ロン・シャオ

ページ名:シャオ

ロン・シャオ【碧水蒼龍】

概要

呼称 碧水蒼龍
陣営 竜族
身長 168㎝
趣味

・渓流での水遊び

・魚を捕まえること

好きなもの

・祖父が話す物語

・うっそうとした野原

嫌いなもの 干ばつなどの天災
現在地 幸せをもたらすため各地を巡っている

ストーリー

ロン・シャオは草木も生えない焦土を東に向かって進んでいる。

照りつける太陽の下に広がる景色を見て、彼女はいつになったら目的地にたどり着くのか、予想もできなかった。

今はまさに試練の年で、冬から一切雨が降っていない。

人々は最初こそ貯水を頼りに暮らしていたが、井戸が枯れ、川底が干上がるにつれて絶望が広がっていった。

必死に新たな水脈を探したが、干からびた川底を掘り返しても、出てくるのは乾ききった土ばかりだった。

果てには、枯れた草の茎から最後の一滴を絞って飲もうとする者まで現れた。

そして始まった飢きんにより、飢餓に苦しむ人々は地中に埋まっているしなびた農作物を掘り起こして飢えをしのぎ、枯れて朽ちた枝葉すら貴重な食糧と見なすようになった。

絶望が人々の心をむしばみ、かつてあった団結力は薄れていった。

人々もこの乾いてひび割れた大地のように、バラバラになっていった。

ロン・シャオは子どもの頃から祖父と支え合って生きており、裕福ではないが穏やかに暮らしていた。

干ばつが起きた今、2人ができる限り節約したところで、貯水の枯渇という苦境からは逃れられない。

幼いロン・シャオはまだ耐えられるが、祖父はこの夏を越せるかどうか…

ロン・シャオは拳をきつく握り、

「おじいちゃん、私、龍湖で龍を探してくるよ」

と決意を固めた。

やせ細った老人は、心配そうに孫娘を見ながら言った。

「はぁ、龍を探すことの代償が分かっておるのか?」

ロン・シャオは耳慣れた歌を思い出した。

「龍を探しに湖を訪れ、龍は人を帰さず。恵みの雨は大地を潤し、百年龍は再び眠る」

潭息村に大昔から伝わる伝説がある。

「神龍は100年ごとに龍湖に身を隠し、その龍が眠ると干ばつが起こる。ロン・シャオのいる氏族は龍探しの使命を負っており、飢きんが起こると氏族の1人を龍湖に向かわせて神龍を呼び覚ます。だが龍湖までの道のりは険しく、神龍を起こして戻ってきた者は誰もいない」

「龍探しに赴き、神龍を起こした者は龍の供物となる。そうすることで神龍は再びこの世に姿を現わすんじゃ…」

祖父の声は震えていた。

「お前のひいじいさんも龍探しに行って戻ってこなかったんじゃよ…」

「おじいちゃん、龍探しの代償は私も知ってる…でも私が行かなきゃ、みんな死んじゃうんだよ!」

ロン・シャオは知っている、龍探しに向かった先に何が待ち受けているのか。

しかし、干ばつによってみんなが、そして愛する家族までもが苦しんでいるのを黙って見ているわけにはいかなかった。

「おじいちゃん、これ以上もたもたしていられないの。明日の朝には出発するね」

老人は孫娘の手を握り、名残惜しげにこう言った。

「我が孫よ、わしは老体ゆえにお前と共には行けぬ…」

夜が更ける中、2人はそれ以上言葉を交わさなかった。

心の中にはたくさんの言葉が湧き上がっていたが、2人で過ごす最後の夜の中では、言葉は沈黙に変わった。

ロン・シャオは、もはや自分がどれだけ山を越えたか分からなかった。

足の裏にできた血豆が破れた痛みはとっくに麻痺していた。

湿った霧を久しぶりに肌に感じて、彼女はようやく自分が切り立つ崖を登り、苔むした頂上に立っていることに気づいた。

龍湖はすぐ下だ。

彼女が震えながら見下ろすと、激しい渦と底の見えない暗闇に引き裂かれるような感じがした。

崖から飛び降りれば彼女の体はバラバラになるか、龍に吞み込まれることになるだろう。

どちらも凄惨な死に方だが、干ばつにあえぐ人々の姿を思い出せば、ためらうことはない。

「ここから飛び降りれば、干ばつが終わるんだ」

ロン・シャオは深呼吸をして、龍湖に飛び込んだ。

まるで小石が湖に投げ込まれたように、渦の中に小さな水しぶきが起こり、あっという間に影も形もなくなった。

それからどれくらい時間が経っただろう。

ロン・シャオがようやく目を覚ますと、そこには湖の底の空間が広がっていた。

霧が立ち込め、あらゆるものが静止したかのように見えたが水はゆっくりと流れ、まるで夢のようだ。

彼女はふらつきながら立ち上がり、別世界に来てしまったのではないかと疑っていると、龍の声が広大な空間に響き渡った。

驚いた彼女は地面に倒れ込むと、そばに流れる水に映った自分の恐ろしい姿を見た。

彼女の頭には、なんと2本の龍の角が生えていたのだ!

ロン・シャオが驚いて呆然自失に陥っていると、龍の咆哮が聞こえてきた方から、もやがたなびいてきた。

目を凝らすと、もやの中からかがり火のような瞳が現れ、その上には龍の角が高々と伸びていた。

威厳ある龍魂と対峙したロン・シャオは恐れつつも、興奮を隠しきれなかった。

うまくいったのだ!

姿を隠していた神龍を目覚めさせたということは、もうすぐ天災が収束するということだ。

だが彼女は、これから自身が巨龍に呑み込まれることに怯えていた。

「子供よ、恐れるな」

龍魂の声が、ロン・シャオにわずかな安心をもたらした。

「我はそなたの曾祖父だ、ずっと待っておったぞ」

「ひいおじいちゃん? でも、あなたは…」

ロン・シャオは、かつて龍探しに赴いた曾祖父が龍魂としてここにいることが信じられなかった。

龍魂は彼女の心の内を見透かした。

「我が氏族はもとより、世間に紛れし神龍の一族なのだ。龍門である龍湖をくぐれば、我が氏族の血が目覚め、真龍となる」

「じゃあ…私も龍になったの?」

ロン・シャオは戸惑いながら頭に生えた竜の角に触れ、すべては幻覚でないことをようやく確信した。

「民のために犠牲を払おうとする者は、龍となれる。そなたがここへたどり着けたのは、当然のことだ」

龍魂の曲がりくねった体が、流れる水の中でとぐろを巻き、ロン・シャオに恵みの雨が降った後のめでたい光景を示した。

「さぁ、行け。そなたが俗世に百年の幸福をもたらすのだ」

龍魂はそう言うと、湖の底に幻のように消えてしまった。

恐ろしい雷鳴がとどろくと、雨がせきを切ったように降り出し、干からびた大地はようやく恵みの雨に濡れた。

人々は雨音を聞きつけると次々に家を出て、歓声を上げた。

ロン・シャオはまっすぐ西へ向かい、潭息村の上空へと戻ってきた。

長いこと待って、ようやく祖父が老体を引きずっているのを見ると、ゆっくりと雨の中へと消えた。

老人は久しぶりの雨を浴びながら、嬉しそうな笑みを浮かべた。

だがしばらくすると、がらんとした部屋に、悲しみと孤独に満ちた眼差しを向けた。

突如として軽快な龍の咆哮が空に響き渡り、青い影が雲間を縫った。

それはまるで天と踊り、彩雲に乗って旋回しているようだった。

老人はその青い影がうねる吉兆の雲の中に消え、雨だけが降り続けて万物が力強く息を吹き返すのを見ていた。

 

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