るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 星霜編

ページ名:るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 星霜編

登録日:2019/07/11 Thu 01:41:21
更新日:2024/04/19 Fri 10:34:29NEW!
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やっと消えたね…心太…






和月伸宏原作の漫画作品『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』より、主人公・緋村剣心とヒロイン・神谷薫に焦点を当て、その後の時代を描いた前後編のOVA。2001年から翌2002年にかけて発売された他、全一巻にまとめ追加シーンを加えた特別版も存在する。
監督が同じである『追憶編』の実質的な続編でもある。


ちなみにこの作品から画面サイズが16:9のワイド比率となっている。


解説

明治二十六年を舞台に、薫の回想という形で東京編~人誅編のエピソードを交えてストーリーが展開。剣心の贖罪とその最期を描いている。


絵柄や演出は『追憶編』と同様であり、さらにキャラクターの独自解釈やストーリー展開から『追憶編』以上に憂鬱でシリアスな作風となっており、ギャグシーンは全く無い。
原作とは正反対の切ない結末などもあってか、視聴者からの評価は賛否両論となっている。


なお、その内容から原作者である和月氏も否定的な見解を示したと言われているが、
和月氏はパラレル展開に対して肯定的なため、これはデマと思われる。


一方で作者のあとがきで断片的に語られるのみだった弥彦から剣路への逆刃刀の継承の映像化、無関係な人々を手にかけることなく純粋な復讐者として立ちはだかる縁など、この辺りはかなり高評価を得ている。



あらすじ

明治二十六年。贖罪の旅を続け船に乗った緋村剣心は嵐の中に投げ出されて生死不明になってしまう。
一方、元服した一人息子の剣路は家出し剣心の師匠である比古清十郎の元へ身を寄せていた。
二人がいない日々を東京で過ごす薫は剣心と出会った頃の日々を回想していく…。



登場人物

本項目では原作との違いを主に記載する。


主人公。
冒頭において嵐の中、船員が船から投げ出されそうになった所を助けるも、代わりに落ちて生死不明になってしまう。
妻子を愛しながらも贖罪の念から幸福な毎日を享受し続ける自分自身を許せず、徒労のような奉仕活動をし続けている。
戦いの反動で弱り切った体を押して自分に出来る奉仕を求めて各地の細民窟等を巡り続けた影響からか、前編の時点で病魔に侵されている。
後編において左之助と偶然再会するも、記憶喪失となり朦朧とした様子になるなど本編から考えられない一面を見せる。
その後は左之助の手助けもあり何とか薫の元へ戻ったものの、そこで力尽きてしまったかのような場面となり、ファンの議論を呼ぶこととなった。


なお、薫へと伝染した様子や病状からして恐らく病気は淋病か梅毒などであると思われる。



ヒロインであり、実質的な主人公のひとり。剣心と同じ病気に侵されている。
思う存分妻子を愛して自分を優先して生きることを甘受出来ず、そんな自分を妻の薫が心配していることを察して、妻子の前では笑顔を絶やさない。
そんな剣心を痛ましく思いながらも、彼の贖罪の手伝いを出来ない無力感に苦しんできた。
それは剣心と同じ痛みを分かち合いたいという思いから自らうつさせてと懇願したからであった。
回想として、原作やアニメ版とは異なる剣心との出会いや鵜堂刃衛との一件などが彼女視点で新たに描かれていく。京都編は完全にダイジェストだったが


原作のお転婆な一面は鳴りを潜め、弱気で女性らしい一面が強調されている反面、
剣路に対しての母親らしい一面は作劇上の理由があるとはいえあまり見せておらず、
本作が賛否両論である一因ともなっている。



  • 緋村剣路 声:甲斐田ゆき

剣心と薫の息子。父親に似た容姿だが、髪色はこげ茶色。当然、頬の十字傷は無い。
原作エピローグ及び北海道編では幼児だったが、今作では元服した姿(十四歳くらい)で登場。
物語開始時は家を出ており、飛天御剣流剣術をものにするために比古清十郎の元へ身を寄せている。
母ちゃん好きで父ちゃん嫌いな所を反映してか、剣心の事を母親と自分をないがしろにしているように見える、
迷惑をかけてばかりの無力になり果てた昔は凄かっただけの男として嫌っている。
母親には医者である恵を始めとする友人達がついている中で自分が母親に何もしてやれず、
剣心の悲壮な生き方故に薫の視線が剣心に向きがちなこともあって、無力感と思春期特有の反抗心を燃やしている。
結果として病気の母親ほったらかして比古清十郎の元で修行を重ねて、ただ何かを成せるであろう剣の力を求める日々。
飛天御剣流の剣技を見聞だけで再現する程に剣の才能に優れており、弥彦も一目置くほど。



回想にはほとんど登場せず、明治二十六年の時代が主な見せ場となる。


ちなみに明治二十六年だと三十路間近という事になるのだが、原作で見せた成長した姿と印象はほとんど変わらない。*1
飛天御剣流に関わった者は皆若作りになるのだろうか…?
物語終盤、反抗期の剣路に対して、共に剣心と戦った者として彼が背負ってきた苦悩や覚悟の重さの一端を理解させる為に、剣路に立ち会いを申し込む。
剣路との対決では勝利し、元服祝いとして逆刃刀を託した。



回想以外では後編のみに登場。
後日談「春の桜」で世界中を旅している事と髭面を見せた事を反映して、大陸で馬賊として名を上げて相応に現地での人脈を築いており、無精髭で登場。
旅の中で船から投げ出され記憶喪失となった剣心と偶然再会。
記憶が混濁しながらも朧げに覚えている目の前の左之助や海の向こうの薫のことを譫言のように呟き、独りでは焼き魚すら食べられない程弱り切った剣心の姿に涙し、東京に帰るまでの面倒を見る事を決意する。
リアル路線寄りの描写の影響を受けてか、剣心の体力を少しでも回復させる為に猛獣の肝を求めて槍を手にベンガルトラに一対一の対決を仕掛けた際は、そこそこに手傷を負っていた。
お前二重の極みでイチコロだろ。とか突っ込みたくなるシーンである。



剣心の師匠。
今作でも若々しい姿は健在だが、還暦間近という事もあり口元には皺が増え白髪も見えるなど流石に加齢した様子がうかがえる。
え、それでも若々しい…? 飛天御剣流だからしょうがない
上述の通り、剣路が押し掛ける事になり飛天御剣流を継がせてほしいと言われる。
しかし、自ら剣の道に導いた愛弟子が悲壮な人生を送るに至ったことを憂いており、剣路に二の轍を踏ませないように「御剣流は俺で終わりだ」と語るなど積極的な指導は施していない。



雪代巴の弟であり、剣心の義理の弟にあたる。回想でのみ登場。
展開が短縮された結果、同志も後ろ盾もおらずたった一人で人誅を成し遂げようとする他、
原作における多くの凶行が描写されないため「狂人」の印象が薄くなっている。
上海マフィアとなっていた過去も語られないが、色眼鏡や技からこちらでも大陸へと渡っていた事がうかがえる。
最後も一人どこかへと旅立つなど、原作より希望がある結末を迎えた。
リアル寄りな描写をしているOVA二編において、比古と並んで原作に近い超人ぶりを発揮している数少ないキャラクターでもある。



  • 千鶴 声:ふじたれいこ

エピローグに登場。剣路の恋人と思われる少女であり、剣路を「くん」付けで呼んでいる。
恐らく読み切り版の登場人物である来迎寺千鶴が元ネタ。



  • 山県有朋:かねこはりい

かつて剣心とともに維新を駆け抜けた陸軍卿。
日本が直面する日清戦争において、幕末の最前線で生き抜いたその実戦経験を活かして指導教官として国を支えるよう、剣心に依頼をしに活心流道場を訪ねる。
だが、剣心には病に加えて戦争に加担する気は無く、助勢するなら戦禍に晒された現地の人々を救くべく軍とは無関係に活動すると要請を辞退され、彼の覚悟を前にその意向を呑んだ。




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  • 剣心の罪悪感、正直度が過ぎるのでは… -- 名無しさん (2019-07-11 10:16:20)
  • 原作で「苦しみながら闘いの人生を完遂するとかいいながらなんだかんだ幸せな生活送ってんじゃねーか!」っていうツッコみがあったけど、本当に苦しませるとこうなる -- 名無しさん (2019-07-11 18:30:09)
  • 「とりあえずお疲れ様」だから、死ぬまでこれ継続すること自体は本人も納得済みなのよ…問題はそれがエンタメとしてどうなのってことで -- 名無しさん (2019-07-11 21:51:18)
  • 左之助が回想で内務省の前でも剣心と決闘してるアニオリのシーンが入ってるからアニメ版の完結編ではあっても原作とは関係が無い事が示唆されてる 回想での刃衛との決闘の細部の違いからアニメ版でもTV版とはパラレルの可能性はある -- 名無しさん (2019-07-12 02:27:15)
  • ↑2 別に剣心が最終回の後も人々のために戦い続ける事そのものは問題ないんだよな 現に原作で続編が出て剣心が戦い続けてたってなっても全く批判は出なかった 剣心が病気で廃人みたいになって薫と再会すると同時に力尽きて・・・しかも薫の方も剣心と同じ病気で長くないっていう、あまりにも悲惨な結末だから賛否両論になった(一応、息子の方は後に彼女ができて両親の分まで幸せになる事が示唆されてたが) -- 名無しさん (2019-07-12 02:33:50)
  • 発売前から「OVAの」続編です、と念おされてたので違和感なかったけどなあの結末。正直原作の結婚子作りエンドはないわーと思ってたから -- 名無しさん (2019-07-24 23:26:38)
  • ↑そうか? -- 名無しさん (2020-08-25 07:59:12)
  • 師匠に諭されたことが全く伝わってないことになっちゃうしなあ。最後まで戦い抜く覚悟を持つのと、破滅を求めるように奉仕するのとは違うでしょってのが、否側が大きくなる一因だろう。 -- 名無しさん (2020-10-11 15:16:07)
  • どんどん弱っていく体を引き摺って戦い抜く覚悟を決めると言うことは、最後は衰弱したまましょうもない雑魚に斬られるか、得体の知れない病魔に侵されて苦しむか。その二択でしかない
    戦い抜く=引退を許されない生涯現役なんだから。前のめりに死ぬのみ -- 名無しさん (2021-06-04 01:15:42)
  • やるならるろ剣じゃなくてオリジナル作品でやりゃよかったのでは。とにかく悲劇的展開カッケーみたいなあれで引く。 -- 名無しさん (2021-06-20 23:41:20)
  • なんの下地もないオリジナル作品でやったらわけわからんだろ。俺的には原作に対するアンチテーゼみたいで好き。 -- 名無しさん (2022-01-08 23:49:34)
  • 剣心のやってた奉仕活動とかって、明治って新しい時代に生きる人々のためじゃなく幕末で死んだ人間のためにやってるみたいで正直うすら寒い。結局剣心の魂は明治じゃなくて幕末に置き去り感があるというか。そういう意味では警官として新時代の人々のために働きつつ妻子養ってた斎藤ときれいに反対だけど、狙ってたのかな?。 -- 名無しさん (2023-10-08 02:07:21)
  • ↑2つまり原作蟻でもオリジナルでもやる価値がない -- 名無しさん (2023-10-08 02:38:57)
  • 「作品のためを思うなら薫は殺しておくべきだった」という原作に対して、「薫と剣心二人を仲良く死なせれば良いのでは?」という形で挑戦してしまった作品だと思う。エンタメとして、少年漫画として光を行くことを決めた原作に対して、じゃあ私らが闇を引き受けますって感じで、原作愛は間違いなく強いんだけどそれを見たかった人がどれだけいるか…。 -- 名無しさん (2023-10-08 04:10:49)
  • ↑北海道編が出た今なら「じゃあ私らが闇を引き受けます」に強い意味合いが出たと思っている。北海道編の終わりがどうなるかはまだ連載中だからわからんとしても、北海道編はアの三馬鹿たちのおかげで「明日への光」が見える。対してこちらは「過去の闇」に対する後ろ向きな贖罪だから対になっている。あと星霜編冒頭の心太少年時代の凄惨な描写が北海道編の「雑草鍋なら食ったことあるよ」発言に重み加えてくれているし -- 名無しさん (2023-10-08 12:46:11)
  • 漫画で最後幸せになったのにOVAで○○して子供心に悲しくなった。パラレルワールドのひとつで落ち着いたので良かったけど。 -- 名無しさん (2023-11-14 20:47:09)
  • 弥彦の年齢、本編の終幕回の前の回のラストに明治十五年とあって終幕回で元服祝いをされているから、明治二十六年ならそのまんま26歳やと思うんだが?三十路間近っていやー間近なんだけど。。 -- 名無しさん (2024-02-20 04:43:18)

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*1 これは燕も同様だが。

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