彼方の待ち人(新世紀エヴァンゲリオン)

ページ名:彼方の待ち人(新世紀エヴァンゲリオン)

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更新日:2026/03/29 Sun 17:24:00NEW!
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エヴァ エヴァンゲリオン 新世紀エヴァンゲリオン 彼方の待ち人 小説 山下いくと


「――使徒は倒した。だが本当の敵は、ここから始まる。」


新世紀エヴァンゲリオン


劇場版オリジナル小説


『彼方の待ち人』


『彼方の待ち人』とは、アニメーション作品『新世紀エヴァンゲリオン』の制作過程において、
設定担当であった山下いくとが、劇場版制作時に庵野秀明へ提出したオリジナル小説案である。
本稿は正式な劇中作品ではなく、制作現場におけるアイデア交換の副産物として位置づけられる。


1995年放映のTV版最終話の「その後」を、
さらには「フォウチュン」と呼ばれる敵対存在との最終決戦を扱うように見えるが、
実際には後日談的要素・設定実験・制作裏話的視点が混在した独自の構成を持つ。


ただし、内容の多くは山下の思考メモに近く、 後年の公式設定とは整合しない箇所も多い。
(※むしろ整合している箇所を探す方が難しい。)


制作背景

当時の庵野秀明は、初期段階においてスタッフのアイデアを積極的に受け入れる姿勢をとっており、
山下のもとにも脚本初稿がファックスで送付された。
山下はこれに対し、電話で意見を述べつつ、
ファックスの余白に思いついた内容をそのまま書き込んで返送したとされる。


この作業過程は、アナログ機器と即興性が混在した
エヴァ制作現場の空気”を象徴するものとしてしばしば言及される。


『彼方の待ち人』は「非公式資料」となるが、
エヴァ制作史を語る上では興味深い一次資料である。
エヴァンゲリオンの世界観を補完するものではなく、
むしろ制作スタッフの思考過程を可視化する資料として価値を持つ。


その内容は、後の劇場版や新劇場版とは直接の関連を持たないが、
エヴァという作品がどのような混沌から生まれたかを示す好例である。


【概要】

最終使徒撃退。
世界は救われた――はずだった。
その勝利は、祝福ではなく「序章」だった。


その瞬間、人類は初めて「EVAそのもの」と向き合うことになる。
EVA技術を巡る国家間の争奪戦。
沈下型領界侵攻銃(フィールドシンカー)「死神の背骨」を建造したドイツネルフが、
さらに今後の世界戦略のカードとしてEVA02を政治的に取り戻すことを目論むが、
これはネルフ内部のゴタゴタとして処理される。


だがこの事件もその後の大災害の前では小さな事件となる。
極秘裏に建造された新型EVA「フォウチュン」。
そして世界を覆う、正体不明の精神汚染波


文明は崩壊し、人類は人狼へと変異。
残された正常人類は、ネルフ中央実験都市にわずかに生き残るのみ。


そんな世界で、EVA01は自律行動を開始し、
パイロット・碇シンジは「ヒト」と「EVA」の境界を失い始める。


人狼の群れの中で微笑むシンジ。
フォウチュンに吸収されていくアスカ。
レイはシンジを見て怯え、
ミサトは人狼の子を救おうとして汚染される。
レイの銃声。
ミサトの絶叫。
そして――


「EVAから離れたとき、お前は人でなくなる。」


ゲンドウの言葉が、シンジの心を決定的に変える。


【お話】

ここは第3新東京市ではない。
ここは――


「人類最後の砦、ネルフ中央実験都市。」


廃墟と化した世界の中で、
幾何学的な建造物が精神汚染をかろうじて遮断し、
EVA01は星空を見上げ、
まるで宇宙の「声」を聞いているかのように佇む。


エントリープラグの回路が、
EVA自身の手で書き換えられていた。


「……本当にEVA自身がやったといえる?」


「第三者の書き換えの可能性は?」


リツコの声が震える。


新型EVA「フォウチュン」は、
建造国を焼き払い、
世界規模の精神汚染を引き起こす。
フォウチュンの精神汚染により、
人類は次々と「人狼」へと変貌していく。


そんな中、シンジは――
人狼たちに「王」として崇拝されていく。


「……シンジ君!? その中にいるのは、シンジ君なの!?」


リツコの叫びにも、EVA01はただ月を仰ぐだけ。



ドイツネルフ事件の余波で、
アスカは裏切り者扱いされ、居場所を失う。


「……やめてよ。あんたに同情されたら、ますます惨めになるじゃない……」


泣きながらシンジにぶつかるアスカ。
だがその背後で、世界は静かに終わり始めていた。



アスカは名誉挽回のため、
死神の背骨を装備して単独出撃。


「見てなさいよ! ディープステージで本気出したらどうなるか!」


だが――


「……あれは、EVAなの?」


アスカの声が震える。


「吸い込まれる……!? 情報も……力も……私も……いやあああ!!」


アスカはフォウチュンに取り込まれていく。



MAGIが導き出した答えは――


「EVAが3体以上存在すると、必ずフォウチュン」が生まれる。」


EVAは兵器ではなかった。
EVAは種だった。
そして人類は、その繁殖を手伝っていただけだった。


「タネはひとつだった。我々がそのタネを増やし、育てた。」


ゲンドウの声が、静かに世界の終わりを告げる。



監視映像に映るのは――
綾波に襲いかかる自分。


「……そんな……これ、僕?」


ゲンドウは告げる。


「お前はすでに重度に汚染されている。」


「EVAから離れたとき、お前は人でなくなる。」


シンジの心が、静かに壊れていく。


人狼の子を助けようとして、
ミサトもまた汚染される。


「押さえろ! 長く外にいすぎたんだ!」


シンジは理解する。
「ヒト」はもう守れない。


EVA01は死神の背骨を拾い上げ、
月光の下、フォウチュンの領域へ踏み込む。


その背後には――
ただ一匹、アスカ(人狼)がついてくる。


「……さて、と。」


すでに神の領域ごときは侵して久しく
少年の背の羽は黒く変わって抜け落ちた
すべてに近い人々が人狼となったいま
ヒトという存在は
限りなく自分ひとりの意味に近づき
全体の中の1個とする自分自身の認識を
彼は脱ぎ捨てつつある
彼はことごとくを打ち払ってでも前へ進む道を選ぶ


【その後】

フォウチュンは文明人(人類)が自分の複製を作ることは予測していた。
しかし「人間そのものをインターフェース技術として使う」ことは予測していなかった。
EVA02を取り込む際、アスカのデータを誤解。
その結果、自分の体内に仮想憑依体(カヲル)を生成
最終的にEVA01の吸収に失敗し、「死神の背骨」を取り込む。
これにより「未完成性」が生じ、シンジが勝機を得る。


追記・修正はEVA01が敵EVAに突き立てた刃の上を、ソードシャープナーに乗ってお願いします。

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