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苦難揺籃_7-2_別れの夜_戦闘前
ドクターはフロストノヴァの遺骨をロドスの総合感染生物処理室に送る際にエリートオペレーターのロスモンティスに出会い、初めて彼女のことを知った。
6:30 p.m.
[PRTS] 識別コード00000-00002、接続権限レベル-8。
[PRTS] Dr.{@nickname}、ロドス総合感染生物処理室へようこそ。生体データに基づき、あなたの指示についての予測が行われました。
[PRTS] また、あなたが不愉快な心情にあることが検出されております。
[ドクター選択肢1] 黙れ。
[ドクター選択肢2] ……
[ドクター選択肢3] 愉快な心情とはどんなものか教えてくれ。
[PRTS] Dr.{@nickname}より、一定の攻撃性が検知されました。
[PRTS] ご安心ください。セキュリティシステムによる拘束通電処置は実行されません。また、システムの計測結果について過剰に心配する必要もありません。
[PRTS] Dr.{@nickname}は沈黙を選択したと判断します。
[PRTS] 無言による抗議行為、あるいはコミュニケーション拒否、いずれも一種のAPD、回避性パーソナリティ障害と思われます。
[PRTS] ですが、どのような方にもシステムは平等に対応しますので、どうぞご自由に行動してください。
[PRTS] 愉快、不愉快とは主観的判断です。
[PRTS] ですが、本システムには記録されているほぼ全ての精神活動状態、及び各種の分泌ホルモン数値をベースとした、統計による判断基準が集約されています。
[PRTS] よって、本システムによる主観的判断を比喩する表現については、限りなく客観的事実に近いものと見なして問題ありません。
[PRTS] 本システムは、Dr.{@nickname}がどのような行動を選択しても、高レベルのシミュレーションとそれに基づく対処が可能です。
[PRTS] ですから、自由に行動していただいて構いません。
[PRTS] PRTSは、非殺傷性の対象無力化システムを完備しています。
[PRTS] 過激な行動と判断された場合、システムが速やかにあなたを気絶させ3.55時間後に覚醒させます。その結果あなたの行動が通常の水準に戻ることが保証されます。
[PRTS] Welcome home, Doctor.
[ドクター選択肢1] ……ここは本当に帰るべき家なのか?
[???] あなたが、Dr.{@nickname}?
[ドクター選択肢1] え?
[ドクター選択肢2] ……?
[ドクター選択肢3] そうだけど?
[???] ……あなたで間違いなさそう。
[???] 感じる……ちょっと変わってるけど。
[???] それと……あなたの抱えてる人、その服は……
[???] その人が誰なのか、聞いてもいい?
[ドクター選択肢1] 一人の……戦士だ。
[ドクター選択肢2] 一人の……同胞だ。
[ドクター選択肢3] 一人の……友人だ。
[???] 戦士?
[???] でも、彼女はあなたの身体に傷を残した……敵なの?
[???] いや、違う……これは致命傷じゃないし、そもそも傷のつき方に殺意が感じられない……
[???] その人も感染者……?
[???] そんな単純な意味じゃ……ないよね。
[???] Dr.{@nickname}、何か大切なものを喪ったみたいな顔をしてる。
[???] その人はあなたの友達?
[???] でも、友達にしては……あなたとの繋がりが、すごく薄いよ?
[???] なんだか……なんだかすぐにでも消えてしまいそう。
[ドクター選択肢1] 君には何が……見えてるんだ?
[???] 人と人の交流の跡。それが、匂いとか、温度とか、イメージとして感じるの。
[???] よくわからないけど、彼女は……
少女が、フロストノヴァの身体に触れようと手を伸ばす。
[ドクター選択肢1] (黙って見る)
[ドクター選択肢2] (止める)
[???] えっと……
[???] うーん……
[???] あなたはそうして欲しくないんだよね?
[???] いや、違うよ。私は部外者。彼女とは何の繋がりもないの。
[???] これは私がするべきことじゃない。そういうことでしょ?
[???] ……わかった。ごめんなさい。
[ドクター選択肢1] 君もアーミヤのように他人の心が読めるの?
[ドクター選択肢2] ……
[ドクター選択肢3] 君の反応にはついていけないよ。
[???] 違う、私にはできない……
[???] アーミヤは特別だよ。あのアーツは知ってる……大変だと思うよ。
[???] たぶん……私は彼女に触れてはいけないの。感じ取ることさえも。
[???] 彼女と、この大地の繋がりは、私とは縁がないから。
[???] そんな彼女に触れる資格は、私にはないから……
[???] 他のみんなも、そう言うよ。
[???] ロドスのみんなも、それぞれ個性的だけど……私は特別に変なのかもしれないって思う。
[???] あっ……
[???] ご、ごめんなさい……
[???] 私……
[ドクター選択肢1] ごめん。
[ドクター選択肢2] ……
[ドクター選択肢3] すまない、お嬢さん。
[???] ううん、大丈夫だよ。慣れっこだから。
[???] お、怒らないで……
[???] あなたが黙ったままだと、私……どうしたらいいかわからない。
[???] 大丈夫だよ。
[???] 怖がられるよりも、普通に話してくれる方が嬉しいの……だから、大丈夫。
[???] この機械を……使いたいんだよね?
[ドクター選択肢1] ここが本当に感染者の還る場所なのであれば。
[???] ……わかった。
[???] 手伝ってあげるね。記録を見せて。
[???] うん、大丈夫そう。このポッドは掃除してある。彼女をこのデッキに乗せて。ゆっくり、うんいいよ。
[???] そしたら自動でデッキがポッドの中に入るから、それで……ドアが閉まったら、このボタンを押して終わりだよ。
[ドクター選択肢1] 詳しいね。
[???] うん、何度もやったから。
[ドクター選択肢1] ……どうして?
[???] ロドスの感染者たちは、最後はみんなここに来るんだよ。
[???] 私の知ってる人や感じたことのある人、あと同じチームのメンバーなんかは、みんな私が送り出すの。
[???] 説明書は難しいから、簡単な操作方法を全部自分の端末に書いてあるの。それを読み返せば、たぶん身体が覚えてて、すぐに慣れてくるんだ。操作にも、送り出す感覚にも……
[ドクター選択肢1] 送り出す感覚って?
[???] えっと……たぶん鎖みたいなものかな。
[ドクター選択肢1] 鎖……?
[???] 二人の間を繋いだ糸、と言ってもいいけど。
[???] 自分と繋がってる人を送り出すのは、その人と結びついた糸を解くことになるの。糸の片方は自分に繋がったままで、その向こうに誰もいなくなったとしても、糸が落ちて消えることはない。
[???] でもそれは、身体から何かが消えたような感覚なんだ。そこにまだ何かが残ってるかどうかは判らないけど、かつてその人が存在してたこと、もう戻ってこないことはなんとなく解る……そんな感覚。
[ドクター選択肢1] そんな感覚に……どうして慣れようとするんだ?
[???] だって慣れていれば、突然失う痛みにも耐えられるでしょ?
[ドクター選択肢1] ……君は一体?
[PRTS] お取り込み中、失礼します。
[PRTS] ロドス総合感染生物処理室に滞在中のエリートオペレーター、Rosmontis様、現在使用中の識別コードは15分後に無効となります。
[PRTS] ただ今よりリモートアップデートを行いますので、そのまま現在地にて15秒ほどお待ちください。
[PRTS] また、接舷エリアにて小規模な戦闘が発生しております。当施設の被害を最小限に抑えるため、識別コードのアップデート完了後は、可及的速やかに支援に直行されることをおすすめします。
[Rosmontis] あっ、うんわかった。すぐ行くね。
[Rosmontis] 待って、今の処理データを端末に書き込んでから……
[PRTS] 6度目の提言をいたします。本システムに権限を開放していただければ、すぐに端末へ情報をお送り——
[Rosmontis] ダメ。
[Rosmontis] これは私が……私が自分で書き込まなきゃいけないの。
[PRTS] 承知しました。どうぞ。
[ドクター選択肢1] エリートオペレーターって……?
[Rosmontis] え? 私のことだよ。
[ドクター選択肢1] えっと……君をなんて呼べばいいかな?
[Rosmontis] ロスモンティス、でいいよ。
[ロスモンティス] あ、そうだ……その人、名前は?
[ロスモンティス] せめて……せめて何て呼ばれてたのか知りたいの。
[ドクター選択肢1] フロストノヴァ。
[ロスモンティス] フロストノヴァ……
[ロスモンティス] 綺麗な名前。
[ロスモンティス] はじめまして、フロストノヴァ。
[ロスモンティス] ……さようなら。
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