登録日:2016/10/01 Sat 12:30:00
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名探偵コナン 名探偵コナンエピソード項目 美術館 米花町 見立て殺人 ダイイング・メッセージ 天罰 甲冑 ボールペン 串刺し みんなのトラウマ 裁くべき被害者 救うべき加害者 小五郎が起きて解決した事件 美術館オーナー殺人事件 米花美術館 地獄の間
でも何かひっかかる…
この事件まだ何か裏に…
『美術館オーナー殺人事件』とは、『名探偵コナン』において、江戸川コナンが解決した事件の一つ。単行本第4巻に収録。テレビアニメでは第8話として、1996年2月26日に放送され、2017年1月21日にデジタルリマスター版で再放送された。
●目次
以下、ネタバレにご注意ください。
【あらすじ】
中世の甲冑が勝手に動き出すという噂が立っている米花美術館に、面白そうだから行こうと言い出す蘭。コナンと小五郎はそんな噂は客引きのために流した作り話だと最初は行く気がなかったが、蘭の実力行使により渋々行くことになる。天空の間、大地の間、海原の間と周り、帰り際に先程まで立ち入り禁止の札が立てられていた4つ目の地獄の間にも立ち寄る。
地獄の間に飾られた『天罰』の絵を見ていた際、不意に何か水が滴るような物音が聞こえる。コナン達がその音のする方を振り返ってみると、米花美術館のオーナーである真中が剣で喉元を串刺しにされ、壁に磔にされて殺されていた。しかも遺体の状況は、先程までコナン達が眺めていた『天罰』とほぼ同じだったのである。
小五郎たちはすぐさま警察に通報して、目暮と共に事件の捜査を開始。職員から事件現場の地獄の間には防犯カメラが設置されていることを聞き、小五郎たちは録画された映像から犯人の姿を確認しようとする。だが、防犯カメラの映像に映っていたのは、真中に向かって剣を振り下ろす中世甲冑の姿だった──。
【事件関係者】
- 落合(おちあい)
CV:大木民夫
米花美術館の館長を務める長い髭を生やした老人。美術館に飾られた絵を我が子のように大事にしており、蘭がペカソの『天使の休息』という絵を観覧中に絵の説明をしていた。穏やかな老人であるが、美術品を大事に扱わない窪田に対して激昂してコナンたちを驚かせる場面もあった。
- 真中(まなか)
CV:小関一
米花美術館の現オーナー。
米花美術館の前オーナーが、バブル崩壊のあおりを受けたことに伴い会社を倒産させてしまい、美術館を存続させるという条件で美術館を買い取っている。だが、真中は美術品のことは「カビのはえたガラクタ」と言うほど興味がなく、前オーナーとの約束を破って米花美術館を閉館させ、取り壊した跡地にホテルの建設を計画していた。そのため、米花美術館の職員たちとの仲は非常に険悪で、飯島などの職員から恨み言を言われていた。また、窪田が美術品を勝手に売りさばいていたことを知り、多額の損害賠償を迫っていた。
コナンたちが米花美術館を見学して回っていた時に、地獄の間で剣で喉元を串刺しにされ、壁に磔にされて死んだ状態で発見されている。その死に様は地獄の間に飾られていた絵画『天罰』に見立てられており、防犯カメラに写った真中を殺害した中世甲冑を着た犯人の構図まで同じだった。防犯カメラの映像を確認したところ、犯人が斬りかかって前に倒れた隙に、壁に貼ってある札を取って何かを書き残していた。その札は丸めて握りしめており、警察が確認したところ札には「クボタ」と書かれていた。この札が真中のダイイング・メッセージだと小五郎や警察は考え、職員の窪田が疑われることになる。
- 窪田(くぼた)
CV:藤城裕士
米花美術館の職員。
飾られている絵画を素手で持つなど美術品を雑に扱っており、そのことで落合館長から酷く怒られていた。実は、美術品を勝手に売りさばいていた(落合に怒られた時に外そうとしていた絵もそのつもりだった様子)のだが、それが先日発覚して、真中から多額の損害賠償を迫られている。本来ならすぐにクビするところだったが、米花美術館が後10日で閉鎖するという理由で、落合館長の温情で残っていた。
真中が握っていた札に「クボタ」と書かれていたことで、事件の容疑者となる。事件当時は落合館長に頼まれた仕事を事務室で一人でやっており、アリバイが無かった。また、彼のロッカーの中から血まみれの中世甲冑が発見され、容疑は決定的なようだが…?
- 飯島(いいじま)
CV:一条和矢
米花美術館の職員。
前オーナーの約束を破って美術館を取り壊そうとする真中のことを快く思っていない。窪田が美術品を売りさばいていたことも知っていた。米花美術館の現在の状況などをコナンたちに説明したのも彼である。
【レギュラー陣】
- 江戸川コナン
ご存知主人公。
小五郎たちと事件の第一発見者になったためか、小五郎や警察にあまり邪魔者扱いにされていなかった。防犯カメラの映像を何度も確認して、死ぬ間際の真中の表情から違和感に気付き事件の真相に辿りつく。
- 毛利蘭
ご存知蘭姉ちゃん。
動く中世甲冑の評判を聞いてコナンと小五郎を米花美術館に実力行使で誘っている*1。後の話でお化け嫌いが発覚するが、この時の動く甲冑については気にしていなかった*2。
- 毛利小五郎
ご存知おっちゃん。
コナンたちと同様に第一発見者として警察に協力する。真中の握っていたダイイング・メッセージから、窪田を犯人だと断定する。
- 目暮十三
ご存知警部殿。
小五郎たちがまたもや第一発見者であることに呆れていた。小五郎と同様に真中の握っていたダイイング・メッセージから窪田を犯人だと断定。現場から発見されたボールペンの色や太さから、このメッセージは真中が書き残したものとみて間違いないと考える。
- 吉田歩美
- 円谷光彦
- 小嶋元太
ご存知少年探偵団。アニメのみエピローグに登場している。
【用語】
- 米花美術館
米花町にある美術館。今年で50周年を迎える。
天空の間、大地の間、海原の間、地獄の間の4つのフロアに分かれており、現在は中世美術展を開催している。だが、現オーナーの真中の方針から10日後に閉館され、一月後には取り壊しが始められることになっており、その跡地にホテルを建設する予定となっている。
最近、「美術館の警備員が夜遅くに動く甲冑を目撃した」という噂が近所に広まっている。コナンや小五郎は客引きのための噂話だと信じていなかったが、その後に甲冑を着た犯人が真中を殺害する映像を見ることになる。犯行に使われた甲冑は中世美術展に合わせた飾り付け用のレプリカであり、美術品としての価値はない(昼間窪田が運んでいたもので、兜を叩きつけるような乱雑な扱いをしても落合館長が気にもとめなかったのはそのため)。なお、アニメでは最初に動く甲冑が登場した時に、何故か目が赤く光っており、余計に不気味な存在となっていた。
- 『天罰』
地獄の間に飾られている大きな絵の表題。
甲冑姿の正義の騎士が悪魔を封じ込めた様を描いた作品となっている。だが、悪魔の封じ込め方が、喉元に剣を突き立てて串刺しにするというもので、騎士の姿も返り血で鎧が染めあげられた禍々しい絵になっている。今回の事件の見立てにも使用されており、『天罰』の絵の正面の壁に剣で喉元を串刺しにされた状態の真中が発見されている。
【以下、事件のネタバレ】
理由はどうあれ私は殺人者…
私もまた…悪魔になってしまったのですよ…
- 落合
事件の真犯人。
この事件はダイイング・メッセージと防犯カメラの映像を利用したトリックになっていた。
映像で見ると真中は殺される間際に、「クボタ」とダイイング・メッセージを残しているように見えた。しかし、実際には、札には最初から「クボタ」と書かれていた。つまり、真中はダイイング・メッセージを「書いていた」のではなく、「消そうとしていた」のである。だが、近くに置いてあったボールペンはインクが切れており、偽のダイイング・メッセージを残したまま殺されることになる。こうやって、あとで警察が映像だけ見れば、真中が札に「クボタ」とダイイング・メッセージを残しているように見え、窪田が犯人だと疑われる筋書きとなっていた。また、落合は真中を殺すために何度も中世甲冑を身に纏い、真中に隙を見せたように前に倒れるタイミング、札を貼る位置、ボールペンを置く場所、真中の性格、その行動がカメラにどう映るか練習してきた。深夜に警備員が目撃した動く甲冑は、練習中の落合の姿だったのである。
コナンは録画された映像の真中が死ぬ間際に取った札を見た瞬間に、驚いた表情をしていたことに気付いた(札の裏が白紙であれば、そんなに驚くはずがない)。また、真中はボールペンを投げ捨てているが、殺される間際という状況でペン先をわざわざ引っ込めるとは考えにくいのに対して、実際に見つけたボールペンはペン先が出ていなかったことに気付く。そして、「クボタ」という文字の上にあった何度もこすったような跡は、その文字を書けないボールペンで消そうとした事によってできたものと考え、トリックを解明した。また、犯人は返り血を浴びないように真中を磔にする壁の絵画を外しておくほど美術品を大事にしている人物であり、加えて窪田に事件当時に仕事を押し付けてアリバイを無くすことができる人物として、コナンは落合が犯人だと気づくことになる。
このトリックは窪田に罪を着せるために事件現場に残された書けないボールペンを書けるものとすり替えなくてはならず、落合は自分のボールペンを利用していた。その際、ペン先を出さずに置いてしまったのが失敗だった*3。コナンはそれに気づき、トイレが我慢できないフリをして、落合にトイレの行き方を地図に書いてもらうように頼む。油断していた落合はコナンのパンフレットに地図を書こうとして、その直前に手を止めてしまった。そのことによって、警察の前で書けないボールペンを出してしまったうえに、実際に書こうとする前からそのことを知っていたという不自然な振る舞いを見せてしまう。そして、小五郎はコナンからアドバイスをもらいながらトリックを解明していき、事件を解き明かした。最後に、落合は目暮から事件当時のアリバイを確認され、地獄の間で中世甲冑に身を包み真中を待っていたことを自白している。なお、真中に狙いの札を取らせた方法について、小五郎は「『後ろの札を見てみろ、犯人の名前が書いてあるぞ』と言ったのだ」と推理しているが、本当にそんな間の抜けたことを言ったのかどうか、言ってないとしたらどうやって取るよう仕向けたのか、不明である。
動機は私利私欲のために美術館を壊そうとして、我が子のように大事にしていた美術品を取り上げようとしたから。そして、窪田に罪を着せようとしたのも、美術品を勝手に売りさばいた罰を与えたかったからである。
小五郎は落合に『天罰』の絵に見立てて真中に天罰を下そうとしたが、絵とは違って自分も罰を喰らったと皮肉った。だが、落合は『天罰』の本当の意味は、悪魔の返り血を浴びた正義の騎士はやがて悪に身を染めていくというものであり、自身もまた絵のように悪魔になってしまったと語った。最後に落合は、小五郎ではなくコナンに罪を暴かれたことを示唆する後述のような発言を残して、笑いながら連行されていった。落合は自分が殺人を犯したことを認めながらも、子供に優しく接しているところから、完全な悪にはなってはいない様子である。美術品を雑に扱い、勝手に売り払ってもいた窪田を温情として残していたかのように思われたが、この計画のトリックで罪を被せた事を罰と表現した辺り、温情ではなく無情であったようだ。
- 真中
前オーナーとの約束を破り、私利私欲の為に美術館を取り壊そうとして、落合に殺されてしまう。クボタと書かれた紙を見た彼は驚き、何とか正しい名前を書き残そうと努力したものの、死に際の行動をすべて落合に計算されており、落合の想定していた偽りの手掛かりしか残すことができなかった。
- 窪田
美術品を売り飛ばして私腹を肥やしていたという非があったことから、落合の策略によって殺人犯に仕立て上げられかかった人物。あと10日だからと言う落合の温情で残っていたとされているが、本当は罪を着せるためにわざと残された可能性が高い。事件のトリックを行うには犯人として捕まる人間が必要であり、職員の誰かに罪を被せる必要があった。それには、美術品を勝手に売りさばくという違法行為に手を染めていて、しかもそれが元で真中とも確執のあった彼は、うってつけの人物だったのだろう。なお、落合によって犯人にされかけた話を聞いた時は反論もせずに驚くだけだった。もっとも、恐ろしい程の綿密な計画を起こす程の落合からの狂気を感じたら言葉も出ないだろう(元々自分にも非のある話だし)。
- 江戸川コナン
無邪気な子供のふりをしつつ落合を追い詰め、落合から只者ではないと見抜かれた。自白後の彼に「純真な小さな正義の目は欺けなかった」と評され、「坊や、トイレはもういいのかい?」と訊かれると顔を赤らめていた。この時点で腕時計型麻酔銃は所持していたが、今回は何故か眠りの小五郎の推理ショーを行わなかった。この点に関しては説明がされなかった為に理由は不明のままだが、考えられるものとしては、落合が「書けないボールペンを持っていて、それが書けないことを書こうとする前から知っている」というボロを警戒させることなく自然に出させるのには、子供である自分がトイレに行きたがる緊急事態を発生させて地図を書かせようとする方が適していると考えた為か。
- 毛利小五郎
事件の解決が新聞でも大きく取り上げられ、小五郎は知名度が上がったことを喜んでいた。また、今回の事件をきっかけに米花美術館を存続させようという市民の声が上がって、米花美術館は閉館せずに存続することになっている*4。それもこれも、自分が事件を解決したからだと調子に乗っている小五郎に対して、コナンは呆れていた。今回は珍しく起きた状態で事件を解決したが、ここから『小五郎の同窓会殺人事件』まで、眠っている間に事件を解決することになる。後の『名陶芸家殺人事件』では、起きている間に解決したので小五郎が他の人に話すことができる(内容を覚えている)事件として挙げられている。ちなみに、コナン曰くちゃんと起きて解決したのは当時は3つくらいで、残りの1つは『有名マジシャン殺人事件』*5。
- 吉田歩美
- 円谷光彦
- 小嶋元太
アニメのエピローグでは小五郎と蘭が登場せず、少年探偵団が登場している。コナンを含めた4人で公園で遊んでおり、この時に米花美術館の存続が決まったことが語られている。文化資産の一つなので美術館存続はいい事だと光彦は感心するが、元太は今回の事件は小五郎とコナンばかりが目立っていて、自分が目立てなかったことに対して不満を持っていた。そもそも現場にいなかったので活躍のしようがないのだが。
そんな時、歩美が学校の標本の骸骨が動くという噂を聞いていたことで、その謎を解明するために今夜学校に忍びこもうと言い出す元太に対し、勘弁してくれと言うコナンの言葉で終わっている。なお、その後の話では、標本の骸骨ではなく廊下を疾走する人体模型の謎をコナンは解明している。
【余談】
- 落合館長は甲冑を着込み、成人男性を持ち上げて首を剣で貫いて壁に磔にするという手口から、パワフルな老人とみなされることがある。
- 特別編第6巻には『爆弾犯』という、別の美術館を舞台に爆破騒動を描いたエピソードが収録されている。
- コチラの犯人もやはり美術品を愛する人物なのだが、幸いなことに誰も死なせることなく事件は解決している。
- 落合館長はアニメ版のコナンが解決した殺人事件で、最初の「男性犯人」となった。
- デジタルリマスター版で再放送される前週のNext Conan's HINTは『動く甲冑』だったが、SNS上の一部で「動く甲冑の絵が『ドラゴンクエストシリーズ』の『さまようよろい』だ」という意見があった。
その時刻と言えば…ちょうど追記・修正をしていた頃です…
この部屋で甲冑に身を包み…あの、立て逃げされていた項目を追記・修正していた頃ですよ…
*2 まだその設定が無かっただけのことかもしれないが
*3 原作ではこのような展開になっているが、ボールペンがノック式なので、真中が投げ捨てた際に衝撃でボタンが押されてペン先が引っ込む可能性があるため、根拠としては弱い。そのためか、アニメ版ではノック式ではなく、投げ捨ててもペン先が引っ込むことがない回転式ボールペンに変更されている
*4 グロテスクな殺人事件の現場であることが気にならないのか、なんて疑問を持ったり気にしていては米花町では生きていけません
*5 公になってないものを含めるなら『月いちプレゼント脅迫事件』でも最後まで起きているが、酔っぱらっていてもこの事件のことを話そうとは思わないだろう
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