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更新日:2026/05/23 Sat 12:38:20NEW!
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 こち亀 こち亀エピソード項目 マジキチ 太田裕美 コンサート 警備 迷惑行為 アイドルヲタの暴走 ドルオタ キモヲタ
「亀有大合唱!?の巻」は、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のエピソード。
「派出所自慢の巻」で有名なJC4巻に表題作として収録。
作者・秋本治氏がファンだったことで知られる、1970年代後半を代表するアイドル・太田裕美。
今回は、その太田氏のコンサートを舞台に、あまりにもアレすぎる熱狂的なファンと両津との戦いが繰り広げられる話である。
なお、今回は秋本氏自らコンサートに出向いて描かれた、「本人公認」のエピソードである。そのため、太田氏の他にマネージャー*1も実名で登場している。
【ゲストキャラクター】
- 太田裕美
言わずと知れた人気アイドル。両津や迷惑ファンの学生の大暴れにも物おじせずに対応できるアイドルの鑑。
- ファンの学生
今回の主役(笑)の熱狂的ファン。
容姿は坊ちゃん刈りに牛乳瓶眼鏡、学ランの上に「太田裕美 命」と書かれたタスキを掛け、右手には「友の会」と書かれた腕章と、典型的なヲタ像そのものである。
後述の通り、応援スタイルは実際にやったら即出禁ものの完全な迷惑行為。
それでも東大の漫画部に入っているという高学歴の持ち主でもある。
【ストーリー】
今日は亀有公会堂で太田裕美のコンサートが行われる日。両津と中川は警備担当として趣味と実益を兼ねて公会堂にやってきた。
開門を待ちきれずに殺到するファンを見て、両津は終戦直後にチョコを貰いに進駐軍に群がっていたことを思い出した。
「よく仲間をつれて米軍キャンプへカンヅメなどをかっぱらいにいったな…… 機関銃もぬすんだ……」
「へー うらやましいなあ」
そして開門と同時にファンが席を取ろうとして猛ダッシュで駆け込む。*2
両津はファンの一人を締め上げて注意するが、そのファンは「ゆっくりしてたらいい席をとられちゃうんだい!無知!」と逆に両津の顔面に蹴りを入れる。
それ以降も両津は無数のファンに踏みつけにされ、なんとか中川に介抱されるのだった。
「このごろは、みんな親衛隊などを作って応援しているくらいで、わる口でもいったらぶち殺されますよ」
「くそう、今度あったらおれがぶち殺してやる!」
「そういえば、先輩も昔春日八郎の後援会に入っていたじゃありませんか?」
「あのころはみんな厳粛にきいていたもんだぞ」
2人が会場に入ると、すでに席は満員になっていた。そして主催者側が用意してくれた最前列の席に向かう。
「まともに買ったら高いですよ、あそこ!」
「こういう時だけだ、警官やっててよかったと思うのは!ひひひひひ」
その時、舞台に1人の学生が上り、マイクを使って観客に何事か叫び始めた……。
「みなさ──ん
あと数分でコンサートが始まります
裕美ちゃんがでてきたら死ぬ気で拍手しましょう
わかりましたねみなさん!」
「われわれの裕美ちゃんが今
目の前にあらわれるのです!
じつに感激的じゃありませんかみなさん!」
その迷惑極まる有様を見た両津は酔っ払いか何かと勘違い。中川は熱狂的なファンだと答える。
目障りなのでつまみ出そうとする両津を中川が押しとどめながら、2人は席に向かった。
最前列の席は、16ミリフィルムに望遠レンズ装備のカメラ、録音用のラジカセなど、堂々と撮影・録音しようとする学生だけしかいなかった。
こりゃいいとばかりに両津は席を2つ使って横になるが……
「何すんですか!?
ここはぼくの席です!
かってに使わないでください!!」
さっきの学生が両津の耳元で叫ぶ。
最前列の席はこの学生が全部買い占めていたのだが、両津たちのおかげで2席だけ手に入らなかったのだった。
ムードをぶち壊された学生は、「ぼくのじゃまをしたら殺しますからね!」と言って立ち去った。
「くそう、どっちが殺されるかいっぺん勝負しようじゃねえか!」
両津も拳銃を構えて応戦しようとする。
一方、中川は学生のもとに歩み寄り、撮影機材に目をやる。
「ほう、ドイツ製の16ミリか… カメラもニコンで……」
高級機材を揃えて最前列の席を買い占める学生の金の使いっぷりに、両津が職務質問を始める。
「よし職質だ!どこのデパートからぬすんできた!正直にいえ」
「かってにきめるな!」
「いったい何やってんだ?職業は?」
「学生ですよ。東大の漫画部ですよ!」
「漫画なんぞくだらん物をかいとるから、こういう狂気じみたマネを平気でやるんだ。ペンダコ人間め!」こんな事言ってる奴が10数年後に漫画家をやるなんて誰も予想だにしなかった
「ほっといてくれ!よけいなおせわ!!」
学生と口げんかになった両津を必死で止める中川だった……。
ようやくコンサートが開始、舞台の幕が上がる。
「でたっ!!」
学生はメガホンを持って観客に向かって叫ぶ。
「みなさーん 拍手拍手!
みんなで裕美ちゃーんとさけびましょう!」
「いちにっさん!
それ!裕美ちゃあーーん!!」
「じっさいうるさい男だ!いっそひと思いに……」
そう吐き捨てる両津の手にはしっかり拳銃が握られていた。
「みなさんこんにちは。
今日もいっしょうけんめい、歌います。
きいてくださいね!」
太田氏が挨拶をしているところ、最前列で銃を構えながら学生を監視する両津を発見する。
「本日はお巡りさんもみえてるのね。毎日ごくろうさま!!」
人気アイドルに声をかけられて両津は感激する。
「いけない裕美ちゃん!そんなやつと話すとバイキンにおかされ……」おまいうそんな事を言いつつ、ファン数人がプレゼントを持って舞台に近づこうとするが、学生が必死に追いかえす。
「裕美ちゃんの5m以内に近よるやつはぼくがゆるさんぞ!!よるな!!」おまいう
太田氏が歌っている最中も、学生は8ミリの撮影や録音に精を出していた。
たまりかねた両津は「注意する」と言って、まず8ミリの前を平気で横切る。
学生が悲鳴を上げるのも全く気にせず、両津は8ミリのレンズをのぞき込むなどの邪魔を続けた。
学生は8ミリをあきらめてカメラを使おうとするが、両津はカメラを取り上げ、さらにフィルムを取り出して真っ黒にする。
ついに切れた学生は、「こんな所にいられるか」と捨て台詞を言って、両津にラジカセを投げつけその場を去った。
なんとか邪魔者が去ったところで1部の最後の曲となった。
「『しあわせ未満』を歌います。みなさんいっしょに手をたたいてくださいね」
キッ
「みなさーん 手びょうしをおねがいしますよ!
そして全員で『しあわせ未満』を笑顔で合唱しましょう!!」
なんと学生はいつの間にか2階に移動し、三三七拍子を始めた。
観客から物を投げつけられるほどのブーイングを受けたのは言うまでもない……
ここでいったん10分の休憩時間に突入。学生は急いで携行品の整理に励んでいた。
中川などは「歌きいていたのかな?」と呆れている。
両津は中川にビールとのしイカを買いに行かせると、席を2つ使ってまた横になった。
「ここはぼくの席だといったでしょう! 何度いったらわかるんですか!」
学生が両津の耳元で再び怒鳴ってきた。
「あんたのおかげで裕美ちゃんの応援が全然まとまらない……」
「応援だと…?あれが応援のつもりか?おまえ一度病院へいってみてもらえ!」
そこに中川がビールとのしイカをもって戻ってきた。いつもの様に勤務中にビールを飲む両津に学生は怒りを露わにするが、両津は適当に受け流す。
「国民の大事な血税をこんな連中のために使っていると思うと……くくく」
「おまえだって国立だから同じじゃねえか。血税でコンサートにきてるじゃねえか」
(中略)
「あなたはまちがっている。そんなことで真の民主政治などありえん。今にわれわれ学生たちが新しい日本を開拓してやる」
「わかった、がんばれよ!」
しかしいざ2部が始まると、学生は周りの迷惑を顧みず、また応援を開始する。
「ワーー みなさーん 二部でーす
みなさんごいっしょに声をそろえてハイ 」
「ひ・ろ・み・ちゃあーーん」
「あれで日本を開拓するつもりだからな!」
両津は怒りと皮肉を込めてつぶやいた。
第2部は太田氏と観客のトークから始まる。太田氏がリクエスト曲を聴いたところ、「麻のハンカチーフ」「赤い長ぐつ」「最初の一葉」*3に混ざって、「ひょうたんジルバ」「ズンドコ節」といった昔の曲のリクエストが入る。
そこでは両津と青森から来たおじさん客がリクエスト曲を巡って喧嘩をしていた。
両津が中川に「みっともないから」と止められているうちに、そのおじさんは自分の畑でとれた野菜を太田氏たちにプレゼントする。
これを見た学生は「ここは三波春夫の特別公演じゃない」と言って、おじさんを新宿のコマ劇場へ追いかえそうとした。
その隙に両津が「兄弟仁義」をリクエストしたことで、学生がまた両津に突っかかる。
「やっぱりあんたも北島三郎の特別公演にいったほうがいい!!明治座は千代田線にのって……」
またもや2人はつかみ合いのケンカになってしまった。
そんなこんなで太田氏がページ数的にも最後ということで、一曲歌おうとした。
ここで、学生はこの日のために用意していたという「衣装」を用意する。
……それはなんと、快傑ゾロのコスプレだった!
そして学生は紙吹雪を散らしつつ舞台に登る。
「みなさん!! おまたせしました!
いよいよラストの曲とあいなりました!
用意はよろしいですか!?」
「全員右手にパンフレットをもち上にかかげてください。
そして裕美ちゃあーんと3回さけびましょう!」
「わたしがこう合図したら……
1 2の3でハイ!」
「ひ ろ み ちゃああーーん!!」
この暴挙に、ついに両津の堪忍袋の緒が切れた!
「やめんか!この変態学生め!!」
「なにー公僕め!ゾロにかてると思うのか!?」
両津と学生の取っ組み合いの最中に、ロープがひっかかったのか、照明が落下してシッチャカメッチャカの状態になる。
照明の下敷きになってもがく学生、直撃は免れたものの中川に「平気ですか!?」と言われる両津、ギブソンのギターが下敷きになったと泣くギタリスト……と阿鼻叫喚の惨状になった舞台を見て、太田氏がマネージャーに「これドッキリカメラでしょ?」とたずねるところで物語は幕。
【余談】
本作が発表された後、「コンサートって、あんなメチャクチャなことするの?」というファンに太田氏が「あれは漫画だから」と弁解したり、劇中にも登場したマネージャーが興奮して喜んでいたことを太田氏が打ち明けている。
【今回の背景の書き込み】
太田裕美と並んで、秋本氏がファンだったことで知られるもう一人のアイドル・アグネス・ラムについて書かれている。
主な書き込み
「ホリウチさま 今度はアグネスに合わせてください」
「今年の夏はハワイだ!」
「5月21日はラムちゃんのバースデイです 山止さんは12月11日です よろしく」
「アニヲタwikiメンバー採用試験というのは○×式なんだろうな きっと…… でなければこんな項目が追記・修正されるはずが…」
「いいたいこといえるのもwiki籠りのうちだけだ! かってにいえ!」
*2 当時はプレイガイドによるチケットの予約システムが普及していなかった。
*3 それぞれ太田氏の持ち歌「木綿のハンカチーフ」「赤いハイヒール」「最後の一葉」のもじり

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