターと呼ばれています。

デビルハンターは非常に危険な職業であり、情報を共有し、リスクを共同で負担するために、デビルハンターたちは集まり、デビルハンターフラタニティを結成しました。

 

【446年】

ブライト聖堂特設異端裁判所

 

死霊教義、黒魔法、悪魔崇拝の思想が広まるにつれて、多くの人々が聖光の教えから逸れ、これがある程度、ブライト聖堂の権威を揺るがしました。

神権を強化するために、聖堂は異端者に対して決して容赦しない態度を取り、ブライト聖堂は特別に秘密の特務機関ーー異端裁判所を設立し、黒魔法に染まった者や邪悪な信仰を持つ異教徒を専ら捕らえ、制裁しました。

異端裁判所は神託教士と刃をもつ修道女の集団で構成され、彼らは厳格に自己を律し、貞潔と貧困を守る、極端に自律した禁欲主義者であり、ブライト聖堂のために汚れた仕事を厭わない掃除人でもあります。

 

【495年】

墓守議会が設立される

 

デビルハンターフラタニティと異端裁判所が亡霊生物および死霊術師に対して大規模な掃討を行ったため、ケハディマンは亡霊の現在の勢力が生者と対抗するにはまだ不十分であり、潜伏して機会を待つことが現状での最良の選択であると認識しました。

そのために、ケハディマンは「墓守議会」を設立し、三人の腹心を会議の長老として召集し、亡霊生物と死霊術師の行動を制約することを目的としました。

墓守議会は外界でもほとんど知られておらず、グレイヴボーンの中では恐れられている神秘的な組織です。

会議は表舞台には出ませんが、非常に大きな機能を果たしており、恐怖の主ケハディマンの意志の代弁者として、密かにグレイヴボーンの事務を調整し干渉しています。

 

【562年】

ライヌ人はバンティス帝国を建てた

 

ソトロン大陸の西に住むライヌ人は、もともと遊牧生活をしており、彼らの民風は勇猛で武を尊び、すべての争いと矛盾を武力で解決します。

この点で、ライヌ人は隣人であるババリア部族と少し似ています。

後にライヌ人の各部族は戦争で統一され、巨石で堅固で高い城壁と要塞を築き、バンティス帝国を建国しました。

 

【723年】

バンティス帝国は死魂院を設立し、ケハディマン勢力が帝国に浸透する

 

ライヌ人はバンティス帝国を築いた後、文明の軌道に入ったが、その好戦的な性質は依然として大多数のライヌ人の血脈に根付いている。

バンティスは常に死と切り離せない関係にあるようで、国民の信仰からもそれが反映されている。

この帝国は上から下まで言葉にできない死の情念を抱いており、彼らは死を崇拝し、死の懐に身を投じることを栄光と考え、自然な老いの中での死は恥と見なしている。

この死に対する歪んだ解釈と異常な価値観は帝国の立場を左右しており、その大部分の理由は帝国の支配者が政治的な要求から民衆に対して行った教化にある。

バンティスは建国以来、絶えず外に戦争を仕掛け、軍事的な拡張を国の基盤とした。

民衆を戦争に駆り立てるために、帝国の支配者は民衆に死の信仰を広め、彼らの好戦的な性質を刺激した。

帝国の支配者は国家を無情で厳しい軍事的支配の下に置き、帝国のすべての産業はほぼ軍備拡張のために奉仕している。

この国では、戦争に有利な行動は何でも許されている。

戦争で優位に立つために、帝国軍は道徳や倫理の境界を越え、結果を顧みずに非人道的な武器や魔法を使用している。

そのため、死霊魔法の研究と応用は帝国において当然のこととなった。

これこそが恐怖の主ケハディマンが待ち望んでいた機会であり、彼はこの帝国の運命を密かに見守っていた。

帝国が死霊魔法に手を触れ始めると、彼は自らの奴隷である死の教義を広める死霊法師たちを帝国内に秘密裏に配置し、彼らは帝国のあらゆる階層に浸透し、機会をうかがっている。

もともと死に特別な情念を抱いていたバンティス帝国は、死霊魔法の普及の温床となり、死霊魔法はバンティス帝国で広まり、バンティス帝国は死霊魔法を研究するための学院ーー死魂院を設立した。

死魂院の設立は、ケハディマンの勢力がバンティス帝国に完全に浸透したことを示している。

 

【960年～997年】

トーランが即位し、一連の大胆な改革を実施する

 

バンティス帝国の現状を見過ごしているわけではない人々もおり、帝国には独自の洞察力を持つ君主も少なくないが、変革の勇気を持つ者はほとんどいなかった。

トーランという名の王が即位するまでは。

トーランはバンティス帝国の歴史上、稀に見る賢明な君主であり、この国の異なる政治と風俗が人々に災難をもたらしていることを認識し、戦を止め仁を興すことで帝国の存続を保証できると考えた。

そこで彼は一連の改革を主張し、実行した。

外交政策においては、彼は平和を主張し、帝国と異民族との緊張関係を調和し、長年の戦争によって異民族との戦争を避け、帝国の軍事費を削減し、ひいては民衆の税負担を軽減した。

最も重要なのは、本来なら戦場で死ぬはずだった多くの兵士が妻子のもとに帰ることができたことである。

同時に、トーランは死霊術がこの国を深淵に引きずり込んでいることを見抜き、死霊術の廃止を命じた。

これにより、元々無感覚だった民衆は再びこの国に希望を抱くようになった。

 

【998年】

トーランはクーデターで崩御し、骸骨の暴君となった

 

トーランはこの一連の大胆な改革措置は、リスクに満ちたものであることが運命づけられており、多くの人々の利益を侵害することは間違いありません。

戦争を主張するイーグル派の貴族、戦争で利益を得る商人、そして死霊術師たちは皆、トーランを敵と見なしています。

矛盾がますます激化する中、改革に不満を抱く政治家たちはトーランの統治を覆そうと決意しました。

彼らは密かにトーランの弟エドウィンを支援し、資金を提供し、宮廷の晩餐会でクーデターを起こしました。

このクーデターは最終的に玉石混淆の結末を迎え、トーランはクーデターで殺されました。

トーランの忠実な護衛であるグリーズルは、王を守るために奮闘し命を落としました。

グリーズルはケハディマンの声を聞きました。

王の復讐のために、グリーズルはケハディマンと契約を結び、殺意に満ちた亡霊騎士として生まれ変わり、エドウィンを含むすべての反乱軍を斬り殺し、その後、王トーランの遺体を持って王宮を去りました。

これらすべては恐怖の主ケハディマンの計略の中にあり、その後ケハディマンはグリーズルの王への忠誠心を利用し、彼を誘導してトーランを復活させました。

裏切りと生死の輪廻を経験したトーランは、元々慈悲深い王から、怨念に満ち、疑り深い性格の骸骨の王へと変わり、その高貴な魂は完全に堕落し、ケハディマンの奴隷となってしまいました。

 

【1002年】

バンティス帝国が滅び、死霊の荒地となった

 

一方で、その血に染まった宮廷クーデターは帝国の存続の最後の一筋の生機を完全に奪い去った。

国王と反乱者が共にクーデターで命を落としたため、帝国は一時的に指導者不在の混乱状態に陥り、さまざまな政治勢力が空位の王位を巡って内乱を繰り広げ始めた。

複雑な内乱に加え、外敵も続々と襲来した。

かつてバンティス帝国に侵略された外族勢力は、帝国が指導者不在の隙を突いて反撃を開始した。

彼らの軍隊はバンティス帝国の国境を突破し、徐々に帝都に迫り、かつては無敵だったこの帝国を分割しようと企んでいた。

帝国全体はすでに人心が離れ、特にかつて彼らに愛された老国王が亡霊に堕ちたことを知ったとき、再び燃え上がった希望は完全に消え去った。

すべての帝国の民は、帝国の運命が衰退し、終わりに近づいていることを明確に理解していた。

これは同時にケハディマンの計略の一部でもあり、彼は人間の脆弱性を見抜いていた。

彼は人間が災害に直面したとき、または極度の恐怖、絶望、無力感に陥ったときに理性を失い、精神的な寄り所を求め、超越的な力に崇拝を抱くことを知っていた。

悪はしばしばこの隙を突いて入り込む。

ケハディマンの信者たちは、彼らの死の教義と虚無主義を大々的に宣伝し、絶望的な人々により堕落した運命論を吹き込み、もともと死に対する執着を持っていた帝国の民衆は、死がもたらす永遠を疑うことなく信じるようになり、ますます多くの人々がケハディマンの信者となった。

その後の数年間、バンティス帝国の王権は絶え間ない内乱の中で何度も交代し、政治派閥は頻繁に入れ替わった。

外族の侵入に直面し、主心骨を失った帝国の兵士たちは消極的に戦い、次々と敗北を喫した。

このようにして外族軍は勢いを増し、帝都の城壁の外にまで迫っていた。

この風雨に揺れる帝国は崩壊寸前で、すでに狂気に陥った民衆は死の懐に飛び込む準備を整え、恐怖の主ケハディマンが彼らに約束した再生を受け入れようとしていた。

少数の理性を保っている人々は、ただ無力に神々に祈るしかなかった。

外族軍が城を破ろうとするその瞬間、外で長年流浪していた骸骨の王トーランが帝都に戻ってきた。

彼は恐ろしいグレイヴボーンを率いて、外族軍に向かって猛然と突撃を開始した。

外族軍は兵力が充実していたが、兵士たちは結局肉体を持つ凡人であり、恐ろしいグレイヴボーンに直面すると本能的な恐怖を感じた。

さらに致命的なのは、これらのグレイヴボーンはほとんど殺すことができないことであり、凡人にとって致命的な傷はこれらのグレイヴボーンには何の効果もなかった。

極度の恐怖と取り返しのつかない凋落の中で、包囲された外族軍はすぐに崩壊し、城壁に立つ帝国の民衆はこの光景を見て死霊教義をますます信じるようになり、城門を開いて一方的な虐殺に加わった。

外敵を追い払った後、骸骨の王トーランは再び国王の名のもとに帝都を掌握し、帝都の生きている人々をすべてグレイヴボーンに変え、ケハディマンの奴隷にしたーーこれらの人々が心から従ったのか、あるいは強制的に魂を捧げたのかは問わなかった。

これ以降、バンティスは完全に死者の国となり、かつて一方を支配していた人間の帝国は永遠に悪霊の影に埋もれてしまった。

 

【1003年】

恐怖の頭蓋庭と黒鉄の牢獄が設立され、トーランは横暴な政治を行った

 

トーランはバンティス帝都を再び掌握した後、恐怖の頭蓋庭を中心とした亡霊政権を樹立しました。

恐怖の頭蓋庭はかつて帝国王宮の議政ホールであり、歴代のバンティス王がここで朝廷を開き、政務を処理していました。

トーランが骸骨の王の名の下にバンティス都城を再び掌握して以来、彼は過去と同様に帝国王宮の議政ホールで政務を執行しています。

しかし、過去と全く異なる点は、トーランがもはや慈悲でこの国を統治していないことです。

代わりに、彼は恐ろしい鉄の拳で統治し、今や完全な亡霊暴君となり、極めて残忍で専制的です。

トーランは自らの政務ホールを恐怖の頭蓋庭と改名しました。

同時に、恐怖の頭蓋庭には狡猾で悪意に満ちた亡霊の謀臣たちが集まり、彼らはトーランを補佐し、狂気で恐ろしい暴政を実施しています。

もし亡霊がトーランに逆らう勇気を持てば、彼らは拷問と苦痛に満ちた黒鉄の牢獄に投獄され、魂の破壊を受けます。

恐怖の頭蓋庭と黒鉄の牢獄の設立に伴い、トーランの統治はさらに強化され拡大されました。

彼はすべてのグレイヴボーンを統治下に置くだけでなく、ブライト王国にも目を向けました。

恐怖の頭蓋庭の智謀に富んだ策士の提案により、トーランが掌握する亡霊政権はブライト王国を征伐し、その土地を怨霊に満ちた死霊の地に変えようと計画し始めました。