モゾス【飢えた大食い】
概要
呼称 | 飢えた大食い |
陣営 | カタストロフ |
ストーリー
とある海域で船乗りの航海日記が発見されたーー
モニカ号 船乗りの航海日記
7月3日 晴れ
ラスティーアンカーに停泊して
すでに3日が過ぎている。
早くここを離れたいけど、
俺が乗っている船は密輸船だから仕方がない。
密輸品はここのブラックマーケットでしか
売れないからな……。
ここはマフィアの巣窟だって
噂では聞いていたけど、
ここまでひどいとは思わなかった。
昨日は『ブラッディ・マリー』と
『ブルーデーモン』の奴らの紛争に
巻き込まれたんだ。
しかも、コックと船乗り一人が
逃げ遅れて死んじまって……。
船長は臨時でラスティーアンカーから
代わりとなる奴を二人雇うと言った。
どんな奴かと見に行ってみれば、
新しいコックはなんか汚ぇし、
血なまぐさい臭いをプンプンさせてた。
おいおい、コックがこんなんでいいのかよ。
そのコックは船に木で作った像を
大事そうに運び込んでた。
身体から手が4本生えてて、
デカイ腹と同じようにデカイ口がついてる。
すげぇ不気味な像だった。
ラスティーアンカーには
色んな輩が集まってくるって聞くし、
異教徒がいてもおかしくない。
どうやらこの像を神様として
崇めているようだけど、
用心するにこしたことはない。
それにひきかえ、
新しい船乗りは、見た目は結構賢そうだ。
だけど、奴は船に上がった途端、
俺たちに親指にはめている翡翠の指輪を
見せびらかしてきたんだ。
ずっと前、ここに寄った海賊から
奪ったものだと自慢してた。
……あんまり賢くなさそうだな。
モニカ号 船乗りの航海日記
7月8日 曇り
ラスティーアンカーを離れて二日目、
不運なことに海上に霧が立ち込めてきた。
気でも狂ったのか、
船長はコックの話を聞いた途端に
この霧の中に進めと命令した。
船乗りなら知っていると思うが、
霧の中を進むのは得策ではない。
コックの奴、何言いやがったんだよ。
だけど……新しいコックが作った料理は
なかなかうまかった。
特にこの肉を煮込んだスープ!
こんなうまいスープ初めて飲んだぜ。
そうだ、コックといえば……。
昨夜、用を足しに出た時だった。
キッチンの前を通り過ぎたら、
コックが像の前でなにかブツブツ言ってたんだ。
寝起きだったせいか、
腹についている口が俺に向かって
ニヤッとした気がして、洩らしそうになったぜ。
この事をジェイソンに話したら、
お前が寝ぼけてただけだろって嘲笑いやがった。
ジェイソンっていうのは、
新しく入った自慢話しかしない船乗りの名前だ。
こいつは、自分が海賊だった頃の武勇伝を
毎日話してくる。
しかも毎回言ってることが違うんだ。
この前はラスティーアンカーに立ち寄った
海賊から奪った翡翠の指輪だって豪語してたが、
今日はある貴婦人の部屋から盗んだものだと
言ってきやがった。
とんだホラ吹き野郎だ。
モニカ号 船乗りの航海日記
7月12日 曇り
くそっ!
もう4日も経っているのに霧が一向に晴れない。
こんなに長く続く霧なんて見たことがないぞ。
霧の中じゃ方向が全くつかめないし、
その上コンパスも動かねぇ。
ずっと前に熟練の船乗りから聞いたことがある。
この海には、
冥域トライアングル地帯っていうのがあって、
そこに入った船は二度と出られないって。
まさかこの船も、
冥域に入ったんじゃないだろうな?
モニカ号 船乗りの航海日記
7月??日 天気真っ暗
ここに迷い込んでもう
どれぐらい経っているんだろうか。
霧に包まれて、辺りは真っ暗。
昼と夜の区別もつかない。
食料は数日前に底をつき、
船内をうろつく鼠ももう食べ尽くした。
海面は腐ったような臭いがプンプンして、
魚なんてどこにもいやしない。
そんな時、ジェイソンが真っ先に倒れたんだ。
もともとあいつはやせ細っていたからな。
恐らく数日も持たないだろう。
それにしても……。
倒れてるのに翡翠の指輪を固く握りしめている。
誰かに盗られるのがそんなに嫌なのか。
そんな食えないもの、誰も興味ねぇぞ。
モニカ号 船乗りの航海日記
7月??日 天気真っ暗
なぜか美味しそうな香りが
キッチンから漂ってきた。
ついに俺はおかしくなったのか……?
確かめようって気持ちよりも、
空腹な俺は匂いに誘われるように、
フラフラしながらキッチンに向かった。
そこには船長と副船長、
それに他の船乗りもいた。
コックは大きな鍋から
熱々の肉煮込みスープをすくって、
みんなに分け与えている。
満面の笑みで俺にもスープをくれた。
どこから来た肉なのか……。
そんなの考える暇なんてなかった。
うん、食べてから考えよう。
二杯目を飲み終えた時、何かが喉に詰まった。
骨かと思って吐き出してみたら……。
翡翠の指輪だったーー
モニカ号 船乗りの航海日記
?月??日 天気真っ暗
ここ数日、
肉煮込みスープを振る舞われることは
少なくなっていた。
船にはまだ船員がいっぱいいるから仕方がない。
次は誰なんだ……?
そう思ってたら、なぜか視線を感じる。
コックが俺をジロジロ見ていたんだ。
なにか企んでいるに違いない。
先手を打つしかない!
モニカ号 船乗りの航海日記
?月??日 天気真っ暗
コックがいない隙に、
俺はこっそりキッチンに入り奴を待ち伏せした。
そして、その時が来た!
俺は物陰から飛び出し、
コックの首を締めようとした。
だけど、奴は結構いい反射神経をしていて、
俺の攻撃を瞬時にかわし、
肉切り包丁で反撃してきたんだ。
俺は素早く避けたが、腹部をわずかに切られた。
このまま殺されるのはごめんだ!
俺は奴から包丁を奪って、
首の動脈を思いっきり切りつけた。
キッチンの床に血の海がどんどん広がってく。
死ぬのは自分だと理解したコックは、
なぜか像に向かってこう叫んだんだ。
「どうして俺なんだ?
あなたのためにあれだけの生贄を捧げたのに!
助けてくれ! 偉大なるモゾスよ!
俺を見捨てないでくれ……!」
だが、その像は何も答えなかった。
そりゃそうだろ!
哀れな奴め!
お前の神はお前なんか助けてくんねぇよ!
神に見捨てられたんだ!
今日は久々にまた肉にありつけるな。
モニカ号 船乗りの航海日記
?月??日 天気真っ暗
とうとう俺だけになってしまった。
俺、やっぱりおかしいのか?
いや生きるためなら誰でもやるだろ。
俺は血まみれになったキッチンの床に
座りながらこの日記を書いている。
あー……腹から腐った臭いがする。
あのコックに腹を切られたところだ。
船医は最後まで残しておくべきだったな。
傷口が少しずつ腐り始めてる。
……?
なにかに見られている気がして振り向いた。
あの像だ。間違いない。
デカイ腹にある大きな口が
俺を見て笑ってるんだ。
くそ……! なんなんだよ!
そう思った瞬間、腹に激痛が走った。
俺の腹が傷に沿って切り裂かれていく。
さらに大きく口を開けたそいつは、
長い舌で俺の腹をえぐり取ってーー
モニカ号 船乗りの航海日記
?月??日 天気真っ暗
ハラヘッタ……ニク……シンセンナニク……
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