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怒号光明_JT8-3_烈炎の中で「邁進」_戦闘前
「タルラ」は偽ることをやめ、チェンとアーミヤへの欺瞞を解く。彼女たちが今立ち向かっているのは、長きにわたりウルサス最強と呼ばれ続けた意志の力の一つ。決戦の時だ。
[タルラ?] 魔王……素晴らしい仕上がりだ。
[タルラ?] だが、お前とその未熟な龍の、不条理な自信が私を不快にさせる。
[アーミヤ] ついに偽ることを止めましたね。
[チェン] 今話しているのは誰だ? 変わってしまったタルラか? それとも若きコシチェイか?
[タルラ?] 私の行いを叱責し、私の人格を侮蔑し、私の頭の奥にある記憶を、絶えず目の前へと追い立てる――
[タルラ?] そうすれば私が屈服し、抵抗できなくなるとでも?
[タルラ?] それとも、炎国の斬龍の剣と、サルカズの汚れたアーツを使えば、私を制圧し、この肉体の「本来の」意思を再び取り戻せるとでも?
[タルラ?] ――お前たちの戯言は、せいぜいその程度だろう。
[タルラ?] お前たちはどうして私と敵対する?
[チェン] お前の傲慢さはお前の思い上がりを助長するだけだ。あとで倒れたときもっと惨めな姿になるぞ。
[タルラ?] 魔王は、どれほど幼かろうと魔王だ。ならば、私の心を説き伏せてみろ。「とある意志がお前の体を奪った」と告げ、私をその支配から逃れたいと思わせてみろ。
[アーミヤ] ……
[タルラ?] 実は、お前もよくわからないのだろう?
[タルラ?] もし記憶と感情を偽造できるのなら、コシチェイとは本当に存在するものなのか?
[タルラ?] コシチェイが存在しないのなら、それは何を意味するのか?
[アーミヤ] それは今のあなたとは全く関係ありません。
[アーミヤ] 今、私たちがあなたを倒そうとしている理由は、あなたが何を経験したかではなく、あなたが何をしたかによるものです。
[アーミヤ] あなたにこれ以上、この大地の人々を傷つけさせません。あなたに理由がいくつあろうと、チェンさんが言うように――
[アーミヤ] 私たちは気に掛けません。
[アーミヤ] あなたがコシチェイであろうと、タルラであろうと。
[チェン] ……私の姉の体から出て行け。
[チェン] ……私は元々そう言いたかった。だがそれでは、お前に口実を与えるだけだ。もし正当な言い分があるのなら、生きて法廷に立って言え。
[チェン] アーミヤ、剣を構えろ、行くぞ!
[タルラ?] お前たちは……私のアーツに……惑わされたようだな。
[タルラ?] もう一度言おう。この街で私を殺せる者は死んだ。パトリオットを除いて、チェルノボーグ中枢区画に私を殺せる者はいない。
[タルラ?] 凍原の氷雪の悪夢、フロストノヴァ。彼女も龍門で死んだ。まさに私が計画した通りに。
[タルラ?] たとえそれら二本の剣を使ったとしても……お前たちがあの二人に比肩することなどない。
[タルラ?] 私はお前たちにあまりに多くのことを錯覚させてしまった。
[タルラ?] もしこの体が望まなければ、私には何もできない。
[タルラ?] だが今、私の体は何を拒んでいるというのだ? 理解不能だ。
[タルラ?] 力を解放するとしよう。これまでの全ての破壊を再現するように。
ドラコは長剣へと手を伸ばす。彼女の指が鋭い剣先を滑り、刀身が血塗られていく。
彼女は笑い声を上げた。
チェンは言葉を発しようとしたが、身体がそれを拒否した。何かが彼女の首筋を伝っている。
アーミヤがチェンに向かって手で合図をすると、ある光景が彼女の脳裏に浮かぶ。チェンは思い至った、これは確かにアーツだと。
チェンが口を開き言葉を発すれば、口元の温度が急上昇し、食道へと入り込み内臓を灼き尽くすだろう。
アーミヤが怒りの視線をタルラへ向けるも、そのアーツはすでに効果を発揮していた。煮え滾る空気の中、彼女たちの耳元でドラコの声が逆巻く。アーミヤとチェンは沈黙を余儀なくされていた。
チェンは、肺が灼けつくような感覚を覚え、拷問を受けているかのように呼吸を荒げた。
チェンは確信した。ドラコのアーツは、対象の意識的な運動と無意識の生理現象を区別しており、たとえタルラ本人であろうと、このアーツを全ての概念に関連付けることは不可能であると。
だからタルラは口を狙った。二人が意図的に口を開けば、たちまち炎が口を襲うだろう。赤き龍は二人にこれ以上話をさせたくなかったのだ。
チェンは歯を食いしばる。
温度は上昇し続けている。時が過ぎ、アーツの効果が頂点に達したその瞬間、二人は死ぬだろう。彼女たちには、体を覆う灼熱の空気を切り開くすべがないからだ。
[タルラ?] 多くの命が私の目の前で潰え、私は悲しみに暮れた。それでも前進せねばならない。なぜなら、私は知っているからだ。私の慕う偉大な国が、血と、暴力と、死に飢えていると。
[タルラ?] 其れは先ず消失し、再現する――其れは先ず崩壊し、再建する――其れは先ず頓死し、再生する……
[タルラ?] 「私は不毛な平原を、血の流れる山谷を歩んできたが、未だ生きている。」
[タルラ?] 「なぜなら彼らの剣、彼らの領土、彼らの家臣、皆が私を守ってくれたからだ。」
[鼠王] ゴホッ、ゴホッ……手刀で赤霄の剣術を繰り出すとはな……お主、もはや剣を握る必要すらないのか?
[ウェイ] 歳をとったな、老いぼれめ。耄碌して弁えるべき分をも忘れたか。ましてや私を止めようなどとは。
[ウェイ] いくらアーツが卓越していようと、お前は憂いが多すぎる。だから容易に手元が狂ってしまうんだ。
[ウェイ] どうしてお前は私の前に立ちはだかる? 命を懸けてまで足止めをする……その理由は一体何だというのだ?
[ウェイ] 後悔するぞ!
[鼠王] お主とて、今までにどれほど後悔してきたんじゃ、ウェイよ?
[ウェイ] まさか、フェイゼが姉妹で殺し合う事態を看過しろというのか? またもコシチェイの思惑通りにさせろというのか?
[鼠王] ワシらの時代は過ぎ去ったんじゃ、ウェイ!
[ウェイ] あの子たちに、私たちと同じ轍を踏ませるべきではないと言いたいのだろうが、私がそれを考えたことがないとでも?
[鼠王] お主がこの都市を堅く守り、ここで人々が生まれ死にゆくのを見てあの子は育った……その上であの子は行ったんじゃ! これ以上、あの子に無理強いすることなどないじゃろう?
[ウェイ] お前は感染者たちと一人の若い警官ごときで、事を成し遂げられるとでも思っているのか?
[鼠王] ワシはお主が向かっても台無しにするだけだと思っておる。
[ウェイ] グレイ……私が人を殺すのに、躊躇ったことなどあるか?
[鼠王] 幾度となくあるじゃろう。
[ウェイ] ……お前――
[ウェイ] いつまで私の邪魔をするつもりだ?
[鼠王] ワシが死ぬまでじゃ――
[鼠王] ――あるいは中枢区画が止まるまでじゃな。
[鼠王] あれを止めるのが影衛、ウルサス、感染者、フェイゼ、誰じゃろうと構わんが……
[鼠王] 止まるまで、お主は一歩も進めぬ。
[ウェイ] グレイ! 血迷ったか!
[鼠王] 来るがいい、ウェイ! 坊(ぼん)と同じように、お主が無駄死にしたいというのなら、先にワシを殺してからにするんじゃな!
[ウェイ] 貴様!
[盾兵] くそっ! 奴らめ、至る所に!
[盾兵] 一歩も引くな! 前進、進め! 奴らを追い出せ! 奴らをここから追い払うんだ!!
[盾兵] フェリーン! あとどれだけ耐えられる?
[ロスモンティス] ……
[ロスモンティス] 私たちが戦いに勝つか、私が死ぬまで。
[ロスモンティス] 誰にもアーミヤは捕まえさせない……誰にもアーミヤの戦いの邪魔はさせない。
[ロスモンティス] それに、たとえタルラが死んでも、この人たちはいなくならない。あなたたちの隊はあとどのくらいで再動員できる?
[盾兵] 隊とは、街中の遊撃隊とパトリオットを慕う感染者たちのことか?
[ロスモンティス] そう。
[盾兵] 少なくとも一時間はかかる。
[ロスモンティス] じゃあ私たちはあと一時間生き抜かなきゃ……
[ロスモンティス] あなたたちについていく。行こう!
[盾兵] よし! フェリーン、行くぞ!
[盾兵] 遊撃隊……いや、ボジョカスティの戦士よ、弾圧されし者のために戦う戦士よ! 進め! 前へ進め!
[ロスモンティス] 前へ進め!
[タルラ?] この戦争の当事者は、誰と誰だと思う?
[タルラ?] 感染者と非感染者か? 正義と悪か?
[タルラ?] どれも違う。
[タルラ?] それがお前たちが私に勝てない理由だ。
[タルラ?] この戦争の当事者の片方は、個人的な欲求を満たすために、感情を撒き散らす……戦争とは何を意味するのかさえよくわかっていない道楽者だ。
[タルラ?] もう片方は、ウルサスで……この大地で、目先のことだけにとらわれる者たちのせいで、日々苦しみにあえぐ人民だ。
[タルラ?] 私の理由など気に掛けないだと? お前にそんな資格はない。この大地に対する私たちの愛がどれほど深いか、お前にわかるか?
[タルラ?] この国のために戦う戦士たちや、戦場で血を流す者たち、彼らが誰を敵とみなそうと、私は彼らを愛している!
[タルラ?] 彼らは、命を自らの信仰に委ねている。たとえ偏見や見識の無さにより、彼らが一時的にウルサスに反抗しようと構わない。
[タルラ?] なぜならこの地は、常に彼らを愛しているからだ。
[タルラ?] 肥えた体の特権階級者だろうと、功労者や犠牲者をあざ笑うだけの市民だろうと、私は愛している。
[タルラ?] 彼らに対する私の愛は、彼らのいかなる行為によっても減ることはない! なぜなら愛は全て同じで、等価で、普遍のものだからだ。
[タルラ?] 鉱石病に未感染でありながら感染者のために戦う者たちを、感染しながらも諦めない者たちを、私は全て愛している!!
[タルラ?] 彼らが生を追い求める姿は、何もせずいたずらに生を消費するゴミどもより、何千万倍も素晴らしい!
[タルラ?] だがそんなゴミも含めて、私はウルサスの全ての人を愛している。彼らが、強かろうと軟弱であろうと、慈悲深かろうと残酷であろうと、慎ましかろうと貪欲であろうと……
[タルラ?] ウルサスにとって、命は全て同じもの、私たちは誰もがウルサスの砂粒だ。
[タルラ?] 一部の者は、生まれつき良い暮らしを送る権利を有している。しかし彼らはその権利を行使できない。彼らはそんな選択をしようともしないのだ。
[タルラ?] 運命は盲目的だ。だからこそ彼らは、謂れなき苦しみを受けるべきであり、それが彼らを成長させるのだ。
[タルラ?] 一部の者は、罰を受けなければならない。しかし彼らは罰せられることはない。なぜなら彼らの命は依然として重要だからだ。
[タルラ?] 彼らが生きていることで、川は流れ、物事は移ろい、計画は速やかに実行される。彼らが溺れ死ぬまで……役者が入れ替わるまで。
[タルラ?] 私は、彼ら全員を愛している。
[タルラ?] 出身も、行ないも、身分も、人格も、何一つ分け隔てなく――
[タルラ?] 私はこの地のあらゆる人を愛している。
[タルラ?] 千年来ずっとそうしてきたのだ。
[チェン] !
[アーミヤ] ――!
不死の黒蛇……
不死の黒蛇――!!
[「不死の黒蛇」] アーミヤ……アーミヤ。なぜお前には先見の明がなく、それほどまでに脆弱なのかわかるか?
[「不死の黒蛇」] それはお前が、そちら側にしか立っていないからだ。お前の視野のどれほど狭いことか。お前はその目でどれほどの不幸を見てきたというのだ?
[「不死の黒蛇」] お前はただ、魔王の目を借りて日常の光景を目にしていただけ……実際にその場に身を置いたかのように語るだけ……
[「不死の黒蛇」] しかし私が経験してきた惨劇は、お前がただ目にしただけのものよりもずっと多い。
[「不死の黒蛇」] お前は感染者という身分の、狭く単一的な括りの存在にすぎない。しかし私はウルサス全ての証人だ。
[「不死の黒蛇」] 私は、お前たちの目に見えていない広大な土地や、泣き叫んでいる人民を救うために生きている。お前たちはどうだ?
[「不死の黒蛇」] お前たちは、目の前のほんの些細なことのために大声で泣き喚き、その救済を気取る、目も耳も口も満足に利けない者だ。
[「不死の黒蛇」] この大地でいったい何が起きたか、お前に想像できるか? できるはずがない。
[「不死の黒蛇」] お前が見た言葉や歴史、記憶は全て自身を感動させるための断片でしかない。運命が生けし人の体に刻んだ傷痕を見ることなど、お前にはできない。
[「不死の黒蛇」] 傷痕は人を殺すことができる……私の体には数千万ものウルサスの同胞の傷痕が刻まれている。
[「不死の黒蛇」] チェン・フェイゼ……お前は血の繋がった私の妹だ。お前がここにいるのは私に勝つためか? お前がウルサスを敵とみなすのは、ウルサスがお前の故郷を侵そうとしているからか?
[「不死の黒蛇」] しかし自分の姉にすら勝てないのに、どうやってお前はウルサスに勝とうというのだ?
[「不死の黒蛇」] そもそも、ウルサスがこの戦争に巻き込まれようが、この戦争の結果がどうなろうが、私は興味がない。
[「不死の黒蛇」] 私が求めるのは、この地を膠着状態と内部抗争から解放すること。この戦争の終結後、どちらか一方は零落し、もう一方は勃興する。それが軍政府だろうと、新皇帝だろうと構わない。
[「不死の黒蛇」] 先代の皇帝は、まさにウルサスの魂の再来だった。
[「不死の黒蛇」] 彼は、享楽に耽ることなく、権力を望みつつもその程度を弁えた。彼は欲望の権化などではなく、微塵も暴虐的ではなかった。
[「不死の黒蛇」] しかし彼は戦争をもたらした。なぜなら、ウルサスには戦争が必要だからだ。戦争によって人々を成長させることが必要だからだ。
[「不死の黒蛇」] 彼は優秀だった。ウルサスの真の皇帝と呼ばれるに十分だった。
[「不死の黒蛇」] そしてお前たち……お前たち感染者。
[「不死の黒蛇」] 「お前はどうして家畜のように彼らの前に跪き、尾を振って哀れみを請わない? それで彼らの許しを得られるというのに」
[「不死の黒蛇」] 大地の人々に受け入れてもらいたいのか?
[「不死の黒蛇」] もちろん構わない。シーリングブロックのごとく餌を貪ればいい。人間の言葉を放棄し奴隷になるがいい、お前たちの四分の一の人数を差し出して、彼らの浪費と殺戮に捧げるがいい。
[「不死の黒蛇」] そうすることで、彼らはお前たちを無害な家畜、人の形をした気持ち悪くも風変わりなペットとみなすだろう。彼らの脆弱な力の捌け口となり、哀れな尊厳を保つための付属品となるのだ!
[「不死の黒蛇」] お前たちはなんとか命を繋ぎ、新たな命はお前たちの代替品として使われ続ける。お前たちの個体群はそうなる定めなのだ、永遠に。
[「不死の黒蛇」] ――なぜなら愚か者たちは、こういった方法でしか許しと満足を得られないからだ。だから巨大な権力システムが作り出されたのだ。彼らとお前たち――あらゆる主人と奴隷、双方の安定のために……
[「不死の黒蛇」] 私とこのウルサスほどお前たちを平等に扱う者はいない。私たちはウルサス人の卑劣さを計算に入れた上で、お前たちを彼らの影の下で生存させてやる必要があるのだ。
[「不死の黒蛇」] もしそれを悪だと言うのであれば、悪として扱えばいい。それでもこの悪は、国を越えるのに十分すぎるほどの、悲しい救済の心理を有している。生命もまた同様だ。
[「不死の黒蛇」] そうやって今日までやってきたのだ。
[「不死の黒蛇」] 私が全てを変える。私がウルサス人に方向性を与えたのだ。
[「不死の黒蛇」] この国のかつての統治者――その偉大な君主は、ウルサス人を同様に偉大なものにした。だが彼の寿命には限りがあり、ついに感染者を幸せにはできなかった。
[「不死の黒蛇」] 戦争の中で、ウルサス人の理性的でない部分は満たされ、知的でない部分は充填された。平凡な部分は非凡になり、冷淡な思考は煮えたぎる血肉へと変化した。
[「不死の黒蛇」] 彼らは高尚になったのだ。
[「不死の黒蛇」] かつて彼らを飼いならすには、知恵ではなく愚かさが用いられた。だが私たちは、もはや彼らの服従を必要としないし、彼らに対する支配も必要ないのだ。
[「不死の黒蛇」] 私は、彼らに尊厳を取り戻させる。
[「不死の黒蛇」] ウルサスの未来の中で、感染者もそれは同じだ。
[「不死の黒蛇」] 私は感染者と一般人のために、ウルサスと諸国のために、新たなる崇高と平等をもたらす。
[「不死の黒蛇」] 諸辺境の守備軍と議会には、決着を付けてもらおう。私は戦争を起こし、今すぐ彼らに結果を出させる。
[「不死の黒蛇」] 時間と共に、命は擦り減り、情熱は流され、ウルサスが小さな火花を散らすことすらも出来なくなった時、その土地と人々は皆、共に腐敗し、永遠に忘れられてしまうだろう。
[「不死の黒蛇」] そのようなことを、私は決して起こさせない。
[「不死の黒蛇」] 私は綿密な計画のもと、ここでレユニオンを滅ぼす……私がそれを手中に集め、そして崩壊させるのは、物事の起因とするために過ぎないのだ。
[「不死の黒蛇」] そしてお前たちはこれを――ウルサスのために行う私の全てを否定しようとしている。
[「不死の黒蛇」] お前たちの浅はかな目で、どうやって百年後の出来事を見ることができる?
[「不死の黒蛇」] 感染者と一般人の共通の敵への怒りを、どうしてお前に見ることができる? 今の僅かな満足のために、なぜ数千年後の平和と栄光、知恵の邪魔をする?
[「不死の黒蛇」] お前たちには経験が足りなさすぎる。
[「不死の黒蛇」] お前たちは未だかつて破滅の瀬戸際に置かれる痛みを経験したことがないのだ。感染者は苦しみの中で生にすがることができたが、ウルサスは幾度も崩壊の危機に見舞われているのだ。
[「不死の黒蛇」] ハガンの騎兵が大地を踏み鳴らし、武器をぶつけ合って行進する様子を見たことがあるか? 行進と共に響く、あの山を更地にし、川の流れを変えるほどの轟音を聞いたことがあるか?
[「不死の黒蛇」] 悪夢のケシクたちが曲刀で頭蓋骨を擦りながら発する甲高い鳴き声を聞いたことがあるか?
[「不死の黒蛇」] 何万ものルーシの勇士の、鼓膜を突くほどの艦砲射撃音を聞いたことがあるか? 横暴なガリアたちが、血と泥の中で粉々にされる様子を見たことがあるか?
[「不死の黒蛇」] お前たちは無知なのだ。だが私はそれを責めはしない。
[「不死の黒蛇」] お前たちが、自分の愚かな行為を実践に移したいと、ウルサス民が一つの信念の下に再団結するのを阻止したいと、ウルサスの土地の再繁栄を妨げたいと思うのなら……
[「不死の黒蛇」] 私を、このウルサスの化身を止めてみろ。
[「不死の黒蛇」] 来い。
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