登録日:2017/01/31(火) 00:01:00
更新日:2026/05/29 Fri 15:10:08NEW!
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『ストーカー殺人事件』とは、かつて「名探偵コナン」において江戸川コナンが解決した事件のうちの一件。
原作漫画には無いアニメオリジナルエピソードであり、1997年8月11日に第71話として放映された。
脚本は古内一成氏が担当。
以下、ネタバレにご注意ください。
【あらすじ】
明朝からハイキングに出かける小五郎・蘭・コナンの一行。小五郎は夜明け前に起こされたため睡眠不足であり、目覚ましのために途中の自動販売機で清涼飲料水「ガッツマン」を購入した。だが、自動販売機にはそのガッツマン以外に、何故かもう一本同じガッツマンが入っていた。2本出てきたと喜ぶ小五郎は不審に思う蘭を目の前に、気にすることなく元々入っていたガッツマンを飲み始めたが、そんな時に女性の悲鳴が聞こえた。小五郎達が女性の元に駆けつけると、そこには倒れてもがき苦しむ男性の姿があった。小五郎に言われて救急車を呼びに行った蘭だが、男性はまもなく小五郎の前で息絶えてしまう。男性の近くにはガッツマンの瓶が転がっており、警察の捜査でそれに毒が仕込まれていたことが判明し、男性が亡くなったのはそれを飲んでしまったからであった。
その後、毒入りガッツマンは小五郎が購入した自動販売機に置いてあった可能性が浮上し、不特定の人を狙った無差別殺人ではないかと推測された。だが、警察の捜査により、事件の被害者である永井達也は、後に事件現場のすぐ近くのアパートに住む女性・西谷美帆にストーカーしていた人物だったことが発覚する。彼からストーカー被害を受けていた美帆の自宅へ事情を聞きに行くと、どことなく美帆の様子がおかしいことにコナンは気づく。果たして、この無差別殺人と思われる事件の真相は――。
【事件関係者】
- 西谷美帆(にしたに みほ)
CV:伊藤美紀
杯戸町のファミリーレストランでバイトをしている女性。
永井からストーカー被害を受けており、3週間前に警察に相談したことでストーカー被害は無くなったと話している。だが、ドアや窓に錠が付け足され、さらに防犯スプレーまで用意しており、ストーカー被害の名残が今でも残っているようである。永井が亡くなった時刻は、杯戸町のバイト先から米花町の自宅のアパートへ帰る途中だった。なお、小五郎達がアパートに来た時、彼女は指先から何かを擦り落としていた。
米花町に来る前は横浜に住んでおり、将来自分の店を持つために洋菓子店で働いていたが、永井からストーカー被害を受け、彼から逃れるために米花町に来たという。永井からのストーカー被害の後遺症で夜眠るのが怖くなり、勤務先を夜から朝まで働けるファミリーレストランに変えたという。
- 永井達也(ながい たつや)
CV:不明
司法試験合格を目指す浪人生。26歳。
米花町から二駅離れた緑台3丁目に住んでおり、有機リン酸系化合物が大量に含まれたガッツマンを飲んで毒殺される。小五郎は、自分がガッツマンを購入した自動販売機にもう一本ガッツマンが入っていたことから、その中には最初から毒入りガッツマンが入っており、永井がたまたまそれを飲んだことによる無差別殺人だと推測している。また、コナンは毒入りガッツマンに、2日前に応募締め切りになった応募シールが貼ってあったことを確認していた。
後に実は美帆にストーカー行為をしていたことが発覚し、3週間前に警察から厳重注意を受けていた。事件現場は駅から美帆のアパートまでの通り道であり、その道中で彼女をストーキング中に殺害された。なお、彼自身は鉄工所を経営する父親の仕送りもあって、生活費を稼ぐ必要はなく、いつでも美帆をストーキングできた。さらに、永井の部屋から美帆の盗撮写真が発見されており、彼女も盗撮されていたことに気付いていなかった。
目暮の話では、永井は昨夜の午後10時にマンションを出ていく時に、小さめのバックを持って出て行ったのをマンションの住人が目撃しているが、そのバッグは現場には残されていなかった。亡くなった永井の肩には何故か緑色のペンキが付いていたが、何処でそれが付いたのかは不明である。
- 巡査
CV:千葉一伸
声優は同じだが千葉刑事と同一人物ではない。
3週間前に美帆から永井のストーカー被害の相談をされ、アパートの前をうろついていた彼に厳重注意をしていた。その後は美帆から連絡が無かったため、ストーカー被害も無くなったものと判断していた。
【レギュラー陣】
ご存知主人公。
今回は小五郎達と一緒に事件に遭遇したため、事件の捜査でも邪魔者扱いされなかった。当初は無差別殺人だと考えられていたが、ストーカー被害を受けていた美帆が、自分達の前で盛んに両手を擦って何かを落としていたり、「ストーカーが無くなって安心していた」と言うわりには窓は開かないように固定、防犯スプレーを準備、ドアのカギを3つに増やすといった様子から、彼女を真犯人だと考える。確実に毒入りガッツマンを永井に飲ませる方法を考え、元太と光彦の様子を見ていた時に毒殺トリックを見破った。
ご存知蘭姉ちゃん。
今回の事件で目立った活躍はないが、ストーカー被害を受けた美帆に対して同情的だった。
ご存知迷探偵。
寝不足でガッツマンを購入したが、その時に自動販売機にもう一本同じガッツマンが入っていたことに気づいた。また、そのもう一本のガッツマンも手に取り、ためらいなく飲んでいた。事件に関しては、自動販売機には最初から毒入りガッツマンが入っていたと考え、誰かが誤ってそれを取るように仕組んだ無差別殺人と推測。その結果、ガッツマンを購入した永井が犠牲になったと推理する。なお、今回もコナンが小五郎や目暮の声でそれぞれを呼び出した際、お互いに身に覚えのない様子であったが、直後にコナンが麻酔針を小五郎に打った際には「やっぱり呼んだのは私の様です…」と答えていた。
ご存知警部殿。
小五郎から無差別殺人だと言われていたが、ストーカー被害を受けていた美帆が犯人ではないかと疑う。だが、美帆が無差別ではなく永井のみを確実に毒殺できる方法が思いつかず、捜査が難航する。
ご存知少年探偵団。
永井の事件から数日後、コナンと一緒にプールに来ていた。その際、歩美が飲み残したコーラを見た元太と光彦は、間接キスを狙い、妙な駆け引きを行っていた。その様子を見ていたコナンは「ガキのくせに色気づきやがって」と思ったが、彼らの行動が事件を解くカギとなる。
【以下、事件の真相…さらなるネタバレに注意】
私があの人を殺しました…
そうしなければ、私が殺されると思ったんです…
- 西谷美帆
今回の事件の犯人。
無差別殺人ではなく、コナンや目暮の推測通りに永井を殺すために仕組まれた罠だった。
美帆は永井に尾行されていることを知った上で行動を開始した。最初に、小五郎がガッツマンを購入したのと同じ自動販売機でガッツマン「A」を購入。だが、美帆はその「A」をわざと取らずに残し、前もって購入しておいたガッツマン「B」をバッグから取り出し、さも自動販売機から取り出したように見せかけて、歩き出した。そして、彼女はその「B」を歩きながら途中まで飲んだ後、さらにもう一本用意していた毒入りガッツマン「C」をバッグから取り出し、さっきまで飲んでいた「B」に見せかけて塀の上に置いた。美帆はストーカーが好きな人の物を収集する癖を利用して、永井が毒入りガッツマン「C」を取って飲むように仕向けたのである。つまり、永井は、塀の上にあるガッツマン「C」を、美帆がさっきまで飲んでいた「B」だと勘違いして飲んでしまい、毒殺されたのである。
小五郎が明朝に自動販売機から見つけたガッツマンは、直前に美帆がわざと残していた「A」だったのである。そして、「A」を自動販売機の中に残したのは、無差別殺人にみせかけるためであった。
美帆がガッツマンを購入する時に使用した硬貨や「C」に美帆の指紋が付いていなかったのは、恐らく事前に米花町駅のトイレで両手の指に接着剤を付けて指紋を消していたため。この方法をとったのは、季節柄手袋をするのは不自然だし、ハンカチでビンを持っていたりすると永井に不審がられるからであった。コナンが美帆の家に訪れた時に、彼女が手に付いた何かを擦り落としていたのは、接着剤のカスだったのである。
証拠がないと反論する美帆だったが、実は永井が隠し持っていたカメラに証拠写真が残っていた。永井は手先が器用だったことを利用して、ライターのジッポーの中にカメラを仕込んでおり、美帆のことを盗撮していたのである。その盗撮写真の中に、彼女が塀の上にガッツマンを置くところを撮影したものがあり、写っているガッツマンのビンをよく見ると、プレゼント応募用のシールが貼られていた。その応募は3日前に締め切られており、しかも当該の自販機のガッツマンは全て、前日の昼過ぎにシールが無いものに交換されていたため、「写真の中で彼女が置いているガッツマンが今日購入したものではない」という決定的な証拠となり、犯行を認めた。
今回、永井を殺そうと考えたのは、ストーカー被害を受けていたからだけではなかった。3週間前、美帆は警察にストーカー被害の相談をしたことで、一時的に被害はなくなっていた。だが、1週間前、永井に駅の階段から突き落とされ、その時の彼の目に自分への殺意を見た美帆は、警察に相談したことを逆恨みした永井に殺されるのではないかと恐れ、その前に殺すしかないと決意したのである。
そして、美帆のその予感は正しかった。
前日に永井が持っていた小さめのカバンは、このアパートの近くのペンキ塗りたての電灯の下の物陰に隠されていた。その中には、ガラス切りやナイフなどが入っており、美帆が帰宅後にその隠していたカバンを取りに行き、窓をガラス切りで開けてから侵入し、ナイフで殺害しようとしていたことが発覚。つまり、美帆が永井を殺害しなければ、逆に殺されていた可能性が非常に高かったのである。そのため、正当防衛は認められないまでも、美帆の行動はかなり情状酌量されるはずだと小五郎(コナン)は語った。
そして、小五郎(コナン)に「1日も早く罪を償って、もう一度、自分の洋菓子店を開くという夢に向かって歩んでください」と諭され、美帆は小五郎に頭を下げてお礼の言葉を述べたのだった。
- 永井達也
美帆が警察に相談して厳重注意を受けたことで、一時的にストーカーを止めるが、自分の想いを受け入れてもらえないことを逆恨みして、彼女を駅の階段から突き落とすという実力行使に出ていた。
そして事件当日、美帆を殺害するための道具を準備したカバンを彼女のアパート近くの電灯の下の物陰に隠してからストーキングしていた。その電灯はちょうどペンキ塗りたてだったため、カバンを隠した時に永井の肩にペンキがついてしまった。コナンは自動販売機の傍にあるお店で聞き込みをしていた警官に話を聞いていた時、たまたま通りかかった散歩中の犬のリードにも同じ色のペンキがついていたことから、コナンは永井がカバンを隠した場所を知ることとなった。また、永井は鉄工所を経営している父親に似て手先は器用だったようであり、ライターのジッポーの中にカメラを仕込んでいた。これが、偶然にも美帆が犯人だという決定的証拠となる写真を撮る結果となった。
- 江戸川コナン
- 毛利蘭
- 毛利小五郎
事件解決後、特にストーカーについて色々と考えさせられる事件だったと小五郎は話した。小五郎もストーカーについての相談をよく受けるが、この手の犯罪は立証も難しい上、警察もなかなか動いてはくれず、たとえ警察が動いたとしても永井のように一方的な想いを受け入れられないとわかった途端、犯罪者に変貌する人間がいるのが問題だと真面目な顔で話していた。
その話をしていた時に、蘭が「私も気を付けなきゃ」と言うが、小五郎は「お前のようなじゃじゃ馬に夢中になる奴なんていない」と大笑いをして、コナンも微妙な顔をしていた。それに怒った蘭は、小五郎の持っているガッツマンの瓶を手刀で切断、小五郎とコナンをビビらせ、コナンから「敵にしたくねぇ奴」と恐れられていた。
【余談】
現実でも、1985年にパラコート(農薬)入りのドリンクを自販機に仕込み、それを飲んだ人が死亡する事件が発生している。10人以上が犠牲となり、犯人は捕まらず迷宮入りとなった*1。さらに2019年にも事件が発生している(この時は幸い飲む前に気付いたため被害は出なかった)。自販機にとり忘れがあっても小五郎のようにラッキーだと思って絶対に飲んではいけない。必ず警察に届けましょう。
また、この事件が放送された3年後の2000年に「ストーカー行為等の規制等に関する法律(通称ストーカー規制法)」が施行された。永井が厳重注意で済まされたのも当時法整備が整ってなかったからだと思われる。
追記・修正はストーキングしない方にお願いします。
*1 すべて同一犯による犯行かも不明。
コメント
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法整備がされたとはいえ、川崎の一件でより疑問視された訳だし……。
ほんとアニオリとはいえ、現代社会の難点だわな。
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