ああばんひるず6号室事件(Q.E.D. 証明終了)

ページ名:ああばんひるず6号室事件

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更新日:2026/03/01 Sun 21:02:34NEW!
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結局この事件はここに行き着く

なぜ6号室なのか?




「ああばんひるず6号室事件」とは、Q.E.D. 証明終了のエピソードの一つ。単行本第39巻に収録。同時収録作は「グランドツアー」。
以下、ネタバレにご注意ください。




【ストーリー】

名前だけは立派な木造ボロアパート『ああばんひるず』。
2か月前のある日の夜、「開かずの間」と呼ばれている6号室でアパートの大家が首を吊って死んでいたのが発見された。
しかし自殺というには彼女が死ぬような理由は見つからず、かと言って他殺にしてもアパートの住人達にはわざわざ殺すまでの動機がなかった。
どちらにせよ、彼女は何故開かずの間で死んでいたのか…。
更に彼女の死後、謎の男が6号室に住み付いたり、その6号室の前に幽霊が現れたり、大家の部屋に泥棒らしき者が入ったり、とアパートで次々とおかしな事が起こり始める。







【事件関係者】

あんた 宝クジ1枚だけ買う?何枚かは買うでしょ
やれることは全てやる!若さは永遠じゃないのよ!!

  • 桃成咲(ももなり さき)

1号室の住人。OL。
玉の輿を狙って日々婚活に精を出す。
今のアパートは「アーバンヒルズ」という響きだけは立派で高級マンションと思わせられるため見栄を張るにはぴったりだそうだ。
だがそれでもブランド物の服を買い漁るせいで生活費が逼迫している。
最近では歯科医師の男性と交際しているが、恋人がいる今でも合コンは欠かせないらしい。
しかしどうやらその男性は大家の知人だったらしく、大家の口から自分が店子だといつバレるかヒヤヒヤしていた。
とっくにバレてるけどそれでも気にせず付き合ってくれている、なんて希望的観測はないようだ。


大家の死亡当時は土曜で会社は休みだったので、夕方からの合コンに向けて部屋で化粧をしていた。
彼女の部屋は階段のすぐ隣にある上に大家の足音は特徴的で聞き分けやすいようで、
大家は階段を上り下りしてないと証言する。
栃木と家賃の件について可奈に教えてくれた。




こんな立派なオレには寄付金もたくさん集まるし女の子も寄ってくるに違いないよな
いずれ自家用ジェットに乗ることになると思うが それはオレの人徳ゆえだと思うんだ
(なんだこいつ…)

  • 栃木勉(とちぎ つとむ)

3号室の住人。医大を目指し三浪中の浪人生。
家賃が値上げされると聞いて恐れおののき、ここより更に家賃の安い部屋がないか気にするほどのプア浪人。
だが医者の少ない国での医療問題について考えているなど清貧を貫いている…
かと思いきや、そんな誠実な自分に惚れた女たちからの多額の寄付を受け、
いずれは寄付された自家用ジェットで女を侍らせながら診療に行くなどというアレな妄想をしており可奈に呆れられた。


大家の死亡当日は溜まった洗濯物を洗うために1階の洗濯機と2階の部屋を何度も往復していた。
しかし廊下でも階段でも誰ともすれ違わなかったらしい。
桑島と線香の件について可奈に教え、廊下で誰ともすれ違わなかったのもきっと桑島が別の時間に殺していたからだと考える。
「犬を飼いたいんだけど どんな種類にすればいいですか?」
占いじゃ「猫にすべし」だったのよ
まさか猫アレルギーとはね そんなのわかるわけないっつーの

  • 桑島あけび(くわしま -)

4号室の住人。占い師。
ヌンチャク占いという一風変わった占いをしているがこれは客を呼ぶためのパフォーマンスで、メインはタロット占いらしい。
最近占いパワーが落ちてきているらしいのだが彼女に言わせればその原因は、
大家が毎朝仏壇にあげる線香の煙が隙間だらけの天井から天井裏を通り床板や畳の隙間から自分の部屋に入ってきて、
その煙が霊力を下げているかららしい。でも管理人室と4号室は平面図上は両端に離れているはずなのだが…


大家の遺体の第一発見者。
夕方6時頃に帰宅したところ、誰もいないはずの6号室に明かりがついていたため不審に思い部屋に入り遺体を発見した。
更に大家の死から2ヵ月後、夜中に共同トイレから部屋に戻るときに6号室の前に首にロープを提げた何かがいるのを見てしまう。
可奈には「与田は怪しいから気をつけろ」と忠告する。ある意味間違ってない。




人には他人が知らない状況ってものがあるってことだよ
もっとも大家さんはそんなにおしゃべりじゃなかったがね

  • 柿ノ内八郎(かきのうち はちろう)

2号室の住人。料理人。
高級レストランで料理長をしているが、雑誌などの取材を受ける時は顔出しはすべて断っているらしい。
実は元々山形出身だが仕事が上手くいかず、妻子を捨てて東京へ逃げてきた過去を持つ。
皮肉にも逃げた先である東京で料理人として成功したものの、家族に会わせる顔がないのかメディアへの露出を避け続けている。
大家はその辺りの訳あり店子も受け入れるタイプだったようだが、彼女からは家族に連絡するよう常々説得されていたようだ。


大家の死亡当日の午後4時頃、ディナー営業に向けて出勤する自分に対して大家は
「帰ったら良い物をあげる。場所ふさぎになって困るから。」と言っていたらしい。
またその時大家は夕飯の下ごしらえをしていた事から、自殺した可能性はないと考えている。
(単に死ぬ予定がなかっただけでなく「食事とは生きるエネルギーを得る事で、死ぬほど思い詰めてたら準備なんてできない」という彼の持論による)
桃成の交際相手について可奈に教えてくれた。




お客様を乗せて走るから重圧(プレッシャー)感じるよ
でも娘のためにがんばんねェと

  • 栗本健三(くりもと けんぞう)

5号室の住人。タクシー運転手。
青森の出身で現在は単身赴任中。故郷の娘は今年高校に入学するそうだ。
大家の死亡当日は彼も部屋にいたが、夜勤に備えて夕方までずっと寝ていたため何かに気付いた事はなかったらしい。
柿ノ内の過去について可奈に教えてくれた。




  • 与田舞人(よだ まいと)

6号室の住人。職業不詳。
ドレッドヘアにサングラスと怪しい風貌の謎の人物。
大家の死後のゴタゴタのうちに住み始めたらしい。
他の住人との交流どころか会話する事すらほとんどなく、桃成からは「変わってる奴」、栃木からは「上手くやりやがって」、桑島からは「特に要注意!」などと散々に言われてる。
6号室前に幽霊が出たと騒ぎになった時は彼の仕業かと疑われたが、その時は布団とリュックが置かれているだけで部屋は無人だった。




これでまた長生きできる
儲けた儲けた!

  • 大家

アパートの大家。本名不明。
倹約に対して人並み以上にアクティブな吝嗇家…というか要するにケチな人で、過去には切れた靴紐を縫い合わせていた事もあったらしい。
「人にあげたい物があったなんてよほど要らない物かいっそ核廃棄物かも」とまで言われる始末。
一方で1年前に心臓の血管を広げる手術を無事に乗り切った時には「これでまた長生きできる」と笑顔になるなど、
生きてるだけで丸儲け」的な考えも持っていたようだ。
また自分の死後に財産分与で親戚同士が醜い争いをするのが嫌だったのか、
遠い親戚にまで気を遣い誰にいくら分配されるかの遺産整理をきっちり遺言書に残していた。
2か月前のある日の夕方6時に6号室で首を吊って死んでいるのを発見されたが、
第一発見者の桑島が言うには何故かその手は濡れていたらしい。
おばあちゃんが自殺なんて信じられない!
きっと なにかあったのよ!!

  • 大家の孫

可奈のクラスメイト。同じく本名不明。
手術を乗り切った祖母を見てきただけに警察の判断した自殺説に疑問を感じている。
冗談めかしてとはいえ祖母が「値上げなんて言ったら殺されるかね?」と言ったため誰かに殺されたのではないかと考えている。



























プッ


もう…いい加減にして下さいよ!
ははは ごめんごめん燈馬君

  • 燈馬想

この漫画の主人公兼ホームズ役。
そして(読者には気付かれてそうだが)実は与田舞人の正体。



「舞」を「まう」と読みかえてから与田舞人を逆から読むと「とうまだよ」となる。
つまり、与田舞人の正体は燈馬想だったんだよ



※イメージです



実は大家の孫の相談を受け、カツラとサングラスで変装してアパートに住人として潜り込んで調査していたのだ。
正体を見せても驚かなかった様子から見るに変装は可奈のアイディアなのだろう。本人としては吹き出されて不本意そうだったが。
一応、座布団に座る時は片膝を立てたり(彼は普段座布団に座る時は正座する)と無愛想な人に見えるよう変装その物は徹底している。
もちろん桑島が6号室前で見たという幽霊も彼の仕業ではない。
むしろ正体がバレてはならないためその時は咄嗟に窓から脱出して1階の管理人室に隠れていたのである。
ちなみに死体のあった部屋に寝泊まりしている件については「人類史上あらゆる場所で人は死んでます」と言ってのけるあたり平気なようだ。

  • 水原可奈

この漫画のヒロイン兼ワトソン役。
大家の孫の頼みで、こっちはアルバイトとして雇われた臨時の新しい管理人を装い(こっちは変装なし)アパートに潜入。
管理人としての仕事の傍ら、住人達から聞き込みをする。

【キーワード】

  • ああばんひるず

風呂無し、トイレ・炊事場・洗濯機置場は共同、という立派なのは名前だけという2階建て木造ボロアパート。
中央の玄関から入って右側に管理人室兼大家の部屋、左側に1号室と2号室、
玄関そばの階段を上がって左側に3号室と4号室、右側に5号室と6号室がある。
片廊下式で部屋は中央に近い方が奇数部屋になる。
ボロい事もあって家賃が凄まじく安いようだが、駅にもスーパーにも近いと立地が良いため大家は家賃の値上げを検討していた。


  • 6号室

ああばんひるずで唯一、人が入っていなかった無人の部屋。
位置的には2階右の突当りで大家の部屋のちょうど真上に当たる。
だが今まで店子が入らなかった理由は住人たちの誰も知らないらしい。


  • 緊急ブザー

大家は心臓の手術後から緊急時に鳴らすと病院や家族に連絡が行くブザーを首から提げていた。
しかし大家の孫が言うには遺体のそばにはそれがなかったらしい。


  • 豚の頭

大家が柿ノ内にあげたかった「良い物」とは恐らく食材だろうと考えた燈馬達が大家の部屋の冷凍庫で発見した物。
冷凍庫の大部分を占拠するほど大きい。
どこかから貰ったはいいものの使い道が分からず、自分よりも料理人の柿ノ内の方が上手く使ってくれるはずだと考えたのだろう。


  • 状差しと年賀状

可奈が住人たちに順に聞き込みをしている最中、
何者かが大家の部屋に侵入し、状差しの中の手紙を荒らして窓から逃げて行った。
その後、こたつの天板の下から大家がかつて妹から貰ったらしい年賀状が見つかったが、
そこには栗本らしき人物の写真が写っていた。




ち…違う!!
急に新しい管理人が調べ出したから恐くなっただけで
オレは 誰も殺してなんかない!


わかってます

  • 栗本健三

管理人室の状差しを荒らした泥棒の正体。
実は彼は大家の甥(大家の妹の息子で、大家の孫とは5親等の関係に当たる)。


自分が容疑者の中で唯一の「大家の死によって遺産相続という明確な利益を得た人物」であったため、
可奈が伯母の死について嗅ぎまわっているのを恐れ、管理人室に忍び込んで自分に関わる手紙を回収したのだ。
だが過去に母が伯母に出していた年賀状だけはこたつの天板の裏に仕舞われたままになっていたため見逃してしまったのだ。
しかし燈馬は他の容疑者同様、それを理由に彼が大家を殺した訳ではないと断言。
何故なら例え殺す動機があってもわざわざそれを6号室で行う理由はないからである。
結局この事件は「なぜ6号室なのか?」に納得がいく理由を見つけなければ真相に辿り着けないのだ。

  • 大家

賃貸する部屋の資産価値を下げるような真似を倹約な大家が自らするとはあり得ない。よって自殺ではない。
栗本の犯行なら6号室で行う理由はないし、他の店子にしてもアパートから去れば済むような理由でリスクのある殺人を犯す必要はない。よって他殺でもない。
ならば他に考えられる理由は何か?それは事故死である。


柿ノ内が帰って来たら豚の頭を渡そうと思っていた彼女は、あらかじめ準備をするために冷凍庫から豚の頭を取り出そうとした。
しかし豚は相当な重さがあったようで、落とさないよう彼女は胸で支えるように豚を持ってしまった。
ところで彼女は去年、心臓の血管を広げる手術を受けたばかりである。
そんな決して無理のできない状態で重い物を持ったりしたら、ましてや冷たい物を胸に押し当てたりなんてしたらどうなるか。彼女は心臓発作を起こしてしまったのである
彼女は落とさないようなんとか豚を冷凍庫に戻すと「大丈夫、少し休めば治る」と座敷に横になり、そのまま帰らぬ人となってしまったのだ。
しかも豚を抱えた時に偶然豚の口の中にブザーが入ってしまっていた上に、
その豚を落としそうになった時に重みでブザーの紐は引きちぎれてしまい、豚の頭と共に冷凍庫に仕舞われてしまっていたのだ。



…でもその遺体が なんで6号室に?
例えばある人物が遺体を見つけたとしましょう

  • 栃木勉

きっかけは不明だが管理人室の座敷に倒れていた大家を見つけた彼は、その医学知識により彼女が既に死亡している事に気付く。
すぐに通報しようとしたがそこである名案を閃いた。
もし彼女が「6号室」で死んだことになればその部屋は事故物件となり資産価値は下がる。そうすればその部屋に今以上に安い家賃で住めるのではないか。
つまり彼は大家を自殺に見せかけたかったのではない。「人が死んだ実績のある部屋」が欲しかったのである*1
そうと決めた彼はまず管理人室から6号室の鍵を持ち出し、作業音を誤魔化すために洗濯機をつけてから6号室に向かった。
6号室の畳、床板、そして1階の天井板を外すと、そこに見えたのは大家の遺体が横たわる管理人室であった。
6号室の梁を通したロープを1階に降ろした後に一度管理人室に戻り、ロープの先を輪にしてそこに大家の遺体の首をかけ、
そしてまた6号室からロープを引き、ちょうどいい長さに切った後、床板を戻したのだ。


こうして6号室の家賃を下げるためのお膳立てをした訳だが、そこへ思いがけない事が起こる。
大家の死後のゴタゴタのうちに与田(燈馬)が住み着いてしまったのだ(だから彼の与田(燈馬)への言いざまは「上手くやりやがって」だったのだ)。
そこで彼を驚かせて追い出すため、シーツを被ってから首にロープを提げて大家の幽霊のフリをして彼の部屋まで行こうとしたのだが、
先に桑島に見つかってしまったため彼女が怯えて蹲っているうちに自室に逃げ帰ったのである。
しかし「洗濯のために何度も行き来したが誰ともすれ違わなかった」と素直に証言していたため、
「誰ともすれ違ってないなら大家の遺体を6号室に運べたのはあなたしかいない」と言われ、その犯行は露呈してしまった。


とは言うものの彼が犯したのはせいぜい死体遺棄と死体損壊。殺人を犯した訳ではないのだから大きな罪にはならないのだろう。
だがしかし、その程度の罪にはとても釣り合わないようなとんでもないしっぺ返しを直後に彼は食らう事になる。



6号室は以前 住人が自殺されてましてね…
その分の家賃は安いんです
まァ お勧めはできかねますが…

  • 不動産屋

燈馬は6号室を借りる時に不動産屋から、6号室に人が入らない理由を訊いていたのである。
実は6号室は過去に住人が自殺した事があったらしく、元から事故物件として他の部屋より家賃が安くなっていたのだ
しかし元が凄まじく安いああばんひるずにおいて更に家賃が安ければ、
当然その理由を探られて事故物件だと明かさざるを得なくなってしまう。
それ故に不動産屋もわざわざ勧めなくなっていったのである。


住むときにちゃんと調べてさえおけば死体遺棄も死体損壊も犯す必要は無かったし、
それどころかもっと早いうちから今よりもっと安い家賃で済んでいたのである。
リスクを犯してまで栃木がやった行為は全くの無駄だったのである





以上……証明終了です。

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#comment()

*1 「人が死んだ部屋でも気にしない」という燈馬の言葉もある種の伏線となっている。

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