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怒号光明_M8-3_傍らに潜む「死亡」
ロドスの部隊とサルカズ傭兵の戦闘中、封鎖層が起動してしまう。ロスモンティス小隊メンバーは封鎖層の構造部に入り、エネルギーを遮断する任務に志願した。そして盾兵はロドスに共闘を求める。
中央エリア
[レユニオン構成員] た、助けてくれ……!
[レユニオン構成員] 俺たちもレユニオンだぞ。なのになぜこんなことを? サルカズは恩を仇で返すのか!?
[ロスモンティス] ……どうしたの?
[ロスモンティス隊員] 仲間割れです。防衛拠点を守っていたサルカズが、レユニオンの連中を虐殺しているようですね……
[ロスモンティス隊員] 隊長?
[ロスモンティス] 助けなきゃ。
[ロスモンティス隊員] 隊長が行くんですか?
[ロスモンティス] うん、私が行く。
[レユニオン構成員] うっ……ゴフッ! なぜ……なぜなんだ!?
[レユニオン構成員] レユニオンがなぜこんなことに……団結するんじゃなかったのか? 俺たちは、皆で一つの家族じゃないのか!?
[サルカズ傭兵] ……
[サルカズ傭兵] さらばだ――
[ロスモンティス] やめて。
[サルカズ傭兵] !!
[サルカズ傭兵] 重量級の投擲武器だ、気をつけろ!
[サルカズ傭兵] !?
[サルカズ傭兵] 巨大な武器が宙に浮いている……
[サルカズ傭兵] そこのフェリーン、お前がやったのか? お前は術師だな?
[ロスモンティス] 武器を下ろして。
[ロスモンティス] もう大丈夫、早く行って。
[レユニオン構成員] 行くってどこに? 隊の仲間も同郷の者も……みんなもう……
[ロスモンティス] シン、手伝ってあげて。
[シン] 了解。……さぁ、行こう。サルカズの奴らは見境がないな。
[ロスモンティス] もう一度言うよ、サルカズ。武器を下ろして。
[サルカズ傭兵] まさか恐ろしい武器で脅せば、俺たちが言う事を聞くとでも思っているのか。
[サルカズ傭兵] 甘いな。
[ロスモンティス] それは殺されたいってこと?
[サルカズ傭兵] 俺たちに選択肢は残されていない。
[ロスモンティス] 自分の同胞や仲間を攻撃し、傷つけて――
[サルカズ傭兵] いつから感染者が同胞になったんだ? 俺たちの同胞はサルカズだけだ。
[ロスモンティス] レユニオンに入った時には、きっとそんなこと言ってなかった。
[ロスモンティス] 仲間を裏切り、傷つけ、他人の感情を踏みにじる……
[ロスモンティス] クズだね。
[サルカズ傭兵] あの武器は危険だ! 避けろ!
[アーミヤ] 待ってください、ロスモンティスさん!
[ロスモンティス] あっ、アーミヤ。
[アーミヤ] Raidianさんから報告がありました。ケルシー先生から連絡が届いて、特殊感染者に注意せよとのことです……
[アーミヤ] 彼らは龍門の特殊感染者の変異体かもしれません。他の人に感染する可能性もあります!
[アーミヤ] サルカズの戦士の皆さん、聞いてください!
[アーミヤ] 一部の……サルカズの重篤な感染者が、他の感染者を巻き込もうとしています!
[アーミヤ] このエリアにはまだ感染者の生き残りがいます。しかもその人たちは民間人です! 彼らを今いる場所から退避させなければ……
[アーミヤ] 私たちはここを通れなくても構いません! とにかく人員を割いて他の感染者の安全を確保してほしいんです!
[ロスモンティス] 無駄だよ。この人たちは言うことを聞かない。良心がないもん。
[サルカズ傭兵] ……
[サルカズ傭兵] ……奴らなら見た。俺たちはあそこを通ってきたんだからな。
[サルカズ傭兵] 後戻りなどできない。もし奴らがここに来たら……殺るしかない。サルカズの感染者をこれ以上増やさない為にもな。
[ロスモンティス] あなたも感染するかもしれないよ。
[サルカズ傭兵] 構わん。
[ロスモンティス] あんな風になりたいの? アーツで操られる化け物になるんだよ、それでもいいの?
[サルカズ傭兵] 化け物扱いには慣れている。
[ロスモンティス] ……ああ……そっか。
[サルカズ傭兵] この都市はもう終わりだ。そして俺たちも、遅かれ早かれああなる……だが、ここでタルラの言いつけ通りにあいつらを消せば、生き残れるかもしれない。
[ロスモンティス] でもタルラが生きてたら、どのみちこの都市ごとみんな消えてなくなるよ。
[サルカズ傭兵] もしWが失敗したんなら、どうせお前たちにだって無理だ。
[サルカズ傭兵] 戦争ってやつはな、勝ち馬に乗れなきゃ死ぬしかないんだ。
[ロスモンティス] でも他の感染者を攻撃するというのなら、あなたはここで死ぬことになる。
[サルカズ傭兵] 死が何だっていうんだ? メフィストの家畜になることだって、それが何だっていうんだ……?
[サルカズ傭兵] メフィストだって化け物だ。他の感染者を殺すのは、俺たちがみんな化け物だからだ。
[サルカズ傭兵] サルカズ人の同胞には、これ以上苦しんで欲しくない……だがな、苦しみが何だっていうんだ?
[サルカズ傭兵] どこか余所の場所に行ったからって、そこで生きていく事を認めてもらえるのか?
[サルカズ傭兵] お前は感染者だ、自分の末路がわからないわけじゃあるまい?
[サルカズ傭兵] お前がその小さな部隊を離れれば、そこにあるのは死だ。
[サルカズ傭兵] 蔑まれ、鞭で打たれ、首を絞められた挙句、吊るされて終わりだ。
[サルカズ傭兵] あるいは都市を追い出されて、餓死するか獣に食われるかだ。
[サルカズ傭兵] どのみちろくに生きていけやしない。
[サルカズ傭兵] 感染者に人としての尊厳などないんだよ。
[ロスモンティス] ……あなたに何がわかるの?
[アーミヤ] あの……
[アーミヤ] 教えてください。あなたはタルラのために戦っているわけではないのでしょう?
[サルカズ傭兵] 奴は……強い。だから奴についていけば、より多くが生き残れる可能性が高いってだけだ。
[サルカズ傭兵] だから、そのために何人殺そうが俺たちは気に掛けたりしない。
[ロスモンティス] 今すぐ消えて。次に会ったら殺すから。
[サルカズ傭兵] いや、フェリーン。ここを通りたければ、俺たちを殺すんだな……
[サルカズ傭兵] お前に俺たちが殺せるならな。俺たちだって同胞があんな風になるのは見たくないさ……ハハッ……
[ロスモンティス] 本当に救いようのない人たち。
[サルカズ傭兵] ……な……何だこの音は?
[ロスモンティス] これは……?
[アーミヤ] いけません……!
[アーミヤ] 私たちの現在地は司令塔が出入口を塞ぐために用いる封鎖エリアの付近です……司令塔のレユニオンは封鎖層全体を上昇させて、司令塔への入り口を塞ぐつもりかもしれません!
[アーミヤ] このままじゃ間に合わなくなります!
[ロスモンティス] ……
[ロスモンティス] サルカズ。これが最後のチャンスだよ。ボロボロにされたくないのなら、道を開けて。
[サルカズ傭兵] ……ふっ、ふははっ! いいぞやってみろ!
[ロスモンティス] アーミヤ、もうやるしかない。いいよね?
[アーミヤ] ……
[アーミヤ] 私がやります。
[サルカズ傭兵] ふん……コータス。お前に何ができる?
[サルカズ傭兵] 何だそれは……? 黒い線……が――――
[アーミヤ] ハァ、ハァ……ううっ……
[アーミヤ] 状況は……どうですか?
[ロスモンティス隊員] 意識を失ったサルカズたちは、全て制圧完了しました。
[アーミヤ] わ、わかりました。ええっと……他に感染者は……いますか?
[ロスモンティス隊員] 偵察オペレーターの調査結果では、街は感染者だらけです。しかもその多くは、閉じ込められていた受動感染者で、かなり悲惨な状態に置かれているようです。
[アーミヤ] 封鎖層への……通路は……どうですか?
[ロスモンティス隊員] ここから工事用の通路を抜ければ、構造制御エリアに直接入れると思います。内部にある遠隔操作パネルをハッキングすれば、相手の動きを封じられるかと。
[ロスモンティス隊員] 他の正面通路については、偵察オペレーターによると、少なくとも四箇所の地点で遊撃隊とレユニオンが交戦しているようです……
[アーミヤ] 戦況は激しくなっているようですね……
[ロスモンティス隊員] 遊撃隊は強いですが、レユニオンには地の利があるうえ、サルカズの傭兵も控えているので、そう簡単には突破できないと思います。
[ロスモンティス隊員] 心配は要りませんよ、アーミヤさん、隊長。我々エンジニア小隊が潜入して、封鎖層全体のエネルギー供給を遮断します。
[ロスモンティス] できるの?
[ロスモンティス隊員] やってみせます。
[アーミヤ] でもリスクが大きすぎます。
[ロスモンティス隊員] 中枢区画に入ること自体、まさにリスクそのものですよ。
[ロスモンティス] 本当に大丈夫?
[ロスモンティス隊員] ええ、早速出発します。
[ロスモンティス] ちょ、ちょっと待って!
[ロスモンティス] 気をつけて。うん……気をつけてね。
[ロスモンティス隊員] 私たちはエリートオペレーターのロスモンティスさん率いる精鋭小隊ですよ? ご安心を!
[アーミヤ] ……どうかご自身の安全を第一に考えてくださいね。
[ロスモンティス隊員] それを言うなら、アーミヤさんだってさっきあんなアーツを使ってたじゃないですか!
[アーミヤ] あ、あれは……
[ロスモンティス隊員] エンジニア小隊、総員出発! 急げ!
[ロスモンティス] ……行っちゃった。
[ロスモンティス] アーミヤ、ここであなたに体力を消耗させるわけにはいかない……向こうは私が対処する。
[アーミヤ] はい……そうすれば、少しでもロスモンティスさんが人を傷つけずに済みますね。
[ロスモンティス] ロドスは私のやり方に反対しているの?
[アーミヤ] いいえ。ただ、本当は私たちだってこんな事はしたくないんです。
[アーミヤ] それに私が消耗するのは体力だけです。でもロスモンティスさん、あなたの場合は……精神を消耗します。
[ロスモンティス] そんなの気にならないけど。
[アーミヤ] でも……私たちが気にするんです。
[シン] アーミヤさん! この人がアーミヤさんと話したいそうです。
[アーミヤ] あ、あなたは……
[アーミヤ] ……レユニオンの、感染者さん。そう呼んで構いませんか?
[レユニオン構成員] 好きにしてくれ、もうそんなことどうでもいい。俺たちは……もう終わりだ。だからお前たちの行き先を教えてくれ。
[レユニオン構成員] そこへ俺たちも……連れていってほしい。俺たちにはもう居場所なんてない。同胞たちとは戦いたくないが、サルカズの奴らも遊撃隊も俺たちを殺すつもりだろう。
[アーミヤ] どうしてそう思うんですか?
[レユニオン構成員] 奴らは誰であろうと殺すんだよ。そういう話を聞いたんだ! 他の感染者を殺すのは、何か間違ったことをしたからだって!
[アーミヤ] ……果たして全員がそうでしょうか? そういう人もいれば、違う考えの人もいるはずです。
[アーミヤ] 聞いた話ではなく、実際に自分の目と耳で確かめなければ、真実はわかりません。
[アーミヤ] ですが、戻って確かめろとは言いません。あなたたちが彼らを恐れている以上、彼らのやり方に馴染むことは難しいでしょうから。
[レユニオン構成員] だから……だからこそ、お前たちがどこに行くか聞きたいんだ。
[アーミヤ] ――中心部の司令塔に行くつもりです。
[レユニオン構成員] ……気でも狂ったのか?
[アーミヤ] いえ。
[アーミヤ] この混乱を止めるには、司令塔に行くしかないんです。
[アーミヤ] 一つお願いを聞いてもらえませんか、感染者さん。
[レユニオン構成員] 人殺しならごめんだ。
[アーミヤ] 違います。あなたたちに……このエリアの感染者たちを守ってほしいんです。
[アーミヤ] ですが気をつけてください。彼らはあなたたちを……その制服を憎んでいるかもしれません。
[レユニオン構成員] ならどうすればいい?
[アーミヤ] 選択肢は二つあります。一つは制服を脱いで、レユニオンとは別の道を歩む……
[アーミヤ] もう一つは、その制服を着たまま、本当にやるべきことをやる。
[アーミヤ] 簡単な選択肢と難しい選択肢です。でも私は……あなたたち自身でどちらを選ぶか決めるべきだと思います。
司令塔入り口
[盾兵] クソッ! あの腰抜けどもめ、封鎖層を起動して司令塔の入り口を塞ぐつもりだ!
[盾兵] まだ突破できないのか?
[迷彩狙撃兵] サルカズの傭兵たちが封鎖エリア全体の入り口を守っている! おまけに他の感染者の邪魔も入るし、集中できる状況じゃない!
[盾兵] もう一度言ってみろ。俺にロドスと協力しろだと?
[ロドス前衛オペレーター?] その通りだ!
[ロドス前衛オペレーター?] 彼らは、どんなに陳腐なルールでも守るような人たちだ。
[ロドス前衛オペレーター?] ロドスが信用できないというのなら、もうこの都市には信用できる人なんて残ってないぞ。
[盾兵] 大尉を殺した者たちが信用できると?
[ロドス前衛オペレーター?] 俺たちがここで死んだら、誰がパトリオットの意志を継ぐんだ?
[ロドス前衛オペレーター?] 俺たちには力が、ロドスには知識がある。少なくともケルシーは、事情に精通している。大尉と同じぐらいにな。お前も見ただろ? あの大尉でさえ彼女を認めていた!
[ロドス前衛オペレーター?] 封鎖層はすでに上昇を始めている。さぁ、決断しろ。残された時間は多くないぞ!
[ロドス前衛オペレーター?] ――以上が大まかな報告です。彼らにはきっちり話を通しました。ですからアーミヤさん……
[ロドス前衛オペレーター?] あなたに同意してほしいわけではありません。ただ、少しでも状況が良くなればと思って。
[ロドス前衛オペレーター?] これが正しいことなのか……よくわかりません。でも、俺は――
[ロドス前衛オペレーター?] 皆の被害を抑えたいんです……
[アーミヤ] 大丈夫ですよ、Guardさん。あなたの提案は理にかなっていると思います。ただ……私たちは盾兵部隊と同じような行動をとることはできません。
[アーミヤ] 私たちには感染者を処分する権利はありませんし、あのような……懲罰的な手段も取りたくありません。
[アーミヤ] 彼らはもうすぐ到着するんですよね?
[ロドス前衛オペレーター?] はい、恐らく。
[ロドス前衛オペレーター?] ……アーミヤさん、俺ますますわからなくなってきました。
[ロスモンティス] ……
[盾兵] ――フェリーン。お前たちのリーダーはどこだ?
[ロスモンティス] 今こんな時に、復讐するつもり?
[盾兵] 少しアーツが達者だからとなめた口を聞くな、白猫!
[ロスモンティス] あなたのことは嫌い。
[盾兵] 商人の下っ端が、いまさら感染者の英雄気取りか?
[ロスモンティス] 私たちをバカにしてるの?
[アーミヤ] ……やめてください。
[アーミヤ] あなたがロドスのメンバーにそんなことを言う権利はありません。
[盾兵] ……魔王か。
[盾兵] お前はあのサルカズに命令を下せるのか?
[アーミヤ] ……できませんし、試すつもりもありません。それと、そんな風に呼ばないでください。私はロドスの一員に過ぎません。ですからどんな種族、権力とも関係のない立場です。
[盾兵] ならば話は簡単だ。お前と奴らも特に親しい間柄ではないということだな。
[盾兵] ここに来たのは俺たちと一緒に司令塔を破壊しに行くためだろう?
[アーミヤ] ……
[盾兵] なぜそれほど警戒する? こんなに譲歩してやってるというのに。
[盾兵] 他の遊撃隊の戦士はまだ俺の動きを知らない。だがお前もあいつらと一緒で、この街にいるタルラとその恐ろしい計画に囚われた奴隷たちを解放したいのだろう?
[盾兵] それなら、感染者の未来を取り戻すためにも、今一度この都市に希望の火を灯そうじゃないか!
[盾兵] お前たちが本当に感染者のために戦っているというなら、応えられるはずだ。
[盾兵] さぁ答えろ、ロドスよ!
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