ホロス

ページ名:ホロス

ホロス【マイスターハンド】

概要

呼称 マイスターハンド
陣営 セレスチアル
種族 ヒューマンから昇格した神
身長 176㎝
趣味

・学術研究

・機械製作

好きなもの

・独創的な創作物

・未知の書類

嫌いなもの

・神々に対する裏切り

・間違っている設計図

故郷 ソトロン大陸
現在地 エスペリア
現在の身分

・エスペリアのセレスチアル

・マイスターハンド

ストーリー

ホロスは夢を見たーー

彼は夢の中で、自分が作り上げた

巨大な『空天艦』に乗り、雲を飛び越え、

神々の住処である山々の頂にたどり着いた。

そして、聖なる光がホロスを照らす。

彼は何かを感じ取ったのか、

不思議と涙がとまらなかったという……。

 

職人の家に生まれたホロス。

彼は生まれつき体が弱かったため、

1歳の時に大病を患ってしまった。

死の淵をさまよっているホロスを見た父親は、

果てしない悲しみに覆われる。

そして、藁にもすがる思いで

神々に願ったのだった。

 

「どうか、この子を助けてほしい……

もし命を助けてくれるなら、

この子を一生、神々に仕えさせるので……」

 

その願いが聞き入れられたのか、

数日間、高熱を出して意識朦朧としていた

ホロスが奇跡的に目を覚ましたのだ。

その後、体が弱かったのが嘘のように

元気に育っていった。

物心がつく頃から、ホロスはほかの子供より

機械工学に秀でていて、

素晴らしい才能を発揮し続けていた。

 

ホロスが生きていた時代は、

後世で『神々と肩を並べた時代』と

呼ばれている。

人間が驚くスピードで魔法文明を築き上げ、

自然をも支配していたからだ。

神から授かった魔法の力で、

雲を貫くほどの高い建物を次々と建造したり、

いかに自分の魔法が華麗かを競い合ったりと、

次第に傲慢になり、自らの力に溺れていった。

だが、どれだけ強力な魔法が使えるとはいえ、

所詮は人間。

ほとんどの人間はその難しい理論に挫折し、

最高峰の魔法を使うことはできなかった。

最後まで魔法の真髄を追い求め、

そこへたどり着いた者は、

ごくわずかだったのだ。

 

ホロスが得意とする機械工学の道も、

決して平坦ではなかった。

平凡な人間に天才の考えは理解できない。

周囲から疎まれたり、

才能を嫉妬されたりしても、

内気な性格だったため何も言い返せなかった。

その態度がまた周囲の人間にとって

気に食わなかったようで、

ホロスはいつも白い目で見られていた。

 

そんなホロスにも数は少ないが友人はいた。

カイザーという青年はそのひとりだった。

ホロスが学院の生徒にいじめられた時、

唯一彼を庇ったのがカイザーだったのだ。

このことがきっかけで、2人は友人となり、

成人してもその友情は続いていた。

 

その後、上流階級に上り詰めたカイザーは、

ホロスが学生時代から構想していた

『空天艦』の建造をホロスに依頼する。

 

『空天艦』ーー

 

それは、ドラゴンの飛行能力をも超え、

神の住処と言われている山々の頂に

たどり着くことができる、

ホロスが考案中の飛空艇のことだった。

 

カイザーの経済支援を得て、

ホロスは『空天艦』の設計に全力を

注ぐことができた。

 

長い年月が過ぎーー

天井まで積み上げられた紙。

その紙に描かれた設計図。

設計図をもとに部品がひとつずつ出来上がり、

『空天艦』の完成が間近になっている

様子を見て、

少年時代の夢がついに実現できると、

ホロスは確信した。

 

10年後ーー

ついに最初の『空天艦』が完成する。

人々は大いに喜び、

国中でカイザーの人気が急上昇した。

そうしてカイザーが王国の権力を握ると、

人間は『神々と同等の存在』になるため、

計画をし始めた。

 

カイザーはこの傑作品を眺めながら、

ホロスに語りかける。

 

「ホロス。エスペリア大陸の運命を、

自分の手で動かしたいと

思ったことはないか? 

もし、永遠の命を手に入れる秘術を

神々が私に授けてくれるのなら、

私は神々に最大の敬意を払う。

しかし、授けてくれない場合は……

この飛空艇をただの乗り物にするのではなく、

戦艦にして神々に挑むことになるだろう」

 

親友の野心にホロスは驚きを隠せなかったが、

すぐに反論をした。

 

「それには同意できない。

君がしようとしていることは、

神に対する冒涜だ」

 

「我が友よ。

かつて君を踏みにじった者たちのことを

忘れたのか?」

 

カイザーは両手を広げて話を続ける。

 

「なぜエスペリア大陸の神々は、

常に我々の上に君臨できる? 

それは永遠の命があるからだ。

上に立つことができれば、

もっと多くのことができるようになる。

人間に魔法を授けることもできるし、

人間を踏みつけることも可能になるのだ」

 

カイザーはホロスを説得しようとするが、

彼は首を縦に振らなかった。

間髪入れずに、『空天艦』を完成させた

ホロスに、自分の武器と鎧を作るよう頼んだ。

 

「人間の命は短い。

神々の注目を浴びるほど、

長生きはできないのだ。

人間が神々と同等の存在になって何が悪い? 

神々がいつ我々を滅ぼすかも

わからないのだぞ」

 

『空天艦』を作るにしても、

自分に対して異論を唱える政敵を

粛清するにしても、

カイザーにとっての最終目的はただひとつ。

神々をも超える、

絶対的な支配者になることだった。

これに気づいたホロスは、

今後はカイザーに協力することはできないと

要求を拒んだ。

父親の影響を受け、幼い頃から神々に対して

畏敬の念を抱いていたからである。

 

ホロスとカイザーの意見が対立してから

すぐのことだったーー

ホロスの工房で爆発が起きたのだ。

ある人は、この爆発事件によってカイザーが

政敵を排除するための見せかけだと言い、

ある人は、カイザーに対立する者への

警告だと言う。

いずれにせよ、策略に長けたカイザーにとって、

これは戦争を起こすための

絶好のチャンスであったことに間違いない。

このことをきっかけに、カイザーは圧倒的な

兵力で人々を制圧していった。

 

爆発により、

ホロスの体はバラバラになってしまった。

だが、再びホロスが気がついた時、

常人では到底理解できない場所に来ていた。

手足は当然動かない。

ぼんやりと意識だけがそこにある、

という不思議な感覚だった。

そこは人間の想像を遥かに超えた、

神々のみがたどり着くことができる

空間だった。

ホロスはここで時間を見ることができた。

そこで見たものは……

人間が万物を創造し、

長き時の流れが人間を創造した、

ということだった。

それに加えて、

人間が俗世の規則や人間の弱みに縛られ、

自分の限界を越えられないことも

目の当たりにしたのだ。

事実を知ったホロスは愕然とする。

そこへ、1人の神がやってきた。

ホロスが書いた設計ノートを見ながら、

彼に語りかける。

 

「人間はちっぽけな存在だが、

この作品は実に偉大だ。

お前のものづくりに対する知恵と熱情が、

お前自身をほかの人間よりも

創造物の本質へと近づけた。

創造には破壊よりも価値がある。

心を込めて作るということが、

なによりも大切なことなのだ」

 

神の話が終わった瞬間、

ホロスは自分の体の中に、なにか

とてつもない力が流れ込んでくるのを感じた。

すると、爆発によって

バラバラになったはずの体が、まばゆい光を

帯びながら再構築されていくではないか。

ぼんやりとしていた意識が、

だんだんとはっきりしていき……

 

ホロスは神々に選ばれた。

エスペリア大陸に君臨する

神のひとりとなったのだ。

その瞬間、ホロスは創造の真理を理解した。

 

「いつもそこにあった物を、

今ようやくはっきりと見ることができた」

 

ドリーのコーナー

ホロスは、生まれながらにして神格を持っていたわけではない。

遠い昔、彼はたぐいまれなる才能を持つ、ただのヒューマンだった。

ヒューマンが神々と肩を並べる「黄金時代」に、ホロスは職人の家に生まれた。

幼い頃重い病気にかかったホロスは、神々の加護で命を救われ、それをきっかけに神々を信仰するようになる。

生き延びた彼は、すくすくと成長した。

工房の半製品を分解しては父が怒る前にそれを修復したり、新しいおもちゃを開発しては子供たちに売ってお小遣い稼ぎをしたりと、次第に、ホロスが天才であることが誰の目にも明らかになってきたのだ。

しかし、その才能は諸刃の剣のように、名声と同時に周囲の嫉妬をもたらすものであった。

批判を前にして、陽気な彼は次第に静かになってしまった。

やはり他人にもてはやされるよりも、学術の研究は彼にとって魅力的だったのだ。

そして、ホロスはますます引っ込み思案になった。

幸いなことに、運命はホロスを放っておくことはなかった。

「カイザー」という青年が彼の才能を高く評価し、そして二人は互いを魂の友と認め合い、親交を深めていった。

ホロスが成人すると、すでに高い地位を手にしているカイザーは、少年時代に夢見た「空天艦」を作るようホロスに勧めた。

カイザーの資金援助もあって、ホロスはその夢を実現し、ヒューマン初の「空天艦」を作り出したのだ。

しかし、夢が叶ったことを喜ぶ間もなく、友人の恐ろしい野望を知ることになる。

カイザーは「空天艦」を使って、神々に宣戦布告をしようとしたのだ。

若く信心深いホロスは、かつての友の冒涜と裏切りに耐え切れず、彼のために働くことを拒否したのである。

その直後、彼が働いていた工房で大爆発が起こり、ヒューマンであるホロスは爆風で命を落としてしまった。

そして次の瞬間、彼は神を目にしたのだ。

神は笑顔で彼を見つめ、その才能を讃え、その意志を認めた...

目を覚ましたホロスは、群山の頂に立っていたのだ。

そして一瞬にして彼はヒューマンの美しさと醜さ、そして世界の儚さを覚えたのだ。

この瞬間、彼は創造の真義を理解した。

創造は、常に破壊よりも意味がある...

創造を支配する神が、この瞬間に誕生したのだ。

 

スキン【影絵芝居の名工】

 

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