恩の歴史

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恩の歴史

 

序.恩の世界

混沌の文化圏

トナン大陸の西部から北東部に広がるには白虎族朱雀族青龍族玄武族という主要な4つの部族*¹が居住していて、それぞれ辱収湖祝融山脈句芒乾原玄冥野の周辺を拠点としている。北部には神聖で巨大な鳳凰の山々がそびえたち、セントラル大陸文化を阻みトナン大陸独自の文化*²を形成する足掛かりとなった。部族間で異なる文化を持つ恩の人々は部族間での争いだけではなく、時に部族どうしでも争い、複雑を極めた。

*¹この4つの部族を総称して四族と呼ぶ。

*²トナンの文化はアイモクにはあまり影響を与えなかったが、ポスタなどの国々には伝わった。わずかではあるが、その影響はジャポンにも及んだ。

神獣伝説

恩には神獣伝説というものがある。天地を治める帝*¹が地を人々に与えることにしたため、4つの神獣を遣わして地を治める心得を伝えさせたという内容で、四族すべてにおおよそ共通して伝わっている*²。堯馬湖の南にある黄邑遺跡に遺された「黄四伝」にその内容が記されている。また帝に与えられた心得を持っている自分たちこそが優れているという大恩思想は、この伝説によって作られたものと考えられている。

*¹麒麟のかたちをした神獣とする見方もある。

*²四族という分類はこの神話が基である。

 

一.蒼

蒼の成立

トナン大陸では都市が発達し、次第にそれが発達して小国が生まれた。青龍族が暮らす句芒乾原に流れる角江の中流の都市・尾正に成立した青龍族の国・は、瑠鱗が王の時に力をつけ始め、角江下流の東側・心龍地方を統一し、次の代の王・瑠龍のときに、句芒乾原の全域を攻略して、青龍族を統一した。瑠龍は伝説上の神獣・青龍を名に冠して、青龍瑠龍(チンロン・リー・ロン)*¹と名乗り、族長の位についた。このことから、後世に成立した部族を統一した国は、族長が国王を兼ねるという慣例が生まれた。青龍瑠龍*²は青龍族全体に、17歳以上のすべての男子に兵役と一定量の武器・鎧・ラクダを納めさせる血駱の制を施行し、軍事力の強化を図った。また、他の部族への侵攻を繰り返し、玄冥野の南半分の室冥地方と祝融山脈の井山・星山、その北を流れる柳江の流域を制圧し、現在の恩の領域の2分の1を手中に収めた。

*¹「青龍」は族長のみが許された称号。

*²弟の静鱗が井山攻略の際に著した兵法書「山戦記」は名作。

滅亡と新勢力の台頭

青龍瑠龍は静鱗の粛正や宮殿の建造などを行ったため人心を失い、彼が没すると甥の瑠宣が王となったが、家臣の唐東によって殺され、蒼は心龍・室冥、氐句、房芒、井山・星山に分裂し、滅亡した。

滅亡後は全国の統一に向けた動きが活発となり、前述の4国以外にも、特に蒼に侵攻された朱雀・玄武の2部族が急速に軍事活動を活発化させ、星山と室冥のほぼ全域はこれらの部族の勢力の手に戻った。

また、このころ白虎族の商人が辱収湖の水運を利用して軍事品などを取引して利益を得た*¹。

*¹辱収湖の支流が及ばない玄武族の居住地域にはあまり影響は及ばず独自の経済圏が形成された。

 

二.純

白征土

このころ白虎族の商人は力をつけ、しばしば武装化して交易したが、辱収湖西部の昴参地方の商人白征土は例にもれず戦乱に乗じて富を蓄えて豪商に成長し、彼は私兵を使って昴参地方に勢力を伸ばした。はじめ、彼は辱収湖東部の労羊島を根城とする海賊を討伐して島に交易と軍事の拠点を作り、ほかの武装化した白虎族商人を圧迫して、辱収湖流域のおおかたの商業的要所を制圧して、白虎族経済圏の実質的な支配者となった。

 

「純」の完成