機動戦士Vガンダム

ページ名:機動戦士Vガンダム

登録日:2010/10/01(金) 00:52:16
更新日:2023/08/10 Thu 13:55:20NEW!
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富野『このDVDは、見られたものではないので買ってはいけません!』





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消えゆく命があります。それは私の、そして全ての子供達の母の物でした


生まれくる命があります。大きな未来を宿した命が


子供達には、その輝きがとてもよくわかるのです


次回、



機動戦士ヴィクトリーガンダム



『消える命、咲く命』。 見て下さい!




〈概要〉

1993年から全51話が放送されたTVアニメ。
TVで放映されたガンダムシリーズとしては四作目で、UCを舞台としたアニメ作品としては最も後の時代を描いている。


ガンダムシリーズの中でも一、二を争う程残酷なシーンが多く、新キャラが出てきたと思ったら名前を覚える前に死んだとかざらであり、
次回予告で名前を呼ばれたら死ぬとまで言われたほどの、セリフがあるキャラの死亡の多さである。
内容もかなり重苦しいものになっており、所謂「黒富野」「皆殺しの富野」と呼ばれる作風の作品の一つとしてファンからは認識されている。


これは制作当時、総監督であった富野由悠季半ば鬱状態であったことも影響していたと言われている。


その理由はサンライズがバンダイへの身売り前でとっちらかってたとか、馴染みのベテランアニメーターが引退して新人ばかりだったとか様々。


そのためか、富野はこの作品のDVDボックスが出た際に「この作品はとても見られた物ではないので買ってはいけません!」という前代未聞のコメントを出した。(尚これは購入者しか見れないDVDブックレットでのコメントであり、そう書けば売れるんでしょう。とも付け足してはいる)
Blu-ray化の際には「この作品は全否定したいと思っているものです」「購入者にはあら捜しをして欲しい(意訳)」とのコメントを寄せており、やはり否定したい作品のようだ。いつもの%%ツンデレ%%かもしれないが


その一方で何時インタビューやイベントに出ても『バイク戦艦のデザイン』『ウッソをはじめとしたキャラクター』『作品を通じて一人前に成長したスタッフ』等は手放しで褒めたり*1愛着を持ってはいるのでその辺は色々と複雑なようだ。


内容も暗く敵側のMSデザインも万人受けするものではないためやや知名度が低く、比較的マイナーな作品である。
だが、富野の黒さが凝縮されたような作風は、ガンダムファンや当時観ていた人達も魅了。特に「リーンホース特攻」はガンダム屈指の名シーンとまで言われた。
また、戦争等の風景をよく描かれたシナリオもよくできており、ファンが少ないわけではない。むしろ多い方である。


下ネタの多さに関しては以前「自分の小説版はアニメで溜まったストレスの捌け口(意訳)」と富野は語っており、
富野小説にはエログロが満載なのだが、Vガンでは小説まで我慢できずアニメにまでその片鱗が見え隠れしている辺りフラストレーションは相当なものだったのだと伺い知れる。
中には「ウッソがパンツ一丁(最後の方で奪われフリチン)で敵基地を脱走、敵兵に見つかるも皆硬直して一瞬見逃す。」という、本作で珍しく笑えるだけの話もあったりするのだが、
終盤でウッソが敵の最終兵器に乗り込んだら「裸(水着)のお姉さんがいて幻と思ったら、本物で先制攻撃される。」という立場逆のギャグ皆無の展開もあったりする。


制作局が名古屋テレビからテレビ朝日に移行した関係で提供クレジット機動戦士ガンダムΖΖまでのブルーバックからイラスト入りの静止画に変更されている。



〈ストーリー〉

宇宙世紀0153、サイド2に存在するザンスカール帝国はギロチンを用いた恐怖政治とマリア主義を掲げてベスパと呼ばれる軍隊を地球に派遣した。
堕落しきっていた地球連邦軍に喝を入れるべく活動していたレジスタンス組織「リガ・ミリティア」は抵抗のシンボルとして有名だったMS「ガンダム」にあやかってVガンダムを開発。
ベスパに対して徹底抗戦の構えを見せた。


ひょんな事からVガンダムに乗ることになってしまった少年ウッソ・エヴィンは、多くの人々の死を目の当たりにしながら、戦場を駆けていくのであった…



〈登場人物〉

CV:阪口大助
今作の主人公。
13歳ながら抜群の操縦テクニックを持ち、本人に悪気はないものの大人達を不快な気分にさせることがある。
母親の姓がミゲルなため、シャアとナナイ・ミゲルの子孫という説もあったがデマである。
ある意味ガンダムの中で大人のジャンルに入るキャラ。
「陰毛はまだ生えていない」と劇中で確認できる*2珍しいガンダムキャラ。



CV:黒田由美(現:市原由美)/小林愛(「SDガンダム GGENERATIONシリーズ」一部作品)
ウッソの幼なじみで今作の(多分)ヒロイン。
一部では死神とよばれ恐れられている。



CV:渡辺久美子
ガンダム史上最凶の女性で、担当声優に『どんなキャラか解らない』とまでいわしめた。
詳しくは項目で。



  • マーベット・フィンガーハット

CV:白石文子/木村亜希子(『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』以降のシリーズ、スーパーロボット大戦30)
ウッソ達のお姉さん的存在。何気に作中で最も背が高い。



CV:中田雅之/福島潤(『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』以降のシリーズ、スーパーロボット大戦30)
リガ・ミリティア内ではウッソの先輩にあたる兄ちゃん。15歳。ウーイッグの子供達のボス。
ややDQN臭がする台詞を連発するが基本的には良い奴。
特技は投げナイフ。
トマーシュとコンビを組みガンブラスターを駆る。
中盤でパイロットとして戦場に出るが…。
何故殺したし。
ファンの嘆きが届いたのか、この件に関しては富野は後にイベントで謝っていた。
漫画版では「タンカー投げ」が最強技。



  • ウォレン・トレイス

CV:松本梨香
ヘタレ。パイロットにはならなかったので最後まで生き残ったが、恋愛では負け組。



  • スージィ・リレーン

CV:こおろぎさとみ
オデロ、ウォレンの妹分。とあるシーンで幾多のロリコン共を興奮させた。
ビームローターの音を聞くと身動きが取れなくなるというトラウマ持ちだったが、克服したのか徐々に見られなくなっていった。



CV:檀臣幸
今作のライバルキャラで…なのだが、変に常識人な所が狂気に染まった濃いキャラ達に喰われ、
一部では「カテジナのファンネル」だの「クロノクル・アチャー」だの散々なあだ名を付けられている。


悪役にしては良識的であり半端に良い人すぎた。*3
彼の死亡シーンはかなり生々しく、小さい子が見たらトラウマ物だろう。
「アシャー」を並びかえると…



  • トマーシュ・マサリク

CV:関智一
オデロと同じくウッソの兄貴分。基本的に慎重な性格。
オデロと共にホワイト・アークにてガンブラスターを駆る。
結構空気が読めるイイ人。実はリガ・ミリティアの子供キャラ最年長。17歳。褐色の美形。


最終決戦後は戦死していないにも関わらず一度も登場しないが、
これは担当声優が次の番組主役であるため、視聴者が声を聴いてトマーシュと混同しないようにした配慮である。



  • エリシャ・クランスキー

CV:柳沢三千代
美人。オデロに好意を寄せられ、後に相思相愛となるが…
あっ、おちんちん



  • マルチナ・クランスキー

CV:吉田小南美
エリシャの妹。ウォレンに好意を寄せられるが、姉とは違い全く相手にしなかった。



  • ドゥカー・イク

CV:中田和宏
キャーイクサーンではない、どっか行く
金髪におヒゲ、ハーレーが似合うナイスなおじ様。バイクに命を賭けており、初登場時の第一声が
「バイク乗りの魂を見せてやる!」
地球をバイク乗りの楽園にしてやる!」
視聴者をドン引きさせたヒゲ、しかし熱い男、そして頭が時々ロココ調になるのはご愛嬌。



CV:加藤治
リーンホース及びリーンホースjrの艦長。決して夜天の書の主ではない。
無精髭にメタボなおっさんだが、この人の台詞は一々カッコいい。
終盤での名言連発はカッコいいの一言に尽きる。


ただし上述のリーンホース特攻は富野曰く『特攻はお手軽に感動的な画になってしまう』と反省材料になっている。



〈余談〉

新世紀エヴァンゲリオンの監督として有名な庵野秀明はこの作品の大ファンだとか。エヴァもエヴァで陰鬱さは本作に負けず劣らずである。


この陰鬱さに耐えられない人には『コミックボンボン』連載の漫画版がおすすめ。
基地外のボルテージは漫画の方が上かもしれないが。
ウッソ「貴様は電子レンジにいれられたダイナマイトだ メガ粒子の閉鎖空間の中で分解されるがいい」


シリーズの中でもマイナーなせいか、主役機以外の機体がプラモデルなどで立体化される機会に乏しかったが、MSアンサンブルではV2ガンダム以外にもザンネックやらゲドラフやらアインラッドが商品化されファンを驚かせた。
また、宇宙世紀の中では後の時代かつ内容を大真面目に再現しようものならCERO爆上がり確実なためか、スパロボなどでの参戦の機会も少ない。
スパロボの方も2003年の『D』から2021年の『30』まで18年間も本家シリーズへの参戦が空くこととなった。


本作放送と同じ時期に、同じサンライズ制作、同じ局で『勇者特急マイトガイン』が放送された。ここから、ガンダムシリーズ勇者シリーズが同じ時間帯で放送されるようになる。両作品とも全く違う作風であり、見比べてみるのもまた一興。


宇宙世紀作品といえば無節操に増える外伝漫画が定番となっているが、本作にはそういった類はあまり存在せず、
『機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス』と『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』くらいしか同時代を描いた作品は存在しない。





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*1 千住明が手掛けた劇伴は特に高く評価している。
*2 第29話の建物から飛び降りる場面参照。
*3 彼以外にもザンスガール帝国関係者は平時は人格者だったりする描写が多い

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