Lv.9
星霜を辿りし「最強」の概念。
64版を除いた大乱闘スマッシュブラザーズシリーズのCPUの行動パターンと、シリーズ毎の変化を纏めたページです。
尚、本項ではDX以降のスマブラシリーズ、及びCPUについて膨大な仕様と多大なネタバレが含まれています。本編の楽しみを損なう可能性があるので、閲覧は自己責任でお願いします。
・大乱闘スマッシュブラザーズX
2008年1月31日、Nintendo Wiiにて発売。ゲームキューブをも越えるハードスペックと、本ゲームに施された二層構造ディスクの容量増設により、ゲームシステムが更にパワーアップ。64→DX程転遷の幅は少ないが、順当に底上げされたメインコンテンツとコレクション要素は、Wii時代の隆盛期を支えた柱石を担うのに充分である。新たなる戦闘環境を携えた、スマブラシリーズ第三弾。主な略称はスマブラX。
子供からガチ勢まで大多数のユーザーから支持されていた傍ら、追随許さぬスピーディな試合テンポにより初心者の置いてけぼり感を否めなかったDX時代。この状況を垣間見たのか、スマブラXの全体的なスピードバランスはDX版や64版とは対照的に超スローリー。基本的なアクション面はDX版を順当に受け継いでいるが、各キャラクターの行動速度の低下を皮切りに、各種回避及び復帰の超強化、ガーキャン難易度の低下、崖掴まり判定の大幅拡大、更に吹っ飛び耐性の全面的な底上げ(具体的には約120%を越えて漸く撃墜できる状況)等々、防御側の対抗手段が過剰なまでに強化されている。
特に崖攻防の敷居は見違えるほど低下。従来の「崖掴まり阻止」は勿論、相手の頭を踏みつけて一時的に行動不能に陥らせる新システム「踏み台ジャンプ」は、復帰を試みる選手に猛威を振るう。
一部のハメ技を除いて、確定で刺さるコンボは激減。過去作とは試合環境が丸っきり異なるので、以前のシリーズをプレイした人程、操作感覚の違いに驚愕するであろう。
「最後の切りふだ」は本作を代表する目玉要素。宙を不規則に漂う新アイテム、「スマッシュボール」を破壊(取得ではない)したプレイヤーに、使いきりの超必殺技を授ける至極の逆転要素。最後の銘が示す通り、食らった側は還付なき妨害に見舞われ、或いは超攻撃力を以て灰燼に帰す。ただし一部を除いて
スマッシュボール破壊後はプレイヤーの瞳が金色に輝き、通常必殺技が「最後の切りふだ」発動モーションに置換される。正面一直線を焼き尽くすタイプであれば、単体に即死級の吹っ飛ばしを与えるタイプ、超広範囲に効果を及ぼすタイプ、別の姿に変身し一定時間戦場を蹂躙するタイプ等、その性能はファイター毎でバラエティに富む。
スマブラ初となるオンライン対戦も実装。
ただしパーティ用に搭載した防御手段とゲームスピードの低速化による弊害か、相手の隙を只管狩る「ガン待ち戦法」の萬栄により、後攻が圧倒的に有利になる事態が頻発。それだけでなく投げ技で一方的にハメる「投げ連」、即死級とも差し支えないアイテムの強化、超攻撃的なステージギミック、ダッシュした際に確率で行動不能に陥る不可解な要素「転倒」、そして存在自体が即死コンボの塊であるぶっ壊れファイター「メタナイト」の登場から、ゲームバランスは些か崩壊気味。
確かに初心者でも勝ちやすい環境ではあるのだが、過去作に慣れ親しんだ人やガチ勢からの評価は芳しくない。
良くも悪くも一新を果たしたシリーズ。そんな大味気味なスマブラXに君臨するCPUの行動パターンとは…。
・スマブラXのCPU
試合環境の変化が原因なのか、ハードスペックと二層ディスクの賜物か、はたまたDX版のAIがどうしようもない機械的だったのを鑑みたのか、本作もまた過去作とは別物のAIを搭載。以前の常識など通用しないレベルでとんでもない強化を施されている。
まず、先制で繰り出す行動パターンが状況問わず大幅に増設。ア〇ゴリズム体操の如き周期的かつ単調な接近手段は完全消失し、複数の接近パターンを以て攻撃対象を蹂躙する。64版程アクレッシブには動き回らないが、発動択の内包量は「対戦相手の現在状況に応じた対策を取るAI」が取柄だったDX版のCPUどころか、64版の不規則なAIをも上回る。
そのランダム性は地上のみならず、自身が吹っ飛ばされた後の滞空状態にも遺憾なく発揮。決してワンパターンではない複雑な移動ルートを構築し、相対する選手を徹底的に攪乱。実は滞空状態の「逃走経路模索AI」に関しては、次回作であるスマブラforよりも遥かに優秀である。
守備側が優勢である本作の環境を理解しているのか、X版のCPUもまた「ガン待ち」に臨む。行動パターンの択こそ秀でてはいるが、実際の攻撃密度は過去作より控えめ。しかしCPU特有の瞬間的迎撃能力は相変わらず凶悪。
特に、相手の攻撃を見てから完璧な精度で繰り出す「超反応ガーキャン掴み・上スマッシュ」は、本作を象徴する行動パターン。DX版でも超反応を利用したシールドリフレクトによる自己防衛行動こそ確認されてはいるが、超反応を本格的に攻撃方面へ活用するのはスマブラXが初。
しかし奇妙な事に、一部の超反応防御行動は攻撃対象が人間の時のみ発揮し、同じCPUが相手だと何故か作動しない。対戦相手によって基本行動を使い分ける二面性を併せ持つ。
超反応を基盤にした反動が祟ったのか、CPUもまた「ガン待ち戦法」には脆弱。彼らの先制攻撃は、対象が防御行動を取っていてもお構いなく発揮するため、彼らの戦闘スタイルとは相性が悪い。
崖攻防に纏わるAIは特に貧弱。復帰中は得意の超反応回避が作動できなくなる他、積極的に崖掴まりを狙うAIも相まって、「崖掴まり阻止」や「復帰ハメ」への耐性は紛れもないクソザコである。厳しい制約が課せられる一人用モード等の攻略で真面にやり合うのには厳しいので、ガーキャンを用いて崖外に押し込みハメ殺す方法が推奨されている。いわばAIの盲点を突いた戦法には壊滅的。
超反応こそピックアップされやすい昨今のCPUだが、四作目と比べればX版の行動パターンは大分マシ。確かにガン待ち寄り感は否めないが、CPU側が先攻するAI択は64版以上にも昇るため、実践に於いての行動確認や、CPUトナメへの適正は充分実用的。
ただし、対人間に限って熾烈を極める戦闘スタイルの登場や、理不尽と表現しても差し支えない「とあるAI」の存在から、スマブラXのCPUに対する評価は決して良いとは言えない。
X版のCPUのイメージは以後のシリーズの基礎を築き上げ、挙動の多様性を開花させたと同時に、超反応や理不尽に穿ったレベルデザインの危険性を証明させた、シリーズ屈指の問題児である。
基礎AI・地上戦闘系AI
…とまあ、ここまではDX版と全く同じ。しかし本作でのレベル間の相違点は、DX版を凌ぐ勢いで「各行動の作動頻度」に過剰傾倒しており、逆に「規定レベル到達による任意AIの解禁」への比率は然程大きく無い。その上作動頻度に関しては、低レベル帯でも既に高水準をマーク。
要するにLv.1のCPUですらもスマッシュや必殺技を使い、何事も無くガーキャン掴みを繰り出しては、相手の追撃技を超反応空中回避で切り抜ける状況が普通に起こる。
低レベル帯の戦闘力は全シリーズ中最強クラス。数値上は貧弱でも超反応を自重する気はハナから無い模様。レベルの定義ってなんだっけ
・Lv.1
正真正銘最弱のレベル。しかし肝心のAI作動頻度は前述の通りお察し。64版どころかDX、for最新版をも超越する攻撃密度を誇る。
Lv.1の段階で既に多数の戦術を身に着け、掴み技や空中技も容赦なく展開。復帰放棄なんて以ての外。最低レベルの癖して無意味な牽制技や防御行動をそこそこ放つため、彼らの展開する防護壁は想像以上に厚い。
勿論、強力なアイテムの出現を察知すれば、強欲に貪りに向かう。「最後の切りふだ」の発動タイミングも例によって超反応。
腐っても最弱クラスなのでサンドバッグに変わりは無いが、過去作の先入観で挑むと間違いなく驚くであろう。Lv.1の癖にちっとも大人しくない。
・Lv.2
Lv.1に若干毛が生えた程度の攻撃密度。特筆すべき変化はない。
・Lv.3
デフォルトではLv.3に設定されている。にしては随分と攻撃的。
超反応ガーキャンや空中回避は相変わらず自重しないが、上位のレベルと比べれば控え目な部類ではあるので、気軽に乱闘を楽しむのならばLv.3でも充分だろう。
・Lv.4
チャージ系必殺技への概念が加わる。相手との距離が遠い状態であれば、チャージモーションへ移行。
・Lv.5
Lv.5にて本作初登場の行動パターンが解禁。
CPUが撃墜され「復帰台」に立たされている状態で、対戦相手の誰かが「無敵状態」「ハンマー状態」「最後の切りふだ発動中」等の強力な効果が付与されていた場合、その状態が消失するまで「復帰台」から降りずに引き籠ってしまう。まさかのCPUが即降り拒否。
・Lv.6
レベルの向上に伴い、棒立ちの頻度が減少。行動密度に磨きがかかり、超反応の発生率が高まる。
受け身の解禁。精度はLv.9と一切変化なし。
射撃技への反応が過敏になる。例えゼロ距離であろうとも各種回避行動で難なく回避し、反射・吸収技持ちのキャラは、該当技を惜しみなく発動。
・Lv.7
復帰阻止を能動的に狙うようになり、一部のキャラは自発的な空中技、メテオを繰り出す。
Lv.7の段階では精度に難があるが、以後、レベルの向上に伴い命中率向上。
・Lv.8
棒立ち完全消滅。攻撃、防御、復帰阻止行動以外は常時足を動かしたまま。
・Lv.9
最大最強昇天必至。本作にて大量搭載された行動パターンを全開放。予期できぬN択行動による攪乱も含め、平地での戦闘力はトップクラス。ただしAIのスペックが低レベル帯でも既に高水準なので、高レベル帯とのイメージ差は然程乖離していない。
究極の攻防を実現せしプログラムは、対戦相手の自由を大きく阻害する。息を吸うかの如く繰り出される超反応ガーキャンは、鈍重な先制攻撃に対しての一方的な制裁。追撃を一切許さぬ超反応空中回避は、対空戦闘の常識を覆す。
しかし防御面に重点を置き過ぎたのか、攻めに関するAIは然程苛烈では無い。また、Lv.9と言えど復帰AIに関しては大した進展が見られず、崖外に放り込まれたCPUは多くの防御手段を失ってしまう。
飛来する危険因子の接近に対して、数分の狂いも無く展開されるオートガードシステム。与えられた無数の行動択と併用されたそれは、対戦相手の自由を著しく阻害すると共に、絶対的な反撃手段へと昇華される。本作のAIにおける「強さ」の根幹を成す要素。
最早スマブラX、及びそれ以降のシリーズでお馴染みになってしまった防御・回避・反撃行動。「超反応ガーキャン掴み・上スマ」の存在は、対CPUのみならず人間相手にも猛威を振るう、研ぎ澄まされた凶器の片割れ。
そんなCPUが繰り出す超反応防御AIの仕組みとは如何なるものなのか?順を追って解説しよう。
・相手が近接攻撃を使用した際の挙動
まず相手選手の攻撃モーションを察知したCPUは、その場で以下の四種類の行動パターンを発動する。
- 「約1秒間シールド展開」
- 「その場回避」
- 「相手選手の背後へ緊急回避」
- 「一瞬シールド展開→約1秒シールド展開→自身の後方へ緊急回避」
該当AIは相手選手の「攻撃モーション開始~一番最後の攻撃判定が消滅した直後」の間で発揮される。AI発動中はこれらの行動パターンをランダムで絶え間なく展開。
攻撃判定ではなく、あくまで攻撃モーションそのものをトリガーに作動している。またシールドを展開するタイプの行動パターンは、対戦相手が攻撃モーションを完了している状態でも、一連の行動パターンを全て出し終えるまで継続する。
自身が滞空状態の時は「超反応空中緊急回避」一択で賄う。此方も、相手の攻撃モーション開始と同時に作動。
また、シールドを貫通するタイプの技、掴み技、シールド削りの強い技に対しては「相手選手の背後へ緊急回避」の一点張り。上記の四種類の行動パターンを一々選択する間もなく、恐るべき反応速度を以てAIを直ちに切り替えてしまう。実質CPUは先制攻撃、先制掴みの類に凶悪無慈悲な耐性を誇る。
CPUのレベル間の相違点は各行動パターンの発動密度に傾倒し、発動スピード及び精度に関しては未調整。例によってLv.1でも平然と繰り出します。
尚、CPUが各防御行動を起こすタイミングは、攻撃モーション開始から2F後。発生1Fの攻撃判定には該当AIが間に合わず被弾してしまう。
シールド展開中はガーキャン反撃系AIを除いて何も出来なくなってしまう。ガーキャン掴みが得意なCPUではあるが、ガーキャンを成し損ねた彼らは投げ技への耐性が消失する。
―だが冒頭にも記載したように「超反応空中緊急回避」を除いたこれらの行動は、何故か人間限定で機能するという意味不明な仕様があり、同じCPUが相手だと大した抵抗を見せずに被弾する。先制攻撃手段に疎く、本来なら超反応ジャスガのエサにされるであろう本作のCPUの攻防AIを鑑みたとしても、やや不自然。
この謎AIの存在から他シリーズでも類を見ない、攻撃対象が人間かCPUかで基礎行動に影響を及ぼす、異質な二面性を併せ持つ。CPU戦を積み重ねたプレイヤーと、試合観戦に勤しんだプレイヤーとでは、彼らの印象はガラリと変わるだろう。
・ガーキャン反撃の仕組みと脅威
人知を超えた反応速度でプロテクトを図る姿は、CPUにとって恒常的な光景。DXでは単なる防御の枠に囚われた程度に収まっていたが、X以降のCPUは卓越した判断力を逆手に取り、絶対的な反撃を可能とするAIを獲得。シールド展開に纏わる全行動から発揮される。
シールド中に他者からの近接攻撃を貰った際、ガード後最速で大半の地上技を以て反撃に移行する。特に「掴み」「上スマッシュ」「後方緊急回避」は極めて高い確率で選択される。
ガード後に対象が地上に居れば「掴み」、滞空状態なら「上スマッシュ」、自身の背後に陣取っている状態なら「後方緊急回避」の確率が上昇。また各種反撃行動に移る際、シールドの合間に方向転換・横移動等による間合い調整は一切行わない。
発動トリガーのプロセス自体は至って単純だが、コイツが相対する選手にとって恐ろしく厄介。CPUがシールドを使用するタイミングの大部分は上記の「近接攻撃による先制への防御AI」に固まっており、相手の先制を超反応で遮断し同時に反撃チャンスへと昇華させる、ある種の爆発反応装甲と化している。
ガード成功から反撃に移るまでのスピードは常時最速。弱攻撃の合間を縫ってガーキャン掴みを達成する程の超スピードである。
対戦相手の攻撃モーション開始と同時にシールドを展開する関係上、発生の早い技である程CPUのシールド展開タイミングと重複しやすい。特に始動の早い技で構成される弱攻撃を静止状態のCPUに放った場合、ジャスガ反撃の餌食に陥るのは明白であろう。
だが常時最速でシールドを解除する性質上、ヒット間隔が短い・若しくはガード硬直が大きい多段ヒット技には、ガードの途中でシールドを解除し被弾に陥ってしまう。両者の性質を秘めたMr.ゲーム&ウォッチの空中後ろ攻撃は代表例。
実質、攻撃スピード遅い技絶対殺すマン、或いは弱攻撃先制ジャスガ必至野郎と化してしまっている。CPUの戦闘力の大部分を担う要素は、コイツに集約されてると言っても過言では無い。
超反応を最大限に利用した最硬と最攻の共存、一般常識を覆した対抗手段の顕現、防御優勢型の環境とジャスガ反撃の簡略化による外的要因、そして掴み技への溺愛投げブラと長時間拘束されるウザったさから、本作のCPUを象徴する行動パターンとして周知されている。恐らく、収集要素のコンプリートを目指した幾多のプレイヤーを絶望に陥れたであろう。
対戦相手がCPUだと、アクションの起点である超反応シールド自体がオミットされるため、必然的に此方の機会も失われてしまう。
CPUがアイテムを持った状態で当AIが作動した場合、掴み技がアイテム投擲に上書きされる。もしもアイテム所持中に、攻撃判定の伴う射撃反射技をガーキャン掴み入力したのなら……
・超反応防御・回避AIの作動限界
スマブラX本編ではまず確認する機会は無いが、実は近接攻撃相手に作動する四種類の防御行動には限界範囲が定められている。
お互いが同一の足場にいる状況にて、CPUの周囲半径約6~7キャラ分を越える距離からの近接攻撃には、上記の防御行動が作動せず直撃してしまう。
幾多の先制攻撃をシャットアウトする「超反応空中緊急回避」もまた作動限界が定められている。
上記の「規定範囲外からによる近接攻撃」の他、CPUが「段違いの足場に対する自主的な乗降」「空中戦闘を介した復帰阻止」「復帰中」である状況下では、超反応空中緊急回避が正常に作動しなくなってしまう。
CPUが地上にいる間は相手選手が攻撃モーションを開始した地点を、滞空状態では相手選手の腰(正確には尻の骨格座標?)を参照に防御行動を作動させているようだ。
因みに上記のAIはあくまで近接攻撃が対象。元々遠方まで届く射撃技相手には、当然超反応防御行動で対応する。
・射撃技への反応
遅鈍な近接攻撃を完膚なきまでシャットアウトするCPU。勿論、対射撃AIも疎かであるハズが無い。
飛来する射撃物を確認したCPUは、「シールド」「その場回避」「前・後方緊急回避」「射撃反射・吸収系必殺技」の何れかを使用。自身が滞空状態の場合は「超反応空中回避」「射撃反射・吸収系必殺技」の二択を図る。
ガーキャン反撃AIに負けず劣らず、此方のAIも超反応。密着状態でもその特性は自重されず、接射されようが問答無用で遮断してしまう。ただし近接攻撃に対する防御AI・ガーキャン反撃AIとは別物であるらしく、此方にはガーキャン反撃を試みるAIは搭載されていない。
一見するとDX版の防御択を純粋に増設した程度に見えるが、X版の本質は射撃物に対する計測能力にある。向こうが射撃物の接触直前に防御AIを発動させるのに対し、此方は相手のモーション始動に合わせて、射撃物の射角、相手との距離、射撃物の飛来速度をリアルタイムで計算し、最も適した対策を実行。
自身に到達するまでのタイムラグが長い状況では「射撃反射・吸収系必殺技」、短い場合は「それ以外の防御行動」を選択。どうしようもないレベルで時間的猶予が無い場合は「シールド」一択。
全ての射撃技をシールドリフレクトする程のメチャクチャな調整ではないが、対射撃AIの精度は此方が上。反応速度の向上と防御択の計算能力により実際の脅威度はDX版を越える。「着地寸前」「復帰中」等、防御系AIが機能しない瞬間を狙わない限り、CPUへの射撃攻撃は無意味に等しい。
人間には超反応防御で厳しく接する傍ら、CPUの先制近接攻撃には激甘な彼らだが、射撃技に限っては話が別。CPU同士の試合でも、射撃技が有効となる状況はロクに訪れない。ぶっちゃけ、射撃主体のファイターはメッチャ厳しい。
・マリオ
横必殺技・スーパーマント
前方へマントを振りかざす技。空中で発動した場合、使用者の慣性が消失する。マントに直接触れた相手は、約一秒間方向入力が左右逆になる。他の射撃反射技と比較して受付判定の発生が遅く、正面方向からの射撃技にしか対応していないのだが、CPUの反応速度を以ってすれば、そんな問題どうでもよくなる。
向かい合った状態だけでなく、後方からの射撃技にも対応。律義に射撃技の飛来する方向へマントを繰り出す。
マリオは対射撃の運用だけでなく、滞空状態では空中前攻撃との二択で攻め、吹っ飛ばされた際にはマントを不定期で展開し着地タイミングをずらす等、スーパーマントの性質を最大限に利用したトリッキーな戦法を得意とする。
・ゼルダ
通常必殺技・ネールの愛
全方位に反射判定の生じる技。技後半部分は結晶が飛散し、周囲広範囲を飲み込む多段ヒット技に変化。発動した瞬間は一瞬だけ無敵になり、咄嗟の回避やカウンター運用にも適性がある。
射撃反射能力も充分相対する選手にとって脅威だが、CPUゼルダが繰り出すネールの愛の本質は、飛散した結晶の攻撃判定にある。単純に牽制で使用するのみならず、先制回避した相手に放たれる超反応回避潰しは、不用意にコロコロするファイターを無慈悲に引き裂いてしまう。
・ピット
下必殺技・鏡の盾
盾を構え、正面広範囲をガードする。非常にデカい無敵判定が備わっており、射撃技を跳ね返すのみならず近接攻撃すらも押しのけてしまう。因みに、始動部分にスーパーアーマー効果あり。
勿論CPUも射撃反射に運用。低確率で近接戦闘の最中に先制で繰り出し、肉弾戦闘への一時的な対抗を見せるようだ。
・カービィ
通常必殺技・コピー能力(ネールの愛)
ゼルダをコピーした際に発揮される行動パターン。ネールの愛取得中は、近接戦闘対射撃に運用するAIが追加。
対射撃への運用頻度はコピー元よりも遥かに劣る。近接戦闘用コピーのAIと重複している可能性?
・フォックス
下必殺技・リフレクター
シリーズお馴染み、光り輝く六角形のアレ。本作に於いても異常な発生速度と対射撃能力は失われておらず、フォックスは射撃技に対して頑強な耐性を誇る。本作の空中リフレクターは連射が効き、着地タイミングを大幅に先延ばし出来るトンデモ仕様。
対射撃、近距離戦闘、着地タイミングのディレイに復帰阻止と、CPUが繰り出すリフレクターの用途はマリオに並び多岐に渡る。
・ファルコ
下必殺技・リフレクターシュート
DX版ではフォックスのモデル替えキャラに収まっていた彼だが、本作では多くのモーションに差別化が図られた。
下必殺技のリフレクターシュートもその一つ。前方にリフレクターを蹴っ飛ばし、正面広範囲をカバー。
リフレクター本体に転倒効果のある攻撃判定が生じ、牽制技としては中々の高性能。反面、本家リフレクターの継続展開能力は失われ、後方からの射撃技には無力に陥り易い。
CPUが繰り出す牽制リフレクターは、超反応防御AIとの共存により高い防御性能を生み出す。運用方法はフォックスと殆ど同じ。しかし滞空状態の最中で背後から射撃技を放たれると、ケツを向けた状態でリフレクターシュートを発動してしまい、射撃物への直撃コースが確定。残念ながらマリオのように背面には対応していないようだ。
・ウルフ
下必殺技・リフレクター
フォックスの因縁のライバル。彼もまたフォックスに酷似した赤いリフレクターを装備。外見は円形状。
フォックスとは違い着地タイミングをずらせる効果は備わっていないが、運用方法は彼と一緒。
・ネス
横スマッシュ攻撃・バットスイング
下必殺技・サイマグネット
本作では何と、サイマグネットのみならず横スマッシュも併用する。横スマッシュは中距離以降から飛来する射撃技に、高い頻度で作動。反射倍率×1.5倍の超火力は、牽制程度の射撃物でも重くのしかかる。
発生が遅い短所があるが、CPUの反応速度を以ってすれば、そんな問題どうでも(略。
サイマグネットと横スマッシュの射撃物識別能力に容量を割いたのが原因か、本作ではピンポイント過ぎる弱点が発生。物理系飛び道具であるサムスの横必殺技・ミサイルには何故か無抵抗にぶち当たる。各種反射吸収技だけでなく得意の超反応防御AIすらも機能不全に陥ってしまうので、サムス側は適当にミサイルを垂れ流すだけで簡単にハマる。
因みに、同じ物理系飛び道具でも投擲されたアイテムには反応出来る模様。
・リュカ
横スマッシュ攻撃・ぼうっきれ
下必殺技・サイマグネット
ネスのモデル替えキャラクター。ネスと同様、此方も二種類の対射撃AIを搭載。そしてサムスのミサイルに棒立ちする欠陥も据え置き。
リュカのサイマグネットは、正面方向にしか吸収判定が備わっていない。滞空状態で背中から射撃技を放たれた場合、方向転換(空ダ)を挟まず該当技を放つため、ケツ♂を射撃物に掘られてしまう。
・Mr.ゲーム&ウォッチ
下必殺技・オイルパニック
異質な特性を備えた吸収技。エネルギー系飛び道具を三回まで吸収可能。その後に再使用すると、これまで吸収した飛び道具のダメージを合算した攻撃判定(限界値60.9%)をぶちまける。牽制程度の射撃技でも必殺級の威力を生み出す、単発火力最強クラスの必殺技。
エネルギー系飛び道具相手に作動する他、未吸収状態でも近距離戦闘にて稀に繰り出す場合がある。未吸収状態で発動した場合は只の隙提供に収まるが、三回吸収完了後に当AIが作動した際には……。
因みに各判定の発生速度は吸収7F、吸収完了後の攻撃判定2Fである。
・超反応カウンターAI
スマブラX新登場のAI。「先制に対する防御AI」「超反応ガーキャン反撃AI」の亜流品。
カウンター技は、DXから登場した必殺技の概念の一つ。自身を殴った相手にオートで反撃する技群。有効フレーム中に攻撃を食らった際、ダメージを無効化したのち自身の周囲に攻撃判定を発生。多くのカウンター系必殺技は、事前に受け止めた技のダメージに比例した威力を宿す。大技をカウンターした際の威力は必殺級。
技単体では攻撃判定が発生せず、カウンターが決まらなかった際には多大な隙を晒してしまう。また、掴み技は無力化できない。まさにハイリスクハイリターンの体現。
そんなCPUが使うカウンター技の用途は二種類。一つは牽制や近距離戦闘にて「先制で繰り出すタイプ」、もう一つは相手の攻撃モーションに対して数分の狂いも無く「超反応で繰り出すタイプ」。……字面だけだと非常に簡潔なAI。単純に牽制攻撃の択に混じって使用されるか、相手の行動をトリガーに起動されるだけ………
だがその正体は、存在自体が対戦相手の自由を大幅に制約させる、プログラムの暴力とも言うべき恐慌の結晶だったのである。
問題となるのは後者のタイプ。目視からの反撃とあるだけに、その精度は最高レベル。かの対射撃用AIの超反応シールドや、先制攻撃を無に帰す超反応空中緊急回避AIを、丸々カウンター技に置換させたと言っても過言では無い。
密着状態では作動頻度がガタ落ちするが、キャラ1~2体以上離れた位置からの先制攻撃は確実に超反応カウンターのオヤツ。カウンター技の射程外からゼロスーツサムスの横必殺技(正面超広範囲を攻撃する近接技)をペチペチ当てていると、その悍ましさを嫌と言う程痛感できるだろう。
CPUの超反応カウンターは、相手の攻撃モーション及び判定発生時間を一瞬の内に計測し、カウンターの受付判定よりも遅い攻撃に作動する仕組み。カウンターの受付判定よりも速い技には、代わりに「近接攻撃に対する防御AI」で賄うのだ。
因みに、一般的なカウンター技の受付開始フレームは約5Fである。
このAIの恐ろしい部分は、余計な手間や技術を必要とせず、ワンタッチで防御と攻撃を両立させてしまっている点にある。ガーキャン等を始めとした戦術や、複雑な間合い調整を完全放棄し、スマブラX内に存在する大多数の近接攻撃を無力化。同時に受け流した技以上の攻撃力へ還元する惨状は、冗談抜きで相対する選手に「は?」の感情を抱かせるだろう。
低確率で「先制で発動するタイプ」こそ搭載されているが、ぶっちゃけ焼け石に水、炙られヨシオにマキシムトマト状態。どう足掻こうが「超反応で繰り出すタイプ」は常時健在なので、対峙した選手はゼロ距離戦闘でゴリ押すか、ガン待ちに徹し只管後隙を狩るくらいしか選択肢が存在しない。崖外へ押し込んでハメるという身も蓋も無い方法もあるが。
……つまるところCPUにとってのカウンターは、発生約5F以降の先制技なら絶対的な反応速度を以てパワーソースに昇華させてしまう、実質ハイリスクハイリターンのハイリスクのみをぶっこ抜いたヤベェAIである。使用者が少ないのがせめてもの救い。
CPU同士の試合でも決して自重しないので、技発生の遅いファイターは相当不利。特に重戦車型のガノンドロフにとっては魔境そのもの。
余談だが、当AIは次回作のforにも引き継がれてしまっている。それどころかカウンター技を持つファイターの多数参戦により、相対的に超反応カウンターAIが激増。更にゼロ距離戦闘含めてあらゆる距離に於いても作動する程に精度アップ、挙句、本来カウンターでない多くの必殺技にも、超反応カウンターと同等のAIが搭載。
両作品とも試合の自由度を大きく妨げる要因に偽りは無く、世間での評判は大変悪いようだ。どうしてこうなった。
・ピーチ
通常必殺技・キノピオガード
DX版からの参戦ファイター。当初は先制で発動限定、尚且つ超低確率でしか使用しなかったが、超反応カウンターAIの搭載により隠された脅威度が顕現。
キノピオを壁代わりにし、カウンター成功時にはキノピオの頭部から胞子を撒き散らす。キノピオの人権とは
分類上飛び道具として扱われているので、リフレクター等で反射可能。
専ら攻撃判定の伴う射撃反射技で先制を仕掛ければ、カウンター成功と同時に胞子をゼロ距離反射し、超反応反撃を試みたピーチを返り討ちに出来る。ざまぁ。
・ルカリオ
下必殺技・かげぶんしん
スマブラX参戦の、新たなるポケモン枠。ミュウツーのコンパチとか言うな。
自身のダメージに比例して攻撃力が増大する彼独自のシステム、波導補正を搭載。
例によって下必殺技のかげぶんしんも波導補正の対象。ただでさえ超反応カウンターの存在が極悪なのに、高ダメージ状態のルカリオが放つソレは、人知の追随を許さぬバ火力まで宿してしまっている。一人用モードの攻略にて、折角CPUを追い詰めたのに理不尽な超反応かげぶんしんで殲滅されたプレイヤーは数知れず。
ただしカウンター成功から反撃までにタイムラグが生じる他、当の反撃部分はガード可能。先制に使用した技の後隙によっては、ガードがギリギリ間に合う。
・マルス
下必殺技・カウンター
超反応カウンターの代表格。DXでは全く使う素振りを見せなかったが、本作にて無茶苦茶な調整を施された状態で解禁。CPUにカウンターと言ったら、大体コイツの存在を指す。
目立った弱点の無い凶悪な必殺技。カウンター成功から反撃開始までのタイムラグが非常に短く、反撃時の攻撃範囲は想像以上に広い。その癖ガード不能。受け流した技以上のダメージ倍率×1.1をフリーダムに扱う姿は、我々にとってのカウンターの概念を覆す。
マルス単体は特に遠距離戦闘手段を持ち合わせておらず、ガーキャン系には脆弱、復帰中はハメに弱い体質。逆に言えば、真面に闘うだけでは超反応カウンターの餌食にされるのも時間の問題。
因みに次回作では超反応カウンターの精度強化、更に空中通常必殺技、空中横必殺技までコイツと同等のAIが搭載されてしまった模様。そもそもカウンターの定義って何だっけ
・アイク
下必殺技・カウンター
X参戦のファイター。神剣ラグネルを携え、マルスとは対照的に重い一撃を得意とする。おかげでロイはリストラを食らった模様。
コイツも超反応カウンターを搭載。攻撃倍率は更に上昇した×1.2。こんなクソデカソーセージに叩き割られたらひとたまりも無いだろう。
ただし受付開始フレームが11Fと、他のカウンター技と比較しても非常に遅い。この性質の関係か、超反応カウンター使いにしては発動頻度が明らかに少ない。他の連中と比べれば、先制攻撃を一方的に淘汰する理不尽な試合展開には成りにくいと思われる。
地上(同一足場上の相手に対して)のAIは幾つかのパターンに分類され、不定期を跨いで随時切り替わる仕組み。さしずめ64版に近い雰囲気を匂わせる。
・ふらふらモード
地上戦闘に於ける基本AI。歩行動作を利用し、周辺を不規則に動き回る。
攻撃対象が同一の足場にいる状況では、遠近問わず作動。
只の歩行や間合い調整にしか見えないが、実の所該当AI作動中は、「相手の先生に対する防御・反撃行動の項」に記された全行動パターンを高精度で放てる、非常に防御力の高い状態である。人間側は無闇に殴りかかっても、超反応ガーキャン反撃で削ぎ取られるのがオチだろう。
・地上技牽制モード
地上戦闘に於ける基本AI。その場で不定期に地上技を繰り出す。
攻撃対象が同一の足場にいる状況では、遠近問わず作動。
「ふらふらモード」から不規則なタイミングで作動されやすい。発動技は主に「弱攻撃」「横・下強攻撃」「横・下スマッシュ」。よっぽど隙のデカい技を除き、多くの地上技を展開する。
マリオを始めとした「Aボタン長押しで初段部分を連発できる弱攻撃」は、該当行動を約1秒ほど展開する行動パターンを搭載。実践でも、単純に連携を最後まで出し切るだけに留まらず、初段連発により一時的な壁を張る仕草を見せる。
「ふらふらモード」から頻繁に連結される行動パターンなので、人間側に限り牽制モード前後の防御力は非常に硬い。
・先制スマッシュ技の傾向
CPUの使うスマッシュ技は、同一足場上の相手に対する近接戦闘のメインウエポン。近距離~密着状態にて作動率が増す。
「地上技牽制モード」の他、「ガーキャン反撃」「対空迎撃」「復帰阻止」にも先制でスマッシュ技を放つAIが搭載されているが、此方の運用パターンは単純に近接戦闘用。ダメージ蓄積と、平地でのフィニッシュを担当。
多くのファイターは三種類のスマッシュをランダムで使用。スマッシュ技の傾向に偏りが見られるファイターは一部に留まる。
攻撃密度は「地上技牽制モード」の弱・強攻撃を凌駕する。有効射程内での戦闘はスマッシュに傾倒気味。
前作では使い手が(一組を除いて)存在しなかったスマッシュホールドも完備。先制スマッシュに混る形でランダム発動される。
スマッシュホールド開放パターンは「CPUの周囲一定圏内に相手が接近」「相手の接近状態に関係無く最大ホールド」の二種類。
スマッシュ技を積極的に繰り出すようになり、ダメージ超過の相手を延々と弱攻撃で小突き合う塩試合にも陥らなくなった。前作の惨状を鑑みると、目覚ましい進歩だろう。
・ダッシュ接近モード
地上戦闘中に発揮される先制攻撃AIその1。自分の意志でダッシュを開始し、障害が無ければ足を止める事無く攻撃対象の付近まで急接近。目標到達と同時に特定の攻撃を放つ。
攻撃対象が同一の足場にいる状況では、遠近問わず低確率で作動。
走行中に射撃物の飛来や掴み技の発生を察知した場合は、流石に走行を停止し瞬時に各種防御動作へ移行する。
目標到達後の攻撃パターンは主に、「ダッシュ攻撃」「ダッシュ掴み」「上スマッシュ」「一部の近接攻撃系・突進系必殺技(発動率低)」の四つへ派生。
少ない予備動作で目標に特攻する優秀な攻撃手段。近距離戦闘中でも発動でき、正面広範囲をカバーする。肉薄している最中で繰り出された相手にとっては、目視からの対処は困難を極める。
ただし走行中に方向転換を行う確率は尋常じゃないレベルで低く(ゼロではない)、64版に確認されたフェイント行動等の派生パターンは搭載されていない。遠巻きで眺めていると、些か直線気味な印象。
各行動の発動タイミングは移動速度を考慮してか、技の先端がギリギリ引っ掛かる位早めに設定されている。比較的正面方向へ判定の及ばない「ダッシュ掴み」「上スマッシュ」が作動した場合、相手選手はその場からゆっくり後退するだけで回避出来てしまう。
走行速度の遅いファイターにも漏れなく搭載。超遠距離から何食わぬ顔でのっしのっしジョギングするガノンドロフの姿は、何処か哀愁を漂わせる。
・歩行接近モード
ダッシュ接近モードの亜種AI。此方の移動手段はダッシュでは無く歩行。特に障害が無ければ、足を止める事無く攻撃対象の付近まで歩行で詰め寄る。目標到達と同時に地上技の何れかを使用。
攻撃対象が同一の足場にいる状況では、遠近問わず低確率で先制作動。また、自身の地上攻撃で相手が一度怯んだ際(吹っ飛びではない)に、追い打ちをかけるよう該当AIで肉薄を強要する。
「ダッシュ接近モード」同様、接近中は余計な行動を一切取らない。遠巻きで眺めていると、方向転換や直立を不定期で挟む「うろうろモード」との違いがよくわかるだろう。
しかし行動択は此方の方が段違い、「ダッシュ接近モード」は接近後の技発動択に絞られているのに対し、「歩行接近モード」はほぼ全ての地上行動を発動可能。初手で何を繰り出すか全く分からない。
しかも、事前に相手がCPUの近接攻撃で怯んだ際、体勢を立て直す相手に「歩行接近モード」でヌルヌル間合いを詰めて来る。オマケに「うろうろモード」同様に防御力がメチャクチャ高く、相手側が手を出そうものなら瞬く間に超反応ガーキャンのエサにされる。
「歩行接近モード」中にCPUの頭上を飛び越えたり、別の足場へ移動すれば中断可能。相手側は全く手を出せない状態なので、彼らが放つプレッシャーはDX版の歩行動作にも比肩しうるだろう……。
・小ジャンプ接近モード
地上戦闘中に発揮される先制攻撃AIその2。自分の意志で跳躍し、空中技による先制攻撃を図る。小ジャンプを一回だけ使用し、攻撃対象の居る方向へ最短距離で接近。
攻撃対象が同一の足場にいる状況では、主に遠~やや近距離で作動される。
滞空中に、攻撃対象が自身の周囲一定範囲内への侵入を察知したCPUは、対応した方向へ自発的に空中技を仕掛ける。一般的に「空中ニュートラル攻撃」「空中前攻撃」を採用。時々攻撃対象に背中を向けた状態で接近を試みる場合があり、此方のパターンでは「空中後ろ攻撃」を発動。代わりに発動位置の問題か、「空中下攻撃」の採用率は殆どゼロ。
「近接攻撃系必殺技」を有するファイターは、「空中ニュートラル攻撃」「空中前攻撃」に混じって発動される事がある。
当AIは主に上記の法則に則って作動されるが、時折相手の接近状態に関係無く、小ジャンプと同時に作動させる場合があるようだ。また、繰り出す空中技の回数は一回だけとは限らず、滞空している間は常に任意方向へ空中技を連射し続ける。
DX版では成し得なかった、低空状態での戦闘AIの搭載に成功。如何にも実践に通用する目覚ましい進歩だが……。
実はこのAI、思いがけない落とし穴が存在する。滞空中、及び空中技を放つ間のCPUは、相手のシールドや各種緊急回避行動を一切認識出来なくなってしまうのだ。
空中攻撃を展開する前に小ジャンプを挟む関係上、該当行動パターンを対処する猶予は意外にもデカい。防御側が強化されるスマブラXでの環境に於いてこの欠陥は致命的。
CPUの防御能力に大幅な制限がかかる行動パターンなので、人間が挑む場合はまずコイツを突き詰めるべきとされている。
人間側が先制で空中攻撃をぶち込んでも超反応ガーキャンでメッタメタにされるのがオチだが、同じCPUが繰り出した場合は、何の支障も無く刺さってしまう。人間側の扱い酷くね?
・マリオ
空中前攻撃と横必殺技・スーパーマントの二択攻撃を仕掛ける。
スーパーマントの方が発動頻度に磨きがかかっており、マリオの弱点である短いリーチを補っている。接触した相手の左右方向入力を反転させる効果があり、露骨に着地狩りを狙うファイターはマント反転による格好の的である。
発動の際にはマリオの身体が空中で停滞し、着地のタイミングにディレイを掛けられる。攻撃対象との位置関係からか、マントを掻い潜った相手には空中ニュートラルで更なる追撃を試みるようだ。此方の発生フレームは怒涛の3F。
マントと空中ニュートラルは連続して展開されやすい。対戦相手は二度の空中攻撃に見舞われる羽目となる。その一方で、個々のシールドダメージは皆無に等しい。
マントでは無く、隙のデカい高火力メテオ技の空中前攻撃を繰り出すパターンもあるが、防御側が有利なXの環境ではミスマッチ気味か。
・ルイージ
空中技の入力タイミングは一般的なCPUと何ら変わりは無いのだが、ルイージの繰り出す空中攻撃は馬鹿げた連射能力を宿している。特に空中前・下攻撃の嵐には目を見張るものがある。
一度の小ジャンプで二、三連射出来るレベルのスピードを誇る癖して、単体の威力に関しても妙に高い。連射を謳っている特性から察する通り、発生速度もメチャクチャ早い。
攻撃対象との位置の関係からか、二発目の技は空中ニュートラルが頻繁に採用される。発生速度はマリオに並ぶ3F。暴れ性能抜群のソレは、生半可な手数攻撃を無に帰す。
二度に渡る攻撃を想定しないファイターは、揺ぎ無いチョップで脳天を破砕されてしまうだろう。対策ゼロの人間観点では格別脅威的。
・ドンキーコング
メイン火力は横必殺技と空中前攻撃。前方に陣取る目標へ二択攻撃を仕掛ける。
正面方向のみならず後方の相手にも繰り出す横必殺技・ドンキーヘッドバットは、ガーキャンを試みた相手のシールドを極限まで削り取ってしまう。
空中前攻撃の一撃も確かに強い。威力もさることながら、不用意に接触した相手を急転直下させてしまう。
そんな空中技だが、破壊力に全エネルギーを費やしてしまったのか、前後隙に関しては双方共に悲惨。手数耐性ゴミなドンキーにとって、隙の提供は大問題。
特に空中前攻撃の発生速度は、64版よりもやり過ぎなレベルで低速化。攻撃判定が発生する前に着地しては、相手選手に向けて嬉しくない開脚を見せつける。尤も、コイツ等は逆に受け入れそうだが
・リンク
空中ニュートラル、空中前攻撃を使う。空中ニュートラル攻撃は手数耐性に乏しいリンクが繰り出せる、貴重な暴れ技。他のニュートラルお〇〇ちんと比べて若干発生が遅いのが悩みの種
・ネス
空中前攻撃の多段判定を押し付ける。コレと言った特徴の無い平凡なパターン。
・カービィ
空中後ろ攻撃をメインに立ち回る性格らしく、頻繁に対戦相手へ尻を向けたまま小ジャンプで近づく。安定した吹っ飛ばし力を持つ技だが、着地際にデカい隙が発生してしまう。対策を練った選手の前では、逆にケツを掘り起こされてしまう事態に。だらしねぇな
向かい合った状態では空中前攻撃とすいこみを活用。本作のカービィは入手したコピー能力を適切に扱うようになり、コピー能力の性質に応じて通常必殺技のパターンに変化が出る。特に近接系コピーは近距離戦闘下において、地上、小ジャンプ状態共に高頻度で繰り出す。
ただし後述の「即席チャージ技AI」は導入されていないらしく、マルス等のコピー能力には溜めの概念が備わっていない。そして攻撃判定も無くゴミの様に転がるプリンのコピーに至っては、過去作から何も解決していない。
・フォックス
任意方向へ五種類の空中技を展開。一つ一つの発生が狂っており、スピードタイプの例に漏れずロクな隙を晒さない。俊敏な機動力を持つフォックスの前では、鈍足ディレイ技による先制は死んだも同然。
そこに連射能力・滞空能力・射撃反射・超発生・隙皆無・無敵アリの空中リフレクターを併用するフォックス相手には、生半可なキャラ性能と動体視力では手を付ける事すらもままならない。相変わらず恐ろしい六角形である。
ただしガーキャンが全く効かないとは言ってない。あっ、崖外に放り込まないで
・サムス
主に空中前攻撃を活用。元々サムスは「射撃接近モード」を主体に闘う関係から、「小ジャンプ接近モード」の方は若干控えめ。
・プリン
相手の位置関係に応じて、五種類の空中技を使い分ける。持ち前の高い空中機動力も相まって、見た目以上のリーチを誇る。プリンは空中戦闘を仕掛ける頻度がずば抜けて高い。反面、頻繁にガーキャンされる運命にあるのだが……。
随所に挿入されるはたくの存在は、空中戦闘の苛烈性を更に加速させる。はたくにはシリーズ通して不自然過ぎる持続と極悪なシールドダメージを内包しており、やる気の無い見た目に反して中々強力。空中攻撃のガーキャンでシールドが摩耗したプレイヤーにはたくをぶち込めば、ブレイク達成もなんのその。
・キャプテン・ファルコン
主力技はDX版にて一新された「膝」こと空中前攻撃・ストライキングニー。クリーンヒットすれば派手な電撃属性のエフェクト共に相手を盛大にぶっ飛ばすが、それ以外のタイミングではカスダメージ。
だがCPUの使う「膝」は使用タイミングに問題があり、静止状態の相手にはクリーンヒットの瞬間を逃してしまう。結果的に微小な攻撃判定と甚大な着地硬直を晒す彼の姿は、ロマンもクソも無かった。
・ピカチュウ
メインは空中ニュートラル・前攻撃。サブに隙のデカい空中後ろ・下攻撃を使用。メインウエポンは持続と回転率に優れ、相手の付け入る隙を一切与えない。
また、対象の位置に関係無く「出川」もといかみなりをぶち込む。近接戦闘での作動率が以前より飛躍的に増大。
隙のデカさは相変わらずだが、本作の「根本出川」は威力・判定・発生保障共に異常強化されており、低ダメージ帯の相手すらも不自然に強い吹っ飛ばしを生む。ガーキャンや軸ずらしによる対抗策を除いた場合、X版のかみなりはリスクが今まで以上に小さい。更にCPUの乱発ぶりも相まって、本作のピカチュウはロマンの欠片も無い暴君と化してしまっている。そして出川る度に甚大な隙を晒す
因みにX版のピカチュウは「近接戦闘」「純粋な空中技の択」以外にも、「対空迎撃」「着地タイミングのずらし」「復帰阻止」等の様々な場面で出川を乱発するAIに調整されている。全体的な使用頻度は64版どころかシリーズトップクラス。かの味方殺しもビックリである。
・ヨッシー
全体的な後隙は並程度だが、前後方向への攻撃択に秀で、それぞれの技が厄介な特性を持つ。
特に同高度の相手にも高頻度で放つ空中下攻撃・ばたあしキックは、相手のダメージとシールドをゴッソリ削る。多段ヒット技である空中後ろ攻撃の共存は、相手のガーキャンタイミングを徹底的に惑わせる。
空中前攻撃の発生速度はお察しだが、暴れ性能抜群のニュートラル、ガード無効のたまご産みの存在が、ヨッシーに備わる空中機動の不規則性を加速させる。適当な思考ではガーキャンなどさせてくれない、トリッキーなファイター。
・射撃接近モード
地上戦闘中に発揮される先制攻撃AIその3。小ジャンプ接近モードの亜種AIで、此方は射撃技による牽制を図る。射撃パターンは主に二種類。地上に立った状態で射出、若しくは小ジャンプと同時に発動しつつ、滞空中は攻撃対象の居る方向へ最短距離で接近。
攻撃対象が同一の足場にいる状況では、主に遠~やや近距離で作動。
射撃モーション完了後にまだCPUが滞空状態であった場合は、「小ジャンプ接近モード」へAIを切り替え、任意方向への空中技を仕掛ける。
DX版ではロクに扱えなかった射撃技のAIが改善。64版程アクレッシブでは無いが、遠~中距離戦闘の復権に成功。しかし……。
実はこのAIも「小ジャンプ接近モード」と全く同じ欠陥がある。滞空中に射撃技を発するCPUは、例によって相手のシールドと回避行動に反応出来ない。要するに「小ジャンプからの射撃動作」もガーキャン耐性皆無。
ただし射撃反射・吸収技には相当過敏らしく、相手が該当技を継続展開している状態では、一切の射撃動作を控えてしまう。何だかAI基準が両極端。
「射撃技への反応の項」にもある通り、本作のCPUは先制射撃技にやたら頑強。地上で放たれようが小ジャンプを駆使して牽制しようが、超精度のディフェンスを誇る対CPUには効果を発揮しにくい。
・マリオ
通常必殺技・ファイアボール(中~遠距離)
下必殺技・ポンプ(中~遠距離)
全体モーションが短い為、小ジャンプから着地するまでの間に次の行動へ移行できる。肉薄する相手には、続けざまに空中技で反撃。主に空中ニュートラル攻撃が選択され易い。
本作では下必殺技が一新され、ダメージ0%の水圧で相手を押し流す「保留可能チャージ技」に変化。此方はあまり小ジャンプを介さず、地上発動に傾倒。
・ルイージ
通常必殺技・ファイアボール(中~遠距離)
マリオ同様、小ジャンプファイアボール中に肉薄された場合、空中ニュートラル・前攻撃で切り替えす。此方のパターンでも怒濤の連撃性能は健在。
・ドンキーコング
無し
・リンク
通常必殺技・勇者の弓(中~遠距離)
横必殺技・疾風のブーメラン(中~遠距離)
下必殺技・爆弾(中~遠距離)
勇者の弓には、後述の「即席チャージ技AI」が適応されている。チャージ段階に応じて威力と弾速がアップする物理系飛び道具。チャージ時間は三パターンの中からランダムで選択。
本作からブーメランの仕様が変更され、ブーメラン周辺に強い風圧判定が発生。CPUの投擲角度はほぼ真横固定。
爆弾の保持は好きではない性格なのか、大抵は生成したその瞬間にポイしてしまう。
・ネス
通常必殺技・PKフラッシュ(近~遠距離)
横必殺技・PKファイアー(近~中距離)
何れも地上発動限定。小ジャンプ発動は行わない。
PKフラッシュは常時最大チャージ。最大チャージの破壊力は相変わらず即死級なのだが、何故かDXよりも攻撃範囲が超絶縮小されてしまっている。相手が懐にいてもお構いなしにチャージを続行する惨状は、CPUにとって訃報の前触れである。ただでさえ世紀末火力の飛び道具を、ゼロ距離反射されてしまった暁には……。
・カービィ
通常必殺技・射撃系コピー能力全般(近~遠距離)
上必殺技・ファイナルカッター(近~遠距離)
本作のCPUは、入手したコピー能力の性質に応じて通常必殺技の行動パターンが変化する。前作で抹消された64版のAIが復活。
射撃系コピーを入手した際に該当AIを発動。低高度の小ジャンプから繰り出される射撃技は、相手が懐に潜り込む隙を与えず、オリジナル以上に接近を阻む。後述の「即席チャージ技AI」も完備。
流石にファイナルカッターを超連発するAIは削除。極稀に奇襲目的にて発動する程度に収まる。
・フォックス
通常必殺技・ブラスター(中~遠距離)
DXから怯み効果を失い、代わりに超速連射性能を獲得した射撃技。
地上では最大8連射、空中では単射出。
因みにブラスターを連射された他のCPUは、対射撃AIが立て続けに作動しているのか、その場でシールドやら緊急回避やらをぶっ放して暴れまわる。
・サムス
通常必殺技・チャージショット(中~遠距離)
横必殺技・ミサイル(中~遠距離)
サムスは射撃接近モードをメインに闘うAI持ち。
チャージショットには後述の「保留可能チャージ技AI」を搭載。チャージ中に射撃動作へ移行するAIは何故か消滅。地上では常時最大チャージ弾で闘う。
ミサイルは誘導弾と直進弾をランダムで使用。両者を使い分けている様子は無い。
・プリン
無し
・キャプテン・ファルコン
無し
・ピカチュウ
通常必殺技・でんげき(中~遠距離)
お馴染み、地を這うエネルギー系飛び道具。牽制目的には最高に嫌らしい技なのだが、全体モーションがやや長い。
CPUはでんげきの使用頻度がずば抜けて高い傾向にあり、遠距離で鎮座する相手をキレさせるのにはうってつけな戦法。ただしガーキャン耐性はクソザコな点に留意されたし。
・ヨッシー
上必殺技・たまご投げ(近~遠距離)
ヨッシーのたまご投げに対する溺愛っぷりには、対戦相手に強烈なインパクトを押し付ける。単なる牽制に留まらず、対空迎撃や復帰阻止等、超頻度で且つオールラウンドに扱うヨッシーのスナイピングスキルは、相手選手の付け入る隙を与えない。しかしガーキャン・各種緊急回避や懐に対する迎撃手段は若干杜撰。
卵の炸裂部分に相手が重なるように投擲軌道を調整。技モーション開始時に着弾位置が決定されるようだ。
・チャージモーションの運用方法
一部のファイターが所有する、チャージ系必殺技全般に搭載されたコモンAI。
「保留可能チャージ技」と「即席チャージ技」の二パターンのAIに分類される。
「保留可能チャージ技」は、ドンキーコングのジャイアントパンチ、サムスのチャージショット等、回避動作で現在の溜め状態を温存できるタイプ。64スマブラでもお馴染みのアクション。
チャージ開始タイミングは主に中~超遠距離。相手が自身と異なる足場に位置している状態でもチャージを続行。近距離~密着状態ではチャージモーションに移行しない。
チャージ中に相手がCPUの周囲一定圏内に侵入する、若しくは同一足場上の相手が(距離に関係無く)ダッシュを行った場合は、前方または後方緊急回避で中断。また、チャージ中でも飛来する射撃物にはしっかり防御行動を試みる。
該当AI搭載ファイター(マリオ・ドンキーコング・サムス・シーク・ゼニガメ・ルカリオ・該当コピーを所持したカービィ)
「即席チャージ技」は、リンクの勇者の弓、マルスのシールドブレイカー等、Bボタン長押しでチャージを開始し、入力解除と同時にその場で攻撃するタイプ。DX以降にて登場したチャージ概念。
「小ジャンプ接近モード」「射撃技接近モード」等と併用する。
チャージに要する時間は主に「溜め無し」「約10F位チャージ」「約1秒程チャージ」の三パターンに分類され、即席チャージ技運用の際には何れかのパターンをランダムで使用。尚、チャージ時間は攻撃対象の現在位置に左右されず、自分のペースでチャージを継続する。
該当AI搭載ファイター(リンク・トゥーンリンク・ゼロスーツサムス・ピット・ピカチュウ・マルス・アイク・ソニック・該当コピーを所持したカービィ)
・先制シールド
近距離戦闘~密着状態で稀に作動するAI。
攻撃対象の近辺にて先制でシールドを展開し、自分の意志でガーキャンを狙う形態。約1秒程シールドを展開しても尚近接攻撃が飛来しない場合は、後方回避に派生する事が多い。シールド展開中は掴み技を認識不能。
しかし元々CPUには、相手の先制にオート起動する超反応ジャスガが既に存在しており、態々先制で放つ此方のAIは下位互換に甘んじるのが現状。そもそも先制シールド自体が低頻度なので、CPU観点からしてみれば「ぶっちゃけ超反応シールドでよくね?」で筋が通ってしまう。
超反応が異常強化された本作に於いて、この手の「らしさ」は中々貴重。その貴重な部分さえシステムの暴力で食いつぶされているのは悲しみのパターソン
・緊急回避潰し
密着状態で作動するAI。CPUが遮断する先制行動は攻撃モーションのみならず、先制回避行動にも及ぶ。
攻撃対象がCPUの近辺にて、地上回避全般を発動した際に作動。上下スマッシュ、或いは周囲広範囲を巻き込む必殺技を駆使し、超反応にモノを言わせた殲滅力を発揮する。
主に「ふらふらモード」「歩行接近モード」の最中に先制回避行動を察知した場合は高頻度で繰り出される。一方で、連続した回避行動には特に反応を示さない。あくまで単発の回避行動だけに作動するようだ。
CPUが察知できるのは地上回避の入力のみであり、相手の回避する方向は流石に判別出来ない。相手がCPUから離れるように前後緊急回避を発動した場合、誰にも届かない位置で緊急回避潰し技を暴発させてしまう。
・ドンキーコング
スピニングコングとハンドスラップを駆使。
双方共に先制回避に対する殲滅力はトップクラス。シリーズ通しても尚自重しない馬鹿げたリーチを以てすれば、用心無きファイターをしばき上げるには造作も必要ないだろう。
ハンドスラップは、相手が射程内にいる限り半永久的に連発する。無作為なガードはシールドブレイクを生み出す危険技。相対する選手は、連撃の合間にジャンプで脱出しないと厳しいか。
流石にスピニングコングで崖から足を滑らせたりはしない。流石に。
・ゼルダ
通常必殺技・ネールの愛を活用。
結晶の破片を飛散させ、自身の周囲を巻き込む多段ヒット技。持続が無駄に長い為にその場回避は全く通用せず、ゼルダの背後へ緊急回避しようものなら、背面まで届く結晶片の餌食になる。
CPUは殆ど活用しないが、技の始動部分は一瞬だけ無敵状態になり、実はカウンター技としても適性がある(超反応カウンターAIは未搭載)。理不尽な反応速度で攻防を両立したゼルダを前に、対立した者は物理的にも精神的にもズッタズタにされること間違いなし。
ただし対ガーキャンには苦手な模様。
・フシギソウ/リュカ
モデル替えでも何でも無い別々のファイターだが、超強力な上スマッシュを所持。
両者の上スマッシュは、何れも横の判定がクソで前後隙がデカい弱点を有している。その代償に、全ファイターの上スマッシュに於いて最強クラスの破壊力を獲得。
先制回避する側にとっては、発生の遅い弱点こそ寧ろ厄介。緊急回避終了と同時に上スマのホールド解除がクリーンヒットする形となり、発生の遅さを超反応で無理やりカバーしてしまっている。
フシギソウの上スマッシュ最大ホールドとなれば、終点中央で50%前後の相手を即死させてしまう、文字通り懐殺しのモンスターと化す。
とは言え、CPUから離れるタイプの緊急回避相手にも作動してしまう為、此方のケースでは逆に鈍足な発生速度が祟ってしまう。
空中戦闘系AI
攻撃対象が別の足場へ移動、若しくは自身が吹っ飛ばされたり、「小ジャンプ接近モード」等の特定動作を放った拍子で、攻撃対象とは異なる足場に降り立ったCPUは、相手と同一の足場を維持しようと試みる。
・上下方向の足場にいる相手へのアクセス
攻撃対象が自身よりも高い、若しくは低い位置の足場に存在している際に、CPUが真っ先に行う行動は、対戦相手との上下軸の合致。段差間のジャンプ移動やすり抜け床の乗降を駆使しては、最優先で同一足場へアクセスする。
攻撃対象のいる足場が自身よりも高い位置にいる場合では、まずダッシュを用いて対象の足場近辺に移動。足場が自身の頭上約60~120度以内に存在する時、ジャンプ行動を開始。
逆に、自身よりも低い足場に相手がいる状況では、足場の下乗を最優先。
自身が乗っている足場がすり抜け不能である場合、代わりに相手側へダッシュを行う。
足場の乗降中は当然滞空状態に移行する訳だが、この時にCPUへ接近すると任意方向への空中技を展開する。どうやら乗降中は「小ジャンプ接近モード」と同じAIが充てられているようだ。従って、乗降中もまたガーキャン耐性が疎かになってしまう。
高度調整も空中技のタイミングも何もかも中途半端だったDX版と比べても、その精度の差は歴然。上下軸の合致を優先させた結果、中途半端な高度の相手に対する空中技空振りの無限ループを未然に防いでいる。
・左右に隔たれた足場にいる相手へのアクセス
同じ高度に浮かぶ足場・すり抜け床への移動方式。ジャンプ・空中ジャンプを順番に使い、対戦相手の居る足場を目指す。空中ジャンプの使用タイミングは規則的であり、対象の居る足場と同高度で作動する。
自身の垂直下方向に相手を認識したCPUは、任意方向への空中技を発動。此方のパターンでも「小ジャンプ接近モード」と同様のAIを流用しているようだ。つまり、足場到達後もガーキャン耐性が疎かになってしまう。
足場間の移動中は「復帰AI」に近い行動パターン。攻撃対象となる存在が足場から抜け出さない限り、流暢に跳躍動作を見せつける。空中ジャンプ消費しても尚足場に届かない場合は、復帰技まで使いだす(ただし近場に相手がいる、尚且つ攻撃判定を宿す「突き上げ型上必殺技」限定)。
移動中は、目的地の高度と同じ位置を維持し続けるようだ。
困った事に復帰AI特有の弱点である、自主的な空中攻撃・超反応空中緊急回避が封印されてしまう習性も据え置き。前述の通り、移動完了後のCPUは空中技による先制を仕掛けるのだが、あくまで自身の真下に足場が存在してから初めて移動完了と見なすので、足場が真下に無い「到達直前」は移動とジャンプ以外に何のアクションも取れない。
・異なる足場にいる相手からの先制近接攻撃
自身が相手とは別々の足場にいる状態で、相手から先制で近接攻撃を受けそうになった場合は、確定で前・後方緊急回避を実行。対射撃AIにて繰り出される防御行動と同レベルの超精密性。
この状態のCPUに繰り返し先制しても一向に足場から降りてくれないので、攻撃を入れるには一旦CPUの乗降動作を見届ける必要がある。
吹っ飛ばした相手選手の追撃パターンも、例によってパワーアップ。DX版の待ち伏せAIを基盤にプログラミングされているらしく、64版とは対照的に受動的な印象。
・吹っ飛んだ相手への待ち伏せ
相手選手を吹っ飛ばしたCPUがまず最初に行う行動。宙を舞う相手の影の真下へ、ピンポイントで移動する。
移動方法は常に歩行。また「空中技による追撃AI」の作動条件に引っ掛からない限りは、彼らは常に地に足を着けた状態を維持。
自身と攻撃対象の間にすり抜け床類の遮蔽物が存在する場合、そのすり抜け床の最上段を目指す。
待ち伏せ中のCPUも凄まじい防御性能を発揮。幾ら棒立ちだからと言っても、空中技による切り替えしやフェイント・ディレイ類は、適切に扱わない限り通用しないだろう。功を焦り頭がビャーストした選手に贈られるのは、厳酷たる超反応カウンターである。
・対空迎撃用地上技
待ち伏せ完了したCPUの次の行動は、特定の地上技を用いた迎撃行動。宙を舞い、CPUへ接近する敵を迎え撃つ。
主な迎撃手段は「上強攻撃」「上スマッシュ」「先制スマッシュ」の三パターン。
「上強攻撃」「上スマッシュ」の二パターンは、攻撃対象がCPUの周囲一定圏内に侵入したのを見計らって発動する。一般的にCPUが上強攻撃を活用する場面は、対空迎撃に絞られている模様。
技の入力タイミングが定められている為、タイミングを図った回避行動には躱されてしまう傾向にある。対空迎撃AIが作動しているCPUは、回避中の相手を認識出来ない。
「先制スマッシュ技三種」は、地上戦闘にて発動する先制スマッシュのAIと全く同じ行動パターンが充てられている。上記二パターンの対空迎撃手段と比べて、攻撃周期は不規則気味。滞空状態の相手にも、横・下スマッシュを平然と使用。行動択の一つに上スマッシュも割り当てられているが、上記の対空迎撃用地上技「上スマッシュ」とはAIが独立している。
スマッシュホールドも完備し、「周囲一定圏内に相手が侵入」「相手の接近状態に関係無く最大ホールド」の運用形式は此方でも健在。
ただし此方のAIは相手選手の動向を正確に測れておらず、攻撃対象の移動ルートとは逸れた位置で使う姿も多い。とは言え、この規則性の欠けた行動こそが攻撃択の幅を利かせているようだ。
一方で、過去作にて頻繁に登場した「攻撃判定のある上必殺技」による迎撃AIはほぼ消滅。該当技を活用するファイターは極少数に留まる。
元々CPUはガン待ちに徹するタイプなので、能動的な迎撃手段には乏しい。逆に吹っ飛ばされた場合は、歪んだ逃走経路と超反応空中緊急回避が相手の追撃を悉く阻害する為、強固過ぎる回避手段の対CPUには、受動的な迎撃行動はロクに刺さらない。CPU同士の乱闘に於いての空中戦闘は非現実的。
・空中技による追撃AI
上空へ逃げる相手選手を追い打ちに掛ける行動パターン。文字通り、任意方向へ空中技を放ち追撃を図る。
発動には二種類の条件を満たす必要がある。
- 攻撃対象が、地上にいるCPUの傍で滞空している
- CPUが何らかの攻撃・回避モーション終了直前である
この条件に引っ掛かったCPUは、行動終了後最速で大ジャンプ入力。攻撃対象の現在位置に合わせて空中技を展開。
攻撃対象がジャンプ・空中ジャンプ上昇モーション中なら、作動率が更に増大。動作環境の関係から、「対空迎撃用地上技」を空中ジャンプで躱した相手には、高確率で該当AIの追撃が待っている。
追撃技のバリエーション、及びAIの性質は「小ジャンプ接近モード」「足場やすり抜け床の乗降」に働くソレと同等。即ち追撃中は回避行動入力が手薄になる。だが、卓越した反応を以て先制攻撃の壁を成す彼らの前では、横槍を差し込むのもままならないだろう。
・ピカチュウ
対空能力に秀でる「出川」。シリーズ三作目でも他の対空技に混じって運用される。
「根本出川」を狙っているつもりなのか、攻撃対象がピカチュウにある程度接近しないと発動しない。DXと比べて「対空迎撃」の頻度は低下しているが、それでも圧倒的過ぎるリーチは失われていない。
放漫たる暴君の空を掠める衆生には、出川の断罪を以てその醜行に答えるであろう。実際は只のぶっぱなので対処は容易だが
・ヨッシー
ヨッシーのたまご投げを利用した狙撃スキルは、対空戦闘でも自重する気配はない。束の間も与えない卵乱舞は、上空を移動する相手に色んな意味でプレッシャーを与える。
ただし小細工無しにストレートにぶつけたがる性格故に、空中緊急回避への耐性は殆ど無い。落下速度が速い相手には余裕で掻い潜られてしまう。
・ガノンドロフ
ファルコンのモデル替えファイター。三作目では開発者の趣味が爆発したのか、各モーションが何故かおじさんっぽくなってしまった。
DX版での対空手段は専ら上必殺技に絞られており、頻繁に空振りしては尻餅落下を繰り返す、単調以外の何物でもなかった。対空迎撃AIが劇的に強化された本作では、その余りある剛力を存分に振える………
…訳が無かった。何故ならスマブラXのガノンドロフの対空手段は、9割方上スマッシュに限られているからだ。結局本作も駄目でした。
一応上スマッシュは、ガノンドロフの持ち技にしては後隙が短い部類なのだが、攻撃判定が正面に集中しており背面防御はスッカスカ。加えて判定持続が一瞬なので、空中緊急回避が無駄に強い本作の環境では非常に苦しい立場にいる。
・スネーク
何とコナミからの参戦。他社の垣根を破っての登場である。
スネークの対空手段は上強攻撃傾倒。なんと対空技一辺倒というガノンドロフの同族が表れてしまった。ただし此方は極低確率で上スマッシュも併用する為、ガノンドロフほど酷くは無い。
この上強攻撃、見た目に反して正面方向と上空への射程がぶっ飛んでおり、持続に関してもモーションの割には不自然に長い。その癖高火力。本作の壊れ技の一種として数えられ、上強攻撃をぶっ放すスネークへの先制攻撃は紛れも無い自殺行為である。背面判定スカスカ&そこそこの後隙がある点は話が別である
最早脳筋とは言わせない。基本ルーチンがたった二パターンしか存在しなかったDX時代の面影は抹消され、全シリーズでも格段に多い行動パターンを獲得。複雑な行動択の上に、基礎防御力を底上げする超反応空中緊急回避を乗算すれば、CPUに附与された自由度は更なる高みへと目指す。
・怯んだ後の行動
軽く小突かれて宙に浮いたCPUが行う動作。怯み解除後は「小ジャンプ接近モード」のAIが働き、攻撃対象の位置に応じて空中技を発動。
密着状態では怯み終了から最速で繰り出される。主に空中ニュートラルが採用されやすい傾向にあり、該当技の発生が速いほどコンボ、お手玉への割り込み能力に秀でる。レギュラー組ではマリオ、ルイージ、ヨッシー、プリンのニュートラルお〇〇ちんは強力。
・吹っ飛び直後の基本行動
強い衝撃で吹っ飛ばされたCPUが最速で行う動作。攻撃対象の距離に応じて、二種類のパターンへ派生する。
吹っ飛び後も尚相手が粘着している場合は、最速で空中技を対応した方向へ繰り出す。相手のコンボに抗う手段の一つ。確定で刺さるコンボが激減したXの環境に於いて、この手の対抗手段はそれなりに有効。
相手が接地・滞空状態問わず、自身の半径約3~4キャラ以内の範囲にいる状態で該当AIが作動する。主に基本空中技五種が適応され、必殺技はあまり作動しない模様。
繰り出される空中攻撃は、攻撃対象のガード、回避状態を認識出来ない。つまるところ、此方のパターンもガーキャン耐性が(ry
逆に相手が付近にいない状況では、最速で空中緊急回避を発動。
この空中緊急回避は、相手の先制に対して超反応で作動するいつものアレとは個別のAI。相手の動向問わず、作動条件に引っ掛かれば確定で空中緊急回避。
空中緊急回避終了後は確定で長い隙を晒すため、該当AIを誘発されたCPUは、瞬間的に防御性能が落ちてしまう。とは言え、元々地表でガン待ちし、空中技による追撃に消極的な対CPU相手には何の問題も無いのだが。
一度吹っ飛ばされたCPUは、複雑な逃走経路を描きつつ、不規則なジャンプ・着地ディレイを仕掛け、更にその上に超反応空中緊急回避でコーティングを施した、人間視点では相当厄介な形態へ移行してしまう。形態移行前に挟まれるこの空中緊急回避は、頑強なCPUの弱点が明確に露出するので、人間が挑む場合は、空中緊急回避の誘発に次ぐ追撃が非常に有効とされている。
一説によると、この空中緊急回避行動は別に体勢を立て直すのではなく、受け身こそが真の目的らしい。実際に、CPUが空中緊急回避を実行する前に地形へ叩きつけると、凄まじい精度で受け身を決めまくる。どうやら空中緊急回避入力を受け付けるまでの間は、悍ましいスピードでL・Rトリガーを連打しているようだ。
・吹っ飛び後の逃走経路
吹っ飛び後の基本行動である空中緊急回避・反撃技を出し終えたCPUは、相手からの追撃から逃れるべく逃走を図る。周辺状況に応じて移動経路に若干の差が生じる。逃走中は、自身が何らかの行動を取っていない限り超反応空中回避のスタンバイ状態であり、先制攻撃の類をほぼ無力化する。
また、不定期ながら空中ジャンプで着地タイミングをずらす。多段ジャンプ可能なキャラはその傾向が強い。
ステージ中心部等、CPUの周囲に充分な着地スペースがあるならば、相手から距離を置いたり「めくり」を試みる。
足元に相手が存在する状況下では「めくり」を優先するようだ。このめくり行動は、相手の方向を1F単位で参照する超高精度のサーチングシステムを保有しており、前述の超反応空中回避と併用して生半可な対空攻撃を悉く避けてしまう。
崖端近辺で吹っ飛ばされた場合は、硬直解除後にステージの中央を目指す。
此方のパターンは然程不規則な逃走経路を描かず、比較的直線気味の軌道である。超精度のめくりAIも保有していないので、他のパターンと比べて相手側の追撃が刺さり易い。
該当形態中は相手への接近欲に消極的ではあるが、距離を詰められると低確率ながら空中技による一時的な抵抗を見せる。使用技は「小ジャンプ接近モード」準拠。
空中ジャンプによる着地タイミングのずらし、及び同時に行われる超精度のめくりと空中回避の共存は、逃走と肉薄の二択だけだったDX時代の印象を早急に拭い去るだろう。只の着地狩り戦法は一切通用しない。
・必殺技による反撃・着地ディレイ
吹っ飛び中に確率で発動される行動パターン。不定期のタイミングで必殺技を自発的に使用し、着地タイミングを大幅にずらしたり、或いは地上待機中の相手へ空襲を仕掛ける。
用途の関係上、発動時に浮力を得る技、一時的なディレイが掛かる技、広範囲を攻撃するタイプの技の多くに、該当AIを搭載。
該当技の発動頻度は各ファイターの必殺技毎で個別設定されている。中には着地までに何度も連発するタイプも存在。
該当必殺技使用後は攻撃的になり、任意方向への空中技を立て続けに使用する。
X時代のソースの大部分を流用している初期3DS版にも搭載されていた行動パターンだが、何故かWiiU版、及び3DS版ver1.0.5以降では削除されている。その代わりに、相手の先制攻撃に呼応して必殺技を超反応で捻じ込む、いわば超反応カウンターの亜流AIがぶち込まれてしまった。何故"そっち"の方面へシフトしたし
・マリオ
横必殺技・スーパーマント
使用した瞬間に一瞬だけ浮力が発生。CPUは不規則なタイミングで何度も何度も繰り出し、着地タイミングを大幅に先延ばしする。マリオ自身は各種空中技の発生速度に秀でる部類であり、マントの連射性能とディレイ効果、及び攪乱直後の空襲能力が、彼の身体能力とAIの特性にマッチしている。着地ディレイ系統の中でも一際強力。
・ルイージ
横必殺技・ルイージロケット
下必殺技・ルイージサイクロン
・ドンキーコング
横必殺技・ドンキーヘッドバット
大きく振りかぶって頭突きを繰り出す技。空中で使用すると一瞬だけ自身にディレイが掛かり、ヒットした相手を地面に埋める。
何気に相手のシールドを極限まで削り取る。空中技に恵まれておらず、ガーキャン戦法に耐性の無いCPUドンキーコングにとっては貴重な対抗策。
・リンク
無し?
・ネス
無し?
・カービィ
下必殺技・ストーン
お馴染み急降下技。本作では途中解除を学習している。傾斜に流されて自滅するようなうっかりミスは一切しません。
下必殺技解除タイミングはパターン化されておらず、常にランダム。
・フォックス
下必殺技・リフレクター
射撃反射技代表格のこの技も着地ディレイに対応。本作のリフレクターは連射が効き、着地タイミングを大幅に先延ばし出来るトンデモ性能。CPUもその特性を理解しているのか、この手の行動パターンの中でも使用頻度が凄まじい。
同じく回転効率に優れるマリオのスーパーマントには、連続使用するとディレイ効果が次第に減衰する欠点があるのだが、此方にはそんな補正など存在しない。フォックス本来の卓越した身体能力も相まって、着地ディレイ系統の中ではトップクラスに凶悪であろう。
・サムス
下必殺技・ボム
時間経過で小規模の爆発を生じる、小型爆弾を投下する必殺技。CPUトナメでは見る機会の無い技だが、64からの古参プレイヤーにとって「浮力の得る技」と言ったら、大体コイツとプリンのはたくを連想させるだろう。
使用する度に微弱な浮力が発生。モーション中は左右の方向入力を受け付け、着地位置をある程度ずらせる。
CPUは吹っ飛ばされる度にボムを連発するのだが、リフレクター等とは異なり回転効率に秀でる訳でも無いので、無防備な時間を作りやすい。
・プリン
横必殺技・はたく
初代でもお馴染み、「浮力の得る必殺技」。使用中は落下慣性が消失し、前方に少しだけ移動する。
落下速度が消失する関係上、CPU特有の逃走AIや超反応空中回避とは相性が良い。プリン本来のぶっ飛んだ空中制動力を以ってすれば、この上ない回避性能を期待できるだろう。
・キャプテン・ファルコン
下必殺技・ファルコンキック
・ピカチュウ
横必殺技・ロケットずつき
上必殺技・でんこうせっか
下必殺技・かみなり
反撃・着地ディレイ技を三種類も搭載したCPU。この内「出川」の採用率は際立って高い。
上必殺技は相手の居る場所に向けて使用。折り返し突進はせず、単発突進のみに留まる。
・ヨッシー
上必殺技・たまご投げ
卵投擲の際に浮力が発生。着地ディレイへの適性あり。
復帰系AI
より攻撃性を増し、次世代ゲーム機に相応しい進化を果たした復帰阻止AI。弾幕をばら撒き、空中技で沈め、大技を惜しみなく使い、復帰する相手を容赦なく潰す戦闘形態。地上戦闘AIに毛が生えた程度のDX時代とは訳が違う。
尚、復帰阻止AIが働いている状態のCPUは待機状態の比率が増す関係上、ヘイトを他の相手に向けにくくなる。
・崖端への移動
相手がステージの外にいる、正確には「相手の足元が奈落である状態」を察知したCPUは、復帰阻止の準備を図るべく相手の位置に最も近い崖へ移動する。
崖端への主な移動手段は走行。ステージ反対側であろうとも相手の崖外移動を察知すれば、余計な行動を取らず怒涛の勢いで全力疾走する。
・崖端での待ち伏せ
崖到達後はいよいよ復帰阻止の予備段階に移行、いつでも復帰阻止行動を放てるよう崖端で静止する。
静止状態とは言っても決して無防備では無く、(人間相手に限って発動される)いつもの超反応防御AIは凶悪極まりない。CPUの復帰阻止行動発動前に相手が先制攻撃した際には、直ちにガーキャン、或いは超反応カウンターへ切り替えてしまう。
全ての復帰阻止行動は、この「崖での静止状態」を起点に発動される。復帰阻止行動移行条件は以下の通り。
- CPUが「静止状態」
- 復帰中の相手がステージ側へ方向入力
この二つの条件が満たされた瞬間に各種復帰阻止行動へ移る仕組み。
最終的に、攻撃対象の方向入力が復帰阻止のトリガーとなっている。入力感度は超絶的とも差し支えない位の次元であり、相手が1㍃㍍でもステージ側へ接近したその瞬間に作動。CPUならではの超常的な反応速度を以って復帰阻止形態へ移行する。
逆に相手が接近しなければ、CPUは崖端で待機したまま。方向入力さえしなければ、一切の復帰阻止行動を放棄してしまう。即ち、その作動条件故にCPUが復帰阻止を実行する権限は、実は吹っ飛ばされた相手側が握ってしまっているのだ。
人間側は方向入力と空中回避の同期を図るだけで、復帰阻止のタイミングを操作出来てしまう。寧ろ敢えて復帰阻止を誘発させ、強引に隙を作らせる事も可能なのだ。
・大技による復帰阻止
復帰阻止行動その1。スマッシュ技を初めとした強力な近接技でトドメを刺す。復帰阻止系の中では最もメジャーな行動パターン。
相手が崖掴まりポイント近辺に存在、特に空中ジャンプを完全消費した状態にて繰り出される。条件に嵌った相手にはありったけの火力技をぶち込み、何が何でもステージ外へ追い出そうとする。
主に横スマッシュ、地上近接系必殺技が該当。
ただし技が技なので、CPU側も多大な隙を晒してしまう。ストレートに攻撃をぶち込む性質上、タイミングを計算した空中緊急回避、及び崖掴まりへの対抗策としては不適任。復帰阻止タイミングを操作された暁には、逆にCPUが崖外へ追い出される危険性も孕んでいる。
主な使用者(ドンキーコング、キャプテン・ファルコン、ネス等
・能動的な崖外移動、及び空中技による復帰阻止
復帰阻止行動その2。自らの意志で崖から飛び下り、空中技をぶち当てる。
移行タイミングが他の復帰阻止行動と比較して段違いに早い。相手がステージ側へ移動したその瞬間に崖から飛び降り、
目標と上下高度を合わせながら空中ジャンプで接近、到達後は任意方向へ空中技五種の何れかを使用。
一度の復帰阻止で繰り出せる空中技は必ず一回まで。一度空中技を使用したり、CPU側の復帰が間に合わない位に相手が遠方にいる状態では、復帰阻止を終了。直ちに自身の復帰行動に行動パターンを切り替える。
尚、必殺技による妨害行動はしない模様。
能動的に崖外へ移動し空中技で迎撃する特性上、多段ジャンプ可能なファイターに漏れなく搭載されている。複数回のジャンプで高度を稼げるからか、高高度の相手にも平然と復帰阻止を実行できる。
しかし崖から飛び降りる必要があり、空中技使用後は復帰形態に移行する特性から、CPUの行動パターンの中でも取り分け無防備である復帰AIを併発させてしまう。
主な使用者(カービィ、プリン、ピット、メタナイト等
・射撃技による復帰阻止
復帰阻止行動その3。崖端で待ち構え、各ファイター毎に定められた射撃技で復帰阻止するパターン。
崖近辺を除き、ステージ横~底部の超広範囲が該当AIの作動圏内。相手が方向入力を継続してる限り、断続的に射撃技を展開し続ける。
一部のチャージ系射撃技も該当するが、溜めの概念は備わっておらず常時溜め無し運用。空中ジャンプ等による事前高度調整能力は保有していない。高高度から復帰する相手にも、常時地に足を着けたまま射撃技を放つ。
弾道が斜め下方向であるマリオ、ピカチュウ、シークの通常必殺技のみ、発射前に垂直小ジャンプを挟む。尚、この小ジャンプ自体には対象を捕捉する能力は存在せず、何らかの障害で小ジャンプ及び射撃技使用前に崖へ背中を向けてしまった場合、そのまま見当外れの方向へ該当技を暴発させてしまう。
肉薄を迫る上二つの復帰パターンと比べるとやや地味な印象を受けるが、一部の射撃技はCPUならではの凶悪な性能を秘めているとか…。
・ドンキーコング、サムス、ルカリオ
通常必殺技・ジャイアントパンチ、チャージショット、はどうだん
何れも保留可能チャージ技を持つファイター。最大チャージ状態限定で発動。溜め無し、中途チャージ状態では使用しない。
・ピット
通常必殺技・パルテナの神弓
多段ジャンプ可能ファイター。基本的に翼を活かした空襲能力で能動的な復帰阻止を図る個体。
空中技の届かない遠距離からの復帰阻止には、代わりにスティック入力で弾道を操作できる即席チャージ系射撃技、パルテナの神弓を活用。
弾道操作可能とは言えこの弓矢、CPUが扱うと驚愕のホーミング性能を発揮する。弾速自体は相当速く、細身の矢をピンポイントで連続ヒットさせるのには相当な腕前を要求されるが、CPUはコイツを機銃の如き連射スピードでバシバシ決めまくる。
復帰に難あるファイターからすれば堕天直行不可避。
・ピカチュウ
横スマッシュ・ショートでんげき
通常必殺技・でんげき
下必殺技・かみなり
崖外へ追い出された者が真っ先に目にするのは、戦場に響く轟雷の音。絶え間無き「出川」の粛清。相手の接近を察知する度に、雷神の如き振る舞いで稲光…もとい「出川」を召喚するのである。
射撃技にしては珍しく、高所での復帰阻止にも運用する。出川の発生位置を越えた超高度の相手にも平然と作動する程の傾倒ぶり。
その異常な攻撃範囲と圧倒的持続、そして根本出川の超火力から、復帰中は無防備に陥る対CPU戦では復帰阻止かみなりを連発して一方的にハメる、身の毛もよだつ殺戮ショーが開催されるという。特に図体のデカいファイターが引っかかった暁には…。
尚、低所からの復帰を阻害する「小ジャンプでんげき」の乱発も、性能的にも視覚的にも強烈である。
・スネーク
横必殺技・リモコンミサイル
スティック入力で弾道操作できる射撃技。誘導中の本体は無防備だが、シールドボタンで途中解除可能。操作放棄されたミサイルは、その場で垂直落下。復帰阻止に用いれば強烈なプレッシャーを与える。
CPUも復帰阻止に活用、ミサイルの影を横切る相手には直ちに追跡を中断する。しかしミサイルの頭上を飛び越された場合、今度はミサイルをストレートに当てようと復帰が完了した相手にもしつこく追尾するようになり、結果的に無防備な状態を長時間晒してしまう。
因みにリモコンミサイルは火炎属性を保有している。そしてCPUスネークの復帰阻止技のバリエーションはリモコンミサイルにメチャクチャ偏っている。予め崖端に爆薬箱を配置し、復帰阻止リモコンミサイルを誘うなんて物騒な事はしないであげて下さい。
崖際攻防の低難易度化に伴い、直線的であった復帰AIにも大幅なテコが入った。複数の必殺技を活用し、自身の現在位置に応じてルートを任意選択する姿は、運動性能直線的で且つワンパターンであったDX時代のイメージを払拭したといっても差し支えないだろう。
ただしAIを一新した弊害からか、実験段階的な雰囲気も匂わせており、調整が行き届いていない箇所も点在する。
・復帰中の基礎AI
復帰パターンには大きく分けて「高所復帰」「低所復帰」の二種類が存在する。
自身の吹っ飛ばされた位置や、相手の現在位置を参照して、任意の復帰パターンを実行する仕組み。
「高所復帰」は、CPUが崖掴まりポイントより高い位置に吹っ飛ばされた際に作動するパターン。主に射撃系・突進系必殺技をばら撒いたり、攻撃判定のある上必殺技で接近する相手にカウンターを仕掛け、ステージ上へ直接降り立つ。
高所復帰AIが働いても尚復帰が間に合わない場合は、低所復帰AIへ切り替える。
「低所復帰」は、CPUが崖近辺、水平方向、崖下等、比較的高度の浅い場所へ吹っ飛ばされたり、高所復帰AIで距離が稼げなかった場合に作動されるパターン。使用行動は空中ジャンプと上必殺技に傾倒し、崖際で待機する相手に反撃を仕掛けたり、崖掴まりを積極的に狙う。
共通事項として、復帰中は相手への認識能力が欠如する。常にCPU自身のペースで復帰を試みる他、復帰中はお得意の超反応回避AIが一切使用できなくなり無防備な状態を長時間晒してしまう。
CPU同士による崖攻防は両者とも能動的にアクションを繰り出すので、割と白熱する。人間視点では復帰中を処理出来るかによって、CPUの攻略難易度が大幅に変動するであろう。
・高所復帰の移動経路
吹っ飛ばされた位置や相手のポジションに応じて、主に三種類の経路を使い分ける。
基本的には、緩やかな軌跡を描きながらステージ側へ移動する。相手の位置が遠いほどこのルートの比率が強まり、逆に距離が近い場合は拒絶する傾向にある。
吹っ飛びベクトルが斜め~水平寄りで、尚且つ相手が崖近辺を屯している状況では、多くの場合ステージ上への着地を拒否。露骨にステージ底部へ垂直降下し、「低所復帰」の形態へ切り替える。
吹っ飛びベクトルが垂直寄りで尚且つ相手が崖端に存在する、或いは相手もステージ外へ飛び降りた場合は、吹っ飛び頂点で空中ジャンプを直ちに使用。同時にステージ側へ強めの方向入力。相手の頭上を飛び越し、ステージ上へ直接復帰する。
一般的なファイターにとって高所復帰中での使用頻度は低めだが、空中ジャンプの作動位置は縦方向8キャラ分の高度に指定されている。
多段ジャンプが出来るファイターや、下記の「高所復帰中に突進技・射撃系必殺技」を使用出来るファイターは、空中ジャンプを使用する傾向が強い。特に多段ジャンプ可能ファイターは、既定ポイントでランダムな回数で空中ジャンプを繰り返し、ステージ上への降下タイミングを狂わせる。
また、空中ジャンプが余っている状態で、或いは空中ジャンプの開始~頂点部分でCPUの影に足場が存在した場合、その瞬間に先制で空中回避を発動。
元々CPUは低所復帰AIの割合が強いので、復帰中の先制空中回避を見る機会には恵まれていないのだが、例外的に空中ジャンプの移動距離が長いCPUヨッシーとプリンは先制空中回避を積極的に使い、崖待ちする相手をすり抜ける。
・高所復帰中の突進系・射撃系必殺技
突進技で復帰力を得たり、射撃技で一時的なジャミングを図るパターン。弾道が斜め下方向の射撃技を有するファイター、横必殺技が突進系であるファイターに搭載されている。極一部の例外を除き、技使用回数は一度の復帰AI作動につき1~2回まで。
前述の「高所復帰の移動経路」の空中ジャンプと併用する形で発動。ジャンプとほぼ同時に該当必殺技を入力する。発動条件の関係から、事前に空中ジャンプが余っていないと使用出来ない。
・マリオ、リンク、トゥーンリンク、アイスクライマー、ピカチュウ
空中ジャンプ後に射撃技を繰り出すタイプ。
マリオとアイスクライマーとピカチュウは通常必殺技が該当。全て斜め下方向に投下するタイプの射撃技であり、使用者本人を庇いながらステージ上へ雪崩れ込む。
リンク一族の該当行動は横必殺技のブーメラン。両者共にブーメラン射出角度を指定できるのだが、高所復帰中のブーメランには相手を捕捉するシステムは備わておらず、常時水平に向けて投擲する。
・ルイージ、ディディーコング、フォックス、ファルコ、ウルフ、ピカチュウ、アイク
空中ジャンプ後に突進系横必殺技を繰り出すタイプ。射撃技と比較して使用者が格段に多い。CPUピカチュウは突進技と射撃技の両刀使いである。
ルイージ、ピカチュウ、アイクは即席チャージ技に分類されるが、何れも溜め無し運用。
ディディーコングは横必殺技のみならず、上必殺技も活用。
横必殺技は主に崖に近い高度で使用。通常はシールドを貫通する掴み系技だが、ボタン追加入力で肉弾攻撃に派生する。しかし復帰中のCPUは掴みルート完全一択。
上必殺技は高高度へ吹っ飛ばされた際に使用。予備動作中に射出角度を調整できる技でもあり、CPUは主に水平方向へ突進する。ただし事前に露骨に且つ軽やかな空中ジャンプを挟むため、他の誰よりも技の発動を特定しやすい。
・ピーチ
例外その1。発動までのプロセスは上記に倣った通りだが、CPUピーチが使用するモノは必殺技でも空中攻撃でもなく、彼女専用アクションである空中浮遊。一定時間同じ高度を維持しながら左右に移動が出来る、非常に強力な復帰行動。一度に一回まで使用可能。
従来通り、優雅に相手の頭上を通過する他、稀に崖近辺にて空中浮遊で滞留し、謎の時間稼ぎを試みるようだ。
・ロボット
射撃系・突進系必殺技を使用しない例外その2。彼が使用するのは必殺技ではなく空中後ろ攻撃。また使用回数の限度は特に定められておらず、ステージに到達するまで何度も連発する。
技の反動で僅かながら前進。エフェクトの割に判定が全身に存在し、当たると結構痛い。
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