aklib_operator_シー

ページ名:aklib_operator_シー

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プロファイル

基礎情報

【コードネーム】シー

【性別】女

【戦闘経験】非公開

【出身地】炎

【誕生日】11月11日

【種族】非公開

【身長】162cm

【鉱石病感染状況】

メディカルチェックの結果、非感染者に認定。

能力測定

【物理強度】普通

【戦場機動】普通

【生理的耐性】普通

【戦術立案】標準

【戦闘技術】普通

【アーツ適性】欠落

個人履歴

シー、炎国の画家であり、職にはついていない。本艦に滞在中のニェンの積極的な働きかけにより、訪問者としてロドスに訪れることを強いられた。絵画、特に炎国の伝統絵画に長けている。現在はロドスのとある人通りが少ない通路の壁に住み着いている。

健康診断

造影検査の結果、臓器の輪郭は明瞭で異常陰影も認められない。循環器系源石顆粒検査においても、同じく鉱石病の兆候は認められない。以上の結果から、現時点では鉱石病未感染と判定。

 

【源石融合率】0%

 

【血液中源石密度】0.00u/L

 

【権限記録】

なに、あの子身体検査受けたの?へぇー、そんなに大人しい子だったの。あのニェンが連れてきた子だから、てっきり同じような感じだと思ってたよ。じゃあ今回はガヴィルの出る幕はないかな、ニェンとの第二ラウンドに集中させてあげよっと。

ニェンの提案で、一般オペレーターの基準で試験を用意したんだけど、その間試験官に何度も「早く医療オペレーターを!」と思わせるような内容でね、結局試験は急遽中断になったの。当のニェンはニヤニヤ笑うだけだし、最初からこうなるのわかってたよね絶対。

でもシーって本当に、鍛錬不足にもほどがあるよ。まぁ、給料も発生しない相手だし、あたしの気にすることじゃないけどね……

そうだ、診察結果の方はもちろん、残ってる資料と同じだよ。彼女も源石と全く「関係ない」の。

追加予算は出さないよ。こんなに収支が厳しい状況なのに、ああいうヘンテコな暇人の研究なんかしてどうするの!?

――クロージャ

第一資料

彼女は通路に扉を作った。

そしたら、その扉は本当に通れるようになった……

彼女がそこから出てくるところを我々はめったに見ることはない。

人事部に向かって、シーは率直に出かけたくない、働きたくないと言い放った。

もちろん、彼女がいてもロドスの資材が消費されることはないのだが、だからといって通路にいきなり炎国風の扉ができて、中に底知れないクセ者が住み着いてしまっているという現状は、人事部を大いに悩ませた。

シーは面会謝絶を貫いているが、興に乗った時は絵を描いたりもする。一部の者は彼女の絵を見たことがあると言うが、続く言葉は決まって見たこともない、あまりにも美しい、などのありがちな参考価値のない評価だった。しかしサガがこっそり教えてくれた話によると、シーは人々が驚嘆するような作品を、惜しみなく気分のままに処分してしまうという。

……良い方向に解釈するのなら、芸術家ならではの性格というものだろうか?

たまにシーに優遇される者もいるが、そういうケースはごく稀である。

それでも、何もせずにただブラブラしている誰かさんよりはだいぶマシだろう。

第二資料

シーは様々な現代作品に興味を持っているらしい。彼女と仲良くなりたいのなら、書籍やら写真集やらをプレゼントすれば、言葉を交わせる機会を得られるかもしれない。

だがその後どうなるかは、物を選ぶ審美眼次第だろう。

シーはごく一部の者に好きな作品を共有する。中にはウルサスやクルビアなどで作られた古い映画も少なくない。

シーと「友達になる」というのは、極めて珍しいことだ。なぜかというと、シーは、ニェンと違ってとても友好的とは言い難いのだ。

そのシーと交友関係にあるごく一部の者はいつも奇怪なことを話す。シーの部屋の中は小さな林になっているだとか、シーが小さな涼亭の中に座っているのを見たとか、扉を開けたら高山の山頂で、シーは素足のままで険しい崖に腰掛け雲を眺めているだとか……

シーは本当にロドスで暮らしているのだろうか?例の扉はもしかしたらある種の通路ではないだろうか?

ごく稀に通路でシーとばったり会うと、まるで異世界に迷い込んでしまったような非現実感に見舞われるのだ。こうしたおかしな噂話はそういう奇想天外な発想を強めるものでしかない。私も彼女の部屋に入ったことがないのだから……

彼女は伝説の仙人というものなのだろうか?あるいは「神仙」?炎国ではそういう呼び方ではなかっただろうか。

だから、もう彼女をまともな仕事に誘うのはやめてほしい。おせっかいな者が二、三日失踪しては戻ってきて、もう二度とシーを訪ねたくないと訴える事件が既に多発しているのだ。

ああ、そうだ、ひとつだけ。シーはニェンと論争している時だけはまるで別人に見える。喧嘩している時に吐き出される言葉の数々は、聞いている者を震え上がらせるほど毒に満ちているものだ。

 

「それって、姉妹が不仲ということでしょうか?もう、私たちを見習ってほしいものですね。ね、ラヴァちゃん。」

――医療オペレーターのハイビスカス

第三資料

ええ、あれはアーツではありません。ですから、もう理論術師たちを煩わさないようにお願いします。

はい、わかっています。毎回ニェンが性質が全く異なる剣や盾を取り出してくることだけでも、アーツ理論知識を学んでいる最中の人たちにとって十分に悩ましいのですからね。だからシーのことは、もう放っておきましょう?彼女のことはもう大目に見て、自分を追い詰めるのもやめましょう、うん。

本当にこれを課題にしたいの?

じゃあ少しだけ踏み込みましょうか。あなたの気が変わってくれることを祈って。気持ちを整理して、ちゃんと考えましょう。

ラヴァもサガも、「シーの絵の中に迷い込んでしまった」と言っていました。それだけではなく、サガに至っては「シーの絵の中で十年の歳月を旅してきた」らしいです。

今のは皆が実際に話したことです。彼女たちが絵の中で思う存分に遊んできたと思ってもらえばいいですよ。

そして、シーがロドスに来てからのこの短い間でも、誰かが不可思議な幻覚に見舞われたという事件が後を絶えないのです――食中毒やプロジェクトの制御に問題が出たのかとも考えましたが、細かく可能性を絞っていった結果、全ての証拠があの引きこもりの無職さんを指し示しています。

天まで届きそうなお城だろうと、波一つない静かな水面だろうと、人気がまるでない雪景色だろうと――それらは全て、シーの絵画の内容なのです。そう、全部「絵」です。

視神経へダイレクトに反映した結果という単純なものでしょうか?それとも認知面に働きかけるアーツなのでしょうか?なんて憶測は、私たちも行っていました。ですが、ニェンのアドバイスに従って、爆竹を用いてシーを無理やり部屋からおびき出した上での二時間にも及ぶ尋問の結果、それらの仮想は全て事実によって覆されました。

シーはかなり協力的でしたよ、ええ。たぶん、めんどくさがりなんじゃないのでしょうか?それかただの出不精ですね。芸術家共通の癖ってやつでしょうかね、わからなくもないです。

 

ねぇ、研究員さん。幻覚と真実の境界はどこにあると思います?

振り返ってごらんなさい。あなたの後ろにある、あの青い標本。キクの花です。ある人事部の人が目にした花畑から摘んできたものです。

これで少しても、シーの異常な能力の本質が垣間見えるのではないでしょうか?

ええ、そうです。シーも任務に参加したことがあるのですよ。驚きましたか?まさかの外出です。

「外出取材」と称された任務に、私も一度同行させてもらいました。「墨を撒いて兵と成す」「白骨と難民」「千里にわたる血の海」などなど。相対したのはただの密輸犯だったので、当然その場で降伏しましたよ。私も少しだけ触って、匂いも嗅いでみたけど、血の粘りも匂いもまるで本物そのもの、これ以上ないくらいでした。

だけど、もし目を閉じていたら――今ではなくて、最初から閉じていれば。

そうすれば、何もかもが存在しないのですよ。

一度、シーと試してみました。ええ、そうです。目を閉じてから、絵を描いてもらうと、描かれたものは目に見えないし、手に触れられない。

直接シーに聞きに行っても、同じ答えが返ってくるでしょう。彼女は別に隠していないです。ただ論理的に説明できる能力がないだけ。

「目にしていなければ、発生していないと同じ。」

じゃあ絵が見える者と見えない者同士だと、どう交流するのでしょうね?サンプルケースが少なすぎるので、今の私ではまだ答えられません。データと実験だけがモノを言うのですから。

それから空気内の結晶濃度や、エネルギーのオーバーフローなどは、全く観測できませんでしたよ。つまり、これはそもそもアーツじゃないということです。

もう分かったでしょう。え?やっぱりこれを課題にしたい?シーの絵に興味があるって?

じゃあもう止めたりはしません。どんな趣味でも最後まで突き詰めればがっかりするものですが、そこまでの道のりそのものが十分楽しむべきものなのですから。

常に疑いを、常に実践による検証を。またお会いしましょう、研究員さん。

第四資料

「……其れ薨じ、余は皆俯首す。此れにより太平の先を開く。」

他に何を教えろと?一字一句、ありのまま書かれているでしょうに。

ええ、頭を下げたわ。むしろ、下げずにいられる者なんているわけがないでしょう?

だけど、頭を下げたからって何でもかんでもあちらさんに従う必要はないでしょう?「既に之へ来たりなば、之を安ぜよ」、各々志があるわけだし、それぞれの道を勝手に進めばいいわ。小物は市に隠る、大物は画に隠る、よ。私は人間が好きよ、だから敵対なんてする必要がない、ただそれだけだわ。

老いぼれがいつ目覚めるかだなんて、欠片も興味ないの。生死は無常に過ぎず、天地は俱に常なり、我が筆の意も亦常なり。何を心配しろというの?私たち兄弟姉妹にできることなんてないのよ。

ニェンはまだ諦めてないのね。遊びふけすぎて退場したくないのも、まぁ自然なことね。刺激のあるものは癖になるのよ。玩物喪志も甚だしい。

ん?私の方が意地なしですって?

……何とでも言いなさい。そればかりは、どうでもいいのよ。

長き日も、終には時あり。長き夢も、終には逝かん。

……ああもう、出てって。この話嫌いよ!

もし、もう外の天地が面白くなくなったら、私が残って、天地も残って、生き恥をお互いに晒し合うだけよ。それが何になるの?

もし誰かがもう少し面白くしてくれるのなら……

本当にそんなことが起こったら、そうね、その時また呼んでちょうだいな。

昇進記録

「青き獣あり 其の数は十一

形は連なる山の如く 月光を戴き煙を被く

波打つ雲は微かにして 日沈み暮れて色現る

藍の鬚は林に似て 骨の峭しきは石の如し

語りて曰く 星は点雪に覆われ 月は晦明に隠ると

人に清濁ありて 色に佳劣あり

五兵は傷つけ難く 五火は防ぎ難し

其の血肉を焚けば 墨泉涌き流れ 霧煙尽きて 両首に羈なし

然して其の獣制し難く 晨昏当に易はらんとする時 たちまち失せる

其の形もまた偽り 其の物もまた偽り

筆を吊り巻を閉じ 酔うが如く痴かに似て 一夕のうちに燼尽くす」

 

拓本は完全な状態で残っている。だが、内容は不安を感じさせるものだった。

 

ボイス

ボイス(デフォルト)
秘書任命

あら?言ったでしょう、ノックしても返事がなければ入ってこないでって。貴方のオフィス?仕事しに来た?私だって仕事だっていうから自分の部屋からわざわざここに来たんだけど?貴方のオフィスってどういうことよ、しっしっ、こっちは構想中なのよ。

会話1

絵を見たいですって?いいわ、貴方になら一枚くらいあげても構わないけど。でもこの絵が好きっていうのならあげないわよ。嫌い?じゃあなおさらあげないわ。私はこういうやつだから、観念なさいな。

会話2

この船に閉じ込められてしまったわ。誰かに聞かれたらこう言ってちょうだい。この部屋にも入らせないで。公共の場を占領しているって?オペレーターの義務を拒否しているって?ドーモ、ゴキゲンヨウ、この部屋に閉じ込められている巨匠のシーです。

会話3

だから外は行かないってば。呼ばなくていいわよ、絶対外に行かない。外の世界はもうどうでもいいのよ。嫌いかって?好きに決まってるじゃない。花鳥風月、山川草木、梓匠輪輿、老若男女、描ききれないし見切れもしないわ。そして乗り越えられなくて、そこから抜け出せないのよ。私はもう十分味わったわ。

昇進後会話1

「品」って言葉は嫌いよ。端っから人を門外漢扱いで拒絶して。自分たちが一流のものに相応しいだなんてどこからそんな自信が湧いてくるのでしょうね。そういうのが一番気色悪いのよ。快く楽しめることができれば、もう十分極意を得たと言えるもの。精進したければ、身分への偏見なんて捨てるべきだわ。天に浮かぶ双月が手前勝手に振舞うところなんて、見たことないでしょう?

昇進後会話2

私が本気を出して絵を描くところを見られる機会って、この世界で一万人に一人もいない優れた者でも、一生に一度あるかないかよ。「時来たれば天地皆力を同じくす」、気・骨・形・色・法、従わぬものなければ至らぬものもなし。傾瀉すること浩蕩なる江河の如く、細密なること山間の竹影の如し。私自身でさえ、手にした絵筆を止められないほどのものよ。

信頼上昇後会話1

最近、私もイマドキの作品に目を通してみたの。映画は悪くないわ、絵と同じで、いいものはそれぞれの精神が宿る。形式も整っていて、含んだ趣意も悪くない。ええ、詩も絵も受け継がれていて大変結構だわ。ついでにニェンの部屋のあのゴミ溜まりを全部燃やしてくれるかしら?あいつのアレは映画への侮辱よ。頼んだわ。

信頼上昇後会話2

ごはんの準備ができた?あら、ありがとう。ふーん、どこの国のお酒かしら?悪くないわ。うん、どこか足りないような味が逆にいいのよ。私が普段何を食べてるのかって?貴方、ちょっとこっち来なさいな。目を閉じて。はい、あーん。なんにも感じないでしょ?そういうことよ。一度もその目で認識したことがなければ、私が描いた料理は存在しないも同然なの。

信頼上昇後会話3

ニェンはああやって気にしない体を取ってるけど、貴方もわかるでしょう?あいつ、私たちの生死をめちゃくちゃ気にかけてるのよ。私はあの余白に落書きするやつとは気が合わないけど、生死を気にしないのは割と意見が合うのよ。人が死んでも、絵は残る。私が死んでも、筆に乗せた意思は残り続けるもの。

放置

夢は人生の如くして、絵巻に描きつくるものなり。ひとたび眠れば、幾星霜過ぎ去ってしまうんでしょうね。

入職会話

あら?ドクター?また契約書?はいはい、サインしてあげるからこれ以上私を煩わせないこと。これでいいでしょ……先に言っておくけど、このシーが描いた絵はあげられないわよ。誰にもあげないの。リクエストも受けないから!

経験値上昇

ふーん?武器を手に取って殺し合い、血が河川のように流れる様、もしかして……こういうのを描いて欲しいの?

昇進Ⅰ

なんで私が剣を使うのかって?それはそれは奥深いものよ。曰く、「硯を以て鞘と為せば、以て春秋を研ぐべし。筆を以て剣と為せば、以て鬼神を訂すべし」なんてね。本当かどうかって?適当に言っただけに決まってるじゃない。

昇進Ⅱ

へぇ、よく私にここまでついてこれたわね……一枚描いてあげましょうか。飲み込まれないように注意しなさいね、あちら側の世界はこちら側よりよっぽど魅力的だもの。昔から今に至るまで、虚像に囚われずにそこから離れて全てを忘れ去ることができた人間って、何人いたかしら……

編成

あんまり時間を取らせないでちょうだい。

隊長任命

隊長?なにそれ。

作戦準備

さっさと片付けるわよ。

戦闘開始

今日はなんだか気分がいいわ。『戦場白骨の図』でも描いてあげましょうか。

選択時1

いい加減にしなさいよ。

選択時2

描き込むのは帰ってからね。

配置1

私の顔料になりたいのはどいつかしら?

配置2

この戦場を描くには、潑墨が似合うわね。

作戦中1

言葉では伝わりにくいのよ。描いてあげる。

作戦中2

鋒落とせば長日墜ち、筆起こせば疊嶂起こる!

作戦中3

有形を以て無垠を摹し、無形を以て天下を応ず!

作戦中4

貴方たちに対してだって多少の情はあるのよ。ほとんどの時はね。

高難度作戦クリア

丹青と干戈、本来はかけ離れたもののはずなのに。意気が至れば、戦争も芸術になり得るのね。

★3で戦闘終了

悪くないわ。

★2以下戦闘終了

はぁ……出来損ないの絵は破り捨てるべきだわ。恥をかくだけよ。

作戦失敗

筆がぶれたわね?描き直しよ。

基地配属

部屋の飾り付けは結構よ、自分でやるから。

タッチ1

ちょ、墨がこぼれる!

信頼タッチ

もう、体中顔料だらけになるのは勘弁してよね。

タイトルコール

アークナイツ。

挨拶

貴方、名前はなんだったかしら。……ああ、{@nickname}?

 

逆理演算

驕らず騒がず / 炎国・庭園

心が乱れている時に絵筆を取っても、たいていは時間の無駄に終わる。そして、シーのような者に言わせると、描き損じの後片付けほど面倒なものはない。しかも押しかけでやってきた二人の助っ人は、どういうわけか自分と縁があるのだ。もはや小言を言う気持ちさえ起きない。

 

コーデ

デフォルト(昇進0)

オペレーターの普段着。

実用性は制服に劣る部分もあるが、オペレーターが最も着慣れているコーディネート。

デフォルト(昇進2)

昇進後調整された服装。

オペレーターの経験に基づき細部の改善が図られ、より作戦に特化したものとなっている。戦闘向きでありながら、オペレーターが着慣れている服装を極力再現した。

0011/VI - 染塵煙

シーの私服。

0011ニューモデル/染塵煙。滑らかで光沢のある生地で体にぴたりとフィットしている。蒼は鮮やかで、古雅な趣がある。衣装のデザインが完成した後、顧客が筆で描いて仕立てた。

遠山は黛の如く、歩を移して煙生じ、墨落として画と為し、素色を身に当てる。

 

モジュール

ORIGINAL / シーの記章

シーは複数の敵に対するアーツ攻撃に秀でている。

外勤部門の決定に基づき

外勤任務においては術師オペレーターとして区分し、拡散術師の責務を担う。

特別に本記章を授与し、

その証明とする。

 

SPC-X / 無題の巻物

灰齊山頂、竹林の陋屋にて。

紅の鉾先を墨に染め、剣を以て絵巻を指す。

山々は雄々しく、大河の流れは止まず。

花は鮮やかにして柳は瑞々しく、草木より芳香漂う。

絶景を遠く見渡し、剣を振るい水墨を跳ね散らす。

薄墨を以て山々を染め、松煙墨を以て翠の枝をなぞり、渇筆を以て険しき崖を積み重ね、淡墨を以て煙雲を再現す。

 

すべてを描き終え、剣を収める。

しばらく眺めはしたものの、結局、シーは軽くため息をついた。

霧雨に覆われた山水はことごとく色を失い、文机に残るのはまっさらな巻物のみだ。

灰齊山の景色を描くことは、百回、千回と試してきた。

冬が去り、春が訪れて、幾千の木々に花が咲く様。

天から玄石が降り注ぎ、異形の結晶が生えてくる様。

山が開かれ、道が切り拓かれる様。

そして、ひととせが祝いの時を迎える様。

幾度も目の当たりにし、幾度も描こうと試みた。

だが、それにも飽いたし、何より疲れてしまった。

ゆえにこの筆には、己の道を勝手に歩んでもらうとしよう。

 

…………

シーが気付いた時、紙面にはすでに、小さな何かが描かれていた。

煙と墨を纏い、岩の上で誇らしげに上を向いているが、よくよく観察してみれば、まだ幼獣にすぎないようだ。

幼獣は、同じようにシーを見詰め返してきた。

筆にして筆に非ず、墨にして墨に非ず、絵巻にして絵巻に非ず。

形あるものは皆、偽りにすぎない。

しかしその活気あふれる姿と面持ちは、シーを多少なりとも喜ばせた。

そうしてふと、彼女の興が乗った。

しばらくすると、絵巻の中の小さな何かは、紙面から浮かび上がった。

「無から有を生んだこの一筆……」

「あの老いぼれたちに見られたら、またくどくど言われるのでしょうね。」

「だけど……」

「この世界とは無関係ですって言わんばかりの顔をしてるところは、少し面白いわ。」

「山高く、水遠けれど是処なく、吾人の世にて自在なることに無碍なり。」

「そうね……」

「名前は、『ジザイ』にしましょ。」

 

SPC-Y / 「終夜寐ねられず」

一更の天、鏡に対し燭を焼き、玉宣を展(の)ぶ。

台上の春秋 研ぐに堪へず、枯毫 折れ易く、墨 玄素を失ひ、四海 明くる時を待つ。

二更の天、心事を摹(かたど)らんと欲するも、未だ思ひ有らず。

試みに皓月を窺はんとして寄山を訪ぬれば、草木 形を銷(け)し、飛瀑 赤を流し、白骨 翠微に入る。

三更の天、彩巻 湮(にじ)みて破れ、復た合ひ難し。

霜角の声声 歳暮を催し、度り難き関山、征の蓬たること衰草のごとく、十にして一人として帰らず。

四更の天、蛩 鳴き漏 断ずるも画 成らず。

残局 誤りて長正 劫たるを識り、古寺 深寒にして、枝を折りし棠棣、空しく無字の碑を垂らす。

五更の天、孤灯は挑げ尽き 窓には曙(あ)けんと欲す。

画中の長夢 痴と為さざるも、黍熟黄粱、一夕にして燼(や)け尽き、暁色にて焚く紙灰。

 

――勾呉城民謡

 

持燭人(じしょくにん)が任務で勾呉城辺りを訪れた折、偶然道端でこのような歌を口ずさむ子らを見かけた。含蓄深い詞は難解であり、多くの人の口を経るうちにところどころ誤って伝わっている節もあった。それでも持燭人はそれらの言葉の端に穏やかならざるものを覚え、子らに歌の意味と出所を知っているかと尋ねたが、子らはみな首を横に振った。持燭人は仕方なく、詞を書き留めた後で子らを家に帰した。

後に、持燭人はその地の役所に直に報告し、治安の管理を強め、前触れのない災害に備えるよう求めた。同年の秋の終わり、その地は水害に見舞われた。その年の収穫は例年の三割にも及ばなかったが、幸いにも役所には予めの備えがあり、隣町からも速やかに食糧を運び込んだことで、大きな騒ぎにはならなかった。そして災害後の再建も滞りなく進んだという。

これらの出来事はすべて、司歳台事件簿に記載されているものである。

 

シーの潜在能力強化に用いられる。

何の変哲もないようにみえる毛筆。シーの筆は万物を生む。筆も生む。使用する時には注意すべきである。

 

指名券採用

彼女の興が乗っているうちに、勇気を出して話かけるんだ!

気分屋の画の大家、シーは、全ての事業において、最も肝要な一筆だけを描く。

 

紹介文

省略

 

登場ストーリー

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