登録日:2018/09/03 Mon 20:07:25
更新日:2024/10/21 Sun 06:51:00NEW!
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名言 ガセ 都市伝説 実は言ってない 実は他人の 本来の意味 名言を残す難しさ 元ネタの人涙目 セリフ 台詞 名台詞 捏造 メッセージを伝える難しさ 創作 誤解 所要時間60分以上の項目 何を言ったかより誰が言ったか 実は言ってない台詞 一覧項目 コメント欄ログ化項目 飛影はそんなこと言わない 解釈違い 偏見 尾ひれはひれ 知ったかぶり
現実に実在した人物のものだけでなく、漫画・アニメなどにおいても、名言・迷言は多数存在する。
あるときは発言したキャラの株が急上昇・急降下したり、またあるときは心が楽になったり打ち砕かれたり…。
だが、中には「実は本人はそんなことを言っていない」という台詞もかなりある。
その内実は大きく分けて
- 本当に発言していない
- 他キャラの名言が別人のものとされた
- 言ったことは言ったが、違う意味で捉えられがち
といった所である。
サブカルチャーに関する都市伝説となることも。
本項ではこれらに当てはまる台詞を解説していく。
実在の人物については実は言ってない台詞の項目で。
なお、原作以外の公式媒体(アニメやゲームなど)での台詞(ドラゴンボールの「オッス!オラ悟空」やガンダムのアムロの「行け!フィン・ファンネル!」等)は、
確かに「原作では言っていない」台詞ではあるが、実際に公式作品で用いられたのは間違いないため、ここでの基準である「作り話」「捏造」には該当しない。
ここで扱っているのは「実は言ってない台詞」であり、言ってない事が自明なネタ台詞や、自分が面白いと思った声真似・改変ネタを不特定多数に紹介する記事ではないので編集の際は要注意。
仮面ライダースーパー1の「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」や一本包丁満太郎の「うんこの香りだあーっ!!」等、漫画のコマのキャラや台詞の書き換えで本来と異なる台詞が有名になってしまったものに関してはコラ画像の項目を参照のこと。
主な「実は言ってない台詞」の例
▼そもそも作り話系
- うっかり八兵衛「黄門さま、ファイト!」
長寿ドラマ『水戸黄門』に実はこんな台詞が、という文脈でしばしば話題になる(言うまでもないが、時代劇なので明らかにおかしい)。
うっかり八兵衛のキャラクターのせいか信じる人が多く、『ガセビアの沼』でも取り上げられた。
インタビューを受けた八兵衛役の高橋元太郎本人が直接否定しており、その上で八兵衛が登場する全話を確認したが、そういった台詞は無かった。
真相は諸説あるが、何かのコント番組で水戸黄門のパロディ的なネタがあり、そちらで「ファイト」発言があったのを混同したのでは?という説も。
同様に、時代劇で流れたセリフとして流布しているものに「殿、チャンスにございます」があるが、こちらは噂の出どころがはっきりしている。
1997年のNHK大河ドラマ『毛利元就』の脚本を担当した内館牧子は、当初「私に時代劇は書けない」と言って断ろうとしたが、NHKは熱心にオファー。
「戦国時代らしい言い回しに直してくれる担当の人をつけてほしい」と要望した上で受け、時代劇だと意識せず「毛利家のホームドラマ」を書くことにした。
結果として元台本は「殿、チャンスにございます」のようなセリフが出てくる始末で、さすがのNHKスタッフも呆れていた……と、内館本人が笑い話として語っているが、
もちろんその後、ちゃんと戦国時代らしい言い回しに訂正されたという前提の話で、決定稿では変更されていた*1。
いわば「大河ドラマの、実は言ってない台詞」だが、さすがに大河で流れたというのは嘘くさくなりすぎるためか、民放時代劇で出た台詞だとされることが多いようだ。
- 鞍馬天狗「杉作、日本の夜明けは近い」
嵐寛寿郎主演の時代劇『鞍馬天狗』で、寛寿郎演じる鞍馬天狗が自らを慕う少年に向けて言ったとされる台詞。
笑点で林家木久扇が物真似を披露した事で有名になったが、
実は台詞自体が木久扇師匠の創作であり、この通りの台詞は原作まで範囲を広げても存在しなかったりする。
後に鞍馬天狗がこの台詞を喋るCMが作られたりもしたものの、演じているのは物真似した木久扇本人なので、
実際の『鞍馬天狗』を演じた寛寿郎氏は言っていないという意味でも、「後で言った」とするには微妙である。
- アルフレッド・イズルハ「嘘だと言ってよバーニィ」
『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』より。
同作の主人公である少年のアルが、劇中で知り合った青年のバーニィに発したとされるセリフ。
ポケ戦という作品のストーリーを象徴するようなフレーズとして有名になっているが、実際にはこれは台詞ではなく、第5話のサブタイトル*2である(全6話)。
つまりアルの心中を表したものではあるが、台詞としては登場しない。
バーニィとの口論シーンで実際に言ったのは「嘘だ!バーニィはあいつが怖くなったんで嘘をついてるんだ!」という台詞である。
公式なフレーズであることには違いないため、『戦場の絆』『ガンダムvsシリーズ』など、
『ポケ戦』の機体が参戦しているガンダムゲーでは称号だったりコメントパーツだったりに用意されていることも多い。
過去作のパロディがふんだんに盛りこまれた『ガンダムビルドファイターズ』でも使われた。
これも「アルのセリフである」との誤解が広まった原因だと思われる。
- オルガ・イツカ「マクギリスじゃねぇか…」
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』より。
上のバーニィ同様、ネット上でよく使われるフレーズで、オルガがマクギリス・ファリドと再会した時に発する台詞とされる。
「異世界オルガ」と呼ばれる『鉄血のオルフェンズ』を基にしたMAD動画シリーズで使われたセリフ(大体CV:櫻井孝宏キャラ相手に使われる)で、
本編のセリフを切り貼りしたものであり、実際には本編で一度も発せられたことはないのだが、
オルガの台詞として有名になりすぎてしまってYahoo!やGoogleでマクギリスを検索するとこの台詞が最上位に出てくる珍事まで起きてしまった。
- ザ・ヴァーティゴ「タキシードメンポ」
プロトニンジャスレイヤーについての質問への回答としてテング・ニンジャへ言及したとき引き合いに出したとされるが、
実際のセリフではこのような珍妙な言い換えではなく、
「これはホークムーンでいう所の「金と黒玉の戦士」的なポジション……わかんないかな?ええと、[[タキシード仮面>地場衛/タキシード仮面]]みたいなさ。」
と、原作通りの呼称が使われている。
なお、ニンジャスレイヤーは本編と宣伝、そして原作者や翻訳チームなど携わる人物の間でも微妙に芸風が違っており、
英日直訳したりポピュラーな英語を一般のと異なる発音するのは翻訳チームに見られる芸風。Q&A担当のザ・ヴァーティゴは
「前々から言おうと思ってたんだが、ゲームや映画のタイトルとかは、名称をもじられるとまったく全然わからんから普通に書いてほしいんだよな!みんな頼んだぞ!」
とのスタンス。第四の壁が見えている設定なのでものの考え方は「こちら側」に割と近い。
ちなみに類似ネタとして「オメ―ン・ライダー」「モーターシロイヤツ」(それぞれ仮面ライダーとガンダムを指す)がある。
余談ながら、2021年になって「~5人ものロイヤルニンジャがタキシードメンポ姿で同行した時の写真は~」
と、「タキシードを着てメンポを着けた格好」という文脈で「タキシードメンポ」の語が実際に登場した。
- 上月澪「知ってるがお前の態度が気に入らない」
キャラクターは「ONE~輝く季節へ~」から。
澪が満面の笑みとともにスケッチブックに上述の文章を書いて掲示する*3ものであるが、
原作中には一切出てこないのはもちろん、勘違いしてしまいそうな似た文章・シチュエーションも無い上そもそも澪の性格上このような内容の文章は書かない。また、彼女の普段の文体はこのような硬いものではなく「~なの」で文を結ぶ幼めの話し言葉である。
しかし、このセリフと絵自体の由来は存在しておりそれはファンアートで上述の通り「本来の澪なら絶対にやらない、ネタ的ニュアンスの1枚」だった。
それをもとにアスキーアート化したものが当時主流だった2ちゃんねるにおいて質問者やスレッド作成者などへ煽るときに便利だったため多用されこのセリフとAAの方が有名になった。
- 悟空「これはクリリンの分!」
お笑い芸人「南海キャンディーズ」がネタで繰り返し使っていたフレーズだが、実際は言っていない。
南海キャンディーズ自身も言っていないことは知っていたが、「聞いた人があえて印象に残るようこのセリフを使っていた」との事。
確かに対ナッパ戦の最中、悟空は「〇〇(死んでいった仲間の名前)のうらみ!」と言いながら攻撃しているが、
この時クリリンは死んでいないので当然「クリリンの分」も無かった。
悟空がクリリンの仇を討とうとするシチュエーション自体は存在する(タンバリン戦やフリーザ戦)が、このセリフは出てこない。
同じクリリン絡みの上に、字面からイメージされるシチュエーションと実際に発言された時期に少しずれがあるためか、
同類だと誤解されることもあるが、フリーザ戦における有名なセリフ「クリリンのことかーっ!」は本当に言っている。
ただしこのセリフ自体も他作品における超サイヤ人パロで引用されがちなセリフであるためか、超サイヤ人初変身時のものと誤解されがちだったりする。
ちなみに似たセリフとしては、『北斗の拳』のケンシロウがジャギに向けたもの、
『SLAM DUNK(スラムダンク)』の三井編にての桜木花道、『ジョジョ』のエルメェス・コステロ、
そして『三銃士』のダルタニャンのワルド伯へのセリフなどもある。
故に「他人の台詞の改変」どころではなく一種の慣用句と考えられるため「作り話」へ分類している。
余談だが、マンガ『いぬまるだしっ』ではたまこ先生が「これはクリリンの分!」と鳥山先生にバレンタインチョコを贈っている。
- シャンクス「覇王化をお前に教える」「よくやった! それは俺の旗じゃない。燃やして正解だった」
最初期から節目節目に登場するも最終章を前にして未だ謎の多いシャンクスのセリフとして半ばネタ的に語られるセリフ。
どちらも「尾田君……見損なったぞ……」などと同様のYouTube動画のサムネに書かれている見出しが元ネタで、
シャンクスはもちろん劇中の登場人物の何れが発言したものでもない。
前者に関してはかなり前からあるネタであるが、22年公開の劇場版の影響もあってか22年になって再びインターネットミームとして復活し、
様々な改変ネタの元ネタとして扱われている。
また余談であるが、後者の動画は「バルトロメオが燃やした旗は赤髪海賊団のものとは微妙に異なるため、実際にはシャンクスの旗ではないのではないか?」という内容であるが、
後にシャンクス自身が自分の旗がルフィの子分に燃やされた事へ落とし前について言及しているため、原作にて明確に否定される事となっている。
- オーキド・ユキナリ「ポケモンは全部で151匹いる」
ポケモンシリーズのお約束ともいえるポケモンの研究者の初代である、オーキド博士が発したとされるセリフ。
新ポケモンが増えるたびにネタにされる台詞だが、実は彼が原作ゲーム及びアニメにおいて「ポケモンが全部で151匹いる」と明言した事は無い*4。
あえて挙げるなら彼が歌ったアニメの初代ED「ひゃくごじゅういち」ぐらいだが、それも厳密に言うと「151匹」であって「151種類」ではない。
メタ的にはゲーム的(当時のカントー地方では)に№151までしか居ないので、仮に「151種類」だったとしても絶対間違いだとは言い切れないが…。
「金・銀」及びそのリメイク作品「ハートゴールド・ソウルシルバー」に登場する一般人の台詞に、
「3年前、オーキド博士は150種類いるって発表してたけどな」というものがあるが、これもやはり「全部で~」というニュアンスではない。
ちなみにアニポケでははっきりと「オーキド・ユキナリが全国図鑑No.152以降のポケモンを目撃する」シーンが存在する*5他、
アローラ地方に親族がいる事が判明しているため、アローラのポケモンについても話を聞いているとするのが自然であろう。
少なくともアニメ版においては「元々カントー以外のポケモン事情についてもそれなりに知っている」と推測できる。
- 草加雅人「それも乾巧って奴の仕業なんだ」
草加は仮面ライダー555に登場する仮面ライダーの1人で、味方サイドでありながら主人公の乾巧と反目しあっているという設定を持つ。
そんな彼の代表的な台詞として扱われるが、劇中では全く言っていないこともよく知られる。
とはいえ、草加が巧を孤立させようと策略を張り巡らせ、オルフェノク(本作の怪人)である木場勇治を誘導して巧を始末しようと考えていたのは本当である。
そのため、実際のセリフではないにせよ、劇中における草加の性格と所業を端的に表した言葉であることは間違いない。
これに対しては、木場の台詞「なんだって!?それは本当かい!?」(略してなそ本)で返すのがお約束とされるが、やっぱりこっちも実際の台詞ではない。
要するにこれらは草加が言葉巧みに木場を騙すシーンを要約したコピペ文である。(数話かけて木場と巧を騙す本編の草加も凄いが、それを1行にまとめるファンも凄い。)
そして、カードゲーム『仮面ライダーバトル ガンバライド』においてこの台詞がカイザのライダースキルのスキル名として採用=公式に逆輸入されるという珍事が起きた*6。
また、神谷浩史と鈴村健一がMCを務めるラジオ『仮面ラジレンジャー』に草加役の村上幸平氏が出演した際にはこのセリフを言ってくれるようリクエストしていた。
そのため、「草加雅人は言ってないが、(演者の)村上氏は言っている」と言う珍事が起こってしまった。
ちなみに村上氏はこの際にはっきりと「(草加がそういう奴だったのは事実だが)このセリフは言っていない」と答えている。
さらに時が経った2017年には、大人向け変身ベルト玩具である「CSM カイザギア」のプロモーション動画にて、
出演した村上氏が動画のオチにこのセリフ(「それも」を「これも」とするなど、言い回しは少しだけ変わってはいるが)を使っている。
CSMでは555→CALLでこの台詞が再生できる。
ちなみに似たような言葉に『仮面ライダーBLACK』主人公南光太郎の「ゴルゴムの仕業」がある。
こちらは、『BLACK』にて何か不審な事が起こると、光太郎が何でもかんでも敵組織の「暗黒結社ゴルゴム」の仕業にするため、
それを面白がった視聴者が、時に『仮面ライダー』が無関係な作品でも「ゴルゴムの仕業だ」とゴルゴムにあらぬ疑いをかけるネタにされた。
※ちなみに「ゴルゴムの仕業」というセリフが発せられたのは劇中で僅か一回程度。
ただし、『BLACK』では一見すると無関係に見えても実際にゴルゴムの仕業であることが大半である。番組の都合というものがありまして
- 榊マリコ「事件だわ!」
科捜研の女の主人公、沢口靖子演じる榊マリコが、些細な物証から違和感を感じたときに言うとされるセリフ。
しかし、ドラマ本編でマリコがこのようなセリフを言うことはない。
そもそも科捜研は警察が事件の捜査を開始してから出動する組織なので、マリコが事件の発生を宣言する状況も考えづらい。
自殺と思われた事件が他殺だったというケースはよくあるが、それを指して「事件だわ!」と言うのも不自然である。
実際には榊マリコのモノマネを持ちネタとするモノマネ芸人・メルヘン須長氏の創作であるが、使いやすいのかスポーツ紙で科捜研がらみの芸能見出しで使われるほか、当の須長氏もドラマ制作発表時のゲストとして沢口氏の前でこのネタを披露するなど、事実上公認となっている。
また、劇場版公開時に制作した警察とのコラボポスターにもこのセリフが使われたこともある。
- ミスト・レックス「総士君がいなくなってしまったからな…」
スーパーロボット大戦Kのオリジナル主人公であるミストが発したとされる台詞。
総士君とは蒼穹のファフナーの重要人物である皆城総士のことである。
この台詞が出てしまうとファフナー勢生還フラグの成立に失敗しているとして有名だったのだが、劇中でこの台詞は全く出てこない。
実際のゲームでフラグ立てに失敗した時の該当する台詞は
さやか「だけど、一騎君達にはつらいパーティだったでしょうね…」
アスラン「顔では笑っていたが、みんな心の中は悲しみでいっぱいだったはずだ…」
カガリ「『総士は死んだわけじゃない。フェストゥムと同化しただけで、いつかきっと俺達の所に戻って来ます…だから悲しくはありません』…か。一騎の奴…」
という流れからの
ミスト「総士君がいなかったら、俺達はル=コボルに勝てなかった…彼に対する感謝の気持ちは、言葉では言い尽くせないですよ…」
と意味合いからして全然違うのだが、何故か広まってしまった。
元々ゲーム中の彼の発言は問題視されることが多く、逆にネタとして原作台詞と共に改変ネタ台詞・他作品パロ台詞が数多く書き込まれる中で
アンジェリカ「○○にはつらい宴会になってしまったわね」
ミスト(総士君がいなくなってしまったからな)
というような系統のネタが原作台詞引用と勘違いされて大勢にしばらく信じられていたのは、
ネタ台詞の宝庫としてスパロボKをプレイしていないが語録を好む者も多数発生していたとはいえ、彼なら言いそうと思わせるだけの説得力があったからだと思われる。
もちろん、だからと分かっているのにデマを拡散してしまうのは彼以上に問題視される行為なので注意するべきだろう。
- 服部平次「せやかて工藤」
名探偵コナンにて。
大阪在住の服部平次が工藤新一(=コナン)の推理に反論する際の台詞とされるが、劇中では言っていない。
ちなみに関西弁の「せやかて」は標準語で言う所の「そうかもしれないけど」といったニュアンス。
平次も高校生探偵であり、気質や年頃も近いので新一(コナン)と度々張り合ったり、推理に納得できない点があれば遠慮なく反論したりするので、
特に二人で協力して事件を追う回などではいかにも言いそうな台詞だが、実は言っていない。
おそらく、初対面の事件において二人で張り合っている時に平次が真相を掴んだと確信して言った「もろたで工藤」、
あるいはニュアンス的にも文言的にも非常に近い「せやけど工藤」を間違えてしまったと思われる。
ただあまりにもネタにされている上、別に平次のイメージを落とすような間違いではないためか、
半ば公式も認めている台詞であり、公式の企画のタイトルに使われた程である*7。
本編では上述の通り言ってないこの台詞だが、パロディに定評のある『銀魂』の次回予告にて平次役の堀川りょう氏が演じたパロディキャラがこの台詞を言っており、
奇しくも上記の草加雅人同様に「平次は言ってないが堀川氏は言った」という珍事が起きた。
余談だが(劇場版OPでは頻繁に言っているのでこの項目の趣旨からちょっと外れるものの)、コナンの決め台詞として知られる「真実はいつも一つ!」も、
本来は「他人の台詞が別人のものとされた系」の特殊なパターン。
この台詞、先述した平次と新一(コナン)の初対面の事件である『外交官殺人事件』が初出なのだが*8、
実はこの時、コナンは平次に飲まされた中国酒・白乾児の効果で一時的に元の姿に戻っている。
つまり、「新一の台詞であることには間違いないが、江戸川コナンとして言った台詞ではない」のである*9。
- サーバル「すっごーい!君は○○のフレンズなんだね!」
IQが下がるという噂のアニメ「けものフレンズ」のメインヒロイン、サーバルが言ったとされる台詞。
作中の俗に「けもフレ構文」と呼ばれるフレーズがちょっとしたブームとなり、
その中でも特に代表的なフレーズとされているのがこの発言だが、実際にこのセリフを発したことはない。
作中で彼女が実際に言った台詞でこれに近いニュアンスのものを強いてあげるとするなら、
「あなた、狩りごっこあんまり好きじゃないけものなんだね。」だろうか。
何かと多用される「すっごーい!」とその他の特徴的なセリフをまとめたものである。
どんな相手でも長所を探し出して褒めてくれるサーバルの人柄(?)が二言に凝縮されていて、
汎用性も高すぎたために妙に広まってしまったフレーズである。
なおこの件で「けもフレのファンは模造台詞を広めた」などと煽ってくる輩がいたら、
「あなたはけものフレンズがあまり好きじゃないフレンズなんだね!」とでも返しておくといいだろう。
しかしけもフレ声優陣が某音楽番組に出演した際、
某サングラスがトレードマークの司会者さんを名指しして「すっごーい!○○さんはイグアナのフレンズなんだね!」と発言したことで、
公式がこのセリフを把握していることは明らかになっており、ある意味「嘘から出た真」となった。
前述の「それも乾(ry」のようなパターンで、「どういうことだ…」とか、「説明してやれ苗木」とか、
「説明しろ…いやしてくれ…」あたりが混じって「どういうことだ、説明しろ苗木!」になったと言われている。
ちなみに似た例では魁!!男塾の富樫源次の台詞に「どういうことだ!説明しろ伊達!」というものがあり、こちらと混同している節もある。
- 千代田桃「シャミ子が悪いんだよ…」
いかにも言ってそうな台詞だった事と台詞の内容的に使い勝手がいい為に、二次創作のネタが過剰に広まりすぎてしまったパターン。
「漫画(原作)とアニメでは言ってないだけで原作では言ってた」のような、
「お前は何を言っているんだ」と言いたくなるようなネタ擁護もセットになっている事も多い。
言っていないということを承知の上でネタにされている部分が多いので厳密には少し違うのだが、ネット流行語大賞のniconico賞を受賞したことを受けて、
原作者と桃役の鬼頭明里がこの台詞について言及しており、公式側にも認知されているようではある。
しかし、原作者と言った(とされる)キャラの声優が言及したとはいえ、二次創作のネタの範疇を超えないのは相変わらずなので注意しよう。
なお、原作単行本6巻において、
「フロイトが手をたたいて喜びそうな悪夢を見せて*10何のつもり?シャミ子はよこしままぞくだったんだね!」と発言しており、
俗にいう「作中で言っていない(描写されていない)だけで桃は言っている」説に拍車をかけている。
また、件の二次創作とは別に「桃がシャミ子の失敗や貸し等を持ち出してシャミ子を丸め込もうとする」シチュエーションは原作ではお約束となっているため、
元ネタ未見の人には「そういった場面で言っている」と勘違いされる事も。
- 月岡恋鐘「かーっ!卑しか女ばい!」
アイドルマスター シャイニーカラーズに登場する長崎県出身のアイドルだが、
同僚アイドル(特に千雪や三峰)がプロデューサーに恋愛方面でアピールするときに言うとされるセリフ。
「見んね霧子!」となぜか仲間の幽谷霧子に振る台詞がセットで用いられることが多い(場合によってはその霧子に抜け駆けされているというオチも)。
霧子に振るパターンでは凄まじいしかめっ面をしながら叫ぶという公式四コマの絵とセットになっている事もあるが、
こちらはコラであり実際のコマでは口は閉じている。つまりしかめっ面自体は公式*11
公式にはこのようなセリフを発したことは決してない。純然たるインターネット上のミームであるのだがこの元ネタがシャニマスにまで持ち込まれた経由は意外にもかなり複雑。
原点は紅 kure-nai(アニメ版)の九鳳院紫の台詞*12。それがデレマス→艦これと経由してシャニマスに伝わると二転三転したネタである。
なお後にウマ娘にまで更に伝搬しており、現在ではシャニマスに限らないミームとして定着した模様である。
ちなみに恋鐘自身もPへのアプローチが多いアイドルであるという所謂「お前が言うな」ネタでもあり、
そもそもの発端が恋鐘のアプローチは空回りしがちなのに、よく卑しか女扱いされがちな千雪のエピソードは甘い雰囲気で……という落差があった事による。
念を押すが本来の恋鐘はこのような嫉妬(?)を見せる人物では決してなく、シャミ子同様二次創作のネタの範疇を超えないネタなので注意しよう。
- 黛冬優子「あんたはここでふゆと死ぬのよ」
こちらもアイドルマスター シャイニーカラーズに登場するアイドル、黛冬優子が言ってない台詞。
元は某ファンアートの「ふゆたちはここで死ぬのよ」という台詞が発端であり、徐々に改変され今のような台詞となった。
冬優子の少年漫画のようなキャラクター性と文面の雰囲気から「いかにも冬優子が言いそう」ということで広まっていったネットミーム。
2020年ネット流行語100にもノミネートされる程有名になった台詞だが、もちろん原作ではこのような物騒な台詞は言っていない。
「あんた」の対象はプロデューサーだったりユニットのメンバーである芹沢あさひだったり様々。
シチュエーションも「冬優子が『あんた』と心中する」「冬優子が『あんた』と添い遂げる」「冬優子が仲間のために『あんた』を道連れにする」など。
なお、「よっしゃー!目にものを見せてやったわ!あーっはっは!」、「アイドルが戦うってのがどういうことか、見せてやる」、
「ふゆたちは空中戦じゃ分が悪すぎるでしょ……!*13」等の台詞を実際に作中で言っていることも、この台詞が「言ってそう」とされる一因と言える。
- 海馬瀬人「ずっとオレのターン!」
『遊戯王』シリーズにおいて、一方的なデュエル展開が起こった時に使われるセリフ。
『遊戯王』に限らず、対戦型ゲーム、特にカードゲームでは幅広く使われるスラングである。
海馬にこのセリフを言わせたAAが有名であるため海馬のセリフと思われがちだが、原作・アニメ共にそんな台詞はない。
発祥に関しては諸説あるが、「ずっとオレのターン!」というフレーズ自体はアニメ実況板の『遊戯王GX』実況スレが初出である、とする説が有力。
その後海馬のAAと超融合し、現在の形に定着したようだ(一応、原作海馬が双六戦で行った行為が元ネタとする意見もある)。
なお「ずっと俺のターン」の代表とも言える《狂戦士の魂》だが、
先述した通り『遊戯王DM』の次作品である『遊戯王GX』の実況スレが初出であり、このセリフの誕生には関わっていない。
後に『遊戯王ZEXAL』でオービタル7が「ずっとオイラのターン!」というセリフを残し、晴れて『遊戯王』シリーズ公認のセリフとなっている。
ついには漫画版ARC-Vにて主人公・榊遊矢が「つまりずっとオレのターンってことさ!!」とほぼ同じ文面の発言を行っている。
- アルトリア・ペンドラゴン「問おう、貴方のソフトはマスターか?」
PS2版『Fate/stay night』のコピープロテクトが発動した時に表示される台詞と長らく信じられていた台詞だが、
後の検証でそもそも件のコピープロテクトが仕込まれたソフト自体が偽物だった事が判明している。
台詞自体が本編の名台詞のパロディとしてよく出来ている事や、
コピープロテクトという性質上正規の方法では真偽を確認できない事などから、文字通り誰もその出所を疑わなかったようだ。
- 岡田以蔵「おまんも人!」
『Fateシリーズ』においてアサシンのサーヴァントである岡田以蔵が「人斬り」スキルを使用する時のセリフ。
が、このセリフはファンアートが発祥であり、『Grand Order』にも『帝都聖杯奇譚』にも存在しない。
『Grand Order』の岡田以蔵は人型エネミーに対するダメージが増すスキル「人斬り」を持っているが、
この「人型」の範囲が妙に広く、ラミアやケンタウロスといった亜人型エネミー、
果ては「首無し騎士を乗せたオオカミ」や「ほぼマンモス」や「九割馬」といった人型要素の少ないものにまで特攻が入る。1回だけ「グラフィック上は明らかに『おまんは人型!』だが、当該サーヴァントの設定の都合で特攻が入らない」ことはあった。
そんな事情から「アスカロンのように相手に人型属性を付与しているのでは」などと噂され、
アスカロン使用時のセリフ「汝は竜!」と上述したファンアートのセリフが融合。
結果、「『おまんも人!』と叫びながら人でないものを斬る以蔵さん」というミームが誕生した。
なお、元になったファンアートはノッブが「岡田以蔵がアホになって何でもかんでも人認定すれば特攻が使いやすくなるのでは」と考え、
それに基づいた想像の中でアホになった岡田以蔵が発したものであり、結局発祥元でも本人は言っていなかったりする。
- マシュ・キリエライト「こんな世界を……私たちは、これから……」
スマホゲーム『Fate/Grand Order』においてマシュが言ったとされるセリフ。
場合によってはモノローグだったり発言者がゴルドルフ所長になっている時もある。型月が初期に発売した某作品をはじめ、長年凍結していた作品の新作が発表されたというような、
ファンが思わず耳を疑うような吉報が飛び込んできた場合、与太話的に「〇〇が発表されたんだよ!」というモブのセリフに返す形で書かれる事が多い。
また、反対にあり得ない事を挙げて「ないない」という意図で使われる事も。
ここでいう「こんな世界」とは第二部で敵対する異聞帯という、我々の知る世界史から分岐し、かつ何らかの理由で滅んだ、もしくは「これ以上発展しない」と判断され消失するはずだった世界の事を差す。
第二部では黒幕によってこれらの世界に塗りつぶされるような形で本来の世界が滅ぼされてしまい、正しい人類史を取り戻すためには異聞帯の核を切除して文字通り消さなければならない…というのが本編のストーリー。
詳細は省くが、異聞帯の一部には深刻な問題が隠れているものの、表面上は穏やかで平和を享受している世界が少なくなく、
最終的にはその平和を踏みにじる事を強いられている主人公たちの苦悩を端的に表したセリフといえる。
そのストーリーが公開された後、Fateシリーズのスピンオフ作品『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』の著者であり、
にも関わらずその主人公が全然引けないジンクスで有名だった三田誠氏がようやく入手した事に対し、
(そんな救いのある世界を…我々は、これから…)というリプライが送られたのが初出。
北欧異聞帯を切除した直後のマシュのセリフに「……わたしたちは、またひとつの世界を……」というのがあるため、これが元となった可能性がある。
- 蘆屋道満「忘れもしませぬ、あれは拙僧が○○だった頃…」
同じく『Fate/Grand Order』でリンボが言ったとされているセリフ。
元ネタはイラストを担当した古海鐘一氏が投稿したイラストにあった「忘れもしませぬ、あれは拙僧が知育葉子の広告塔だった頃…」という一文だが、
これを面白がったユーザーたちによって〇〇の部分に適当な内容を当てはめてリンボの存在しない記憶を捏造するという大喜利が流行したことで広まることとなった。
あまりの広まり様に、ファミ通のFGO6周年企画にてシナリオライター陣から「あったのかなかったのか微妙に思い出せない」というコメントが寄せられている。
- 香風智乃「うるさいですね」
某所でアレな意味で有名になってしまったセリフ(内容が内容(R-18)なので調べるのは自己責任で)。
とある二次創作スレが出典で、原作・アニメ共にこのセリフは登場しない。
しかしアニメ1期8話で「ティッピーうるさいです」と言ったり、
アニメ2期1話のサブタイトルが「笑顔とフラッシュがやかましい これが私の自称姉です」だったりと、
似たような言い回しは出てくるので、(該当スレの内容とは関係なく)「言ってそうなセリフ」として流行ったのかもしれない。
ただし、実際のセリフの方は件のものと違い、蔑みより呆れのニュアンスが強い。
- ツインターボ「もういい!」
『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するツインターボの台詞。
後述の、スペシャルウィークの「あげません!」と共に様々な名台詞と並んでスタンプ化された……のだが
ターボは劇中でこのような発言はしておらず、スタンプに使われているシーンも別の台詞を喋っている。
実はこのネタはそもそもとして卑しか女と同じネタの遷移があった。
というのも、『ウマ娘』が流行する前に、競馬を『アイドルマスター シンデレラガールズ』の本田未央がやったらというネタで、
アニメにて未央が泣きながらプロデューサーに「もういいよ、私、アイドルやめる!」と叫んだシーンを改変し、
競馬の予想を外した未央が「もういいよ!私競馬辞める!」と叫ぶネタが流行していた。
そして後にウマ娘のアニメ2期やアプリ配信でこちらの人気が高まると共に、前述の台詞を叫んだ時の未央と構図が似ている*14ということから、
未央とPをツインターボとイクノディクタス(またはナイスネイチャ)に差し替えたネタが流行り始め、そのネタの一部が、この「もういい!」であった。
しかし、当該シーンの実際のツインターボの台詞は、
「ターボやるもん!テイオーの目の前で絶対絶対逃げ切って勝ってやる!諦めなければやれること見せてやるんだ!!」
という、諦めるどころか、トウカイテイオーの挫折を覆すべくかつて彼女に教えられた「諦めない事の大切さ」を証明しようとする名台詞である*15。
曲がりなりにも実際に作中で使われた「あげません!」とは違う完全にネタに悪ノリした内容、
かつ実際のシーンとは真逆の使われ方をされた事でこのネタを快く思わない人も多い事は気に留めておきたい。
ちなみに実は言っていないが公式がスタンプに採用したものには、
他にかの有名な「久々にワロタ(ハイドリッヒ・ラング/銀河英雄伝説)」などがある。
- グラスワンダー「腹を切りなさい、エル」
こちらも『ウマ娘』発祥の言ってない台詞。
グラスワンダーの親友、エルコンドルパサーが何らかの失言や行動でグラスを憤慨させてしまった時のお決まりの台詞…とされているが、こんな台詞は劇中にはない。
近いものとしては、ゲーム版のエルの育成シナリオにおいて、一度自信が打ち砕かれてマスクを脱いでしまったエルが、
トレーナーとのやり取りで再起する決心を固め、その証としてトレーナーが持ってきたマスクを付けてもらおうとした場面で、
グラスがいきなり割り込んで言う*16台詞、「自分でかぶりなさい、エル」があり、言い回しのベースはこれだと思われる。
「(ギャグシーンで)エルがグラスに諌められる」という流れ自体は実際公式でもお決まりの展開であること、
そしてグラスがプレイヤーから「武士」と揶揄されるほどの、温厚ながら強い気迫を秘めたキャラクターであることは事実であるため、
「いかにも言いそう」とネタにされ、プレイヤーの間でネットミームとして拡散されて今に至っている。
また、二次創作やSNS由来の言っていない台詞としては他にも
- ナリタタイシン「産むから!」*17
- タマモクロス「(このでけぇおっぱいが、)ウチは今から赤ちゃんにされる」*18
- ウオッカ「ウワーッ!」*19
- ダイワスカーレット「バカねウオッカ!」*20
- サイレンススズカ「でも、私の方が速いですよ?」*21
- セイウンスカイ「セイちゃんちょっと横になりますね~」
- アイネスフウジン「はーなの」
- コパノリッキー「コーッパッパッパ」*22
- ほぼ同一の経緯のネタとして、ドゥラメンテ「ドゥ~ラドゥラドゥラ(笑い声)」*23
- ホッコータルマエ「リッキー真面目にやって」*24
- タニノギムレット「息子よ…」*25
- オルフェーヴル「…っス」*26
などがあり、中には
というそもそもまだウマ娘に参戦していない馬が大前提となるネタまで存在する。
- 「身体は闘争を求める」
『アーマード・コアシリーズ』由来の言ってない台詞。
ACはフロムを代表するディープなファンを抱える人気シリーズなのだが、2013年発売の『ヴァーディクトデイ』を最後にシリーズの展開が途絶えてしまっていた。
そして、それと入れ替わるようにフロム・ソフトウェアは『SOULSシリーズ』や、『Bloodborne』といった、
高難易度アクションRPGの展開に力を入れ始めたため、公式からの供給が絶たれたACシリーズファンはまだ見ぬ新作に飢える日々を送ることとなってしまった。
そんな状況下で、ツイッターにて
「ツイッターでバズったトレンドワードに無理やりACシリーズとの関連性を見出し、何故か最後に『このトレンドワードの拡散によって、フロムがACの新作を作りはじめる』という結論に帰結させる」
というネタ構文、いわゆる「ツイッター大喜利」が流行。
このツイッター大喜利の中で登場したのが、上記の「身体は闘争を求める」というワードである。
もともとのネタは「Pokemon GOの流行で、世界中のみんなが可愛いポケモンと戯れる→心が癒される→だけど身体は闘争を求める→鉄臭さが欲しくなる→その需要に応えてフロムがACの新作を出す」
というもので(要約。実際はもっと長い)、いわゆる「風が吹けば桶屋が儲かる」的なネタであった。
このワードは大喜利の中でも「他をいくら改変してもここ(「身体は闘争を求める」の文章)だけは変えてはいけない」という暗黙の了解ができるほどにネット民に広まっており、
一時期はゲーム関連のトレンドワードが日本のツイッターのトレンド入りするたびに、当然のように「アーマードコアの新作」が並んでトレンド入りするほどに流行した。
この広まり様から、「身体は闘争を求める」というワードはシリーズの登場人物が言った、あるいは公式のキャッチコピーから取られたと認識している人も未だに多いものの、
実は、このワードは上記のツイッター大喜利が初出で、公式とは全く関係がない。
一応、『アーマード・コア4』発売の際のCMに「戦い続ける歓びを」という強いて言えば似ていなくもないキャッチコピーがあるにはある(現在、シリーズの公式サイトではこの言葉がAC4のキャッチコピー扱いされている)。
ただ、このネタは当のACシリーズファンからは賛否両論。
「そもそも公式とは全く関係ないワードである」
「ACシリーズの実態から『乖離している』とは言わないまでも若干的外れ」*28
「このネタを使う手合いの多くは流行りの改変ネタに乗っかっているだけであり、AC自体が好きである様子はうかがえない(ACが外野にネタとして食い物にされているように感じる)」
……などの理由から、このネタに否定的なファンも多い。
このように「続編が出ない」ことをネタにされ続けていたACシリーズだが、2022年12月9日に開催された「The Game Awards 2022」において、
最新作『アーマード・コアⅥ』が発表され、2023年に発売。
実に10年越しの新作が発売された上にこれまでのシリーズ累計売上数を一作だけで超える売上を上げた。
このAC6の大活躍により、このネタも今後は廃れていくのかもしれない。
……と考えられていたが、当のAC6において、あるキャラクターがこの言葉に近い意味のセリフを発している。
- 水城ゆきかぜ「キミ、対魔忍の素質あるかもよ?」
ソーシャルゲームの「アクション対魔忍(あるいは対魔忍RPG)」作中でゆきかぜが言ったとされるヘイトスピーチ台詞。
一緒に上げられたイラストが、いかにもゲーム中のワンシーンに見えるものだった事からより広まった。
イラストを見ると、いい感じの笑顔でプレイヤーか誰かを対魔忍に勧誘しているかのようである。
だが、『対魔忍』シリーズは(特に女性キャラに対して)ハードな展開で知られており、失態を演じるなどして捕らえられた結果、
身体改造されて散々に凌辱されたり、洗脳されたり、敵側に寝取られたりといったマイナスイメージが強いため、
「褒められているように聞こえない」として、対魔忍絡みの話題となるとちょくちょくネタにされている。
台詞、イラスト共に二次創作の産物で、実際にはそのようなシーンはない。
実はゲーム「オーバーウォッチ」のPVアニメのワンシーンが元ネタ。
本当の台詞は「君、ヒーローの素質あるかもよ?」で、敵に立ち向かった勇敢な少年を純粋に褒めたものである。
ここまで広まった理由には、「アクション対魔忍」の公式Twitterアカウントが、
ユーザーに対して「対魔忍のみんな!」などと一方的に対魔忍呼ばわりしながら話しかけていた事もあると思われる。
同作の主人公ふうま小太郎は一応対魔忍なので、プレイヤーを対魔忍とするのもあながち間違いではないのだが……
- エリザベス「メギドラオンでございます」
『ペルソナ3』発祥の言ってない台詞。
彼女は同作の隠しボスとして戦えるのだが戦う際にある一定の条件を満たすと即死級の威力を持つメギドラオンを毎回放つのである。
そのトラウマ級の強さの影響でこの様に彼女の口調で話しながらメギドラオンを放つというネタが広まった。
後にP4Uの一撃必殺技として採用され、公式化した。
- ヨルハ二号B型「えっちなのばっかじゃないか!!!」
『NieR:Automata』発祥の言ってない台詞。
元はファンアートが発端であり、これを英訳した画像が海外で流行したことで広まることとなった。
- 初春「嫌じゃ…人の子など孕みとうない…」
『艦これ』発祥の言ってない台詞。
もともとは艦これとは関係なく、一部のオタクの間で「人外・のじゃロリ系ヒロインがレイプされたときに言いそうなテンプレ台詞」として広まっていたネタであったが、
あるファンアートで「初春が言ってそうな台詞」というかたちで初春と結び付けられ、以降艦これ界隈でネタとして定着した。
確かに初春は古風な言葉遣い、かつ「藤色の長髪に、和装をアレンジしたアクセサリ・戦闘服の組み合わせ」という神秘性のあるビジュアルなため言ってそうな雰囲気はあるが、
艦これはDMMがプラットフォームではあるものの、そういうゲームではないためこんな台詞はない。
というか、拡散のきっかけとなったファンアートの作中ですでに「待って!初春ちゃんこんな事言ってない!」とツッコまれている。
艦これは歴史が長い、かつ、良くも悪くも「公式設定」が曖昧で創作の余地が広い作風から「人の子など~」に限らず集団幻覚二次創作出典のネタが非常に多く、
2018年春に震源地不明のまま突如として異常に広まった「大淀にバニー服を着せる」ムーブメントを筆頭に、
「公式と勘違いされるレベルで広まっている二次創作ネタ」はかなりの数に上る。だが、一番胡乱なのはいち声優の落書き(ボクカワウソ)をキャラクターとして公式に取り込み、瑞雲祭りだの深海大サーカスだの常識外れのイベントを次々繰り出す公式と言う提督も多い。
- 北川史郎「肝心な時にお前はいない!」
『鉄人タイガーセブン』発祥の言ってない台詞。
ムー原人が現れると決まって姿を消す剛が、戦いが終わって仲間と合流してきた際に決まって言われるセリフ…との事だが、実際にはそのようなシーンは存在しない。
第19話で戦闘中に剛が変身するべく姿を消したのを偶然にも見た北川が高井戸博士にそのことを報告し、
剛がいない場で陰口を叩くシーンはあるが、そこでもそのようなセリフはなかった。
一応第14話では、剛がろくろビールスに感染した次郎を助けるための命の花を手に入れるべく、
仲間にも言わずにサハラ砂漠へ飛び立った際に「こんな大事な時に、剛の奴!」と似たようなセリフを言われたことはある。
6年後の『ザ☆ウルトラマン』第15話では、マルメが「こいつはいつも肝心な時になるといなくなっちまうからな」と発言しており*29、これと混同したのではないのだろうか?
- チャーリーブラウン「〇〇は死んだんだ」
全文は「〇〇は死んだんだ いくら呼んでも帰っては来ないんだ もうあの時間は終わって、君も人生と向き合う時なんだ」となる。
チャーリーブラウンのAAとセットで使われることが多い。
〇〇には最終回を放送したアニメ、連載が終了した漫画、サービスが終了したゲームなどが入り、
元々は「キルミーベイベーは死んだんだ」のコピペとして広まったとされる。
本編には「人生は配られたカードで勝負するしかないのさ」(これは本当に言っている)のセリフに代表されるように哲学的なセリフが多く、
これも「いかにもチャーリー・ブラウンが語りそうな台詞」として認識されており、「スヌーピーの兄スパイクが死んだ時のセリフ」が元ネタとする説もあった。
だがスパイクは死んでなどおらず、本編にこのようなセリフは存在しない。
なお、対になるコピペとして
「○○は復活するんだ 悲しみの弔鐘はもう鳴り止んだ 君は輝ける人生のその一歩を再び踏み出す時が来たんだ」
というものもあるが、やはり本編にこのようなセリフは存在しない。
- 麻衣「嘘つき……」
『東京BABYLON』のエピソード・「CRIME」に登場した幽霊の女の子・麻衣が言ったとされる台詞。
主人公の昴流が出会ったある女性は、自分の娘を誘拐殺人事件で失いながらも犯人が精神鑑定によって無罪となり、
その復讐のために「自分も法的には罪にならない」犬神の呪術で呪い殺そうと企んでいることを知ってしまう。
昴はこの凶行を止めるべく「亡くなった娘さんは復讐なんて望んでいない。お母さんに幸せになって欲しいと願っているはず」と説得し、
自らの霊能力で娘の魂を呼び出すが、その娘は「わたしを殺した人をこらしめて」と真逆のことを願っていた。
声は昴にしか聞こえないので母親に「娘さんはやっぱり復讐は望んでいない」と嘘をついてしまったことで娘の霊に睨まれるが、
「くるしいよう いたいよう」と繰り返し訴えられるだけで、「嘘つき」とは一言も言っていない。
このエピソードはファンからは非常に人気が高く、昴を睨む麻衣の恨めしい表情が「嘘つき……」と訴えているのと同等であるため、実際に言ったように誤解された様子。
- 不動明「ほわーん!」
悪名高い実写映画版の『デビルマン』において、主人公が発したとされる叫び声。
作中後半、身内に正体がバレたシーンで飛び出した発言として扱われており、出演俳優の棒演技を象徴するフレーズとして語り草になっている。
しかし該当のシーンは確かに存在するし、明が形容しがたい叫びをあげるのも本当だが、書き起こすとすれば「あああーーー」で「ほわーん」とは明らかに言っていない。後から自然発生的に定着したものとされている。
詳しくは作品の記事を参照。
- 「おもしれー女…」
「誰が言ったのかわからない」パターン。
多くの人は「学園モノの少女漫画で、学内で人気を集める俺様系の男子が自分になびかないヒロインを見て興味を抱いた際につぶやくお約束のセリフ」と記憶していると思うが、
「パンをくわえて走る遅刻しそうな転校生」と同様に、これに厳密に該当する元ネタは今のところ発見されていない。
「『花より男子』の道明寺司が言ってた」「『テニスの王子様』の跡部様が言ってた」などと言われることがあるが、この2人にそんなセリフはなく、
「学園が舞台の作品」「俺様系の男子」というイメージから誤解されたものと思われる。
特に跡部様については、彼の母親の職業や作中初登場シーンがあれだったのは、許斐先生がおもしれー女を本当に跡部の周辺に出そうとしたのではないか…とする珍説まである。あまりに破天荒すぎる方だったので否定しづらい。
今なお元ネタとなる発言のソースは不明だが「おもしれー女」という表記の元ネタは判明しており、
『女子高生の無駄づかい』で上記のシチュエーションをネタにした際に「おもしれー女」と表記されたことでネット民に定着した、とされる。
- ラクス・クライン「キラの新たなる剣ですわ」
SEED35話にてラクスがキラにフリーダムを譲渡した際の台詞、とされているもの。「キラの新しい剣ですわ」というパターンもある。
このシーンで「キラの新たな剣としてフリーダムではないモノ見せるラクス」の大喜利ネタが一部で有名なのだが本編にこんなセリフは存在しない。
実際は「(キラの「ガンダム!?」という言葉を受けて)ちょっと違いますわね。これはZGMF-X10Aフリーダムです」「今の貴方には必要な力と思いましたの」となっている。
「新たなる剣」「新しい剣」というワード自体はストーリー紹介や後の回のラクスの口からも出ていることから何となくフリーダム譲渡時も言ってそうという形で生まれたものと思われる。大喜利ネタとしてウケが良かったせいで広まったこと、『FREEDOM』で二重の意味でキラが新しい剣をもらって手の付けようがない大暴れをみせたことで再燃したのもあるのかもしれない
- アントン・ランドー「おのれっ!ヘッケラーのカタキ!!」
『重戦機エルガイム』の登場人物アントン・ランドーが相棒であるヘッケラー・マウザーの死に激昂して言ったとされる台詞。
スパロボのキャラ辞典の一言台詞にも採用されているため、未視聴者全員が勘違いしたが、原作では言っていないスパロボオリジナルの台詞。
尤も、ヘッケラーは間違いなく最期に「後は頼む…アントォォォン!!」と叫んでいた(しかもこちらもスパロボ一言台詞に採用されている)し、アントン役の島田敏氏の熱演もあり、下手すると原作見てても勘違いしそうである。
当然だが、スパロボだとヘッケラーが死ぬとこの台詞と共にアントンはブチギレる。
ちなみにキャラ辞典の一言台詞が初めて実装されたスパロボFではこういう原作では言ってそうだけど言っていないお遊び台詞は他にもあった。*30
- 大河冴「心にプライドが残っている間は、私たちはまだガオレンジャーじゃないの!」
『百獣戦隊ガオレンジャー』発祥の言ってない台詞。
Final Quest「百獣、吼える!!」にてガオホワイト/大河冴が言った台詞とされるが、実際はあらすじに書かれているだけで、本編でそんな事は言っていない。
- 黄猿「捨てちゃいかんでしょう、夢だけは」
『ONE PIECE』のボルサリーノ/黄猿が言ったとされる台詞。
ネット上では黄猿の名言として紹介されることが多いが、実際は某YouTuberの声真似動画が由来である。
▼他人の台詞が別人のものとされた系
- モンキー・D・ルフィ「何が嫌いかより何が好きかで自分を語れよ!」
名言の多い『ONE PIECE』だが、実はこれは『ONE PIECE』とは無関係の全く別の漫画が出典で、同じくジャンプで連載されていた漫画『ツギハギ漂流作家』の最終話での台詞である。
この『ツギハギ漂流作家』は、他のジャンプ作品のキャラに似せたキャラが数多く登場していた(ワンピースに限らず、ナルトやハンターハンターからの類似も多数指摘されていた)。
タイトルからして意図的なパロディの可能性もあるが、当時は「パクリだ」と大きくバッシングを受け、当時の読者からは悪い意味で有名になっていた作品である*31。
しかしこの台詞だけは(賛否あれど)一定の支持をする声があったうえ、漫画を批評する場で何かと会話に使える汎用性もあった事から、作品を離れてこのシーンだけが一人歩きするようになっていた。
そしてこの時発言した主人公・吉備真備はルフィとよく似ており、勘違いの元となったのである。
中には実際にルフィに言わせたコラ画像も一部で出回っている。
ここまでならよくある話なのだが、
アクションゲーム『Jスターズ ビクトリーバーサス』のギャラリーモードで聞けるボイスで当初ルフィの台詞としてこれが収録されていた。
つまり公式のゲーム製作スタッフすらも勘違いしていた可能性がある。一応スタッフの悪ふざけという線もなくもないが……。
真相は不明だが後のアップデートで別の台詞に差し替えられた。
他にも、某全く貸与しない人(要意訳)の著書でもルフィの台詞とされてしまうなど間違いが広まっているようだ。
- クリリン「何やってんだお前ェっ!!!!」
1つ上が他人のセリフがルフィのものにされてしまったパターンなら、こちらはルフィのセリフが他人のものにされてしまったパターン。
もっと言うと、1つ上は原作漫画のキャラデザインがルフィと似ていてコラ画像にしやすかったものだが、
こちらはアニメ版の声優が同じであったために音声を差し替えてMADにしやすかったために生まれたもの。
ワンピース原作ではエニエス・ロビーにて、ロブ・ルッチが壁を破壊して海水を流入させ大勢の海賊を溺死させようとした事に対して言い放ったセリフで、原作でもアニメでもちゃんと言っている。
対してクリリンはこのような事は一切言っていないが、言った事にされて主にMADなどでクズロットへのツッコミをしている。
- 野原ひろしの名言
実在人物編で述べた「江頭2:50の名言」の創作世界バージョンとでも言うべきもの。
劇中で実際にいくつか名言を残しているため、実は言っていない名言も信じられやすい。
一説として、某VIPに建てられた「野原ひろしの「言いそうな」名言」というズバリなタイトルのスレッドが全ての発端とも言われる。
一例として、「正義の反対は悪なんかじゃないんだ。 正義の反対は「また別の正義」なんだよ」というのは
ひろしではなく『パワプロクンポケット7』の「黒野鉄斎」のセリフ「悪の反対は善、善の反対は悪じゃ。正義の反対は、別の“正義”あるいは“慈悲・寛容”なんじゃよ」が元ネタと言われる。
(それ以前から似た様な事例・表現はあるのでこれもオリジナルと言って良いかは分からないが)
- アンゴル「申し上げます!トトカマ星に超サイヤ人が現れました!」
ベジータ「ダニィ!?」
『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』のワンシーン。
この台詞を言ったのは実はアンゴルではなく、ほぼ同じ格好をした名無しのモブキャラクターである。
というか、「アンゴル」という名前は劇中に一度も出てきていない。
アンゴルという名前の出所はかなり後のデータカードダスゲームにおいてこの姿のモブキャラが「アンゴル」名義で何故かカード化されたためで、
逆説的にこのモブ兵士の中の誰かがアンゴルという個人名なのだろうと推察された。
各種検証により、「アンゴルという名前のやつ」と「この時に申し上げたやつ」は別人である事が分かっているが、各種コラやMAD界隈では面倒くさいのか混同されている。
登場シーンでは配色ミスにより戦闘服がモブ兵士と同じカラーになっている場面が結構多い点も、混同を招く一因になったと思われる。
ちなみに、本当のアンゴル(こちらもモブキャラだが)はパラガスの奴隷としてこき使われているシャモ星人に「小僧さぼるんじゃない!」と鞭を打っていたヤツである。
え?そもそも「ダニィ!?」じゃなくて「何ぃ!?」だろって? シャモ星人「そんなこと知るか」
- ユダ「う、美しい…ハッ!」
『北斗の拳』のユダはライバルであるレイと戦いの末、彼の技「飛翔白麗」の美しさに見惚れ、その隙に技をもろに喰らい敗北する。
上記の台詞はレイの技に見惚れた瞬間のもの…と誤解されていることがあるがユダの台詞ではない。
一応似たようなものとして修行時代の回想シーンで同門の拳士が「水鳥拳飛燕流舞…いつみても美しい」
またレイとの決闘時にはユダの部下が「おお…美しい あれが南斗水鳥拳!!」と発していることからこれらが混ざって誤解されたものと思われる。
実際の台詞は「おお!!はっ!!」である。
レイがこの世の名残りに放った奥義・飛翔白麗の一撃はもはや「美しい」という言葉すら失う程であったのだ。
ちなみに「う、美しい…ハッ!」という文言自体は、
AC北斗の対戦動画において「ナオリSP(スペシャル)」と呼ばれるユダ…ではなくシンのコンボが披露された場面にてこのようなコメントが流れていたのが発端とされる。
- 扶桑「不幸だわ…」
有名なブラウザゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』の戦艦姉妹。
史実でも欠陥戦艦の烙印を押される不幸な生い立ちを持ち、華々しい活躍もないままレイテ沖海戦にて滅多撃ちにされて轟沈・生存者は多くとも10名足らず、
それでいて本来の目的は達成されず結果的には犬死同然……という悲惨な最期を遂げた、日本初の国産超弩級戦艦「扶桑」をモデルにした艦娘である。
ゲームで「運」の数値が低いこともあり、公式メディアミックスでも二次創作でも当然彼女は「不幸・不運なキャラクターの代表格」と扱われる訳であるが、
実際に「不幸」だと言っているのは姉妹艦の妹・山城の方で、扶桑本人は(ゲームでは)一度も言っていない。
イベントを積極的に楽しみ、潜水艦狩りのついでに秋刀魚を焼き、提督や妹を思いやる台詞群から察するに、
山城と違って扶桑はそもそも自身を「不幸・不運」とは思っていない節がある。メディアミックス作品でもそうかは作者毎に解釈が異なる。
ちなみに公式4コマでは吹雪ら主人公組と一緒にお話を回す立ち位置であり*32、こちらでも特筆するほど不幸とは言い難い。
扶桑型の2人は前述の運パラメータの低さに「ふそう」と「ふこう」の語感が似ていることを掛けて「不幸型」と評されることがあり、このことから「不幸と言えば扶桑」という関連付けをされてしまったのだろう。
実際には艦これに於ける「不運キャラ」は空母翔鶴が担っている感が強い*33。
- 山岡士郎「でも日本人も悪いんですよ」
グルメ漫画「美味しんぼ」の主人公・山岡士郎が言ったとされる台詞。
山岡が歴史問題などで日本に批判的な発言をしていたり、中韓絡みの話題では山岡のAAと共に貼られることが多いのでこれも山岡の発言だと思われがちである。
だが実際に類似のセリフ「しかし日本人も悪いんですよ」を発したのは準レギュラーキャラで華僑の周大人であり、山岡は同調しただけである。(第2巻収録『手間の価値』)
また、発言の趣旨は「有名になって手抜き料理を出すようになった中華料理の料理人は悪い、ただその原因はガイドブックをありがたがって自分の舌で確かめず有名中華料理店に押しかける日本人客にもある」といったものである。
同作では「味覚がおかしかったり、まずい料理に文句を言わない客」もしばしば非難の対象となっている。
同話では中華街の中華料理が題材かつ直前での花村の発言への返答でもあるので「日本人も」という言い方になったと思われ、
この発言自体には特段の政治的意図は見当たらない*34。
あくまで話題に上げた店に来るまずい料理に文句を言わない客の客層がほぼ日本人で占められているからのセリフであり、
もしもその店に来る客層が他国人がほとんどならばその国、多彩な国の人間が来るのならば国を上げずに客そのものを挙げて「悪い」と言ったであろう事は想像に難くない。
なんなら第8巻収録の「飲茶」の回で海原雄山に向けて言った「まずいものを出されても文句を言わない日本人が一番いけないんですが……」という発言もある。
- 小島眞「そんなこと言ったって、しょうがないじゃないか」
ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』でえなりかずき演じる小島眞が言っていたとされている台詞。
実際は作中においてこのような台詞が出たことはなく、モノマネ芸人のホリが「言ってそうな台詞」として発したもの。
原作では上記の通り言ってないが、後にえなり本人が(渡鬼とは無関係の所で)逆輸入し、『渡鬼』公式LINEスタンプのフレーズとしても使用されている。
- パチュリー・ノーレッジ「そこまでよ!」
東方Projectに登場するクーデレ系魔法使いの少女が発した…とされる言葉。
彼女の名セリフのように言われているが、実は元ネタはAAであり原作では言っていない。
実際に発言したのは東方怪綺談にてアリスなど。
なおもう一つの名セリフ「むきゅー」は言った。
- 「エルヴァンディアゴー!」
元々はゲーム「エルヴァンディアストーリー」の2chのスレッドにおいて、明らかな「見えてる地雷」エルヴァンディアストーリーに突撃することを意味するAAつきスラング。
クソゲーオブザイヤーの選評において「ステージ開始時の掛け声」と誤った内容が記載され、それが拡散した結果、あたかもゲーム中に出てくるフレーズであるかのように誤解を受けた。一方で当時のKOTYではこの発言をして実際にプレイしていない事を自ら暴露する所謂『お客様』『エアプ勢』を見分ける指標として使われたとか…
- メジロマックイーン「チョコが一番ですわ」「手が止まりませんわ パクパクですわ」「永久コンボですわ 永久機関の完成ですわ」
スイーツ(と野球)をこよなく愛するお嬢様系ウマ娘の台詞……ではない。
元々は関西圏で展開されるスーパーマーケットチェーン「スーパー万代」の店頭POPである。
2021年4月頃にこの店頭POPを取り上げた投稿がTwitterで話題となり、それが折しも『ウマ娘』の流行時期と重なっていた事、
メジロマックイーン自体もお嬢様口調に加えて「お菓子が大好き」「油断しているとつい食べ過ぎて太ってしまう」キャラだった事が見事にシンクロしてしまい、
結果スイーツ類を暴飲暴食するメジロマックイーンの叫びのような扱いとなってしまった。
なお、元が文字だけの店頭ポップというだけあって何を思い浮かべたかは人それぞれであり、
他には『艦これ』の熊野*35、更にはお笑い芸人のハリウッドザコシショウを連想するという人もいる。ええやんええやん!永久機関の完成ですわ!ゴースゴースゴース!!!はー!?
なお、発見されたのが関西のスーパーである事を鑑みると、この一連の台詞はお嬢様口調ではなく大阪のおっちゃん口調である可能性が高い*36。
前述の通り時期が重なっているため、POP製作者がメジロマックイーンを意識した可能性が絶対に無いとは言い切れないが、
少なくともこのPOPに書かれているのは文字だけであり、また何れにせよメジロマックイーンが言った台詞ではない。但し最近は公式の方も「パクパクですわ」を意識したかのようなネタが散見される*37
- ワッカ「ティーダのコンボ気持ち良すぎだろ!」
FINAL FANTASY Ⅹの登場人物であるワッカがティーダのコンボを称えたとされる台詞。
が、お下品なネタに改変されて広まった……と思いきやそもそも元の台詞からしてワッカの台詞ではない。
本来は「DISSIDIA FINAL FANTASY NT」の
ネット上の広告におけるティーダのキャッチコピーの一つでしかなく、まず「台詞」ではない。そもそもゲームに出てないし。
この広告を某所で「ティーダのチ○ポ気持ち良すぎだろ!」に改変されたコラ画像が出回り、それが更にワッカをネタにしたMAD動画で使われ広まった結果、いつの間にかワッカの台詞にされていた。
たまたまワッカに当てはめやすい言葉遣いだったのが不運だったと言えよう。
なおこの件に関しては実際のゲーム中のティーダのコンボは3ヒットまでしか繋がらず、別に言うほど気持ちよくないというオチが付く。後、ティーダ版以外も実際に原作ゲームに触れていれば使わないであろうフレーズを使っていたり、誤字があったりと全体的にFFシリーズに対する知識の浅さが窺える広告だったのでファンからは当初からネタにされていた。
- 阿部高和「すまない、ホモ以外は帰ってくれないか!」
くそみそテクニックの阿部高和のセリフとされるが、本編にこのようなコマは存在しない。
実際にこのセリフを発しているのは同じくヤマジュン作品である男たちの夏に登場する堤圭介というキャラで、作者が同じだけあって似てはいるものの阿部さんとは別人である。
ついでに本来のセリフも「すまない、こっちに来ないでくれないか!」で、どのような経緯で改変されたコマが出回ったのかは不明である。2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)のホモネタスレでアスキーアートとして貼る際にセリフが改変されていったのではという説もある。
- イズン「さあ戦うのです」
斬撃のレギンレイヴの登場人物であるイズンの代表的な迷ゼリフとされるセリフ。
実際にはゲーム中にこの様なセリフは存在せずファミ通に掲載されたゲームの広告が元ネタである。
- 緒方理奈「ここがあの女のハウスね」
WHITE ALBUMのヒロインの一人である彼女の代表的な台詞として扱われる事もあるが、実際にはゲーム中にこの様な台詞は存在しない。
元々は俳優・宮崎吐夢の楽曲『あの女のハウス ~彼を返して……あとお金貸して!~』の台詞である。
この楽曲は、かつて存在したパソコン雑誌『TECH Win』の付録CD-ROMにて展開されていたコーナー『さるやまハゲの助アワー』に収録されていたもの。
曲の音源とゲームの画像を組み合わせたFlash動画の影響から彼女の台詞だと誤解する人がいる。初出の雑誌が休刊済み、なおかつ収録メディアが令和の世では中々見かけないCD-ROMであるという情報へのアクセスの悪さもこの事態を助長してしまっている。
この他にも『バスト占いのうた』やペリー提督が片言の日本語で開国を訴える『ペリーのお願い』など、Flash全盛期に人気を博したネタ動画の音声がこのコーナーで宮崎が発表した楽曲・ネタから来ているパターンは多い。
なおこのネタが縁となり、2013年に放映されたWHITE ALBUM2のアニメ版に宮崎が声優として出演している。
- (陸八魔アルに向けて)「殺してやるぞ陸八魔アル」
言った人物としてではなく言われた側として有名になっているちょっと変わったパターン。
ほぼとばっちりも同然の形で何故か無関係のアルが殺意を向けられた時に言われたとされるセリフ。
実際はボボボーボ・ボーボボのところ天の助がOVERに突如殺意を向けられたシーンのパロディ漫画が元ネタ。
(大抵ハルカの暴走が原因で)本人の意図とは無関係に誰かのヘイトを買ってしまいアルが大慌てするという下りは実際作中でお約束の一つになっており、そもそものネタとしても親和性が高かったことで定着した。
元ネタの方も十分に知名度の高いネタのため正しくパロディとして認識している者もおおいものの、それぞれ原作の年代に開きがあるため元ネタを知らずにネタにしているケースもあるようだ。
ちなみに天の助はそもそも裏切り者であり本人がすぐ調子に乗る事、アルはムツキに焚き付けられる等して訂正せず余計な見栄を張ってしまう事で若干自業自得な一面がある点も共通している。
- 百合園セイア「セクシーセイアですまない」
同じくブルーアーカイブから、百合園セイアがその薄っぺらいセクシーボディをアピールする時に言ったとされるセリフ。
元ネタはプリンセスコネクト!Re:Diveのユニのセリフ。こちらもミームと思う人もいるがユニは実際に言っている。
恐らく堅苦しい口調、いわゆるところのとっくに成長期終わってる幼児体型等の共通点から見出されたミームと思われる。
ただしユニが(真面目な時もあるが)しょっちゅう悪ふざけに興じているのに対しセイア本人はあまりこういうふざけ方をしないタイプである。
- アイザック=ネテロ「そう……貴様は…詰んでいたのだ。初めから」
おいてネテロとメルエムの死闘のクライマックスで流れたモノローグ。
(おそらく)意図的にどちらの視点でも違和感がないような演出になっているため本気で勘違いしていた読者も多いだろうが、モノローグ自体はメルエムの物である。
そもそもネテロの死後に起爆する爆弾が爆発する場面のモノローグをネテロが言えるわけがない。
また、それ自体が誤用のため少々わかりにくいものの、戦闘の前にメルエムが「お前を倒してやろう」という意図で「詰んでやろう」という表現を使って、ネテロもそれに同調している場面があり、
そのやり取りを踏まえて見れば、ここでいう「詰んでいた“貴様”」は実際には「相手を倒した側」=ネテロである事がわかる。
- 一条楽「じいちゃんヤクザだったけど 正義のヤクザでさあ…」
古味直志によるラブコメ漫画『ニセコイ』の主人公、一条楽が言った…とされる台詞。
セリフはこの後も続き、彼はヤクザであった祖父との思い出を回顧するのだが、
「女子供も数えるほどしか殺していない」「薬売った金で欲しいものは何でも買ってくれた」「江戸っ子気質のいい人だった」と、一ページの短いセリフ内ですさまじい矛盾を起こしている。
要するに、「祖父は楽にとっては優しい人だが、世間的に見れば最低の人間でしかない」というツッコミ待ちのセリフとなっている。
ニセコイ読者ならば自明だとは思うがこんなセリフは劇中にはなく、これは『チェンソーマン』の登場人物、サムライソードのセリフ。
なのだが、『チェンソーマン』未読者の一部からはなぜかニセコイに登場したセリフだと勘違いされている。
(その証拠に、Googleでこのセリフを入力していくと最初に『ニセコイ』がサジェストされる)
楽は「集英組」という自称・「街を悪人から守る良いヤクザ」の跡取り息子なのだが、
この設定は「そんなヤクザはいない」「ヤクザを美化している」と一部の読者から疑問視・ネタにされることが多く、
それをネタにする目的でニセコイ連載終了後、誰かが作ったコラ画像が誤解のもとになったという説が有力。
- 虎堂烈「わい、男の桜ちゃんが好きなんや!」
コロコロコミックで連載されてた『バーコードファイター』の最終回で、主人公の烈が男の娘であるメインヒロイン有栖川桜に告白する場面…と誤解されやすいが、
実際に桜に告白している人物は烈ではなく、彼のライバルキャラである阿鳥改である。
誤解原因は『バーコードファイター』に限らず、コロコロコミック系の漫画は『週刊少年サンデー』などのメジャー誌に比べると読者が限られるので、
どうしても「実際に読んだことある人<最終回の告白ネタを知った人」という比率になるので、烈の顔を知らない人が多いこと*38、
「烈は桜の幼馴染で昔いじめられてた桜をかばってた」というような予備知識がなまじあると、幼馴染同士の主人公(男)と男の娘キャラの話にありがちな
「2人がお互い好意を抱いている*39が同性という事で自重しあっている」という関係を想像しやすいためか。
- 明智五郎「いや、ダメだろ。彼女がいて、他の女性と付き合うなんて…。」
ペルソナ5にて、主人公がバレンタインに複数のヒロインと◯股をかけていた事を詰め寄られるシーンで放ったとされる迷言。
…だが、詳細は割愛するが明智がこの場に立ち会うことはありえない。実際にはこの台詞は明智ではなく、普段は猫の姿で同居している仲間のモルガナの台詞である上に、台詞が使われたシチュエーションもバレンタインのシーンではなく、恋愛群像劇モノの映画のDVDを一緒に鑑賞していた時の台詞である。つまり、主人公に対する台詞ではない。もっとヤバいやつが隣にいるとはこの時点の彼も知る由はなかっただろう
モルガナの方はバレンタインのイベントに立ち会っているが、ただ一言「生きてたら、また会おうぜ……」とツッコミを放棄して立ち去ってしまった。
- 泉こなた「貧乳はステータスだ、希少価値だ」
往年の京都アニメーションの大ヒット作でも知られる『らき☆すた』に登場したセリフ。
同作のオタク文化への影響力はかなり大きかったため、作品を知らない人でも当時のインターネットを見ていた人間なら一度は該当シーンのスクショやアスキーアートを見たことがあるのではないだろうか。
確かに台詞自体は言っているが、一番最初に言ったのはこなたではなく、『SHUFFLE!』の麻弓=タイムである。
『らき☆すた』劇中ではきちんと「あるゲームに出てきたセリフ」として引用されているのだが、上記の事情から作品を見たことがない人にも周知されすぎており、ほぼ『らき☆すた』の台詞と誤認されている節がある。
具体的には、Googleでこのワードで検索すると本家を差し置いて『らき☆すた』関連の画像ばかりが出てくるほど。
- 森田「人の心とかないんか?」
スナックバス江に登場する非モテのオタクである森田が言ったとされるセリフ。
実際は呪術廻戦の禪院直哉のセリフだが、同時期に連載中のキャラで関西弁繋がりということで混ぜられた。
しかも森田は語録発言や迷言に事欠かない人物でツッコミもこなすため、妙にセリフの親和性が高い事でこの組み合わせが有名になっている。
逆に直哉に森田のセリフを言わせたコラが作られたり、やはり関西弁繋がりでタマモクロスが巻き込まれ「どれが誰のセリフなのか」というネタになる事もある。
- 島木「ボクゥ?青葉工業のコやね?ちょうお兄チャンたちにつきおうてや」
タフシリーズ記念すべき最初の敵・シマキンがチンゲにかけたセリフ……ではなく、吹き出しの先を見れば分かるがその取り巻きである兵隊のセリフ。
同じコテコテの関西弁ゆえかシマキンの発言と勘違いされる事も多い。
- 宮沢鬼龍「男もいけるしな」
これも『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』で鬼龍が黒田光秀の弟子・我龍院清丸をレイプする際のセリフ……ではなく、実際にレイプしているのは名もなき不良である。
このセリフがあるコマのすぐ下に「ククク"愛"ってのは痛みを伴うものなんだ」と笑う鬼龍のコマがあるので勘違いされやすいが、この2コマにまったく関連性はない。唐突に鬼龍をねじ込む猿先生のセンスがここでも光る。
- バルテウスのパイロット「偽りの名義で何をするつもりだ」
ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONの発売前トレーラーにて登場したセリフ。
トレーラーの途中、バルテウスとの戦闘シーンに合わせてこのセリフが聞こえてくるため、「この敵機体に乗っている人のセリフだな」と誰もが思ったことだろう。
しかし製品版がリリースされてプレイしてみても、バルテウスのパイロットはこのセリフどころか一言も言葉を発しない。製品版で明らかになる事だがバルテウスは無人機だったのだから。
では誰のセリフかと言えば、ルビコン解放戦線のリング・フレディのものである。バルテウスとの関連は当然皆無。
しかしこのフレディ、ストーリーに深く関わってくるキャラではない上にあるミッションで隠れるように(あるいは621を尾行しているように)配置されている、隠しキャラ的な存在。
こんなキャラがいかにも重要そうなセリフをぽろっと言ってしまうものだから、ゲーム内で初めて聞いたプレイヤーは驚くことだろう。
- ランプの魔神(アラジンと魔法のランプ)「どんな願いも三つ叶えよう」
原典である千夜一夜物語の『アラジンと魔法のランプ』において、願いの数に制限はなく実際に三つどころではなく好き放題に叶えてもらっている。
「願い事を三つだけ叶えるランプの魔人」はディズニー映画『アラジン』等派生作品で多く登場するが、これは同じく千夜一夜物語の「漁師と魔神の物語」の中で登場した?もの。瓶から解放された魔神が封印されていたウサばらしに、解放した人に「かーっ!!もっと早く解放されれば最初は大金持ちにしてやるとか三つの願いをかなえてやるとか考えてたのになーっ! もうずっと解放したやつを殺す気でいたわー!」と脅し文句を吐きながら殺そうと詰め寄るというお話。
長いことシャルル・ペローの童話『三つの願い』との混同によるものと思われるとして作り話枠に掲載されていた。
詳細はどんな願いでも叶えてやろう(テンプレ)参照。
- リュウ「俺より強い奴に会いに行く」
リュウのセリフと思いきや、本当はストリートファイターⅡのキャッチコピーであり、特定のキャラのセリフではない。ワッカと同じパターン。
▼言ったことは言ったが、意味が違う系
- T-800「I'll be back」
映画『ターミネーター2』のラストでT-800が溶鉱炉に落ちる際に放ったセリフ……ではない。
そもそも、このシーンは自分で自分を破壊できないT-800が「自分自身を消すことで破滅の未来に繋がる要因を全て抹消する」という最期の任務を遂行すべくジョン・サラ親子に自身を破壊させるという場面であり、
話の流れからして、T-800が「また戻ってくる」と発言するのはおかしい。
そして2は元々シリーズ完結編として作られていたため、次回作を示唆したセリフという意味合いも相応しくない。
溶鉱炉のシーンで実際にT-800が発したセリフは「good-bye」であり、これは上記の流れと一致する。
最初に「I'll be back」と発したのは、2ではなく初代の冷酷な殺人マシーンの方のT-800である。
そして何か劇的なシーンというわけでもなく、警察署を訪れたT-800の「サラ・コナーに会わせろ」という要求を取調べ中だからと突っぱねた警察官に対し、普通に「また後で来る」という趣旨で言ったもの。
別に「これで終わったと思うな」的なリベンジの予告というわけではない。
なおこの後車で警察署に突っ込み本当に戻ってきた。
2でも言っているが、これもジョンたちのためにビルの外の警察を追い払う際に「すぐ戻る」と言っただけである。
このセリフ、ターミネーターはおろか演じたシュワルツェネッガー自身の代名詞と化しており、セルフパロディで3でも発している。
更にターミネーター以外の作品でもオマージュされており、シュワちゃんの様々な出演作でも台詞が登場する。
その象徴性と「2」屈指の名シーンがイメージとして合わさり、混同されているものと思われる。
実際に妖怪ウォッチのパロディネタでも間違えられているし。
尚、『1』当時シュワちゃん自身は「I'llなんて砕けた言い方は冷酷な殺人マシーンらしくないのではないか」と監督に意見して一悶着あったとか。
「Fate/stay night」にてサーヴァント・アーチャーが発したセリフ。
正確には「ああ。時間を稼ぐのはいいが――別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」
ネットでは「別に」以降の部分だけが広まっており、あたかも「大勢の敵に対して無双するとでも言わんばかりにイキって死ぬ死亡フラグ」のように扱われているが、
本編ではまるで異なるニュアンスで使われている。
「どうやっても倒せない難敵」に追い詰められている状況で、信頼関係を結んだパートナーに対して「ここで捨て駒になって死ね」と言っているも同然の命令を下さざるを得ず
苦悩するマスターに対し、あえて強がって鼓舞している悲壮な決意のシーンである。
詳細は当該項目にて。
- キリト 「死んでもいいゲームなんてヌルすぎるぜ」
ALO編にてキリトが言ったセリフ。
アニメでドヤ顔で言っていることもあり、「イキっているセリフ(いわゆるイキリト)」の代表例としてネタにされることも多い。
しかし原作では、キリトがフルダイブゲームに再びダイブしなければならない状況になったことを心配しているエギルに対して、
内心「また何か起こるのではないか」という恐怖をキリト自身も感じつつも、エギルを気遣ってその恐怖を押し殺して気丈に振る舞ってみせたセリフであり、決してイキって言ったセリフではない。
- 安心院なじみ「十巻以上続くコミックスは惰性ってのがそれに僕の持論でね」
「めだかボックス」のキャラ安心院なじみの発言で、ジャンプ漫画の引き延ばし体質を批判する際に度々引用される。
しかし、そもそも安心院なじみはこの発言の時点では「メタ発言を多用する黒幕」といった感じの立ち位置であり、
この発言も「だから(十巻以上続いている)この漫画を終わらせてやる」という宣言に続く単なる戦意表明である。
十巻という数字もおそらく連載時点で直近のキリのいい数字以上の意味はないと思われる。
- 月影千草「おそろしい子!」
『ガラスの仮面』の名台詞でパロディも多いが、
本作の特徴である「白目かつ顔面蒼白」で言ったシーンは無い。
千草の場合は主人公北島マヤが垣間見せた才能に高揚し笑いながら言っており、
ライバルである姫川亜弓も「やはりおそろしい子…」と言っているが、
こちらの場合もマヤに対する敬意を込めた微笑みを見せている。
- 佐倉千代「脚本の人、そこまで考えてないと思うよ」
ガンガンオンラインで連載中の『月刊少女野崎くん』の第60号(60話)で出た台詞。
あまりにも煽り目的に使い勝手の良い台詞のためにこの部分だけが切り出された画像がネットで出回っている。
主に『脚本家がそこまで考えて話を作っているわけじゃないからそんな考察しても意味がない』などの煽り・批判・皮肉のニュアンス、または過剰な深読みにブレーキをかけるために使われる。
この発言をした千代は脚本を務めた野崎梅太郎とそれなりの時間、少女漫画の制作協力者として実際の仕事に携わり、彼の人となり*40を理解し、話の組み立て方についてもよく知っている。
そのため脚本を深く読み込んで悩んでいる友人の鹿島遊に対して、漫画家とアシスタントとしての距離の近さをもって「(普段あんな感じで仕事してる野崎君の書いた脚本だし)もっとシンプルに考えればいいのでは?」という感じの思い込み・ニュアンスで回答したというものである。
尤も、言い方がかなりアレだったこともあり、千代が(脚本家とそんな関係にあると知らずに)赤の他人に辛辣な物言いをしたと受け取った鹿島*41は「真顔でなんてこというの千代ちゃん」とリアクションしている。
その後、通りかかった野崎が鹿島に脚本の意図を事細かに説明しており、「姫がたまにおバカ発言するからかな」「昼ドラ!!昼ドラ展開だよ!!」という浅はかな感想しか出なかった千代の方は脚本の意図を全く理解できていなかったことが判明した。
つまり「実は野崎はちゃんと考えて脚本を作っており、千代が理解しようとしていなかっただけ」というオチがついた。
なので、脚本(家)を皮肉る意図でこれをそのまま引用すると「何も考えていないのは自分の方」という盛大なブーメランになってしまうため注意。
ただし前述の通り千代の指摘は本来であればそう的外れではなかった事も確かであり、たまたま今回は野崎が考えて書いていたという流れである。
なので意図の違いだけを把握して「野崎は普段からちゃんと考えて書いているキャラ」と勘違いしている人もまた多いというややこしい事になっている。
(実際は考えて書いている事も多いのかもしれないが、突拍子もない創作が多いのは確か)
- 式島滋「お前がそう思うんならそうなんだろう。お前ん中ではな」
『少女ファイト』を代表する名台詞。
この台詞を引用したコラ画像で有名になり、その流れで主に的外れな事を言う人物をおちょくる意味で使われている。コラで言わされてる側にとっては「他人の台詞が別人のものとされた系」でもある。
しかし実際のこの台詞は、姉の事故死がきっかけで姉のチームメイトに対する憎しみに囚われその事を執拗に言い続ける滋の幼馴染で主人公の大石練を諫める台詞で、あくまで相手を慮っているからこそ強い言葉を使った発言である。
- 桂木桂馬「争いは、同じレベルの者同士でしか発生しない!!」
『神のみぞ知るセカイ』の主人公である桂木桂馬の名言の一つ。まあカンガルーしか描かれてないので、作品の知名度に対して知らずに使ってる人の割合は多いと思うが……
主に、「五十歩百歩」的な「争い合ってる時点でどっちもどっち」といった意味で使われており、桂馬もそういう意図を込めているにはいると思われる。
しかし、実際には「クラスメイトの女子と口論になった(負けた)ことを指摘されて『尊き二次元の住人である自分とリアルの女では住む世界が違うから争いは成立していない、よってノーカン』って言ってるだけ」である。
つまり負け惜しみであり、正当性は皆無である。
- サイ「『マジで!?私も超オタクだよ!?ワンピースとか全巻持ってるし超好き!!』…とか言うヤツにオタク話をする気にはなれないというか」
漫画『ドルメンX』の台詞で、『』部分はイメージ上の少女の発言。
ネットではこのコマだけを切り取って所謂にわかオタク及びにわかを毛嫌いする古参オタクを揶揄する目的で使われる事が多いが、実際にはワンピースは当時既に80巻超えの長期連載作品となっており、にわかが気軽に全巻揃えられる漫画ではなくなっていた。
ではどういう意味なのかというと、そもそも発言者のサイは漫画オタクではなく音楽オタクであり、「畑違いの相手に自分の趣味を理解してもらえないのが怖い」という意図による発言である。
イメージ上の少女がギャルっぽいのも、どちらかと言うと「ジャンルの違いに気付かずにグイグイ来そうなタイプ」のイメージを形にした結果と思われる。
- 赤木しげる「死ねば助かるのに」
『アカギ』におけるアカギの最初の台詞。
あまりにもネガティブな感じの台詞のためにこの部分だけが切り出され、主に『諦めて死ねば楽になれるのに』といった弱気なニュアンスで使われる。
実際にこの発言をしたアカギと無難な手を打とうとしている南郷の全体のやり取りを見ると、古くからある「死中に活あり」「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という言葉に意味合いとしては近い。
アカギ「死ねば助かるのに…」
南郷「おまえ…麻雀がわかるのか?」
アカギ「いや…全然…。ただ…気配が死んでいた。
背中に勝とうという強さがない。ただ助かろうとしている。
博打で負けの込んだ人間が最後に陥る思考回路…あんたはただ怯えている」
要約すると、南郷が自身の生死がかかっていると言っても過言ではない麻雀で、更に負けが込んでいるので安全策を取ろうとしているのを見て取ったアカギが、
「負ける(=死ぬ)のを恐れてばかりでは勝てないので、恐れずむしろ死ぬつもりで勝負に出るべき」くらいのニュアンスで助言したというもので、
その言葉にハッとした南郷は一か八かの大勝負に打って出て、それが功を奏して見事に逆転勝ちしている*42
ちなみにアカギ自身もこの言動を実行している。彼は上記シーン前、ずぶ濡れで雀荘に入ってくるのだが、それは雨ではなく海水によるもの。
彼は雀荘に来る直前、不良と崖に向かうチキンレースをしていた。そして、彼は最後の方でむしろアクセルを踏んでいる。
岩壁手前の浅い部分に落ちて爆死する危険を避けるには、むしろ勢いよく飛び込まねばならないというのは道理である*43。
が、それをマジでやる度胸が普通はない。だが、アカギは実際にやった。そして、生きて雀荘で上記のアドバイスをしたのである。
いわずと知れたバスケットボール漫画『SLAM DUNK』における安西先生の名言の一つ。
この文言だけが抜き出されて、時間が経過してもまるで成長せず同じ失敗を繰り返す問題児などに対する諦め・呆れ・非難の言葉として使われることが多い。
しかし「まるで成長していないことを嘆いている」のは事実だが、その相手は問題児の類ではないどころか高い素質と向上心を併せ持つ稀有の逸材として、安西先生が誰よりも目をかけていたが相互不理解からバスケの本場アメリカに出奔してしまった教え子である。
この発言には彼を非難する意図は全くなく、指導者である自分の責任を前提として、彼が先走って道を誤ってしまったことを嘆いている台詞なのである。
なおこの場面を見ていた先生以外の仲間達は「アイツは新天地でもちゃんと頑張ってる」「見直した」と寧ろ賞賛しており、不慣れな海外チームの中で必死に頑張りを重ねていたのは確かである。唯一安西先生だけは日本に居た頃から全く成長していない事を見抜いていたのだ。
そして、このことで彼を見限っているわけでもなく、それどころか彼の才能が潰されてしまう事を本気で危惧し(彼が所属しているチームにもかなり問題があった)、今ならまだ取り返しがつくと考えて連れ戻そうと尽力している。その結果は各自で調べてほしい。
- 黒木翔「勝った方が我々の敵になるだけです」
映画『ゴジラVSビオランテ』にて、「(ゴジラとビオランテが闘ったら)一体、どうなるんだ?」と呟いた上司に返した台詞。
主に「どっちに転んでも悪いことになる展開」に絶望する意味で使われる事が多い台詞だが、実際にはどちらが相手でも構わず倒すという決意を表す台詞であり決して悲観的な意味で使われてはいない。
本作のビデオなどで用いられたキャッチコピーに「勝った方が人類最大の敵になる」というものがあるため、ここから絶望的な展開の示唆という意味で理解されるようになった可能性が高い。
- アイハラ・リュウ「バカヤロー!!なんてヘタクソな戦い方だ!!」
ウルトラマンメビウスがディノゾールを倒した直後に言った台詞。
言葉通りに、怪獣との戦いで街を壊してしまうウルトラマンを非難する台詞、として持ち出されることが多い。実際、そういう意味も込められている*44。
しかしこの後「周りを見てみやがれ!!それでもウルトラマンかよ!!何も守れてねーじゃねーか!……俺だってそうだ。……何も守れなかった」と続いており、怪獣から街を守るために出動したにも拘らず、何も出来ないまま全滅した自分たちCREW GUYSに対する無力感への嘆きなども込められた台詞である。決してお約束への野暮なツッコミや安易なダメ出しの類ではない。
- フランクリン・ビダン「やめないか!」
『機動戦士Ζガンダム』の主人公にして実の息子であるカミーユ・ビダンを叩きながら言った台詞。
ニコニコ動画に投稿されたとあるMADでは卑猥な言葉を連呼するカミーユを窘めるようなニュアンスで使われておりそれが有名となっている。だが、実際にはカミーユが自身の不倫を指摘した事に逆上して手を出すという非常に大人気ない行動の中で発した台詞である。
実際の彼は毒親そのものであり、そもそも決して息子を窘められる立場にある人物ではない。
- 榎稲穂「100%無い」
藤見泰崇公認で『キャタピラー』にゲスト出演した際の講演にて「ゴキブリが進化に進化を重ねた結果巨大化して暴れまくるなんてことは…」という質問に対する回答。
その時には既に藤見原作の文字通り蟲が巨大化して暴れまくる漫画『巨蟲列島』が連載されていた事から一見すると同作をディスっているかの様に思える台詞だが実は『巨蟲』の作中で「ゴキブリは臆病で、小さく素早く進化してきたから、巨大化する方向にはいかない」という説明がなされていた事から決してその様な意図の台詞ではなく、むしろ両方を読んでいるとちょっとニヤリとできるネタとして挿入されたとみるべきであろう。
- 佐倉十朗「公表された作品については、みる人ぜんぶが自由に批評する権利を持つ。どんなにこきおろされても、さまたげることはできないんだ。それがいやなら、だれにもみせないことだ」
「エスパー魔美」の「くたばれ評論家」における台詞。主人公である魔美が、評論家の剣鋭介に父の十朗が手掛けた作品を貶されたことに怒り、それに対しての返答である。
この部分だけを切り取って「作者は作品を発表したからには何を言われても文句を言うな」という意味で使う者も多い。だが、原作ではこの後、
「剣鋭介に批評の権利があれば、ぼくにだっておこる権利がある!!」
「あいつはけなした! ぼくはおこった! それでこの一件はおしまい!!」
と続く。
実際、ネットに出回っている画像にはこの部分まで含んだものも少なくない。
全文を読めば一目でわかる通り、実際は「批評に対して作者が言い返す」事まで想定された発言であり、間違っても「作者は批評を黙って受け入れるべき」という意味ではない。
元々は十朗に対する剣の評論の論調に怒って敵愾心を露わにする魔美を諭すというシーンなので、
「芸術家と評論家が批評される・するの関係にあるのは当然のことなので、第三者がとやかく言うべきではない」
というのが本来の意図に近いと思われる。
- 野比のび太「しかし、機械で友だちをつくるなんて、かわいそうだね。」
『友情カプセル』(コミックス4巻収録)において、ひみつ道具に頼って友達を作ろうとするスネ夫を見送りながら、隣に機械であるドラえもんを並べての一言。
これを見て「お前の隣にいるのはなんなんだよ」「ドラえもんは友達じゃないのかよ」と突っ込む者もいるが、のび太が哀れんだのは「機械で友だちをつくる(=機械を使って友だちをつくる)」ことであり、「機械の友だちをつくる」話はしていない。
実際にはこの後「そんなことしなくてもぼくにはドラえもんがいる」と続き、ドラえもんも「ぼくにはのび太くんがいる」と返し、ドラえもんとのび太は機械なんかに頼らなくても、互いの種族を超えた固い友情で結ばれていることを再確認する…という展開に繋がるのである。
ちなみにここで言う「機械」とは、タイトルにもなっている「友情カプセルとコントローラー」のこと。
カプセルを相手の身体に付けてコントローラーのスイッチを押すと、その人が友達という名の奴隷になる道具である。
そんな機械に頼ったスネ夫の末路については本編を参照されたし。
- 野比玉子「うちの家族は三人ですよね」
『弟をつくろう』(コミックス10巻収録)における野比玉子(=のび太ママ)のセリフ。
この直後に電話越しで夫ののび助が「なにいってんだ、うちは四人(家族)じゃないか」「きみだろ、ぼくだろ、のび太だろ、ドラえもん」と答えていることから、「のび助はドラえもんを立派な家族だと認識しているのに玉子はそう思ってない」としばしばネタにされる。
まず、このエピソードは弟がいることにあこがれたのび太が幼少期の自分をタイムマシンで連れてきて弟として扱おうとする話であり、
そして「小さい頃ののび太にそっくりな上に自分をママと慕う幼子」を前にして混乱した玉子が「のび太に弟なんていないはず」と夫に確認を取ろうとした、という流れで発したのが件の台詞である。
つまり知らない間に現れた「のび太の弟」という謎の存在を否定したいがために血縁的な意味で「家族は三人」と言った玉子に対し、そんな事情を知らずに急に家族について聞かれたのび助が「いつも四人で暮らしてるんだから四人家族だろう」と答えただけの話で、別に両者の間でドラえもんに対する認識に差があったわけではない。
原作者没後の作品にはなるが、大長編『ロボット王国』のラストで玉子は(「いいなあ、みんなママがいて」と羨むドラえもんに)「ドラちゃんだってわたしの子供よ」と答えているので、彼女もドラえもんを家族と思っているのは確かである。
- 大河幸太郎「あとは勇気で補えばいい!!」
ロボットアニメ「勇者王ガオガイガー」にて、味方サイドの防衛組織であるGGG長官の大河が仲間を鼓舞するために発した台詞。
同作では「勇気」がキーワードとなっており、主人公をはじめ戦いに携わる多くの人々の勇気によってゾンダーを打ち破るという作風になっている。
計算上は限りなく確率が低いという危機に見舞われることが多いが、勇気で補うことによって作戦を成功させるという燃える展開がたびたび描かれる。
勇気で成功率の低さを補うという無茶を行い、見事にそれがうまくいくという都合のよさからたびたびネタにされやすい台詞ではある。
だが、そもそも勇者王ガオガイガーは熱血要素こそ強いものの、人類が不断の努力と科学力を結集して強大な敵に立ち向かう物語であり、決してその場の勢いで何とかしている訳ではない。
「勇気で補う」の本来の意味(及び勇気の扱い)は「事前にやれる事は全てやったので、後は勇気を出して実行するだけ」といった感じである。
要は「人事を尽くして天命を待つ」に近いニュアンスといえる。
実際「悲観的な意味で、もう勇気しか頼れそうなファクターがない」戦況に追い込まれたことも何度かあり、
勇者たちも残されたのが勇気だけの状況で力を振り絞るのだが、こういう場合はほぼ確実に好転しない。
間違っても「準備などが適当(不十分)でもとりあえず勇気があれば逆転勝利出来るから気にすんな」というような根性論ないし楽観的な発言ではない。尤も『勇者王ガオガイガーFINAL』では文字通り勇気があれば何でも出来るという感じの展開が頻発していたが…。
ハイウェイ・スターから東方仗助の身と引き換えに自身の助命を提案された際の回答。
ネット上などのジョジョパロではここだけ独り歩きした結果、肝心の「だが」の部分が無視・軽視されて
「相手の懇願や要求をにべもなく断る」、つまり「あれは嘘だ」に近いニュアンスで使われることが多い。
だが、実際にはこの後「この岸辺露伴が最も好きな事のひとつは自分で強いと思ってるやつに「NO」と断ってやる事だ」と続く事からも分かる通り、
こちらより有利な立場に立っている敵が「言いなりになれば助ける、断れば確実に死ぬ、死にたくない相手は絶対に自分に従うに違いない」と確信して余裕綽々で突き付けてきた提案に、
承諾しか助からないという条件は確認した「だが」敢然と「NO」を突きつけるという、
「相手に屈服して命を拾うくらいなら死んででもプライドを貫く」という、露伴の反骨精神を表した台詞なのだ。
最近ではアニメ化などにより4部の内容の周知・おさらいがなされたためか、前ほど誤用されることはなくなった。
ちなみにジョジョのゲーム作品化であるASBでは誤用の方が用いられているし、外伝作品「岸辺露伴は動かない」の漫画やOVAでも露伴本人が誤用にあたる使い方を普通に使用している。特に後者の漫画版は荒木先生本人による作品のため、実際には単に「話の流れに関係なく、『露伴の口癖』として言ってる」可能性も否定できなくなりつつある。
またネットの使用方法(つまりネットスラング)を元にしている作品での使用例もある(例えば科学アドベンチャーシリーズでは@ちゃんねらーのキャラクターがよく使用している)。
逆に『ノーゲーム・ノーライフ』では完全に原作通りの使い方で対戦相手にこの台詞を使い悦に浸る主人公という内容が描かれている(こちらは直後の露伴の台詞まで再現する徹底ぶり)。
- 北岡秀一「英雄ってのはさ、英雄になろうとした瞬間に失格なのよ。お前、いきなりアウトってわけ。」
仮面ライダー龍騎に登場する13人のライダーの1人である北岡秀一が、同じくライダーであり「英雄になりたい」という願いを持つ東條悟との戦闘中に発した台詞。
ネット上ではよく英雄願望を持つ者に対して一石を投じる様な言葉として引用されているが、実際は出まかせに近くその場の勢いで発したような台詞である。
作中では第46話にてミラーワールド内での活動時間が限界になり、ミラーワールドから出る必要があった北岡が言い放った。目的としては東條を動揺させるためであり、北岡本人は特に東條を否定しようとしたわけではない。
(作中のシーンを見ると分かるが、この時の北岡は焦り気味にこの台詞を言っている上に、北岡の性格を考えると状況次第では正反対の内容の言葉すら言い得る)。
そもそも東條本人の英雄観自体かなり歪んだものであり、「大切な人を失えば英雄に近づける」と考えた末に恩師を手にかけるような危険人物であるため、この台詞を英雄願望を持つ人物やキャラクターへの批判として使う=彼等を東條と同列に考えるのは無理がある。*45。
とはいえ東條はこの言葉に動揺を隠せずにおり、彼の言っていたことは図星であった。
そう考えるとこの台詞は彼の核心を正確に突いたものであり、色々な意味で北岡らしい台詞と言えるだろう。
そんな東條は、街を彷徨い歩く中、トラックにはねられそうになった親子に先述の恩師・香川教授とご子息をダブらせて庇い、
北岡の言葉が頭がよぎるも、答えが見つからないまま力尽きるという最期を迎える。翌日の新聞の片隅には「親子を救った英雄」と彼を讃える記事が載っていた……。
親子を助けようとした彼はその瞬間、英雄になろうとしなかったのである。
ちなみに後の映画「超スーパーヒーロー大戦」でもこの台詞を言ってくれた。ゴライダーカードを巡ったスーパーヒーロー達の戦いなので、違う意味で皮肉である。
- 裁判長「とりあえず、却下します。」
色々と残念な言動が多い裁判長の語録の一つであり、『MARVEL VS. CAPCOM3』の超必殺技における演出でネタにされた事でも有名。
その字面から受ける印象や『MARVEL VS. CAPCOM3』での使われ方から成歩堂(及びプレイヤー)に対する理不尽発言の一つと誤解されがちだが、
実はこの演出は出典になったソフトからして異なる2つのシーンの映像と台詞を組み合わせた物*46であり、
台詞の方の元ネタは(不利な流れになったので)とりあえず異議を申し立ててきた相手の異議をとりあえず却下した時の台詞なので、この台詞に限っては実際には理不尽どころか残当といった感じの台詞だったりする。
おまけに「とりあえず、異議を申し立てた」のは成歩堂ではなく御剣である*47。
- モンキー・D・ルフィ「人は死ぬぞ」
アラバスタ編において主人公であるルフィがアラバスタ王国の王女であり麦わらの一味の仲間であるネフェルタリ・ビビに対して言い放った台詞。
この時ビビは王下七武海の一人としてアラバスタの英雄と呼ばれてたサー・クロコダイルが配下であるバロックワークスを率い仕組んだアラバスタ王国革命戦争を止めるべく、
革命軍に会い戦争を止める相談をしに行く予定がうまくいかず刻一刻と革命戦争が始まる時間が近づいてゆき、
このままでは革命戦争が始まり多くの国民たちの血が流れる…という危機的な状況で突如歩くのをやめたルフィが発言したのがこの台詞である。
ネット上ではこの台詞と共に「エースは……!!!死んだんだろ!!!?」というセリフが並べられ、
あたかも他人の死に対しては過去にこのような事を言ってるくせに、いざ身内が死んだら悲しむルフィは非常に身勝手で都合のいい奴だという批判をされることが数多くあった。
確かに直前の「七武海の海賊が相手でもう100万人も暴れ出してる戦いなのにみんな無事ならいいと思ってるんだ!!!甘いんじゃねェのか」という台詞と合わせてみると、
人はいつか死ぬんだから他の人が死んでも受け入れろという意味合いや戦争では死人が出るのは当然だから犠牲が出ることも覚悟しろといった極めてドライな物言いに見える。実際、ルフィもそう取られるのを承知の上でこんな言い方をしているのだが、真意は全く別のところにあり、二つの発言は矛盾していない。
この前後のルフィの言動を見ると分かるのだが、この人は死ぬぞ発言は、
王下七武海のクロコダイルが本気で国盗りを狙い組織を動かしている状況で反乱軍を止めるだけという消極的な案を取っている、つまりビビ一人だけ命が狙われ自分以外の誰も危険にさらさない方法をとるのならば、いずれ人は死ぬぞという意味。
本当に国を救う方法が、たとえ黒幕であるクロコダイルを倒すという他の人を危険に巻き込まないと達成できない手段であっても、「仲間なんだから俺達を頼れ」という思いを込めて
最後に「おれ達の命くらい一緒に賭けてみろ!!仲間だろうが!!」という一味全員の意思を示す叫びで締めくくられるのである。
つまりルフィは、ビビの戦争を止め国民の皆の命を救いたいという、ともすれば理想論とも言える想いについては理解しつつ、
今のビビ以外の誰も命を落とさないようにする安全策では無理だという現実をビビに伝え、それでいて困難で危険な方法ではあるがそれを実現する方法を提案し協力を申し出ているのであり、
むしろビビの人を死なせたくないという想いには肯定の立場として発言しているのだ。
処刑されるエースを助けるためにインペルダウンや頂上決戦に行ったときも兄であるエースの命を案じ自分の命を賭してまでの行動であり、
ルフィにとって大事な人の命は「諦めるもの」でなく、「危険を冒してまで全力で抗う必要があるほど大事なもの」と認識しているのが見て取れる。
- モンキー・D・ルフィ「ウソップゥゥ!!何やってんだお前ェ!!」
ルフィが敵にあっさりやられたウソップに対して叫んだ台詞ではなく、ウソップを倒した敵に対しての発言。
本来は「(ボコボコにされたウソップを見て)ウソップゥゥ!!」→「(その犯人に対して)何やってんだお前ェ!!」という流れの発言だったのだが、
「続けて聞くとウソップに対して言っているように聞こえる」という点がネタにされてしまったもの。
いわゆる音MAD由来の「実は言ってない」台詞なのだが、基本的に同じシーンの台詞をそれぞれ抜き出しただけなので違和感が殆ど無く、
元ネタ未見の人には本当にウソップに対して言った台詞だと誤解されやすい。
ちなみにゾロ相手の場合は、実際に倒されている様を評して「ゾロ!!!!おいお前!!!!何やってんだよっ!!!!」と言ったことがある。
「お前がいて何で…こんなことになってんだ…!!」と続く通り、ゾロの戦闘力の高さを信頼しているゆえのセリフであり、強みが直接戦闘力でないことが明白な(「お前がおれに!!勝てるわけ無ェだろうが!!!」とまで断言されている)ウソップとは前提が違う。
- 孫悟空「大丈夫だ、ドラゴンボールで生き返れる」
ブウ戦で発した、所謂クズロットネタの代表的なセリフ。アニメ風に「でえじょうぶだ」という発言になっていることも多い。ネット上でこのセリフのコマとその次のコマが繋がった画像が広く出回っており、このシーンだけを切り取るとセリフの流れとしては「両親が犠牲になることと西の都が破壊されることに難色を示すブルマに悟空がどうせ一つ目の願いで生き返るし、二つ目の願いで西の都も修復できるんだから構わない」というサイコパス丸出しの発言をしているように取れる。
実のところ「ドラゴンボールによる蘇生を前提とした死生観になってしまっている」という指摘は間違いとは言えない。ただしこの指摘はこの場にいる他の面子にも当てはまる。
結局この後ピッコロが「既に願いの一つで大勢を蘇生してしまった為、悟空の挙げた方法は無理」と指摘。更にブルマからドラゴンレーダーの部品は特殊な材料が必要なので西の都が破壊されてしまうと複製はできなくなってしまうと、両親の死は避け得ないことは受け入れた上で、それを前提としたドライな指摘を受けている。じゃあ何故ターボ君は複製できたのか?と同時によく突っ込まれる。これを受けて悟空はドラゴンレーダー回収のための時間稼ぎに赴くことに。
悟空の意図は「自分やフュージョンを体得していない悟天とトランクスではブウを倒せないから、犠牲に目を瞑ってでもフュージョンの伝授を優先すべき」というドライながらも、ブウを倒す望みが絶たれることだけは絶対に避けなければならないという状況を判断してのものであり、これを以てサイコパスと断ずることは言いがかりだろう。「仮に自分がブウを倒せるとしても、息子たちに任せたい」という人命が懸かっている状況では些か不謹慎な考えもあるにはあるのだが、そもそも悟空はこの時点で本来死人=いないはずの人間であり、今日限りでこの世からいなくなってしまう存在に頼らなければ地球の自衛すらままならないというのでは仮にこの場を悟空の力で切り抜けたとしても、その次の危機の時に地球を守り切れる保証がないことを意味してしまう。特に他の未来の可能性として悟空がいなくなってしまったためにZ戦士が総崩れになってしまった未来が存在するので、尚更悟空の危惧は当然と言える。
また、広く出回ったコラとしてこの2コマの直後に別のシーンから引っ張って来た「どっちにしたってあいつは地球を滅ぼす、絶対だ。殺された人々や破壊された地上はドラゴンボールで戻れるんだ、気にするな」というコマを繋げてより深刻な風評被害を狙ったものがあるが、タチの悪いことに台詞自体の改変は全くないせいで本当に原作でこの流れが存在すると思い込んでいる者も多い。
こちらはバビディの暴虐に怒ったピッコロの出撃を止める場面なのだが、これも「ピッコロにもしものことがあったらフュージョンが伝授できなくなる」と本来の意図は上記と同じ。
ちなみに類似の台詞として、クリリンの「殺されたってあいつはドラゴンボールで生きかえれるんだ」という台詞がある。
こちらはセル編において真っ先にセルゲームに乗り込んだミスターサタンに呆れて出た発言で、命の軽さという意味ではこちらの方がニュアンスが近い。
ただこちらの台詞もどちらかというと、サタンに忠告を無視された挙句、TVクルーにバカにされた悟空をフォローする意図が強く、実際にクリリンが「サタンが死んでもいい」と思っていたというわけではないはず。
そもそもこの時点のサタン達は勘違い言動や前述の悟空に対する暴言などからお世辞にも印象が良い相手とは言えず、全体的に辛辣に対応されている点も留意しておくべきだろう。
- やすな「見たら本当に絶対感動するよ、もし感動しなかったら木の下に埋めてもらっても構わないよ」→ババーン(片手足を出して生き埋めにされる)
キルミーベイベーの中でも有名で完成度の高い即落ち2コマ(前半の2コマも合わせて4コマ使われることもある)だが、実は2つの4コマを切り取って繋ぎ合わせたもの。
感動しなかったから埋めたように見えるが、実際はそうではない。
この話の4コマ目は「そういえば昨日強風だった」と桜が散った木を見せてしまい、その後もやすながソーニャを引き留めようとあれやこれやしている。
そしてババーンは、ぐだぐだやっていたらソーニャの手に桜の花びらが落ちて来て、押し黙ったことをやすなにいじられたので埋めてしまったのである。
つまり感動したが埋めたのだ。ウザかったからね、仕方ないね。
- シャア・アズナブル「当たらなければどうという事はない!」
機動戦士ガンダムに登場する赤い彗星ことシャアの有名な台詞。
アムロの攻撃を素早く回避しながら誰ともなく、ないしMS越しにアムロに対して呟いた台詞と誤解されがちであるが、そうではない。
実際には1stの第2話で初めて見るビームライフルを過度に警戒するあまり、ガンダムに対して有効な間合いを取れないでいるシャアの部下スレンダーに対して言った台詞である。
(このセリフの直後に「援護しろ」と続けるのがその証拠。)
「どんな強力な攻撃だろうと直撃しなければ大丈夫」という意味の大枠は同じだが、アムロ(の大雑把な狙い)に対する嘲笑や、ビームライフルを避けてしまえる自身の素早さ・技能への自信というわけではなく、
単なる怯えて取り乱す部下への叱咤・「ビビってないでもっと距離を詰めろ」という戦闘機動の指示である。
実のところガンダムのビームライフルの威力は凄まじく、この直後結局半端な距離を取ったままだったスレンダーのザクがビームライフルの直撃を喰らってたった一撃で沈んだ際には、
シャア本人も「い、一撃で!一撃で撃破か!」と恐れおののいている。
後のシリーズでもこれとほぼ同様のセリフを発しているキャラクターは複数いるが、
そちらはいずれも「自分には劣る相手の技量への嘲笑、自身および自機の性能への自信」というニュアンスで言っている。
『機動新世紀ガンダムX』のシャギア・フロスト(赤いパーソナルカラーのMS)、『機動戦士ガンダムUC』に登場する『赤い彗星(=シャアの異名)の再来』たるフル・フロンタルなど。
『ガンダムSEED』前半における最も有名なシーンの一つ。
痴情の縺れの末に主人公が友人の腕を捻り上げ、自分の方が強いのだから喧嘩など挑んで来るなと言い放つという衝撃的な場面であり、
それ故にキラが必要以上に視聴者から反感を買う原因となった台詞。
「友達の恋人を寝取っておいてこの行為にこの発言」と、まるでサイから暴力で全てを奪い勝ち誇る様に言ったか、
当時のキラが母艦の攻めと守り両方の要である事から増長の極みに達した事で傲慢に振舞っている、(スーパー)コーディネイター故にナチュラルであるサイを見下しているかの様に見なされることもあるが、劇中の描写を見ていけばそれは正確ではない。
実際には後に続く台詞や後の描写からもうかがえる通り、当時のキラは命懸けの戦闘を繰り返しながらも守るべきものを守れなかったことで精神的にも肉体的にも酷く追い詰められており、この時の彼を支配していたのは、自身を力ある者と自負した傲慢・自己陶酔などではなく、
寧ろ「守りたいものを何一つ守れなかった」という自己嫌悪、「もう二度と失敗できない」という強迫観念、「戦場で矢面に立ち人殺しをさせられている」という恐怖と殺人への忌避感、「それにも関わらず誰も自分を気遣ってくれない」という怒りに近い。
そして、フレイはそんなキラの心理を利用して関係を結び、自分を守るように仕向けていた。
身も心も疲れ果てていたキラがフレイに依存することを避けるのは難しかったと思われる。
一方でサイはサイで「(コーディネイターの歌姫は)遺伝子操作されたから歌が上手い」「(キラもコーディネイターだから)敵軍に寝返るんじゃないかと心配していた」という旨の事を平気な顔で言い放つような無神経な部分もあり、
そんなサイがキラに突っかかって来た時に言い放ったのが「やめてよね」である。
ショッキングな出来事や無自覚な差別的発言が積もり積もって精神的に不安定気味になっていた当時のキラからすれば、
遂に堪忍袋の緒が切れた時に「サイが(遺伝子操作されたから強い)僕に敵うはずない」と意趣返ししたくもなるのはある意味当然の流れと言える。
また当時はナチュラル故にMSの操縦ができないサイに対して当時のキラは自身がコーディネイター故に仲間を守るべく自分が戦わざるを得ない状況であり、
「今の君にフレイが守れるのか」という意味合いもあったであろう。
一方で当時のキラはナチュラルを見下しているどころかコーディネーターゆえの能力の高さを呪いに感じている節すらあり、
加えてキラは自分がコーディネイターであることは知っていても最終盤までスーパーコーディネイターである事は知らなかった*48。
「やめてよね」に込められた意味自体は様々な解釈・考察があるためここでは断定は避けるが、
こういった事情も踏まえると、お世辞にもお行儀の良い言動ではないとはいえ、
「やめてよね」を『傲慢の発露』『サイを見下している事が分かる』と解釈するのは些か悪意的・過度に批判的である。
ちなみに状況はやや違うが、ガンダムシリーズでは初代42話のアムロ「な、なぜ出てくる!?」や、Ζ12話のカミーユ「出てこなければ、やられなかったのに!」「抵抗すれば無駄死にするだけだって、なんで分からないんだ!」など、
敵兵を殺しておいてきついことをいう主人公がしばしばいるが、基本的に敵兵の心情を理解してないというより、あっさり倒せてしまった相手に若干罪悪感を抱き、
「いきなり出てきたあいつのほうが悪いんだからね!」と言い訳的に言っているパターンが多い。
- ケンシロウ「バイクのエンジン音…」
PSのゲーム『北斗の拳 世紀末救世主伝説』のおまけモード「世紀末シアター」においてネタ的な意味で多用されている台詞。
原作・アニメにおける該当シーンでは「銃声……まさか!!」で、この直前にトヨが切り札の銃を発砲した(=大事が起きた)ことに気が付く場面なのだが、
『世紀末救世主伝説』ではトヨが「神の御加護を!!」と銃でジャッカルに立ち向かうシーンが省略されたため、
該当シーンでは「バイクのエンジン音…村の方角だ!!」「それも一台や二台ではない…まさか!!」という野盗集団そのものに気が付く台詞に言い換えられている。
なお原作かアニメしか知らない人の場合、このセリフを聞いてないわけなので、世紀末シアターの動画などを見た際「これどこのセリフだっけ?」となる。
- 涼水玉青「キマシタワー!!」
アニメ『ストロベリー・パニック』のキャラクター、涼水玉青のセリフ。
後に顔つきAAが作られ、ネットでは百合展開に対する歓喜と興奮を表すスラング(キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!! のようなもの)として知られるようになった。
このセリフは肝試しで渚を驚かすために隠れていた玉青が、歩いてくる渚を見つけて言ったものである。
つまり文字通り「(こっちに近づいて)来ましたわ」という意味で言っている。隠れながらなので語調も「来ましたわ…!」とそんなに強くない。
但し彼女がこんなことをしているのは「渚ちゃんの悲鳴を聴きたいから」であり、百合的興奮のこもった言葉としてはあながち間違ってはいない*49。
実際本人はこの時メチャクチャワクワクしている。
その後、録音した渚の悲鳴を聴いてベッドで悶えながら言った「タマリマセンワー!」の方が意味としては近く、AAに付けられた絵も実際はこちらのシーンのものである。
またセリフの言い方に関しては担当声優が同じ清水愛氏である「ジュエルペット サンシャイン」の菊池かえでのモノの方がテンションが近く当時ネタにされたことも。
- ナレーション「エアグルーヴのやる気が下がった」
『ウマ娘 プリティーダービー』ゲーム版において、エアグルーヴのやる気が下がった時に流れるナレーションというか地の文。
エアグルーヴのやる気ダウンイベントの一つに「彼女がシンボリルドルフのダジャレを聞く」というシチュエーションがあるのだが、
このイベントを元ネタに、ルドルフがつまらないダジャレを言っているイラストへのテンプレコメントの一つになっている他、
ウマ娘関連の話題でルドルフがいかにも言いそうなつまらないダジャレを言った人へのツッコミコメントとして用いられたりしている。
しかし、実際のイベント内容は「ルドルフが自分との会話にさりげなくダジャレを盛り込んでいたことに、その時気付けなかったことへの不甲斐なさから落ち込む」という内容であり、
エアグルーヴがルドルフのつまらないダジャレを聞いてモチベーションを下げられたというわけではない。
まぁ、ちょくちょくダジャレを言いたがる会長にエアグルーヴが難儀しているのは事実である上、
肝心の彼女のダジャレは彼女を尊敬するトウカイテイオーや(彼女の育成シナリオでの)トレーナーもフォローできず、ナイスネイチャにしかウケていないのもまた事実なのだが…。
- ラドン「そうだそうだ」
『三大怪獣 地球最大の決戦』におけるラドン・・・ではなくラドンの意図を通訳した小美人の台詞の一部。
なので、正確には
小美人「ラドンも『そうだそうだ』と言っています」
となる。
2019年に『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が公開され、作中でのラドンの動向から、「強者の意見に擦り寄っている小物のような印象を受ける」この台詞がSNS等でよくネタにされるようになった。
だが、『地球最大の決戦』のラドンは決してそのような意図でこう述べたわけではない。
そもそもこの発言に至る経緯は
1.巨大な隕石が地球に落下する。
2.金星人が怪獣の出現を予知し、小美人やモスラも行動を開始する。
3.隕石落下の衝撃で目覚めたゴジラとラドンが殴り合いを始める。
4.隕石から現れたキングギドラが日本を荒らし回り、モスラが単身立ち向かう。
…というものである。
この状況下でモスラは、自分だけではキングギドラに太刀打ちできないと判断し、争っているゴジラとラドンに「みんなで力をあわせて地球をキングギドラから守ろう」と協力を求めた。
これに対しゴジラは、「我々が人間を助ける理由はなにもない。人間はいつも我々をいじめているではないか」と拒否。ラドンもそれに続くように「そうだそうだ」と同調した。
・・・という怪獣3匹の一連のやり取りを小美人が通訳した。
つまりラドンはゴジラに擦り寄っていた訳ではなく、
「ゴジラはソリの合わん奴だが、人類や地球に対する見識は同じらしい。俺もモスラや人類に協力する気はないし、言いたいことはこいつが全部言ってくれたから俺は同調するだけでいいや」
という程度の姿勢であり、あくまでゴジラの意見に頷いただけである。
但し、地球の危機が迫る中で怪獣3匹が話し合いをしていること、小美人がやや砕けた言い回しで通訳したこと、更にラドン自身がどことなく「そうだそうだ」と本当に口パクしているようにも見える事からネタにされてしまったと思われる。
また、上述の通り「そうだそうだ」という発言自体が第三者による翻訳であるため、ラドンが実際にどんな台詞を発していたのかは明らかでない。
- バーダー船長「ブレアード、どうして死んでしまったのだー!?」
『超星艦隊セイザーX』に登場する敵組織・宇宙海賊デスカルの頭目・バーダー船長(実はロボット)が今わの際に叫んだ断末魔。
第10話にて怪獣を生み出す為に海賊船越しに落雷を浴びた事で異常をきたし、部下の一人であるブレアードの目の前で機能停止するシーンで放ったセリフであり、一見意味深長に感じ取られることから当時の視聴者の間で『実はブレアードは死んでいるのか?』と作中最大の謎*50としてしばしば考察対象に挙げられていた。
だが、ブレアード達3将軍は最終決戦後も生存しており、結局その後のストーリー展開でこのセリフについて触れられる事は一切なかった。
それもその筈、実はこのセリフ自体には特に意味がないからである。
というのも、同作のメインデザイナーを務めた西川伸司氏が当時運営していたブログにて、第10話の台本における件の台詞が出た経緯について解説しているのだが、
1.ブレアードが船長を父のように慕っていると告白する。
2.続けて『船長のためなら喜んで死ぬ覚悟です。』と船長に忠誠を誓う。
3.落雷のショックで異常をきたした船長が『死ぬ?→では死ね→いや死ぬな→なぜ死んだ』という風にブレアードの言葉を曲解する。
4.ブレアードが死んだと錯乱し、断末魔を遺してショートする。
このように船長がロボットだったという事実を表現する為の演出の一環に過ぎず、セリフの内容そのものには意味がない事が分かる。
しかし、完成作品では2と3の過程が省略された事で意味ありげなニュアンスに変わってしまったというのが真相であった。
この裏話が初めて明かされたのは最終回の放送日である2006年6月24日なのだが、西川氏のブログ以外で触れられた事がない事*51や、『セイザーX』という作品自体が(マニアックな人気こそあれど)メジャーとは言えない作品であるのもあってか、現在でもこのセリフを真面目に考察しているファンも一定数存在する。
- ドン・ガバチョ「今日が駄目なら明日にしましょ。明日が駄目なら明後日にしましょ。明後日が駄目なら明明後日にしましょ。どこまで行っても明日がある。」
ひょっこりひょうたん島のキャラクター、ドン・ガバチョの台詞で、厳密には劇中歌「ドン・ガバチョの未来を信ずる歌」の歌詞から。楽天的で日和見主義者のドン・ガバチョの人なりを示しており、作詞家である井上ひさしも「(あの歌は)単なる先送りのつもりで作った」と述べている。
しかし映画『おもひでぽろぽろ』の劇中でトシオが「あの頃は励ましの歌が多かったですよね。ほら、『ひょっこりひょうたん島』にも」と話題に挙げ、タエ子と一緒に歌ったことで誤解が広まってしまった。
一応タエ子のモノローグで「明日やればいいという先延ばしの歌を、トシオさんは(どんなに辛くても)明日があるさという前向きの歌として覚えていた」(つまり本来の意味とは違う)と説明してはいるのだが、歌のシーンが印象的なため伝わりにくかったのかもしれない。
更に「一家心中を考えていた中小企業経営者が、決行前夜にひょっこりひょうたん島を視聴し、この歌を聞いたことで心中を思い止まった」というエピソードまで生まれている。
当のドン・ガバチョも劇中で煙たがられている一方で、「大人としての責任感」や「諦めない積極的な思考」を持つキャラクターなため、「今日が駄目なら明日頑張ればいいと前向きに捉える歌」という意味が、本来の「日和見主義者が先送りにするだけの歌」という意味を超えつつあるのも事実である。
- 少佐「よろしい ならば戦争だ」
ネット上では主に主張が相容れない、許容できない際に一種の宣戦布告として「屋上に来い」「表に出ろ」に近いニュアンスとして用いられる。
だが、これを言った人物はそもそも戦争そのものが大好きなのであって、根本的にニュアンスが異なる。
これを発言したのは部下の戦意を高揚させるための演説の場面である。
前後の流れは、
少佐「皆ー! 戦争がしたいかー!?」
兵隊「おー!!!」
少佐「よろしい、ならば~」
という展開である。
つまり「これから我々がしたくてしたくて仕方がなかった戦争をいよいよ始めようではないか」というような意味となっている。
解説はリンク先に譲るが、前述の「まるで成長していない」等と同様に汎用性の高い部分のみが切り取られてネットスラングとして使われてきた弊害と言える。
因みに、文章通りに読まれる事も多いが実際のコマは「よろしい、ならば戦争だ」となっており、
アニメでも「よろしい、ならばクリークだ」と発音している*52。
- アルマン・ジャン・デュ・プレシー・ド・リシュリュー*53「ペンは剣よりも強し」
「言論の力は権力や暴力に勝る」という意味合いで使われる言葉。報道にまつわる話題ではお馴染み。
19世紀に書かれたイギリスの戯曲『リシュリュー』の主人公の台詞だが、本来意味する所は真逆である。
17世紀フランスの宰相(国王の補佐役)リシュリューは、軍による自身の暗殺計画に気付いたものの、枢機卿(聖職者)でもあるため武力を行使できない。
しかし、首相クラスの権限を持つ彼は、命令書にサインすれば軍の動きを封じることができる。
上記の台詞はそれを説明するシーンで発されたもので、全文は「真に偉大な統治の下では、ペンは剣よりも強し」。
つまり、「下位の人間がどんな武器を使おうと、上位者の命令には敵わない」ということで、むしろ権力者の強さを示す言葉だったのである。
なお、「言論は武力より強い」という言い回しは他にもあり、
「言葉は剣よりも強し」(アヒカル)
「智者のペンよりも恐ろしい剣はない」(デジデリウス・エラスムス)
などが有名。
これらの名言と混同されて、現在の意味合いになったのかもしれない。
- 山岡士郎「じゃあ死ねよ」
『美味しんぼ』のエピソード「究極の料理人"春編"⑴」(第96巻収録)におけるセリフ。
友人の岡星精一がうつ病になり、自殺をしたいと漏らした時に放った一言である。
このシーンだけ切り取られて批判されることも多いが、山岡は本当に岡星に死んでほしいと思っているわけではない。実際、岡星に「言われなくても死にますよ」と返された直後「死ぬと決めたらもう死んでいるのも同然だ。気持ちが軽くなっただろう。後一年だけ俺に命を預けないか?」と励ましている為、むしろ自殺を防ぐために言ったのである。
もちろん下手すれば自殺願望を増長させるだけなのは言うまでもなく、岡星の反応も典型的なそれだったので、患者への対応としては最低最悪である。
本人の親兄弟配偶者や専門家でもないならば、軽く聞き流す、自分からは関わらないのが正解である。
なおネット上には、「じゃあ死ねよ」と言われ「え?」と当惑している岡星に「死ねよ」と更に追い打ちをかける山岡の画像が出回っているが、これはコラ画像なので注意。
- 京極万太郎「これに比べると山岡さんの鮎はカスや」
『美味しんぼ』のエピソード「鮎のふるさと」に登場するセリフ。
料理対決で海原雄山が出した鮎の天ぷらを食べた京極万太郎が実際に発言したセリフである。
何かを絶賛するにあたって他方を下げる、という非常に下品な褒め方をしたセリフとして有名な本セリフだが、実はこの発言の背景を知ると京極自身には山岡の鮎をこき下ろす意図は特になく、むしろ山岡の鮎に対してはそれはそれで感動している事がわかる。
そもそもなぜ海原と山岡が鮎の天ぷらで料理対決をする事となり、そしてその料理を山岡が食しているのかだが、元を辿ればこれは怪我で入院した京極の快復祝いとして京極が山岡に鮎の天ぷらをリクエストしたところ、たまたま居合わせた海原が山岡では荷が重いと彼をこき下ろした為、料理対決に発展した。
山岡は最高の鮎と最高の技術をもってすれば最高の鮎の天ぷらを用意できると考え、食材を厳選してこれを提供。そしてその鮎の天ぷらを食べた京極もその時点では満面の笑みを浮かべながら「こんな旨い鮎の天ぷらは食べたことないわ」と大絶賛している。
ところが海原の鮎を食べた途端、大粒の涙を流しながら本節のセリフが飛び出したわけである。さて、では何故それほどまでに海原の鮎が旨かったのかと言えば、それは一重に海原が提供した鮎は京極が初めて食べた鮎と同じ四万十川産のものだったからである。
高知の土佐中村から四万十川沿い上流に七里上がったところにある村出身の京極にとって、四万十川産の鮎は言わば故郷の味そのもの。故にこれを食べた京極がノスタルジーを感じて思わず飛び出したのがこのセリフであり、実のところ山岡の鮎をカスと感じていたわけではなく、そもそも海原の鮎を食べるまでは過去最高の鮎料理と感じていたわけである。事実、この海原の料理は京極以外に居合わせた他の者達からすれば、味の違いはあってもそこに貴賎は特にないものであり、京極がなぜここまで山岡を差し置いて海原の鮎を絶賛しているか理解出来ていない。
つまりこのセリフはあくまで山岡の出した料理が過去食べた事がないほどに美味しいものであったというのは前提の上で、それでもその料理が霞むほどに自分にとっては海原の料理が刺さった、というわけである。
もちろんだからと言って、その感動を表す為に飛び出した言葉自体は文句なく最低であり、この言葉を人を褒める際の悪い例としてとりあげるのはなにも間違ってはいない。
実際アニメ版では流石にあんまりな発言な上、これでは京極の意図も正しく伝わらないと判断されたのか「山岡さんのとは比べものにならん」とあくまで山岡のも旨かったが海原のはそれ以上だったという真意が分かりやすいセリフに改変された上で、このエピソードのエピローグに「山岡さんのも十分旨かったですよ」とフォローするセリフも追加されている。京極初登場時は、京極の故郷の料理を再現して感動させた事がある山岡なんだけどね…
- 味吉陽一「世界中の大半の人々は食べ物の味なんか興味ないんだ」
料理漫画の金字塔ミスター味っ子の主人公が続編で発言した、料理漫画というジャンルの根底を揺るがしかねない問題発言。
ネットではこの台詞だけが独り歩きしがちだが、実際にはそもそもこの発言はアメリカ人家族の大味な食卓に不安を抱いた少年に対し、「その不安も間違ってはいないけれど、それが全てではない」と諭す流れで出たものであり、あくまで少年の不安を受けての台詞である。
陽一の意図としては「大半の人々」というのがミソであり、この台詞の後は「だけど食べ物の味に興味を持つ人達も確実に存在しているから、味を追及するのも間違いじゃない」といった感じで話が続く。
- ブラック・ジャック「おまえさんのからだをわたしの思いのままにさせる気ならね…手術代をまけてあげる」
原作第194話「二人目がいた」におけるブラック・ジャックの台詞。
セクハラ目的で患者に迫っているような雰囲気のある表情と言い回しな上に、一応嘘は吐いていなかった事からネタにされるが、彼は決してそういう目的で発した訳ではない。
この台詞にはブラック・ジャックの過去が大きく関係している。
元々ブラック・ジャックは「母を死なせ、自身にも重症を負わせた上、父の駆け落ちの遠因まで作った*54人物に復讐する」という目的を持っていた。
本作の前日譚*55で1人目への復讐は完遂しており、タイトルの「二人目」は復讐対象の2人目という意味である。
ところがようやく見つけた2人目である姥本は既に末期ガンで、これでは自分が手を下すまでもなく死ぬだろうと判断したブラック・ジャックは、姥本の娘からの「診て欲しい」という声もそっけなく返し家を後にする。
しかし親を思う子の気持ちに弱い*56ブラック・ジャックは再び娘へ電話をかけ「手術してやってもいいが莫大な金がかかる」「他のもので埋め合わせるならそれでもいい。例えば『おまえさんの体』だ」という交渉を持ちかけた。
これに怒った娘は即座に電話を切ったものの、後日決意を固め、父を連れてブラック・ジャックの元を訪れる。
そして「おまえさん、服を脱ぎな」の一言でいよいよ身体が震え始めた・・・のだが、ブラック・ジャックはここで「おまえさんの臓器を使ってお父さんの治療をする」「臓器は他で買うと高い。おまえさんが提供してくれれば安く済む」と宣言し、娘は安堵の表情で服を脱ぎ始めた。
以上がこの台詞の真意及び完全な流れである。
つまりブラック・ジャックが発した「おまえさんのからだをわたしの思いのままにさせる気なら」という言葉は、「(治療の為に)自分の体(の一部)を私の思うままに(父へ提供)させる覚悟はあるか」という意味だったのだ。
真意をすぐに話さなかった理由は明言されていない*57が、患者が憎き復讐相手であること、その憎しみを振り切って手術を決意したことを考えれば、素直な態度には出られないだろうと想像がつくほか、わざと真意を話さず応じにくいともとれる条件を与えたことで「娘に裏切られ見捨てられる最後を迎えさせる」という形で復讐を遂行しようとした可能性もあるだろう。
しかし、上述のようにブラック・ジャックが意味深な表情でこの台詞を発していたことと脱衣や下着の描写が当時にしてはそこそこ書き込まれていたことから、臓器提供の依頼という真意を示す肝心なコマ(及び娘が安堵するコマ)をカットし、さも本当にブラック・ジャックがセクハラしようとしているかのような印象を与える改変画像が大量に出回り、大きな誤解を招いてしまった。
- 江田島平八「男なら幸せになろうなどど思うな。幸せになるのは女と子供だけでいい。男なら死ねい」
「暁!男塾」最終回における卒業式の中で江田島の語った思想。
軍隊やスパルタ教育すら生温い男塾の教育と塾生が授業に耐え切れず死亡したり上級生から殺害されたりするのも日常茶飯事な上に、それらを塾側が問題視していない事*58から、塾生を虐めたいだけのただのサディストないし女尊男卑とも取れるような思想として槍玉に挙げられたが、この台詞には
「毎日毎日を死ぬ覚悟で生き、安逸に人生を消耗させるな。いかなる困難にもめげず、死物狂いで熱く苛烈に生きるのだ。即ちそれがこの男塾の3年間で学んだ『青年よ大死を抱け』の精神である!」
という続きがある。
つまり塾長は「幸せを掴んで安心することより、困難にめげず死物狂いで苛烈に生きていく事が大切である」という願いを込めて卒業生への訓示としたのである。
尚スピンオフ作品「紅!!女塾」に於いてもほぼ同じ内容があり、こちらでも「女なら死ねい」から始まる塾生への訓示がある。
- ブロッケンJr.「おまえはニンジャで、俺はブロッケンJr.だ! そこになんの違いもありゃしねぇだろうが!」
完璧超人始祖との戦いでブロッケンJr.がザ・ニンジャに共闘を拒絶された際の台詞がネットミーム化した物で、この後ザ・ニンジャが「違うのだ!」と返すところまで一セット。
ネットミームとしては「同じ様で違う物」を比較するネタに使われがちだが、
本来はかつて共闘した相手に拒まれて「自分達が『ブロッケンJr.』と『ザ・ニンジャ』である事はかつての共闘時と何も変わらない」事を主張したブロッケンJr.がザ・ニンジャに「(あの時とは状況が)違うのだ!」と返されるというシチュエーションであり、別に彼らに自分達を比較する意図があったわけではない。
ネットミーム化の過程でシチュエーションが省かれた結果、本来の意図とは違う受け取り方をされてしまった典型例と言える。
- アーミヤ「ドクター、終わってない仕事がたくさんありますから、まだ休んじゃだめですよ。」
ソーシャルゲームアークナイツにて、ホーム画面にてメインヒロインのアーミヤを秘書にした状態で一定時間操作をしなかった場合に流れる、いわゆる放置台詞。
アーミヤが主役組織・ロドス製薬のCEOという立場であることからプレイヤー(ドクター)を休まず働かせるブラック企業の社長のように扱われるようになった最大の原因であるこの台詞だが、
他のキャラクターの同台詞を見る限り、どうやらドクターが仕事を放置して居眠りしているシチュエーションのようなので、立場を考えれば別に厳しい発言ではない。
まだ優しい部類と言ってもいいだろう。過労を労わって書類を引き継いだり毛布を持ってきてくれたりするオペレーターもそれなりにいるが
- 千利休「この利休にまっ茶ラテを作れと!」
このコマだけが一人歩きして有名かもしれないほりのぶゆき「東京お侍ランド」の「千利休 リキュバ遺文」の一コマ。
ここだけ見ると「この利休にまっ茶ラテ(のような邪道の茶を)作れと!」と憤っているように見えるし、こっちの利休はそういうニュアンスで発言しているが、
この利休はサブタイトルからわかるように、リキューバックス茶室なるものを作り、茶の道を離れカフェ道を歩み出している途上であり、カフェ道と茶道の融合を提案した秀吉の発想に驚嘆しているシーンなのである。
なお、利休は最終的には抹茶ラテからさらに推し進め抹茶フラペチーノを生み出して秀吉を感嘆させている。
- 中島「磯野ー、野球やろうぜ」
『サザエさん』の中島のセリフだが、より正確には「間違いなくその意図通り言ってるが、世間での印象とは異なる」と言ったところ。
そもそもサザエさんという作品自体がとてつもない話数を誇る上、メディア配信をほとんどしていない方針だったため、「言った」「言わない」の検証が難しいところがあるのだが、これに関しては間違いなくアニメ内で発言はしている。
ただし、「いつも磯野を野球に誘う少年」という世間一般のイメージからすると、ほとんど言っていないと断言していいレベルで言ってないセリフ。
誘うまでもなく野球をしていたり、野球ではなくサッカーに誘ったり、パターンは色々だが、「いつも『磯野ー、野球やろうぜ』と野球に誘う少年」という中島像は、ひとり歩きしたイメージに近い。
- ゴステロ「脳が痛ぇんだよ!」
TVアニメ「蒼き流星SPTレイズナー」の悪役、ゴステロの台詞。
スパロボの攻撃カットインなどでこんなセリフを吐かれた日には「殺人キチガイの狂気の発露」みたいに聞こえるかも知れない。
人間性としても原作からして「いじめと人殺しが大好き」と普通に言っているので擁護の余地自体は一切ないしマジで言いそうではある。
だが、原作本編におけるこの台詞は2回あるが2回ともギャグである。
1度目は主人公たちレジスタンスが基地に侵入してきた際、ゴステロが三枚目キャラの内通者のせいで高所から落ちるハメになった際に言っている。
2度目は軍法的な問題行動から収監された時、脱獄しようと天井の電気配線をいじろうとしてこけて頭を打った時に。
2度目は特に「脳がいてぇんだよ(小声)」くらいのニュアンスである。
なので「脳がいてぇえんだよおおおお!!!!」(この傷や体がうずくからてめえを殺すうううう!!)
みたいなことは実際言うたぐいの人間性はしているが、台詞そのものはスパロボマジックというか解釈が変化している、が正しい。
原作での台詞そのものは間を持たせるための小ネタくらいのもの。
- ラインハルト・フォン・ローエングラム「プロージット!」
本来はドイツ語で「乾杯」を意味する言葉であり、銀河英雄伝説の銀河帝国側のパーティの場などでも普通にそのままの意味で使われている祝いの言葉である。
…なのだが、「グラスを床に叩きつけて割る」ことそのものがプロージットであると勘違いしている人も見られる。
アムリッツァ星域会戦やシヴァ星域会戦の出撃時の前祝いで幹部達と共に「プロージット!」と唱和しワインを一気飲みしてグラスを床に叩きつけて割るという儀礼が行われている場面が元なのだが、作中ではラインハルトを含めて帝国の門閥貴族達はかなりの癇癪持ちで、度々不機嫌になるとワイングラスを怒りに任せて床に叩きつけている。
特にラインハルトはヤン・ウェンリーにしてやられたりすると、悔しさのあまりかなりの頻度で逆上してはグラスを叩き割ってばかりおり、この場面も強烈で印象に残りやすいためか、ニコニコ動画などではグラスが叩き割られる度に「プロージット!」とコメントが流れる始末となっている。
6部の名台詞の一つにして、どんな能力であっても本体や扱い方次第で強くも弱くもなるという本作の「スタンド」という概念を端的に表した台詞として知られるが、同時に本人が3部で発した「『世界』は最強のスタンドだ」という発言と真っ向から矛盾するとしてよくネタにされる。
しかしこの台詞の全容は「どんな者だろうと人にはそれぞれその個性にあった適材適所がある。王には王の……料理人には料理人の……それが生きるという事だ。スタンドも同様「強い」「弱い」の概念はない」というもの。すなわちこの発言は特に戦闘に限定したものではなく、むしろ戦闘能力のみでスタンドの価値を推し量ることはナンセンスという意味である。
そのため、「戦闘という用途において最強のスタンドが存在する」ということと「『あらゆる用途で全てのスタンドに勝る究極のスタンド』など存在しない」という上記の台詞の本意は本質的に矛盾しないと言える。
実際、質問を変えて「単純な喧嘩・戦闘ではどうか?(要約)」という風に聞きなおされた際にはとあるスタンド名を挙げている。DIOの性格上、ナチュラルに自分のスタンドだけは例外と考えていた可能性もあるが。
- 鯱山十蔵「負けたんスか」
TOUGHシリーズの中で特に台詞がネットミームとして有名な鯱山十蔵の台詞。
ネット上では敗北した相手を煽る台詞として用いられているが、実際は鯱山が主人公・キー坊との試合でワンパンKOされ、目が覚めた際にあっけなく敗北した事実を受け入れられずに発した台詞である。
つまり、負けているのはこの台詞を発している方ということである。
ちなみに上記の台詞の後は、鯱山のトレーナーが彼に対して何も言えないまま俯き、「そんな訳無いっス 俺が負ける訳無いっス」と困惑する鯱山という流れになっている。
▼間違って覚えられてる系
- 真田志郎「こんなこともあろうかと」
『宇宙戦艦ヤマト』に登場するチート技術者、真田志郎の代名詞…として認識されているが、実は一回も言ったことがない。
かろうじて『ヤマト2』第10で「こんなこともあろうと~」と一度言っているだけ。
その歴史は古く、少なくとも90年代前半には「真田の台詞」として浸透していたと言われている。これを踏まえて、後年のテレビCMやゲーム版の作中で採用されたこともある。
リメイク作である『2199』が参戦した『スーパーロボット大戦V』には、真田自身がこの台詞を言うシチュエーションがある。
ちなみに、「ウルトラマン」の登場人物であるイデ隊員も同じようなチート発明家で実際に「こんなこともあろうかと」と作中で2回言っており、こちらとも混同されている可能性もある(作品はこちらの方が先)。
- 銭形幸一「バッカモーン!そいつがルパンだ!」
『ルパン三世 カリオストロの城』において、銭形に変装したルパンが衛士隊長のグスタフに放ったセリフ(「今ここに俺が来なかったか?」→「何だと?!」に続けてこう言った)。
本物の銭形が去った後に登場してこう話すことで、あたかも先程の銭形がルパンであるかのように思わせ、警備が混乱するよう仕向けたものである。
第三者に「今、ここに〇〇をした奴がいなかったか?/〇〇と言った奴がいなかったか?」などと尋ね、続けて「そいつがルパンだ!」と叫ぶネタとして親しまれている。
しかし、正確な文面は「バカヤロー!そいつがルパンだ!」であり、本物の銭形も「バッカモーン!」などと若干古臭い言い方はしない。
『サザエさん』における磯野波平や、同じく警官キャラである『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の大原大次郎の口癖「バッカモーン!」と混同されたのかもしれない。
また原作未見だとどちらの銭形が本物なのかわからない事から、「本物の銭形が自分に変装したルパンを追跡している時の台詞」と勘違いされて使われている事も多く、ある意味「他人の台詞が別人のものとされた系」とも言えなくもない。ちなみにこの後は本物の銭形にルパンへのヘイトを押し付けるために「でっかい図体して変装も見破れんのか!穀潰し!」と笑顔で言うシーンが続く。ひでぇ。
- 銭形幸一「奴は大変なものを盗んでいきました」
『ルパン三世 カリオストロの城』のラストにおける、銭形のとっつぁんの名台詞。
[[正確な文言は「大変なもの」ではなく「とんでもないもの」である。>奴はとんでもないものを盗んでいきました]]
東方Projectの楽曲「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」の題名がこの台詞のパロディなので、ネット上でネタにされる内に混同されていったものと思われる。
- ポルコ・ロッソ「飛べねぇ豚はただの豚だ」
『紅の豚』の名台詞だが、間違って覚えている人が多い。
正しくは「飛ばねぇ豚はただの豚だ」であり、非常に微妙な違いだが、意味合いに大きな差がある。
要するに、「そもそも実行可能か不可能か」ではなく「出来るのにやるかやらないか」である。
劇中の話の流れからしても、「いつ命を落とすかわからない危険な飛空挺乗りなんてやめてくれ」と懇願するジーナに、
「飛ぶことができるのに地面を這い回っているような豚にはなりたくない」というポルコの意地を表したセリフなので、やはり「飛べねぇ」だといささか不自然である。
なお、こちらは意味的には本来のセリフと大きく違わないが、「飛ばない豚はただの豚だ」というパターンで覚えている人もいる。
- ハイジ「クララが立った!」
『アルプスの少女ハイジ』の名台詞だが、こちらも前述のポルコと似た理由で間違って覚えている人が多い。
正しくは「クララが立ってる!」であり、こちらも非常に微妙な違いだが、意味合いに大きな差がある。
そもそも、この台詞が出る以前にもクララは立ったことがある。
加えて、このクララが立つシーンが本篇の最終回のシーンだと間違えられていることが多い。
- モロの君「黙れ小僧!お前にサンが救えるか!」
『もののけ姫』のモロの君の名台詞であり、美輪明宏氏の怪演もあってインパクトは極めて強いが、細かい部分までは覚えていない人が多い。
正確には「お前にサンを救えるか」である。また、「貴様にサンが救えるか」と覚えている人も多い。
加えて、この2つのセリフをセットであるかのように覚えている人もまた多いが、実際は「黙れ小僧!お前にあの娘の不幸が癒せるのか?」と続けており、その後にサンの出自に関するセリフが入っている。
このセリフは作中でほぼ唯一「なぜサンは山犬として暮らしているのか?」に関する説明となる重要なシーンなのだが、前後に比べて感情を抑えた語り口になっており、加えてBGMと重なっているため印象に残りづらいためか、パロディなどでも省略されやすい。
似たような事例として『遊戯王5D's』第141話のアポリアの台詞「少年、これが絶望だ」が「少年よ、これが絶望だ」と間違って覚えられてしまった事例がある。
- カービー将軍の部下「いったい何が始まるんです?」
『コマンドー』において、カービー将軍が放つ台詞「第三次大戦だ」の前振りとされる台詞。
実際は「何が始まるんです?」であり「いったい」は言ってない。
『コマンドー』にはシンディが放った「一体何があったのか教えてちょうだい!」という台詞がありその台詞も影響しているのかも知れない。
- ブライト・ノア「左舷、弾幕薄いよ!何やってんの!」
宇宙世紀のガンダムシリーズの多くで艦長を務めるブライトの象徴的な台詞であるが、同じニュアンスの発言はあるものの、この台詞自体を発したことはない。
映像作品での最も近い台詞は、『機動戦士Ζガンダム』第38話における「左舷砲撃手、弾幕薄いぞ!何やってる!」である。
このように似た台詞が複数存在するので、それらをまとめたものをブライト艦長の象徴として扱ったのかもしれない。
ゲーム作品も含めれば、『第3次スーパーロボット大戦』における「中破」時の「左舷、弾幕薄いぞ!何やってんの!」が極めて近い。
今作は各パイロットの被ダメージ時の台詞が「小破」「中破」「大破」「撃墜」の4種類しかなく*59、
ブライトの乗機のHPと敵ユニットの攻撃力の都合上「中破」レベルの攻撃を貰うことが非常に多いことから*60、
戦闘時にこの台詞を聞く機会が多く、印象に残りやすかったと思われる。
- ウッソ・エヴィン「これ……母さんです……」
『機動戦士Vガンダム』の主人公ウッソの台詞だが、正しくは「よく、分かりません。……母さんです……」。
文字に起こすと「母さんです」だけでは状況が分かりにくいためか、自然と「これ」が足された模様。
また、ことぶきつかさ先生のパロディ漫画『いけ!いけ!ぼくらのVガンダム!!』ではこの台詞を言っているため、そちらから混ざった可能性も指摘されている。
まぁ普通に考えればこの状況で「母さん」を「これ」呼びはあまりにもあんまりではあるが*61…。
- マフティー・ナビーユ・エリン「人の犯した過ちは、マフティーが粛清する!」
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイの主人公ハサウェイ・ノアマフティー・ナビーユ・エリンが、
官僚を粛清するテロを行う際に言う台詞.....なのはゲーム作品(における戦闘台詞)の場合で、原作では戦闘時にはこの台詞は言っていない。
ではどこで言ったのかというと、ケネス・スレッグ率いるキルケー部隊に敗北し、処刑される直前に言った、所謂遺言である。
内容自体も、『マフティーとして言いたいことは言った。いつかは、人類の健やかな精神が、この地球を守ると信じている。それまでは、人の犯した過ちは、今後ともマフティーが、粛清しつづける。』といったものであり、
犯行声明というよりも未来へ希望を託す言葉であるのが特徴。
この様に、正確さよりもわかりやすさや語呂の良さを優先して改変された(あるいは誤って引用された)台詞は結構多く、他作品の例では、
『機動戦士ガンダム』の「足なんて飾りです」(正しくは「あんなの飾りです」)
『火垂るの墓』の「それドロップちゃう。おはじきや」(正しくは「これおはじきやろ。ドロップちゃうやんか)
『遊戯王デュエルモンスターズ』の「もうやめて!〇〇のライフは0よ!」(正しくは、「もうやめて、遊戯!」→「離せ!」→「とっくに羽蛾のライフは0よ!」と2つに分かれている)
等が有名。
なお、細かい話だが、漫画版のウッソのセリフ「きさまは電子レンジにいれられたダイナマイトだ」「メガ粒子の閉鎖空間のなかで分解されるがいい」の語尾に『!』は付かない。
もっとも、こちらは場の雰囲気的に付いててもおかしくはなさそうではある。
- ギム・ギンガナム「絶好調である!!」
∀ガンダムに登場する月の御大将ことギム・ギンガナムの台詞としてそこそこ有名なのだが、実際には「月光蝶である!!」という台詞の空耳である。
スモー部隊に拘束されハリー・オードからトドメを刺されるという場面で、スモーのエネルギーを吸収しターンXを本調子に戻せた事で月光蝶を初使用し、拘束から逃れる瞬間に放たれた言葉であるため、意図としてはあながち間違っていない。
また当シーンはコーラスの入ったBGMと各種SEが入り乱れる中で放たれた発言なため、微妙に聞き取りづらいというのも原因だった。
当初は空耳でしか無かったが、『スーパーロボット大戦α外伝』にて本台詞についてネタに取り上げられて以降、
複数のゲームにおいて「月光蝶である!!」と「絶好調である!!」がわざわざ別収録されていたりする。
『SEED FREEDOM』ではCVが子安武人のハロが催眠ガスを噴射しながら「絶好調ーー!!」と叫ぶというパロディネタも描かれている。
- ルドル・フォン・シュトロハイム「だがナチスの医学薬学は世界一ィィィィーーーーッ!」
アニメで「ナチス」が「我がドイツ」に改変されたと勘違いされる事が多いが、実際には原作の時点で「我がドイツ」である。
他の「世界一ィィィィーーーーッ!」では全て「ナチス」なので、おそらくそれらと混同されたのだろう。
- 徳川の侍「また天膳殿が死んでおられるぞ」
『バジリスク~甲賀忍法帖~』において、甲賀弦之介に首を落とされた薬師寺天膳に対して言ったとされる台詞。
実際は漫画が「天膳殿が死んでおるぞ」でありアニメ版が「天膳殿が!また死んでおるぞ!」である。
「~殿」という敬称のイメージにより「死んでおられるぞ」という敬語表現が多用されやすい。
- ボンドルド「ナナチはかわいいですね」
ボンドルドがナナチを愛でるときに使うとされる言葉だが、劇中では一度も言っていない。
正しいセリフは「ナナチ、相変わらず研究も手伝わずお絵かきですか、君はかわいいですね」と若干皮肉交じり。
彼がナナチを猫可愛がりしているのと、実際問題としてナナチが可愛いことは確かなので、わかりやすさや語呂の良さを優先されたのだろう。
- ゾフィー「安心しろ、ゼットンは私が倒した」
ゾフィー隊長の主演映画『ウルトラマンZOFFY』における有名な台詞で、所謂「ゾフィーの捏造ネタシリーズ」の発端とも言える。
『ウルトラマン』39話を取り上げたシーンで、事態収束後、確かに初代マンに言っているのだが、
正確には「安心しろ、ゼットンは倒した」……そう、「私が」とは言っていないのである。
かの映画ではゼットンを倒すシーンが省かれているため真相は不明だが、「科特隊が倒し(てくれ)た」、もしくは「ゾフィーも協力して倒した」という風に捉えられなくもない。
もっとも、実際に映画を観ると文脈的には「ゾフィーが単独で倒した」と考えた方が自然ではある。
仮に「私が」と発言していたとしてもこの映画内に限っては捏造ではなく本当に倒している可能性が高い。
オリジナルの39話も、準備稿段階ではゾフィーがゼットンを倒しているので、その展開をなぞったとも言える。
余談だが、漫画『ウルトラマンSTORY 0』ではゾフィーがM87光線一発で多数のゼットンを倒している。
また、ゲーム『ウルトラマン Fighting Evolution 3』のウルトラモードは、
基本的に「原作再現を行うと評価が上がる(A~Sランク)、しかし行き過ぎた捏造をすると評価が大幅に上がる(大抵強制Sランク)」仕様だが、
「さらばウルトラマン」のパートに関しては、原作通り科特隊がゼットンを倒すとBランク以下にしかならず、ゾフィーで倒すとAランク(更に条件を満たせばSランク)評価になる。
つまり、少なくとも本ゲームにおいてはゾフィーがゼットンを倒したのが正史である。
円谷プロ側も捏造ネタは承知しているらしく、エイプリルフールで自らネタにすることもあるが、最近のゾフィーは、
「ネタを挟む余地なくカッコいい(『メビウス』最終話など)」
「捏造ネタを踏まえたうえでカッコよく戦う(『ウルトラファイトオーブ』ゾフィー対バードンなど)」
といった立ち位置が定着しつつある。
- 陸軍参謀「陸軍としては海軍の提案に賛成である」
初代「提督の決断」におけるセリフで、会議で陸軍が海軍の提案に賛成して認めるときに使われる。
しかし、本来は「陸軍としては海軍の提案に賛成する」である。
陸軍が反対し却下するときは「陸軍としては海軍の提案に反対である」と発言し、そちらのセリフが印象に残りやすかったためそれと混同されたのだろう。
- アライさん「やめるのだフェネック」
けものフレンズネタその2。「君は○○のフレンズなんだね!」同様本編には登場しないのだが、大きな問題点はそこではない。
主に博識なアライさんがフェネックの危険な発言を止める際に使う表現で、某SNSにて労働災害や航空事故などに絡めた「やめるのだフェネックで学ぶ○○シリーズ」が流行した。
しかしこのキャラ付けは本編とは完全に逆で、アニメの作中で何かをやらかすのは専らアライさんの方であり、フェネックはむしろその様を止める側ないし呆れる側で、
フェネックの「アライさんまたやってしまったねぇ」という台詞はそれを体現しているものと言っていい*62。
ではこのセリフはなんだったのかというと、元々はアライさんにセクハラするフェネックを制止する二次創作ネタの産物である。あとは色々と察してほしい。
某SNSでの使われ方は軽い原作レイプであり、元になった二次創作自体も「フェネックがアライさんの嫌がることをする」という、
アニメ版では考えづらい行動(アプリ版などではやや怪しい)をとっていることから、いずれにしても叩かれがちなフレーズである。
余談だが、これに似た台詞で「ダメなのだ」という単体の嘆きは本編中に存在する。
- 武部沙織「やだもー!」
ガールズ&パンツァー放映当初から彼女の性格や言動を象徴する台詞としてファン界隈では扱われ、
時には名前を出さなくてもこの台詞だけで「沙織の事を言っている」とみんなが理解できる程に代表的なフレーズである。
しかし、実は映像作品内で沙織は1度も「やだもー!」と言っていない*63。
この事実を有志が沙織の発言する全シーンを検証した結果確認するまで誰も気付いていなかったレベルで「沙織の代名詞」という共通認識ができていたわけだが、
それだけにどこで最初に勘違いされて広まったのかは不明。有志も有志でよく検証したものである
このように本編では言っていないものの、ゲーム「World of Tanks」とガルパンのコラボで配信された沙織のボイスパッチに「やだもー」が採用されるなど、半ば公式化している。
これに関連して、沙織役の茅野愛衣氏がとあるインタビューで「沙織の台詞で一番好きなのは?」という質問に対して「やだもー」を挙げているが、
上述のゲームや小説版などでは言っているため、茅野氏は派生作品も含む沙織の全台詞の中から「やだもー」を挙げただけである。
このインタビューを基に「担当声優まで勘違いしていた」と誤解している人もいるが、実際には茅野氏はこの後、
「(アニメ本編では)本当は言ってないんですけど、凄く言ってそうな台詞ですよね」と続けていることから、「アニメでは言っていない」と記憶していたことが分かる。
『遊戯王GX』にて、本来ランダムに「正位置」「逆位置」のどちらかに決まるはずの効果を自らの「運命力」で操作する斎王琢磨の台詞。
本来はランダムで決まる効果のはずのものを「当然」と言い切ってしまうシュールさがネタにされている。
追い詰められた後のテンションも顔芸もMAXになった姿が印象的すぎてそちらの状態で言ったものと混同されやすいが、
この台詞はまだキレる前に発したものであり、「当然正位置だ」とドヤ顔で言うのが正しい。
キレた後には「正位置ィ!」と絶叫しているが「当然」は付いておらず、キレる前後の2種類の言い回しが混ざってしまった形である。
ただしタッグフォースのデッキ名やデュエルリンクスのスキル名等では一応使用されているので完全非公式というわけでもない。
- プラシド「これが俺の真の姿!ライディングデュエルの究極形態だ!!」
「遊戯王5D's」のキャラ、プラシドがライディングデュエル中に発言していない台詞。
実際のシーン(第108話)では「見るがいい!これがD・ホイールの最終進化形態だ!」と発言している。
「これが俺の真の姿~」という台詞は第107話で「俺の本当の力を見せてやる!」という台詞の直後にDホイールと合体するシーンが有名になり、AAが制作された時に何故か付けられたものである。
- 女部田郁子「やっほー☆ SS一番隊隊長、郁子ちゃんだよ~!」
『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?』において女部田郁子が発したセリフを編集したもの。
正しくは「やっほー! SS一番隊隊長、特別尖兵の郁子ちゃんだよー!」
同作のOPソングMAD群でテンプレになっているセリフなのだが、尺の都合か見出しのように省略された形態で普及している。
なまじ音声がある分、既プレイの人でもこの形態で言われたセリフだと勘違いしやすい。
ポプテピピックの最終話と14話で登場した蒼井翔太(CVも当然蒼井)が歴史改編の能力を使用する際、登場時の台詞とされているもの。
最終話Aパートで実際にはこのようなセリフはなく、エンディングでタイムリープ中にポプ子に「あんた誰?」と聞かれた際に「蒼井翔太です!」*64と自己紹介していただけに過ぎない。
- 氷河(聖闘士星矢)「我が師の師は我が師も同然」
アニメ版において、水瓶座のカミュと戦う際に発言したとされる台詞。
実際は「あなたは水晶聖闘士の師、つまり俺の師も同然の方です!」である。意味は全く同じなんだが
有名になってしまったためか、『聖闘士星矢Ω』では「友の師は我が師も同然っていうしなあ」とネタにした台詞も存在する。
ちなみに、このシーンはややこしい経緯を経て生まれたのだが、そちらは氷河の項目を参照。
- ソロモン(メギド72)「ブネ、頼めるか」
主人公であるソロモンがブネに頼っている時の台詞として長らくファンの間で親しまれて来た台詞。
ブネは初期メンバーの中でも一際目立つ筋骨隆々とした半裸の大男のメギド*65であり、
メインメンバーの中でも追放メギドとして長く傭兵をしていた豊富な経験値、ぶっきらぼうながらも落ち着いた性格の頼れる兄貴分。
ソロモンもそんなブネを頼りにするシーンが多かったためそういった時に出る台詞……とされていたが
生放送において公式が調査した結果、実は一度も言ってなかったことが判明した。
「ブネ、頼む!」「頼むぞ、ブネ!」と彼を頼りにしている台詞そのものはよく言っているため、この辺りが何故か伺いを立てるような台詞と間違えて覚えられたのだと思われる。
この生放送により集団幻覚ネットミームだった事に気づいていなかった多くのソロモン王が衝撃を受けたという。
なお「じゃあフォラス…頼めるか?」は存在する。
- アクア(ファイアーエムブレムif)「こっちも片付いたわ」
いかにも儚げな見た目と雰囲気のヒロイン、アクアが槍一つで敵集団を蹴散らし、主人公たちに合流後に言ったセリフとされる。
前述したような見た目から飛び出てくるたくましい台詞群や、提案してくる策が割と脳筋だったりすること、
初期職「歌姫」なのに力の成長率が自軍トップクラスだったりすることなどから、一部ユーザーからアクアは「アクアネキ」とあだ名されている。
…が、実際の台詞は「私のほうも、何とか片付いたわ」であり、何とか切り抜けられたものの、かなり厳しい戦闘を強いられたことがうかがえる。
とはいえ、「手練れの忍集団を儚げな美少女が単独で殲滅する」という、字面だけでも凄まじいインパクトがある展開であることを考えると、
厳しい戦闘を潜り抜けたことがうかがえる本来の台詞を、さも平然と無双したかのような台詞で間違えて覚えてしまうのも致し方ないのかもしれない。
なお、台詞はともかく公式でもその脳筋っぷりはネタにされており、あろうことか性格がクロムに似てるとまで言われてしまった。
- 源静香「いくらばかでも喜ばせといてがっかりさせるのは可哀想よ」
ネットでしずかちゃんの畜生発言として上げられる台詞。
出典は「ハリ千本ノマス」(てんとう虫コミックス10巻収録)で、正確には「いくら四月ばかでもよろこばせといてがっかりさせるのはかわいそうよ」。
要はエイプリルフールでのび太をからかったジャイアンとスネ夫をたしなめた台詞である。
まぁ、その後に
「それより、びっくりさせといてあとでほっとさせるほうが親切だわ」
「あたし、親切なうそついてあげよう」
と言って結局は自分も騙そうとするうえに、その「親切なうそ」の内容も「あんたの家が火事よ」とかなり物騒なものなので、彼女も大概である。やっぱり畜生じゃないか
- モンキー・D・ルフィ「〇〇、船から降りろ」
主に麦わらの一味を始めとするONE PIECEキャラの失態や不用意な言動に対しネタ交じりに使われることが多い、「言ったことは言ったが、意味が違う系」にも該当する台詞。
出典は「ウォーターセブン編」にて、ルフィが老朽化により修繕不可能と通告されたゴーイングメリー号を乗り換えることを宣言し、それに反対するウソップと掴み合いの大喧嘩になったシーン。本当はメリー号と別れたくないという本心を押し殺し、精神的に激しく追い詰められていたルフィの苛立ちが頂点に達した事で発した「そんなにおれのやり方が気に入らねェんなら 今すぐこの船から…」という部分。
この直後にサンジに蹴飛ばされ「てめェ何言おうとしたんだ!!!」と諫められ、ルフィは冷静さを取り戻して失言を詫びる。
だが、一味の足を引っ張り続けてしまう自分自身とメリー号を重ねてしまったウソップは内心で抱えていた劣等感を爆発させ、仲間達への失望と罪悪感から結局船を降りてしまう。
文脈からして「カッとなって『船から降りろ』と言おうとした」のは明らかである。だが、このネタは「言ってはいけないことなので遮られた」という作中の意図に反した表現であるとも言えるし、確かに言おうとはしたのだから間違ってはいないとも言える微妙な所である。
念のため述べておくが、本編でルフィがつまらない理由で仲間に下船を命じることは一切ない。
ネット上では特にウソップに対してこの台詞が引き合いにされる傾向にあるが、上記の経緯に加え2chのSSやコラ画像が主な要因だと推測される。
ところが、エッグヘッド編においてこのセリフが意外な形で登場する。
政府管轄の島に漂着した麦わらの一味がDr.ベガパンクの案内で連れて行かれた際、船番をしていたゾロが同乗していたカリブーに対して「ありがとう 降りろ」と発言している。
カリブーはルフィの厚意によってサニー号に乗せてもらっていたこと、また前述の通りルフィが下手に言ってはいけない台詞なだけに、実質的な副船長のゾロにこれを言わせたのだろう。
- リゾット・ネエロ「ひとりでは・・・レなねえっ」
リゾットが殺されそうな時に放った誤植とされているが、実際には「ひとりでは・・・死なねえっ」と正しい表記になっている。
実際にこの誤植が起こっているのはその前の「レなな・・・」という台詞であり、単純に混同されている。
- ゴルゴ13「俺の後ろに立つな」
「ゴルゴ13の背後に立つと反射的に殴り飛ばされる」ことは有名であり、そうした彼の特徴を端的に表したセリフ。
作者であるさいとう・たかをの自叙伝のタイトルに用いられたり、セリフ入りTシャツが発売されたりと、公式にも認知されている。
ところが意外にも、本編にて上記そのままの形で発した事はただの一度もない。
但し、「俺の後ろに音もたてずに立つようなまねをするな」「俺の背後に立つな」等、似たようなセリフは言っている。
ちなみにTVアニメ版の次回予告は「ヤツの後ろに立つな!命が惜しければ!」で毎回締めくくられていた。
- ブラック・ジャック「その言葉が聞きたかった」
第89話「おばあちゃん」のラストシーンの台詞。
本編未読でもこのシーンは知っているという人がいるほどに知名度が高い名場面だが、正しい台詞は当該項目の通り「それを聞きたかった」である。また「それが聞きたかった」でもない。
意味合いとしてはあまり変わらないのだが、短い台詞なのに意外と正確に覚えられていないものである。
- アンブレラ社の飼育員「かゆ うま」
初代バイオハザードで手に入る、飼育員の日記の最後に記された言葉。
飼育員がT-ウイルスに感染し、日に日にゾンビへと変貌していく様子が綴られた凄惨な日記であり、最後の言葉は「体がかゆい」「人肉がうまい」を意味すると思われる。
実際に最後に記されているのは「かゆい うま」で、微妙に違う。
初代バイオハザードは移植やリメイクなども含めて数種類のバージョンがあるが、いずれも「かゆい うま」で共通。
ファンがこのネタを話題にする際、「かゆ うま」と略して呼称していたのが広まったのだと思われる。
- 外星人第0号メフィラス「私の嫌いな言葉です」
「私の好きな言葉です」の方は作中でちゃんと山本さんのメフィラスがそりゃ構文化するわ、レベルで言っているためたまに誤解されているが、作中で「好きじゃない」言い回しや概念をこう言っているシーンはない。
そういう言い回しに触れた時は一貫して「私の苦手な言葉です」と評している。
- ボクシングの実況「熊虎選手がタイガーMを!」
『チャージマン研!』の第63話、『殺人ボクサーを倒せ!』で行われたボクシングの実況におけるセリフ。
殺人ボクサーと恐れられるタイガー・M・マッタクツヨシ(実はジュラル星人)に挑戦した熊虎次郎選手が一方的に殴られた挙句、リング上で死亡してしまうという最悪の事態が発生。
観客からも野次が飛び交う中、実況者が「恐ろしいことがこのリング上で起こりました! 熊虎選手がタイガーMを!」と真逆のことを言ってしまったことで、「混乱してる」「逆を言ってる」「ちゃんと実況できてない」と視聴者から総ツッコミが入り、脚本自体が間違っているとも指摘された。
しかし、実際には「熊虎選手がタイガーM『の』」と発言しており、絵コンテにも「タイガーMの」とはっきり記されている*66。
該当シーンでは観客の野次も混じっていて実況が聞こえ辛いため、「の」を「を」と聞き間違えた可能性が大きいが、何度も聞けば「の」であることはわかる。
低予算アニメゆえか、「チャージマン研!」にはセリフの構成がおかしい回(第1話から既に顕著)が多く、ファンもちょくちょくネタにしている。そうした要素が独り歩きしたのに加え、悪ノリした視聴者が、本来正しいはずのセリフまでも(聞こえ辛いのは確かだが)ギャグ的に解釈してしまったというのが真相であろう。
このように聞き間違いがネタにされた別の例として、第43話の「こいつ頭がお詳しいぜ」をご覧ください。随分と似ているでしょう?
- 金田一一「ポケットから出ているそのニンジンは何だ!」
ゲーム「悲しみの復讐鬼」にて登場するとされる、ファンの間では語り草な金田一の台詞。
本ゲームの「阿佐桐卓也」のシナリオにて、食堂にて偽装工作を行おうとする犯人の阿佐桐卓也*67が金田一と鉢合わせ、言い逃れをした際になぜか胸ポケットに入っていたニンジンを見て放たれた迷台詞だが、実際は「胸に刺さってるニンジンは何なんだ・・・?」と発言しており、大意はほぼ同じだが微妙に違う。
上記のシーンは「ニンジンEND」と呼ばれ本ゲーム屈指の迷シーンであること、「ポケットから出ているその髪の毛は何だ!」などの似た台詞が登場することもあり勘違いされていったものと思われる。
ちなみにニンジンを描いたのは彩色担当の方で「ニンジン足しといてと言われたので描いて挿した」とのことでゲーム業界に入っての初仕事だったらしい。
- イデ隊員「『偽善者』or『為政者』はいつもこうだ。文句だけは美しいけれど……」
特撮ドラマ「ウルトラマン」の第23話・『故郷は地球』のラストシーンでイデ隊員が呟いた台詞。
宇宙開発競争の事故により怪獣となってしまった宇宙飛行士のジャミラを政治的な理由で抹殺し、密かに建てられた墓碑にも「人類の夢と科学の発展のために死んだ戦士」と綺麗事で美化するという人間のエゴに対して静かな怒りを燻ぶらせるイデ隊員の名台詞としてよく知られる。
この項目に多く見られる「読者・視聴者間の勘違いや思い込み」「公式とは無関係な二次・三次創作との混同」ではなく、
発音が聞き取り辛いせいで「偽善者」とも「犠牲者」とも「為政者」とも聞こえる(そしてその何れでも意味が通る)ため長らくファン間でも論議の対象だったもので、
便宜上この位置ではあるが他の「間違って覚えられていた台詞」延いては「言っていない台詞」とは少々異質。
後に脚本を担当した佐々木守の自伝「戦後ヒーローの肖像―『鐘の鳴る丘』から『ウルトラマン』へ―」という本において、このラストシーンの脚本の内容が明かされており、該当箇所は「犠牲者はいつもこうだ。言葉だけは美しいけれど……」となっている他、23話の監督を務めた実相寺昭雄が使用した現存する台本には手書きで同じく「犠牲者」と追記されているため、正しくは「犠牲者」で確定した。
- 赤名リカ「カンチ、セックスしよ」
1991年に放送されたドラマ「東京ラブストーリー」の代表的な台詞。
第3話のラストで赤名リカ(演・鈴木保奈美)から永尾完治(演・織田裕二)に向けて発せられたものだが、正しくは「ねえ...セックスしよう」である。
しかし2020年のリメイク版では「カンチ、セックスしよっか」となっており、むしろ勘違いされている方に近づいている。
- モヒカン「ヒャッハー!!」
漫画『北斗の拳』の代表的なザコキャラであるモヒカン達の雄叫びとして知られるもの。
荒廃した世紀末世界でこのテンションMAXな歓喜の雄叫びと共に弱者に襲い掛かっては略奪を行い、通りすがったケンシロウに倒されるのがお決まりとなっている。
「ヒャッハー! 水だー!」や「ヒャッハー! 汚物は消毒だ~!!」といった風に後ろに付け加えたりされるが、実はこの「ヒャッハー」は原作のモヒカンは誰一人として口にしていない。
前者の正確な台詞は「ヒャッホー! 水だー!」や「ヒャッハッハッ! 水だー!」といったもの。
後者に至っては前置き抜きでそのまま言っている。
パチスロなどの演出でモヒカン達は「ヒャッハー」と叫ぶのでそれで誤解されたのだと思われる。
この件はスピンオフ作品『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』の単行本おまけ頁でも触れられており、
実は言っていない事を指摘された作中のモヒカン達は「俺らに言われても困る」「言葉は生き物だからなぁ」と返している。
- ジョセフ・オダ「すみません、別に見えないってわけじゃないんです。なぜか落ち着くんです。」
2014年発売のサバイバルホラーゲーム『サイコブレイク』より。主人公セバスチャンの相棒刑事の台詞で、普段からかけている眼鏡について言及したもの。
巨大な犬の化け物に襲われた拍子に眼鏡が吹っ飛んでしまい、なんとか撃退した直後に「眼鏡をなくした」と自己申告され、セバスチャンは再び化け物がうろつく広場へ眼鏡を探しに行く羽目に。
そして無事に回収して渡した際に上記の発言を返すのだが、その結果「裸眼でも視力に問題はないのに、落ち着かないからと危険な場所へ取りに行かせた」などと、プレイヤーから鬼畜眼鏡扱いされた。
だが実際には「別に見えないってだけじゃないんです」と話しており、視力が悪いことを肯定した上で別の理由の説明へと続いている。
否定形で使われる「別に」を文頭に置き、「落ち着く」という視力以外の理由を強調するように台詞が終わるため、中間の「見えない」を否定していると勘違いされてしまったのだろう。
- フースーヤ「今じゃ!パワーをメテオに」
『FF4』において、ゴルベーザが終盤で放つ迷言「いいですとも!」の前振りとされる台詞。
実際は「今じゃ!」ではなく「もうひといきじゃ」である。
「今じゃ!」の方が語感が良いためか、こちらの方が多用されやすい。
このセリフはディシディアファイナルファンタジーやファイナルファンタジーXIVなどでもセルフパロディされているが、「今じゃ」という言い回しで出てきた事はやはり一度もない。
DFFでは「パワーをメテオに!」「いいですとも!」
FF14では極王モグル・モグXII世のパクリでは「もうひといきクポ!パワーをメテオに!」「いいですともクポ!」
後に登場したゴルベーザ本人は一人で「パワーをメテオに!」のみで、「いいですとも」の返しは無く一人でメテオを撃つ。
似たような勘違いだと、次回作のラスボス戦に出てくるテキストを「うちゅうの ほうそくが みだれる!」と書いてしまう人がいるのも鉄板である(実際は漢字表記)。
- 本部「撤退は許可できない」
『地球防衛軍3』において、退却しようとするEDF隊員に対して言い放った本部の罠を象徴する迷言。
実は実際に言った台詞は「退却は許可できない」である。
プレイヤーの間では「撤退」の方で定着している。
後に4のPVにて公式化した。
- 立花瀧「俺達…」宮永三葉「私達…」2人「「入れ替わってる~!?」」
映画『君の名は。』を象徴する名シーンで、RADWIMPSの『前前前世』とともによくパロディに使われるがセリフや順番が微妙に違う。正しくは
三葉「私、夢の中であの男の子と…」
瀧「俺は、夢の中であの女と…」*68
2人「「入れ替わってる~!?」」
また、パロディでは入れ替わった事をわかりやすくするため発言者が逆に書かれる事もあるが、本来は上記の通り夢から醒めた後の発言なのでこれも間違いである。
- 餃子「さよなら天さん」
ドラゴンボールのサイヤ人編における重要シーンで飛び出した有名なセリフであり、餃子のセリフとしても高い知名度を誇るが。
原作である漫画の彼の吹き出し内のセリフは正しくは「さようなら天さん」である。
「さよなら」と言っているのはアニメ版のもの。(発音は微妙だが、サブタイトルのテロップが「さよなら天さん!餃子捨て身の戦法」となっている。)
公式商品やゲームすらも「さよなら」の方で記載していることが多く、広範に広まっている誤表記である。
- 大崎ナナ「へぇ、あんたもナナっていうんだ」
『NANA』の主人公の一人・大崎ナナがもう一人の主人公・小松奈々に言ったとされる台詞。
使い勝手が良いためかネットでは半ばスラング化しており、何らかの作品で同名キャラが2人登場するシーンがあると「へぇ、あんたも◯◯っていうんだ」というコメントがちらほら見られる。
しかし実際には原作・アニメ・実写映画いずれにもそのような台詞はなく、似た台詞として主語が逆の「あたしもナナってゆーんだ」という台詞があるため、ここから勘違いで広まっていったものと推測される。
- クラピカ「答えは沈黙」
『HUNTER×HUNTER』第3話でハンター試験会場に向かうゴン達の前に現れた老婆が出題した「息子と娘、どちらか一人しか助けられない場合どちらを助けるか?」という答えようのない二択クイズの出題意図に気付いたクラピカの台詞……と誤解されがち。
実際には「沈黙!!」「それが正しい答えなんだ」であり、以前にも以降にも「答えは沈黙」という言い回しは用いられていない。
よくある台詞やそれが発せられた状況を要約したものが実際の台詞と混同されたパターンの一つ。
- クロトワ「腐ってやがる……遅すぎたんだ」
『風の谷のナウシカ』の終盤、クロトワが復活した巨神兵を見て言った台詞。
ドロドロに溶けて腐敗した巨神兵の姿も相まって、一見何も間違ってないように思われるが、実際は「腐ってやがる……早すぎたんだ」と言っているのが正しい。
そもそも巨神兵が腐っていたのは、不完全な状態のまま無理矢理起動させられたため。
普通は時間が経つほど「腐る」のが当たり前なので誤解されることも多く、ネタとして使われる場合も「早すぎた」「遅すぎた」のどちらだったのか思い出せず「遅すぎた」が誤用されたりする。
▼おまけ1:言ってないとされていたが本当は言っていた系
- 西部丸馬「ワイのワイルドワイバーンや!!」
このセリフは『爆球連発!!スーパービーダマン』の劇中では一度も言われていない。正しいセリフは「目覚めろ、ワイの守護神! ワイルドワイバーン!!」である。
持ち主であるガンマの一人称が「ワイ」であり、ワイルドワイバーンには「ワイ」が2つも入っていたことからコロコロ巻末の読者投稿コーナーでいじられたのが由来。
セリフ部分を改変したコラ画像が出回っていることも勘違いに拍車をかけている。
かなり後になって、ワイルドワイバーンの二代後のモデルであるスプレッドワイバーンを破壊された際に
「よくもワイのスプレッドワイバーンを!!」と言っているが、連載末期という事もあり、恐らくこの件はさほど誤認に影響を与えていないと思われる。
……と、この項目でも長きにわたって上記のように記載され続けていたこのセリフ。
確かに漫画では一切存在しないが、2020年に有志が行った調査により、なんと同作品のアニメ版にて
「タマゴのFフェニックスがパワーの怪物なら、ワイのワイルドワイバーンは連射と狙い撃ちのスペシャリストや!」
と実際に言っていた事が証明された。
原作はコロコロのホビー漫画史上屈指の名作と評されている上に、連載期間がかなり長期に渡ったことで漫画自体の知名度が非常に高く、また当該シーンが単行本発行部数の多い4巻収録だった事から中古書店で容易に入手ができ、現在は電子版も発売されているため、『原作では言っていない』という事実は非常に簡単に確認できる。
その一方、アニメ版はおはスタでの1コーナーでの放送であったため存在自体知らない人が多く、知っていてもVHSの入手がかなり難しく、当該シーンの確認が非常に困難であった為、以前から稀に指摘される事はあっても証明が出来なかった。
それ故に、この都市伝説が長期に渡って事実として定着してしまったと思われる。
なお、コラで使われたシーンと実際に発言したシーンは僅かに異なっており
原作では上記のコラに使われた「ワイの守護神~」の直後に
「Fフェニックスがパワーの怪物なら、こいつは連射と狙い撃ちのスペシャリストやで。」
というセリフがあり、先述の通りアニメ版はそのセリフが多少改変されて
Wワイバーンを示す「こいつ」の代わりにワイのワイルドワイバーンが挿入されている形になっている。
余談だが、時は流れて2016年。『ベイブレードバースト』にてガチで自分の愛機(?)を「ワイのワイルドワイバーンやッッ!!!」と紹介するキャラが現れてしまった。
一応同じタカラトミーのホビーなのでカブリはそこまで問題視されなかったのだろう。
- 鍋島香介「え!!おなじ値段でステーキを!?」
『スーパーくいしん坊』の一シーン。
ネットで広まっているのは2ページ分で、とあるレストランにて
コック「まあうちのマネをしようなんてバカな考えはよすんだなハハハハ」
香介「香介「出来らあっ!」
コック「いまなんていった?」
香介の父親「よせ香介!!」
香介「いいんだよ父ちゃん」
香介「おなじ値段でもっとうまいステーキを食わせられるっていったんだよ!!」
コック「こりゃあおもしろい小僧だぜ」
父親「いやこいつは食い物のことになるとすぐにムキになるんだよ すまんこいつにかわってあやまる!!」
コック「そうはいかないぜくいしん坊さん 大勢のお客の前でケチをつけられたんだ」
「こりゃあどうしてもうちの同じ値段で うまいステーキをつくってもらおう」
香介「え!! おなじ値段でステーキを!?」
つい先ほど「できる」と啖呵を切っておいて、実際にやってみろと言われたら今初めて言われたかのように「え!!」と驚愕している。
なのでセリフをコラしたか、前後のページを入れ替えたのではないか?と多くの人に思われていた。
(実際、ページの前後を入れ替えればそれなりに意味が通るようになる)
しかし実際に単行本を確認すると、セリフがコラされている訳でも、ページを入れ替えられた訳でもなく、確かにこの通りに載っている。
更に、これらの一つ前のページはコックが香介とその父親に向かって「この値段でこのステーキはできないだろう」と言う旨の事を言って勝ち誇っているコマであり、
この後のページは「勝負は二日後この店だ!」と勝負の具体的な宣言がされているシーンである。
つまりページがこの順序でなければ前後と繋がらないので、乱丁でページが入れ替わっている訳でもない。
なので、正しい順序で掲載されている上で、この意味の発言を香介が本当にしているというのが結論。
つまり真実は勢い余って喧嘩を売ってしまい、自らの調子こいてる発言に追い詰められたシーンということになる。
- 野比玉子「勉強が勉強して勉強になって勉強する事が勉強の勉強だから勉強なのよ! わかった!?」
『ドラえもん』に登場する野比のび太の母親・玉子の強烈かつ意味不明な説教として知られる台詞。
原作・アニメ共にこのような台詞は一度も登場しない。
……と思われていたのだが、実は、
テレビ朝日版第1期(大山版)933話「ジャイアンをだまらせろ」の序盤で本当に言っている。
なお、より正確な文言は「~よ! わかってるの!?」。
上記のスーパービーダマン同様、該当話の視聴が難しかったために、創作と見なされていたのだろう。
この台詞はアニメ版独自のもので、(この回の原作である「まあまあ棒」含め)原作マンガでは一度も言っていない。
近い原作の台詞には、『いたわりロボット』(てんとう虫コミックスプラス5巻)における、
「あんたはね、人の倍以上勉強して、やっと半人まえなんですからね。くれぐれもなまけちゃだめ」
というものがあるが、上記ほど過激な言い方ではなく小言で呟いた程度である(これはこれでのび太はしょげてしまったが)。
前述の「3人家族」の件でも似たようなことが言えるが、作中、玉子は理不尽な理由でのび太を頭ごなしに叱ったり、説教の時間が最大で2時間以上だったりと、現実で考えれば毒親同然な場面やキャラクター性が散見される。そうしたマイナスイメージゆえに(たった一回の台詞にも関わらず)、「印象的な暴言」として広まってしまったのかもしれない。
- 美墨なぎさ「ぶっちゃけありえない」
彼女の口癖として知られているが、実際の口癖は「ありえなーい!」だけであり、「ぶっちゃけ」という言葉を喋ったのもたった1回である。
オープニングの歌詞に「ぶっちゃけありえない」というフレーズがあった為、星一徹にちゃぶ台返しのイメージが定着する*69のと同じように誤解が広まったものであり、本編で「ぶっちゃけありえない」とは一度も発言したことはない......と言われていたが、「ふたりはプリキュア!」45話ではっきり発言していたことが確認された。
前述の「『ぶっちゃけありえない』の歌詞が印象的だが、実際のなぎさの口癖は『ありえなーい!』である」という話が行き過ぎた結果、「一言も発言していない」という誤解を生んでしまったものと思われる。
ただし、口癖が「ありえなーい!」のみである点は正しいことは留意。
その後、「ひろがるスカイ!プリキュア」28話のED冒頭でキュアブラックが出演した際に「プリキュア20周年とか、ぶっちゃけありえな~い!」と改めて発言することとなった。
また、2013年開催の『プリキュアオールナイト』では美墨なぎさ役の本名陽子が「400人以上の大人がここに集まってるなんて、ぶっちゃけありえなーい!」と発言している。
▼おまけ2:「実は言ってないセリフ」として作品に登場している系
※ちょっとわかりにくいが、
言ったとされる当人は別にそんなこと言ってないが、該当のセリフ自体はその作品にきちんと出てくるパターン。
- 登場人物の妄想(イメージ映像)が名台詞・決め台詞となってしまった
- 「実は言ってないセリフ」を公式あるいは登場人物が取り上げて、「その人そんなこと言ってないよ」という趣旨のやりとりを行った
- 公式あるいはそれに類する存在(攻略本とか)が、登場人物が言ってないセリフをさも言ったかのように扱った
- ある登場人物が、別の登場人物が言ってないセリフを言ったかのように扱った
これらにあてはまる場合、ここで取り上げる。
なお、攻略本やCMなどの関連メディアも公式なものであれば「その作品」としてカウントする。
- ジュラル星人「これから毎日家を焼こうぜ?」
チャージマン研!第25話『雄一少年を救え!』におけるジュラル星人のセリフ。
ジュラル星人と別れた後に雄一少年の脳裏によぎったセリフ。
凶悪犯罪*70を軽いノリで提案するギャップから、本作を代表する迷言として扱われるセリフだが、実際にジュラル星人が発言したものではない。
実際の雄一少年に対する発言は「ハハッばらしゃしねえよ」「その代わり毎日ドゥンドゥンやろうじゃねえか!手を貸すぜ」「文句ねえだろォ、言う通りにしないと警察にばらすぞ?」などであり、放火を教唆・強要はしているもののこのセリフは言ってない。
多分「画面に映ってない所で発言していた」「脳内で発言を要約した」といった説が考えられます、だがその他、一切のことは分かりません!
- 宮薙流々「うほほい」
破壊神マグちゃんの主人公である宮薙流々を代表する台詞…なのだが、実は本編で「うほほい」という単語が出たのは第5話の1回こっきり。しかも本人が実際に発したのではなくナプタークのイメージ映像という形である。
宮薙流々の邪神ともすぐに打ち解けたり距離を縮められるよく言えば天真爛漫、悪く言えば(読者のみならず、作中キャラからも抱かれる)頭の弱いイメージと作風が合わさり彼女のみならず作品を表す言葉とまでなっている。
- 服部平次「ワイ」
他の一人称の事例と同様、作中の平次の一人称は「オレ」であるが、大阪人で関西弁を話すため二次創作等では勘違いされやすい。
このことは公式でもネタにしているようで、作中では蘭がとある理由で「ワイも好きやで!和葉!!」と平次の口調を真似した所、和葉に「平次は『ワイ』なんて言わへんよ」とはっきり否定されている。
ちなみに和葉の一人称は「アタシ」なのだが、彼女の場合も関西人という先入観から一人称を「ウチ」であると思い、和葉に変装している時に自分の事を「ウチ」と呼んでしまった人物が作中で現れる。平次は気づかなかったが。
したがって和葉本人が自分を「ウチ」と呼んだ事はないが、(別人の変装した)和葉が声を演じる宮村優子の声で自分を「ウチ」と呼んだ事はある事になる。
- 四宮かぐや「[[お可愛いこと……>お可愛いこと……(かぐや様は告らせたい)]]」
公式が作為的に「実は言ってない」シチュエーションを利用した珍しいタイプ。
漫画『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』に登場するセリフで、ヒロイン・四宮かぐやが、主人公・白銀御行に嘲笑とともに放つ名台詞……とされている。
ここアニヲタWikiにこのセリフ単体で項目があるくらい有名なセリフなのだが、
まあこの項目にあることから察しはつく通り、実際はかぐやに見下されるのを恐れた御行が脳内で作りだした妄想。
御行はかぐやに片想いをしているのだが、かぐやを恐れる(?)あまり上記のセリフを勝手に思い浮かべてしまい、一人で勝手に落ち込むというのがお決まりのパターン。
なお、かぐやも同じように御行に片想いをしており、これまた同じように御行に「お可愛いヤツめ」と嘲笑われる妄想に怯えている状態。
そもそもこの作品自体、主人公とヒロイン両方が片想いの相手に嫌われたくないあまりに無駄な意地を張り合いすれ違い続ける恋愛ギャグマンガである。
が、話が進み、あるシーンでとうとう本当に上記の用法で使うこととなった。
現在では「言ってない台詞」の定義からは外れてしまうのだが、このセリフの登場から長期間の間「実は言ってない台詞」であった点と、「実は言ってない台詞」という題材を作者が積極的に利用したという点から特例でこの項に記載する。
- 阿慈谷ヒフミ「あはは……えっと、それなりに楽しかったですよ。ナギサ様とのお友達ごっこ。」
ソシャゲ『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』のエデン条約編に登場する、阿慈谷ヒフミの衝撃のセリフ……ではない。
前提として、このセリフを言ったとされる阿慈谷ヒフミと「ナギサ様」こと桐藤ナギサは先輩後輩の関係にあり、ナギサが先輩、ヒフミが後輩。
であると同時に、ヒフミはナギサに命じられて「学園に潜り込んでいるとされる、エデン条約締結を妨害しようとするスパイ」を探し出す役割を任せられていた。
実際のところスパイは本当に紛れ込んでおりナギサの読みは正しかったのだが、それが誰であるかを特定する所までは至らず、
疑心暗鬼に陥ったナギサはスパイ容疑の掛かっている生徒全員を生徒会長権限で丸ごと放逐しようと暴走し始めた。
ナギサの言うその「容疑者」にはヒフミも含まれており、二心なくナギサに尽くす彼女を使い捨て同然の形で追い出すこの行為は同じく容疑者であった浦和ハナコの怒りを買うことに。
そして、ハナコからナギサへの「お仕置き」として、“スパイの親玉(=ヒフミ)からの伝言”……という体ででっち上げられたのが上記のセリフである。
後にナギサはこの仕打ちを謝罪しヒフミ達と和解したが、すっかりこのセリフがトラウマになってしまい、ヒフミの「あはは……」という口癖を聞くたびに激しく動揺してしまうようになったそうな。
なお、ヒフミ本人はもちろん裏切り行為など働いておらず、ましてやナギサの策にかかり退学させられかけたことを知っても尚ナギサの身を案じる忠臣っぷりであった。
ということでストーリーを見たプレイヤーはもちろんヒフミのセリフでないことは承知なのだが、所々ズレてるとはいえ基本的に良い子なヒフミとのギャップやどっかで聞いたようなフレーズのため事あるごとにネタにされており、プレイしてない人が本当にヒフミの台詞だと勘違いする事もあるのだとか。
- 葛城リーリヤ「足を引っ張るなよ雑魚が」
学園アイドルマスターにおけるイベント「1年1組のアイドルたち」において、月村手毬がリーリヤに言われた衝撃の一言ではない。
「他のクラスと勝負になった時に負けないよう協力出来るように」という思いから懇親会を開こうと考えたリーリヤと清夏。
清夏が頼みに行くも狂犬当たりが強く冷たい手毬はにべもない反応で、清夏は真摯で努力家なリーリヤに説得を頼む事に。
なんとかソフトに伝えようと言葉選びに苦心するのだが、そこで出た一言が
「……足を引っ張らないでくださいね?」
……というリーリヤの、ではなく見かねた清夏のアテレコであった。*71これにより誰にでも噛みつく癖にメンタルの弱い手毬はフリーズしてしまう。
その後肝心の懇親会の自己紹介にて、印象の悪かった最初の自己紹介のやり直しを指摘され不満げな態度を取る手毬に
「またリーリヤに言われちゃうよ?」と清夏がからかった時に手毬がリーリヤの台詞として言い放ったのが項目のセリフである。
要するにリーリヤが言ってない台詞をさらに手毬が曲解したという多重に言ってない台詞というなかなかカオスな経緯であった。
とりあえずリーリヤとしては完全に風評被害である。まあアテレコした清夏が意図を汲み取ったわけで、彼女の本心としては遠からずなのかもしれないけど。
- 花山薫「強くなる為に鍛えることは女々しい」
バキシリーズ屈指の人気キャラである、19歳にして二代目花山組の組長である花山薫の言葉。…と、されているもの。
これは無敵を自負する彼の自尊心の表れ…では無い。
規格外の握力と類まれなる肉体を持つ彼だが、彼は自身の「戒め」として鍛えないのである。
曰く「体格も力も恵まれ過ぎている自分が鍛えるという事は、ライオンやヒグマ等の猛獣が武器を持つ事と同じ。それは相手に対して失礼で不公平である」
…というものである。
「格闘家」ではなく「喧嘩師」として戦う彼にとって、必要以上の力を得る事は無粋と思っているのだろう。
だが花山本人は、この台詞をただの一度も自分の口から発した事は無い。
そして、実際に強くなろうと鍛える人を馬鹿にしたり、この思想を押し付けたりも決してしない。
柴千春を初めとした舎弟や憧れてる連中が、一人歩きしたその言葉を勘違いして誇大妄想してしまっているのである。
皮肉な形ではあるが、柴千春はその「勘違い」のおかげで強くなったのもまた事実ではあるが。
ちなみに、体を鍛えるのとは別にスポーツ自体は好きなようで、毎年体育の日にジョギングしたり、高校の体育の授業も休まず参加している。
花山にとってのスポーツは「楽しむもの」なんだろう。
- カルストンライトオ「おとなしくシカせんべいでも食べていろ!」
ウマ娘 プリティーダービーのカルストンライトオのキャラストーリーにおいてシミュレーションの中でシカと競争していたカルストンライトオのセリフ...と思われているもの。
実際にはトレーナーがカルストンライトオの実力をシミュレーションした際のシミュレーター上の彼女のセリフなので実物の彼女のセリフではない。
もっとも、カルストンライトオがシカの仲間であるプロングホーンを異様に敵視しているのは本当の話ではあるが・・・
余談ではあるが、このセリフはそのインパクトもさることながら同時期にシカが主人公のアニメが放映中なため、クロスオーバーイラストが描かれるなどネタになっている。
▼おまけ3:存在しなかったが後に本人が発するなどして「嘘から出た真」になった例
- ベン・パーカー「with great power comes great responsibility(大いなる力には、大いなる責任が伴う」
世界中で最も人気のスーパーヒーローの一人、スパイダーマンに登場する有名なセリフ。
主人公ピーターの叔父であるベンが強盗に撃たれて死ぬ際に残した言葉として認知されている……のだが、実はスパイダーマンの原作コミックでのベンおじさんはこんな言葉まったく口にしていない。
正確に言うと上述の文章自体は出てくるのだが、それは登場人物のセリフとしてではなくコミック内のキャプションに綴られた文章としてなのだ。
ドラマや映画で言うところのナレーションみたいなものといえばわかりやすいかもしれない。
というのも1962年にスパイダーマンが世に初めて登場した『Amazing Fantasy』誌の最終号においてのベンおじさんは死ぬ場面が描かれることなくあっさりと退場してしまい、
ピーターはおじさんの死に際に立ち会えていない。
そのため、そもそもピーターはおじさんから遺言を受け取ろうにも受け取れる状況ではなかったりする。
だが、不人気の為に廃刊になることが決定していた『Amazing Fantasy』誌の中の読み切り作品として発表された本作は予想外の人気を博し、掲載紙を移しての連載が決定。
アメコミのシステム故に現代まで続く長期連載となり、映像作品やスピンオフシリーズも多数制作。
その過程で幾度も設定が改められた結果、上述の文章はベンおじさんが言っていたことにされた。
つまり「元々言ってなかったけど、設定変更で実は言っていたことにされた」台詞となったのだ。
なんだそりゃ、と思うかもしれないがこれはいわゆる設定リセットと言われるもので、
超長期間に渡っての連載で複雑になりすぎた設定を一旦なかったことにするためや、物語をよりドラマチックにするための手段としてアメコミではわりと頻繁に起こることだったりする。
身も蓋もない言い方をすれば後付け設定&設定の変更。日本のマンガでもキン肉マンとか北斗の拳とかタフ・シリーズでよく発生するアレである
- ゆきだるま「さよならなのだ」
ロマンシング サ・ガ3のキャラクター、ゆきだるまが発する別れの言葉として知られるセリフ。
四魔貴族のアウナスとの戦いでゆきだるま以外のキャラが戦闘不能になると彼は自分が身に着けている永久氷晶の力を解放して特攻し、相討ちになるという特殊イベントが発生する。
勝利後も通常とは違うしんみりしたBGMが流れ、以後ゆきだるまは消滅して仲間にできなくなるためにかなり感動なシーンである。
だが実際のロマサガ3の戦闘中でゆきだるまは「永久氷晶!!」と普通に技を使うアクションで発動しており、一言も別れの言葉を使っていない。
このセリフは攻略本においてアウナスとの隠しイベントを紹介するコーナーでキャプションとして記されていたものであり、それが印象的だったためかゲーム中で本当に言うセリフと誤解されて広まった。
そのため、実際にゲームで隠しイベントを見たプレイヤーから「攻略本が嘘を書いた!」というクレームが殺到する事態に……。
ちなみにロマサガでは技名を叫んで発動するために仮に本当にセリフを言っていた場合、「さよならなのだ!!」という形になる。
後に、エンペラーズサガやインペリアルサガと言った派生作品にて「さよならなのだ」と発言。
ロマンシング サガ リ・ユニバースの公式LINEスタンプにも、シリーズの様々な名シーンに混じって彼が「さよならなのだ」と涙ぐみながら言っているものが存在し、半ば持ちネタみたいになってしまっている。
- ルギア「命を賭けて、かかってこい!」
劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕におけるルギアのセリフにして、本作のキャッチコピー。宣伝ポスターやビデオジャケットにも堂々と記される印象的な言葉。
……なのは確かなのだが、言ったのは予告編CMの宣伝文句としてであり、劇中ではルギアはこんなセリフは一言も発していない。
というかこの映画のルギアは終始味方側のポジションにあり、それも星の平和のために自らが幻であることを望むという穏やかな人格ですらあった。
劇場版ポケットモンスターはこうしたいわゆる「予告詐欺」がかなり多いのだが、とりわけその中でも有名なセリフであり今なお語り草となっていある。
その後『ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊』にて、6年越しに逆輸入された。こちらではちゃんとルギアと戦う。
- マコト「ごめんな、ユイ……」
アプリゲーム『プリンセスコネクト!』のメインヒロインであるユイ(草野優衣)の幼馴染、マコト(安芸真琴)。
彼女は幼馴染が主人公に想いを寄せていることを知っており、その恋路を応援していたのだが、お約束と言うべきか主人公と接していくうちに自分も彼のことが気になるようになっていってしまう。
そんな友情と恋心に揺れ動く姿に、無印時代から一部プレイヤーから『抜け駆けして「ごめんな、ユイ……」とか言いそう』と言われていたのだが、
続編である『プリンセスコネクト!Re:Dive』の2019年の夏イベントにて、不意に主人公と接近してしまったマコトが「(ごめん、ユイ……!)」と(モノローグで)発言。
あくまでファンの間で「言いそう」と言われていただけの台詞を公式で言わせてしまったパターンである(微妙に言い回しは変わってるが誤差レベル)。
ちなみに『Re:Dive』ではマコトたちは現実世界の話を忘れているが、関係性はほとんど変わっていない(差異は主人公が記憶を失っているくらい)ので、無印時代のことも併せて一気にネタとして広まり、
某イラストサイトでマコトと主人公のカップリング作品に、この台詞を略した「ごめユイ」のタグが付くのが定番になり、「ユイの恋心を知りながら他のヒロインが抜け駆けする展開」を指す言葉にもなってしまった。
なお、マコトに加えてヒヨリ、カスミ、レイあたりを加えてごめユイ三獣士だの四天王だのと言われているが一応彼女たちは言っていない。言っていないだけで言い訳の利かないシーンはあるが…。
ちなみにこの四人の中でカスミだけはユイとの関係性がかなり薄い*72ため、言い訳が利かないとか以前にそもそも言い訳する理由がないので巻き込まれ事故に近い。
当然だがこの手のネタは人を選ぶので、公式で発言していたからと無闇に多用する事を好ましくないと思うファンもいる事を忘れないようにしよう。
- 佐久間まゆ「まゆですよぉ」
元は彼女の有名な二次創作ネタの一つ。
彼女の特徴的なセリフとも、実は言ってないセリフとも認識されがちなセリフであるが、
実際の所、このセリフがよく知られる時期(2020/2/21)に放送されたアイドルマスター シンデレラガールズ内のコンテンツ「デレマスチャンネル」2ndシーズン第8回にて「はい、まゆですよぉ♪」という発言があるため、頻繁でないにしろ一応公式にも言っているセリフである。
Shadowverseとコラボレーションした際にもリーダースキンで「うふふ、まゆですよぉ♪」と言っている。
時は流れて、デレステのイベントコミュ『ミライコンパス』(2023/4/23解放)でも、ロケの休憩中に話しかけられて「ふふ、こんにちは。まゆですよぉ♪」と口にしている場面がある。
アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season2』の第11話におけるスペシャルウィークのセリフ。
一応言ったことは言ったのだが、このセリフはメジロマックイーンに対して感謝を伝えられていないトウカイテイオーの妄想の中のスペシャルウィークが発した言葉であり、現実のスペシャルウィークが発したセリフではない。ウマ娘はもちろん馬の方も言っていない。
…なのだが、前期主人公にあるまじき顔芸やスぺちゃんを演じた和氣あず未の迫真の演技、そして何よりアプリ版においてスペシャルウィークのサポートカードが有用なスキルをくれるのだが、ランダムなために必ず貰えるとは限らず、そのスキルの下位のスキルを貰うということがあることからネタにされ続けている。
更に、スペシャルウィークのくれるスキルである「全身全霊」を確定でくれるウイニングチケットのサポートカードがストーリー報酬として配布されたため、「ウイニングチケットは(全身全霊を)くれるのにスペちゃんはくれない」とネタに拍車がかかる事態となった。
そこから更に派生してスペシャルウィークのサポートカードに限らず、
- スキルを貰えるが、ランダムで下位スキルしか貰えなかった場合
- 確定でスキルを貰えるがそもそもそのイベントが発生しなかった場合
の2パターンを指して「あげません!される」ということもある。
そして時は流れて2022/2/24の1周年にていくつかのウマ娘の育成ストーリーに新たなストーリーが追加され、そのアップデートで追加されたトウカイテイオーのストーリーにて、スペシャルウィークが本当にこのセリフを発した(今回は妄想と現実両方で)。
そのイベントのタイトルも「あげません!」になっており、晴れて「公式で言ったセリフ」となった。
- ジャイアン「いつかえさなかった!? えいきゅうにかりておくだけだぞ。」
ジャイアンの横暴っぷりを象徴する台詞として有名なものの一つ。
なのだが実はこれ初出はジャイアンのセリフではなく、「ドラミちゃん」に登場するジャイアンポジションの「カバ田」というガキ大将のセリフ。
……え、ドラミちゃんはドラえもんのキャラじゃないのかって?
これが実はややこしく、実は当初ドラミちゃんはスピンオフのキャラという体で「のび太そっくりの親戚であるのび太郎の家の居候」として登場したのだ。
これに伴いレギュラーキャラもよく似たそっくりさんが登場し、その一人がカバ田という訳である。キテレツ大百科のレギュラーと似たようなもの。
結局この設定はなかったことになり、単行本におけるドラミ回は各キャラがドラえもんサイドの人物に修正されたのだが
この回自体は最後にのび太とのび太郎が出くわすという展開になるため修正のしようがなく、結局未収録となったわけである。
後にわさドラ版のアニメなどでジャイアン本人が言っており、現在ではジャイアンのセリフで通っている。実際似たような事は原作でも言っているし。
ちなみにカバ田とズル木(スネ夫ポジション)は身長が本家と逆転しており、このため修正話ではやけにチビなジャイアンになっている。
一方ズル木は「背の高いスネ夫」は誤魔化せなかったからか、単行本でもそのままズル木本人が残った。*73
追記・修正は名言を残してからお願いいたします。
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*2 より正確な表記は「嘘だといってよ、バーニィ」。
*3 澪は声を出すことができないため、代わりに手持ちのスケッチブックに話すことを書き、それを掲示して会話する。
*4 流石に派生漫画まで行くと別だが。
*5 研究職につく前ではあるが、セレビィの野生個体などを目撃している。映画『セレビィ 時を越えた遭遇』より
*6 ちなみに効果は、カイザが後衛で相手がファイズのとき、味方の攻撃と必殺をアップし防御をダウンさせるという、らしいものになっている。
*7 同企画での平次の台詞には使われていないので「言った事になった」かは微妙な線だが
*8 なお、正確な文言は「真実はいつも…たった一つしかねーんだからな…」である
*9 一応、コナンとしてもその後、この台詞を心中で独白したことはあるが、口に出したことはない
*10 オーストリアの精神科医ジークムント・フロイトのこと。夢分析の分野でその名を馳せているが、何でもかんでも性的欲求不満につなげようとすることで有名。つまりはそういう解釈のできる夢である。なお、シャミ子にはアリバイがあり冤罪
*11 なお状況としては、「クールキャラを演出しようとキリっとした表情を作ろうとしてしかめっ面になってしまった」というもので、上記のような恋愛関係の要素すらない。
*12 ちなみに言われた側の崩月夕乃も夕乃で大概なキャットファイトネタで、この点も現在の使われ方とは異なる
*13 これは厳密に言うとハロウィンの特別シナリオイベントに登場する別世界のそっくりさんが言った台詞。
*14 そもそもウマ娘自体が競馬を題材にしている作品であるため、意図的に似せているのではないかという指摘も存在する
*15 このあたりを考慮してか、「実際の競馬で頑張ったり成長を見せた馬や騎手・陣営を褒める」内容で改変しているネタも散見される
*16 一応、失踪してしまったエルをトレーナーが捜索中、エルと仲の良いグラスに居場所の心当たりを聞くなど、「グラスが近くで話を聞いていてもおかしくない」伏線はあるのだが、それまで一切気配を感じさせないので唐突に見える。
*17 ゲーム画面を使ってるものはゲーム内メッセージのエミュ用のフォントを使ったコラ画像。実際はタイシンの育成シナリオで、彼女が菊花賞前に体調を崩したシーン。
*18 元ネタは『進撃の巨人』のコピペの改変で、全文はかなり長い。なお元ネタの元ネタである原文は「このでけぇ害虫が、俺が今から駆除してやる」。ただしこのネタが公式に拾われたらしきゲーム内イベントは存在しており、「アルダンは赤ちゃんにされたことがないからそんな事が言えるんや!」と経験済みであるかのような台詞を言い放つ。
*19 元ネタは『ルパパト』の陽川咲也が言ってそうな台詞というネタで、ウオッカのみならず陽川咲也も実際には言っていないとされる。具体的な起源ははっきりしないが、アプリリリース前からあるネタだという。なお、ウオッカは「ウワ!」なら言っている。
*20 元ネタはふたばとも噂されるが今一判然としない。「典型的・古典的ツンデレ強気キャラ」という性質から「言ってそうなイメージ」が先行し自然発生的に生まれたか。漫画『STARTING GATE!』ではウオッカに対して「(やせ我慢しちゃって)バカね……」と言った事ならある。また、モチーフ馬が主戦騎手から「ちょっとおバカ(意訳)」と評されていた事もあり、「ばかねうおっか!」と全てかな表記にされたり、実際にはスカーレットの方がおかしなことを言っていたり、やっていたりで、言われたウオッカに「バカはお前だよ」とツッコまれるネタもある。
*21 ただし最近になってカルストンライトオが似たような台詞を口走った。
*22 ウマ娘におけるコパノリッキーが発表後、しばらくはキャラ付けが不明だったため、その頃の二次創作だとこのような笑い声に加え語尾に「~でリッキー」と付く、通称『エアプリッキー』が流行った。実際のリッキーは明るく快活な性格で、こんな笑い声も変な語尾も(当然)なかったのだが、「コパぁっ!?」という悲鳴を上げたり、おそらくやる気が満ち満ちているという意味合いで「コパコパしてきた」と言う台詞は存在する。
*23 こちらはアニメにサプライズ登場した直後で掘り下げが少ないのを機に「わざと」公式とかけ離れたように描写したネタイラストが出典。一応最近でも「口下手のせいで言いそうだと勘違いされる」など本当は言わないのを明示する形でこのネタを使うファンアートはたまに見られる
*24 元ネタは明日葉トモロウのイラスト。ただしリッキーに向けて「も、もーっ!真面目にやって!」と言ったことはある。
*25 基本的には史実における仔であるウオッカのこと。ただしウオッカは史実でもメスである。一説には実際のタニノギムレットを預かっているヴェルサイユリゾートファームや管理団体である引退馬協会がウマ娘版ウオッカに言及していたのが震源地ではないかとも
*26 マスクしてるほうのデザインのオルフェーヴルを指して「なんだか言ってそう」と言われるようになり、いわゆるたぬき動画でこの二次設定が定着。現在の正式デザイン版になんらかの理由をつけて言わせているファンアートも少ないが見られ、たいていは史実の「ボス気質・馬に対してだけは悪質ないじめっ子」「オルフェーヴル同様に池添謙一が主戦を担当した」を反映してカレンチャンか、「ウマ娘内でも実姉」「実際の馬は極めて性格が悪いことが指摘されている」「こちらも同じく池添が担当」のドリームジャーニーに対してのことが多い。
*27 元ネタは実際のゴールドシップの盟友・ジャスタウェイに「芦毛の馬には目がなく、同性でもお近づきになろうとする」とする説があることから。
*28 基本的にレイヴン以下AC傭兵とは「何もかもを管理された世界で唯一自由な存在」「あくまでビジネスとして戦い、どの勢力とも付かず離れず、莫大な報酬でのみ動く傭兵」とされており、国家に代わって人々を支配し互いに抗争を繰り広げる企業も「世界の覇権を巡って」争っている。主人公で言えば「殺された家族の仇討ち」と明言されているMoA主人公と「匿ってくれた都市の運営資金確保」の4主人公以外は基本的に何故戦うのかは語られておらず、他にも様々な経歴や経緯を持つキャラクターが居るが、純粋に「闘争を求める」者は散見されるものの主流派とは言い難い。
*29 以降の作品でもウルトラシリーズでは「怪獣が出ると特定のメンバーがいなくなる」ことから人間が変身しているだけと推理したり、あるいは実際に特定の登場人物がウルトラヒーローであることを見抜いたりする展開はニュージェネレーション作品群を中心にお約束になりつつある。『オーブ』のようにギャグ展開にこれによる勘違いを使ったケース、『ガイア』のように主人公の方がこれを予想してアリバイ擬装を行うシーンが挟まれたものもあるが。
*30 他は『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のクリスとバーニィが一言台詞でお互いの名前を呟く等。
*31 しかも作者は雑誌の読者コメントの中で「スタッフが険悪になるような愚痴を晒す」「近所迷惑な行為を堂々とアピールする」「元師匠からの挨拶に返信しなかった」という非常識な態度を見せ、これもまたバッシングを強める要因となった。
*32 但し季節イベントの時は「艦橋をデコレーションする人」という強烈な?キャラ付けになる
*33 ゲーム中でも自分が妙に被弾しやすい事を嘆くような発言がある他、公式四コマでも自分だけ被害に遭うなど不運キャラとして描かれている。史実でも幸運艦と称された二番艦瑞鶴と比較して不運艦と扱われていたとされる
*34 もっと後のエピソードで誰が読んでもそういった意図のあるエピソードが定期的に出るようになったのも一因かもしれない
*35 お嬢様風の口調は元より、重巡熊野は神戸で建造された(≒関西出身)という点とも符合する。
*36 関西弁では男性でも「~ですわ」という言い回しを多用する。イントネーションは若干異なり、お嬢様口調を「~で→す↓わ↑」とするなら、おっちゃん口調は「~で↑す↑わ↓」といった感じになる。
*37 そもそもウマ娘版のメジロマックイーンには最初からくいしんぼ設定や「しょうもない欲求にあっさり敗北する」設定は存在した。
*38 あと、実際にこのエピソードに限ると阿鳥改は主人公以上に活躍しているので、少し前の所から説明されても「こいつが主人公か」と認識する可能性が大きい。
*39 実際は桜→烈への好意は劇中本人が言っているが、烈の好みは巨乳のお姉さんとのこと。
*40 片思いすらしたことが無いのに読者の心を鷲掴みにする、突然変な設定を付け加える、よく見ると矛盾した描写がある、など。
*41 演劇部の部長は野崎に脚本を頼んだことを、野崎への配慮から鹿島には秘密にしていた
*42 この時安全策でリーチの現物を切っていたら脇に放銃していた。死ぬことで助かったのである。
*43 相手はいつまでもブレーキを踏まないアカギに気を取られてブレーキが間に合わず共に転落、しかも中途半端にブレーキを踏んだせいで崖に激突、生涯後遺症の残る重傷を負った
*44 この時のメビウスはビルを盾にしてディノゾールの攻撃を防いで周囲への被害を拡大させる等、ヘタクソと言われても仕方ない戦い方をしていた。
*45 北岡も、一般常識として考えればかなり真っ当なヒーロー観で動いている主人公・真司に対してはこのレベルの嫌味は言っていない
*46 映像は『逆転裁判2』の1話、台詞は『逆転裁判』の2話から取られている。なお、細かいようだが、元ネタの方の台詞は正確には「とりあえず、“異議は”却下します」となっている。
*47 なお『逆転裁判6』には成歩堂が同様の台詞を発言するセルフパロディがある
*48 コーディネーターであることは知らなかったという誤解をしていた人も居たが、彼は自分がコーディネーターであったことは知っていた。というより、知っていなかったらここまで悩まなかっただろうし彼の出自上知らない方が可笑しい
*49 「(待ちに待った時が)来た」という風に解釈すれば、文脈的にも合っているのかもしれない
*50 『セイザーX』は序盤に散りばめられた伏線を丁寧に回収する点などがファンの間で高く評価されていた。
*51 スタッフ間でも重要視されていないのか、ムック本などでも言及された事はない。
*52 「クリーク(krieg)」はドイツ語で「戦争」の意味。
*53 リシュリューは実在の人物だが、戯曲の中の台詞(本人は発していない)なので、架空人物として扱う
*54 土地を早く売りたいが為に不発弾処理を怠った地主や宅地開発業者がおり、その土地で不発弾の爆発事故に遭った。これによりブラック・ジャックは縫合だらけの身体になり、母は四肢欠損で寝たきりとなった上、そんな2人を父は見捨てて愛人を作り海外へ駆け落ちしている。なお、アニメ『ブラック・ジャック21』では父の駆け落ちに一応の理由が付け加えられた
*55 第115話「不発弾」。「二人目がいた」の序盤で、この時の出来事が回想される
*56 ブラック・ジャックは法外な治療費を請求する傍ら「何としてでも治して欲しい」「どんなにかかっても必ず払う」という強い意志を示してくる客や患者にはかなり甘い節がある。本作に限らず、大金や脅し文句で患者に揺さぶりをかける話は数多く存在するが、逆に「子の為になら俺の身体なんてどれだけでもくれてやるから治療してくれ」と宣言した父親に対し無料で治療を引き受けるエピソードもある。
*57 後述の推測に対しブラック・ジャック本人は「仕事と復讐は別」とだけ劇中で述べている。
*58 これは男塾の規則として教官の命令は絶対服従である事、塾生間は上下関係に厳しい事、更に教官側の立場として「真の男は生死を賭けた戦いの中で磨かれていく」という方針から塾生間の揉め事には関与しない為である。逆にそれらの規則を破り反逆を企てた所で処罰されるだけであり、実際に永久追放処分となった塾生がいたほか、教官側も生徒の死より上下関係が崩れる事を危惧していた。
*59 恐らく当時の技術では複数の台詞パターンを入れる容量が無かったためと思われる
*60 そもそも戦艦乗りというパイロットと乗機ユニットの都合上回避能力に問題があること、今作ではまだ強化パーツの概念が無かったこと、戦艦は改造によるユニット強化が出来なかったこと、ブライトがダメージを抑える精神コマンドを所持していなかった結果、ブライトは攻撃を回避する能力が低いうえに受けるダメージを軽減する手段を殆ど持っていなかった事がそれを助長している
*61 このシーンにおける「これ」とは、「ウッソの母親の生首が入ったヘルメット」である。何故そうなったのか等の詳細は各自で調べられたし
*62 但しフェネック自身も面白半分で傍観している節も見受けられる。
*63 類似する台詞もアニメ序盤の模擬戦で追い詰められた際に「もーやだー!」と弱音を吐くシーンがあるぐらい
*64 ちなみにこのやり取りはポプ子のCVがこおろぎさとみ氏であった2021年の再放送版では存在しない。ポプ子の質問の台詞そのものが初回放送時のポプ子役小山茉美氏のアドリブであった可能性がある。
*65 異界の高次元生命体。ざっくり悪魔と理解されている
*66 恐らく、「タイガーMの餌食になってしまいました」とでも言うつもりだったのだろう
*67 このゲームは犯人の視点で完全犯罪を成し遂げるゲームなので、このシナリオにおけるプレイヤーキャラである
*68 CMでは統合され瀧の「俺達は夢の中で…」というセリフのみなので順番についてはそこから勘違いされた可能性がある。
*69 劇中でちゃぶ台返しを披露するのは1度のみだが、『巨人の星』のED映像で毎回ちゃぶ台返しをする静止画が使われていた。なおEDの「ちゃぶ台返し」自体は「跳ね上がったちゃぶ台の前で引っぱたかれる飛雄馬」という構図で「ちゃぶ台の下部に両手を差し込み跳ね上げた瞬間」ではない
*70 放火の刑罰は「死刑又は無期若しくは3年以上の懲役」であり、殺人罪に匹敵する
*71 前述の台詞も清夏の発言であることを示唆しているのか名前が「リーリヤ?」となっている
*72 現実世界でも共通の知り合い(=主人公)がいる、同じ高校の先輩くらいの認識
*73 ちなみにのび太郎は見た目ものび太そのものなので特に修正されなかった
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