夢幻の鳥

ページ名:夢幻の鳥

登録日:2016/12/19 (月) 21:25:55
更新日:2023/07/27 Thu 18:56:47NEW!
所要時間:約 10 分で読めます



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また悲劇は起こる。昔と同じように








「夢幻の鳥」は、『ウルトラマンダイナ』の第19話のエピソード。
前作ウルトラマンティガの第15話「幻の疾走」の続編にあたる。




【あらすじ】
マユミは夢の中で、かつて亡くした恋人タクマの幻影と、鳥の怪物、姑獲鳥を目撃する。姑獲鳥の不吉な予言に嫌な予感を感じるマユミであったがその予感は的中し、タクマの弟ハルチカとマイのもとにも姑獲鳥が現れる。悲劇は繰り返されてしまうのか・・・。





【登場人物】
アスカ・シン
ご存じ主人公にして、ウルトラマンダイナ
パトロール中に姑獲鳥と遭遇する。マイに「欲求不満」と茶化されてしまいながらもマユミの診察を受け、それがきっかけで彼女の過去に触れることになる。


ミドリカワ・マイ
スーパーGUTSのオペーレーター。
ハルチカのレースを見て一目惚れしてしまい、ストーカーのように彼に付きまとう。彼の兄に対する思いに触れた矢先に、姑獲鳥の襲撃を受ける。


◆シンジョウ・マユミ
TPCに勤める診察医にして、GUTSのシンジョウ・テツオの実の妹。
以前ガゾートⅡの事件によって、かつての恋人、アオキ・タクマを亡くしている。夢の中で姑獲鳥の予言を聞き、また悲劇が繰り返されてしまうのではないかと懸念する。月日の経過や以前の一件があったせいか、前作までの年頃の女の子のような雰囲気とは異なり、どこか冷めたような雰囲気になってしまっている。


◆アオキ・ハルチカ
かつてのマユミの恋人、タクマの弟。兄に憧れ、亡くした後もその志を継ぐために自らもオートレーサーの道へ進んでいる。





【怪獣】
◆凶獣 姑獲鳥(こかくちょう)
身長:62メートル
体重:5万2千トン


中国で人の死や国の滅亡を予言するといわれる不吉の象徴とされる妖怪。見た目は人間の姿をした鳥だが、鳥のような形をした頭部の中に人間の女性のような顔を持っている奇怪な姿をしている。その正体は電離層に住む悪意を持ったプラズマ生物。電気エネルギーを自らのエネルギーに変えるプラズマの塊であるため、ビーム攻撃を吸収して無効化することができる。





【本編】
オートレース場で1人レーサーを見つめるマユミ。だが、コースを走るレーサーの1人に既視感を覚える。




「タクマ・・・、タクマなの?」




一瞬笑顔を見せるマユミだが、すぐに現実を思い出す。マユミの恋人タクマは、かつての事故ですでに亡くなっていたのだ。タクマの遺品であるロケットを見つめるマユミ。そのとき、空から不気味な笑い声とともに、巨大な鳥の怪物が現れた。




「また悲劇は起こる。昔と同じように」




怪物が不吉な予言を告げたところで、マユミは夢から覚める。





「どうして今頃、タクマの夢を・・・」





時を同じくして、
中国大陸を震源とする地震が発生、さらにその直後から大陸各地の発電所で次々と謎の事故が発生する。警戒区域のパトロールへと向かうが、何も発見できずに拍子抜けするアスカだが、不気味な笑い声とともに目の前に謎の雲が出現。さらにその中から巨大な鳥の怪獣が姿を現す。アスカは驚いて何もすることができず、怪獣は謎の石を撒き散らして去っていった。基地に戻ったアスカだが、怪獣の姿はガッツイーグルのモニターには映っていなかった。


一方、マイは旬のレーサー、アオキ・ハルチカに会いに行くという。マイは、女の顔を持つ怪獣を見たというアスカに対して「欲求不満だから」と茶化しつつも、マユミの診察を受けるよう勧める。アスカは助言通り診察を受けるが、自分が見た怪獣が本当に幻だったのかどうか疑問に思う。そんなアスカに異常無しという診断を下すマユミだったが、アスカが見たのは人の死や国の滅亡を予言すると言われる中国の伝説の怪鳥姑獲鳥なのではないかと告げ、自らも夢で姑獲鳥らしき怪獣を見たと告白する。




「姑獲鳥は予言したわ、また悲劇が起こるって。昔と同じように・・・。」




「昔って、マユミさん・・・」




話しかけようとするアスカを遮るように席を外すマユミ。アスカは別の看護師からガゾートの事件とマユミの関係について聞く。



一方、バイクショップ内でハルチカを目撃し話しかけるマイ。一方的にプレゼントを渡そうとするが、あっさり拒否されてしまう。だが、そのそっけない態度に余計に惚れてしまったマイは、外出するハルチカに無理矢理ついていくことにする。




そのころ、東京上空に異常なプラズマ雲が発生。アスカはプラズマ雲の正体を姑獲鳥だと確信し、独断で出撃する。勝手な行動に激怒するヒビキ隊長に対して、姑獲鳥が事件の予言をしていたと証言するアスカ。さらにアスカのガッツイーグルに付着していた石を解析したナカジマも、アスカの証言を支持する。石の正体は、隕石孔周辺や断層沿いにあるはずの地震で岩盤がずれた際に摩擦熱で生じる「地震の化石」とも呼ばれるシュードタキライトであった。ナカジマは、怪獣が地震で発生する電気エネルギーを吸収する際にシュードタキライトを身に着けてしまい、それを空中で振り撒いたという仮説を唱え、成層圏にはクリッター以外にも未知の生物がいる可能性を示唆する。



アスカの予想通り、プラズマ雲から姑獲鳥が出現。だがプラズマ生物である姑獲鳥にビーム攻撃が通用しない。援護に駆け付けたリョウとナカジマは、アンチプラズマ弾を姑獲鳥に命中させ、消滅させることに成功する。基地へ帰還したアスカは、マユミに姑獲鳥の撃退を報告すが、マユミは、不吉な予感は前よりもずっと強くなっていると懸念する。




ハルチカとマイは、かつてガゾートに襲撃され、タクマの「思い出の地」であるマイクロ波発電システム跡地に来ていた。マイに、自分が兄に憧れてレーサーを目指すようになったと告げるハルチカ。だがそんな2人の上空に再びプラズマ雲が発生する。




アスカはマユミをゼレットに乗せていた。




「時間はね、前へ進むんじゃなくて、グルグル回ってるだけだって聞いたことがある」




「だから・・・、歴史の悲劇も繰り返されるんだって」




「でも、グルグル回ってるみたいで、螺旋階段は前より高いところに登ってるじゃないですか」




「昨日よりも、今日は良くなっているはずです。たとえ、少しずつでも」





アスカの言葉に励まされるマユミ。


そこへプラズマ雲から再び姑獲鳥が現れた。姑獲鳥は、跡地の地下に非常用として残されている超電導リングの電力を狙っていたのだ。アスカはマユミを降ろして姑獲鳥のもとへ向かう。




「俺、絶対歴史を変えてみせます!」




マユミはアスカを見送り、ハルチカとマイに合流して避難させようとする。地上からアンチプラズマ弾を発射するアスカ。見事命中するが姑獲鳥は消滅せず地上に降り立ち、超電導リングの電気エネルギーを吸収していく。出撃したガッツイーグルもアンチプラズマ弾を発射するが、電気エネルギーを吸収し続ける姑獲鳥には効果がなくなっていた。アスカの乗るゼレットにエネルギー光弾を放つ姑獲鳥。なんとかバリアで攻撃を避けるも、プラズマエネルギーの影響でシステムダウンし、ゼレットが動かなくなってしまう。間髪入れずに姑獲鳥が二発目の攻撃を加え、ゼレットは爆発する。それを見て、アスカを救いにハルチカが飛び出すが、とっさにそれを止めるマユミ。





「行かないで!!」




「もし兄貴でも、こうすると思います」




マユミの静止を振り切り、ハルチカはバイクに跨りアスカのもとへ向かう。その姿は、かつて幻影としてGUTSを救ったときのタクマのようで・・・。




「また悲劇が起こる・・・」




ハルチカに向かって攻撃する姑獲鳥。ハルチカも華麗に避けていくが、ついに爆炎に飲み込まれてしまう。






間一髪のところで脱出したアスカはダイナに変身。ソルジェント光線を放つが、姑獲鳥がダイナの光線技をも吸収してしまう。さらに姑獲鳥はプラズマエネルギーを利用した落雷攻撃を放ち、ダイナに直撃させる。点滅するダイナのカラータイマー。




「お前も、人類も、皆滅びる」





姑獲鳥の高笑いが響く中、煙の中にバイクのエンジン音が轟く。そこには謎のレーサーの姿が。





「大切なことは、あきらめないこと」




「君なら変えられる」





煙が晴れると、ミラクルタイプにチェンジしたダイナの姿が。姑獲鳥は再度落雷攻撃を放つが、ダイナは敢えてそれを受け止め、
ミラクルサンダーチャージによって自らのエネルギーに変える。狼狽える姑獲鳥。ダイナはレボリウムウェーブ アタックバージョンで姑獲鳥を撃破する。





そして地上のマユミとマイの前にもバイクのエンジン音とともに、横たわるハルチカと謎のレーサーが。あわててハルチカに寄り添う2人。ハルチカは気を失っているだけで無事であった。そしてマユミは謎のレーサーの方へ・・・。




「タクマ・・・、タクマなの?」




バイザーを上げ、マユミを見つめるレーサー。その正体は、やはりタクマであった。




「あの予知夢は、姑獲鳥じゃなくてタクマが知らせてくれたのね・・・」





見つめ合う2人。
タクマはマユミの言葉に答えることなく、煙の中へ消えていった。



マイに抱えられ、目が覚めるハルチカ。




「まさか、兄貴が・・・」




「いいえ、きっとお兄さんよ!」




「きっといつか、誰かが説明してくれると思う。魂はプラズマだとか何だとか・・・」




「でも、今はそんなことどうでもいいの・・・」








後日、オートレース場にはマユミの姿が。







歴史は繰り返す。






でも、少しずつ、歴史は良い方向に変わっていくのかも・・・










【余談】
本編は前述の通り、前作ウルトラマンティガの第15話「幻の疾走」の続編である。両作品が世界観を共有しているからこそ可能であったエピソードであり、本編中も随所にティガ本編を意識した演出がなされている。


  • ティガ本編で使用されたBGMが流れる
  • 姑獲鳥のエネルギー光弾のSEがガゾートのそれと同じ
  • アスカが変身した場所
  • タイプチェンジしたダイナが現れる際の構図
  • 相手の攻撃を利用して勝利する
  • マイの最後の台詞

当初は「ガゾートⅢ」を登場させるという案もあったが、すでに地球を離れているため不採用になった。


また前作と同じく、オートレーサーである青木三兄弟の青木拓磨氏に加え、弟の青木治親氏がそれぞれご本人役として出演。




追記・修正は、歴史を少しずつ変えながらお願いします。

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  • 鳥を見た! -- 名無しさん (2016-12-19 22:25:44)
  • この話によって、ヤズミとマユミの間にはティガ28話の件から特に何もなかった事が明かされた -- 名無しさん (2016-12-19 22:31:22)
  • EDでタクマとマユミが楽しそうに笑い合ってるのが本当に良い -- 名無しさん (2016-12-20 15:20:38)
  • 姑獲鳥の不気味な笑顔がバチクソに怖い… -- 名無しさん (2022-10-20 22:21:29)

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