SPルシウス【ブライトの誓い】
概要
呼称 | ブライトの誓い |
陣営 | ブライト王国 |
ストーリー
空の色が暗くなってきた頃、疾走する馬車は寒風の中、ブライト王国の辺境へと向かっていた。
不吉な黒い星が落ちて以降、元々は単独行動をしていたカタストロフが急に統一的な組織を持つようになった。
カタストロフは絶えず辺境を侵略し、軍隊の損害は甚大だった。
ブライト聖堂の聖職者として、ルシウスは命を受けて数人の牧師を連れて前線の支援に駆けつけた。
ロヴィス将軍は幕舎から出た。
長く戦場にいた将軍の目は疲労で満たされ、硝煙の匂いと乾いた血の跡で彼の甲冑の輝きは失われていた。
彼はルシウスを強く抱きしめた。
「来たのか、息子よ」
「父上、聖堂の命を奉じて、負傷兵の治療に参りました」
ロヴィス家はブライト王国で名高い軍人の一族だ。
ライアン家と共に王国の二大柱と呼ばれる。
ロヴィス家当主の子として、ルシウスは生まれた時から大きな期待を寄せられてきた。
寒い時も暑い時も戦闘技術を身に着け、軍事戦略を学び、戦場を駆け回るための基礎を磨いてきた。
当時、誰もが期待していた。
いつかルシウスが父親の甲冑を受け継ぎ、一族を背負う使命を果たし、新たな将軍となることを。
しかし戦争の残酷さを目にした後、戦場での功績はルシウスの望むものではなくなってしまった。
彼は戦争から離れることを選び、聖光の修行に目を転じた。
聖光によって命を救い、またあの苦しむ霊魂たちを救済したいと志を立てたのだ。
そのような決断をロヴィス将軍は理解できず、残念に思った。
しかしルシウスが自分の強く信じる道を見つけたことには、やはり深く安堵したのである。
父と語り合う暇もなく、ルシウスは牧師たちと共に支援活動に身を投じた。
彼らの聖光の魔法が、負傷兵たちの傷や痛みを緩和し、消沈していた兵士たちが少し生気を取り戻した…しかし突然、轟音が夜空を突き破り、カタストロフの大軍が夜の闇に乗じて奇襲を仕掛けてきた!
一瞬で兵士たちは混乱に陥った。
ルシウスの父親は直ちに軍隊を指揮して敵襲を防いだ。
しかし今回のカタストロフの奇襲の規模は皆の予想を遥かに超えていた。
兵士たちがすぐに前線に向かって勇敢に抵抗しても、荒れ狂う波のような敵襲を前に敗退した。
幕舎にいた牧師たちはパニックになった。
彼らの聖光の魔法は混乱した戦場でほとんど効果がない…しかしルシウスは彼らをなだめている暇がなかった。
ただ前線に向かい、父親と共にカタストロフを迎撃したかったのだ。
「ルシウス、聖堂の仲間たちを連れて早くここから離れろ!」
親衛隊のハルバートが衛兵を率いて反抗し続けるルシウスを幕舎から引きはがした。
ルシウスは目を大きく見開いて、父の姿がカタストロフの波に飲み込まれるのを見ていた。
彼の叫びが夜空にこだました。
戦場のより激しい絶叫にかき消されるまで…
奇跡は起こらなかった。
数か月後、ハルバートが傷だらけになって帰ってきた。
彼はロヴィス将軍の甲冑と剣と盾を持ち帰ったが、さらに最悪の知らせも持ち帰った…
ライアン家の男性が全員戦死した後、ロヴィス家も当主を失い、王国を支える最後の柱が崩れ落ちたのだ。
ハルバートは甲冑と剣と盾をルシウスの手に渡した。
ルシウスがロヴィス将軍の甲冑と武器を受け継ぎ、新たな将軍となって、軍を率いてカタストロフと戦ってほしいと思ったのだ。
かつてロヴィス将軍と共に戦場を戦った甲冑と剣と盾は、強大な神秘の力を秘めており、ハルバートが持ち帰る途中、引き付けられたカタストロフの襲撃を受けてしまう程だった。
幸い、彼はババリアの戦士の助けを得て、やっとのことでロヴィス将軍の遺品を持ち帰れたのである。
以前、ルシウスはずっと戦争や死闘から離れ、聖光をエスペリアの隅々まで広めれば、人々が苦痛から逃れられると強く信じていた。
しかし戦争は、決して彼ひとりが離れればなくなるものではない。
この数か月間、ルシウスは王国で奔走し、牧師を率いて負傷兵を治療し、人々の心の憂いを払ってきた。
カタストロフの攻撃が激しくなるにつれ、新たな負傷兵たちが聖堂の治療を待つようになる。
そして傷が癒えると、彼らは再び前線に駆けつけ、終わりのない戦火へと身を投じるのだ。
ルシウスはようやく分かってきた。
聖光は傷の痛みを癒やし、霊魂を慰めることができるが、苦痛をもたらす根源を消すことはできない。
「私は以前、無邪気に考えていた。聖光の道を追い求めることが、父上の翼の庇護から離れることだと。しかし実際には、ずっと父上の翼の下に守られていたのだ。私が聖光の信仰を自由に選ぶことができたのは、父のような軍人が、私たちのためにあらゆる危険を視界から遠ざけておいてくれたからだ」
ルシウスは父親の甲冑をそっと撫でた。
無数の血の跡と刀の跡が父親の勇気を伝え、また一族の使命を象徴していた。
辺境の戦線が壊滅し、カタストロフが残虐の限りを尽くす苦境で、彼は決断をしなければならなかった。
さもなければ、さらに多くの人々が愛する人を失い、家や故郷を破壊されて苦しむことになる…
国家は存亡の危機に陥っている。
ロヴィス家には継承者が必要だ。
王国は新たな将軍を必要としている。
軍を率いて再び体制を立て直し、将兵に自信を取り戻させるのだ。
ルシウスの目の前の迷いは消えていった。
彼は父親の甲冑を身に着けた。
輝く光はその堅く揺るがない信念のようだった。
彼が剣と盾を持ち上げたとき、一族の栄光と使命がここに集まった。
「私は力の限りを尽くし、王国のために戦う! 将軍としての職責を果たし、永遠にロヴィス家の使命に忠誠を誓う!」
以前、彼は守られる存在だった。
しかしこれから、彼は自分の命を懸けて一族の職責を果たし、この土地の無数の民の故郷を守りにいくのである。
ここに、ロヴィス家は新たな将軍を迎えた。
彼は父親のように勇敢でよく戦い、計略にも優れ、軍を率いてカタストロフの大軍の幾度もの攻撃を防ぎ、数えきれないほどの街をカタストロフの毒牙から救った。
同時に彼は心に慈悲と善意を持ち続け、何度も聖光で民の苦痛を慰め、戦乱の中の人々は再び未来への希望を燃やすようになった。
世間はルシウスの功績を称えた。
彼は謙虚かつ毅然とした心で兵士たちの前に立ち、将兵たちを率いて突撃し、勇敢に敵を倒した。
彼は命を懸けて栄光と信仰を守る。
カタストロフをすべて駆逐するまで。
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