アニメオリジナルエピソード

ページ名:アニメオリジナルエピソード

登録日:2012/03/28 Wed 09:00:04
更新日:2023/11/20 Mon 11:11:43NEW!
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ん? 何をやっているのだ一護?



あれ? 俺達破面と戦ってたんじゃ……?



大人の事情というものだ。




「アニメオリジナルエピソード」とは、原作のあるアニメにおいて、原作には無いオリジナルのエピソードの事である。
アニオリ展開・アニオリ描写の最終進化形態と言うべきか。




【概要】

一般に、週刊連載の漫画と30分のTVアニメでは、後者の方が1話辺りに必要な内容が多い*1
特に戦闘描写などは顕著で、漫画では数話におよぶ激闘でさえ動画にすると1話にすら満たない事も少なくない。
例えば、『ドラゴンボール』や『ONE PIECE』等の超がつくほど長編のマンガ等を原作としてアニメを開始すると、相当原作が進んでからアニメ化しても比較的早い段階でアニメのストーリーが原作に追いついてしまう
『ドラゴンボール』のフリーザ編では「漫画1話がバトルだけなので忠実にアニメ化すると10秒。なので漫画1コマをアニメ1話に引き伸ばし」という極限状態の伝説も。


なら原作が終了した後にアニメ化してじっくり進めれば…という意見もあるが、原作が完結してからも人気を保つ保証は無く、連載終了と共に人気が失墜してからアニメ化してソフトや関連商品が全く売れず大赤字になってしまうリスクも大きいので、相当ファンから長らく語り継がれるなどして原作終了後でもメディア展開で売れると判断される作品でないと機会は無い。原作連載中でも人気が失墜する事だってあり得るのだ。


そこで不足分を補うため、アニメでは原作にないエピソードを挟むのが一般的になっている。
または総集編、過去回想只管爆発までの1分を戦いつづける、前回のあらすじで尺を埋める等で調整を図るのである。
先に述べた様な超長編だと一話分どころか「アニオリナントカ編」といった長編エピソードになったりする。


逆に、展開・尺の都合・各方面への配慮といった事情から、時折一部エピソードの省略や、アニメ未登場キャラクターが出る事もある。



◆「アニメは原作準拠」が主流になった経緯

と、ここまでの内容はほとんど「アニメとは人気漫画に色と音をつけたもの」以降の時代の話であるが、1970年代以前だと勝手が違う。
本来アニメと漫画はあらゆる全ての意味で完全に全く別のメディア・芸術であり、
(特に昔の)アニメスタッフは人様の漫画をアニメ化するためだけに業界に入ったわけではない。
ハリウッド映画と原作の関係、実写ドラマと原作漫画の関係と同様に、かつてはアニメ界も「原作はあくまで原作」という姿勢であった。


しかし80年代に入ると「オリジナルアニメの質・量・人気の急激な低下」「大ヒット漫画の続出」「スポンサーの影響力の増大」などで両者の関係が変化、
そして東映アニメーションのジャンプアニメによって「アニメオリジナルエピソード」の現在のイメージが根付いた。
70年代以前から活動している「東京ムービー(現トムス・エンタテインメント)」「日本アニメーション」は
エピソード以外の部分でもアニメオリジナルの色が強い作品が多い。



◆アニメオリジナル展開の減少

2000年代後半以降はアニメ制作会社の人員や予算的な理由から3クール以上のアニメや夕方のキッズアニメが激減。
当然週刊少年ジャンプ作品アニメなどに見られた長期間のアニメオリジナル展開も珍しくなっていった。
加えてネットにおけるサブスク配信で時間を問わず見られるようになったこともあって『鬼滅の刃』『SPY×FAMILY』等、高クオリティな深夜アニメも低年齢層にヒットするようになったため、人気原作の再現や補完に重点が置かれるようになった。



【オリジナルエピソードでよくあること】

◆アニメ終了によるオリジナルラスト

原作漫画がまだ続いているアニメが途中で諸事情や当初の予定通り終了した場合、その殆どまたは後半や結末をオリジナルエピソードにする事もある。
例:『ハヤテのごとく!』一期や『鋼の錬金術師2003年版』『ソウルイーター』など。


まあ、原作がきっちりあるのにオリジナルキャラやグルメスパイザーなどのオリジナルアイテムをちょこっと多めにした『トリコ』とか、すこ~し設定と内容を変更したこれの8話みたいなのもあるが、この辺の細かい違いをオリジナルエピソードと呼ぶかは、個人の主観に任せます。



◆バトル漫画のアニメオリジナルエピソード

長期バトル物の作品などでは特に脚本家泣かせであろうパターンでもある。
何せ勝手にキャラクター達に原作を先取りした様な新技や別能力を使わせるわけにもいかず、既存の設定だけで話を進めなければならない。敵キャラなんかも下手に原作のエピソードに絡ませる事も出来ない。
実際、それをしてしまって原作本編との矛盾が生じた作品も少なくない。


それでいてただ同じ技や能力で敵を倒すだけではマンネリになるので、原作の流れに抵触しない程度に魅せ方などを工夫する必要がある。
長期シリーズであれば、懐かしさ補正もかねて旧来の装備・能力の再登場というパターンに持っていく事もできるが、そういうものも無ければ難易度は大幅に上昇する。


これらの事情でどうしてもバトル絡みのオリジナルエピソードを作れない場合、苦肉の策としてキャラの過去話や申し分程度の日常話で間を埋める事もある。



◆アニメオリジナルキャラクターの扱い

オリジナルキャラクターを登場させても、アニオリ終了後も登場させる訳にはいかないので、
最後にはキッチリ退場させる必要がある。(死亡、消滅、どこかへ去る、別世界に残る、等)
一方で思いがけず人気となり、繰り返し登場したり原作に逆輸入される事も多々ある。



◆オリジナルエピソード制作の難しさ

以上の様にオリジナルエピソードは、上記の制約を全てクリアしてストーリーを作らなければならないのである(これらは劇場版などにも言える)。
この手の数少ない例外は「原作でも起こってはいるが、原作では様々な事情で描写していなかった物語」を下敷きにした場合である*2


ちなみに、このパターンの一つに
原作読んで楽しかった長編が流れ的に次から始まるぜ!

オリジナルエピソード長編

なん…だと……!?


と言った風な流れで挿入されることもある。
純粋な原作ファンには不快に思う場合もあるだろう。
その挙句、原作の話を最後までやらずに終わってしまうなんてパターンもあるので厄介な事である。
一話完結作品であれば長寿化する可能性も高いため、そういった作品の場合あっという間にオリジナルオンリーになってしまうこともある。
(特に作者が既に逝去している、いわゆる「国民的アニメ」の場合は顕著)


しかし原作ファンからも名作、神作と呼ばれるエピソードもまた沢山あるので、アニオリだからと食わず嫌いをせずに一度見てみるのもアリである。


原作ではあまり触れられなかったキャラの設定の掘り下げや数コマだけだったシーンに尺を割く等の試みが行われた結果、
あんまり目立たないキャラが活躍したり、違った一面を見られたり、原作ではあやふやだった場面の補完…などなど、新しい魅力も見つけられるかもしれない。
中にはオリジナルながら原作者サイドが監修している事もある。
ちなみに上記の逆パターンとして、アニメから入って原作を読んでみたらアニメで気に入ったエピソードが無くて驚いたというケースもある様だ。


良くも悪くも脚本家やスタッフの作品への理解度が問われるため、双方が上手くかみ合うかが評価の分かれ目になるといえるだろう。


近年の深夜枠の原作付きTVアニメなどは放送期間が大体が1クール、長くても2クールしか放送しない作品が多いため、全日帯のTVアニメに比べるとアニオリによる引き延ばしや大胆な改変などは少ない傾向にある。
一方、4コマ形式の日常系作品などの場合は、各エピソードが独立しているがゆえにアニオリを挟みやすいため挿入される事が多い。



【有名なオリジナルエピソードが多いアニメの一覧】

放送開始順に列挙していく。


記載している作品はほんの一部だが、オリジナルエピソードは良作も駄作もあるがゆえ、軽んじてはいけないし重んじてもいけない。
しかし、結局は視聴者が楽しむことが一番なので、せっかくだからこれを機に視聴してみてはいかがだろうか?但し、当方一切責任は負えませんのであしからず。


◆70年代までに開始された作品

日本初のTVアニメ番組だが、月刊で数ヶ月かけて連載される土台1エピソード60~100頁の原作を1話完結でアニメ化していたらどんどん原作ストックが切れていくのは当然であり、25話目辺りからアニオリと原作エピソードを混ぜて放送するようになった。
しかしそれでも視聴率は30%を超えるバケモノ番組のままで、70話目以降はついにアニオリと原作エピソードの量が完全に逆転してしまう。それ以降は別の手塚治虫作品をアトム用にシナリオを直した物、当時のSF作家達や後に『ガンダム』を制作する若き富野監督達が続々とアニメオリジナルエピソードを制作しつつ時々原作エピソードを映像化していた。
ただ、原作エピソードの後日談なども入っており、SF要素の高さを評価するファンもいる。
そして193話、原作手塚治虫脚本のオリジナル最終回は今なお語り継がれる伝説となった。


80年代版では原作の単発悪役であった「アトラス」をメインに添えたオリジナルシナリオが縦軸の一つとなっており、ブラック・ジャックが登場する手塚治虫脚本のエピソードも制作された。
また、2003年の『アストロボーイ・鉄腕アトム』は一部の設定を除きオリジナルストーリーで制作していた。



アニメオリジナルの長編エピソードこそないが、全体を通して一話完結のアニオリ回を多く挿入していた(特に巨人入団前)。
飛雄馬が相手選手を怪我させてしまい野球を辞めようとするがその相手の檄を受けて撤回したり、魔送球の誕生秘話が描かれたり、原作で完全にフェードアウトしてしまったオズマのその後が描かれたりと、原作で描写不十分な話の補足や感動話が多い。
最終回では当初飛雄馬が死亡する予定だったが、スポンサーの猛抗議を受けて原作に沿う形に差し替えられたという驚きの話も。
あと、忘れちゃいけない伝説のクリぼっち回もアニメオリジナルである。



おそらく「原作はあるけど実質オリジナルアニメ」というイメージが一番強い作品。
連続TVシリーズが6本(更にスピンオフが1本)、幾つものTVスペシャル(以前はほぼ毎年放送されていた)、多数の映画やOVA等々…。
そもそも原作者モンキー・パンチ自体が好きにやっていて、アニメ化なども自由にやらせてるのでスタッフも伸び伸びと作っていると思われる。ただ原作エピソードをアニメ化した回もそれなりに多い。
「可能な限り不殺主義のルパン三世」「おっちょこちょいの銭形警部」などは原作ではなくアニメで作られたキャラクター像。
こうした例をいちいち挙げていてはきりがないが、宮崎駿が脚本・演出した2ndシリーズの「死の翼アルバトロス」は非常に有名なアニオリ回。
制作は『ムーミン』『ど根性ガエル』『侍ジャイアンツ』『六神合体ゴッドマーズ』の東京ムービー(現トムス・エンタテインメント)。推して知るべし。



  • 世界名作劇場

ここではズイヨーの『アルプスの少女ハイジ』も含む。
1年間の放送に合わせるため原作小説にはないエピソードを大量に入れたりする。とくに有名なのが『フランダースの犬』と『母をたずねて三千里』。
エピソード以前にキャラの性格や時代、設定が原作とは大きく異なっているものも多い。
というか原作重視なのは『赤毛のアン』だけとも言われている。
よく話題に挙がるのはタイトルにもなっているけど原作には存在しない主人公の『家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ』、
唯一の(まだ文学として評価が定まっていない)原作連載中の結果、後半が完全オリジナル展開となった『南の虹のルーシー』。
その他『牧場の少女カトリ』『ポルフィの長い旅』。



初期は原作のエピソードを脚本を立てずそのままアニメ化していたが、放送開始当初の約2年半は10分番組として週6本放送していた事と放送の長期化が合わさって「アニメ化可能な」原作ストックが枯渇。
アニオリエピソードの増加と「新作・旧作」並行放映、アニオリ含むひみつ道具やオチを変えたリメイクで何とか26年間しのぎ切った
(90年代には当時『未単行本化』だった「流れ星ゆうどうがさ」等もアニメ化していた)。
特に末期には『本音ロボット』や『おまかせディスク』等、濃いアニオリが増加していた。
わさドラ版ではまた原作再現回が増加するものの、回が進むにつれやはりまたアニオリ回やリメイク回が増え、アニオリのリメイクも登場するようになった。
なおアニメは通算で40年以上放映しているが、人体切断など生命倫理に抵触する原作エピソード(『分かいドライバー』等)については現在もアニメ化が見送られている。


  • 参考

なお、一見アニメオリジナルエピソードばかりに思えるサザエさんは、基本的に「シナリオの中に必ず原作4コマを一個でも使う」事が厳守されている(時事ネタを扱うものや、江戸時代編などの特別編は除く)。
複数の4コマを一つの話に繋ぎ合わせたり、逆に1コマだけ使って自由な話をやるなど脚本家によって様々なスタイルがある。



◆80年代に開始された作品

ザ・サイコー超人の挑戦編、地獄の極悪超人編
時系列的には「夢の超人タッグ編」と第2期「キン肉星王位争奪編」の間に当たる。
アニオリ展開が結構多いため、原作と結構差異はある。
例えばロビンマスクの妻のアリサは悪魔超人襲来前に死んでいるし*3、ビビンバはフェニックスと結婚する。
また、原作では7人の悪魔超人編でモブとして登場したのが最後の出番であったナチグロンが、王位争奪編までレギュラーとして登場。
他にも多くのモブや出番の短いキャラがレギュラーに昇格し、ギャグ要員としてアニメ独自の地位を確立していった。
ついでに言えば、「夢の超人タッグ編」中盤からトーナメントの舞台が北海道に移り、北海道は宇宙に旅立つ。
で、散々引き延ばした挙句になぜか決勝戦後半の激熱展開*4がバッサリカットされたりするという「稼いだ尺でそこを放送しろよ」という点が見受けられた*5
同じくアニメ『キン肉マンⅡ世』(※原作「キン肉マン」の続編でありアニメ「王位争奪編」とは繋がりません、あしからず)でも、
超人オリンピック(アニメでは超人ワールドグランプリ)本選は2期以降に繰り越しになり、1期の最終章は劇場版の悪行超人たちと再戦する「最凶悪行超人編」だった。



押井守監督時代では当初15分2話だったのを原作ストック及びテンポの関係から30分1話に変更、更に2年目に入ると押井監督の嗜好により、ギャグのネタとして漫画やアニメ、映画、有名人、歴史に残る名言などをパロディにした回もある。これらの作品の中には、当時の局上層部から「やりすぎ」「意味がわからない」と注意をうけた回もあった(押井によるとあたるの母が主役の「みじめ! 愛とさすらいの母!?」はフジテレビに一旦納品拒否されたが、放送に間に合わないことから結局納めたという。この時、押井は局長室に呼びだされて厳重注意をうけたという)。
また、原作での序盤のモブキャラ4人組も強烈な個性を付与され、特にCV:千葉繁のアドリブと押井監督の趣味嗜好が混ざり合った「メガネ」と言う渾名のキャラがレギュラー化していた。
特に押井監督が原作をある意味無視し自分のメッセージ性を大いに発揮した劇場版第2作目の『ビューティフル・ドリーマー』は今も語り継がれる作品となった。
押井監督降板後は、比較的原作に忠実な路線になったが、荒ぶったアニメオリジナルエピソードは時たま制作され、更に「オタク」なクリエイター達がこぞってアニメ『うる星』に参加していた為、ある意味原作の『うる星やつら』とは別作品のようになっていた。
その後、TVアニメ版は原作の最後までやらずに終了したが、別スタッフによりOVAと劇場版『完結編』が制作され無事アニメシリーズとしての『うる星やつら』も完結した。


2022年10月からは原作準拠のリメイク版が放送されており、アニメオリジナルストーリーは見られない。



  • 魔法の妖精ペルシャ(1984年7月~1985年5月)

「ターザン」をドタバタコメディ風味に味付けした青沼貴子女史の少女漫画「ペルシャがすき!」を原案にしたぴえろ魔法少女シリーズ第2作目。
スポンサーの「女児向け玩具を売り出したいから、貴女の作品の世界観を使わせて下さい。作品の執筆方針は今まで通りで大丈夫です」と白羽の矢を立てた。
原案との共通点はせいぜいメインキャラクターと序盤の粗筋のみで、実質スタジオぴえろのオリジナルアニメと言ってもいい程の改変が加えられた。
青沼女史は「正に『棚からぼたもち』な企画だった。後の作品と比べて鳴かず飛ばずだったけど」と振り返っている。



第一部:サザンクロス編
原作のZ編、KING編、GOLAN編、ジャッカル編をひとつのエピソードにまとめて放送した。
原作ではKINGを率いる宿敵シンとの闘いを描いたKING編がわずか9話で終了する。
が、アニメでは他の編を組み込んだりオリジナル設定を多々組み込むことにより20話という大ボリュームに仕上がった。
GOLANやジャッカルがシンの配下という設定になったり、軍用ヘリや戦艦の保有などKINGの規模がかなり拡大したりと原作からかなりアレンジした仕上がりになっている。
ジョーカーの存在やカッコいいシンの活躍も見れたりで魅力的な内容となっている。


…が、一方で南斗人間砲弾(項目参照)や南斗暗鐘拳(鐘の音で催眠を掛ける)、南斗列車砲(武装列車による砲撃)など原作ぶち壊しな点も多め。
原作者がこれに激怒して以後アニメ制作に加わった…という噂まであるほど。まあその武論先生も後に『無双』でウイングガンダムゼロのモーションをそのまんま使ってトキの新技を出すのをOKする暴挙に出たんだが…
これが事実かどうかは不明だが、第二部以降はオリジナル展開は激減した。


ちなみに今ではお馴染みの「世紀末救世主伝説」というフレーズもアニメ化にともないタイトルに付けられたのが発祥であり、原作にはない要素。以後多くのメディア展開でも用いられるようになった。
また「お前はもう死んでいる」が決め台詞に採用された。



原作では中学編の話を高校編に、高校編の話を中学編に持っていったことで内容が変わった話が多い。
また、複数話かけて展開したエピソード(修学旅行や体育祭、クラブ挑戦シリーズなど)を1話にまとめたことで、後半はほぼオリジナルストーリーとなった。



アスガルド編
カリブの幽霊聖闘士、水晶聖闘士、炎熱聖闘士、そしてバンダイからの回し者鋼鉄聖闘士などの問題を経て生まれたエピソード。
詳しくは項目で。鋼鉄聖闘士は後にΩにてまさかの復活を果たす。
そもそも本作は連載開始から9ヶ月というド短期でアニメ化したため、引き伸ばしのために数々のオリジナル展開が組み込まれた。



原作の重要ファクターである麻薬組織「ユニオン・テオーペ」関連の描写が人物含め一切カットされたため、テレビシリーズ4作の半数近くがアニメオリジナルのエピソードとなった。
テレビ放送中には映画、終了後も「金曜ロードショー」でテレビスペシャルとアニメオリジナル版が制作された。
公開時期がかなり後になる映画『新宿PRIVATE EYES』も、やってることは「アニオリのスペシャル回」に近いだろう。
以上の事と東京ムービーと縁の深いスタッフばかりなので勘違いしやすいが、製作はサンライズである


後にアニメ版最終章と銘打たれた劇場版『天使の涙(エンジェル・ダスト)』が公開されたが、そちらにて「ユニオン・テオーペ」関連の描写が大きく取り入れられ話題を呼んだ。
また、アニメ版でユニオン・テオーペがカットされたのは麻薬描写を自主規制していたためである事も明かされており、そこを守ったのか映画中でのエンジェルダストも麻薬ではなく「ナノマシンによる人体強化薬」として扱われている。



原作からして本編だけでも10巻もある大長編の上、さらに外伝のエピソードもアニメ化した結果、約12年もの長期に渡って160話以上というアニメ史上最長となるOVA大作となった。
(但し、各シーズンの間に約1年のインターバルが置かれているため、実質的な期間は3年分となる)
イゼルローン要塞の表面が流体金属で覆われているなど、その後のメディアミックスでも引き継がれた独自設定も多い。


最初にパイロットフィルムとして作られた劇場版ではヤンが活躍する場面が与えられた結果、本来は本編のアスターテ会戦で初めてラインハルトと互いを認識し合うのが早まっている。


第一期では特にアニメオリジナルのエピソードが多く、外伝のエピソードが本編の時系列に一部組み込まれている他、外伝において描かれた内容を踏まえて帝国領侵攻のエピソードでは辺境に飛ばされていたケスラーの初恋物語や、原作ではあっさり片付けられた同盟軍と占領地住民との争いの詳細が描かれる。


他にも「憂国騎士団に襲われたジェシカを救い、黒幕のトリューニヒトと駆け引きを行うヤン」「ヤンがシェーンコップとローゼンリッターを麾下に加える動機」「イゼルローン要塞内でのローゼンリッターの白兵戦闘」「ジェシカが選挙に出馬するきっかけ」など、原作を補完するようなオリジナルエピソードも多数描かれた。


第二期では査問会に呼び出されたヤンを救出しようと奔走するフレデリカを始末するためにトリューニヒトが差し向けた憂国騎士団と護衛のマシュンゴの格闘戦が追加されている。


なお第一期のカストロプ動乱は原作自体が極めて短く呆気ない展開だっためかOVAではかなり脚色が加えられており、「何故か時代錯誤な古代ギリシャ風な風体をするカストロプ星の人々」「防衛衛星アルテミスの首飾りの登場」「黒幕はフェザーン」「指向性ゼッフル粒子で攻略するキルヒアイス」といったオリジナルシーンが描かれた。


また、外伝では「白銀の谷」において原作ではカットされた、ベーネミュンデ侯爵夫人の策略でラインハルト暗殺を狙った刺客のヘルダー大佐との決着が描かれている。
他にも完全オリジナル三部作として「叛乱者」「決闘者」「奪還者」の3つが作られ、後にラインハルトの幹部に加わる主要人物達との出会いなどが描かれる。



原作は短期連載で話数が少ないが、アニメは殆どがアニメオリジナルエピソード(新・キテレツ大百科が原作のエピソードもあり)で全331話、約8年に亘る長期作品となった。但し、放送年数の長さに反して、スペシャル放送(放送開始後)や劇場版の映画は一度も作られなかった。


原作ではほぼ出番がなかったキャラクターも、アニメではフルネームが付けられレギュラーキャラになっていたり、アニメオリジナルキャラクターが多数存在していたり、アニメ独自のキャラクター設定や性格付けなどもされている。
初期は原作に沿ったエピソードでドラえもんに似た、キテレツがガキ大将のブタゴリラを発明で成敗するエピソードなどが多かったが、中盤からはアニメオリジナルエピソードとなり、ブタゴリラと子分のトンガリ、ブタゴリラの両親ら八百八一家が騒動を起こすドタバタコメディ色が強くなる。



放送開始当時は原作のストックが比較的多めだったが、当時から現在までアニオリ回を重点的に制作している。
また、原作付きの回であっても多くはアニオリシーンが追加される傾向がある。



偽ナメック星編、魔凶星編、あの世一武道会編が該当。
その他単発エピソード多数。
余り原作ストックがある状態でのスタートではなかったため、「完成原稿ではなくラフスケッチの段階でアニメ制作部に回してもらう」という荒技を使って原作ストックの枯渇を防ごうとしていたが、
それでも無印時代からオリジナルエピソードが度々挿入されていた。「Z」以降は幾度となく内容が原作漫画に追いつきそうになったため、
「ただ延々バトルを続ける」「回想をたくさん入れる」などの応急処置では間に合わず、別の長編を入れざるを得なくなってしまう。


ナメック星に行く途中、フリーザ一味に故郷の星を奪われたゼシンとブン達と出会い、彼らに近道を教えてもらったら偽の惑星に着いちゃったり。
カエルになったギニューの出番がやたら増えたり、クリリンの彼女・マロン(後の嫁とはまったく性格の違う慎みの無いぶりっこ娘。おまけに娘とも名前が似ている)や、悟空のアニメオリジナル技・スーパー界王拳が登場したり。
ついこの間まで悟空達を苦しめていたセルパイクーハンに瞬殺されたり。
[[悟空とピッコロが運転免許を取りに行く話>免許皆伝? 悟空の新たなる試練(ドラゴンボールZ)]]はあまりにも有名。
また、漫画では少なめだったグレートサイヤマンの活躍がやや水増しされていた。(視聴率的にはこの辺りがピークだった事もあり、悪い事ばかりではない。)
魔人ブウの体内では偽物だったとは言え、悟空VS悟飯の夢の対決が実現した。


特にフリーザ編あたりは原作とアニメのエピソードがほとんど空かないことが多く、Vジャンプ誌上で
「アニメは1話つくるのに3か月は必要なはずなのに1ヶ月くらい前にジャンプに載った話がやってるぞ!どういうこっちゃ!?」という体で始まるアニメーション制作会社を取材するマンガが掲載されたことがある。
そこで明かされたのが上記された「完成原稿ではなくラフスケッチの段階でアニメ制作部に回してもらう」という荒技であった。
それでも原作に追い付いてしまう&状況的にオリジナル展開に移行するわけにもいかなかったため、やたら回想が挟まれた。
脚本家の小山高生は、酷い時は監督から原作の1ページの1コマを丸で囲んだものを渡され、「この1コマから話を膨らませて1本書いてくれ」と頼まれた事もあると語っている。
本作の放送をなるべく休止させたくないフジテレビの意向もあり、人気絶頂期には野球のナイター中継などによる番組の休止を避け、人造人間編では野球中継の放送開始を19時30分にずらす措置もとられていた。
しかし「アクションシーン15ページをアニメ化すると10秒」なんて事もあるバトル漫画の宿命か、最悪の場合これらの手段を以ってしても満足な原作ストックを得られなかった時期もあったようで、92年~93年にかけての年末年始や95年の春には番組そのものを一時中止して時間を稼ぐという、まさに「最終手段」な措置もとられた*6。なお、後番組として『ドラゴンボールGT』の制作が決定し、その準備期間が必要となった関係で、原作終了後も引き延ばしは続けられた。
アニオリエピソードにいい思い出がない、というのは大抵この異常事態となっていたドラゴンボールのせいというのが大きく影響しているだろう。
ちなみに、アニオリエピソードに言及したシーンもあり「(アニオリ展開で)活躍させるはずだったキャラが原作で死んじゃった*7為に、せっかく作ったシナリオが没になった」という悲惨な話も…


一方で、元はアニメオリジナルエピソードのみに登場した悟空の父・バーダック原作漫画に逆輸入されたというのもよく知られているところであろう。


なお、『ドラゴンボール改』ではこれらアニメオリジナルエピソードは軒並みカットされている*8
但し、界王の修行で登場したグレゴリーなど構成の関係でカットが困難なシーンはそのままとなっており、特にブウ編は比較的オリジナルシーンが多く含まれている。
また『Z』完結後に製作された『GT』『ドラゴンボール超』は丸々アニメオリジナルエピソードとなっている(『超』は一種の「鳥山先生の原作による」クロスメディアであり、厳密な意味ではアニオリとは少々異なる)。
因みに、『Z』最初期に放映されたオリジナルエピソードにはあの井上敏樹が担当した回がある。



  • 笑ゥせぇるすまん(TBS版)(1989年4月~1992年9月+SP版)
  • 笑ゥせぇるすまんNEW(2017年4月~6月)

アニメ版開始直前時点で原作のストックが計19話(後に収録されたものとプロト版をいれても23話)しかなく、
アニメ版と並行して月刊で新連載版が執筆されていたため、連載速度を補う形でオリジナルエピソードを多数制作。他にも原作者の他作品をもとに計4話分を追加している。
この時オリ回で『月下美人』なる話を創ったせいで、後に原作で書かれた『月下美人』(客が月下美人を栽培)を
『月夜のオーキッド』(客がカトレアを栽培)として改変アニメ化する羽目になっている。
笑ゥせぇるすまんNEW時点では原作ストック自体は豊富だったが、今度は原作発表時期の古さによる時代感覚の違いや地上波における自主規制等を考慮してか、最初から原作回+アニメオリ回編成で放送された。


『笑ゥせぇるすまん』オリ回:『湯けむり哀歌』、『示談屋』、『愛犬物語』等
『笑ゥせぇるすまんNEW』オリ回:『ウソ孫』、『チャットルームの王様』等



◆90年代前半の作品

  • まぼろしまぼちゃん(1992年4月~9月)

特定エピソードの回想シーンだけが有名なマイナー作品。夕方ローカル番組のうえ当時ですら再放送されず、2019年時点で配信もソフト化も全くないし…。
原作漫画『まぼちゃん旅行記』からすればほとんどのエピソードがアニメオリジナル。かつ後付け設定、オリキャラも多数。
それもそのはず。アニメ全24話に対し、原作漫画はたった4話しかない
単行本(実質短編集だが)で作者は「週刊漫画誌のペースに合わせられなかったので早期終了させた」という趣旨のコメントをしており、
それを示すかのように物語は円満完結しているものの、プロローグとなる1話を除き
訪れた村である事件が起こっている→人外怪人の仕業であることが判明する→推理&作戦タイム→怪人をあれやこれやでやっつけて解決→まぼ太「ちょっとかわいそうだったね…」と、各話の大筋は同じ。
せめてアニメのあの話を漫画で読みたい、と期待して単行本や電子書籍を買った人は拍子抜けしたのではないだろうか。


このためアニメでは「原作者の別作品からシナリオを流用」「原作にはいないライバル一味をレギュラーキャラに追加」などのテコ入れがされた。
前述の場面を含むトラウマ必死回「瞳の中のフランシーヌ」は、別漫画『椿ちゃんの漫画百面相』の「瞳の中の私」を流用改変し、ゲストヒロインの回想シーンとして組み入れている。



原作が月刊誌の『りぼん』なので当然アニメオリジナルエピソードが挿入されている……が、なんと99年まではほぼ全てのアニオリを原作者のさくらももこが脚本を執筆し、極力原作の雰囲気が守られている。00年代以降も時折スペシャル回を執筆していた。
さくらももこが亡くなられて以降は彼女が執筆したアニオリのリメイク話を『さくらももこ祭り』として放送する事もある。



原作漫画が月刊誌『なかよし』連載のためストックが少ないという事情もあり、アニメ全201話(200話+SP)の大半がオリジナルエピソードである。
ドタバタギャグを中心に、コメディ系のゲスト怪人を倒して完結する流れの1話完結式で、原作由来のシリアスな展開は終盤の山場に持ち越される。このシリーズ構成は、後にプリキュアシリーズなどの魔法少女系アニメに影響を与えている。


また、原作からキャラクターの設定や性格、世界観、ストーリー展開などの改変が多く、原作を元にしたストーリーでも、アニメ独自の設定や展開に改変されている場合が多い。


第一期終盤ではオリジナルキャラ・DDガールズとの戦いで水野亜美/セーラーマーキュリー、火野レイ/セーラーマーズ、木野まこと/セーラージュピター愛野美奈子/セーラーヴィーナスが戦死し、保護者のクレームが殺到する事態が発生。翌週の最終回ではオリジナルラスボスのスーパー・ベリルとの戦いで月野うさぎ/セーラームーンが戦死した。
第二期『R』の魔界樹編は長編オリジナルストーリーに当たり、第一期最終回で普通の少女に転生したセーラー戦士が再集結し、オリジナルキャラのエイルとアンと戦うエピソードとなっている。
地場衛が記憶喪失のため、タキシード仮面の代わりに月影の騎士というオリジナルメンバーが登場。エイルが化けた銀河星十郎とアンが化けた銀河夏美はそれぞれうさぎと衛に一目惚れし、学園ラブコメ要素が強くなった。
無印から使用されていた変装ペン(バンク付き)の使用は今シリーズで最後。最後に変身したのは幼稚園の先生だった。


2014年から原作漫画に忠実な『美少女戦士セーラームーンCrystal』シリーズが制作されたが、そちらでも一部にオリジナル設定・展開が登場する。



放送初期から多く制作されており、ゴールデン放送時代のスペシャルで放送された外伝ものである『トレジャーハンターみさえ』シリーズや『土曜スペシャル 野原ひろし探検隊』シリーズ、通常回で放送されたしんのすけが2歳の頃を扱った『2歳児しんのすけ』シリーズや、ひまわりの名前が発表された『赤ちゃんの名前を考えるゾ』などもアニメオリジナルエピソードであり、話によっては過去の原作回を登場キャラを変更してオリジナルにアレンジしたエピソードもある。
原作にも登場する名は体を表すタイプのキャラクターもよく登場していたり、話によっては明らかに中の人ネタと思えるシーンもよく発生している。


原作以外でも旅行(特に野原ひろしの実家がある秋田)に行く事があり、ひろしとしんのすけがサイドカー付きのバイクで、みさえが自動車で秋田へ向かうというエピソードもあった。
ふたば幼稚園回のオリジナルエピソードでも遠足に行く場合があるが、そのエピソードでしんのすけ達が度々迷子になる事もある。


塩沢兼人が演じるぶりぶりざえもんは通常回よりスペシャルのほうに多く登場しており、『野原刑事の事件簿』シリーズのエピソードには、原作には未登場だったぶりぶりざえもんも刑事役で追加されており、オリジナルエピソード回も存在する。
また、アニメでは明らかにニューヨークらしき風景が登場するが、舞台はあくまでも「かすかべ市」である。


なお劇場版は殆どオリジナルエピソードであるものの、4作目の『ヘンダーランドの大冒険』までの作品は原作者が製作に関与しており、初期の3作品は設定や展開は映画版とは異なるものの原作者による原案漫画も描かれ、それぞれ原作コミックスに掲載されている。
また28作目の『ラクガキングダム』と31作目の『超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜』は原作のエピソードを引用して再構成した作品となっている。
近年はAmazonプライム限定で長編オリジナルエピソードが配信されたり、過去の放送回を現在の声優で新たに録音したエピソードも放送されている。


原作序盤の霊界探偵編が大幅に縮小された代わりに、終盤の魔界統一トーナメント戦が大幅に増強。原作では台詞で済まされた黄泉浦飯幽助の試合の結末が詳しく描かれたりした。
原作よりも時系列が進んでいない事もあり、最終回の内容も多少変わっている。
細かいアニメオリジナルの描写は多いが、オリジナルの長編はほぼ全く無い。
強いて言うなら、原作以上に作風をバトル寄りに統一させたといったところか。
25周年記念の際に発売されたBlu-rayBOXには映像化されていない原作エピソードが特典OVAとして初収録された。


原作が月刊連載ゆえに放送当時は十分なストックがなかったため所々にアニオリが入っている。
この関係から原作ではゲストキャラだったゲイル&エナの出番が大幅に増加し実質レギュラーキャラに昇格している。
単行本4巻に当たる妖精の村終了後は最終回まで完全なアニオリ回。
しかしアニオリシーンにも原作と同じように凝ったギャグが書かれるので評価は悪くない。
最終回は原作とは違う形で魔王ギリの元へたどり着くも旅が終わるのを嫌がったニケとククリが「やっぱりやーめた!」と魔王討伐を目前に途中放棄して帰ってしまうというある意味では本作らしい締め方となっていた。


後の第2期は放送局が変更された為、妖精の村終了後のアニオリ回とは繋がらない。
ちなみにこちらはチョイ役だったキャラ*9の出番が増加したり、一部のエピソードにアレンジ*10が加わったりはしているものの、
全体的なストーリーラインは原作準拠で、完全なアニオリ回はアニメ化範囲外の伏線を一部補完した1話、コパール編の後日談にあたる22話、最終話ぐらい。


2017年放送のリメイク版では既に原作が完結済みなので、明確なアニオリ回はない。
というか全16巻の漫画を2クール24話に収める都合上、原作エピソードすら壮絶なカットと再構成の嵐で、そもそもアニオリ回を挟む余地がない。
ただ再構成の結果原作とほぼ別物になったエピソード*11は存在し、特に原作最終エピソードであるザン大陸編はそれに加えて逆に原作よりもキャラやイベントを大幅に増やしているため、ある意味アニオリと言えなくもない。



◆90年代後半の作品

  • NINKU -忍空-(1995年1月~1996年2月)

「原作のストックがない上でのアニメ化」に対応するため、
「メインキャラクター」「基本設定」は変えずに「大軸の物語の縦筋」「敵対勢力」を全面的に変更するという大胆な方針の下に制作された。
原作では序盤でさらっと存在していた事が語られるだけの「風助の母親」が重要なキーパーソンになる。
本作のヒットで技巧派アクション系アニメーター・西尾鉄也氏の名を一気に知らしめた。



  • あずきちゃん(1995年4月~1998年3月)

秋元康原作で、『なかよし』で連載された作品。
全5巻という短い作品だが、アニメは殆どがアニメオリジナルエピソードで約3年、全117話と長期放送作品となった。
原作との最大の相違点として、原作は主人公の「あずきちゃん」こと野山あずさが、小学5年生から中学校を卒業するまでを描いているが、アニメでは小学5年生の1年間をサザエさん時空で繰り返しており、最後まで進級していない。
その為、原作では中学生となったあずきの揺れる恋模様から結婚までを描いているが、アニメではそれらはアニメ化されていない。


アニメではあずきの学校生活や日常風景、友達の恋愛模様や家庭事情などに重点を当てる作風となっており、レギュラーメンバーの兄弟・親戚・隣人など、原作では描かれていないアニメオリジナルキャラクター(主に登場キャラの家族関係者や学校関係者)が追加され、舞台も多様になっている。



基本的に各事件が本筋から独立しており、バトル漫画に多く見られる大長編シリーズも少なく、オリジナルエピソードを挟みやすい作品である。連載開始からわずか1年足らずでTVアニメ化した為、番組開始時からオリジナルエピソードがあり、本数もかなりのもの。
当然ながら原作を読んでいる人も展開がわからないので、まっさらな状態で事件を楽しむことが出来るようになっており、そのため手掛ける脚本家ら自身も楽しいらしい。
ここから逆輸入されたキャラもおり、一例としては高木刑事も元々はオリジナルエピソードのモブ刑事が原形だった。


近年は原作の休載頻度が多く、2015年以降の放送では1年の大半がアニメオリジナルエピソードまたは過去に放送したエピソードのデジタルリマスター版を放送するという傾向がある(詳細は項目参照)。


黒の組織はまず登場せず、組織が絡んでくる劇場版には映画オリジナルのメンバーは登場しても、原作に影響しないよう必ず命を落としている。
また、話によっては組織クラスかそれ以上の凶悪犯も登場するが、組織と違ってツメが甘く、特に劇場版では行動と動機が釣り合っていない犯人も多い。
また、TVアニメシリーズとは違い劇場版は全てオリジナルエピソードではあるが、第1作目から作者の青山剛昌との打ち合わせを行いながらシナリオを制作している為、事実上の全面監修と言っても良く、更に毎回原画スタッフとしても参加している。
なお、一部の劇場版で語られたエピソードが原作で導入されたりもしている(怪盗キッドがコナンの正体を知っている、など)。


基本的に身近な事件が大半である為、すぐに事件を解決できるような一部のキャラクターは滅多に登場せず、登場してもあまり事件に関わらない場合がほとんどである為、コナン達も弱体化する形になっているが、これらのキャラが劇場版に登場する場合は普通に野放しにすると話がすぐに終わってしまう為、一時的に弱体化された後に強化されている。
但し、近年に登場した一部の新レギュラーキャラは作者によって「登場させないでくれ」と指定が入っている為、アニオリに登場しないキャラは一度登場したら次の出番が数年後になるキャラも少なくない*12
その結果、アニオリに登場するキャラに大きな偏りが発生しており、特に1話完結ものではバラエティ色の強い回が増えている関係か主に小五郎、探偵団、目暮、高木、千葉がよく登場している*13


原作以上に犯行動機や犯行の方法が突飛だったりトンデモだったりする事が多いが、もちろんシリアスなエピソードも多く、原作にはほとんど登場しないシリアルキラーや複数犯が登場する場合もあり、原作では一度も扱っていない動機や殺害方法を扱ったエピソードもある。
また、冒頭で遺体が登場するなどアニオリ『コナン』あるあるといえるお約束のような展開もよく発生している(詳細は項目参照)。


劇場版公開時期になるとそれに連動したプレストーリー回が告知も兼ねて放送される*14
最近はアニオリでも原作の事に触れたり、原作をアニメ化した回でも新規シーンにてアニオリの事に触れる事もある。


以前は様々な都道府県を訪れ、群馬・神奈川・静岡のように原作にも登場する刑事が登場したり、ミステリーツアー回のようにそれ以外の県だとアニオリの刑事が登場するというパターンが多々あった。
しかし、2010年代以降のアニオリは事件現場のほとんどが警視庁管轄となっており、捜査一課の刑事達が休む間もなく駆けつけている様子が描かれている。
一応、離島や雪山など明らかに警視庁管轄ではない場所が事件の舞台となる事もあるが、近年は長野のように推理力がコナンにも劣らない刑事がいる事を連想させない為かどの都道府県かを一切言わずに警察関係者が誰も登場しない事が増えており、ミステリーツアー回でも登場しない事がある。


ちなみに原作を未読の人向けに、対象エピソードが原作ありかアニオリかを見分ける手段として、「レギュラーメンバー以外の名前が一定の法則を持ったモチーフから付けられているか否か」というものがある。
原作回はゲストキャラは何かしらの名前の法則性(モチーフ)があるが、アニオリでは一部の回などを除いてそれがない場合が基本的にほとんどである。
ゲストキャラの顔も原作回とアニオリで明らかに異なっているのも特徴であり*15、近年はその性格も原作にはまず登場しないような濃いキャラが多く、犯人の中には見た目とは裏腹に能力が京極やジン等に匹敵する強キャラクラスの人物が登場した事もある。


原作話とアニオリではエンディングのスタッフクレジットのシナリオ担当の表記に違いがあり、第11話以降の前者は「構成・絵コンテ」として、一部を除いて絵コンテ担当が事実上の脚本を兼任しているが、後者は脚本家がストーリーを執筆している。
なお、オリジナルエピソードを執筆している脚本家の一人である辻真先は、日本アニメ草創期から活躍する超ベテランにして、日本推理作家協会賞や本格ミステリ大賞を受賞した事のあるプロのミステリ作家でもある。
そんな大物が本作の為に短編ミステリを書き下ろしているとは、なんとも豪華な話である*16
また、近年はレギュラー陣のキャスト欄の組み合わせを見て、脚本担当を予想するファンも少なくない。



沖田カイ戦決着後の全てのエピソード
第1期の2/3と、第2期・3期の全てがオリジナルという異例の作品。
原作が月刊誌故にストックが無いという事情を考えても凄い思い切りである。
残像拳とも言われるエフェクトや、アニメスタッフの意図による「ミニ四駆の動きじゃなくてもいい」というトンデモ走行にキャラ同士の友情や敵対関係等はほとんどがアニメ版で独自に作られたものであり、大体のメディアやネット記事もアニメ版が基準となっている。
ちなみに「全て」とあるが、WGP編で2戦だけ原作を基にしたレースは存在した。但し、3vs3リレーが5vs5リレーになったり、その最中に恋愛フラグを立てたり、そもそも勝敗が逆転したりと、もはや別物と言ってもいいほどアレンジされまくっている。
一方で有名な「落ち着けハマーD」「グリスが固まっている」は原作が初出だったりする。
MAX編はそもそもキャラクターとマシン以外の共通点が皆無であり、ストーリーの方向性すら原作とは異なる。


しかしこれだけアニメ版が基準で語られるにも関わらず、それ自体がアニオリマシンのガンブラスターXTOとファイヤースティンガーを除き未だにアニメ版準拠のステッカーやキットは発売されていない*17(そもそもアニオリでなくとも未発売マシンが多いのだが)。



修羅編、島原編、霊薬編、風水編
他、一、二話完結のオリジナルエピソード多数
それぞれのシリーズの評価そのものは悪くはなく、島原編はノベライズ化されたりもした。
しかし、オリジナルエピソードを連続で放送し、そのまま原作に戻らずに風水編で最終回を迎える
少なくとも島原編の時点では人誅編に続くはずだったようなのだが…*18
一応続編としてOVA『星霜編』が出てはいるものの、内容は全くの別物であり、8割方アニメオリジナルストーリーである。
(人誅編の内容も描かれてはいるが、雪代縁同志なしに単独で行動し、『生き地獄』を無視して最初から殺す気で襲ってくるなど展開が縮小されている)。
ちなみに、アニメオリジナルエピソードにて原作より先に外国人キャラを出している(原作では連載終了後の前日譚読み切りで外国人キャラが初登場)。
本作は後に新作アニメ化・実写映画化されているが、そのどちらも京都編をベースとしたものであり、結局人誅編にフォローが入れられる事は無かった。人誅編ェ……。
このため、仮に北海道編をアニメ化する場合、まず人誅編をどうにかする必要があるという非常に面倒くさい問題を抱えている
後に実写映画版においては人誅編と(OVA版も含めた)追憶編をベースにした完結編『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』が2021年に公開され、ここで初めて人誅編が映像化される事となった。


ちなみに島原編と霊薬編の間に勝海舟編があるが、こちらはアニメオリジナルではなくノベライズ版が原作である。
展開は大幅に変わっているのでアニメオリジナルに近いが。
ちなみに冒頭の東京編の幾つかの内容が原作から一部大きく変わっており、月岡津南のエピソードや雷十太編も該当する。


2023年9月現在、リメイク版が放送中。
こちらはCVこそ一新され、シーンの補完など細かな差異はあるが概ね原作に準拠した構成になっている。北海道編を逆輸入して観柳がガトガト言ったりする原作準拠なアニメオリジナルもある
OPアニメ内で追憶編や人誅編を思わせる場面が散りばめられており、人誅編までやる構想もあるのだと思われる。



原作のストック自体は充分だったがアニメ化するには過激すぎるエピソードも多いためか、「口裂け女」や「人面犬」など特定の怪談テーマは取り扱うのが困難だった様子。
アニメ化されたエピソードも一部は改変や脚色が加えられて放送可能な内容に変更されている。
放送時期は怪談ものが流行していたこともあり、原作のままでは取り扱えない学校の七不思議のテーマを補うためか
図書室がテーマの32話、音楽室がテーマの36話と2作が完全オリジナルで作られた。
前者は脇役ながら人気のあった中島法子のアニメ唯一の主演回で、原作であってもおかしくない中々にホラーなエピソード。


他にもアニメ放送中・放送直後には劇場版が3作製作され、1・3作目は原作のエピソードが原案になっているが、2作目のみ完全オリジナルのストーリーとなっている。


原作の「量」だけならあったのだが、「時事ネタ」や「アニメ化しづらいネタ」が多く、各話ごとに原作をシャッフルし、新要素を入れたり話をミックスしたり展開やオチを変えたりした事が多かった。
完全なオリジナル話としてはターミネーチャン等SP回が多い。ドラえもんと同様、最後までアニメ化されなかった原作エピソードもかなり多い。



原作では物語の半分以上がギャグ展開、更には中盤や終盤の山場となる死闘の真っ最中にも遠慮なくギャグを挿入してくるスタイルが好評だったが、
アニメ化された際に「ギャグ要素をほとんど排除したダークファンタジー路線」という方針で作成されることとなる*19
そのため、原作とのギャップが大きすぎたためか視聴率が振るわず当初1年の放送予定が半年に圧縮される羽目に。
また、原作が連載途中だったという事もあるが「旅の途中で主人公が大魔王化しフルートによって封印されて物語が終わる」という衝撃の結末を迎えた。


そんな中で、原作では全く接点のなかったトロン・ボーンとコル・ネッド(コルネット)のカップリングはアニメ版における清涼剤となっていた。これを受け、原作でもこの二人は最終回に(唐突に)結婚している。



そもそもアニメ版のポケモン自体がゲーム版と同じ舞台でもゲームとは異なるオリジナルストーリーを展開する事が多い作品であるが、
原作に登場しない地域を舞台にしたエピソードと言えばオレンジ諸島編が代表的だろう。
ラプラスに乗って~♪


一部ポケモンやアイテムが、後のゲームに逆輸入されたこともある。
特に有名なのがルギアで、当時は劇場版完全オリジナルポケモンとして作られたが、金銀の開発が大きく遅延していたため結果的に金銀のゲーム本編に輸入された。
ミュウツーなどはゲーム設定とは異なるアニオリの誕生経緯や性格を設定されたが、かなり印象が強かったためか、アニメ版の設定の方がより馴染み深いというファンも多い。


無印時期はポケモンの設定も緩かったことやゲーム版そのままの描写をアニメには持ち込めない*20ことから、当時のシリーズ構成がポケモンの世界観を独自に解釈していた。
この設定は小説版などで披露され、劇場版没プロット最終回没プロットに繋がる予定だった。また、ポケモン公式の一部媒体でも似たような設定が出たこともある。
しかし最初のシリーズ構成の首藤剛志は途中降板・死去したこともあり、現在では裏設定or初期設定に近い立ち位置となっている。



  • 金田一少年の事件簿(1997年4月~2000年9月)
  • 金田一少年の事件簿R(第1期 2014年4月〜2014年9月、第2期 2015年10月〜2016年3月)

原作のほとんどは長編であり、それをかなり忠実に描いているため、エピソード自体がアニメオリジナルであるものは非常に少ない。
但し残虐描写・お色気シーンの自主規制や説明不足を補足する目的*21からアニメオリジナルのシーンは多々挿入される。
完全なオリジナルエピソードは今の所「嘆きの鬼伝説殺人事件」「出雲神話殺人事件」「消えた金メダルの謎(短編)」の3編だけである。
さらに原作をアレンジして作られた「聖バレンタインの殺人」、
タイトルこそ同じだが、話の導入や展開が原作とアニメとで全く異なる「殺戮のディープブルー」の映画版や、アニメ版の「迷い込んできた悪魔」「怪盗紳士からの挑戦状」を含めてもわずか7編しかない。
また「オペラ座館殺人事件」では複数のキャラの設定が変更され、まさかの部分で驚くべき改変がされている。



第1話を除きほぼ全てオリジナルエピソード。
一応11話「台風だ!ヒッコスで引越す」のみ原作第6作のタイトルが元ネタになっているほか、30話のガイコツ大統領も原作第5作で体を脱いでガイコツになるというエピソードが元ネタである。
一見すると浦沢義雄やワタナベシンイチの世界観に乗っ取られたようにも見えるが、実際のところ「則安のイマジネーションが具現化して混沌とした世界が作り出される」という原作の骨子はほぼそのままであり、違うのは具現化手段がはれぶたに集約されていること、則安とは無関係に奇人変人怪人の類が多数存在していることくらいである。



原作では集める「クロウ・カード」は全部で19枚だが、アニメ版では劇場版第2作のカードを含め、53枚存在する。
その為、アニメオリジナルのカードを集める話を含め、アニメオリジナルエピソードが多い。
例として、主人公・木本桜の恋のライバル(?)で李小狼の自称婚約者の準レギュラーの『李苺鈴』というアニメオリジナルキャラクターが登場するなど。


また、原作では男性・女性両方の同性愛や小児愛など、時代を先取りしすぎた恋愛描写がある為、それらは原作よりも比較的マイルドな描写に抑えられている。


但し、脚本の大半は原作者であるCLAMPの一人・大川七瀬が手掛けており(さくらカード編と続編のクリアカード編においては全話担当している)、
一眼にアニメオリジナルエピソードとは言いがたい扱いではある。
例えば上述した『李苺鈴』は、「本当にアニオリキャラか?」というレベルでストーリーに馴染んでおり、
アニメから原作に入ったファンが「苺鈴は原作に登場しない(=アニオリキャラである)」ことに気付いて驚くというのはある意味定番ネタとなっている。



  • GTO(1999年6月~2000年9月)

当時は原作がまだ連載中のため所々にアニオリが入っているが、そもそも原作漫画の方に映像化するにはあまりにもヤバすぎるネタが多すぎるためか、アニオリシーンの追加に加えソフトな表現に改変もしくはカットされたシーンもかなり多い(それでも今となってはゴールデンタイムに放送するにはかなりヤバいシーンも多かったが)。


原作の番外編にあたる「ぐれえと・とろこ・おっぱい」のエピソードはGTO本編の一部として組み込まれ、幾つかのエピソードは原作を踏襲するもほぼ別物のエピソードと化している。


沖縄移動教室編終了後は原作には戻らずアニメオリジナルエピソードによる独自の最終回を迎えた。この最終回の展開は後に実写版の設定に採用されていたりする。



アニメ開始時点で原作ストックは十分にあったのだが、原作は最初に掲げた目標をきっちり全巻かけて達成するような丁寧な構成で、それゆえ丁度いい区切りとなる部分が特に序~中盤には無かった。そのためか原作の中盤辺りまでを再現し、以降はオリジナル展開に突入して終了した。
原作部分もカットされたエピソードもあればオリジナルが挟まれた部分もあったりとかなりの改変が目立ち、賛否を巻き起こした。
1巻分メインキャラが登場しない朝歌編がカットされ、太子二人のエピソードと武成王造反のエピソードが統合された。
太公望一行の話は少年漫画色を強めている一方で、人間界側のドラマは結構渋くアレンジしていたりする。印象的なアニオリはやはり天化の弾き語りだろうか。
終盤は完全なアニオリで、根本の設定から完全に別物となった部分も多く、これまた賛否が分かれるが、後から見てみると、大まかなテーマは後の原作終盤を踏襲しており、原作の展開を小規模化して役割を別のキャラに割り振ったような感じになっている。
原作のストーリーが序盤から丁寧に構築されていたことの証左だろう。登場人物が多い作品なためアニメ未登場の人気キャラが多く出たのは残念なところである。



千年竜伝説編、虹色の霧編、ナバロン編、記憶喪失編、アイスハンター編、海獣海賊団編等が該当。アニメが長期間放送される中で、アニオリを巡る時代の変化などの影響を大きく受けた作品に挙げられる事が多い。
冒険と冒険の合間にオリジナルエピソードが挿入されたり、「ワンピース時代劇」などのスピンオフが登場したこともあった。
また、ローグタウンやロングリングロングランドなど、原作だと割と短いエピソードにかなりオリジナル展開を付け足したシリーズもある。*22
千年竜伝説編はノベライズもされ、記憶喪失編は千年竜に関するエピソードとしてアニオリ同士のリンクが試みられていた。にも関わらず、
パンクハザード編でルフィが龍を見て「ホントにいたのか」と驚くシーンは原作通りにそのまま放送されてしまったため、オリジナルエピソードとの不整合が生じてしまった。
千年龍伝説編からパンクハザード編までには現実時間で12年以上経過しており、10数年前のアニオリへの言及など、アニメ独自の辻褄合わせが許されるか否かは判断が分かれるところだが。


現在の放送時間に移行してからは放送休止が殆どなくなった事に加え、作者尾田栄一郎の健康状態(手術をすることも)や映画の製作に無理矢理関わらさせられていることも相まって休載が増え*23、新世界編突入後は話の連続性が強くなった事や原作自体がクライマックスに突入しかけている事情もあってかオリジナルエピソードが挟みづらいことから、原作の1話をアニメの1話に引き伸ばす事が慢性化している。


作者が監修として関わる以前の劇場版を含めても、千年龍伝説編のように結果的に原作を先取りしすぎたり、
アニメオリジナルの表現やキャラクターの言動・行動が後の原作の展開・設定と矛盾してしまった例は多く、
更にルフィ達麦わらの一味が実力的に大きく成長した現在では、彼ら以上の実力者である最強クラスの強敵を創造する必要もあり、そういった作劇面の都合でオリジナルエピソードの挿入が困難である見方も多い。
原作がジャンプに掲載されてからアニメ化されるまでの間隔は現在でも徐々に狭まっているが、
それでも以前のようにアニオリを安易に制作できず、だからといって商業面などへの影響を考慮するとアニメの放送自体を中断させる事も困難であるため、
海獣海賊団編終了後から現在に至るまで、数話単位のアニオリを数年に一度挟みつつも、原作エピソードのみで乗り切っている状態が続いている。
因みに劇場版『STRONG WORLD』あたりからは、劇場版公開時期に連動した内容のオリジナルエピソードを放送している(主に映画本編の前日譚など)。


とはいえ、原作も登場人物が多く(名前ありのキャラ数十人が同時に各所で動く等)シナリオの都合上描写がカットされることも多いため、それを補完する形でアニオリを所々に挟んでいる。
また、ナミのブレスレットやサボの革命軍加入後の話など、作者が考えていたが原作では触れるタイミングが無くSBSで語られるのみだった設定が描写されることもある。
意図的にギア4の腕の伸びを原作より長くする・破壊規模や衝撃波の余波が長く描写されるなど、戦闘描写を派手にするオリジナルなどもあったりする。
しかし、魚人島編では脚本家らが原作を読んでいるのかと疑いたくなるような回想シーンが登場してしまったこともある。シャーロット・クラッカーなど、原作と食い違う描写は時々発生している。



港でのゴンとレオリオの出会いや2次試験後の飛行船内でゾルディック家に恨みを持つ少女アニタに関するエピソードが追加された(小説版参照)他、
3次試験後に軍艦島での三話に渡るオリジナルストーリーが挿入されている。
こちらは実に王道な内容で、休息のため訪れた島で試験官に置き去りにされてしまった受験生達が一致団結して圧倒的な脅威に立ち向かうというお話。
クラピカのシャワーシーンなど些かスタッフの趣味も散見されるものの、卑劣なトンパや原作ではモブ同然だったゲレタやスパーら受験生の活躍するシーンが描かれており、三話という短さも相まって非常に濃度が高い。
このオリジナルストーリー後は原作通り4次試験に突入するわけだが、軍艦島で受験生同士でのチームプレイを見た直後に受験生同士での潰しあいを見せ付けられることになるため印象に残った視聴者も多いのではないだろうか。


ちなみに後に原作のキメラアント編で行動を共にしているポックルとポンズはこの軍艦島編にてフラグを立てていたりする。
この件に原作者が目を付けたことによりあんなことになったのでは……と一部で囁かれたりしているが定かではない。


当時の原作ストックが少なかったこともあり、その他大小問わずアニメオリジナルのシーンが多数追加されている。
ハンター試験後ならば、天空闘技場編でのキルアの試合やエレベーターガールとの交流にウィング達との別れ、ヨークシン編では仲介屋との再会やクラピカとセンリツの出会い等。


逆に2011年から2014年まで放送された日テレ版では、アニオリ要素は殆どなかった。
キメラアント編終盤では、物語の空白部分が多かったため、そういった所が補完されなかったのを惜しむ声もあった。



第1話で原作者をぶっ殺したのを皮切りに、「へっぽこ実験アニメーション」の名に恥じない無軌道なギャグを延々と繰り広げている。
というか全編の4割くらいはアニメオリジナルキャラクターのペドロや監督のナベシンが繰り広げる、F県F市とは特に関係ない完全オリジナルストーリーをやっている。



◆2000年代前半の作品

レベッカ編、デュエルモンスターズクエスト編乃亜編、ドーマ編KCグランプリ編
オリジナルエピソード界きっての最強長編。
一応放送開始時にはそれなりに原作ストックはあったのだが、初期路線をアニメ化した東映版の存在とその視聴率不振を受けて、初期路線を放棄し人気爆発のカードゲーム路線へと方針を決定。そのため原作ストックが削られた状態でのスタートとなる。
ただでさえ原作に追いついちゃうし、王の記憶編に入るとカードゲームしなくなるので仕方ない……という事情を差し引いても長い。
一方で原作にも引けを取らないカオスな内容は、ネタ的な面も含めて一定の評価がされている。
特にドーマ編についてはインパクトが強く、ただでさえ電波と言われた原作に輪をかけてカオス(褒め言葉)で知名度も高い。
その後の遊戯王のアニメシリーズの方向性を決定したとも言われている。
原作で出番が僅かだった人物(双六の青眼の白龍の元の持ち主のアーサー・ホプキンスやシルエットのみの登場だったビッグ5など)の出番がオリジナルエピソード追加によって大幅に増えていたりもする。
因みに乃亜編は原作エピソードに沿った展開途中で原作ストックが尽きたため、それまでの話の流れを断ち切ってトーナメント中にいきなりアニオリ長編に突入するという中々類を見ない方法が使われた*24
また、獏良了初登場の「RPG編」がカットされたため、王国編途中でバクラとの闇のゲームがデュエルモンスターズで行われるオリジナル展開もある。
TCGの仕様上、よほど原作をネタバレしたものでもなければ自由にカードを作れるため、上記のバトル漫画としてのジレンマにほとんど影響されなかった点も優位。
既存のカードの明らかな下位互換から超絶チート級のイカサマカードまで大量のオリジナルカードが登場した。
また、王国編での遊戯と城之内の決勝戦やバトルシティ編でのバクラと骨塚のデュエルの詳細など、原作を補完したエピソードも描かれた。王の記憶編でのラストデュエルは、原作では作者の体調面から駆け足で描かれたのに対し、よりボリュームアップした完全版となっている。
その後の遊戯王のアニメシリーズは主要キャラクターデザインなどの一部を除き原作者、カズキングは関与していないが2016年に公開された劇場版『THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』はカズキング全面監修の元「原作の後日談」としてオリジナルストーリーが描かれた。



原作ゲーム制作陣がアニメ会社に企画書を送った際、アニメ制作陣の大多数が世界観・構成のいびつさに疑問を抱き、
元々原作ゲーム制作陣が用意していた脚本を監督主導で書き直し、アニメ制作陣総動員で原作ゲーム制作陣を説得するという
あまりにも豪胆な行動がきっかけとなり、「1」の物語をベースとしながらも、
「2」の重要キャラ・「1」で原作ゲーム制作陣によって設定表も作られて、
意味深に話題に出されたにも関わらずほとんど触れられなかった設定が丹念に掘り下げられた。
その結果、「引き締まっている」を通り越して「張り詰めている」ハードな雰囲気作りは物議を醸した。
しかし、それによるキャラクター達の団結と成長劇・伝奇小説風味のシックさが効いた演出・原作では個人としては目立たないあるヒロインの掘り下げ・あるキャラクターの生存を評価する声もある。



  • 犬夜叉(無印:2000年10月~2004年9月、完結編:2009年10月~2010年4月)

単体でのアニオリは2年目からが初となるが、元々原作時点でハードな描写も多かったため、規制の関係上改変されている部分も少なくない。
後期からはアニオリの話数を増やすなどして引き伸ばしを試みるも原作に追い付いてしまい、無印最終回はかなり中途半端な終わり方になってしまった。その後も続編を求める要望が多数寄せられたため、原作終了後に残りのエピソードを『完結編』と銘打った2期が放送された(約20巻分を26話でやったので超駆け足だったが)。


原作者の高橋留美子の意向で原作では登場人物達の過去はあまり描かれていなかったが、犬夜叉桔梗の馴れ初め、鬼蜘蛛が桔梗に救われるまでの経緯、生前の犬の大将と十六夜などがアニオリや映画を通じて掘り下げられているほか、鋼牙などフェードアウトしてしまったキャラ達のその後、犬夜叉とかごめの現代での描写や殺生丸一行の道中の様子など原作エピソードの幕間を利用したエピソードも描かれており、かなり好評を得ている物も多い。
特に、『殺生丸様と永遠に一緒』は原作エピソードに追随するほどの人気を誇っている(2019年にNHKで行われた『全るーみっくアニメ大投票』の作品別エピソード部門では、上位10話のうち本エピソードがアニオリで唯一ランクインしている)。


2020年10月からは、本編から十数年後を描いたオリジナルストーリー・『半妖の夜叉姫』が放送されている。



序盤は竜之介の味方化やホロホロの登場の前倒し等、原作のエピソードをやや改変しつつも順当になぞる形で描かれる。
アメリカ編~シャーマンファイト本戦以降はオリジナルストーリーが多く描かれ、最終話もアニメ独自の展開で完結した。


版権が講談社へ移った後、2021年にはリメイク版が再アニメ化された。こちらは原作の最終回までアニメ化されている。



対城成湘南中編、関東ジュニア選抜編、アメリカ西海岸ジュニア選抜対抗戦編
城成湘南中は原作で名前しか出ていなかったが、アニメで初めて補完された。
後のエピソードにも登場し、キャラソンも作られるなど優遇されている。
「超戦士てにぷり9」「ゆかいなテニプリ一家」などSDキャラ達が活躍するエピソードもある。



オペレーター光熱斗が相棒のネットナビロックマンと共に、現実・ネット世界の事件を解決する話。


原作のゲームは、一つの事件を解決する話が一章分となっている。
しかしキッズアニメの本作は、1年(最低でも半年)の放送となるため、仮に原作通りにアニメでやると尺とキャラクターが足りないこともあり、アニメオリジナル要素が多く入れられた。
敵キャラクターが改心して再登場する、デリートされた敵ネットナビが復元、敵ネットナビ達がシリーズが変わると同じ姿だが中身(データ形式)は違う「アステロイド」・「ゾアノロイド」など様々な形で流用される、キャラクターの設定が別物になる等。


ポケモン等と同じくアニメの絵面だと「主人公が戦いを見ているだけ」という問題もあったためか、アニメ2期『AXESS』では、現実世界でオペレーターとネットナビが合体して戦う“クロスフュージョン”が登場。
アニメ3期『Stream』ではクロスフュージョンがより物語の主題となる、『AXESS』以降必ずクロスフュージョンでクライマックスに臨むなどアニメの中心軸として話を盛り上げた。



連載2年目からアニメ化されたが、原作の掲載誌が月刊誌なため、必然的にアニメオリジナルエピソードが多くなった。
その中でも第31話は「戦闘なしで人間ドラマ(恋愛ドラマ)を描く」という異色回なのだが、変身モノの宿命ゆえにコミカル描写で変身している。


2021年7月からは、リブート版「東京ミュウミュウにゅ〜♡」が放送。ストーリーは原作の話数準拠にアニメ化されているが、アニメオリジナルの設定やストーリー展開も存在する。



波の国マラソン編、三尾編、六尾編、木ノ葉の軌跡編、カカシ暗部編、ナルトの背中編、自来也忍法帳編
少年編はサスケ失踪後から『疾風伝』開始まで二年ほど引き延ばしが行われた。連載されている原作の展開の都合上、アニメオリジナルエピソードが挿入し辛かったという事情もあるだろう。
原作では描かれなかった戦闘シーンなどが評価された一方で、自来也忍法帳編は「無限月読の夢の世界で綱手が読んでいる自来也の小説の映像化」という、視聴者が幻術に掛けられたのか疑いたくなる内容だった。
しかも放送期間は約半年(約2クール)。


原作は2014年に完結したが、原作終了後も引き延ばしがされた結果、TVアニメで『疾風伝』最終章が完結したのは2016年10月だった。その後も2017年3月まで小説版を原作としたエピソードが引き続きアニメ化された。
原作完結後の2年間は続編の『BORUTO‐ボルト‐』(後述)のアニメ放送に向けた準備期間のためだったようで、『ドラゴンボール』等と同じく、『ポケモン』や『NARUTO』の時間帯に相応しい後釜がまだできていなかったことが理由だった様子。


なお、様々なオリジナルエピソードが制作されてきたが、結果的に原作最終話はアニメ化されていない。



序盤からそれなりに挟まれているが、オリジナル魔物と戦う短編となっている魔鏡編、異世界編が代表的。


千年前の魔物編突入前に清麿&ガッシュがロード(ゾフィス)と戦う話が追加され、これによりシナリオ冒頭からガッシュと清麿がロードの存在を知る事となった。


ファウード編の後半で原作者の怪我もあって原作に追いついてしまったため、ファウード再突入(139話の中ごろ)からラスト150話までが完全アニメオリジナルとなった。
ゼオンとその配下の魔物を倒し、真のバオウの力でファウードを倒す、とあらすじだけなら原作と同じだがその過程は完全に原作とは別物と化しており、アニメ版最終話から原作最終章であるクリア編に繋げる事は出来ない。
加えてそれまでの原作・アニオリ回と比べると作りが粗く展開も単調で、ゼオンをはじめとしたキャラの性格や描写も微妙な方向に改変されており、特に原作では敵ながら読者の涙を誘った悪役サイドの魔物の多くが単なる小物のまま終わった事もあり、ファンからの評価はいまひとつ。


しかし、ロデュウとウォンレイの再戦、キースがキャンチョメにリベンジを果たす、ライバル同士であるウマゴンとケルディオの共闘等、原作では起こりそうで起こらなかった展開もある。
また、ゼオンの「ジガディラス・ウル・ザケルガ」とティオの「チャージル・セシルドン」が原作に先駆け初披露された(後者はかなり別物だが)。


ちなみに終盤では大谷育江が体調不良で休業したため、ガッシュの声が代役(エリー役の吉田小南美)となっており、なおかつそのまま最終回を迎えた。2019年配信のゲーム『Golden Memories』では大谷が13年ぶりにガッシュ役への復帰を果たした。



DDS入学試験は二次の筆記試験で一旦終了し、Qクラスの生徒はリュウを除く4人でアニメオリジナルエピソードが数話続いた後、霧咲島での最終試験が行われた。
また冥王星の実態がほとんど明かされることもないまま、アニメオリジナルで完結した。



原作がまだ序盤で未完かつ敵キャラの設定もまだ明かされていない状態だったため、原作者に結末の構造を聞いてアニメオリジナルの設定をした上でのアニメ化となった。
序盤こそ原作に忠実だったものの、エルリック兄弟の過去や兄弟が受験勉強でショウ・タッカーの家に住み込み、ニーナ・タッカーと交流を深めるオリジナルパートも頻繁に挿入されていた。
3クール目からはほぼオリジナル展開に突入し、原作未登場のホムンクルスは全くの新キャラが充てられ、ホムンクルス自体の設定にもオリジナルの解釈が与えられた。
全体的に原作漫画のジャンルの1つであるダークファンタジー路線が強化された形となっており、原作とは正反対のシリアスかつ絶望的な展開も少なくなかった。
結末に関しては原作とは全くの別物と言ってよく、この路線はオリジナル続編の劇場版に受け継がれた。


2009年には『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』のタイトルで再アニメ化されたが、こちらは大方原作準拠のストーリーとなっている。



開始して5話目にしていきなりオリジナルエピソード「聖なる本」が挿入され、以降も鍵となるオリジナルアイテム「ブックらこい~た」が登場。
その後もオリジナルと原作エピソードを混ぜつつ放送していたが遂にストック切れをおこし、
第2期「まじめにふまじめ」では原作に登場する「ネリー」というキャラをゾロリパーティーに入れるというアレンジを加え、魔法使いの世界のオリジナルエピソードを入れまくって尺を稼いでいた。
しかし50話目でとうとう原作のエピソードを完全に使い果たし、3年目以降は完全オリジナル展開になって完結した。
TVアニメ版終了後に制作された劇場版の内、2作品はTVアニメ化されなかった原作エピソードが採用された。
2020年からアニメ第3期「もっと!まじめにふまじめ」シリーズが定期的に放送されてるがそちらは再びオリジナルと原作エピソードを交互に混ぜた構成となっている(原作が現在は一年に1冊、というペースのせいでもある)。



放送1年目は原作のエピソードとアニオリの両方が放送されていたが、どだい月刊誌の一話完結の作品である以上すぐに原作に追いつくのは目に見えており、
2年目の時点で当時の原作ストックをほぼ消化しきってしまったので以降は大半がアニオリとなっている。
原作自体が全日帯で放送するには過激なネタが多いため、原作エピソードのアニメ化でも独自のアレンジを加えていることが多かった。
ドロロ兵長や東谷小雪の初登場は原作では7巻だったのに対し、アニメでは第13話と大幅に早められ、原作での登場の遅さもネタにされた。



  • BLEACH(2004年10月~2012年3月)

バウント編、新隊長天貝繍助編、斬魄刀異聞編、護廷十三隊侵軍編
バウント編・侵軍編は原作エピソードの最中に起こったエピソードという形であるが、他2つは原作の時系列とは繋がらないパラレルワールド的なエピソードである。
原作エピソードを区切りの良い所で一旦中断し、次回予告やおまけコーナー『死神図鑑』にて「大人の事情」とメタ発言するのがスタートの合図で、冒頭の一文の元ネタはこれ。
それでも原作ストックがなかなかたまらないこともあり、後半になってくると藍染惣右介視点で丸々1話一護の戦いを回想するようなことは当たり前で、最終的に脈絡なく単発で原作の扉絵やお正月を題材にしたりしたギャグ回も実施。
劇場版『地獄篇』公開時にはジャンプに掲載された前日譚を雑誌の発売翌日にアニメで放送するという、史上最速のアニメ化が試みられた(前日譚を含めた『地獄篇』の事前宣伝自体、公開開始当初に映画を鑑賞した観客を驚愕させた後半のどんでん返しを伏せるためのミスリードであり、その衝撃展開も公開から数日後のCMでネタバレが早々に解禁されてしまったが)。


そもそも原作自体がキャラクターの覚醒・変身だけに1話費やしたり、大きめのコマや見開きの多用など展開の進行が遅い作風であり、
普通にアニメを製作する(キャラクターの変身シーンだとどれほど引き延ばしても数分)と原作ストックがすぐに尽き、あっという間に追いついてしまうので必然的にアニオリの長編が多い。
アニメ1年目の時点では5クールで終了予定だったようで、死神代行編が一部カットされて尸魂界編への導入が早まったり、アニメ1話分の原作使用数が多かったりと非常にハイペースな展開だった。
結果として人気を得た本作は放送が延長され、約1年のバウント編で引き延ばしを行ったものの、原作の展開の遅さもあって破面篇以降の引き延ばしも度々行われるようになった。
原作の展開にしたがって回想や護廷十三隊の出番が増やされ、一護や現世のキャラクターの出番が減り、おまけコーナーや次回予告にて一護「俺、主人公なのに」・ルキア「貴様はまだまだ死神図鑑の住人だ」とネタにされたことも。



その他、番外編や劇場版との連動エピソードなども含めて全366話中162話(全体の約4割以上)がアニメオリジナル回。
もちろん原作エピソードのアニメ部分も、非常に多くのオリジナル戦闘シーン・会話シーンetc.が足されている。
……ここまで来ると、もはや水増しってレベルじゃない気が……
なお、(ある種当然だが)アニオリとは逆行するような展開となり、月島秀九郎打倒後の原作を読んでからこれらのアニオリを見ると違和感がすごい。
原作者の久保帯人師匠は、『サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ』にて「僕、キャラクターの喋り方とか気になるタイプで、アニメってなると伸ばさないといけないから原作に無いセリフを入れてくるんですね 。そうなるとキャラクターをよく分かってらっしゃらない脚本の方が書くと雰囲気が違ったりする」と苦い記憶を語っている。


ちなみに、本作はテレビ東京系列でタイトル変更や話数リセットをせずに最も長く続いたアニメ番組でもある(ポケモンやナルトは途中でタイトルが変更になっているため)。
一時期は強引な形でオリジナルエピソードを挿入したりと、テレ東にとっては欠かせない番組でもあったため、最終章となる千年血戦篇のアニメ化を望む声は多かった。


そして2020年には晴れて千年血戦篇のアニメ化が決定。2022年10月から分割4クール形式で放送されている。
原作の大幅補完が行われつつ原作1話が時には2分程度で消化されるなど、引き伸ばしが必要なくなった結果バトルシーンはハイペース。



原作に追いついたため、「焼きたて!!25編」が「焼きたて!!9編」に縮小し、原作より先に完結。
とはいえ雪乃やマイスター霧崎との対決など、ギリギリの所まで原作に合わせている。
むしろギャグまみれながら一応、料理を題材とした作品として完結したアニメの方がまともな最終回を迎えた気がしないでもない
他、アニメオリジナルエピソードやリアクションも多数入れられており、1話の時点でリアクションの内容が派手めになっている。
一番有名なのは『機動戦士ガンダム』のパロディ回である「迫撃!! ブラックジャぱん誕生!」か。



  • MAJOR(2004年11月~2010年4月)

6シーズンに分けてアニメ化され、最終章のワールドシリーズや後日談はOVAで描かれ、シリーズが完結した。長期作品ながらも原作の最終話までアニメ化されており、内容も原作に忠実。OVAは地上波でも放送されている。


放送局がNHKなのもあり、著作権問題や原作での暴力的・差別的な発言やシーン、ヌードや下ネタなどの性的シーンはカットされたり、改変されたりしている。
その為、畜生発言の多い原作と比べ、比較的爽やかなスポーツアニメとなっている。


第2シーズンでは、中学生編と海堂高校編を一緒に構成されたこともあり、他のシーズンより比較的原作のエピソードが多く改変・カットされており、そこを惜しむファンもいる。
アニメでは、原作では途中から全く登場しなくなるキャラクターの出番が増えていたり、アニメオリジナルで進路が描かれていたりする。第5シーズンではサブキャラクター主役の単発のアニメオリジナルストーリーが多く描かれている。


劇場版の映画では原作での主人公・茂野(本田)吾郎の小学校4年生から中学3年生までの空白の4年間がアニメオリジナルストーリーで描かれている。
本作の続編の漫画『MAJOR 2nd』もNHKでアニメ化されている(後述)。



◆2000年代後半の作品

ゾンネンズ編、東京編、クラヴィーア編、最終章
元々、全15巻の原作を8クール全102話でアニメ化したこともあり戦闘描写の補完も多かったが、1年目終盤に初の長編オリジナルエピソード「ゾンネンズ編」を放送。
その後、2年目では6thバトル、7thバトル、レスターヴァ城での最終決戦と原作では5巻程度のエピソードしかなかったのもあって、原作者の監修・許可のもと大幅な設定補完が行われた。


各キャラクターの内面の掘り下げ強化や、後半からシャトンとロコという原作で人気はあったものの出番が少なかったキャラのレギュラー化を施した点、
ゲームの要素を組み込みつつ、ライバルキャラであるファントムの最期を原作以上に踏み込んで描いたクラヴィーア編は評価も高い。


しかし、終盤となると原作とは完全に違う道を歩み、なんと主要キャラの一人を完全に死亡させてしまう。
死亡するに足る理由は原作の未回収の伏線を使用したものであり、納得しやすい流れにはなっているしある程度の救いはあるものの、
この点に関しては非常に評価が分かれやすくなってしまっている。
なお、クラヴィーア編の中途から主人公ギンタ役のくまいもとこが産休に入り、比嘉久美子が代役を行いながら最終回までを放送することとなった。



  • ARIA(2005年10月~12月、2006年4月~9月、OVA〜ARIETTA〜、2008年1月~3月、The AVVENIRE)

AQUAの部分は飛ばされて灯里が片手袋の状態からスタート。
当初は1クールのみの予定だったため、13話だけでも形になるように灯里のメール相手の設定や原作話の順番入れ替えや再構成、各キャラクターの登場タイミングが変えられた他、
「火星がアクアとして住めるようになるまでの話をやりたい」という佐藤監督の意向によってアニメオリジナルエピソードが2話作られた。どちらも評価は上々。
その後続編制作が決定し話数を重ねることとなった。2期以降も原作連載順ではなく再構成されている他、一部にオリジナルストーリーもある。
一方でアニメ化されていない原作話もあり、特に恋愛関係の背景エピソードがアニメ未制作。
アニメだけ見ている人は主人公の友人でありライバルの藍華と1期で最終話にだけ登場したアルが2期でいきなり親密になっていることに驚いたことだろう。



原作の3ルートが統合される形になっている。
原作者の奈須きのこが脚本監修を行い、原作のセイバールートをベースにしつつ該当ルートでの活躍が少なかった陣営にも活躍の場を設けるため、他ルートの要素を元に構成したオリジナル展開が導入されている。このため本来は他ルートで明かされる謎や人物関係についても一部明かされている。
現在まで続くキャスト陣もこの時決定し、殆どが全年齢移植版の『[Realta Nua]』や後継の作品にも続投している。
きのこの趣味のボンテージ間桐桜を始めとするゲームには無かったオリジナル衣装は武内崇がデザインした。
モードレッドやべディヴィエールなど本作に出演させるために正式に設定が書き起こされたキャラクターもおり、後に登場する作品とは設定やデザインが異なっている。
本来セイバールートではエンディングを迎えるまでフェードアウトしてしまう桜や大河も日常シーンで登場しており、あらましでしか語られなかったアインツベルン城でのアーチャーVSバーサーカー、協会地下でのランサーVSギルガメッシュの戦闘も描かれている。
最終回のエンディングテロップでは、作品関係者全員の名前を五十音順で表示するという方式がとられた。
原作と相違する部分もあるが、初のアニメ化にして累計売り上げ(当時はDVDのみ)は2010年時点で100万枚を超え現在でも根強い人気を誇っている。
その後、凛ルート(ubw)や桜ルート(hf)が原作に忠実な形で映像化されている。



  • 銀魂(2006年4月~2010年3月、以降3回)

タマキュアやニセ最終回、無断でBGM使用、放送初期の18話や25話のように原作に登場しないキャラ追加など、これらのオリジナル要素が銀魂をよりカオス化させた。
まるまるアニメオリジナル回では、「節目節目に気合いを入れ直せ」など、とんでもないパロディ回や、安易な下ネタに走ったものが多い。
作画や起用声優も無駄に気合が入っているなど、サンライズの斜め上やK点どころか大気圏突破している気合の入れようが垣間見える作品。
後に作中で「迂回ルート」と豪語し、アニオリエピソードに関する説明を堂々と行った。


しかし、原作が最終章に向けたシリアス大長編への突入でドンドンガチ展開になっているのもあり、第3期では初回イントロで時事ネタが出たくらい。
第4期は烙陽決戦篇からのスタートとなったため、もうアニオリが入り込む余地は無さそうではある。


将軍暗殺篇以降のアニメ化に伴い長編を含んだ一部のギャグ編のアニメ化がされず、それでも可能な限りアニメで放送してほしい声は多かったが、単行本限定版の特典DVDとして月詠主役の愛染香篇がアニメ化された。
更に最終章開始までの穴埋めの一環で、原作のギャグ編の残りをアニメ化した「ポロリ篇」が開始された。


その一方で原作の人気エピソード「神ゲーと糞ゲーは紙一重」は色々と版権問題が絡むエピソードであるため、
さすがにアニメ化は困難であるとの見方が強かったが、ゲーム「銀魂乱舞」の発売に合わせてアニメ化が実現。
ここで「テイルズオブる」と散々ネタにした結果、後年スマホ用アプリゲーム本当にテイルズオブられることになった
その代わりに掲載当時の時事をギャグのネタにした「証明写真は現実の厳しさを証明するもの」のアニメ化が見送られ、唯一アニメ化されなかった原作エピソードとなった。


そして、第4期最終話後半で事実上の時間切れにより強制打ち切りの弁明という体でのアニオリを挟んだ後、完結編映画『銀魂 THE FINAL』とdTVオリジナルアニメという形で製作された前日談『銀魂 THE SEMI-FINAL』が2021年1月に公開及び配信。
こちらも尺の都合などでエピソードが再構成されている。


更にその後、20周年プロジェクトの一環として公式スピンオフの『3年Z組銀八先生』のアニメ化が決定した。



アニメ『ロックマンエグゼ』シリーズと同じ加戸誉夫監督・荒木憲一シリーズ構成で製作。


序盤はゲームに近かったが、主人公星河スバルはすぐに引きこもりを脱したり、響ミソラは母の死といった重い要素がなくおてんば娘、双葉ツカサは二重人格ではなくジェミニに洗脳された悪人と全体的にゲーム盤のシリアス要素を削ってキッズアニメらしいアニメオリジナル要素が多め。
一期後半は、敵キャラクターであるFM星人のドタバタ日常話が展開された。二期は原作ゲーム2作目の要素を拾いつつもオリジナルストーリーが展開されたが途中で打ち切りになる、という悲劇になってしまった。



ジャンプアニメとしては非常に珍しい原作終了後それなりに経過してからのアニメ化。
作者も「今更!?」となったらしい。
場面の追加や自主規制による小さな改変こそあれど、概ね原作通りに進む。しかし再殺部隊登場前後からブラボーとの決着直前までが完全アニメオリジナルの展開になる。
登場人物の動きや戦闘の組み合わせなどが所々で原作と変わっており、原作では部隊の大半と主人公たちが戦うのに対し、アニメ版では戦部と根木以外の大半が別の編成という設定に変わり、主人公たちとの接点が無くなっている。原作ではやや唐突だった秋水もこの別動隊の一員という設定となり、かなり出番や活躍が増えている。
他、終盤の「ファイナル」、「ピリオド」に相当するエピソードでも補完も兼ねたアニオリ描写が多い。



アルコバレーノ編、I世ファミリー編
未来編の途中に挿入される形で開始。前者は原作者監修とのこと。
両方とも、本来白蘭を倒すまで10年後の世界から戻れないツナ達だが、更なるパワーアップのため一時的に10年前に戻るといったエピソードである。
前者は大空のボンゴレ匣を開けるのに必要な7つの印を手に入れる為アルコバレーノ達から試練を受ける、
後者はボンゴレの真の力を継承するためⅠ世ファミリー達から試練を受ける、といった内容である。
原作に先駆けてのアルコバレーノ全員集合や原作でも断片的にしか描かれなかったⅠ世ファミリーの本格的な登場が見所だが、
後の原作の展開と矛盾・乖離してしまった描写も存在する。


原作1話分の話のスピードが早く進むことに加え、作者の長期休載が多かったことによるストックの少なさが重なった結果、放送期間のうち約1/4がアニオリというとんでもない構成となっている。
原作では「巻き戻しの街編」の後、すぐに「元帥捜索編」に入り、途中クロウリー加入のエピソードを挟みながら「江戸・方舟編」に移る、という構成なのだが、巻き戻しの街編終了後、数話ほどアニオリエピソードを挟んだ上でクロウリーのエピソードが挟まれ、更にそこからアニオリエピソードが続き、途中ノベライズ版が原作のエピソードをやったと思ったらまた原作エピソードの元帥捜索編に入り、そこからアニオリエピソードを大幅に交えつつ江戸・方舟編で漸く原作通りのシナリオに戻る、という知らない人から見ればカオスな構成となっている。
とはいえ、原作初期ではなかった「教団員として」奮闘するクロウリーのエピソードがあったり、無惨な死を遂げたデイシャ・バリーとスーマン・ダークがメインのエピソードがあったりと、原作であまり出番のなかったキャラにスポットが当たったりと見どころも多い。その後デイシャとスーマンは原作通りに非業の死を遂げるので悲壮さが余計増すのだが。
ちなみにアニメオリジナルのキャラ「ルル=ベル」が原作に逆輸入されている。


なお、10年ぶりのアニメ続編「D.Gray-man HALLOW」ではアニオリエピソードはなかったが、原作を補完するシーンがあったり、コメディシーンが丸々シリアス描写に置き換えられていたりと、こちらも大分手が加えられている。


いまいちマイナーかもしれないが、今なお小中学生に根強い人気を誇る海外のファンタジー児童文学。
要するにダレン・シャンハリー・ポッターシリーズ と同じジャンル。
今は亡きコミックボンボンで漫画版が連載され、後にアニメ化。
同誌ではかなりプッシュされていた。
(余談だが、漫画版とアニメ版のタイトルは『デルトラクエスト』と、中点が無い)
原作では『デルトラのベルト編』『ピラの笛編』『四人の歌姫編(完結編)』の3部構成であったものの、
第1部の『デルトラのベルト編』の終了後は、エピローグとしてアニメオリジナル回のみで1クール放送し、そのまま最終回へ。そして残りの2・3部はスルー。
但しこれにはちゃんとした理由がある。放送開始時は全52話を予定していたが、平均視聴率4%前後と予想以上に人気が出た為に、無理矢理1クール延長して全65話とした為らしい。
人気あったんなら中途半端な事せず2部以降も作れよ、とか言わない。


ちなみに作中3度対峙する中ボスの魔女テーガンだが、実は彼女も原作では1回きりの出番(ページ数にして僅か10ページ弱)というほぼちょい役で、アニメでの残りの出番は全てアニメオリジナルエピソードとなっている。



アニメの企画が動いたとき、ちょうど原作がマキ編辺りの連載だったため、2クール分は丸ごとオリジナル展開となり、原作とはある意味真逆の結末を迎えている。
監督が原作に否定的なコメントをブログに残した事もあって、炎上した話は有名。
これ以外にも一部エピソードの時系列が入れ替わったり、内容に大きな改変が加えられているが、公式側からも内容の過激さが放送コードに触れると言及された事も。
またアニメスタッフが原作者から後の構想を聞いて作ったため、原作の重要なネタバレをアニメで先に出されるという弊害も生じた。



最終回(第26話)が丸ごとアニメオリジナルエピソード。
というのも、本作で映像化したのはプロローグに当たる「銀眼の斬殺者編」から前半のクライマックスである「北の戦乱編」までであり、それから7年後の物語後半を丸ごとカットして強引に話を畳んでいるのである。
原作では北の戦乱を何とか生き延びるも甚大な痛手を被った主人公クレア一行が、仲間達の敵討ちのために力を蓄えるべく7年間雌伏の時を過ごすのだが、アニメでは(正直かなり無理やりな流れで)そのまま仇敵プリシラとの対決に挑む…という展開になっている。
実のところ本作は前25話までは非常に原作に忠実な内容になっており、物語後半の布石となる世界観の根幹に纏わる伏線、その他メインキャラ達の動向といったものも全て脚色や改変などは一切されていない。
それだけに最終回で全て纏めて放り投げてしまった事に落胆したファンは少なくなく、再アニメ化を望む声は今でもちらほら見受けらえる。


とはいえ全編アニメ化しきるには間違いなく4クール以上の尺は必要になっていたであろうし、深夜帯でそこまでの放送枠を確保するのは流石に厳しかったのかも知れないが…。



厄醒し編が該当。
原作の皆殺し編祭囃し編がメインだが、皆殺し編に入る前に第1話として原作の罪滅し編クリア後に見れるTipsをアレンジした「サイカイ」からはじまり、更にオリジナルエピソードとして「厄醒し編」が4話編成で挿入される。
厄醒し編は原作者曰く「『ひぐらしのなく頃に』の世界観をより深く楽しんでもらうための皆殺し編への助走的エピソード」との事で、彼が監修を務めている。ヒロインのひとり北条沙都子を主人公に罪滅し編と皆殺し編の合間の世界を舞台にしたギャグと惨劇が描かれる。
第一期では尺の都合でほぼカットされた部活シーン救済の目的もある為か、厄醒し編で行われている「ゾンビ鬼」と野球シーンは本来は夫々原作の鬼隠し編祟殺し編で行われていたものである。前者は鬼隠し編では存在していなかった詩音がメンバーとして参戦しており、後者は試合が最後まで描かれず中途半端なタイミングで梨花のシリアスな独白で〆るという編成に変わっている。
詩音が沙都子を大切にしている、沙都子の「困ったことがあればみんなに相談するといいですわ」という言葉に梨花が意味深に反応している事から、最低でも目明し編、或いは罪滅し編以降の世界が舞台である事がうかがえる。



基本的には原作をなぞっているが、全体の流れがオリジナルの展開。
アニオリの犯人が多数登場したことに加え、弥子の父である誠一を殺したのが怪盗Xになっており、彼(女)がラスボスも務めている。さらに正体も原作とは大きく異なり、弥子の異母兄(姉)妹という誰得な関係ができてしまった。
またシックスが登場しないため、Xを含め多くのキャラの設定が変わった。



アニメ一期の監督は『ロックマンエグゼ』『流星のロックマン』シリーズと同じ加戸誉夫監督。
それらの経験を踏まえてしまったのか、今作の一期で原作のエピソードをアニメ化したのはほんの一部だけであり、序盤の展開をベースにしたため全体の約8割がアニオリ回で、それに伴いほぼ全ての主要キャラの性格や設定が良くも悪くも改変されていたりする。
また、シリーズ構成がカオスギャグで有名な浦沢義雄氏というのもあり中にはオチを放り投げたようなアニオリエピソードも。
その一方でリトが春菜に想いを寄せるようになったきっかけが回想で明確に描かれたり、文化祭のエピソードに原作には出てきてないキャラも参加していたり、
この時点ではまだ公式で明かされていなかったヒロイン達の3サイズが明らかになっていたりと一見の価値がある部分も。


本作はその後も続編が制作されており、第1期をベースにしたOVAを最後にアニメオリジナルエピソードは作られておらず、第2期以降は原作準拠のストーリーになっている。これはコミック付録のOVAで展開される様になってからも変わらない。
ちなみに第2期以降では本作で見られたアニオリ要素はほぼ無かった事にされているが、一部の要素は後の原作に逆輸入されている。



  • けいおん!(1期・2009年4月〜6月、2期・2010年4月〜9月、劇場版)

原作が4巻しかなく(1期放送時点では2巻)2期放送までのスパンも短いためストックに余裕がなかった。そのゆえアニメ1話あたり原作の1~2話のペースで消化したためアニオリ描写が多い。アニオリ回に原作をちょっと入れただけ…という回もあり特に2期は2クール*25あるためその傾向が強い。
また、2期がアニメとほぼ同時に終了した都合で原作終盤の受験勉強に打ち込んだ数話は映像化されずアニオリ1話で済まされている(アニメ放送が4月に対しアニメ化されたのは2月に雑誌掲載された分まで。それ以降最終回を迎えた9月掲載分までの7話は未アニメ化)。
最終回も流れこそ原作に沿ってるものの梓と憂、純のやり取りはアニメにならなかったため、梓の来年からの動向が不明確なまま終わっている。
劇場版はラストの会話の一部以外オリジナルである。


それが評価に繋がっている一方、キャラクターの性格も改変されたり膨らませすぎて原作の内容から大きく脱線逸脱したり賛否両論な面もある。



  • 毎日かあさん(2009年4月~2012年3月)

「新聞に週一連載中の1ページ漫画」なことによる原作ストックの少なさと、作者の実体験が元なためにどうしても大人向けな話が多めなこと、
そして何より「作者含め複数の著名人が実名で登場する」・「日常ものなのにとうさんとの離婚や死別が描かれる」という、家庭向けアニメにするには不都合な基礎設定が存在したため、設定レベルで大きな改変が行われた。
主な改変は「主人公家庭の架空キャラ化(夫と妻の苗字をミックス)」「夫のアルコール依存症・死去関連部分の削除」「毎回登場する編集者等オリキャラの増加」等で、
オリジナルエピソードとしてかあさん以外のキャラをメインとした話等が作られた。



とある魔術の禁書目録』のスピンオフ漫画であり、こちらはこちらで人気があるため3度アニメ化されているが、月刊誌掲載という原作ストックの都合上1期・2期は共に前半は漫画原作準拠・後半はアニメオリジナルのストーリーとなっている。
また、2期・3期の1話は登場人物紹介を兼ねたアニオリエピソードとなっている。原作準拠パートに置いてもアニメで幾つかの描写が変更されている。
アニメでの変更ポイントは漫画原作にもそのまま引き継がれており、例えば佐天さん婚后さんはいずれもアニメで登場頻度が激増し、そのまま漫画でも『大覇星祭編』からメインキャラに昇格している。
また、『禁書目録』でもちょっとした小ネタとして『超電磁砲』アニオリ登場人物が紛れ込んでいることがあったり。
アニオリパートは『超電磁砲』内だけだと矛盾は殆どないが、『禁書目録』と照らし合わせるとおかしなポイントが幾つか存在している。
まあ本編が横に広くなりすぎているし仕方ないといえば仕方ないのだが。



  • FAIRY TAIL(1期・2009年10月~2013年3月、2期・2014年4月~2016年3月、ファイナルシリーズ・2018年10月~2019年9月)

ドラゴノイド編、星空の鍵編、日蝕星霊編
星空の鍵編は原作者の構想にあった物で、日蝕星霊編は原作者が監修し、敵キャラクターのデザインも提供している。後に原作で、アニオリ長編の事を振り返る描写もあり、単行本巻末でフォローされている。
しかし星空の鍵編以降は原作の数ページの短編を無理やり1話に引き延ばしたりして尺を稼いだ弊害がモロに出ており、
キャラ弁を作れるだけの腕はあるジュビアが台所を爆発させたり、年末年始~春先の時系列のはずなのに夏の話をぶち込んだり、
物語序盤の序盤で変身魔法を使いミラさんを欺いていたワカバが変身魔法会得に躍起になっていたりと、シナリオや演出に矛盾が生じる話もあった。


原作が完結した後に放送されたファイナルシリーズでは、アニメオリジナル要素はあまりなく原作の最終回までアニメ化された。
また最終回では今までのアニオリゲストキャラが総登場している。



◆2010年代前半の作品

原作は作曲家志願の主人公が同級生の誰かを選択し2人で音楽・恋愛関係を深めていく乙女ゲームだったが、アニメ版1期後半では主人公がきっかけで同級生達によるアイドルユニットが誕生するアイドルアニメに変更された。
端的に言うなら主人公の立ち位置が1期で乙女ゲーム主人公だったのが、2期以降はアニメ版アイドルマスターのプロデューサーに近くなったのである。
これに伴いレギュラーキャラの設定には大小様々な変化が見られ、グループアイドル路線にシフトしたこともあり未アニメ化設定・アニメ未登場キャラも多かったり(特に先輩組関連)。
2期以降ではライバルユニット登場や、4期での先輩組・ライバル組との競争展開と言った完全オリジナル展開に突入し、4期の後日談となる劇場版は主人公が台詞なし1カットしか登場しないアイドルライブ映画になった。



ゼロの使い魔のアニメシリーズの第4期。
3期までにもアニメオリジナルは多々あったが、この4期は事情が異なる。
当時、原作が完結していなかったことと、なにより作者のヤマグチノボルが重病ですでに自身の死期を悟っていたことから、ヤマグチがシリーズ構成として参加し、アニメシリーズの完結を前提にして制作された。
そのため、中盤までに原作ストーリーを圧縮して終わらせ、終盤にはオリジナルのラスボスを撃破して締めとした。
この終わり方は賛否を呼んだが、原作が代筆で完結できたのがこれから4年も後だったことと、アニメ終了後の少し後に本当に原作者が亡くなられたことを考えると、当時はこれが唯一取れる手だったのだろう。
苦肉の策ながらも完結までこぎつけてくれた作者とスタッフの皆様の努力には心から感謝を捧げたい。



  • ソードアート・オンライン(第1期・2012年7月~12月、劇場版、第3期・2018年10月~2019年3月、第4期前半・2019年10月~12月、第4期後半・2020年7月~9月)

web小説の書籍化における先駆けにして特殊な立ち位置にある本作。
アニオリにおいて、「アニオリエピソードにも拘らず原作の設定はアニメオリジナルエピソードが組み込まれている」という一件意味が分からないことになっているので記載する。
基本的には原作に忠実なアニメ化なのだが、第一期前半は本来後の巻で書かれた「短編」なども含めて「作中の時系列」に並び替えたという方式でアニメ化されている他、
当時文庫版では未収録だったのが先行してアニメ化され、後に文庫版でも大幅な加筆修正を経て当該エピソードが書かれた」というアニオリっぽくてアニオリじゃない第二話などがある。
劇場版も「当初はアニメオリジナルエピソード(但し、原作の時系列との矛盾はない)」だったのだが、「書籍版の21巻以降は本編でもあった内容」となるなど「逆輸入なのに逆輸入じゃない」という一件どういうことなのか分からない状態である。
その劇場版公開後に制作された第三期・第四期はアニメのOPや一部の設定などが「劇場版を経由した作中設定が使われている」形でアニメ化された。
原作小説ではそうではないのである意味アニメオリジナルである。
そして第四期後半には作中の重要なシーンで劇場版のゲストキャラ二人が劇場版の事件を経た上でのゲスト出演。原作の流れが変わるわけではないがファンサービス的に登場して主人公たちと共闘した。
間違いなくアニメオリジナルエピソードにこれも入るはずなのだが…やはり「原作執筆時期には影も形もない」のでアニオリの筈なのだが、21巻以降の設定準拠の場合、「原作でもあったこと」という形になる。



連載最末期にアニメ化が決定し、原作完結と同時にアニメが終了するという『鋼の錬金術師』(上記水島版ではなくFAの方)方式を採用した作品。
…なのであるが、なぜか原作でのキャラクターのやり取りを大幅にカットし、全く違うエピソードを挿入するという回が多い。
そもそも原作はアクション要素も多少はあるが殆ど会話劇が題材のミステリものであり、原作を原作通りやると盛り上がりに欠けるというのもあるかもしれない。
なんなら最終回ですら、原作では主人公2人は司令塔となり後方で待機している有様であり、アニメ版では流石にそれはまずいと思われたからか無理矢理前線にねじ込まれて、大けがを負う羽目になっている。
ただでさえ少ない上に常識人が1人しかいないキャラクターなどのブレは殆ど無い為、原作を読んでいてもアニオリ部分が「そういやこんな話もあったような気がする」と思わせる手法は見事である。
まあその弊害として戦闘シーンが8割カットされて原作以上のかませ犬にされた人や、原作では考えられない程オーバーな顔芸で視聴者の腹筋を爆散させた人とか、出番が激減し後ろ姿だけという扱いになった人*26も出たがな!



紀州隠密道中編(後半が完全アニオリ)
『週刊少年サンデー』の漫画をアニメ化した作品だが、実は原作がサンデーの兄弟誌(サンデー超)からの移籍作品という経緯を持つ。
それだけではなく、原作はサンデー本誌移籍に伴って話・一部設定・タイトルなどをリセットしてしまい、結果的にサンデー超時代はパラレル的存在となった。
そんなこともあってか、アニメ版はサンデー版とサンデー超版をミックスするという手法で進行した。
アニメ版のタイトルがサンデー版の『常住戦陣!!ムシブギョー』ではないのも、そういうことなんだろう。


紀州編終盤は2期を想定しなかったのか、完全にアニメオリジナルストーリーとして展開して話を締めた(俺達の戦いはこれからだ!)。
また、原作のヒロインの一人である蟲奉行様がさらにプッシュされ、徹底的にメインヒロインとして描かれた(原作におけるシーンの映像でも恋する乙女要素が強化)。
これは、蟲奉行様が中心にいる紀州編までのアニメ化という事と蟲奉行様自身がアニメスタッフを暴走させるほど寵愛されていたという事情もあるかもしれない。


但し、この作品はアニメ放送終了後に原作の単行本の付録として何回かOVAが製作されたのだが、
OVA第3弾のあるシーンでは、紀州編以降の原作設定に準しているようなアニメ版蟲奉行様が描かれている。



原作の流れをシャッフルしたり補完する描写はあれど基本的には忠実に進めている。
だが1期1話では原作で3コマで済まされた忍のホームステイの様子がガッツリ描かれている*27。他1期6話のBパートの夏祭り、12話のミュージカル部分はアニオリである。
2期は9~11話が原作1話分をアニメ1話使っているためアニオリ部分が多い。特に11話のCパートは必見。
SPエピソードpretty daysでは忍、綾、陽子の高校受験の様子が丹念に描写されている。
劇場版では高校3年生を80分で済ませなければならない都合でアニオリ部分はあまりないが原作では曖昧だった忍とアリスの卒業後が動向が判明する。
ちなみにアニメで忍が愛読していた“金髪少女倶楽部”や通っていた高校の“もえぎ高等学校”という名称は後に原作でも登場した。



原作無印が尻切れトンボに終わってしまっていた事もあってか、終盤の展開は完全オリジナルになる形で独自の最終回を迎えている。
もっとも原作における作者の別作品との繋がりを活かしたシナリオや、ギャグを交えながらもロボアニメとして十分に熱い展開など視聴者からの評判は決して悪くはなく、
何より当の原作が次作『OGS』以降で異形の怪物に民間人が虐殺される展開など読者の望んでいたものとは言い難い展開に突入してしまった事から*28
現在では王道かつ真っ当な終幕を迎えたアニメ版の方を支持する声も決して少なくないのが実情と言える。



2011年に第一期のアニメが作られており、原作の初期エピソードが展開されていたが、こちらは原作の大筋とは無関係な完全オリジナルストーリー。
内容的には前期の続編というよりスピンオフのようなものであり、学園内で繰り広げられるドタバタラブコメディがメインとなっている。
原作は中盤からVENUSやカミガリ、ヤマトタケルといった敵勢力が登場し異能バトルがメインとなるシリアスな物語であるが、ラブコメ要素は逆に薄くなっている。
そのため、原作もしくはアニメから見始めてから逆の方を見ると作品の雰囲気や構成が全く異なることに違和感を感じることも。



19話は半アニオリ回となり、20話から完全にアニメオリジナルストーリーとなる(原作コミックス8巻から分岐する形)。
大体のあらすじが原作と同じとはいえ、ワイルドハントの出番がごっそり削られ、さらに毎回メインキャラがやけにあっさりと死んでいく展開は賛否両論。
とはいえ、おかげで原作の一部のトラウマ展開が無くなり、また「至高の帝具」を始めとした原作より先に登場した要素も多く、23話の燃え展開は評価されるなど見所が全く無いわけでもない。
一部では「メインキャラが幸せなのが原作漫画でサブキャラが幸せなのがアニメ版」とも言われている。
実際「アカ斬る!劇場」というミニアニメで、尺の都合でアニメ版では生き残り原作で悲惨な死に方をしたサブキャラがアニメ原作どちらでも死亡したメインキャラとの会話で
「お前は良いよなー、最後まで生きてて」→「原作ではあんな事になってますけどね…」とメタい話をしている。
ちなみにアニメ版のオチでも一応、続編である『ヒノワが往く!』には繋がる。



◆2010年代後半の作品

序盤からアニメオリジナルキャラが登場、主人公と恋愛要素などを含む形で複数の回に関わり、
アニメ版11話〜最終回12話はオリキャラ二人をメインにした事件の解決が描かれる。
下手を打つと核地雷原でタップダンス状態になる要素を積んでいるが、原作者監修のもと行われている。
また原作は元々「異界と交わった街で様々な事件や人物と関わる組織の人員を描く」という形のため、組織メンバーが主役持ち回りの1~数話完結型作品である。
そのためアニメで1話完結回を描くのも普通で、1クールを通す長い話の候補の方がむしろない。
原作主人公とアニメオリジナルヒロインの交流を原作の仕様に対する縦軸として取り入れるのは異常というほどでもなく、しかし適当なテンプレとして組んだ訳でもない。


むしろスタッフは盛り上がりすぎてしまったまである(放送が6月から10月まで飛んでいるのは、最終話が30分に収まらないと発覚し放送延期→46分で放送したため。視聴者はいい意味で生殺しになっていた……)。
こうしてアニメがオリ要素含め気合を入れて作られる一方、原作人気キャラの出る名エピソードと呼ばれる回がアニメ化されなかった。
そのため原作ファンの不満が残ったが、売り上げが見込めることもあってか人気回のうち一つはOADとしてファンブックに付けられた。


2017年には一部スタッフを変更した第2期が放送されたが、第1期のオリジナル要素はそのまま受け継がれた。



  • ワールドトリガー(第1期・2014年10月~2016年4月、第2期・2021年1月~4月、第3期・2021年10月〜2022年1月)

元々原作を補完するアニオリ描写がかなり多かったが本来4クール予定が2クール分延長され、また4クール終了地点で原作にほぼ追いついていたため、約4か月(全15話)にわたり「逃亡者編」というストーリーを挿入。
その結果、当該ストーリー終了後も以降の時系列が1週間ずれている。
しかし時間稼ぎと言っても所詮4か月のみであり、原作者が病気から来る休載を多くとるため、またすぐに追いついてしまった。
最終話は原作ストックのほぼ全てを使い切り、ラスト数分に翌日発売の最新話に繋がるようなオリジナルを入れ、上手いこと原作へと繋げて見せ、原作に追いつくギリギリの所で1期は終了した。
ちなみにアニメディア、オトメディアで行われた番組プロデューサーへのインタビューによると、視聴率が良くて好評だったと語っている。
2021年1月からは約5年ぶりの続編となる第2期、同年10月からは3期が放送され、原作を補完するアニオリ描写は最低限になっている。


  • 逆転裁判〜その「真実」、異議あり!〜(第1期・2016年4月~9月、第2期・2018年10月~2019年3月)

第1期は『1』『2』、第2期は概ね『3』のストーリーラインに一部の調整・変更を加えたもので、基本は原作の内容のアニメ化。
第1期では一部にアニメオリジナル設定の追加が行われ、それについての補完を主題にした過去を描くオリジナルエピソードが1話放送された。
原作ではスタッフ側からもツッコミが入ったほどの酷い内容だったある事件の真相が、このアニメオリジナルエピソードで設定変更・補完されたことによりかなりマイルドになるなど、視聴者からの印象は悪くはない。
また基本的に原作ゲーム2本分で無理なく2クール作れるだけの分量があったものの、時勢の変化による配慮や原作の矛盾・消化不良部分を調整して再構成した結果として、原作から印象が変わったというエピソードは多い。
特に『2』第2話相当分は原作の内容があまりに消化不良という指摘が多かったためか、ほとんど別物になるレベルでトリックや展開・人物描写に手が入っており、実質的に原作ゲームの設定をベースにしたオリジナルに近い雰囲気となっている。


一方で第2期では1期と違い1作品の内容を2クール使って放送する都合、原作をそのままやると尺が余るのではと不安の声が上がっていた。
その中で、1期同様に過去を題材にしたエピソード2話に加え、3話分を使って他の原作回相当の事件が発生するオリジナルエピソード「逆転特急、北へ」を放送。
原作シナリオライターの巧舟が監修したこともあって、原作の台詞のオマージュや巧が過去に制作したゲームのパロディなどが含まれた濃厚なファンサービスなどから、好評を得ている。
その一方で『1』リメイクで追加されたエピソードがアニメ化されなかったことに対する不満の声も挙がることになっている。



  • 僕のヒーローアカデミア(第1期・2016年4月~6月、第2期・2017年3月~9月、第3期・2018年4月~9月、第4期・2019年10月~2020年4月、第5期・2021年3月~9月、第6期・2022年10月~2023年3月)

原作ではデク視点のエピソードのみで語られた期間の話が、他のクラスメイト達の視点からも語られるエピソードが多い(職場体験や仮免試験など)。
また、第3期には劇場版1作目の前日譚が特別編として放送された。ちなみにその回のアバンではデクとオールマイトが冒頭のようなやり取りをしてたりする。
「どうなってるんですか?僕らはヒーロー仮免許取得の試験を受けてる筈…」
「そうだね!続きが気になるところだよね!でも今は忘れちゃおうか!」



タイムスリップ編
『NARUTO』の声優・キャラクターデザイナー・音楽担当など一部スタッフが引き続き続投しており、『NARUTO』の事実上の続編。
原作の漫画が週刊少年ジャンプ・Vジャンプ共に月一連載の為、毎週放送のアニメは必然的にアニメオリジナルエピソードが多い。
漫画に沿ったストーリーでも、すぐに原作に追いついてしまう為、漫画でモブキャラ扱いだったキャラの人物像を掘り下げたり、漫画では描かれていない出来事や台詞が補足される傾向にある。 原案・ストーリー監修担当の岸本斉史がストーリー案を出す場合もある。


漫画とは異なり、アニメでは主人公のうずまきボルトが忍者アカデミーを入学する所から物語が始まる。この忍者アカデミーでの卒業までのエピソードは、原作の漫画の前日談という扱いでノベライズ化されてもいる。
本作のキーパーソンで、もう一人の主人公的存在のカワキがアニメに登場したのも、アニメ放送開始から約4年後。
そもそも母体作となった劇場版『BORUTO』公開後、原作の漫画連載、TVアニメ化もあまり間もなく開始した為、『ドラゴンボール超』のようなクロスメディア展開と考えた方が正しいかもしれない。


アニメ版では夕方に放送されていることもあって、漫画版より新たなメインターゲットの子供向けの、ボルトたち第七班のメンバーを中心とした次世代の忍たちが活躍する、次世代物という色合いが強い。但し、漫画版では登場していないアニメのみ登場するキャラクターや、NARUTO時代のキャラクターが歳を重ね多数登場しており、前作のアニメの主題歌を担当したアーティストが今作でも続投したり、前作の演出をオマージュしたOPや戦闘シーンを取り入れたりと、前作のNARUTOからのファンも楽しめる作りとなっている。


但し、物語が漫画版のストーリーに本格突入してからは、作風が漫画版寄りにシリアス寄りになって行き、それまであまり作中で描かれなかった仲間の死や、『NARUTO』本編のような大きな戦争といった過激な描写も多くなっている。


展開が漫画版に追いつき、展開的にアニメオリジナルストーリーを挟むことが困難になったこともあってか、第1期は約6年間、全293話の長期放送の末終了。第1期終了告知と同時期に、第2期の放送が決定した。


週刊少年ジャンプ原作のバトル漫画では最後発の通年放送アニメとなった一作。最序盤からア二オリエピソードが織り交ぜられる中、終盤では原作の休載連発ぶりから完全オリジナル中編の「デビル・バニッシャー/ビリーバー編」が製作され、夕方アニメにも関わらず敵サイドの百合/サイコ/虐待描写が濃厚に描かれた他、ある程度身分を保証されたキャラクターのパワーや実績ではどうにもならない下民の感情を前面に出したダークな作風が賛否を呼んだ。


上記の『けいおん!』と同様に4コマ漫画原作で、既刊の単行本はその半分しかないこのクソアニメでもオリジナルエピソードはふんだんに取り入れられた。
特にメインとなる「POP TEAM STORY」部分はほぼオリジナル(原作にあるネタを拡張した部分もある)。
もっとも、原作以上にぶっ飛んだ命知らずのチキンレース状態でおおむね好評であった。
公式自らが動画サイト投稿用の素材を提供するなんて前代未聞であろう。
なおそんな中でもAC部のボブネミミッミは原作のエピソードを元に構成されていたため、
本作屈指のカオスなコーナーであるボブネミミッミが一番原作のストーリー準拠という謎の事態が発生している。



  • MAJOR 2nd(第1期・2018年4月~9月、第2期・2020年4月~11月)

原作の連載誌が週刊連載誌ながらも休載が多いこともあり、第1期の第1話の段階でアニメオリジナルエピソードが描かれ、第2期でも多く見られる。


原作では説明のみだったシーンや、アッサリ描かれている場面がアニメオリジナルで掘り下げて描かれていたりと、評価されている面もある一方、原作の展開と矛盾が生じてしまっている問題点もある。


前作のアニメ同様、放送局がNHKなのもあり、原作での暴力的・差別的な発言やシーン、ヌードやパンチラなどの性的シーンはカットされたり、改変されたりしている。
特に原作の中学生編ではヌードや着替えがとても多く見られる為、そこを残念がるファンも存在する。



2014年夏に放送された東京喰種の第2期。
漫画原作者が脚本を担当し、原作とは異なるアニメオリジナルの物語が描かれるということが放送前から喧伝されていた。
実際に第1話では主人公が原作での敵対組織であった「アオギリの樹」に加入するという展開となりファンを驚かせる。
エンディングも原作者描き降ろしのイラストが使用され、しかも毎回異なるという豪華さで、今後のストーリーに期待が高まった。
しかし序盤以降は多少の差異こそあるものの原作とほぼ変わらないエピソードが続き、中盤以降は主人公がアオギリに所属している描写も薄くなるなど、別ルート感を殆ど感じられないまま最終回を迎えてしまう。
ストーリー以外も妙にもっさりとした戦闘シーン、家を出て行った人物が数秒で買い物を済ませて戻ってくるといった演出上のミスなど、第1期と比べて劣化した部分が目立っており、前評判を大きく裏切る結果に終わってしまった。


放送終了後に発売された設定資料集には原作者が初期プロットとして提出した中盤までのネームが掲載されたのだが、こちらは原作とは大きく異なるオリジナルと呼んで差支えの無いストーリーとなっており、なぜこれが採用されなかったのかと更なる物議を醸すこととなった。


なお、放送時点で原作漫画の続編『東京喰種:re』が連載されており、アニメ最終話では『re』との繋がりを踏まえたオリジナルシーンが挿入され、後に『re』もアニメ化を果たすことになる。こちらは基本的に原作準拠のストーリーとなっているが、上記のオリジナルシーンで登場した原作には存在しないアイテムが描写されていることから、あくまで『√A』の続編という体ではあったらしい。
ところがその後、『√A』のオリジナルエピソードで明確な死の描写があった人物が原作で再登場(原作では生死不明だった)を果たしてしまう。結局その人物回りも原作準拠の描写になった上に特にフォローもされず、原作未読の視聴者からすれば何の説明もなく過去が改変されることになってしまった。『re』は原作の最終回までを2クールで映像化する必要があったためかストーリーのカットも多く、こうした面でもアニメのみの視聴者が置いてけぼりとなってしまった。シリーズ全4クールのうち第2クールだけがアニオリという展開により生み出された歪んだ世界である。



◆2020年代の作品

原作ゲームのシナリオの流れに関与せず殆どをアニメオリジナルのストーリーで構成した。但し2期は1部中盤~終盤のストーリーの大筋をなぞってはいる。
特にペコリーヌキャルの関係性を大きくクローズしている側面が強く、2期はそれが特に顕著。
また原作には全く登場しない個性定期なモブキャラがやたらと目立っているのも特徴である。
一方で2期で1部ラストまでを描いたにも関わらずドラゴンズネスト、ムイミ、オクトー達男性サブキャラ陣が登場していない。
特にユウキは原作主人公にも関わらずテーマや構成の都合に振り回されており、「コネクト(絆)」のストーリーにも関わらずヒロイン達とは絆はおろか殆ど交流が発生しない。
美食殿以外では設定的に深い繋がりのあるラビリンスの3人ぐらいしか親しいと言えるヒロインがおらず、トゥインクルウィッシュは尺と構成の都合で回想にしか登場しない。*29
それどころか師事しているレイやミフユとの交流が発生しないため強くはなくとも戦えはする程度の戦闘力が大幅に削られていたり、美食殿内ですらペコリーヌの素性すら唯一知らされていないという冷遇を受けている。但しこれらは2クールで原作の第1部に相当する話をすべてやるのは不可能ということを逆手に取ったものであり、改悪とは言い切れず、むしろソシャゲのアニメ化特有のキャラを多く出し、話がとっ散らかることを避けたためと取れる。実際ファン内ではアニメシナリオは好評な意見が強い。 *30


…とはいえ原作とアニメ2期それぞれでこの世界がループしている事が判明したため、ある意味ではアニメ版はゲーム版へと至る前のループの一つという見方が出来る。
但しアニメ版はゲーム版のバッドエンドからの続き(ゲーム版にもバッドエンドの話がある)*31とも取れるためそのあたりは想像に任せるといえる。*32



音楽CD企画『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』のTVアニメ化作品。
前半はテリトリーバトル開催までの4つのチームの日常をオムニバス形式で描き、後半では原作での第1回ディビジョン・ラップバトルを元にしたオリジナルストーリーが展開された。
原作の楽曲はもちろん、アニメオリジナルの劇中ラップが新曲として毎回登場する。*33
オリジナルキャラクター達も多く登場し、特にレギュラーキャラであるSecret Aliensの三人は本作のラスボスとして主人公達の前に立ちはだかった。
また、ナゴヤとオオサカが追加された第2期『Rhyme Anima+』は完全オリジナルストーリーで描かれており、時系列は原作での第2回ディビジョン・ラップバトル後にあたる。



「孤児院」・グレイス=フィールド(GF)ハウス 脱出後となる2期の途中からアニメオリジナル展開に突入。
1期は概ね原作通りのアニメ化であったために評価されたものの、2期目は原作コミックス6巻以降から最終巻までを1クール11話で映像化したため、場面の改変と省略がかなり多く、原作ファンからは不評となっている…。
一方で原作者の白井カイウがシリーズ構成の一人としてメインスタッフに名前を連ねており(第9話を以って降板)、途中までとはいえ原作者が事実上の監修として関わっていた。
こうした制作上の事情を抜きにしても、アニメを2期で完結させる・3期以降の企画がないのは当初から決まっていた事が窺えるが、「3期以降の制作を前提として原作に忠実な形でアニメ化してほしかった」といった声も当然少なくなかった。



ゲッターロボ・サーガから唯一のアニメ化かつ、そもそも原作が全3巻の打ち切り作品という事もありアニオリシーンが非常に多い。
補完を兼ねた過去回想として『ゲッターロボ號』及び『真ゲッターロボ』の一部エピソードの映像化も行われているが、時系列が異なる2作品を纏めて同じ19年前の出来事として扱われている。
真ゲッターロボ タラクといったアニオリゲッターの登場や、原作のラストシーンの先が僅かながらも描かれた事は特筆に値する描写だろう。




追記・修正は原作のストックが足りなくなってからお願いします。


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*1 漫画の内容が薄いという訳ではないので、そこは勘違い無きように。
*2 既存キャラに新規設定を盛り込むのが難しい点はあまり変わらない場合が多いが
*3 アメリカ遠征編は大幅な改変がなされている
*4 ソードボードに全身串刺しにされるも、キン肉マンが『キン肉マンGo Fight!』を歌いながら復活するシーン等
*5 当時この展開には当然ながらブーイングがあった
*6 ドル箱アニメにもかかわらず、ナイター中継や特番で潰れやすい水曜のゴールデンタイムに放送し続けたのも放送休止で話のストックを稼ぐという事情もあった模様。
*7 たぶんタイミング的にクリリンと思われる
*8 そもそも「極力原作と同じになるように再編集・再構成、一部はリメイクした」のが企画コンセプトなので当たり前なのだが
*9 ジュジュの旅立ち後ほぼフェードアウトしたドキドとプラトー教関係者、コパール編のゲストキャラだったレピア等
*10 原作のおまけ漫画のエピソードが盛り込まれた13話、アラハビカ編で「再登場」する敵キャラを登場させたイエタ村編等
*11 ニコイチされた光魔法結社編と地の王編等
*12 赤井秀一や安室透、世良真純などの重要人物については劇場版のプレストーリー回以外は基本として登場せず、スピンオフ作品のほうで登場するキャラも少なくない。
*13 コナン達の担任である小林澄子などのサブキャラが登場する回もあるが、数年に1回登場する程度のキャラがほとんどである。
*14 元々はOVA形式で後日談の場合もある。
*15 特に目と鼻が大きく異なっており、原作と比べて美形のゲストキャラが非常に多い。
*16 現在は辻の他にも、扇澤延男などの2時間ドラマの脚本経験者、シュールなコメディに定評のある浦沢義雄やその弟子の大和屋暁などが脚本に参加している。
*17 例えばWGP編におけるTRFビクトリーズ(=1期主要キャラクター)のマシンはアニメでは大きくチームのロゴが掲げられ、アイゼンヴォルフのベルクカイザーは左右反転した機体が登場しキット化も望まれているが実現していない。その他、1期にはセイバーやプロトセイバーの色違いが多数登場しているがこれらも未発売。
*18 この時期のEDで巴の姿が描かれている。
*19 TVアニメ化以前に劇場版アニメとして公開されたが、そちらは原作テイスト
*20 ゲームでは主人公の姿はバトル中ほぼ映らないが、アニメでも同じように大量のポケモンをゲットして厳選し戦わせるだけだと、当然ながら絵面がひどいとシリーズ構成の首藤剛志は考えた。
*21 アニメ化時に話順がシャッフルされているため、それによる変化も含まれる
*22 特に原作でのローグタウンは作者が「100話でグランドラインに進出させたい」と考えていたためかなり駆け足になっている。
*23 現在はそれなりに回復しているが、およそ月一程度の頻度で休載が挟まれる
*24 アニメでは瀬人と剛三郎の因縁があまり深く描写されてこなかったため、その補完も兼ねていると思われる。
*25 実はきらら系列で2クール放送したアニメは『けいおん!』2期のみ。
*26 もっとも、アニメ制作時にはこの人物が登場するエピソードは掲載されていなかったので仕方ないとも言えるが
*27 限定本の描き下ろしや原作者から提供されたネームで構成されたため厳密には完全アニオリというわけではない。
*28 作者のなかま亜咲も『OGS』最終巻あとがきにて「路線変更は失敗だった」と述べている。
*29 恐ろしい一面を見せながらも原作ではうまく関係を築けているエリコはほぼ妖怪じみた扱い
*30 原作ではメインストーリー加え、キャラクターの掘り下げが行われるキャラクターエピソードやイベントエピソードが存在し、メインエピソードではキャラクターエピソードで主人公とそのキャラクターが出会ったことを前提に話を進めている場面も存在するため、アニメでメインだけを描写すると原作を観ていない視聴者からはチンプンカンプンとなりかねない。更に前述したトゥインクルウィッシュに関しては詳しく言及するにはRe:Dive前の無印時代の描写も必要であるため、1期1クールでは並大抵の構成では時間が足りなくなる可能性がある。
*31 ただしその解釈でもアニメで描写されたバッドエンド前の描写とゲーム版における描写が食い違うため完全な別の時間軸とも取れる
*32 原作ではペコリーヌが紆余曲折あり、王宮に復帰して第2部ではそれから始まる騒動が描かれるが、アニメでは父親と母親が王宮に復帰しペコリーヌは美食殿に戻っていたりと差異が既に存在する
*33 後にスマホ用アプリゲーム『-Alternative Rap Battle-』にもプレイ可能な楽曲として配信された。

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コメント

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名無し

タルルートは最終回のみ

返信
2024-03-10 20:37:50

名無し

ジャンプでなかったのはゆらぎ荘の幽奈さんだけ

返信
2024-01-30 19:03:08

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