顔パック殺人事件(名探偵コナン)

ページ名:顔パック殺人事件_名探偵コナン_

登録日:2017/03/16(木) 20:35:09
更新日:2024/06/03 Mon 15:02:02NEW!
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普通、顔パックをするのは、顔を洗って化粧を落とした後ですからな…


『顔パック殺人事件』とは、かつて「名探偵コナン」において江戸川コナンが解決した事件のうちの一件。
原作には無いアニメオリジナルエピソードであり、1997年1月27日にテレビアニメ第45話として放送され、2014年12月20日にはデジタルリマスター版として再放送された。
脚本は日暮裕一氏が担当。



以下、ネタバレにご注意ください。



◇あらすじ
中華料理屋へ食事に行った帰り道、小五郎は沖野ヨーコのドラマを見るために張り切って家まで帰ろうとした。
だが、小五郎は前方不注意で車道に出てしまい、危うく車に轢かれそうになってしまう。
間一髪で事故を免れ、運転していた泉と言う男に小五郎が言いがかりをつけようとしたが、そんな時に泉の携帯電話に目暮から連絡が入った。
目暮の話では泉は殺人事件の参考人になっており、その話を聞いた小五郎は泉を拘束し現場へと向かうが…



◇事件関係者

  • 児島郁子(こじま いくこ)

CV:秋元千賀子
電化製品の安売りチェーンを経営する女性実業家。50歳。
自宅のリビングで、ガウンに顔パックをした状態で首を絞められて殺害されているのが発見された。
午後9時には発見された時と同じ姿で警報装置の誤作動で駆け付けたガードマンに応対しており、死亡推定時刻は千尋が退出した9時10分から発見時刻である9時20分の間と考えられている。

  • 泉武雄(いずみ たけお)

CV:石川禅
TM証券米花営業所に勤務する証券マン。25歳。
いい加減な株式投資で郁子に3億円もの損害を与えており、告訴される寸前だった。
今夜その件で郁子と会う約束をしており、8時に児島邸を訪れ、8時40分に退出する姿が防犯カメラで確認されている。
9時41分に米花町で偶然、前方不注意だった小五郎を車で轢きそうになっており、泉が犯人だった場合は現場から車で50~60分かかる米花町にいることは不可能と判断され、一応アリバイは証明された。
余談だが、少し前に放送された『資産家令嬢殺人事件』に登場した一枝隆に顔が似ている。

  • 児島千尋(こじま ちひろ)

CV:小山田詩乃
郁子の一人娘。28歳。
過去に夫(現在は刑務所に服役中らしい)の件で絶縁された事や借金を断られたことなどの事情で親子仲は非常に悪かった為、取り調べの際は実母が殺害されたにもかかわらず悲しむ様子は全く見られなかった。
8時50分に児島邸を訪れ、9時10分に退出。訪れた理由については「お説教を聞かされるために呼び出された」と述べている。

  • 吉岡十郎(よしおか じゅうろう)

CV:福田信昭
郁子の会社の社員で、遺体の第一発見者。48歳。
仕事上郁子と激しく対立しており、いつか殺してやると息巻いていたという。
仕事の打ち合わせのために9時20分に児島邸を訪れたが、その際に郁子の遺体を発見しており、9時31分に警察に通報したと述べている。


だが、遺体発見から警察へ通報までに10分間の空白の時間があり、わざわざ外へ出てから通報した不可解な行動を指摘される。さらに、出た時の映像では、入る時には持っていなかった大きな封筒を持っていたことが判明。
実は会社の金を横領しており、今夜はその話し合いのために児島邸に来ていたことを白状した。
遺体発見時から通報までの空白の10分間は、捜査の過程で横領の報告書が見つかれば真っ先に疑われると考え、報告書を探し出して車に隠していた為であった(持っていた封筒の中身はもちろんそれだった)。
小五郎に本当は口論になって殺害したのではないかと言われて必死に否定していたものの、業務上横領という形で連行された。

  • 千葉(ちば)

CV:千葉一伸
米花警備に勤務するガードマン。児島邸の警報装置が作動したのを受け、午後9時に同僚(CV:高木渉)と共に児島邸を訪れる。
警報は敷地に入り込んだ猫が原因の誤作動だと判明した後は、戸締りに注意するよう言い残して児島邸を後にした。
事件発生後は9時の時点では間違いなく郁子は生きており、遺体発見時と同じ格好だったことを警察に証言している。ただ、1つだけ気になる発言を…。
中の人は後の準レギュラー刑事の人であり、名前も同じ。同僚が「高木」かどうかは不明。



◇主要人物

ご存知主人公。
冒頭で「本場のチャイニーズレストランは一味違う」などとしたり顔で語る小五郎に「ラーメンだけならどこだって同じようなもんだろ」とぼやく。
事件発生後は、被害者が人と会う約束をしているにも関わらず、ガウンに顔パックと言う就寝直前のような姿をしていたことに疑問を持つ。

ご存知蘭姉ちゃん。
今回は女性ならではの視点から、遺体の不自然な点を指摘する。

ご存知迷探偵。
大好きな沖野ヨーコのドラマがあるからと急いで帰ろうとした矢先、偶然通りかかった泉の車と接触しそうになった。
不注意で道路に飛び出しておいて、泉に言いがかりをつけたり、目暮の連絡を受けた途端に泉を拘束しながら事件現場に行ったりなど今回は態度が悪い。
しかも、ろくに調べず、手当たり次第に容疑者を次々と短絡的に犯人と決めつけるという、相変わらずの迷探偵っぷりを見せる。ぶっちゃけ千尋にヘボ探偵と言われても仕方ない

ご存知警部殿。
被害者と会う約束をしていた泉に参考人として連絡を取っている。
偶然居合わせた小五郎が彼を連れて現場を訪れ「容疑者を連行してまいりました」と胸を張って報告した際には「警察が容疑者に電話で連絡するはずがないだろう」と呆れていた。
だが、事件解決後は「君が警察を辞めたのは大きな損失だったよ」とべた褒めしていた。



【以下、事件の真相…さらなるネタバレにご注意ください】
















許せなかったんです…


年とった親まで巻き込んで…


  • 泉武雄

今回の事件の犯人。
実は本当の殺害時刻は泉が児島邸に居た8時~8時40分の間であり、9時にガードマンに応対したのは郁子に変装した千尋であった。
千尋の偽装工作が判明したことで泉にも犯行が可能だったとコナンに目を付けられる。
郁子はコンタクトレンズを使用しており、郁子を殺害した際に右目から外れたレンズが泉のズボンの裾に入り込んでいたことが証拠となり、犯行を自供している。


動機は上述した株式投資の件。
実はこの投資は彼の判断ではなく、全て郁子の指示によるものだったが、損失が出た途端全責任を押し付けられていた。
「損失分は何としても返済するから裁判だけは」と懇願するも、郁子の口から彼の両親が住んでいる土地を奪って返済に充てようとしていることを告げられ、そのことに逆上して衝動的に殺害。
投資に関して全く責任が無いとはもちろん言えないし、殺人自体は許されることではないが、無関係な親にまで手を出すような郁子のやり方からみれば同情の余地がある。
両親の介護のためにも、しっかり罪を償って、一日でも早く出所してほしいものである。


ちなみにこの事件では、犯人である泉自身は何の偽装工作も行っておらず、アリバイが成立したのも偶然である(よく見ると、泉はやりとりの中で「何だか知らないが助かった」と言いたげな笑みを浮かべている)。
今回のサブタイトルの「顔パック」は、第一発見者の千尋の偽装工作によるものなので、犯人である泉にはまったく関係なかったという推理もの作品全体においても、珍しいパターンである。

  • 児島千尋

今回の事件の本当の第一発見者。そして現場の偽装工作をした張本人。
母親の郁子とは非常に仲が悪く、そのことは周りからも知られていたので、このまま通報すれば、自分が疑われるかもしれないと考え、通報することが出来なかった。
直後に、警報装置の誤作動でガードマンが駆けつけてきたため、咄嗟に顔パックとガウンで郁子に成りすまして応対し、ガードマンをやり過ごした後は遺体に同じ格好をさせる偽装工作を施して現場を後にした。
だが、慌てていたため口紅を落とすのを忘れてしまい、後にガードマンが「やけに派手な紫の口紅をしていた」と証言したために成りすましを見破られる。
また蘭が気づいた不審な点とは、首を絞められて苦しみ口を大きく開けているのに、顔のパックに全くしわが寄っていなかった事だった。死体のパックを外すと、しわが寄った恐ろしい形相だったため、殺されたのはパックをしている時ではないと判明。
皮肉にも、この偽装工作は彼女のアリバイ成立には役立たなかったばかりか、死亡推定時刻を誤認させ真犯人である泉のアリバイを立証することとなってしまった。
また、言うまでもなく現場の偽装工作は立派な犯罪であり、直接の描写はないが泉ともども逮捕されたものと思われる。
発見時に勇気を出して通報していれば、こんな大ごとにはならなかったであろう。

  • 児島郁子

今回の事件の被害者であり、ある意味元凶。
自分の見通しの甘さで損失を出したにもかかわらず、責任を担当者の泉に押し付けた。
これだけならまだしも、損失を埋める為に泉を通り越して無関係な彼の両親にまで矛先を向けるというのは、経営者にあるまじき所業である*1
驚愕する泉に対し「ありがたいもんねぇ、親の愛っていうのは…」と嘲笑ったことが彼の逆鱗に触れ、殺害された。
被害者とは言え、性格の悪さを考えると経営者としての資質に問題のある人物だった為、この事が新聞や週刊誌などに報道されたとしたら、間違いなく会社の評判は悪くなっただろう。
こんな経営者の下で仕事している社員達にとってはいい迷惑である。


なお、本作の前に放送されたのは『堀田三兄弟殺人事件』であり、こちらの事件も被害者が実業家であり親子仲が悪い、被害者が経営者としての資質に問題のある人物、犯人は被害者の子息ではない点が本作と共通しており、2話続けて被害者と犯人が同じような人物が登場したのも非常に珍しい*2

  • 毛利小五郎

事件解決後、何も覚えていないが目暮に褒められ、気をよくした小五郎は解決祝いに飯を食って帰ろうと言い出した。
また、ラーメンだと呆れるコナンと蘭だったが、小五郎はそんなけち臭いことは言わないと言い切ったのである。
その言葉に喜ぶ二人だったが、その後小五郎はチャーシューメンで解決祝いだと言い、結局あきれ返る二人だった。




追記・修正は顔を洗って化粧を落とした後にお願いします。



  • 遺産が云々とかっていうくだりが無かったっけ?この話? -- 名無しさん (2017-03-17 10:31:51)
  • 被害者も加害者もゲスいパターンよな -- 名無しさん (2017-03-19 12:32:30)
  • 再放送ではカットされてたけど -- 名無しさん (2017-12-05 23:42:04)
  • 「名探偵、毛利小五郎です」の台詞が何か変な発音になってたのを妙に覚えてる回 -- 名無しさん (2017-12-05 23:43:32)

泉に言いがかりつけようとした小五郎、完全なクレーマー。 -- 名無しさん (2018-05-03 21:43:50)

  • ↑2 直後の吉岡のセリフではちゃんとした発音になってるから、余計気になりますよね -- 名無しさん (2019-02-12 18:38:17)
  • 結局、容疑者全員が逮捕された...って感じ? -- 名無しさん (2020-02-26 22:45:39)
  • 被害者の言動はよろしくなかったけど、やったことは会社に関係ないし、逮捕されたとかではなく殺害されたのだから、「スクープされた場合は間違いなく会社の経営は大幅に悪化した」とまでは言えないのでは。 -- 名無しさん (2020-12-10 00:49:35)
  • ↑ でも会社のイメージまたは評判は落ちそう。 -- 名無しさん (2020-12-10 00:55:23)
  • 郁子は殺される直前に「ありがたいもんねぇ、親の愛っていうのは…」と言っていたがその前に自分自身が実の娘の事を愛してないじゃんと思う。 -- 名無しさん (2021-04-25 23:28:39)
  • 秘書の泉って書いてあるけど間違ってね? -- 名無しさん (2022-05-30 08:48:27)
  • 今見るとどこかシュールなタイトルである -- 名無しさん (2022-05-30 09:22:45)
  • 何故、2話連続で同じタイプの被害者と犯人にしたのか気になる。 -- 名無しさん (2022-09-04 01:07:16)

#comment

*1 彼の両親は「どんなことをしても返済する」と言っていたらしいが、郁子に都合のいいように事実を捻じ曲げて伝えていた可能性も高い。
*2 こちらの脚本も日暮氏が担当している。

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