貯金王両さんの巻(こち亀)

ページ名:貯金王両さんの巻

登録日:20??/??/?? (曜日) ??:??:??
更新日:2026/05/17 Sat 07:23:51NEW!
所要時間:約 ? 分で読めます



タグ一覧
こちら葛飾区亀有公園前派出所 こち亀 こち亀エピソード項目 カオス回 両津勘吉 大原大次郎 大原部長 ネット収入 下衆 二重帳簿 人間のクズ 宝物→他人からすればゴミ同然 親が子供のお年玉を使うのと同じ→最早横領 貯金 貯金横領さん 逆ギレ 部長のキャラが粉微塵に崩壊


貯金王両さんの巻とはこち亀のエピソードの一つ。
単行本159巻に収録されている。


連載最初期から登場し続けるレギュラーキャラの1人、大原部長は基本的に真面目で堅物なキャラであり、
両津やその周囲の個性的な面々の引き起こす騒動に巻き込まれたり、両津の悪事に制裁を加える役として主に登場している。
しかし、長期連載の中ではそのパターンを破り、部長がそのキャラクターを崩壊させてしまう、失態を演じるエピソードも度々描かれている。
本作はそれらのお約束破りや早矢関連の話などで初期の真面目で堅物なキャラがだいぶ薄れ気味であったとはいえ、
大原部長がこち亀の歴史の中でも最悪クラスの大失態でその人間性を完全に失墜させていたことで特に有名なエピソードである。


概要

両津が超神田寿司からニコニコ寮へと戻った影響で生活が自堕落なものとなり、その所為で葛飾署全体の素行調査にも影響が出ていた。
金と時間にはとことんルーズな両津、当然貯金もゼロである。
この現状を何とかするべく、部長は中川と相談してニコニコ寮の両津の部屋に強制貯金システムを導入することに決定した。


そして手始めに素行の改善の一環として、両津が集めていた大切なゲームソフトコレクションをゴミ呼ばわりして強制的に捨ててしまう。


「くそ~コレクションを全部捨てられた~。確かに他人から見るとゴミだが……」


悲しみに暮れる暇も無く両津は仕方なく録りだめしていた番組でも見ようとテレビをつけようとするが、
部屋中に設置されている強制貯金システムの所為で何をするにもお金がかかる。
テレビは30分100円、携帯電話を見るにも100円、リモコンのボタンを一回押すだけで500円、
玄関の扉を開けるだけで1000円、逃亡防止の為にご丁寧にベランダの窓は開けるのに2000円。
とにかく部屋中のあらゆる場所全30ヶ所にお金を入れないと動かない強制貯金システムが設置されてしまった。



普通に考えて生活できねーだろ、と思うだろう。
しかし、最初こそ両津は混乱していたが、常にまとまった現金を持ち歩いているため、強制貯金システムにもあっさり順応。
しばらく経って中川がシステムを確認したところ、何と1ヶ月で40万円も貯金しているという驚きの結果が出る。


ではその出所は何なのかというと、両津が運営しているネット情報誌「ギザマニア」の会費収入によるものだった。
会費は月100円だが、中川が調べた時点で1万人が登録しているので、単純換算で月々100万円は儲けているとのこと。
しかも、細かく細かく下ろしているため、両津自身もいくら儲かっており、口座にいくらあるのか正確に把握していないらしい。
これに関しては流石の部長も驚きを隠せないでいた。


「サイドビジネスでそんなに儲けるとは……人生設計わしよりもしっかりしている……」


しかしこの話の本番はここから始まる。



ある日、部長はオークションで40万円の松を買ったのだが持ち合わせが無く、何と両津の貯金に手を出してしまう。
それも銀行を多重に経由して降ろし下の特定を困難にするという偽装工作までして。
これに関して部長は「息子のお年玉貯金を借りるのと同じ」と解釈している。


この時点でもう擁護のしようが無いのだが、これでは済まなかった。部長は後日、今度は30万円の錦鯉を買った際にまた両津の貯金を使ってしまう。
しかもこの時、300万円近くに膨れ上がっている貯金を見て「額に汗して働くのが労働、世の中間違っている」などと文句を言う始末。


ちなみにこの時期、両津は「部屋の中で手持ちの現金が尽きたら動けなくなり、電話をかけて助けを呼ぶことも出来ない」と思ったのか、中川に掛け合って口座から直接引き落として貯金するカード式に変更していた。そのため、自身でも今月いくら貯金したのかすら分からなくなっていた。
貯金額は200万をゆうに超えたのだから、そろそろシステムを解除しようかという話が持ち出されるが、ここで部長。


「やめてはならんぞ! せっかく貯金する真人間になったのだ。ここでやめたら元の木阿弥だ」


と熱弁する。
内心では(もう一回だけ引き出しを……)と考えていた。おいこら部長。
結局、麗子の提案で「真面目だから」という理由から部長が出納係を務めることになった。


わざわざパソコン教室に通ったり、自宅にパソコンを設置し二重帳簿まで作って両津の貯金を引き出し続ける。
その際にもこれって犯罪じゃないかと不安になりながら「両津には累計300万円以上は貸している」「精神的苦痛は2億円以上」などと言い訳を重ねていた。
人間一度タガが外れると止まらないもので、その時点で部長の部屋は松や錦鯉のみならず、様々な私物で埋め尽くされている有様だった。


しかし、悪事はいつまでも続かないものである。
パソコン教室に通っている部長を中川と麗子が「向上心がある」と褒めているのを訊いた両津は、


「甘いな。中年がパソコンを習う理由はエロサイトだ。エロのパワーだ」
「……部長はそれ以外だとすると……」


と訝しみ始める。
そして、自ら貯金システムの記録を調べ、何者かが貯金を勝手に引き出していたことが判明。
その総計額は何と250万円にも達していた。
冷や汗ダラダラの部長に対して、全ての事を察している両津は、
「千葉県のOさんって人が松や錦鯉をポンと買っていった」
「最近部長の家に行ってないから久々に」などネチネチと言葉責めをする。
それに対する部長のリアクションは……




















ネチネチとうるさいやつだ!


わしがやったんだ文句があるか!!



うおおおおお逆ギレだ!!


……逆ギレである。


ラスト、部長の家に乗り込んだ両津は今まで部長が買った私物をみんなゴミ袋に放り込む。
「わしの宝物を捨てないでくれー」と懇願する部長であったが、当然両津は「私の金で買ったんでしょ!!全部ゴミです、こんなもの!!」と聞く耳持たずだった。


余談

  • 同じく159巻の第1話『トラップゲームの巻』の冒頭では夏春都によって両津のゲームの数々を処分されかけている場面があり、その後日談のような話になっている。

  • 今作のタイトルは多額の貯金を成し遂げた両さんのことを指しているが、文節の区切りを変えると「貯金、横領さん」とも読め犯罪に手を染めてしまった大原部長を暗示するダブルミーニングとなっている。

  • 元より崩壊気味だったとはいえ、あの部長が完全に人間のクズに成り下がっている迷エピソードとして有名。

そもそもいくら両津の素行が壊滅的に悪く、その改善の目的で貯金システムを導入するとはいえ
両津自身の所有物であるゲームソフトを勝手にゴミ扱いして捨てるという時点で完全アウトなのだが。


  • ちなみに、部長が両津のゲームソフトを処分するのは今回が初めてではなく、本作の約12年前に描かれたエピソード・92巻「部長もはまった!!の巻」*1で、

派出所に持ってきていた両津のファミコンソフトを没収し、ゲームショップで(代金替わりとして)電子手帳用将棋ゲームと引き替えていたりする。
(なお、最初は本作同様に捨てようとしていたが、中川の助言でゲームショップに売りに行った。またこの後、当然のように両津の逆襲を受けている)


  • また、近年の両津にしてみれば今更な話でもあるが、ネットサイトで毎月云百万の金を安定して得ているという相変わらずの凄まじい商才振りである。

そしてそれだけの収入がありながら貯金ゼロになるほど使い込んでいるという事実の方が恐ろしいが。


  • 何より痛烈なのは最後に麗子が言った「どっちの宝物も役に立つとは思えない」の一言かもしれないが……

要するに自分にとっては大切でも第三者には全く価値が違ってくるというヤツである。
だからって部長みたいに勝手に捨てたりするのは論外だけどな!!


冷静になって話を見返すと、今回の一件は大原部長だけの責任でないのも確かである。


中川


両津の素行を改めさせるため、生活の中で強制的に貯金させるシステムの提案・導入をするまでは良かったが、
どういう訳か、大原に両津の貯金用口座をいじれる方法を教えてしまっており、相当な額を貯め込んでいる事を知った大原部長がそれに手を付ける一因を作ってしまった。逆に言えば、教えずに貯金額を確認できる程度に留めておけば横領事件は起きなかった。


麗子


大原部長に出納係をやらせる提案をした事で着服を容易にするきっかけを作ってしまった。


と、大原部長が一番悪いのは間違いないものの、*2中川と麗子の提案やアドバイスがきっかけで
横領の実行・助長を促してしまったのも事実である。尚、中川も麗子も大原部長が悪い事を理解し切っているのか、
強引に大原部長のコレクションを処分する両津の行動を一切止めようとしなかった。もっと言えば、両津も大原部長もコレクションを強制的に処分されているが、両津は自分のお金で買った物を処分されているのに対し、大原部長が次々に購入した物は両津から横領したお金で買っている。そのため、大原部長に金銭的なダメージは実質無いに等しく、両津はプラスで貯めたお金を泥棒されているため、この話においては両津が一番の被害者と言っていい。



また、約10年後の195巻『500万争奪戦の巻』でも懲りずにやらかしている。
両津がお金がなくなって自殺しようとしていたサラリーマンに間違って振り込まれた500万円を渡し、助ける。
その後、紛失した500万円が見つかり、500万円を渡しにサラリーマンがくるが、両津はいない。
そのため、サラリーマンは大原部長に預けるが、大原は、以前のように私用に使ってしまう(骨董品を買うが、見事に詐欺られて大損害を負う羽目に)。
ちなみにこのエピソードで大原は両津から「金の汚さが顔に出てるだろ。こういう守銭奴は10回くらい死んだほうがいいよ」と言われており、*3共感した読者も多かっただろう。


なお、この話のオチで両津は間違って振り込まれた5億円を持って海外へ逃亡している。



因みに今回のお話で部長は3つの犯罪を犯している。
・窃盗罪 刑法第235条 他人の財産を侵害する。
・監禁罪 刑法220条 不法に人を監禁する。
・横領罪 刑法252条 自己の占有する他人の者を横領。


これら全てを纏めて言うと、両津は部長にゲームを窃盗された挙句自由を奪われ、貯金したお金まで横領された…ということだろう。


以上の事から、「大原部長のキャラ崩壊エピソードは何か?」の話題が出れば、真っ先にこの話を挙げる読者も多い。


追記・修正は貯金してからお願いします。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,7)

[#include(name=テンプレ3)]








*1 アニメ版では281話「大原部長ゲームにハマる(アニメ版こち亀)
*2 他意はないと思うが
*3 麗子も「ひどい…両ちゃんは人のために使ったのに、部長は自分の欲に使うなんて…」と冷たい目で見られた。

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧