アムリッツァ星域会戦

ページ名:アムリッツァ星域会戦

登録日:2010/06/14 Mon 18:27:21
更新日:2023/11/24 Fri 13:32:20NEW!
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銀河英雄伝説 銀英伝 クラシック音楽 戦争 架空の戦争 銀河英雄伝説の戦役 スペースオペラ 帝国領侵攻作戦 トリューニヒトの政権掌握 ←ここから彼の恐怖の伝説が始まる ビッテンフェルトの猪突猛進伝説 ←その序章 アムリッツァの愚行 アムリッツァ星域会戦 戦争の転換点



アムリッツァ星域会戦とは、「銀河英雄伝説」の中で行われた戦役の一つ。
この項目では、前哨戦である帝国領侵攻作戦も説明する。


重要性の高い箇所では便宜的に同盟軍兵士は緑色、一部例外を除いて帝国軍兵士は青色で表記する。



●目次


【背景】

事の発端は第7次イゼルローン要塞攻防戦で同盟が勝利した事にある。
この戦いで、エル・ファシルの英雄こと魔術師ヤン・ウェンリー中将は帝国と同盟の勢力圏を繋ぐイゼルローン回廊の要衝、イゼルローン要塞を工作員の手で司令官を拘束し、無血占領に成功する。
竹中半兵衛の稲葉山城占領を思い浮かべていただければ分かりやすいだろうか。


ヤンやシトレ元帥と言った面々はこれで帝国と講和し、つかの間とは言っても帝国と本格戦闘をしないで済む方向に進むことを期待していた。
しかし散々辛酸を舐めされられた要塞の制圧という大きすぎる戦果に同盟市民は興奮し、更なる戦果を求めてしまった。
それは同盟軍の一部軍人も同じで、同盟軍の(ある意味)ニュータイプであるアンドリュー・フォーク准将が作戦をコネで提案する。
これが悪名高き【帝国領侵攻作戦】である。


【帝国領侵攻作戦】

宇宙歴796年/帝国歴487年


アンドリュー・フォーク准将(以下フォーク)の発案したトテモスバラシイ作戦。
「大軍をもって帝国領土へ侵攻する」、「高度な柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処する」をモットーに帝国領土へ侵攻するというもの。
投入戦力は下にあるように同盟全軍の6割、具体的には第3、第5、第7、第8、第9、第10、第12、第13艦隊……つまり外征に投入できる艦隊戦力のうち第11艦隊以外全てをぶち込む*1*2大博打である。


一応、建前は専制政治からの民衆の解放。そしてその実態は選挙対策とか停滞した経済に鬱憤している民衆の憂さ晴らしとか機能不全に陥っている政府でよくある無自覚な自滅政策である。


この作戦を持ち込まれた同盟の最高評議会でも、

  • 既にアスターテ会戦の戦死将兵の遺族年金や捕虜を食わせるために同盟の経済に余力はなく、莫大な戦費の負担が生じれば財政が破綻する。通貨発行しようにも財政の裏付けはなく、下手に行えばインフレーションを起こし、紙幣が額面無関係の紙クズとなりかねない。
  • 人的資源にも余力はなく、軍に若い人手を取られて民間の人材の大半が未成年者か70歳以上の老人と化していた。既に練度不足の人員登用による事故が大幅に増加して首都の流通システムすらまともに動かず、残った労働者は過重労働を強いられている。この上軍に人手を取られたら社会構造が崩壊しかねない。

と言った問題点が指摘され、「イゼルローン要塞奪取を交渉材料に講和条約を」という主張はこうした現状認識の下に出されていた。
だが、賛成派の本音は選挙が近いのに支持率が上がらない状況の打破であるため、彼らはそれに対して何らの対案も出さぬまま「大義のある戦争だから」と言う理由ばかりを並べ立て、数の論理で押しきっている状態だった。


迎撃や民心掌握も完全な希望的観測であり、アレクサンドル・ビュコック中将から「行き当たりばったり」と評された。
だが、この作戦が同盟の最高評議会で高く評価されてしまったからには、軍人が勝手に作戦の実行を拒否するわけには行かなかった。


やむなく開かれた軍議においても、ウランフ中将、ヤン中将もまたフォークの作戦に異を唱えたが、脳内お花畑状態のフォークは全く聞く耳を持たず、逆にヤンたちを愚弄する。
更にロボスはフォークの暴言を止めようともせず、グリーンヒルまでもフォークに助け船を出してしまう。
ビュコックがブチギレたりするものの、結局作戦は実行することになってしまった。


なお、この作戦は内容が抽象的すぎること以外にも、軍事的な弱点をはらんでいることを指摘されている。

  • 長蛇の大軍が侵攻することで、艦隊間の伝達が遅れたり、分断されやすくなる。
  • 物資や食糧が遠征軍用に導入することが不可能。

などといった点である。
フォークはご自慢の妄想でこの意見を軽くいなすが、帝国の若き獅子、ラインハルト・フォン・ローエングラムはまさにこれらの弱点を全て看破。
最初から入り込んできたところを倒すというミッターマイヤーやビッテンフェルトの意見を退け、ギリギリまで同盟軍を引きつけて全力で叩くという作戦を立案した。


というかラインハルトでなくても普通の能力があれば誰でも弱点に気づくくらい必敗の作戦である。

ラインハルトほど徹底した戦略は取れないかもしれないが、誰が帝国軍の指揮をとったとしてもやはり同盟軍は撤退に追い込まれただろう。




【登場人物】

◆自由惑星同盟

  • ラザール・ロボス

元帥。遠征軍総司令官。
昔はキレッキレの戦術家だったらしいが、老いてからは全くの役立たずになってしまった。
実績もないフォークの作戦を鵜呑みにして同盟全土を巻き込む戦争を引き起こし、また戦闘中にもかかわらず昼寝をするなど無能ぶりが伺える。
後にヤンも「昼寝するから提督が来ても起こすな」をやるのだが、まあ戦闘前だったし…


  • シドニー・シトレ

元帥。統合作戦本部長。
アスターテの敗戦という失点をヤンによるイゼルローン要塞攻略の成功という成果で上回ることができた。
自らの地位強化と合わせてしばらくの平穏な日々を期待し安堵していたのだが、要塞攻略からわずか3ヶ月後に帝国領への侵攻作戦が決定。
「成功したら遠征司令官のロボスに本部長を譲って引退。失敗したら引責辞任」というどちらにせよ辞めざるを得ない状況になる。
諸条件を見て作戦成功は期待できないと見たシトレはせめて被害を最小限にして撤退するという形での結末を望むが…


  • ドワイト・グリーンヒル

大将。総合作戦本部次長兼宇宙艦隊司令総参謀長。
フレデリカの父であり、ヤンのことも高く評価している。
しかし軍議の反論を無根拠な楽観論で抑えたり、一参謀であるフォークの暴走を止められなかったり、前線混乱中に安全な要塞で昼寝をかますロボスのアホな命令にも馬鹿正直に従ってしまう。
流石にロボスらの対応に思うところはあったようだが、思ってばかりでは責任放棄でしかなかった。


准将。帝国領侵攻作戦における最大の元凶。
士官学校を首席で卒業した秀才だが、独善的かつ夢想的な一面がある。
ヤンをライバル視しており、今回の作戦もヤンに対抗して立案し、私的ルートで無理矢理政府へと持ち込んだものだった。
OVAではアムロ・レイ役で著名な古谷徹氏が声を担当するも、氏は後年、「自分が充てた声の中でフォークは最も嫌いな人物」と辛辣なコメントを残している。


  • アレクサンドル・ビュコック

中将。第5艦隊司令官。旗艦はリオ・グランデ。副官はファイフェル少佐。
老齢ながら帝国にもその名を広く知られた宿将。
ヤンを評価している人物の一人で、ヤンからの提案を受けて代わりに本部に会敵前の撤退を進言するが…


  • ウランフ

中将。第10艦隊司令官。旗艦は盤古(バン・グゥ)。参謀長はチェン少将。藤崎・道原両漫画版とノイエ版分艦隊司令官にアッテンボロー准将。
モンゴル系民族の血を引いており、「ウランフ」はフルネーム。
戦術面において高い能力を有する有能な指揮官で、後期の同盟軍を支える中心的存在の軍人。猛将。
ビュコックと同様にヤンの実力を高く評価している人物の一人で、帝国軍との戦闘前に交信が入った際には驚きつつも好意的に対応していた。


  • ホーウッド

中将。第7艦隊司令官。旗艦はケツアル・コアトル。
帝国領侵攻の際、ヴァーリモントに農業の改善を命ずる。


  • フランツ・ヴァーリモント

少尉。第7艦隊の技術士官。
帝国領のある惑星において、人心掌握に勤める。
そこで知り合った女性、テレーゼ・ワーグナーと恋仲になるが、やがて帝国軍の焦土作戦が
効いてきて...


  • ルフェーブル

中将。第3艦隊司令官。旗艦はク・ホリン。


  • アップルトン

中将。第8艦隊司令官。旗艦はクリシュナ。


  • アル・サレム

中将。第9艦隊司令官。旗艦はパラミデュース。副司令官はライオネル・モートン少将。


  • ボロディン

中将。第12艦隊司令官。旗艦はペルーン。副司令官はコナリー少将。
作中では詳しく語られないが、ウランフと共に同盟軍の中核を担う司令官であり、ビュコックからの信頼も厚かった。


中将。第13艦隊司令官。旗艦はヒューベリオン。副官はフレデリカ・グリーンヒル大尉。副司令官はエドウィン・フィッシャー少将。参謀長はムライ少将。副参謀長はフョードル・パトリチェフ准将。
イゼルローン要塞攻略の武勲を置き土産に悠々自適の年金生活に入ろうとしたが、帝国領侵攻を控えて辞表を却下されて参加するハメに。
同盟軍の中で唯一善戦した艦隊だが、無益な戦闘であるという認識の下、速やかに撤退を図る。


少将。遠征軍の後方主任参謀としてイゼルローン要塞に留まる。
補給と後方支援のスペシャリストだが、さすがの彼でもあまりに無謀で幼稚すぎる遠征計画は手に余り、さらに無能なロボスとフォークに振り回されて四苦八苦する。


  • ロイヤル・サンフォード

最高評議会議長。帝国領侵攻作戦の元凶その2。
アスターテなどの敗北で支持率が低下していたところに、フォークから帝国領侵攻作戦の私案を持ち込まれる。仔細を検討することなく支持率の上昇が望めるという理由から賛同してしまう。


  • コーネリア・ウィンザー

情報交通委員長。帝国領侵攻作戦の元凶その3。
帝国の圧政から人民を解放するという大義に自己陶酔し、そのためにはあらゆる犠牲もいとわぬと発言し積極的な賛成派として行動する。


  • ジョアン・レベロ

財務委員長。シトレ本部長とは幼なじみ。憎まれ口をたたき合うが仲は悪くなく政治家としては良識派。
ヤンの活躍により手に入れたイゼルローン要塞を交渉材料に帝国との停戦条約を結ぶことを提案するが、主戦論者達に退けられてしまう。
帝国領侵攻作戦に対しても「政権の維持を目的として無益な出兵を行なう権利など自分達にはない!」と全面的に否定して、反対票を投じる。


  • ホワン・ルイ

人的資源委員長。レベロとは旧知の仲。
軍事費の増大や人材を軍に取られることでインフラの維持に支障をきたす現状を鑑みて、帝国領侵攻作戦に反対票を投じる。


国防委員長。
主戦論者ではありホワンの軍縮案は反対するが、同時に帝国領侵攻作戦の無謀も悟っており反対票を投じる。
レベロ、ホワンと違って侵攻作戦そのものに対して何も意見はしていないが判断自体は正しく、トリューニヒトに生理的嫌悪を示すヤンからも評価された。



◆銀河帝国


元帥。帝国軍宇宙艦隊副司令長官。旗艦はブリュンヒルト。参謀長はパウル・フォン・オーベルシュタイン准将。
同盟軍の迎撃を命じられるが、当初は高みの見物を決め込む。


  • ジークフリード・キルヒアイス

中将。キルヒアイス艦隊司令官。旗艦はバルバロッサ。副官はハンス・エドアルド・ベルゲングリューン少将。
ラインハルトの片腕で、ヤンに匹敵する知略と戦術を展開する。


中将。ロイエンタール艦隊司令官。旗艦はトリスタン。副官はエミール・フォン・レッケンドルフ少佐。
黒眼と碧眼を持つ、冷静沈着な司令官。後の帝国軍双璧の一角。


  • ウォルフガング・ミッターマイヤー

中将。ミッターマイヤー艦隊司令官。旗艦は人狼ベイオウルフ。副官はアムスドルフ少佐。
ロイエンタールの親友である若き士官。後の帝国軍双璧の一角。


中将。黒色槍騎兵シュワルツ・ランツェンレイター艦隊司令官。旗艦は王虎ケーニヒス・ティーゲル。副官はオイゲン少佐。
一射のビームで2隻の艦艇を沈めたことのある猛将。


中将。ルッツ艦隊司令官。旗艦はスキールニル。副官はホルツバウアー准将。


  • アウグスト・ザムエル・ワーレン

中将。ワーレン艦隊司令官。旗艦は火竜サラマンドル


  • エルネスト・メックリンガー

中将。メックリンガー艦隊司令官。旗艦はクヴァシル。


  • カール・グスタフ・ケンプ

中将。ケンプ艦隊司令官。旗艦はヨーツンハイム。副官はフーセネガー少将。
ヤンと相見えた司令官。彼を警戒しつつも見事に計略に乗せられてしまう。





【作戦の経過】


同盟軍の作戦を察知した銀河帝国側。
ビッテンフェルトやミッターマイヤーから、イゼルローン回廊の出口で同盟軍を待ち構えて叩くという案が出た。
実際、帝国側が事前に戦場を設定して準備できるので、防衛という視点から見れば合理的な作戦と言える。
しかし、同盟軍の先鋒は精鋭であろうし、一戦して同盟軍に引っ込まれてしまうとそれまで。
ラインハルトは同盟軍をより徹底的に叩くべく、同盟軍の性質を逆手にとったオーベルシュタイン准将焦土作戦(同盟軍が侵攻するであろう惑星から食料を残らず回収する作戦)を敢行した。


帝国領の有人惑星に侵攻した同盟軍に民衆が求めたのは同盟市民としての政治的権利ではなく、食料がない惑星に食料を持ってくることへの期待であった。
その人数は5000万人だった。しかも、この数は占領地の拡大によって更に増え続ける。何故なら、この遠征で具体的に帝国領のどこまで進撃するかが全く定められていないからである。司令部も進撃を命令し続けるので、占領地が拡大し続けるのは必然である。
同盟軍は解放軍であり、民衆への生活の保障を放り出すことはできない。


全軍の2倍近くにもなる捕虜を食わせる補給計画など誰に建てられる…!


今回の無茶な遠征にも拘わらず、3000万人の将兵を植えさせないための補給計画を立てたキャゼルヌであったが、フォークの杜撰な作戦のせいで瞬く間にキャゼルヌの補給プランは瓦解する。
イゼルローン要塞の倉庫を全て空にしても足りる筈もないし、全軍の2倍近い…しかもこの後ですら際限なく増え続ける民間人を食べさせる補給計画など建てられるわけがない。このまま行けばどうなるか、誰の目にも明らかであった。
キャゼルヌは首都星ハイネセンに補給を申し込む旨とロボスに撤退を具申する。


ところがロボスとフォークは安全な後方である要塞で高みの見物を決め込むくせに要塞の警備が手薄になるという保身のためにキャゼルヌからの警告も無視し、前線までは自分達の占領地だから安全という楽観的な理由でまともな護衛すらつけようとしなかった。
しかも、Die Neue Theseではフォークが今度は「大義のための戦いで、リスクを支払わずして勝利を得られない」などと、自分だけ安全な場所にいるから言えるような暴言でキャゼルヌをも侮辱する上にロボスもキャゼルヌの懸念を『臆病心』で始末した挙げ句、グリーンヒルでさえこの二人の暴挙を窘めようとしなかった。


ヤン、頼むから生きて還れよ。死ぬにはばかばかしすぎる戦いだ


ハイネセンから出発した補給艦500隻と、たった26隻の護衛艦。
(当初の護衛は25隻だったが、キャゼルヌの100隻は必要という進言を受けてロボスはさらに1隻だけ追加した。……おい)
そこにジークフリート・キルヒアイス中将が急襲をかけて、補給艦は為す術もなく壊滅。
これにより同盟軍は物資が困窮する中、敵地に取り残されることになった。


一方の政府サイドでも、前線からの物資の要求と、「物資を送ってこないならいっそ戦死させてくれ!(意訳)」という悲鳴兼脅迫を見て愕然。


レベロは帝国が国内の財政破綻を狙っていると解釈、あながち間違いでもなくこんな状態で敵の反撃を受ければどうなるかは政治家であるレベロの眼からも明らかであり、真っ先に撤退を主張し、さすがのウィンザーらも侵攻の無謀を悟らざるを得なかった。
だが、この期に及んでも「撤兵前にせめて一度でも勝ってもらわないと、面子が立たない」と考えたウィンザーら無能な政治家達は戦果が出て最低限の面子だけでも保たれる可能性に縋ってこの無謀な遠征を続行させようとし、撤兵論はあえなく否決されてしまった。
(なおアニメでは続行賛成は単純に有望だと信じていたのが理由のようであるが、どっちがマシやら…)


しかも、その議論の間に既に前線では食料が涸渇していた。それに対するロボスとフォークの対応は……


馬鹿げている!足りない物資は現地で調達せよだと!?
第10艦隊 ウランフ提督


我々に略奪行為を働けというのか。
第8艦隊 アップルトン提督


第一、ないものをどうやって略奪する?
第12艦隊 ボロディン提督


補給計画の失敗は敗退への第一歩だ。司令部は大言壮語をどこに置き忘れた…!
第5艦隊 アレクサンドル・ビュコック提督


Die Neue Theseと石黒版でタイミングは異なるが、司令部は略奪しろと命令してきた。そもそも、占領地に食料がないから前線の艦隊は自分達の食料を現地に供与したのに、今度は無いものを略奪しろと言ってきたのである。


現地にないから、自分達の食料を提供したかと思えば今度はないものを略奪しろ………大言壮語どころか現状も作戦経過もまるで理解していないフォーク、それに丸投げをしたロボスとその二人を止めようとすらしないグリーンヒルによってもはや司令部は機能不全を起こしており、同盟軍の自滅は時間の問題であった。


惑星では同盟軍の略奪が横行し、救済の軍は一変して賊の軍となり、民衆との同盟軍の衝突は無力化ガスまで投入するほどにエスカレート。略奪を通り越して虐殺にすら発展しかねなかった。
本来なら物資の引き上げを行ったのは帝国軍であり、帝国こそが民衆の敵となるはずだった。
同盟としてはそれだけ確認して引き上げるか戦線拡大を止めるだけでも、選挙の宣伝材料程度の戦果にはなったかもしれない。
だが同盟は結果として民衆の敵という立場を帝国から肩代わりしてしまった。
逆に帝国軍は奪還に際して「侵攻対処のためとはいえ飢餓を強いたのは申し訳なかった!同盟ではなく帝国が責任を持って諸君を養う!(意訳)」というマッチポンプ宣伝で民衆の心を掴み、同盟軍の大義名分を乗っ取った。


暴動前に敵の策略に危機を感じたヤン、ウランフ、ビュコックの三人は連絡を取り合い司令部に撤退の許可を求める。
敵の本格攻勢が始まる前なら、追撃が起きたとしても迎え撃つ程度の余力はまだあるし、運がよければ罠と疑って追撃してこないかもしれない。
だが…


貴官に会いたいと言った覚えはないぞ!呼ばれもせんのに出しゃばるな!


ビュコックの通信に出たのは総司令官ではなく、一作戦参謀に過ぎないフォークであった。前線の司令官の一人から総司令官への緊急連絡であるにも拘わらず、フォークは(ロボスへの上申の類は全て自分を通せ」と自分が作った規則を押しつけており、司令部はフォークに乗っ取られていた。挙げ句、フォークは前線の司令官達を侮辱して、自分なら撤退しないと大言壮語をはいて『ならばお前が前線に来い』とビュコックに言いかえされれば『できもしないこと』と拒絶した。
これには穏健なビュコックも遂に激怒した。


不可能ごとを言い立てるのは貴官の方だ! それも安全な場所から動かずにな!


貴官は自己の才能を示すのに弁舌ではなく、実績をもってすべきだろう!


他人に命令することが自分にできるかどうか、貴官自らやってみたらどうだ!!


この瞬間、フォークはヒステリーによる神経性盲目を起こして卒倒、結果として邪魔者が排除されたことでグリーンヒルと代わるが、結局ロボスが昼寝をし、しかもグリーンヒルが「起こすな」というロボスの命令に律儀に付き合ってしまった。


このうえは前線指揮官として部下の生命に対する義務を遂行するまでです
総司令官がお目覚めの節はよい夢をご覧になれたかビュコックが気にしていたとお伝え願いましょう


怒りに燃えるビュコックだったが、もはやグリーンヒルを怒鳴ったところで何にもならない。
ビュコックの目的は、もはや戦勝ではなく、いかに部下の命を守りつつ戦うかに代わっていた。


そして撤退の決断ができない中、10月10日、士気の下がった同盟軍に帝国軍の反撃が始まった…




そして政府の支持率低下にトリューニヒトはほくそ笑む。




惑星リューゲン軌道上
第10艦隊 ウランフ中将
vs
ビッテンフェルト(黒色槍騎兵)艦隊


降伏は性に合わん。逃げるとしよう


先鋒として最も帝国領深く入り込んでしまったウランフに襲いかかったのは帝国軍最強の攻撃力を持つ黒色槍騎兵艦隊。
同盟側が数も士気も劣る状況の中同レベルの損害を与えつつ戦線を維持していたが、半包囲され4割の損害を出したことで撤退を指示。
黒色騎兵艦隊の包囲網に対し、一点突破からの脱出を計る。
味方を逃がすため自ら殿となり、半数を逃がした所でミサイル庫に被弾。磐古は撃沈する。



ビルロスト星系
第5艦隊 ビュコック中将
vs
ロイエンタール艦隊


ここは逃げの一手じゃ、全速でイゼルローンへ撤退するんじゃ。


ヤンと同じく、初めから撤退準備を進めていたビュコック。
しかしロイエンタールの猛攻の前に、3割もの犠牲を出してしまう。
藤崎版では両提督の対決が少し描かれており、老将に敬意を示しつつ変幻自在の陣形で第5艦隊に迫るロイエンタールに、
地の利を生かした老練さで対抗するビュコックが好勝負を演じている。


ドヴェルグ星系
第7艦隊 ホーウッド中将
vs
キルヒアイス艦隊


圧倒的な戦力を前にホーウッドは降伏する。ノイエ版では降伏はしていなかったが…(後述)
この時ヴァーリモントは、テレーゼと共に亡命している。



アルヴィース星系
第9艦隊 アル・サレム中将
vs
ミッターマイヤー艦隊


な、なんと素早い!まるで「疾風」だ!
いかんな、少し速度を落とさせろ。距離を置かんと攻撃もできん


撤退してる筈なのになぜかミッターマイヤー艦隊に追い越される。
その上に同盟軍の艦隊に存在する謎のワイヤーに打ちつけられ、指揮権をモートンに委ねて医務室へ。
パラミデュースはなんとか撤退に成功する。
なお、ミッターマイヤーが「疾風ウォルフウォルフ・デア・シュトルム」の異名をとるようになったのはこの時から。



ヴァンステイド星系
第8艦隊 アップルトン中将
vs
メックリンガー艦隊


メックリンガーの的確な攻撃と攪乱戦法で3割程度の損害を出すも、クリシュナはなんとか戦場を離脱する。


惑星レーシング軌道
第3艦隊 ルフェーブル中将
vs
ワーレン艦隊


おお!?


火竜の攻撃で撃沈された幕艦の巻き添えをくらい、ク・ホリンは惑星レーシングに墜落。そのまま爆発。
出番が10秒足らず、台詞も一瞬で終わったことで評判。



ボルソルン星系
第12艦隊 ボロディン中将
vs
ルッツ艦隊


ルッツ艦隊の急襲により、第12艦隊は旗艦以下8隻にまで減らされる。
ボロディンは自害し、指揮権を継いだコナリー少将は降伏を選んだ。



「私は降伏をいさぎよしとはしない。だが、私以外なら違う考え方もできよう」


バシュン


「ボ、ボロディン……提督……」




ヤヴァンハール星系
第13艦隊 ヤン中将
vs
ケンプ艦隊


フィッシャー少将の天才的艦隊運用と、ヤンの采配がかみ合った結果、第13艦隊はケンプ艦隊に優位を築く。


よし、全艦隊!逃げろ!


自分1人勝ったところで戦況が逆転しないことが分かっているヤンは、後退を始めたケンプ艦隊を深入りせずに撤退を図る。
ケンプは撤退も罠とみてこちらも深追いを避けた。
被害は大分抑えられたが、この戦いで同盟軍のスパルタニアン撃墜王4名の内サレ・アジズ・シェイクリ、ウォーレン・ヒューズ両大尉が戦死している。


この後、ドヴェルグ星域へ向かう途中、キルヒアイス艦隊と鉢合わせになる。4倍の戦力を持って消耗を強いるキルヒアイスに対し、ヤンは時間稼ぎしつつ徐々に下がろうとしたが、無茶な撤退命令が出たことで余計な損害を出した。損害は1割程度。
なお、ノイエ版では降伏していなかったホーウッド艦隊の残存艦隊の横槍で撤退に成功している。


帝国軍に一方的にしてやられた同盟軍の戦果は酷いものだった。

  • 戦死者-ウランフ、ボロディン、ルフェーブル、チェン、サレ・アジズ・シェイクリ、ウォーレン・ヒューズ
  • 重傷者-アル・サレム(後に死亡)
  • 降伏者-ホーウッド、コナリー

この時点で健在だったのは、ビュコック率いる第5艦隊(3割減)、アップルトン率いる第8艦隊(3割減)、ヤン率いる第13艦隊(1割減)のみであった。
普通ならこの大惨敗の時点で作戦を諦め、本土へ帰還する道を選ぶだろう。だが・・・


このまま引き下がるわけにはいかんのだ!

全軍をアムリッツァ星系に集結!これは命令である!


戦場から離れて昼寝していたクソジジイラザール・ロボス元帥の、無謀且つ稚拙な命令で同盟軍はアムリッツァ恒星系に集結する。


何を今更…!退けるものなら、とうに退いておるわ!!


当然ながら、提督達は激怒。しかも、この転進で同盟軍の被害は更に拡大してしまった。


遅まきながら兵力分散の愚に気づいたと見えます
やつらがアムリッツァを墓に選ぶというなら、その願いを叶えてやろう


一方同盟軍の動きを察知したラインハルトも、麾下の全軍にアムリッツァへの集結命令を出した。



【アムリッツァ星域会戦】

同盟軍
第5鑑隊 ビュコック中将
第8艦隊 アップルトン中将
第13艦隊 ヤン中将
他第9・10艦隊残存勢力


帝国軍
本隊
ローエングラム艦隊
ミッターマイヤー艦隊
ロイエンタール艦隊
黒色槍騎兵艦隊
ケンプ艦隊
メックリンガー艦隊


別動隊
キルヒアイス艦隊
ワーレン艦隊
ルッツ艦隊


10月14日の集結時点で、同盟軍戦力は健在3個艦隊に他艦隊の残存艦を編入した結果、4~5万隻程度は残っていた。
一方ラインハルト軍は「10万隻の追撃戦は初めてみる」という台詞の通り、キルヒアイス艦隊(ヤン艦隊の4倍の戦力)を含めて10万隻程度であり、
開戦時点では6~7万隻程度だったと思われる。回復した占領地に戦力を割いた結果、各艦隊はかなり額面割れしていたのだろう。


後方に機雷群を設置して戦いを挑む同盟軍だが、確かにこの程度の戦力差なら地の利を考慮すれば勝機がないわけではない。
もっともこの時点で勝利を収めてもすでにもたらされた大損害を補えるわけではなく、「一方的に負けたわけではない」という言い訳作り以上の意味はない。
要するに戦略的には全く意味のない戦いでしかなかった。


とはいえ、ここで逆転勝利できれば、味方の戦意高揚、政権の支持率回復、すでに損害の出た軍に対するスムーズな再建の可能性、ヒビが入っていた軍と政府の関係改善など、政略的には大きなメリットとなりえた可能性は高い。
「戦勝」を大きく掲げて人々を高揚させ、一転して軍や組織の再編に乗り出し、勢いをつけて政治体制の一大変革・国家規模の再編さえできる。
確かに純粋に軍事だけを見れば無意味かもしれないが、政略的には活かす手はあった。もちろん勝つことができればであるが、戦力的に勝算もなくはない。
そんなリアル政治家のビスマルクもビックリの辣腕な政治家が当時の同盟にいたかは別として


開戦後、ミッターマイヤーがヤンに出鼻を挫かれたことで、ラインハルトも遠距離射撃により牽制攻撃に出ており、戦いは一進一退であった。


そこへビッテンフェルトが割り込んでいく。


進め進め!勝利の女神はおまえらにその下着をちらつかせているんだぞ!


側面からかけられたこの猛攻に、最初の標的となった第13艦隊はかろうじてかわすが、その先には第8艦隊が・・・。


私はいい・・・


機関部に被弾した旗艦クリシュナは動力を失い、恒星アムリッツァへと落下していった。
アップルトン中将は総員退避を命じ、自身はクリシュナと共にアムリッツァへ沈んだ。
なお、この描写はあくまでOVA版で描かれたものであり、原作ではアップルトンが戦死したという直接の記述はない。


しかしそこで調子に乗るのがビッテンフェルトの悪い癖であり、背後に第13艦隊がいるにも関わらず回頭を行ったため、その隙を突かれ甚大な被害を被る。
そんな中、奇襲を任されていたキルヒアイス率いる別動隊が同盟軍の背後に出現。
後方に設置されていた機雷群を、指向性ゼッフル粒子で撤去されてしまう。
これにより同盟軍は瓦解。勝利は完全に帝国軍の手に渡った。


撤退する同盟軍に帝国軍は追撃を敢行するも、またもヤンの作戦が功を奏し、無事に全軍はアムリッツァ星域からの撤退は成功した。
各媒体によってその展開はそれぞれ異なり、

  • 原作・OVA

ラインハルトの10万隻の大軍に対してヤンの第13艦隊が殿を務め、一点集中砲火で敵軍を牽制。
したたかに痛めつけられて手薄になっていたビッテンフェルト艦隊を突くことで戦域からの離脱にも成功する。

  • 道原版

会戦開始前にヤンはアムリッツァの恒星内にレーザー砲台を搭載した無人の太陽ボートを仕掛けており、帝国軍に奇襲を仕掛ける。
さらにヤンの艦隊も手薄になっていたビッテンフェルト艦隊に集中攻撃を仕掛けて一点突破を図り、他の残存艦隊も続いて脱出に成功する。

  • 藤崎版

キルヒアイスが開いた機雷群の通路を利用し、大軍では一気に追撃できず包囲もできない中でその通路を通って戦域を脱出する。

  • Die Neue These

採掘の小惑星を盾に布陣していた同盟軍は推進装置を取り付けた採掘惑星を、巨大な質量兵器にしてビッテンフェルト艦隊を蹴散らしながら強行突破する。


いずれでもビッテンフェルトは玉砕覚悟で死守しようとするが、副官のオイゲンに宥められたことで辛うじて全滅は免れた。


怯むな! 反撃だ! 我が艦隊に退却の文字はない!!


閣下! もはや手遅れです! ここはお退きください! 再戦の機会を、再戦の機会をお待ちください!!


【戦後】

この戦いの後、帝国・同盟共に大きな政権交代があった。


帝国では皇帝フリードリヒ4世が崩御し、その後継者争いが起きたのである。
最終的には国務尚書リヒテンラーデ侯爵とラインハルトが擁立した、ルードヴィヒ皇太子の遺児であるエルヴィン・ヨーゼフ2世が第37代皇帝として即位した。さらにリヒテンラーデ侯爵は公爵・宰相へ、ラインハルトは宇宙艦隊司令長官グレゴール・フォン・ミュッケンベルガー元帥の勇退に伴い、侯爵・宇宙艦隊司令長官へ上った。
これに反発したのが、門閥貴族筆頭のブラウンシュバイク公爵とリッテンハイム侯爵である。彼らはフリードリヒ4世の娘を娶っており、自分たちの娘を皇帝に即位させるべく画策していたのである。
エルヴィン・ヨーゼフの即位は、外戚としての門閥貴族たちの力をそぐものであり、これに反発した彼らは帝国最大の内戦リップシュタット戦役を起こすこととなる。



一方同盟では敗戦の責任を負い、最高評議会はロイヤル・サンフォード議長以下出兵に賛成した議員全員が辞任、レベロ、ルイ、そしてトリューニヒトが残り、暫定議長にはトリューニヒトが就いた。
ウィンザーら賛成派は『人命より尊重するべきものがある』と主張して、2000万人の遺族の非難に反論するが『本音が軍上層や政治家の保身』とマスコミに切り替えされ、『辞めて責任をとった』と逃げていく醜態を晒していた。
軍部では元凶のロボス元帥は辞任し、シトレ元帥も巻き添えを食う形で辞任に追い込まれる。同じく元凶のグリーンヒル大将は国防委員会査閲部長へ左遷、最大の元凶のフォーク准将は今回の遠征を不正に政府に持ち込んだという罪状にもかかわらず発作が治らないまま予備役に編入され、精神病院に入院となった。


そして、明らかに非がないにも拘わらず、補給計画の失敗を取らされたキャゼルヌも左遷される事となった。


軍人が処罰されるのは、処罰されないことよりは正しいんだ。


多くの命や財産を預かる軍人に無責任があってはならない。
「仕方がなかった」で責任を取らない事態が正当化されてしまうなら、結果責任の方がよいし、軍人になるならその時点で結果責任も覚悟しなければならないのである。


統合作戦本部長には第1艦隊司令官のクブルスリー中将、宇宙艦隊司令長官にはビュコック中将、そして最前線となるイゼルローン要塞と駐留艦隊の司令官にはヤン中将がそれぞれ大将に昇進して就任した。
またキャゼルヌは後にイゼルローンの要塞事務監としてヤンと合流し、その事務面を支える大黒柱となった。
この大敗で同盟の宇宙艦隊は作戦に不参加だった第1艦隊と第11艦隊、第8艦隊や第10艦隊の残存艦隊を編入する形でイゼルローン駐留艦隊に再編された第13艦隊しか残らず、辛うじて残った第5艦隊なども各星系のパトロール艦隊に解体され、たった二度の戦いで同盟は保有していた12の宇宙艦隊の内、10個を失ってしまったのである。主だった提督たちのほとんどを失い、出征した兵士3000万人の内、実に2000万人つまり全将兵の四割を失った自由惑星同盟は、癒せぬ傷を負い…、



そしてトリューニヒトの台頭を招いた…


この一連の惨状は当事者達からは『アムリッツァの愚行』もしくは単純に『アムリッツァ』と呼ばれ、後世の歴史においても同盟の最低最悪の愚挙として語り継がれることとなる。


before第7次イゼルローン要塞攻防戦
next救国軍事会議のクーデター/リップシュタット戦役


高度な柔軟性を維持しつつ、臨機応変に追記や修正をお願いします。


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  • 正直焦土戦略は必要だったのかと
    あれだけ縦長に攻め入ったら、簡単に各個撃破出来るだろうに。 -- 名無しさん (2013-10-15 06:56:25)
  • ↑ラインハルトが民衆の支持を得るのも目的だったらしい
    略奪した反乱軍や
    食料を持って行った、他の帝国軍より
    私を支持しなさい的な -- 松永さん (2013-10-15 08:25:14)
  • 帝国軍(というよりラインハルト)の焦土作戦を見抜けなかった点で同盟軍の思考がどんだけ硬直していたかよくわかる。
    過去の歴史を学んでいたヤンは見抜いてただろうけど。 -- 名無しさん (2013-10-15 18:37:18)
  • この会戦もきちんと原作通りやっていればいいものを -- 名無しさん (2013-10-20 21:00:47)
  • ↑むしろ原作だと
    同盟軍の占領政策の破綻するまでが アニメでないとわからないことも -- 松永さん (2013-10-20 21:47:24)
  • フォークって トリューニヒト閥かと思ったら リンチの代わりにグリーンヒル派になったみたいね
    そりゃヤンに対抗心持つわな
    …義父さんの人を見る目… -- パキスタン (2013-11-09 20:22:16)
  • 一番酷いのは劣化ヤムチャが居なくても似たような事が起きたかも知れないって点だろう。
    腐った議会と衆愚の極みと言うか -- 名無しさん (2013-11-09 20:52:33)
  • 皮肉にも 政治に無関心所か むしろ市民の異常な政治への関心度が招いた悲劇か -- パキスタン (2013-11-09 21:05:22)
  • この段階でウランフやボロディンを殺す作者鬼畜過ぎる -- 名無しさん (2013-11-09 21:32:56)
  • 軍隊の新入りが考えた作戦が、国中から賛成されるってことが現実にあるのかねぇ -- 名無しさん (2014-02-04 18:00:40)
  • 多分成功すれば帝国を完全に打破する作戦っていう点だけ世論に強調されたんだろう。同盟の軍の良識派は、自分から進んでただの手足になりたがる人ばかりだから、世論に訴える能力ではな…… -- 名無しさん (2014-02-04 18:29:37)
  • ↑3当初は10巻も出るとは誰も思ってなかったから仕方ない -- 名無しさん (2014-09-29 18:57:27)
  • 第3艦隊司令ルフェーブルの不運は旗艦の名前が悪かったからだろうか。(ク・ホリン=クー・フーリンといえば幸運E、某麻婆神父に“お前の槍はなぜ当たらない”と詰られた5次槍の兄貴…) -- 名無しさん (2014-11-16 00:12:50)
  • ↑いや、もしかしてルフェーブルの不遇ぶりを、きのこ氏とかが見て、クーフーリンの幸運をEにした可能性もあるぞww -- 名無しさん (2014-11-16 09:15:07)
  • 同盟軍3000万が全て戦闘要員だと思っている人が居てちょっとビビった。アスターテ動員兵力見る限り一隻当たりの人数は100人ちょいだから戦用艦艇に乗ってた人数は半分もいかないんだよね。実際ビッテンフェルトにウランフは数で負けてる訳だし。 -- 名無しさん (2015-04-02 13:24:09)
  • はっきり言ってこの時点で「ましな負け戦」をしない限り、たとえフォークを事前に暗殺しても似たような結果が待ってたってのが… -- 名無しさん (2015-06-12 11:31:29)
  • 「全市民が死に絶えても果たすべき理想が~」とか目を開けて誇らしげに寝言をほざく人が最高評議会入りしてる時点で末期だなあとしか言えんわ -- 名無しさん (2015-06-26 15:29:18)
  • 一応アムリッツァ時点の同盟軍は3個艦隊+αで、なんだかんだでも5~6万隻程度を維持していた(それでも開戦時20万隻だから壊滅状態だが-損傷艦が後送されてるので全てが沈んだわけではないにせよ)。ラインハルト艦隊が全軍の3割を挟み撃ちのため別行動させていたことを考えると、会戦時点では5~6万vs7万の戦いなので、決して勝ち目のない戦いというわけではない。ここで勝ったところで何か意義があるのかというとないけれどw -- 名無しさん (2015-06-26 16:17:44)
  • ↑2 歴史上ではよくあることだけどね。戦前の日本政府「一億総玉砕!」 ヤンいわく。「戦争を始めるときは、『命より大事なものがある』と言い、やめるときには『命に勝るものはない』。 これを繰り返してきた」←この言葉のとおりに、ね。 -- 名無しさん (2015-09-02 13:23:34)
  • 正直この戦い、ラインハルトでなくてもほんの少し目端の利く軍人なら勝てるっていうくらい同盟必敗の体制なんだよな ラインハルトほど徹底的にはならないにせよ、似たような戦略は多分誰でも思いつく -- 名無しさん (2015-10-10 22:22:35)
  • あんな無思慮に帝国領へ侵入するのは論外としても、イゼルローン回廊出口側のある程度の領域を征圧して将来の橋頭堡を確保する、という程度の作戦だったらどうだったかな。まぁ、アスターテで宇宙艦隊全体の16%(12個艦隊中2個艦隊)の戦力を丸々失った状態でやるような作戦じゃないと思うけど。 -- 名無しさん (2015-10-15 12:42:53)
  • 初めから負ける為の戦いってのがな。マトモな思考してたら最初からやらん。柔軟と言えば聞こえは良いが、悪く言えば何も決めない場当たり対応を強いるって事だからな。 -- 名無しさん (2015-10-15 12:58:49)
  • ……実は評議会連中フェザーンの回し者だったんじゃないか?退場に見せかけて実は悠々隠居してたりして -- 名無しさん (2015-10-15 19:54:26)
  • いや、それはないと思う。ヤンが -- 名無しさん (2015-10-16 10:47:02)
  • ヤンが大勝したため、国全体が(一部の軍部を除き)帝国を倒せると錯覚しイケイケの状態になっていたのだと思う。しかし国の状態を把握しコントロールすべき政治家が戦争を続ければ支持率が上がるって理由だけで戦争に舵を切ったのには呆れると同時に寒気を感じたなあ。さらにこの時点で、評議会議員が支持率を気にしていることから隠居は全然考えていないと思う。 -- 名無しさん (2015-10-16 19:30:19)
  • ↑4 柔軟っていうのは、あくまで目標があるかあ生かされるのであって、この場合は目標が滅茶苦茶だもの。 -- 名無しさん (2015-10-17 18:26:31)
  • グリーンヒルの「どんなに馬鹿げた作戦でも、我々には選択権はない」という台詞が響くなあ -- 名無しさん (2015-10-17 18:36:40)
  • グリーンヒルといえば、OVA版では帝国領侵攻作戦の会議前に「娘役に立ってる?そっか、よかった」ってヤンに満面の笑顔向けてたのが印象に残る。あの場面のグリーンヒルの親バカぶりが好きです。 -- 名無しさん (2015-11-13 11:54:14)
  • 昔から疑問だったんだが、フォークって何故か変な権力持ってないか? -- 名無しさん (2015-11-13 12:51:41)
  • ↑ 権力持ってる人間(最高評議会とか司令長官)とパイプというかコネがあった印象がある。名家か何かの出身だったのかな? -- 名無しさん (2015-11-14 15:01:12)
  • 同盟軍の補給物資の欠乏が招いた事態って、各艦艇のガス欠ってのもあったと思う。帝国軍の反攻が開始された時点で文字通り身動きできない艦が続出してたって光景がアムリッツァ前哨戦では多々見られたんじゃないかな。 -- 名無しさん (2015-12-07 11:53:19)
  • 精神病が治ってなくても関係なく、責任とって刑務所ぶち込むなり銃殺刑に処するなりすればよかったのに……。そうすれば、その後がいくらかまだましだったかも。 -- 名無しさん (2016-01-27 13:58:57)
  • フォークを重罪にしてしまうと、キャゼルヌやグリーンヒルなんかの他の総司令部も裁かなきゃいけなくなる。彼の弾劾者の言う通り、彼は一参謀なんだ。左遷や予備役編入が妥当だろう。 -- 名無しさん (2016-02-13 03:45:11)
  • ↑むしろ実際は作戦案自体、統合作戦本部が立案したものでフォークはスポークスマンに過ぎず一参謀としての権限しかなかったけど、バーラト自治政府成立後にフレデリカの父・グリーンヒルやおそらく首脳陣入りしただろうキャゼルヌらへの批判を回避するためにスケープゴートにされたんじゃないかと思っている。精神病院の火事以降の描写も明らかに創作っぽいし。 -- 名無しさん (2016-02-13 07:06:54)
  • 何より問題なのは、トリューニヒトの前の政治屋どもや、あのクソジジイ(ロボス)が、あんな惨敗を喫して多くの人命を失いながらも、地位を失いはしたものの、のうのうと生きながらえていることだ。遺族からすれば、八つ裂きにしても飽き足らないだろうに(怒 -- 名無しさん (2016-03-25 15:16:14)
  • 法治国家だと法律違反以外は何やらかしても辞任すれば責任取った扱いになりますので。そういう奴が簡単に処刑される所だけは独裁が羨ましい -- 名無しさん (2016-04-22 11:35:27)
  • 民主主義の最高な点は支配者ではなく国民が責任を取ることらしいので、そういうことすると話の根幹ズレるから仕方ないね -- 名無しさん (2016-04-22 11:52:53)
  • 確か演劇版だとフォークがヤン達を愚弄するシーンでフォークに拍手喝采が浴びせられてたんだよな、当時の同盟軍どんだけ腐敗してたんだ… -- 名無しさん (2016-05-26 18:53:55)
  • イゼルローンとってイケイケドンドンになっちまったな。ありゃ慎重論とかは耳に入らんわ。 -- 名無しさん (2016-11-05 20:56:32)
  • この記事だとアムリッツァの戦いの最後がヤンがミラクル起こしたということになってるけど、原作では撤退途中で錯乱した一部の同盟軍の無謀な行動によって帝国軍が混乱し、そのおかげで囮となっていたヤン艦隊が離脱できた、という流れだったと思う。OVAはテープが痛んでてどうだったか確認できん。 -- 名無しさん (2017-09-07 00:31:02)
  • ↑ヤン艦隊は殿で奮戦しつつ脱出の機会を探っていた。層の薄いビッテンフェルト艦隊の弱点をラインハルトが補おうとしたところでそれをみた同盟艦隊がパニくり、帝国軍を巻き込んで混乱を引き起こす。その流れを見逃さずヤンがビッテン突破で撤退(原作)。アニメ版ではこのパニクる描写が省かれ、ヤンが最初から狙いを定めていたビッテン艦隊に突入して敵中をSHIMAZUしたことになっている。 -- 名無しさん (2017-10-03 11:48:45)
  • ほかの無能議員たちがヒャッハーしてる中で一人だけ冷静に反対票を入れているトリューニヒトが、ただの無能ではなく性質の悪い無能だということがよくわかる話 -- 名無しさん (2018-10-11 05:27:51)
  • 仮定の話だけど帝国領侵攻作戦が最高評議会で否決されたとして、それで本当に和平が成立したのかな?ただ単に攻守が逆転するだけで戦争そのものは終わらないような -- 名無しさん (2018-10-11 10:16:42)
  • ↑否決はほぼあり得ない。選挙の人気取りのために難攻不落のイゼルローンに兵を向け無駄死にさせた同盟、年中行事のように侵攻して領地を奪ったり奪い返されたりしていた帝国、言わば両国ともに『戦争ごっこ』していたようなもんであり、少なくとも指導者層に真面目に互いを倒そうと考えてる奴なんていなかったんだよ。どうせ今回もそんな程度で終わると思ってたからこそ評議会は軍を動かしたんだよ。目標が曖昧ってのは大きな間違いではっきりしている。「見栄えのするかっこいい戦果」だ。ラインハルトのような本気で戦争する輩がいるなんて、想像すら出来なかった -- 名無しさん (2018-10-20 00:23:53)
  • あまりにも同盟がアレだからあまり話題にならないけど、この時点でラインハルトは宇宙艦隊副司令長官で、18個ある帝国軍正規艦隊の半分しか指揮権ないはずなのに、平然と9個艦隊動員して司令官を自分で任免してるのは良いのか -- 名無しさん (2018-12-14 19:25:35)
  • 仮にラインハルト陣営の誰もいなかったとしても、消耗しながら進撃してくる同盟軍を元気で待ち受けている帝国軍が迎え撃つわけだから勝敗は明らか。ミュッケンベルガーやシュターデンでもじゅうぶんに勝てるだろう -- 名無しさん (2018-12-14 20:16:32)
  • フォークも問題だけども、そもそも一参謀でしかない彼の案がそのまま通ってしまう同盟自体大問題でしかないという・・・ -- 名無しさん (2019-10-31 23:35:24)
  • 戦果が支持率と結びつく同盟の国民性が問題の根本であり全てだと思う。健全な国であればば、無茶な作戦は軍の監査に通らないと考えればフォークが原因ではなく、軍の暴走は政治が止めるはずと考えれば軍部のせいではなく、民主政治は国民の希望の反映と考えれば政治家の責任ですらない -- 名無しさん (2020-04-19 16:28:53)
  • ゆーてあいつらイゼルローン攻略したってのに支持率低くて再選の見込みないんだぞ。あいつら国民の信任なんて受けてないの、こんな作戦決行していい立場じゃないの -- 名無しさん (2020-04-19 18:42:15)
  • ↑そこも謎だよな。普通はイゼルローン要塞攻略に成功した時点で支持率爆上げしてるはずだし。逆にイゼルローン攻略でも支持率が上がらないならこの作戦に成功しても支持率が上がるとは思えない。 -- 名無しさん (2020-04-19 19:03:22)
  • ↑たぶん、イゼルローン攻略に成功したヤン艦隊の活躍と功績そのものがあまりにも鮮やかで目立ち過ぎたのも原因なんじゃないかな。今までは戦死者を出しまくって数個艦隊動員しつつも6回失敗してたイゼルローン攻略戦や幾多の戦争と違って、ヤンの戦果は半個艦隊でしかも味方の被害ゼロという奇跡そのものだった訳だから。 -- 名無しさん (2020-04-19 19:28:36)
  • イゼルローンの件は明らかにヤン個人の功績だったから政府の支持率には関係なかったが、ヤンの人気ぶりを見て自分たちも軍事的功績をつくれば安泰だと思ったんだろうね -- 名無しさん (2020-04-19 20:05:37)
  • 「逆転勝利できれば~」は無理ありすぎだろ。前哨戦の段階でほぼ半分は失ってるんだから。会戦前に20万が10万にはなってるんだから、敗勢を覆い隠せるものじゃあるまいて -- 名無しさん (2020-04-19 20:43:16)
  • ↑4思うに会議の時にロイヤル・サンフォードが出した支持率のデータって実は第7次イゼルローン要塞攻防戦の前に取られたアンケートによるものなんじゃないだろうか?政権支持率のアンケートって集計が出るにはタイムラグがあるし、嘘ではないが真実ではないデータを用いて議論を自分の望む方向に導くのは現実でもよくある手法。 -- 名無しさん (2020-04-20 00:19:29)
  • あと、これも想像だけどサンフォード自身かその側近辺りにゾルゲ事件みたくフェザーンの工作員が居る気がする。フェザーンとしては自由惑星同盟と銀河帝国が延々と不毛な争いを続けてくれるのが最も国益に叶う訳だから、イゼルローン要塞が自由惑星同盟の手に落ち、剰え両国の間で和平が成立するのは避けたい。そこでサンフォードを使って同盟軍を出兵させ両国の戦争を継続させようとしたんだと思う。フェザーンとしては最悪でも小競り合いが起きて両国の和平推進派が口を噤むようになればラッキーくらいの心算だったんだろうけど、総司令官のラザール・ロボスがフェザーンの想像を超えて無能だったので同盟軍が壊滅してしまい完全に軍事バランスが崩れてしまった -- 名無しさん (2020-04-20 00:21:06)
  • 一番悪いのはフォークだとして、他の「良識派」提督もかなりの責任があるよね。具体的な作戦が決まってないなら「では今この場で決めようではないか」と誰も言わなかったのだから。まだ決まっていないことを話し合って決めるのが会議ってもんだろ。 -- 名無しさん (2020-06-05 17:41:54)
  • ↑たぶん、あの場面だとフォークの弁舌で「敵地なのだから敵はわんさかいるのは当然。細かいことは良いからとにかく倒しまくって、進撃すれば良いのだ。そんなことも分からないか?」といった感じで黙らせてきそう。 -- 名無しさん (2020-06-15 19:01:32)
  • ↑2 作戦を決めるためにはそもそも作戦の目指すところ、つまり戦略的目標がはっきりしてなければならないが、この侵攻作戦の場合はそもそもそれがないから作戦が具体策の部分まで踏み込みようがない。「とりあえず敵地に侵攻して、あとは状況次第」というメチャクチャなプランなので、提督たちだってそりゃ出たとこ勝負しかできんよ。 -- 名無しさん (2020-06-22 23:40:04)
  • この戦いで同盟軍の主力のほとんどを壊滅させたから後のラインハルトの遠征でも事実上、消化試合も同然な楽勝ムードになって銀河統一を早めた訳だけど、逆に言えばあまりにも早く倒しすぎたことでローエングラム陣営の若手や後進の将校たちが経験を積む機会までも失わせてしまったことを意味する。なので、後に大将級以下の将校たちが能力不足のままだったり、精彩を欠いたりといった問題が浮上する結果を招いた。そういった意味じゃ、ラインハルトはいくら何でもやり過ぎたと言える。 -- 名無しさん (2020-09-04 16:31:00)
  • ↑ローエングラム王朝の将軍の年齢大体30代くらいだからその辺は大丈夫だろう。最悪でも20年平和を保てればアレクサンデル帝も成人して親政可能になるし。その時には若手も育っているはず。むしろ個人的にはビッテンフェルト辺りが何時までも軍に居座って老害化しちゃいそうなのが心配 -- 名無しさん (2020-09-04 23:39:58)
  • ラインハルト最大の失敗は、あまりにも有能過ぎたせいで簡単に帝国を手に入れ過ぎてしまった事だ。戦争しか楽しめない男なんだから、もっと苦労して戦い続けても問題ない、むしろそれを内心望んでいたはずだ。だけどアムリッツァに限らず同盟も帝国の敵勢力はほとんど無能揃いだったため勝ち過ぎて全てをあっさり手に入れ過ぎた。唯一自分を楽しませてくれるヤンもいなくなったし、暇を持て余すのに耐え切れず未知の病気という形で肉体が死を選んだんじゃないかと思っている -- 名無しさん (2020-09-05 00:46:42)
  • 焦土作戦はヴェスターラントの時と同様、あるいはそれ以上に非道な策で事実上、ラインハルトのマッチポンプになった訳だから、真相を知った遺族が「自分で民衆を戦争の道具にしておきながら、英雄を気取るのか偽善者め!」って感じでヴェスターラントと同様の暗殺者が出てきてもおかしくなかった。 -- 名無しさん (2020-09-28 02:05:11)
  • この場合はラインハルト自身がキルヒアイスに言った通り「(帝国が)勝つため」に焦土作戦を行ったわけで、いわば「公益<より大きな公益」を止む無くやった形。片やヴェスターラントの場合は、止めることも可能だったのにラインハルトが個人的な利益のために止めなかったという「公益<私益」をやってしまったケースで、同列に置くことはできない。 -- 名無しさん (2020-11-30 17:57:50)
  • それでもラインハルトが自ら民衆に犠牲を強いたという事実は残るし、民衆からしてみればヴェスターラントのと同じで「多数を救うために止む無く少数を犠牲にしたと、自分達を正当化するんだ。だが、その犠牲になった少数の中に貴様ら自身や貴様らの親兄弟が入っていたことが一度だってあるか!」になるわけで。しかも、人数的には200万のヴェスターラントより遥かに大きい5千万~1億が最低でも苦しみ、中には暴動で殺されてるからラインハルト達が解放しても「帝国軍は民を守ろうとしないで食糧を持って逃げた。今さら戻ってきてなんのつもりだ」と少なからず怒りや不信を抱く者はいると思う。 -- 名無しさん (2020-12-13 11:05:56)
  • 「多数を救うために止む無く少数を犠牲にする」というのはそもそも戦争、ひいては国家自体がそういう性質なのであって、それ自体に関して作中人物はネームド・モブを問わず基本割り切っている(無論ジェシカのようにそれ自体の是非を問う人もいるが)。この場合重要なのは後半の「貴様ら自身の~」という部分で、つまり「戦争による犠牲なら仕方ないと怒りや不信も飲み下せるが、私欲による犠牲とあっては許せない」というのが怒りの根幹なんだ。ラインハルトの受け止め方も同様で、多くの犠牲を出した人道的な側面ではなく、自分の利益のために多くの犠牲を出した「卑劣」さを恥じているでしょ。 -- 名無しさん (2020-12-13 17:50:03)
  • 「帝国領で同盟軍による略奪が起きた」と明言されているのはOVAだけかな?原作小説や道原版には直接の描写は見当たらなかった。まあ本部からの物資現地調達命令に「略奪やれってことかよ!」と怒る占領軍司令や自分達が飢えてる状況で物資供出を続けることに不満を見せるヤンの部下はどちらも描かれてるし、横行とまではいかずとも一部では起きたかもしれないなと思える状況だけど。 -- 名無しさん (2020-12-13 20:45:50)
  • 焦土作戦は味方の憎悪を買いやすい戦術なので、焦土作戦に帝国が走った時点で撤退か少なくとも戦線拡大を止めれば、帝国に対する国民の支持に打撃を与えることもできたんじゃないだろうか。「帝国軍は決戦を避けて逃亡、帝国に物資を奪われた帝国住民を救済しました」と言えば、戦勝ほどでなくとも評価はされそうだし。 -- 名無しさん (2021-01-27 18:22:23)
  • 専制国家である銀河帝国は別に国民の支持によってなりたってる体制ではないので、辺境での支持が下がっても国にとってさしたる打撃にはならないし、同盟側としてもその程度では選挙情勢を挽回しうる「大戦果」とはみなしがたいだろう。 -- 名無しさん (2021-03-06 09:00:34)
  • ちょっとピンポンダッシュしたら帰って頑張ったアピールして終わりで良かったと思うんだけどな。オーディンまで侵攻する気だったんか? -- 名無しさん (2021-11-30 04:45:45)
  • ↑オーディンまで行く気だったよ?というかこの場合、いちいち占領・解放なんてせずにオーディン直撃なり恒久的拠点建設を目指すべきだったんだよね、後年のラグナロック作戦のように。 -- 名無しさん (2021-12-29 14:49:19)
  • オーディンまでっていうのは所詮結果論で、フォークはそもそも「ヤンより自分の方がすごい」という自尊心や虚栄心を満たすのが目的だから適当に戦いに勝って目立つことしか考えてないよ。 -- 名無しさん (2021-12-29 15:07:14)
  • フォークも政府も戦略的意義が乏しい上に「じゃあどこまでやったら終わりにするの?」が実質未定な辺り、普通にラインハルトが相手でなくても負けてたよな… -- 名無しさん (2022-01-01 13:58:55)
  • 「廟算ではっきりと勝利までの戦術が決まらないなら戦争しちゃだめ」と戦術での大先輩の金言があるのに… -- 名無しさん (2022-01-01 14:06:36)
  • しかもヤンは士官学校時代に兵站をついて模擬試験で勝利を得たのたいして、フォークは補給線をかえりみずに作戦を遂行するという皮肉 -- 名無しさん (2022-01-01 14:08:58)
  • ↑6 帝国出兵前の会議でウランフがそれを確認したんだけど、フォークから返ってきたのが「高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処する」という迷言だったのよ。誰も作戦のゴールを考えてなかった。↑5の言うようの「終わりを決めない→帝国完全制圧もできるはず」とも考えていたのかも分からないけど。 -- 名無しさん (2022-01-01 14:19:46)
  • 勝利の女神が下着をチラつかせるって表現好き -- 名無しさん (2022-01-09 19:14:00)
  • 明確な目標も無く行き当たりばったりな進軍させられるのは流石に不憫… -- 名無しさん (2022-01-10 03:16:01)
  • 銀英伝の民主国家ヘイトの代表例 -- 名無しさん (2022-08-10 16:52:44)
  • ↑というか、隣国が民主主義ヘイトクライムの権化な独裁国家だから必然として同盟にはこれしか√がない -- 名無しさん (2022-08-10 21:56:46)
  • 何が怖いって、この作戦をラインハルトが平然とやってること。キルヒアイスが少し顔を顰めた程度だったということ。他の指揮官達が一切反対しなかったということ。帝国軍の軍人は、指輪奪おうとして婆さん殺した貴族を射殺したり婦女暴行犯を銃殺することはあるくせに、なぜかラインハルト主導の作戦となると民間人の犠牲は全く気にならなくなるらしい。 -- 名無しさん (2022-08-31 00:41:06)
  • 別にラインハルト主導じゃなくても同じだと思うよ。銀河帝国の軍隊は同盟側やとはそもそも軍の立ち位置自体が根本的に異なるし、故に所属人物の価値観も異なる。国民主権の同盟では、軍は国民の生命と財産を守るために存在しているので、理論上「兵100万人の被害<民間人100人の被害」になってしまう(ビュコックの言う通り、実際は建前だとしても)が、専制国家である銀河帝国にはそんな制限はない。よって「兵100万人>民間人100人」が普通にできるし、将官たちも「最終的に犠牲が少なく済むのだからそちらのほうがよい」という結論を出す。現代日本の一般的価値観からすれば後者は当然受け入れがたいだろうが、徴兵されて強制的に兵役に従事してる帝国兵からすれば、「お前ら民間人を守るために犠牲になれ」と言われても、同様に受け入れがたいだろう。政体と価値観の違いだよ。 -- 名無しさん (2022-08-31 18:32:28)
  • 確かラインハルトはリンチに「お前は卑怯者だ。守るべき民間人も、指揮すべき兵も捨てて逃亡した恥知らずだ」といか言ってよな。これは建前であって本音ではなかったのかな。自分の能力が及ばない事態に陥って民間人を見捨てて逃げたリンチと、当初から民間人を犠牲にする気で見捨てたラインハルトでは、後者のほうが悪辣な気がするが、これも所詮は価値観の違いか…。 -- 名無しさん (2022-09-01 08:39:33)
  • リンチは同盟の軍人で、つまり民間人を守るのが義務でお仕事だからね。そしてそれを果たしてない。逆にラインハルトは帝国の軍人なので別に民間人を守るのは最優先義務ではない。帝国にとって重要なのは「これが一番被害が少ない勝ち方である」という事実。なだれ込んできた万全な状態の同盟と真っ向勝負して多数の兵員を失い、その後国境地帯で占領したり取り返したりで民間人に多大な被害を出し続けるのにくらべれば、敗勢の敵を追い散らして出た損害&暴動鎮圧に伴って出た多少の死傷者ぐらいで済むのははるかにマシ。同盟は国家理念の都合でそういう切り捨て方はできないが、帝国の方ではそうできるのだね。 -- 名無しさん (2022-09-01 18:49:34)
  • そしてさらに言うなら、ラインハルトは全体の損害を抑えて確実に勝つため、つまり公人として公益のために民間人に多少の犠牲が出ることを選んだのだが、リンチの場合は民間人を守るのが責務にも関わらず、命が惜しくなって逃げだした、つまり私益のために公人でありながら民間人を犠牲にしたわけで、その点でもリンチの方が悪辣……というとトゲがあるけどもまあタチが悪いと思うぞ。 -- 名無しさん (2022-09-01 18:56:46)
  • 銀英伝の民主国家ヘイトの代表例 -- 名無しさん (2023-06-03 14:33:26)
  • ↑田中芳樹氏達の世代は今に偉大なる指導者が腐敗した自民党政府を打倒して政権交代してくれると信じてた時代だからな~。タイタニアを書いてた頃になるとその希望も打ち砕かれて筆が滑りまくってたがな -- 名無しさん (2023-06-03 15:02:41)

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*1 第1艦隊は首都直衛艦隊であり投入不能
*2 第2、第4、第6艦隊はアスターテ会戦後の残存戦力を第13艦隊へ再編・吸収され欠番状態

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