メリオン

ページ名:メリオン

メリオン【ルールの護り手】

概要

呼称 ルールの護り手
陣営 竜族
身長 178㎝
趣味

・法律研究

・チェス系のゲーム

好きなもの

・確かな証拠

・清潔な環境

嫌いなもの 各種の違反行為
現在地 竜の島
現在の身分 竜族の監察官

ストーリー

メリオンは人々から尊敬を集める優秀な監察官だが、自分の心に従って3つの決断を下したために、停職の危機に陥っていた。

事の発端はわずか4ヶ月前、たっぷりと日差しが降りそそぐある昼下がりにさかのぼる。

当時、絶対的規則の象徴だった『守り人』は、人々と私的な関わりを持ったという噂を立てられていた。

メリオンは秩序と規則を維持するという志からすぐに『守り人』の潔白を示し、新たな容疑者を洗い出した…それは長老院で強権を誇る最年少の長老の部下であり、近い将来世論を揺るがすと言われている人物だった。

竜族が定めた厳しい規則は身分の違いに関係なく平等だったため、メリオンも当然のように行動を起こした。

彼は噂の手がかりをたどって正確に証拠を集めていき、その容疑者に、監察院の調査に協力するよう求めた。

すべてが呼吸のように当たり前の規則の中で行なわれた。

メリオンが取り組むべき仕事は、他の事務処理のみだった。

しかし彼がその仕事を終え、いつものように事件の処遇を把握しようとしたところ、監察院に容疑者の姿はなかった。

それどころか、容疑者が監察院に入った記録も、メリオンが提出した証拠も、跡形もなく消えていた。

メリオンはふと動きを止め、それからほぼ迷うことなく1つ目の「誤った」決断を下した。

若い監察官の突然の来訪に、監察院の院長は少し驚いたものの、笑みを絶やさず彼を迎えた。

いつも規則通りに身だしなみを整えているメリオンの性格は、竜族が築いた新たな時代のもつ寛容さと奔放さとは相容れなかった。

彼は控えめかつ保守的で、突飛な性格や行動を受け入れられず、竜族の古いしきたりを頑なに守ってきた。

歯に衣着せぬ物言いや、全員を平等に見る冷たい態度からは、彼が名声や、自身が人々に与える印象を一切気にしていないことが窺えた。

院長が彼の疑問に答えるまで、メリオンは様々な状況を想定した。

最悪のシナリオは、彼が集めた証拠に誤りがあり、冤罪をかけられた容疑者が世間の注目を集めて姿を消したことだ。

だがメリオンは責任から逃れたりしない。

堂々と、そして真摯に自身の過ちを認めて謝るだけだ。

「メリオン、私は誠実で才能のある有能な部下を持った」

と、院長はメリオンの誠意を認めた。

「お前は迅速かつ完璧に、自分の責務を果たしてくれたな。今後は他の業務に集中すべきだ」

「私はまだ処遇を聞いておりません」

「見ての通りだ。起きていないことに、処遇も何もないだろう?」

メリオンは眉をひそめて言った。

「起きた事象に痕跡はつきものです。私がその痕跡を集め、院長に示してみせます」

「メリオン、私の言っていることが分かるな?」

と、院長も眉をひそめたが、すぐに平静を取り戻した。

「お前が役割を果たさぬと言うのなら、お前を更迭して改めて忠誠心を測ってもいいんだぞ」

この重要な局面でも、メリオンはやはり即座に2つ目の『誤った』決断を下した。

彼は変わらず自身の仕事に誠実である勇気を持っていたが、事態はそう簡単ではない。

監察院を訪れる前にメリオンは調査を済ませていた。

容疑者は消えて、集めてあった証拠の前には壁が立ちはだかっている。

彼はやむなく新たな道を探るしかなかった。

結局、メリオンはあの最年少の長老のように『健全な』人間関係を有していなかったのだ。

メリオンが小さな違反行為に対し見て見ぬふりができていれば、少なくとも今日のようなことは起きなかっただろう。

彼は隠された証拠をこっそりと提供してくれる味方もなく、あからさまに脅されていた…メリオンの友人はそう言った。

逆境の最中に立たされたメリオンは、手がかりを整理しようと躍起になってメモ帳と向き合っていたが、メモを書く手をはたと止めた。

脳裏には、ふいにあの長老の姿が浮かんだ。

スカイランというその長老は豪快で決断力に富み、長老の座に就いてすぐに種族の若者たちから指示を得ていた。

『守り人』との私的な繋がりから容疑者を匿うとすれば、権力がある人物に違いない…

メリオンは猛然と立ち上がり、テーブルに広がる資料を素早くまとめた。

それを見た友人は驚き、彼に尋ねた。

「どうするつもりだ?」

「原点に立ち返り、私の推測を証明するための証拠を集めるのです」

「少し待ったらどうだ?」

と、友人は不安げに言った。

「お前がまだこの件を嗅ぎ回ってるって知ったら、きっととんでもなく厄介なことになるぞ」

「私がそんなことを気にしないことは、あなたもよく知っているでしょう?」

友人は当然メリオンの考え方を分かっていたため、静かにため息をついた…他の者は彼の仕事熱心な行動に疑念を抱いたかもしれないが、友人は彼がそこまでする理由を誰よりも分かっていた。

幼い頃、メリオンの兄が規則を破って竜の島を出ていった。

本当は止めるべきだったが、優しく感情豊かだったメリオンは、規則よりも人情が大事だと考えて兄の違反行為を見逃した。

それが悲劇となって彼の兄は事故により亡くなり、遺体が故郷に帰ってくることはなかった。

誰もこのことでメリオンを責めたりしなかったが、幼馴染みである友人は、彼が自責の念を抱き続けていると分かっていた。

メリオンの兄は自らの命と引き換えに、1000年もの間存在し続ける規則が形ばかりのものではなく、軽んじれば大きな代償を払うことを彼に教えてくれた。

「それがお前の決断なのか?」

と、彼は言いかけてやめ、仕方なさそうにため息をついてこう言った。

「お前は誰よりも自分の誓いを大事にする奴だな」

メリオンは何も言わず、友人とすれ違う時にわずかに頷いた。

彼が足を早めるにつれて重々しいローブもわずかに揺れ、じきに友人からは曖昧な後ろ姿しか見えなくなった。

友人は再びため息をつき、ぼんやりとしているとあの日の就任式に戻ったような気がした。

太陽の下で新任監察官として宣誓していた彼と、現在の彼は同じように背筋を真っ直ぐに伸ばしていた。

「私は、今後の行動を意識的に抑制することを、ここに自らの意志において誓います」

「私は竜族の監察官としての職責を果たし、種族の尊厳と存続を守るために力を尽くします」

「種族や血統、地位、部族や主張にかかわらず、監察官として平等に対峙します」

「様々な嫌疑や脅威、苦境に直面しようとも、私は自らの責務を果たします」

「私は竜族の正しい決断と行動を守る支えであり、無知な者たちを誤った道から追いやる剣となります」

 

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