デジモンアドベンチャーtri.総評

ページ名:総評

 

デジモンアドベンチャーtri.総評

 

 



何を目指した作品なのか最初から最後まで不明なまま完結した物語

 

 

『誰が敵なのか』

『敵の目的は何なのか』

『具体的に太一達はどうすればいいのか』

という根本的な部分が最後まで不明瞭なまま、物語は一応の完結を迎えた。

 

 

 

  • 誰が敵なのか

一体…オレたちの敵は誰なんだ?! オレたちは…一体何と戦っているんだ!?

諸悪の根源であるメイクーモン自体は撃破に成功するものの、太一らは5章に至るまで一貫してメイクーモンの保護を主張していたため、なし崩し的な展開となってしまった点は否めないだろう。

 

そもそも本作における黒幕が(名前しか出ていないイグドラシルではないとすれば)はっきりしない。

そのため、観劇の上でカタルシスの無いものに仕上がってしまった。

→イグドラシルも結局は太一らの関知しない所で一方的にシャットダウンされてしまう。

 

また背後で糸を引いていた『謎の男』と、全ての元凶であるアポカリモンの因子はそのまま野放しであり、根本的にはなにひとつ解決していない。

 

→まず第一に、明確な『敵』を設定するべきだった。

→『メイクーモンの暴走』『姫川の暗躍』という要素を残すとしても、その背後にいたイグドラシルや謎の男との決着はつけるべきだった。

 

 

  • 何を表現したかったのかが不明

今作で太一ら『選ばれし子どもたち』は、仲間の殺処分という極めて辛い経験をすることとなった。

『大人になる過程として辛い選択をする物語』を表現したい、という思惑は、内外に渡って言及されてきた。

 

しかし作中での太一らの行動は極めて不可解であり、『比較的妥当な対応をしていれば』今作の辿った結末は回避できた可能性が極めて多い。

(例1:クワガーモンとの乱戦→ヤマトらの参戦がもっとスムーズだったら各個撃破は可能だった。

(例2:パートナー感染への対処→『パートナーを喪った経験があるからこそ』タケルが事実を開示していれば…

(例3:02組への支援要請→クワガーモン戦の時点で現有戦力では対応不可と判明。情報共有の必要性もあった。

(例4:会議不足→知らなかった情報ではなく、開示していなかった情報のせいで対応が後手に回るという最悪の対応。

 

太一らの不用意な行動と、02時を遥かに下回る劣悪な対応は、間違いなく事態悪化の一因となっている。

その結果『望まない結末を強いられる』というある種大人的な経験をしたところで、そこに成長も意味も無い。

 

※『望まない結末』=「仲間(メイクーモン)の殺害」という図式について

メイクーモンとの交流や内面描写が交戦・暴走のシーンと比較してあまりに不足していたことは致命的な問題と言える。

なぜなら「メイクーモンは仲間である」という図式よりも「メイクーモンは敵である」という図式のほうが自然に成立してしまったためである。

 

→『望まない結末』を描写したかったのならば、なおのことメイクーモンと芽心の描写に力を入れるべきだった。

→「本人ら自体は過去の戦いとまったく関係ない」「視線=思惑を追いにくい目のデザイン」などを始めとする感情移入を妨げるような要素はどんな些細な物でも排除するべきだった。しかし現実は真逆となっている。

ただでさえゲスト(後付け追加)キャラクターには慎重な構築が求められるだけに、芽心とメイクーモンの仕上がりは成功とは言い難い。

→「芽心の既存のキャラと被らないデザイン=必要性があってのデザインではない」「A子→芽心」「デザインが猫である→監督が猫を飼っているため」「鳥取出身→ウォーゲームのオマージュ」など、設定構築の時点で慎重さに著しく欠ける。

それぞれ「キャラクターの内面を表すデザイン」「意味のある名前」「他のパートナーとの差別化をした上で展開を考慮したデザイン」「登場する際に自然な出身地などの人物背景」を設定するべきだった。

 

  • 新プロジェクトこと、劇場版デジモンアドベンチャー(仮題)が発表された。

 

太一が22歳の時系列の物語。
劇中で語られなかった謎(良く言えば伏線)は膨大に残っており、それらを回収しながら進む物語になると思われる。

 

 

 

『大人になったかつての子どもたち』へ向けた作品でありながら、その鑑賞に堪えうるものでは無かった

  • 整合性の無い脚本

具体的に挙げれば

・描写があまりに不安定なリブートの影響

・聞こえが良いだけで中身のないセリフ

・不可解な行動ばかりとる登場人物たち

など、全体的に稚拙かつ不合理な展開が目立つ。

 

地割れに巻き込まれて生死不明となった太一が無傷で説明も無しに『02組が自爆装置付きの現実世界への転送機能が付いた生命維持装置に繋がれた小部屋』で目を覚ますなど一作品として見ても非常に粗が目立つ。

 

 

  • リブートによる『記憶削除』の描写

・リブートを受け、パートナーデジモンたちは初期化されてしまった。しかし、その描写には矛盾があまりにも多い。

→デジタマの段階でパートナーの情報を刷り込まれているため、パートナーデジモンたちは太一らのことを知っているはず。

→記憶が消えただけ、といわんばかりに究極体へと苦も無く進化する。

→ヒカリのホイッスルを所持するニャロモン(4章)

→「めいちゃんが好きだよ」と発言するアグモン(5章)

→ヤマトと空と太一の関係を知っているピヨモン(5章)

→ヤマトがバンドを組んでいることを知っているピヨモン(6章)

など、不自然な描写は枚挙に暇がない。

 

  • 02最終回へと繋がる物語

当初から「tri.は02最終回へと繋がる物語である」と明言されてきた。

いわゆる『無印』『02』の続編と銘打っている以上当たり前のことではあるのだが、その最低限のラインすらクリアできているとは言い難い。

→『人類とデジモンとの共存(人類はデジモンを敵視)』『デジタルワールドとの自由通行(ゲートは封鎖)』『ヤマトと空の婚姻(また太一を交えて三角関係に)』など、逆に解離すら見られる。

→『及川の蝶(リブートにより及川の行為自体が消滅)』『消息不明のブイモン・ワームモン・ホークモン・アルマジモン』『適当な動機で宇宙を目指すヤマト』など02最終回に繋がるには不自然な描写も目立つ。

 

 

  • 放置された要素、膨大な伏線の数々

  • 無印・02から引き続き放置された伏線の数々

詳細については伏線の項目を参照。

tri.では感染デジモン・歪み・リブートといった様々な新要素が織り込まれた。

しかし、それらに付随する形で生じた膨大な伏線は、そのまま放置されてしまった。

→一方で封印されたデーモンや宇宙からの敵、「デジモンとの共存への道筋で立ちふさがった壁」など、テレビ版で残された伏線の多くが回収されないままとなった。

 

結果として、過去作の不明点や補完はおろかtri.作中の謎の多くが解明されないまま完結してしまった。

 

 

 

 

 

 

面白くも無ければ適切でも無いギャグ

  • 5章の『怪談』
  • 6章の『ゴハン』連呼

記号的なキャラクター

  • 芽心のくしゃみ
  • 光子郎の烏龍茶

過去作の設定を無視した描写

 

過去作を踏みにじる展開

  • 02組

大輔、賢、京、伊織の4名はシルエットのみの出演に留まり、声ひとつ発することなく退場した。

パートナーデジモンたちは一切登場せず、また言及されることも無かった。

→2章のインペリアルドラモンはカード記載の情報や劇中の『退化した粒子』、なによりその特異性から、ブイモンとワームモン本人である可能性が高い。

→リブートの影響によっては、ワームモン以外のパートナーデジモンたちはデジメンタルの下に封印されてしまった。

・太一たちが02組の失踪について感知していない(1~3章)

・姫川の『02組の所在は把握している』という嘘を鵜呑みにし、以降02組について気にも留めない(3章)

・「02組は病院に搬送されたが、それよりも太一が生きていたことが重要」とまで言う光子郎(6章)

など、02に関連する描写はあまりにも不自然だった。

 

理由は不明だが、tri.本編から02に関連することは悉く排除されてきた。

太一たち無印組を主人公に据えるためか、それとも02組を含めた大人数を扱いきれるほど脚本に力が無かった故か。

→2018年8月発売のtri.メモリアルブックで02の扱いについての裏事情の多くが話された。02組を取り巻く問題点の項目を参照。

 

 

  • リブート

リブートによってデジモンアドベンチャーという作品の設定そのものが、根本から破壊された。

・結局デジタルワールドがリブートされた事実は覆ることがなかった。

→これにより及川がデジタルワールドを救った事実や、02最終回で飛んでいた忘れ形見の蝶に矛盾が生じる等散々な結果となった。

→これまで太一たちが倒してきた闇のデジモンも記憶を維持して全て復活してしまった。

→デジモンとデジタルワールドは容易にリセットが行えることに。命の尊さを丁寧に描いてきたデジモンアドベンチャーの続編としては、極めて無神経な設定といえる。

 

 

使いつぶしてしまった要素

・オメガモンVSアルファモン

・VSインペリアルドラモン

・かつての仲間との戦い

・デジモンカイザーの再来

・エージェント『ゲンナイ』の裏切り

・アグモン、ガブモン以外の究極進化

・四聖獣とそのパートナーである『古代の選ばれし子どもたち』

・デビモンの復活

・ヤマトが宇宙飛行士を目指すきっかけとなった事件

・アポカリモンの逆襲

 

 

「デジモン」というコンテンツ・メディアミックス全体に与えた影響

2001年3月に02最終回が放送されて以降、「ベリアルヴァンデモンとの戦いから02最終回ラストシーンまでの空白の25年間を埋める続編・デジモンアドベンチャー03を、いつか作って欲しい」と、数多のデジモンファン達の間で希望が寄せられていた。
二次創作でデジモンアドベンチャー03を描いたデジモンファン達も数多いた。
2006年4月~2007年3月放送のセイバーズ終了後のデジモン氷河期や、2010年7月~2012年3月放送のクロスウォーズ終了後のデジモン氷河期の間は、特に、「デジモンアドベンチャー03を作って欲しい」「デジモンというコンテンツ・メディアミックス全体を復活させるためには、デジモンアドベンチャー03を作るべき、作るしかない」との声は多かった。
それらの数多の声を「公式が本当にデジモンアドベンチャー03を作ってくれるわけないだろう」と冷たく嘲笑う声も数多あった。

2014年8月1日。「八神太一、17歳、高校生、デジモンアドベンチャー新シリーズ製作決定」との報が流れ、遂に本当に、数多のデジモンファン達の夢が叶ったのである。

だがtri.は、遂に実現した数多のデジモンファン達の「夢・希望」や、遂に実現したデジモンというコンテンツ・メディアミックス全体を復興させるための「最後の切り札」を、このような形で潰してしまったのである。

「tri.は無印・02の続きとはパラレルワールドの物語だった」という設定でも用意しない限り、tri.の設定を隔離して、八神太一が高校2年生で本宮大輔が中学2年生の時系列のアニメや漫画や小説を、今後新規に作ることは絶対にできない。
劇場版デジモンアドベンチャー(仮題)は八神太一が22歳の時系列のtri.の続編であるが、tri.の脚本が産んだ尻拭いをしながら製作されなければならないことは確定であるし、tri.で失ったデジモンファン達からの信頼は取り戻せないし、デジモンというコンテンツ・メディアミックス全体の売り上げを復興させる程の高い売り上げを出せるとも思えない。

tri.が「デジモン」というコンテンツ・メディアミックス全体に与えた罪は、とても重い。

 

 

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する
名無し ID:ZDYxNDdlN
>> 返信元

偉そうで鼻にくコメントですね。
デジモンのことろくに知らないんなら黙ってもらえますか?

返信
2019-10-15 08:12:48

名無し ID:Y2ZiNjg5Z

つい最近デジモン知ってハマって、無印から、今は02の途中まで追ってるけど色んな人のレポとかこういうまとめ見てると、triは見ない方がいいんだなって、手を出す前に知れてよかったです。ありがとうございます。

返信
2019-08-05 19:04:43

名無し ID:Nzk4NjdlZ
>> 返信元

ID:YTNhYTA4M
ID:OGE1MWJmO
トップページでデジモンに関係ない話はご法度と言われてるだろ…
ドラゴンボールはそれぞれなかったことになんかしてなくていま盛り上がってるのに
イメージで東映の他作品の対立を煽るのはやめてね
おジャ魔女といいまるで失敗すればいいかのようにやっかんだデジモンファンがチラホラ現れて情けないよ

返信
2019-04-06 03:10:19

名無し ID:YTNhYTA4M
>> 返信元

その結果超よりGTが再評価されてる気がするけどな……

返信
2019-04-05 15:31:25

名無し ID:OGE1MWJmO

GTを無かったことにしてドラゴンボール超を作ったように、tri.を無かったことにして次の映画を作ればいいのよ
チャンネルと時間帯も一緒だし丁度良いね!

返信
2019-04-04 17:29:12

おまえはダメだ ID:MWY5M2NkZ
>> 返信元

おまえはダメだ

返信
2019-03-29 20:20:34

ドコモ ID:NjY4NmY3M

なんか偉そうではなにつくまとめ方。
読めば読むほど異常さしか感じなくて吐き気しかしない気持ち悪さ。

昔の作品が数十年後にリメイク なんて殆ど作品もろくなもんじゃない。その殆ど云々変わってる場合が多い。
今年映画するみたいだし、黙って待ってれば?

返信
2019-03-23 02:46:58

名無し ID:NjBjYzk2O
>> 返信元

どちらかと言えば総評に記されている「tri.は無印・02の続きとはパラレルワールドの物語」ということにした、それとは異なる本来の続きの物語ですね。

返信
2018-12-21 15:00:50

名無し ID:N2YwMjEzM
>> 返信元

既に選ばれている子供、選ばれてしまった子供、選ばれようとする子供かな?

返信
2018-12-20 20:48:46

名無し ID:NzJlYjQ4M

ただただウーロン茶ネタがしたかっただけの映画

返信
2018-12-18 03:52:44

名無し ID:NzJlYjQ4M

ただただウーロン茶ネタがしたかっただけの映画

返信
2018-12-18 03:52:44

名無し ID:Yjk2NTk3M
>> 返信元

簡単に言えば、「ハードでシリアスあるいはその側面を含む」「単純な善悪の物語ではないことが多い」でしょうか。

返信
2018-12-14 20:57:47

名無し ID:ODUyYzc5Y
>> 返信元

その人達はどういったものを書いているんですか?

返信
2018-12-14 13:13:50

名無し ID:YjczNTg0O

うーん…。続編の劇場版、またはtriとは別物の同時代の正史作品は、『辛い選択をする物語』を上手く描ききった経験がある、あるいはそのような作品を得意とし、なおかつアニメの脚本を手掛けた経験のある井上敏樹や長谷川圭一、小林靖子のような人に脚本を任せて欲しいですね。

返信
2018-12-14 10:11:16

名無し ID:YjllMTM2N

triの事を考えると本当に腹立たしいです

返信
2018-08-02 04:50:31