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苦難揺籃_7-10_暗がりの火_戦闘後
状況はようやく緩和した。その後のやり取りで、ドクターはオペレーターとパトリオットのチームの詳細を知ることができた。 そしてパトリオットのためにGuardが動き出すも、途中で止められてしまうのだった。
[アーミヤ] このサルカズたちは儀式の影響を受けていないようです……けれど私たちロドスのサルカズオペレーターには儀式の免疫がない。どうしてなんでしょう?
[アーミヤ] それに彼らは遊撃隊にも属していないみたいです。変ですね……
[ロドス前衛オペレーター?] ロスモンティス……
[ロドス前衛オペレーター?] ありがとう。
[ロスモンティス] 感謝しないで、仕事だから。アーミヤがよく言ってる。それが自分のやるべき仕事だから感謝しなくていいんだよって。
[ロスモンティス] 見回りしてくる——
[ウルサス人感染者] …………
[アーミヤ] 薬による抑制作用は、少し経ってから効き始めます。でも鉱石病による痛みはかなり和らいだはずです。
[アーミヤ] この薬を皆さんに持って行ってください。手持ちがあまりなくて、一クール分だけですが、それでも急性の重症化を抑えるには十分なはずです。
[ウルサス人感染者] あんた、本当に私たちを助けに来たの?
[アーミヤ] もちろんです。でも残念ながら今はまだできることが少ないです。
[アーミヤ] 本格的な救護活動は、レユニオンのリーダーを倒した後じゃないとできません。
[アーミヤ] それに……もしもまた、レユニオンが全面的な暴動を起こしたら、私たちでも対処しきれないと思います。くれぐれも気をつけて。
[ウルサス人感染者] さっきあんたたちに言ったこと謝るわ。前はこんなんじゃなかったのよ、私だって……
[ウルサス人感染者] 前はあんたたちのことが大嫌いだった。だけど今、私も同じ立場に立たされてる。あんたたちと同じ、人から嫌われる立場に……
[ウルサス人感染者] 私も心が荒んで攻撃的になってた。でも、そのせいで彼を死なせるところだった。本当は彼がいなければ、私はとっくに死んでたかも知れないのに……
[ウルサス人感染者] でも、彼が私たちを置いて物資を探しに行く度、死人が増えるの。だから他のレユニオンとグルになって、私たちのことをからかってるんじゃないかって疑ってたの。
[ウルサス人感染者] 私たちはもう同じ感染者なんでしょ? レユニオンって……そんなにウルサス人が憎いの?
[ケルシー] 人間の中にある最も醜悪な感情は、誰かに扇動される必要はない。そのまま放置するだけで、都市一つを塗りつぶすのには充分だ。
[アーミヤ] 先生……! さっきの件は、いきなり過ぎます!
[ケルシー] アーミヤ、君はもうあんな茶番で驚きはしないだろうと思ったが。
[アーミヤ] いいえ、あんなのはもうたくさんです!
[ケルシー] 交渉に時間を費やし過ぎては、次の行動の妨げになる。
[ロドス前衛オペレーター?] つまり……先生、もし彼女が嘘をついたら、本当に俺を殺していたということですか?
[ウルサス人感染者] け、結局最後は本当のことを言ったじゃない……!
[ロドス前衛オペレーター?] 仮定の話だ。傷ついた感染者が全て、君のように誠実さを取り戻すとは限らない。俺だって、つい意地を張ってしまうことはある。
[ウルサス人感染者] そんな……
[ケルシー] Guard、君を殺すようなことはしない。
[ケルシー] 君はロドスのオペレーターだ。私がまず信じているのは君の方だ。
[ケルシー] どちらかというと、あれは彼女のための心理療法みたいなものだ。結果的に、二人で君の無実を証明した。
[ロドス前衛オペレーター?] そうですか。でも……
[ロドス前衛オペレーター?] 先生の顔があまりにも険しかったから、本当にやられるかと思いましたよ……迫真の演技でした。
[ケルシー] 大したことではない。実行はしないが、大半の人にそうすると思わせることくらいはしなければ。
[アーミヤ] ケルシー先生、まさかそこまでするなんて……もうGuardさんを脅さないでくださいよ。
[ケルシー] うむ。
[アーミヤ] Guardさん、大丈夫ですよ。本当にそんなことになったら、私が先生を止めますから。
[アーミヤ] さっきのストレスで心身に影響はありませんか? 良かったら私がケアしましょうか?
[ロドス前衛オペレーター?] いや、大丈夫です。この程度のことでアーミヤさんのメンタルケアを必要とするなら、さすがにオペレーター失格なんで。
[ロドス前衛オペレーター?] それに、本当に心配なのは俺よりも、入口に立っているあの子——ロスモンティスの方です。
[ロスモンティス] …………
[ロドス前衛オペレーター?] 今はだいぶ平気ですがね。色々話してくれたせいか、彼女のことがなんとなくわかってきましたから……それでも、彼女が巨大な剣をぶん投げて人を真っ二つにした光景がフラッシュバックします。
[ロドス前衛オペレーター?] あの任務はさすがに一生忘れられませんよ。
[アーミヤ] ……その時のことは知っています。
[アーミヤ] Guardさん、知ってますか? ロスモンティスさんは結果的にあの任務で、四人の住民の命を救ったことを。
[アーミヤ] 彼女が斬ったのは、現地の部隊がサルカズの奴隷売買者から買った軍用実験術師で、彼らは全員、脳下垂体が切除されていました。悲しい言い方ですが……本来廃棄されたものでした。
[アーミヤ] 自分の意志ではなく、身体に埋め込まれた源石器官によって、外部から行動をコントロールされていた……彼らはロスモンティスさんに斬られるより前に、既に死んでいたんです。
[アーミヤ] ロスモンティスさんのような戦術ができる人にしか、あの実験体の活動を止められません。彼女が残酷というわけじゃないんです。
[ロドス前衛オペレーター?] ……そうでしたか。だとしてもあの子の精神は——
[アーミヤ] Guardさん、あなたのロスモンティスさんに対する誤解は、あのタイーシャさんが最初にあなたに抱いていた誤解と似ています。
[アーミヤ] 見た目や噂は、他人を知る時に最初に触れる情報です。本当の姿がどうであれ、レユニオンであるあなたに対し、彼女たちが最初に起こす反応は「排斥」以外ありません。それは仕方のないことです。
[アーミヤ] ですが、認識がそのままで止まっていたら、人を信頼するどころか物事への理解すら少しも進まなくなります。
[アーミヤ] 真実の種を街中に蒔いても、それを知ろうとする人がいなければ、芽吹く可能性はゼロです。
[アーミヤ] それに、ロスモンティスさんは目の前にいるでしょう? 心配なら本人に直接聞いた方がいいと思いませんか?
[ロドス前衛オペレーター?] ほ、本人に?
[ロスモンティス] ……何が聞きたい?
[ドクター選択肢1] (ロスモンティス、怖いよ……!)
[アーミヤ] (違うんです……彼女もどう言えばいいのかわからないんだと思います……)
[ロドス前衛オペレーター?] …………
[ロドス前衛オペレーター?] ……ロスモンティス、君はここに何をしに来た?
[ロスモンティス] 任務のため。
[ロスモンティス] ……あと、さっきも言ったと思うけど、仕返しのため。失ったり、傷ついたりした、たくさんの家族みんなのために。
[ロドス前衛オペレーター?] ……質問は終わりました。
[ロドス前衛オペレーター?] 何が聞きたかったのかは、俺にもよくわかりませんが……
[ロドス前衛オペレーター?] 以前はアザゼルの人に怒りをぶつけましたが、今度はロスモンティスに失礼なことを言ってしまった。俺ってやつは本当にダメだ……
[ケルシー] ところで、君はパトリオットを信頼しているようだな。彼と遊撃隊について、それとレユニオンの話も聞かせてほしいのだが。
[ロドス前衛オペレーター?] 先生やドクターは、現状をよく理解していると思いますが……
[ロドス前衛オペレーター?] こんな荒廃した場所にもまだ生きている人が大勢いる。それは——
[ロドス前衛オペレーター?] パトリオットと遊撃隊、そして彼らを支持してる人たちがいるからです。
[ロドス前衛オペレーター?] 遊撃隊の戦士たちがそこに立っているだけで、周りに争いが起きることもなければ、他人に暴行を働くような奴も現れない。
[ロドス前衛オペレーター?] 彼らは貨物の運送や資源の分配だけでなく、地元住民の生活改善をもサポートしました。
[ロドス前衛オペレーター?] ……パトリオットは俺にここから出る方法を教えてくれましたが、自分で残ると決めたんです……全てを見届けたくて。
[ロドス前衛オペレーター?] 彼とアザゼルのリーダーの会話を偶然立ち聞きしてしまったことがあります。それを聞いて思ったのは、もし彼が正義の仮面を被っているとしても、この先それが外れることはないということです。
[ロドス前衛オペレーター?] それに……それに、俺を守ろうとして死んでしまった人がいます。パトリオットはその人をも尊重してくれた。Scoutさんのことを。
[ドクター選択肢1] Scout……チェルノボーグで犠牲になったオペレーターか。
[ロスモンティス] Scout!
[ドクター選択肢1] ロスモンティス……?
[ロスモンティス] Scoutがどうしたの?
[ロスモンティス] 彼は死んだの? どうして私は覚えていないの? 彼は……
[ロスモンティス] この虚しさは……彼のこと? Scout……私、また忘れたの?
[ロスモンティス] ついこの間……端末に……どうして忘れちゃうの?
1月3日
白髪のお爺さんが、黒く焼け焦げたものを届けにきた。Mechanistは、それを見た途端、椅子に座ったまましばらく動かなくなった。
お爺さんは小さく頷いて、出ていった。ケルシー先生も一緒にいたけど、何も言わずに私の頭を少し撫でた。
あれはScoutのものだった。
Scout.
Scoutはもういない。
あとに影すら残さない人。話が長くていつ終わるかわからない人。他のみんなが死んでも自分だけは絶対に生き残る人。それがScout……そうだよね?
Scout......
以前の記録を見た。Scoutは私にリボンを作ってくれた。でもあれは小さい子供用のオモチャ。私はもう大人なの。
Scoutが死んだ……なぜ?
なぜ? 何で? どうして?
どうして……?
[ロスモンティス] …………
[ロスモンティス] うぅ……
[アーミヤ] ロスモンティスさん……
[アーミヤ] 手を貸してくださいロスモンティスさん……目を閉じて。
[ロドス前衛オペレーター?] …………
[ロドス前衛オペレーター?] エリートオペレーターであろうと、俺たち普通の隊員と、そんなに変わらないんですね。
[ロドス前衛オペレーター?] Dr.{@nickname}……あなたに伝えなきゃいけないことがある。
[ロドス前衛オペレーター?] ドクターの救出任務では、Scoutは偵察隊の隊長でした。彼は今のあなたに会ったことはありません……でも昔のあなたを知っていたそうです、Ace隊長と同じように。
[ロドス前衛オペレーター?] 彼は、負傷した俺から敵を引き離すために、一人でサルカズ傭兵の前に姿を見せ、陽動作戦を取ったんです。
[ロドス前衛オペレーター?] 彼がその気になれば、単独で絶対逃げ切れたはずなのに……
[ロドス前衛オペレーター?] その時、彼からドクターへの伝言を預かったんです。
[ロドス前衛オペレーター?] 「ドクターが俺たちと共に戦ってくれた日々を、俺は一秒たりとも忘れたことはない。」って。
[ドクター選択肢1] ......?
[アーミヤ] Scoutさん……
[ロドス前衛オペレーター?] あとドクターにもう指揮はやって欲しくないとも言っていました。でも今のこの状況をただ見てるだけなんて、あなたにはとてもできないでしょうね。
[ロドス前衛オペレーター?] 隊長も私を助けるために亡くなりました……俺は、背中に二人分のエリートオペレーターの命を背負っています。
[ロドス前衛オペレーター?] でもScoutさんは言っていました。自分は誰か一人のために死ぬというわけではない、一つの信念のために死ぬのだと。
[ロドス前衛オペレーター?] 彼の隊も、俺の隊も、みんながそうなんだと。
[ロドス前衛オペレーター?] だから俺は、レユニオンを見届けてみようと思ったんです。状況がどう変化していくのか、どうすればロドスの力になれるのか、それが知りたかった…‥…
[ロドス前衛オペレーター?] レユニオンを観察するうちに俺は、遊撃隊にも彼らの信念があると気づきました。彼らが身を投じたいと思えるほどの、純粋で、揺るぎない信念が。
[ロドス前衛オペレーター?] もちろん、ロドスに比べれば彼らは少し粗野な部分がありますが、それを誇ったりしないことから、彼らには何か特別なものがあると俺は感じました。
[ロドス前衛オペレーター?] かつてレユニオンは、全ての感染者を解放すると宣言しましたが、それに対して遊撃隊がまず担う仕事は、感染者の敵の排除です。
[ロドス前衛オペレーター?] 感染者を奴隷のように扱い、感染者を用いて非感染者を脅す、そんな連中を排除するんです。一人残らず。
[ロドス前衛オペレーター?] これらは全て、パトリオットの指示によるものです。彼らに教え、彼らを導き、彼らを守ってきた。
[ロドス前衛オペレーター?] パトリオットが任務のためにチェルノボーグを離れる前、彼と少し話をさせてもらいました。
[ロドス前衛オペレーター?] あの老戦士、一体何歳なんでしょうね? 俺とは歳の差も格の差も歴然としている……それなのに俺に酒を注いでくれました。他人にあんな礼節を尽くされたのは初めてでしたよ。
[ケルシー] 彼の年齢は、確かに君の想像を超えるかもしれない。
[ロドス前衛オペレーター?] あの噂は知ってますか? 彼がウルサスを離れた時の噂。
[ケルシー] 多少は聞いている。大反乱の際、彼が精鋭部隊を一個小隊率いてウルサスを離れたとか。大反乱は確かに、本来荒唐無稽であった物事に可能性をもたらしたようだな。
[ロドス前衛オペレーター?] それは本当の話です。しかし、あの時彼に付き従った精鋭たちは、今はもうほとんど生き残っていないんです。
[ロドス前衛オペレーター?] ウルサス正規軍との戦いで、彼らは多くの戦士を失ったのかもしれません。
[ロドス前衛オペレーター?] 現在所属するほとんどの遊撃隊員は、新しいメンバーです。遊撃隊が西北凍原で戦っていた頃、自発的に入隊を志願した人たちです。
[ロドス前衛オペレーター?] 彼らの戦いに、威望に、理想に、皆それぞれ感化され、遊撃隊に志願したそうです。
[ロドス前衛オペレーター?] かつて彼らとレユニオンの目的が一致していたことで、両者は手を組みました。ただ、いつの間にか……おそらく感染者のウルサス人に対するあまりにも根深い憎悪が、この状況を作ったんでしょう。
[ロドス前衛オペレーター?] この天災に襲われた土地にしがみつくようにして暮らす人たちが、苦しみ、狂気に走り、命を落とす、この悲惨な状況を……
[ロドス前衛オペレーター?] タイーシャ……君の名前はタイーシャで合ってるよね。
[タイーシャ] ……ええ。
[ロドス前衛オペレーター?] 膝はまだ痛むのか?
[タイーシャ] え?
[ロドス前衛オペレーター?] 3日前、逃げる時に転んで怪我しただろう。
[タイーシャ] そんなのとっくに治ったわ……! これでもウルサス人だから! あんたたちみたいな……種族とは造りが違うの。ウルサス人は身体が丈夫なんだから。
[ロドス前衛オペレーター?] それならいいが……結構深い傷だったように見えたんでな。
[ロドス前衛オペレーター?] ハハッ、ここでは医療オペレーターの真似事までしてるんですよ。素質なんてこれっぽっちもないってのに。
[ロドス前衛オペレーター?] ケルシー先生、アーミヤさん。俺にはまだやることがたくさんあります。
[ケルシー] わかっている。
[アーミヤ] はい……
[ロドス前衛オペレーター?] Medicは……来てないのか?
[ロスモンティス] どうして、そんなことを?
[ロドス前衛オペレーター?] まぁ、どうでもいいが、ロスモンティスがいることで察しはつく。ここでの活動に応急処置以上の余裕はない。ロドスは殲滅戦のために来ているわけだし——
[ケルシー] その様子だと、全く知らないんだな。この都市が、もうすぐ龍門に衝突するということを。
[ロドス前衛オペレーター?] …………
[ロドス前衛オペレーター?] えっ?
[ロドス前衛オペレーター?] あ、ああ……この移動都市を使って、龍門で戦っているレユニオンに増援を送るってことですか? レユニオンに残った移動手段はこの中枢区画だけだって聞いたことはありますが。
[ケルシー] 中枢区画が発信しているのはウルサスの都市識別コードだ。
[ロドス前衛オペレーター?] えっ?
[ロドス前衛オペレーター?] ……なんですって!?
[ロドス前衛オペレーター?] 待ってください!
[ロドス前衛オペレーター?] ……いや、そんな!?
[ケルシー] ロドスが急いで今回の行動に出た理由がやっとわかったようだな。
[タイーシャ] どういうこと?
[ケルシー] (ロドス戦術サインの一つ、「沈黙」のジェスチャー)
[ロドス前衛オペレーター?] ……いや、大したことじゃない。君には関係ない。
[タイーシャ] ふぅん……ところでさっきからずいぶん話し込んでたけど、結局、パトリオットと彼の手下がそんなに「正しい」人たちだとしたら、どうして未だにレユニオンはウルサスで好き勝手をしてるの?
[ケルシー] レユニオンが「本来はそうすべきじゃない」からだ。
[タイーシャ] え……どういうこと?
[アーミヤ] Guardさん……
[アーミヤ] あなたが持っている、レユニオンやここの住民との交流の経験は、もしロドスに戻っていただけるのなら、これからの私たちの活動にすごく力になってくれるはずです。
[ロドス前衛オペレーター?] …………
[アーミヤ] でも、あなたはまだここを離れられない……そうですよね?
[ロドス前衛オペレーター?] ……はい。アーミヤさんには、お見通しみたいですね。
[ロドス前衛オペレーター?] 自分勝手ですみません。歳は俺の方が全然上だというのに、考えは本当に大人げないですよね。
[ケルシー] 自分を責める必要はないぞ。むしろロドスの理念に照らすならば、君の行動は賞賛すべきものだろう。
[ケルシー] ……だが、今、君の置かれている状況はとても危険だ。
[ケルシー] もしレユニオンがこのまま傾き、崩壊していくならば、感染者たちの救助や基本生活の維持といった、君の行おうとする支援活動は、更に困難なものになるだろう。
[ケルシー] そうなる事に懸念はないか?
[ロドス前衛オペレーター?] いいえ、まったく心配していません。
[ロドス前衛オペレーター?] レユニオンにはパトリオットがいますから。
[ロドス前衛オペレーター?] 彼さえいれば、レユニオンは崩壊したりしない。
[ロドス前衛オペレーター?] たくさんの遊撃隊戦士が駐屯地を離れ、集結しています。おそらく彼がもうこの都市に戻ってきているのでしょう。
[ロドス前衛オペレーター?] 彼がいる限り、レユニオンにも転機が訪れると俺は信じています。
[ケルシー] だが、レユニオンは変化へのモチベーションを欠いているようだ。それに情報を総合的に分析した結果、タルラは、レユニオンのためなら全てを尽くすというタイプのリーダーではない。
[ケルシー] この中枢区画、それが離れた後に残されたチェルノボーグの廃墟、そしてウルサスの感染者……
[ケルシー] 更には、いつ動き出すかわからないウルサス第三師兵団。状況は悪化する一方だろう。
[ロドス前衛オペレーター?] ですが、レユニオンにはまだ相当な力が残っています。
[ロドス前衛オペレーター?] それに……ロドスには解決できないこともある。
[ロドス前衛オペレーター?] あくまでロドスは企業ですから。これは先生もよく仰っていることです。
[ロドス前衛オペレーター?] 俺はAce隊長も、Scoutさんも尊敬していますが……
[ロドス前衛オペレーター?] パトリオットにも心酔しています。
[アーミヤ] ……わかっています。
[ロドス前衛オペレーター?] ……アーミヤさん、怒ってますか?
[アーミヤ] いいえ。私たちにできないこと、できなかったこと……それらに対する悔しさはありますが、あなたに対して怒る理由はありません。
[アーミヤ] この2週間という短い間に、色んなことが起こりました。私たちもみんな、ずいぶんと変わりました。
[アーミヤ] でも、感染者に関することで私たちが敵対する必要はありません。これまでチェルノボーグで起きた全てのことは……Guardさんと私が見たものは同じ景色でしたから。
[ロドス前衛オペレーター?] その通りです。私はやっぱり……他人を傷つけることには耐えられません。しかし——
[ロドス前衛オペレーター?] もしパトリオットがレユニオンを正しい方向に導くのなら、私は彼の後ろに続くでしょう。彼を信じるメンバーたちや、遊撃隊の戦士と一緒に。
[ケルシー] ロドスとしては、君の新たな考えとそれに基づいた行動は、我々に損害をもたらすものではないと判断する。
[ケルシー] むしろオペレーターたちには、未知の環境や知識に対する積極的な接触を推奨している。それにより彼らは自らの目標を見つけ出し、些細なことで自身を疑うようなことがなくなる。
[ケルシー] 人の考えとは常に変わりゆくものだ。
[ロドス前衛オペレーター?] ……ありがとうございます、ケルシー先生、アーミヤさん。
[アーミヤ] あっ、あともう一つ。
[アーミヤ] これからは、何かあったらドクターに連絡してください。
[ドクター選択肢1] 遠慮なく連絡してくれ!
[ドクター選択肢2] …………
[ドクター選択肢3] 喜んで。
[ロドス前衛オペレーター?] あと、私はロドスの者としての職責を……アーミヤさん、先生……より重視すべきなのでしょうか?
[アーミヤ] ……そんなことはありませんよGuardさん。何にも縛られずに自分のやるべきことをするのが一番重要ですから。
[アーミヤ] それに、これは私個人の考えですが、もしもロドスがあなたと同じ立場に立たされたら、きっと同じような選択をしたと思いますよ。
[ケルシー] 人それぞれに異なる選択がある。君が重要だと思ったのなら、その選択を信じるがいい。
[ケルシー] このウルサス人の中で、君にベストな立ち位置を見つけてほしい。そして君の信念に従い、守るべき者たちをしっかり守ってほしい。
[ロドス前衛オペレーター?] …………
[タイーシャ] ……ど、どうして私を見るの?
[ロドス前衛オペレーター?] ……いや、何でもない。考え事をしてただけだ。
[ケルシー] そうだ。ええと——
[ケルシー] この期間中の給与についてだが、こういったケースについては支払いの対象として見なされない。済まん。
[ケルシー] それから、Guard……一つ教えてくれ。
[ケルシー] もしパトリオットがタルラを裏切ったとすれば、どうなる?
[ロドス前衛オペレーター?] ……それは絶対ありえません。パトリオットはタルラをかなり信頼しています。
[ケルシー] なるほど。では、逆の場合は?
[ロドス前衛オペレーター?] ……ケルシー先生!?
[ケルシー] もし、タルラがパトリオットを裏切ったら?
[ケルシー] あるいは、我々は既にレユニオンの指揮官「フロストノヴァ」と遭遇しており、結果的に彼女を死に追いやっていたとしたら?
[ロドス前衛オペレーター?] 先生!? 今なんて……
[ロドス前衛オペレーター?] あれは……フロストノヴァは……パトリオットの娘ですよ……!
[アーミヤ] もし今後、私たちがパトリオットさんと敵対するようなことになれば——
[アーミヤ] それは一番最悪な結果で、そして陰謀を企てた者たちが一番見たい展開でもあります。
[アーミヤ] もし、タルラがパトリオットさんの意向を無視して、レユニオンによる市民への暴行を黙認、あるいは許可しているのなら……それはただの放任でなくなります。
[アーミヤ] パトリオットさんは、多くの感染者から報復の対象とされてしまいます。真実を知らない人や、憎しみに駆られた人——
[アーミヤ] そして意図的にそうしたい人からも……
[ロドス前衛オペレーター?] …………
[ロドス前衛オペレーター?] ……行かないと。
[ロドス前衛オペレーター?] パトリオットに知らせないと!
[ロドス前衛オペレーター?] しかし……ロドスが……
[ロドス前衛オペレーター?] 彼はロドスと……敵対することになるでしょうか?
[ドクター選択肢1] こんなことになるとは思いもしなかった。
[アーミヤ] おそらく……レユニオンがここまで追い詰められたのは、成り行きではありません。
[アーミヤ] ミーシャさんもフロストノヴァさんも……その犠牲者の一部です。
[アーミヤ] レユニオンも私たちも、更には龍門も、これ以上無関係な誰かを傷つけることは許されません。
[アーミヤ] ドクター、私たちにはまだやることがたくさんあります……後処理を考えるだけで頭痛がしてきそうです。
[アーミヤ] でも……その前に、チェンさんを見つけないと。
[アーミヤ] そして一番重要なのは——
[アーミヤ] レユニオンのリーダー、タルラ。彼女こそ、この現状をもたらした張本人です。
[ケルシー] Mantra-2小隊、聴こえるか。
[エリジウム] はいはい聴こえてますよ。実はうちの隊長がレユニオンの通信手段を突き止めましてね。すごく原始的な方法でした。あ、ここの敵さんは隊長がほぼ無力化させたんで、ひと安心です。
[エリジウム] あ、敵って言っても遊撃隊じゃないですよ。あいつらはちょいと厄介だからなぁ……
[エリジウム] それより、無力化させたこいつらはどうしましょう?
[ケルシー] 無力化しているのならそれで十分だ。ここで彼らの殲滅や、仲間割れをさせるのが我々の目的ではない。
[ケルシー] むしろ彼らの内部で混乱が生じるのは望ましくない。彼らは、自らを欺いた相手に反旗を翻すために一致団結するべきだ。そのために彼らには、ことの真相を知らしめなくてはならない。
[エリジウム] え? 今ですか?
[エリジウム] あ、これは隊長の質問ですからね。僕は反対していませんよ。
[ケルシー] もちろん……今ではないが。
[ケルシー] レユニオン・ムーブメントの精神はすでに腐敗しているが、その虚構に塗れた背骨がまだ残っている。
[ケルシー] 我々の目的は、それを取り除く、あるいは打ち砕くことによって、レユニオンを崩壊させることだった。
[ケルシー] だがタルラは、我々よりも先んじて計画を進めている。感染者同士の衝突を露わにし、その社会的矛盾を激化させた……
[ケルシー] 彼女の行動は、単なる精神異常者による迷走の末路なのではないかと思っていたが、今考えれば、それはもっと悪辣な……計算された狂気と言えるかもしれない。
[ケルシー] だが、この都市の感染者と市民は必ずや反旗を翻すだろう。
[ケルシー] この地が混沌と化していく状況を放置するというタルラの選択が、彼らに交流、共存、そして理解し合う機会を与えたのだ。
[ケルシー] とは言え、彼女のクイーンはきっとまだ盤上に残っているはずだ。そうでなければ、ここまで好き勝手にはできないだろう。
[ケルシー] 一つ確信しているのは、彼女はレユニオンを壊滅させるつもりだということ。最も不名誉な手段でな。
[ケルシー] 我々は、この地に染み込んだ彼女の毒を中和しなければならない。
[ケルシー] しかしこれも全て、ボジョカスティの行動次第……か。
[ドクター選択肢1] 中央エリアへの潜入は成功したようだな。
[ケルシー] ああ、潜入行動はここまでだ、Dr.{@nickname}。
[ケルシー] 最初に言ったように、潜入は作戦の20パーセントでしかない。
[ケルシー] ブリッジと動力制御エリアを制圧し、移動都市の進行を止めるためには、中央エリアは避けて通れない場所だ。
[ケルシー] しかし、ここから我々の前に立ちはだかるのは、普通のレユニオンでも、戦闘力だけのサルカズ傭兵軍でもない。
[ドクター選択肢1] レユニオンのリーダーは、あと数人しか残っていないはずだ。
[ケルシー] Wのことはひとまず置いておく。
[ケルシー] 戦術指揮官として君が最も注意すべき対象は、暴君タルラよりも、もう一人のリーダーだ。
[ケルシー] ウルサス西北部の奥地に駐留する強大な第四軍団に、少数の精鋭で長らく抵抗を続けていた西北凍原の遊撃隊……結成されてから今日に至るまで、その統率者はたった一人。
[ケルシー] 並の反抗勢力であれば蟻のように鏖殺されるだけだが、遊撃隊にはそれを跳ね除ける力があった。
[ケルシー] 当地の権力者は軍隊を派遣し、彼らを殲滅させようとしたが、その行為は他の権力者や議会に自身の無能さを宣言するに等しかった。
[ケルシー] 戦火は長きにわたり燻り続けていた。雪原でかろうじて生き延びる感染者たちをして「盾」と言わしめたのが、かの遊撃隊だった。
[ケルシー] 感染者の盾。
[ケルシー] スノーデビルは彼ら遊撃隊の一員だった。しかし彼ら全員が感染者というわけではない。
[ケルシー] この遊撃隊は、感染者のためだけに戦うわけではない。他にも彼らが守ろうとしたのは、追放される者、迫害される者、反抗する者、流浪する者、エルフ、ドゥリン、サルカズ……
[ドクター選択肢1] ――どこかで聞いたことのある話だな。
[ケルシー] ほう? 気づいたか。
[ドクター選択肢1] まあな。
[ドクター選択肢2] …………
[ドクター選択肢3] 適当に言ってみただけだ。
[ケルシー] ロドスと同じ。君もそう思っただろう?
[ケルシー] このままいけば、君の直感はロドスに欠かせぬ才能になるだろう。Dr.{@nickname}。
[ドクター選択肢1] 怒らないのか?
[ドクター選択肢2] …………
[ドクター選択肢3] 反論されるかと思った。
[ケルシー] 何故私の目を見る?
[ケルシー] 私の目を見ても何も答えは得られないぞ。
[ケルシー] こんな時の沈黙に価値はないと思うが。
[ケルシー] 一つの意志を貫くかどうかは、君自身が決めることだ。
[ケルシー] 君が望むなら、そうするが。
[ケルシー] 私に非難されたいのか、Dr.{@nickname}?
[ケルシー] その必要はない。君が望むとは思わないし、君の考えは正しい。
[ケルシー] 実際、ロドスと遊撃隊の共通点は他にもある。一人の優れた指揮官を擁立し、全幅の信頼を置いている点だ。
[ケルシー] そうだドクター。この遊撃隊はある意味もう一つの「ロドス」だ。
[ケルシー] しかし彼らのリーダーは、君とはまったくタイプが違う。
[ケルシー] Dr.{@nickname}、しっかりと準備をするのだ。でないと後悔することになる。
[ケルシー] 我々の戦略目標の一つは、中央エリアの防衛ラインを無力化させ、ブリッジと動力制御エリアへの道を開くことではあるが……
[ケルシー] 君の安全のためにも、君やアーミヤが彼と直接対峙するような状況は避けてほしい。
[ケルシー] それでも全てを完全に回避することは叶わないだろう。であれば、先ほどの言葉を繰り返すしかない。
[ケルシー] ……準備をするのだ、Dr.{@nickname}。彼の相手をする前に、まず彼の部隊を相手にする準備だ。
[ケルシー] 私は滅多に他人に忠告をすることはないのだよ、ドクター。
[ケルシー] だが、相手はボジョカスティ……「パトリオット」だからな。
[ロドス前衛オペレーター?] はぁ……はぁ……
[ロドス前衛オペレーター?] まだか……次のブロックは……?
[ロドス前衛オペレーター?] ダメだ……このままじゃ! 早く……パトリオットに知らせないと……
[ロドス前衛オペレーター?] もしタルラがあの連中を野放しにしたのが……遊撃隊と対立させるためだとしたら……
[ロドス前衛オペレーター?] 遊撃隊は……最後には……
[ロドス前衛オペレーター?] 味方に殺されてしまう!
[ロドス前衛オペレーター?] パトリオットは……パトリオットはレユニオンが正気を保つための最後の柱なんだ……!
[???] ここは通れないと思うぜ。
[ロドス前衛オペレーター?] あんたは……
[ロドス前衛オペレーター?] サルカズか?
[サルカズ傭兵] ああ。お前はどこの隊の者だ? 中央エリアに何しに行くんだ?
[サルカズ傭兵] 全部吐いてもらおうか。
[サルカズ傭兵] おっと、もしかしてあの老いぼれウェンディゴのところか?
[ロドス前衛オペレーター?] あんた――?
[サルカズ傭兵] 獲物が自ら来てくれるとは運がいい……
[サルカズ傭兵] お前は何を知った? 答えてもらおうか、腰抜けの異種感染者よ。
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