aklib_operator_ロスモンティス

ページ名:aklib_operator_ロスモンティス

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プロファイル

基礎情報

【コードネーム】ロスモンティス

【性別】女

【戦闘経験】一年

【出身地】クルビア

【誕生日】7月6日

【種族】フェリーン

【身長】142cm

【鉱石病感染状況】

体表に源石結晶の分布を確認。メディカルチェックの結果、感染者に認定。

能力測定

【物理強度】普通/■■

【戦場機動】標準/優秀

【生理的耐性】普通/卓越

【戦術立案】標準/――

【戦闘技術】普通/標準

【アーツ適性】卓越/――

 

以上の試験結果はそれぞれロスモンティス及びそのアーツの測定可能な上限値である。ロスモンティスのアーツに関わる試験の全ては室外に移行する。

個人履歴

ロスモンティスはロドスのエリートオペレーターであり、極めて珍しいアーツを身につけている。大型生物への対抗、硬い対象の破壊、施設の緊急制動や小規模衝突の中断などの任務において素晴らしい働きを見せている。また、陣地攻略戦、陣地戦、殲滅戦などにおいても極めて強い戦場掌握能力と著しい戦術的価値を見出されている。今はケルシーの指示により、殲滅戦のコアメンバーの一人として活躍している。

ロスモンティスの他全ての資料は高権限データベースに移行する。

健康診断

造影検査の結果、一部の臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果に異常があり、鉱石病の兆候が認められる。以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

 

【源石融合率】<1%

 

【血液中源石密度】0.13u/L

 

今知られるほとんどの身体器官の結晶化と源石の増殖現象は、基本的に血液中源石結晶の過剰な累積による局部的病理変化だ。

ああ、Touch、君の推測は大体合っている。

この特殊個体は感染者とは呼べるのだろうが、鉱石病とは言い難い。

彼女の脳幹にある感染器官は自然に生まれたものではない。そうだ……人工的に移植されたものだ。Raidianの調査報告を参考に、その装置は完全に人工的産物であると確定できる。

 

スペクターの感染もこの特殊個体と同じく人為的な感染と言えようが……スペクターの免疫システムが激しく源石感染に抗っているという生理現象はひとまず置いておくとして……スペクターの脳脊髄液に含まれる高濃度の液体源石は確実に彼女の命を脅かしている。そして我々は手段を選ばずに彼女の病状の悪化を防ごうとしている。我々にとっては当たり前のことだからな。

だが、この特殊個体に施された実験は、まさに源石感染が該当個体へ及ぼす悪影響を抑えることを目的の一つとしている。

彼らはやり遂げてしまった。たとえ一時的なものであっても。

プロジェクトを立ち上げた当初から、彼らは鉱石病に患っていない感染者を、アーツユニットを要さない術師を、アーツ理論教育を徹底的に叩き込まれる必要のないアーツマスターを生産しようとしていた。

感染器官は彼女の体内の源石密度を上げたりしない。この特殊個体は、ある意味「感染してない」と言える。

特殊個体の身体機能が正常に働き続けているというのに、その彼女の正常な呼吸、嚥下や血液循環を保証している器官を取り外せと?

我々にそのような能力はない。誰にそのようなことができるというのだ?この実験は短時間では再現することさえ不可能であるのに、実験成果から逆推して正常な身体組織に還元しろと?

 

「ローキャン水槽」ラボは今やただのくず鉄で、残りわずかの研究資料も一掃された。破棄されてしまったのか、出資者が回収に成功したのかさえわからない。ラボの事実上の掌握者はこのようなスキャンダルを外部に漏らしはしないだろうし、我先にと「ローキャン水槽」の残骸に群がってその血肉を啜う他企業も決して少なくない。クルビアの都市それぞれにどれほどのスパイが潜んでいるだなんて、誰が数え切れるだろうか。

ローキャン・ウィリアムズは確かに天才なのだろう。だが、彼の無知と無感情は多くの生命を犠牲にし、彼自身をも破滅に導いた。己の罪に葬られるのも自業自得だ。

マイレンダー児童権益保証基金会が廃墟からこの特殊個体を助け出し、秘密裏に海外へ身柄を移したのも、その上層部による深い考慮の結果だろう。クルビアの企業や利益団体の誰ひとりにもローキャンの成果を得ることを許してはならない。この「ローキャン水槽」ラボで起こった事故はそのままおおごとにさせてはいけない。その実験成果がより多くの不安定要素をもたらすことなど許されてはいけない。彼らも許せなかった。その事故自体をなかったことにする方がましと思ったほどだ。

そして彼女は最終的に私のところに送られてきた……これもまた数奇な巡り合わせなのかもしれない。あるいは、私がかつてローキャンの師と共にクルビアでの鉱石病研究領域におけるローキャンの学術人生を終わらせたためかもしれない。だが我々は知っている。これしきのことで彼を止めることは叶わない。そして、この大地に生きる命全てを利用しようとする輩を阻止することなどできはしないのだ。

こうして、我々とマイレンダーの協力関係は終わった。これは彼らが依頼し、我々の手を介した最後の秘密裏で処理するプロジェクトだ。実験個体のことも、これきりでクルビアのあらゆる記録から消え去る。

 

マイレンダーは実験個体の生死を問わない。彼女の行く末は我々に託された。

だが彼女への処置は――もし実験器官を直接取り除いたらどうなるのか?彼女の生体システムへの直接ダメージでさえ一番軽い影響であるかもしれない。

この装置には取り替え機能がない。そのような機能を取り付けようと考えたことすら一度たりともないだろう。

それはもはや彼女の一部になっている。奴らは、このアーツユニットを……彼女の命そのものとなるように作ったのだ。

私には彼女に命を捨てろと強要する資格はない。

……だが、道徳というものは我々の面する問題だ。ロドスのではない。

 

――ケルシー医師

第一資料

ほら、相互比較表は作ったよ……ああ、本人は外見に違わず、ちっちゃいフェリーンっ娘だ。そこんとこは言うことないだろう……

だがアーツはな、うーん、室内でのテストはもう止めたんだが、それまでに入手できたデータでもかなりの問題の説明はつく。

ああ、理論面のことを話しすぎるのもしょうがないだろう。俺だってあんまわかんねぇわ、理論術師たちはいっつも逆知覚とか思考衝動とか言ってるけど。なんか認知学や神経科学が大きく関わっているとか言うが、そこらへんは俺はさっぱりだ。

今はそのアーツの表れ方の話だけにしよう。ああ、ほとんどは機密扱いだからな、この資料もお前に大まかな中身を知ってもらうためだけだ。

一部ではもう彼女のアーツを「精神実体」と呼び始めている。なんせ……そのままだからな、わかりやすくて便利だ。

彼女のアーツは広い範囲を覆い、内部の物体の運動状態を感知するための「網」を形成しながらも、内部の個体にそういう「接触」を全く悟らせないこともできるし、逆に純粋に一個体のみに作用させることも可能だ。たぶん大きな手のようなイメージだろうな……たとえ彼女にアーツの範囲を最小限に留めておくように要求しても、少なくとも数平方メートルを影響下においてしまう。彼女のイメージからして目標を「握る」ような感覚だからだと思う。しかも、その力は目標の内部に及ばないらしい。たとえ透明な、内部構造が鮮明に見える水筒でも、その中から水筒を破壊することはできない。外部から力を加えてそいつを押しつぶすことしかできないんだ。ますます、伸ばせて変形させることが可能な力が込められた実体っぽく感じられる。

テスト中、「手」と「握る」といったイメージを通して、我々は彼女が高度の集中状態において、上限「四本」の巨大かつ無形の「手」を駆使できると推測した。推測計算の結果は、アーツの活性と深水実験をもとに計られたものらしい。速度テストでも強度テストでも、彼女のアーツには莫大なエネルギーが秘められていることが証明された。だが、そのエネルギーが活性化し何かを砕く寸前まで、我々はアーツの形成予兆でさえ観測できなかった。

なぜ四本、なぜ無形の「手」なのだろうか?彼女がそう想像したからなのか?確かに、標的物体の構造や形状の変化への確認中、一部の突起はまるで指の間に挟まれた位置にあったみたいと感じたんだ……

温度差が大きい場合、彼女はアーツの使用中に凍傷や火傷を負うこともあるようだ……少なくとも神経活動を見る限りは。何の症状も見られないが、彼女は……「冷たい」……あるいは「痛い」など言い出すんだ。しかも脳の皮質の活動を見る限り、それが本当みたいなんだ。

(録音の音量が次第に低くなる)

一つ、あんまりアテにならない話を聞いたことがあるんだ……というか、恐ろしい話だ。

彼女の兄弟が、まだ彼女の体の中で生きている、ってやつだ。彼女のアーツは、その兄弟たちが……手を伸ばして、大地を抱きしめたり、何かを殴ったりしている、という話だ。

誰から始まった噂なのかは知らない。本当、背中が凍える気分になるものだ。

 

――記録員・術師オペレーターKKの録音より

第二資料

マイレンダーが送ってきた患者にオペレーター訓練を受けさせてからしばらく経つ。ケルシーの案かOutcastの案か知らないが、確かに彼女を落ち着かせたようだ。

私が会った他の実験被害者のように、いつも裂けるような悲鳴をあげているわけでも、完全に生活能力を失い、容器の中に縮まって震え続けるわけでもない。

この子供はある程度の教育を受けたことがある、中流家庭の出だろう、というのが私の最初のイメージだ。精神が不安定な時のみ、彼女が引き起こす艦体への破壊が痛々しさを如実に物語っていた。

彼女は実験室を恐れている。医療器材を憎んでいる。通常基準装甲の数倍の強度を持つ装置を、空中で握りこぶし程度の大きさにまで簡単に圧縮させることができてしまう。もしLogosがいなければ、私たちはもう数回は死んでいたのではないだろうか。

ここまで来れば、この子が以前どのような目にあったかを我々も想像することができた。近頃、ケルシーは一部の実験室とリハビリ病室のリフォームをエンジニア部に要請した。私も検査用設備の配置を一部変更した。これで以前よりは快適で、温かみが感じられるようになった。

彼女はさほど暴れなくなった。

彼女に事の正しさだとか間違いだとかを説明しても意味がない……物分りの良い子であるのは明らかなのだ。だが、彼女はすでに記憶喪失に類似した精神的な病状を発現している。時には専門的な知識でさえ忘れてしまうのだ。

だが我々は、彼女に条件反射的な適応訓練を施すのは有効であると気づいた。Touchの推測によれば、彼女は本当に忘れ去ったのではなく、ただ記憶を封じ込んでしまっただけである。それは彼女の脳の中にある例の装置と関係があると我々は踏んでいる。あるいは、その忘却に似た記憶封印こそが彼女自身が求めた結果で、アーツは彼女の願いを実現させたのではないだろうか。

彼女のアーツは単純な念動力では収まらないはずだ。過去の出来事は彼女を煩わせている。だからこそ、記憶を消し去りたいと願ったのではないだろうか。だが、彼女はその後に残った強烈で乱雑な感情をコントロールする術を持っていない……めちゃくちゃだ。彼女はなぜまた忘れてしまったのかと自身を責める羽目になり、焦りと戸惑いに陥ってしまう。彼女は、我々の期待に応えられないことに悩んでいる。我々は彼女を励まし、協力したいと考えているのにもかかわらず、彼女は自分を責めている。

彼女がかつて施された実験の記憶を辿ることはもうできない。その件について、彼女は自分の脳からすっからかんになるまで掘り出して捨ててしまった。自己封印にも近い暴力的なやり方だった。彼女の記憶喪失症状は、全てその行為の副作用である可能性さえ存在している。

彼女が身につけていた認識や概念が絶えずに消耗され続けている。おそらく例の人造器官によって、彼女の体が続けているストレス反応への対応のために消耗していると推測される。

 

彼女には記録装置が必要だと思った。入力しやすい端末を一台作ってあげるつもりだ。そうすれば、彼女は常に記録を顧みることができ、求めた状況や言葉を振り返ることによって、事実を、感情を再び脳内で結びつけることができるようになる。音声が消された映画に再び台詞を付けるように。

一度、なぜ部屋の中では靴を履いてはいけないのかと彼女に聞かれたことがある。安全性を考慮しているためだと答えながら、アーミヤに靴を借りて、彼女が外出する時に履けるようにしないと、と思った。アーミヤは新しい靴をわざわざ持ってきてくれた。彼女のサイズぴったりな靴だった。二人はすぐ仲良くなり、アーミヤは彼女をなだめるのがとても上手だった。

その時思った。この患者の生活は今から新たに始まるべきだと。彼女の起点は過去にはないのだと。彼女には確かに未だ多くの謎が潜んでいるのかもしれない。だがそれがどうしたというのだ。

ケルシーは、しばらくしたら術師と医療のエリートオペレーターの間で投票を行うと言っていた。自分はエンジニア畑で参加することはないのだろうが、もし参加できるとしたらきっと、この子にこのままロドスで生活させる方に投票するだろう。もし彼女が必要としているのはストレスの発散とアーツの制御方法ならば、我々のような者たちこそが誰よりも適任なのだから。

 

――文字がぼやけた個人記録。資料ファイルに挟まれている。

第三資料

【エリートオペレーター記録】

1 感染者。

2 性格:

社会的繋がりを重視、実践派。

3 身分関連:

クルビア。

協力関係のち、災害的突発事件により、協力終止。

感染者、被保護者、実験産物。

これ以上の情報の開示を禁ずる。

4 感染者関連:

所属、理解、維持。

5 戦術要旨:

小隊の核心、殲滅、高度な集中力。

6 ■■の可能性:

中レベル。

7 B分類事項:

許可。慎重な指導が必要。

8 指揮権限:

ケルシー、アーミヤ

 

追加指揮権限:ドクター。

第四資料

「ローキャン水槽」は問題の大元ではない。

事が起きた時、ローキャンは大きなプレッシャーを受けたことだろう。でなければ、彼の性格からして、このような博打に出るようなことはなかったはずだ。

彼を擁護するつもりはないが、彼の行動の分析は、私の一部観点の論拠となるかもしれない。

思うに、あの時期の彼は、資源提供を求めるため、地位の維持のため、あるいはプロジェクトの存続のために、自身の理論を支える実験結果を切に必要としていたのではないか。

ローキャンは特殊個体に人造の感染器官を移植していた。その唯一の理由は感染者関連のプロジェクトを進めていたからに過ぎなかった。もしまっさらなバイオニック機械のプロジェクトであったら、被験者はたとえ半数以上の器官を取り替えられたとしても、鉱石病感染の危険性はみじんもなかったはずだろう。

特殊個体及び彼女の兄弟は、ただ少し特別なアーツの才能があったことで、こんな実験に巻き込まれてしまった……彼らの家庭の破滅も、引き取られた先での生活も、でっち上げの保護者も、違法の保護施設も、全て実験に関連している。

例の推測を否定する気はない。マイレンダーの報告書では、ローキャンが既に実験を目的に彼女の兄弟を謀殺したことがはっきりと記載されていた。事故が起きたのはまさしくローキャンが、兄弟から取り出された「意識」を使って、強硬に彼女の感染器官を起動したことを起因としている。

彼女が妄想した結果だろうが、スキャンの誤差によるものだろうが……これは奇妙なことであると私もわかっている。だが、彼女の「兄弟」は未だに彼女の脳の一部に存在している可能性が高い。本人の無意識の拒絶か、あるいは彼女の「兄弟」の願いかによって、彼女自身もまだそれを知りたいとは思っていないだろうけれど。

あまりにも理論化が行き過ぎた神経科学は私からすれば通用しないものだ。利益によって無理やり出された実験データは、少し手で握っただけで血がにじみ出てしまうものだ。そんなデータは戦争や暴力の理論の役にしか立たない。私にはまだ必要がないものだ。

「ローキャン水槽」は長い時をかけて企てていた。あれほど規模の小さいラボでもこのような底の知れない非人道的な犯罪行為の先導者となる事実は、クルビアの科学研究が特権の道を突き進み過ぎたことの証明にほかならない。

ウルサスやサルゴンに比べて、クルビアの法律は確かにより進んでおり、より厳格であるかもしれない。だが、法律の厳しさとそこに隙があるかはまた別の問題だ。法の執行者も制定者も生身の人間でしかない。進歩的な社会にはより「文明的」な欠陥が存在する。

ただ彼女が感染者であることを、ただ、彼女が意識を圧縮することでアーツの投射範囲を拡大させる力を有することを、彼らは求め望んでいた。それだけのために……彼女はあのような目に遭ってしまったのだ。

 

ヴォルヴォート・コシンスキーだろうがライン生命だろうが……あるいは表立っての関わりは見えないが疑惑は十分にある製薬企業のビーチブレラかタワーヒル・バイオテックか……誰だろうが変わりはない。「ローキャン水槽」の背後にいる支援者が誰だろうが。

より大きな災難がその行く道の先に待ち構えているだけだ。

 

それで、投票の結果だが……反対票は二人じゃないかな。

Logosも同意だ。そうだろう?うん?ああ、別に意外でも何もないよ。彼がカズデルのこと以外に一切関心を持たないと勘違いしているかもしれないが、それならエリートオペレーターに着任すること自体を断っていたはずだ。

反対票を入れた二人は……あの二人はそういう性格だからな。Pithたちが同意できないのはこの上ない自然なことだ。

私が説得しよう。

当然君たちが私にこうさせたものだ。いい加減にしなさい、Touch。同意票を入れたのは君たちだろう。あの二人を説得するのも君たちの仕事だったはずだ。私はただ早く済ませたいからに過ぎない。

私がそうする理由?

今朝、あの子の検査をしている時、彼女の名前を覚えているかと聞かれたんだ。

彼女は自分の過去の名前を知りたがっている。少しずつ自分の過去と向き合おうとしているんだ……たとえそれがかつて自分を壊した過去であっても。あるいは、彼女は新たな名前を名乗るべきか。

……もし我々の都市と市民が真に遠い過去の血生臭い野蛮さから遠ざかったというのであれば、少なくとも、まず我々の人格が進化したことを証明しなければならない。

科学が無辜な人間を傷つけるために用いられることを阻止するのも私の責任だ。

今あの子に名前を与えるのはまだ早計かもしれない。彼女自身で名前を考えるべきだ。だがコードネームであれば、今すぐにでも与えることができる。

オペレーターになることは、彼女自身の明日のためにも、この大地の明日のためにも、他のどんな道より明るく拓けた未来であると考えている。君たちも同意を示した以上、私も約束しよう。私が彼女を導く。彼女は君たちの家族に……チームメイトになるさ。

あの子ならできる。

【大昔の神話によると、自らの記憶と相対できない者をも最終的には勇気ある者に変える不思議な植物があるという。今日から、あの子のコードネームはロスモンティスだ。】

昇進記録

「彼女が普通の生活に戻る可能性はありますか?」

……「普通」の生活とは何でしょうか?荒野の集落の住民たちがどうにか身にまとう植物の葉で作られた衣装と、リターニア人自慢のアーツ精密織りのどちらが普通でしょうか?クルビアのスラムで食べられるひと茶碗三セントの酸っぱい豆スープと、ヴィクトリア某郡の数十種類の豪華料理が並ぶ宴会と、どちらが普通でしょうか?

この大地に暮らす者は皆、彼らの生まれ育った環境が作り上げたものです。こんな時に特定の生活スタイルが「普通」だなんて思い込むのは、偏見という皿に傲慢を積み上げて、大量の無知で飾り付けたものを何も考えずに食卓に出しているに過ぎません。

私たちが信じるべきなのは彼女自身です。時間を与えてあげましょう。彼女が胸を張ることができるまで。彼女が決めたことや、実現させたい未来、それが彼女にとっての普通の生活です。それこそが普通の生活なのです。たったそれだけのこと。

あなたは彼女にとってのこの大地です。あなたが彼女にどう接するかが、彼女がこの大地にどう接するかを決めるでしょう。

 

――Whitesmith

 

ボイス

ボイス(デフォルト)
秘書任命

えっと、ドクター……ファイリングとレポート、どっちも苦手だから、他の当番でもいい?え、何もしないでここにいればいい?ドクター、なんか変。

会話1

ロドスのみんなは私の友達、エリートオペレーターと隊員たちは私の家族だよ。前にケルシー先生がみんなを家族だと思ったらダメだって言ってたの、最初はよくわからなかったけど、今ならわかるよ。みんなは花瓶の中の花みたいに簡単に枯れちゃうんだ。でも私には、もうみんなしかいないの。

会話2

何を読んでる、って?えっと、これはこの間のメモ。あの日の朝は、クロージャがコーヒーをこぼして、書庫の巻物を何本も汚しちゃったの。それで、クロージャは呪われちゃった。確か、五回しゃべるとツバが相手の顔に飛ぶって呪いだよ。怖い?

会話3

痛いこと、悲しいこと、怖いこと、ふとした拍子に全部消えちゃう。でも、忘れちゃダメなの、覚えてたい。だって、その時の気持ちは全部身体に残ってるから。理由もわからないまま、涙を流すのは嫌だよ。記憶は負担になるけど、それでも自分で背負わなきゃ。

昇進後会話1

私は盾も、弓も使えない。銃を光らせることも、鉄の固まりを簡単に兵器に変えたりもできない。それに、他のエリートオペレーターのみんなは、私よりもずっと暖かいの。その暖かさがあるから、人のために、そして自分の正しいと思うことに、全てをかけられるんだ。私も頑張るよ。

昇進後会話2

ケルシー先生も、たくさん家族を失ったんでしょ?だって、そんな目をしてるから。でも先生はどうして我慢して、生きられてるの?私はみんながどんどんいなくなっちゃうことを考えただけで、胸が張り裂けそうになるのに。先生は大人だから?じゃあ私も早く大人になりたい。

信頼上昇後会話1

ドクター、この言葉、教えて?ブレイズに聞いたら、何故かゲラゲラ笑われて、アーミヤに叩き回されてたよ。口づけ?つまり、キス?そっか。それなら私にもわかるよ。ドクター、ちょっとかがんで?頬に「チュー」していい?いつも良くしてくれてありがとう。(チュッ)……ニャ。

信頼上昇後会話2

あの人たちのことは忘れない。私や他の化け物を作り出した人たち。私たちを使って悪いことをしてた人たち。この大地が人を傷つけることを止めるまで、あの人たちに罰を受けさせないといけないの。とっても、とっても痛くして、忘れられないようにしてあげなきゃ。

信頼上昇後会話3

あっ……あなたはドクター、だよね?昨日端末のメモで復習したばっかりだから。うん、思い出した、ドクター。もう私に命令していいよ、任務に行くでしょ?私の能力(ちから)、うまく使ってね。

放置

うん……ドクター、きっと疲れが溜まってるんだね。居眠りしてるのにすっごく不安そう。ギューってしてあげたら、少しは安心できるかな。ゆっくり、穏やかに眠れたらいいな。私もわかるから……夢の中でも苦しいんだね。わかるよ。

入職会話

こんにちは、ドクター。エリートオペレーターのロスモンティスだよ。ケルシー先生の許可が出たから、私とチームの指揮権はドクターにあるよ。私の能力(ちから)を正しく使ってね、ドクター。それから、私は物忘れがひどいから、忘れてそうなことは教えてね。

経験値上昇

うん……覚えた。こういう戦い方なら、私にもできる。

昇進Ⅰ

ケルシー先生に聞いたことがあるよ。なんで私なんかがエリートオペレーターなのかって。みんな、裏でこっそり私には無理だって言ってるのも知ってる。でも先生は、エリートオペレーターになれば、きっと色々覚えられて、もっといい人間になれるからって言ってくれた。うん、今頑張ってるところだよ。

昇進Ⅱ

この大地は簡単に良くならないのに、人間は周りに流されてすぐに悪くなっちゃう。ドクター、私たちは悪い人になっちゃダメだよ。もしドクターが悪い人になるなら、きっとすっごく悪い人になっちゃうと思う。そんなことはさせない。

編成

任務?うん、わかってる。私がオペレーターのみんなを守るよ。絶対に。

隊長任命

私が隊長なの?うん、大丈夫。自分のチームじゃなくても、みんなのサポートをうまく活かすから。

作戦準備

安心して、アーツのコントロールはちゃんとできるから。

戦闘開始

家族が傷つけられるのは嫌。家族を傷つけそうなものは、全部壊すよ。

選択時1

あなたのこと、覚えておくつもりはないよ。

選択時2

命令を出して。完璧にやってみせるから。

配置1

始まる。

配置2

今から起きることを見たくないなら、離れてて。こっちを見ないでね。

作戦中1

痛ければ叫ぶといいよ、少しは楽になるから。

作戦中2

降参すれば、怪我しなくて済むよ。

作戦中3

あなたは死なない……死なせないように気をつける。

作戦中4

誰かがやらないといけないことがある。私にしかできないことがある。

高難度作戦クリア

いつかこんなアーツを使わなくていい日がきたら……うーん、そしたらどんな一日になるのかな?想像できない。

★3で戦闘終了

よくできたね、ドクター。よしよし、ありがとう。

★2以下戦闘終了

残りは私が片付けておくよ。すぐに終わるから。

作戦失敗

いや、私は撤退しない。みんなを失望させるのは絶対嫌。まだ剣だって振るえる……いや、剣を捨ててもいい!それでもまだ戦えるよ!絶対に行かない!

基地配属

ち、小さい部屋に閉じ込めるのはやめて、怖いよ……あんな……あんな部屋はもう嫌なの。

タッチ1

さ、触らないで!……怪我しちゃうから。

信頼タッチ

えっと……あ、あなたの手を折っちゃわないように我慢するね……

タイトルコール

アークナイツ。

挨拶

あ、あなたは、ドクターだね。

 

逆理演算

未実装

 

コーデ

デフォルト(昇進0)

オペレーターの普段着。

実用性は制服に劣る部分もあるが、オペレーターが最も着慣れているコーディネート。

デフォルト(昇進2)

昇進後調整された服装。

オペレーターの経験に基づき細部の改善が図られ、より作戦に特化したものとなっている。戦闘向きでありながら、オペレーターが着慣れている服装を極力再現した。

Epoque/XVII - 始まりを抱く

ロスモンティスのかつての検査着。

EPOQUEのサブブランド、 [昔日/Passe]シリーズの厳選モデル/始まりを抱く。ロスモンティスが実験の被験者だった頃に着ていた服。センサーと制御装置のほかに、アクセサリーなど一つもない。

行く手を阻む機械の先にあるものを、ロスモンティスは知りたがっていた。彼女はそれを目にし、そして記憶を失った。

 

モジュール

ORIGINAL / ロスモンティスの記章

ロスモンティスは遠距離から地上にいる複数の敵を攻撃することに秀でている。

外勤部門の決定に基づき、

外勤任務においては狙撃オペレーターとして区分し、投擲手の責務を担う。

特別に本記章を授与し、

その証明とする。

 

BOM-X / 「メモ」

「私は些か心配なんだ、Outcast。チェルノボーグ中枢区画からの帰還以来、直近の任務で見てきたRosmontisのやり方は過激と言わざるを得ない。ミリア地区の誘拐事件は確かに腹立たしかったが、あれは本来ミノス警察の管轄だろう。本来の計画では、我々の仕事は悪党どもの殲滅ではなく、囚われた感染者の子供たちを救出することにとどまっていたのに。」

「任務中に作戦目標が変わることなんて、よくある話だろう?君もRosmontisの判断を信じてあげるべきだと思うけどね、Pith。」

「生き残った目撃者は、Rosmontisを『ミリアの災い』と呼んでいたそうだぞ。本人が覚えていないのは幸いだが……Touchいわく、任務を終えて本艦に戻った頃には、あの子は任務関係の記憶をすべて失っていたという話だ。私からすればあの子を心から信じてやることは難しい。あの子の脳は今回の任務から経験を汲み取ることもできないからな。」

「記憶というものすべてが有益な経験になるとは限らない。時には重荷になることだってあるだろう?主観的な思い込みや、集団的無意識に束縛されない彼女は、我々の誰よりも公正な存在と言えるかもしれない。あの子は永遠に汚れることなき鏡のように、周りで起きることの是非や善悪をはっきりと映し出し続けてくれるのさ。」

「だからこそケルシーは私たち二人にあの子の指導を任せたのだろうな。だが、たとえ今のあの子が我々の道徳観を反映しているとしても、ロドスが彼女と永遠に共にいられる保証はない。我々がいなくなったら、誰がその鏡そのものの善悪を定めるんだ?」

「おや、彼女が目を醒ましたようだよ、Pith。それは直接彼女自身に聞いてみるとしようか。」

こんにちは、Outcast。

「やあ、Rosmontis。」

Outcast、どこかに行くの?

「ああ、ヴィクトリアまで、ちょっとした任務でね。すぐに戻るつもりだが……Pithの言うように、私もケルシーも、ほかの皆も……いずれはどこかへ行くことになるのかもしれない。」

じゃあ、アーミヤも?

「あるいはね。未来のことは誰にもわからない。だから我らが小さき裁判官たるRosmontis殿には、我々の代わりに、君自身をよく見ておくようにお願いできると嬉しいな。」

わかった。Outcastにも、みんなにも約束するね。全部メモしておくから。

Outcastがしてくれたお話も、全部記録してるから、絶対忘れないよ。

約束はちゃんと守るから、二人とも心配しないで。

 

もしも私が悪い人になっちゃったら……ううん、未来の私がどんなふうになったとしても……

それをちゃんと記録して、見極めるから。

 

ロスモンティスの潜在能力強化に用いられる。

丹精込めて製作されているが、まだ拙いところが残る植物標本。彼女は、この植物たちがあなたの記憶に留められることを、心から願っている。

 

指名券採用

彼女は武装していない、昨日彼女のお菓子を盗み食いしたことは、もう忘れてしまっているだろう、たぶん。

エリートオペレーター・ロスモンティス、その手であなたの執務室の扉を開け放つ。

 

紹介文

省略

 

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