桐生戦兎/仮面ライダービルド

ページ名:桐生戦兎_仮面ライダービルド

登録日:2017/10/04 Wed 01:08:53
更新日:2024/02/15 Thu 13:29:19NEW!
所要時間:約 9 分で読めます



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仮面ライダービルド 平成ライダー 仮面ライダー 仮面ライダー主人公 主人公 高岩成二 桐生戦兎 佐藤太郎 てぇんさい物理学者 天才 記憶喪失 いじられキャラ うっかりさん アホ毛 苦労人 結構いい人 フルボトル 発明家 夜は焼き肉っしょ!アッハッハッハッ… ナルシスト 自意識過剰 ネタバレ項目 悪魔の科学者 ラブ&ピース ツンデレ 仮面ライダージオウに登場したレジェンド項目 好奇心旺盛 苦悩の連続 頭のいいバカ 愛すべき天才 結構暗い過去持ち ツッコミ担当 理系 犬飼貴丈 ビルドアップ 滑り台ライダーキック nascita 東都 ベストマッチな奴ら 開幕漫才 プロジェクトビルド project build ナルシストで自意識過剰な正義のヒーロー 葛城巧 木山廉彬 ヒャッホホホヒャッホイ! メンヘラ? 依存体質 ベストマッチ!フルボトルで変身する天才ライダー 東都先端物質学研究所 love&peace 兵器のヒーロー エボルト被害者の会 殺人を犯してしまったヒーロー ナチュラル畜生 ビルドドライバー





見返りを求めたら、それは“正義”とは言わねえぞ。




桐生きりゅう戦兎せんととは、特撮テレビドラマ『仮面ライダービルド』の登場人物で、同作の主人公を務める。
彼が変身する戦士仮面ライダービルドについてはこちらが詳しい。


奈良県のゆるキャラではない。ギャレンとかレンゲルとかキングとかも関係ない。


演:犬飼貴丈




ベストマッチな概要

火星で発見された『パンドラボックス』の影響で3つに分かれた日本の一つ『東都』に住む26歳の多分天才物理学者。天才的な頭脳と驚異の身体能力を持つ。
20年間の記憶を失っており、1年前に雨の中路地裏で座り込んでいるところをカフェ『nascita』のマスター・石動惣一に拾われ、以来『nascita』の地下秘密基地で暮らしている。


唯一記憶に残っているコウモリ男……秘密結社ファウストの幹部・ナイトローグを追えば記憶を取り戻せるかもしれないと考えており、
惣一に託されたビルドドライバーを用いて仮面ライダービルドに変身。
ファウストによって町に解き放たれた改造人間・スマッシュと戦い、
スマッシュから採取した成分を惣一の娘美空の力を借りて浄化させつつ人々を守っている。


現在は(惣一に家賃を返すために)東都先端物質学研究所でパンドラボックスの謎を解明する仕事に就いている。


そんなある日殺人罪で服役中の青年・万丈龍我が脱獄し、彼からスマッシュの反応を探知したと聞いた戦兎は龍我を追跡。
龍我の言動から無実であると確信した戦兎はスマッシュに襲われた彼を守り、更には龍我を追いかけてきた東都政府の役人達から彼を助ける為逃走を手助けした。
以後、戦兎は何食わぬ顔で研究所に勤務しつつ、政府に追われながらファウストの手掛かりを追い求める「逃亡者にして追跡者」という二重生活を送る事になるのだった。



人物

好奇心旺盛で、興奮するとアホ毛が逆立つ癖があり、「最高だ!」または「最悪だ…」が口癖。
普段からの姿では飄々として掴み所がなく、知的好奇心を満たすことを優先する身勝手さが強い。
おまけに口がやや悪い、というか言い方が悪く、度々他人を怒らせてしまうこともしばしばある癖の強い性格。


しかし本来の性格は他人の命を踏みにじる行為に対して静かに、だが激しく怒りをあらわにする正義感の持ち主でもある。
また、ナイトローグの悪辣な策略でスマッシュに改造された結果、どうあっても助からなくなってしまった龍我の恋人を、
自らの負荷を顧みずに安らかに解放して龍我と最期のひと時を過ごさせるなどの確かな優しさを秘めている。


一方でいじられキャラの側面やツッコミ役も完備しており、龍我の無茶ぶりやボケにノリツッコミを入れたり、
これまでのあらすじを語る際に惣一や美空にそのポジションを取られた際にはかなりへこんでいた。「俺主人公なのに……(涙)」


正義の心意気としては「自分の記憶を取り戻す事」「ビルドとしての使命」のどちらが大事なんだと龍我から問われた際は、
迷わず後者だと答えており、間違いなく"仮面ライダー"の素質を備えた者と言える。
自らの行いを「正義」と信じているが、同時に項目冒頭の台詞の様に見返りを期待して行うのは正義ではないと考えており、
ビルドとして人助けのために戦う理由を「誰かの力になれたら、心の底から嬉しくなって顔がくしゃっとなるから」と語っている。


人助けの気持ちが本物である反面、「記憶がない事の不安から、誰かを助けようとする理想的な人間を演じている」と石動惣一は語っており、
ブラッドスタークに失った記憶の核心に触れられた際は、自身の信念も忘れ崩落するファウストのアジトの被験者達を放置してスタークを追いかけようとした。
龍我に問い詰められ、改めて記憶よりもビルドとしての活動を優先すると宣言し直す。
多少癖はあるものの、他人に対する優しさと悪を憎む正義感を持つ正統派の主人公の要素を持った人物だと言えよう。


だが、その後立て続けに起こる裏切り、自身のルーツの判明、北都との開戦、戦争の最中自身が引き起こした取り返しのつかない出来事と共に、
彼の表情から笑顔は徐々に消え、1年間培われた余裕と正義観は揺れていく……



佐藤太郎


夜は焼き肉っしょ!アッハッハッハッ…


演:犬飼貴丈


滝川紗羽が戦兎の写真をばらまいた結果見つかった、記憶を失う前の戦兎と思われる人物。[[シャフ度使い>檀黎斗]]
顔は戦兎と瓜二つだが髪はハリネズミトゲトゲで、行方不明になる前はゴミ屋敷同然の部屋に住み「ツナ義ーズ」という名のバンドをやっていた。
詳しくは個別項目を参照。



葛城巧


以後、お見知りおきを。シーユー。


演:木山廉彬


万丈龍我が殺したとされる男。
東都先端物質学研究所の元研究員で、パンドラボックスを研究する責任者だったらしい。
研究所の誰もが認める天才である一方、一部の人間からは「悪魔の科学者」とも呼ばれていた。
3年前にネビュラガスを使用した人体実験を独断で行うという禁忌を犯し、東都先端物質学研究所を追放されている。
追放後はファウストを創設。「プロジェクトビルド」を立ち上げフルボトル及びトランスチームガンやビルドドライバーを開発。
更にはスクラッシュドライバーハザードトリガーまで発明していたが前者は未完成のまま放置、後者は余りにも危険なため封印している。


父に忍、母に京香を持つが、父はスカイウォールの惨劇の責任者としてバッシングを受け自殺。母は北都に移住している。
巧は母の作る(万丈によると異常に甘い)卵焼きが大好物で、かつ、両親のことを強く慕っていたようだが、口下手故に上手くその気持ちを伝えられなかった様子。


なお、殺される間際に『プロジェクトビルド』の成果の全てを記録したUSBメモリを、万一に備えて母に託していた。
後にそのUSBメモリは、戦兎たちを信頼した母によって彼らに託されることとなった。
ちなみに、研究成果はそれぞれの関連ワードを入力すると、それについて巧本人が実際に解説した動画という形で閲覧できるが、
この動画内では「口下手とは何だったのか」と言いたくなるほどまるで自分の好きなモノの話をするヲタクの如く饒舌、かつ朗らかに解説しており、
時にはビルドに実際に変身したりもしながらビルドシステムおよびトランスチームシステムについて説明していた。どこか聞き覚えのある言い回しも……
元上司に最上魁星がいるが、ネビュラガスと新種のウイルス、そしてコズミックエナジーを利用した並行世界融合装置の製作に手を付け、葛城に見限られている。



その正体は


お前が悪魔の科学者…


葛城巧だ!


そして遂に第16話で戦兎と葛城・佐藤との関連が明かされた。
一年前にファウストを抜けようとした葛城巧はブラッドスタークと決裂。
脅しも効かず気絶させられ、ちょうどその時間に新薬のバイトのために葛城の部屋を訪れた佐藤太郎はスタークに殺害されてしまう。


チーッス!佐藤太郎でぇーすッ!新薬のバイトに…ヴェェェ!?


…人の顔見て逃げ出すとは心外だねぇ


うわぁぁぁ!ママ!ママーッ!


その際、スタークは自身の能力で葛城と佐藤の顔を入れ替え表向きは葛城が死亡したことにし、後からやって来た龍我にその罪状を押し付けた。*1
そして佐藤の顔になった葛城の記憶を消去、人体実験を行った後路上に放置し、石動惣一との出会いを演出。「桐生戦兎」の名前をつけた。


つまり、自分の身上に関わる記憶を無くしながらも葛城巧の知能と、佐藤太郎の顔を合わせて生まれた存在が桐生戦兎なのである。
あまりにも悲惨かつとばっちりな佐藤太郎の最期に焼き肉を食べて弔う視聴者もいたとか



上記はブラッドスタークに葛城巧殺害事件の真相として語られた幻徳が、そのまま戦兎たちに伝えたものである。


しかし、その後ブラッドスターク=エボルトは自身の目的もあって幻徳にはフェイクを入れて伝えていたことを明かし、
実際には、エボルトの企みに気付いた巧はそれを阻止するべく、スタークとエボルトの半身である万丈龍我を抹殺しようとしており、
そのためにスタークと龍我を自宅にそれぞれ呼び出し、『ビルド』の力で倒そうとしたという。
が、巧の狙いに勘付いていたスタークは予め彼の持つビルドドライバーを偽物とすり替えており、形勢が逆転。
スタークは一転して窮地に追い込まれた巧に、諦めてエボルドライバーを渡すように促すが、巧は断固として拒否し、気絶させられた。


その後起きたことは上記と同じである。


そして記憶が戻るとき

エボルトの企みを挫くべく、戦兎はパンドラパネルから生成した強化アイテムを用いて、エボルトと相討ちになる形で彼を消滅させようとするが、
エボルトが咄嗟に戦兎の身体を乗っ取ったことでその策は失敗に終わる。


実質戦兎に身代わりになる形で救われた龍我、そしてグリスとローグは戦兎を助けんとエボルトに挑むも、
エボルトは自身を追い詰める彼ら三人のパワーを利用して『エボルトリガー』を起動させ、完全体となってしまう。
依り代を必要としなくなったエボルトに分離させられた戦兎と共に、龍我たちは一時撤退しようとするが…



おい戦兎、大丈夫か?


セント……?誰の事だ?


お前……まさか……!?


俺は……葛城巧だ。



なんと、エボルトから解放された彼は桐生戦兎としての記憶を失い、代わりに葛城巧の記憶が戻っていたのだ。


「葛城巧」となった後は、「桐生戦兎」が相棒として信頼していた龍我を「エボルトに覚醒する危険がある」として警戒し、
また、自身が開発したライダーシステムが間接的に戦争を引き起こし、世界情勢を大混乱に陥らせていることを知り、
野心に取り憑かれていた頃の幻徳を信頼してライダーシステムを作ったことを後悔し、エボルトを倒すべくジーニアスフルボトルを製作。
「桐生戦兎」が作ったアイテムも駆使し、自らビルドへと変身してエボルトに挑むことを決意する。


エグゼイド』の本編と劇場版(および『平成ジェネレーションズFINAL』の回想)では、
彼の変身するビルドがゴリラモンドフォームへとフォームチェンジしている。
また、エボルトを倒そうとした際もゴリラとダイヤモンドのボトルをビルドドライバーに装填して変身しようとしていた。
これらのことや「桐生戦兎」のビルドとして変身した回数の少なさから、ゴリラモンドフォームは「葛城巧」のビルドとしての姿という印象を持たれることも多い様子。


その他、ゴリラハーフボディの腕による攻撃には低確率で相手を即死させる効果があるという設定が存在しており、ゲンムを通常のパンチで倒した時には偶然その効果が発生し、
そしてエボルトに対する切り札としてそれに賭けていたのでは、とも推測されている。
この時のゲンム戦で能力に気づいたのだろうか?


本編で「桐生戦兎」の状態で巧の記憶が戻った際には、戦兎が開発したラビットラビットフォームに変身して戦うシーンが多かったが、
そもそも自分ではなく「戦兎」が開発した強化フォームであるためか、高い出力に振り回されて上手く扱えていなかったが、
フルフルラビットタンクボトルを自分用に調整したことで2回目は高い戦闘能力を発揮できていた。
なお、変身時に自らが装甲に向かうのではなく、その場から動かずに自動で装着されるように変化しているのも彼の個性が表れているといえる。


2回目の変身では最初に指を鳴らし、完了後に周りに対して人差し指を揺らしながら名乗るという一連の流れがバッチリカメラ目線で描写された。
決め台詞は「仮面ライダービルド。『創る』『形成する』って意味のビルドだ。以後、お見知りおきを」。
以前との繋がりとして、『エグゼイド』に客演した時やプロジェクトビルドの映像でもこの台詞や指の動きを披露していた。


『エグゼイド』にてドクター・ゲームのフルボトルを作っていたのは、『FINAL』における最上魁星の計画により、「エニグマ」の作用でゲーマドライバーが停止しドクターライダー達が変身不能になる、と知ったため。
あらかじめ先手を打って仮面ライダーエグゼイドの力をフルボトル内に「保護」することで、エニグマの影響を受けても最低限、永夢≒ムテキゲーマーの力だけは使える状態にしていた。


この時彼が作成したフルボトルは「桐生戦兎」となっても手元に残っており、龍我と入れ替わる形で飛ばされてきていたパラドと出会った際、これを通して永夢との通信を可能とした。


一方で『エグゼイド』44話でこの目的のために登場した際は、姿が似ていたゲンムレベル0をエグゼイドと間違えて攻撃している。
完全な事故だが、この時のデータをもとに黎斗神はビルドガシャットを開発、『FINAL』にて『エグゼイド』側の切り札となった。


葛城が変身しているが、ネタバレを防ぐため声は桐生戦兎役の犬飼が担当している。


過去作品のお祭りであるディケイド、ジオウを除くと、ここまで過去作品のライダーが裏で関わっているのはかなり珍しい*2


新たなる世界へ

ジーニアスフルボトルの力でエボルトやその部下となった内海に対抗しようとした巧だったが、完成しているはずなのに何故か起動しない。
巧は窮地に陥るが、そんな彼を助けたのは、「桐生戦兎」の相棒であり、「葛城巧」に敵視されている龍我であった。
龍我は巧に、ジーニアスフルボトルが起動しないのは気持ちが足りないからだと推論をぶつける。「桐生戦兎」にあった「誰かを助けたい」という気持ちが、「葛城巧」には足りないのだと。
そして、自らを庇い、仮面ライダーマッドローグに変身した内海に痛めつけられる龍我の姿と、
大怪我を負っても龍我たちを助けようとしていた幻徳の「もう一度だけ信じてくれ!」という言葉が、巧の中にある「桐生戦兎」の記憶を呼び覚ました。


君は信じられるのか?仲間を……。


なら、見せてくれ。君の創る“未来”を。



何やってんだよ万丈。やっぱり、サブキャラには荷が重かったみたいだな


戦兎…?


自意識過剰な正義のヒーローの、復活だ!


巧は再び戦兎に自身の身体の主導権を任せることに決め、「桐生戦兎」が復活。
龍我の推測通り、戦兎はジーニアスフルボトルを起動させ、ビルドの最強フォーム「ビルドジーニアス」へと変身を果たした。


その後、戦兎は仲間たちと共にエボルトに立ち向かい、一海、幻徳と大きすぎる犠牲を払いつつも、白いパンドラパネルで新世界の雛型を作り出す。


そして最後の最後、世界の狭間におけるエボルトとの一騎打ちを制し(さらに直後の拡張時間の中で完全決着をつけ)、二つの地球が融合。
忍が描き、戦兎たちが望んだ「エボルトのいない世界」が誕生した。


どこかの広場で、目を覚ました戦兎が見たものは、なぜか手に持っていたクローズライドウォッチ。そして立ち上がったその目に映ったのは、戦いのなかった平和な時間が流れる日本。
見知った顔も見かけるが、彼らには戦いの記憶はやはり当然、残されていなかった。


巧曰く、新世界の創造主たる「桐生戦兎」は本来この世界にいてはならない存在であり、ゆえに変化しないまま放り出されたという。
そして、その巧の人格も新世界における葛城巧に統合され消滅。
いくらも経たないうちにこちら側の龍我にも会うが、同じく彼にも戦いの記憶はなかった。



……が、噴水で座り込んでいた戦兎のもとに、何と旧世界側の龍我が現れる。
エボルトの遺伝子を生来持つ彼もまた、新世界に在り得ざる存在として枠組みから弾かれ、元の世界の記憶を残したまま放り出されていたのだ。


かくして復活を遂げたベストマッチコンビは町はずれに向かい、そこで戦兎はある提案を切り出す。
旧世界における自分たち「仮面ライダー」の戦いを、49のエピソードに分けて記録しよう、というものである。
やりたい放題のナレーションを追加しつつ、戦兎は全ての始まり、仮面ライダービルドとなった日のことを、龍我と、そして声のよく似た方々と共に語りだすのだった。エボルト役:金尾哲雄
「前回のあらすじ」にやたらとメタ発言が多いのはこれが理由。「ギュインギュインのズドドドド」だけは説明がつかない



因縁再び

新世界における平穏も長くは続かず、Vシネクスト『ビルドNEW WORLD 仮面ライダークローズ』ではラストパンドラパネルホワイトを介して侵入してきた新たなブラッド族・キルバスが出現。
自身のラボにパンドラパネルを保管していた戦兎は擬態したキルバスの攻撃を受け、ビルドドライバーとフルボトル4本を強奪される憂き目を見る。


事件そのものは龍我が中心となって対抗したが、戦兎も裏方として尽力。
戦力拡充のため龍我の遺伝子からエボルトを復活させ、事前に彼が残していたドラゴンエボルボトルとジーニアスフルボトルを元にクローズの強化アイテムであるマッスルギャラクシーフルボトルを開発した。
事件後は龍我によってパンドラパネルとドライバーが手元に戻っている。



かつての自分との再会

キルバスが起こした事件の後、この影響でかつての記憶を取り戻した浦賀啓示が率いるテロリスト集団「ダウンフォール」にラボを襲撃された挙句、
パンドラパネルとハザードトリガーを強奪され、さらにファントムクラッシャーによってビルドへの変身能力を奪われてしまう。
事態の解決を図るため龍我と共に記憶を取り戻したかつての自分=葛城巧のもとを訪れた。
巧と共に三羽ガラスから摂取したファントムリキッドから変身が可能となる薬品、そしてグリス用の装備=グリスパーフェクトキングダムの開発に着手し、
対策を終えた後はジーニアスフォームに変身して、記憶を取り戻そうと戦兎を訪ねてすっかり忘れさられていた内海と共にダウンフォールと戦った。


ちなみにこの時の巧は記憶を取り戻した影響で、戦争に加担した罪悪感や父・忍への不信感から忍とは距離をとっていたが、事件解決後は無事に忍と和解し、研究者としても復帰した様子。
また旧世界では抹殺対象として見ていた龍我に対しても、「ヒーロー」として送り出すなど態度はかなり軟化している。
劇中では無精ひげが生えており、幻さんが髭を剃った影響で『グリス』におけるヒゲのポジションとなっている。



仮面ライダービルド



さあ、実験を始めようか。



桐生戦兎が2本の『フルボトル』とビルドドライバーを使用して変身する仮面ライダー。
「ビルド」は、「創る」「形成する」という意味の英単語Buildに由来する。
2本のフルボトルはそれぞれ特性が異なり、状況に応じてボトルを組み合わせて変身する「フルボトルチェンジ」を行う。


左頭部・右上半身・左下半身は生物(有機物)*3、右頭部・左上半身・右下半身は器物の能力を持つ。
複眼は各モチーフの形状をしており、一部がアンテナ・触角のように飛び出している。
各フォームの名称は「○○フォーム」。平成一期以来まさかの復活である。
なお、フルボトルとベルト以外の装備は全て戦兎の自作。
フォームによっては専用武器が存在するがビルドに変身していない状態でも使用可能。


相性が最も良いフルボトル2本をビルドドライバーに装填することで変身できる形態を『ベストマッチフォーム』と呼び、
それ以外を組み合わせた亜種形態を『トライアルフォーム』と呼んでいる。
各フォームの切り替えの際には戦兎が『ビルドアップ!』と叫んでフォームチェンジする。
また、ベストマッチでは日本語から英語になる、名前の順序が逆になるなど特殊なフォーム名に変化する場合が多い。
それら以外の『レジェンドミックス』と呼ばれるベストマッチは変身完了時に歴代ライダーの姿に変化する。ドライバー以外は変身したライダーと同一であり能力や武器をそのまま使用できる。


前述のようにVシネクスト『仮面ライダークローズ』ではドライバーとボトルを強奪したキルバスが変身し、ラビットタンクフォームとファイヤーヘッジホッグフォームで龍我を襲撃した。


スーツアクターは毎度おなじみ高岩成二。終盤のみ中田裕士が担当している。
余談だが、スーツについて藤岡弘、氏からは「目(から外を覗く穴)はどこにあるの?」とかつて実際に旧1号のスーツを着た経験から心配されていた。



装備

  • ビルドドライバー

ベルト音声:小林克也


本作の変身ベルト。普段はバックルの状態で携帯され、いつものように腰に当てることで自動的にベルトが伸長して装着される。システム適合者を自動判別する機能を持つ。
「ツインフルボトルスロット」はフルボトル識別機能を備えており、ベストマッチが判別出来るように戦兎が後から改造している。
レバー付近にSDカードスロットが存在し、ここにSDカードを挿入して戦闘データを記録する事が可能なようだ。なお、DX玩具版ではSDカードスロットは存在しない。
左腰にはフルボトルホルダーが装着されており、フルボトルを3本携帯することが可能。
ビルドライバーではないのは大人の事情


振って刺激を与え活性化させた2つのフルボトルを装填し、右側にある「ボルテックレバー」を回転させることで中央にあるエネルギー生成ユニット「ボルテックチャージャー」が作動し、ビルドに変身できる*4
2つのフルボトルからパイプが伸びて前後にプラモデルのランナーのような型の高速ファクトリ―「スナップライドビルダー」が生成され、
そのパイプの中を2種類の物質が通り型の中央でハーフボディが完成し、2つの型を固定している地面のスタンドに沿ってスライドし組み合わさることでビルドのボディとなる。


変身時の音声は装填したフルボトルの音声が鳴った後、
ベストマッチなら「ベストマッチ! Are you ready?」という音声の後フォームごとの専用音が流れ、
トライアルフォームなら共通の音声が流れる。


変身した状態で再度レバーを回すことで、形態に応じて「Ready go!○○フィニッシュ!」の音声と共に必殺技を発動する。
また、レバーの回転数と回転速度を上げることによりボルテックチャージャーで生成されるエネルギーをより大きくすることができる。


前述の通り葛城巧が防衛を主とした軍事兵器「PROJECT BUILD(プロジェクト ビルド)」の要として開発したものであり、惣一がファウストからパンドラパネルと共に奪い取ったとされる。
ハザードレベルと呼ばれるネビュラガスへの耐性を示す値が3.0を上回らないと使用することができない。
なお、石動惣一は「ビルドドライバーを使ってみたが変身できなかった」と語っているが、ハザードレベルが上昇しないトランスチームシステムを使っていたにも関わらずエボルドライバー(5.0必要)を使えていた。
エボルトが憑依していたことでハザードレベルが5.0に上昇していたと考えても、この発言は矛盾している。
エボルトと同族であるブラッドやキルバスは普通に使っていたあたり、エボルト十八番のブラフだった可能性が高い。


なお、特定のフルボトルを組み合わせて平成ライダーに変身する「レジェンドミックス」では、変身した仮面ライダーに合わせて内部に疑似回路を生成し、オリジナルのドライバーと全く同じ機能を再現するという、
ディケイドもびっくりな隠し機能が起動する。



専用マシン

  • ビルドフォン

戦兎が開発したスマートフォン型のガジェット。通常のスマートフォンのようにメールや電話の各種機能が使用できる。
遥か上空から落下しても内部に一切影響が無いほどの耐久性が作中で確認されている。更に液晶パネルは自動修復機能を備えている。
フルボトルスロットに主にライオンフルボトルを装填して成分を送ることで「マシンビルダー」に変形・巨大化し、ビルドの移動をサポートする。


  • マシンビルダー

ビルドフォンが変形したビルドが使用する大型二輪バイク。
最高時速は271km/hとそこそこだが、エンジン「BU1-LD」と加速装置「リアボトルチャージャー」が搭載されており、
主にライオンフルボトルの成分によりエネルギーを生成し爆発的な加速力が得られる。
前輪のエネルギー刃やフロント部の歯車を巨大化させての体当たりで物体を切断することが可能。




ベストマッチフォーム

非常に情報量が多いため詳しくはこちらを参照





余談

  • 演者の犬飼氏は「撮影期間中でも深夜まで友達やスタッフと『モンハン』をプレイしていて、目にクマが出来ることも多かった」と後に語っており、同時に「戦兎はやつれるシーンも多かったためにむしろ好都合だった」とのこと。この回あたりは特にそうだろう。

  • その他にも犬飼氏は『ビルド』関連の撮影では共演者に対して下記のようなちょっかいを色々とかけていたらしい。
    • 万丈役の赤楚衛二氏に対して→劇場版の撮影の合間に「この辺りに有名なラーメン屋さんがあるらしい。」と言って一蘭(全国チェーン店)に連れて行った(赤楚氏はドラゴンフルボトルを握りしめたとのこと。)、「Vシネクスト『クローズ』よりも同時期に公開していた『Fate』の映画の方を映画館で優先する」
    • 一海役の武田航平氏に対して→「携帯がないと騒ぐ武田氏を横目に、どこにあるか知っているが、あえて教えない」
    • 幻徳役の水上剣星氏に対して→「ラーメンが食べたいという水上氏を蕎麦屋に連れて行き、サイドメニューのおにぎりを必死に食べる姿*5を見てニヤニヤする」
      ……など。これは悪魔の科学者と言われても仕方ない

  • なお、同じ事務所所属のウエンツ瑛士氏によると「エキセントリックな所があって、社会に出すのは危険と事務所に見なされた。」ため、デビューからしばらくあまり仕事が回されていなかったとのこと。なんちゅう理由だ。
    • その時の状況について、犬飼氏は「実はデスクとして雇われたのかと思った」と語っている。




追記・修正の法則は決まった!



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*1 しかし、本来の葛城の龍我を呼んだ目的を考えると正当防衛に見せかけたともとれなくはない。……もっとも、スターク=エボルトがそういう偽装工作をやる暇があったかというと、少し疑問も残る
*2 『アギト』に出てきたG3はクウガをベースに作られていたりしたが、結局クウガとはパラレルワールドという形で収まり、『龍騎』劇場版にはアギトのメンバーがゲスト出演したり、『フォーゼ』第二話では都市伝説として過去作の仮面ライダーの映像や新聞が出てきたりと、明確なコラボ映画である電キバとMOVIE大戦シリーズを除くと過去作品はほんのチョイ役としての登場が多かった。
*3 動物だけでなく忍者などの職業も含まれることもある。
*4 その際にフルボトルの物質がベルト内部に送られる様子が映し出される。
*5 水上氏の苦手な食べ物はそば。

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