ひょうりゅう記(サザエさん)

ページ名:ひょうりゅう記

登録日:2017/05/13 Sat 18:56:09
更新日:2026/03/07 Sat 18:42:32NEW!
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サザエさん サザエさんエピソード項目 最終回 封印作品 番外編 漂流記 サバイバル 人喰い人種 都市伝説 夢オチ


ひょうりゅう記とは、漫画サザエさん』のエピソードの1つ。
最終巻である姉妹社版単行本68巻収録の最後の話*1であり、実質的な最終回である。
……但し、姉妹社版末期(昭和60年代以降?)の増版分や、後に刊行された朝日新聞社版には未収録となっていた。


初出は昭和31年に「婦人倶楽部」誌で連載されたバージョンの『サザエさん』のエピソードの一つ。当初のタイトルは「サザエさん漂流の巻」。
68巻の他、4コマ形式以外の作品を集めた『別冊サザエさん』シリーズにも収録されているが、いずれも雑誌掲載時とは異なる、それぞれの単行本用に書き下ろされた原稿が使われている。


【あらすじ】

客船の難破によってサザエ波平、カツオ、ワカメは近くにある島へ漂流した。


??月??日


毎日たいくつである。


島の資源はそこそこ良かった為か不自由無くサバイバル生活を送っていた。
ある日一家はヒョウの生け捕りをする為に檻を作り上げた。
カツオ「獲れたら持って帰って動物園に寄付しようよ」
ワカメ「そしたら名前を募集するね、きっと」
サザエ「呼びやすくて愛嬌のある名よ……」
カツオ「だけどオスなのメスなのそこがわかるといいんだがな」


そんな事を考えているサザエ達を手を貸して欲しいと言わんばかりに叱責する波平。
早速捕獲を実行しヒョウが檻の中に入った瞬間4人は急いで鍵をかけようとしたが、うっかり入口と反対側の板の結束をし忘れ為にそこから逃げ出しヒョウが回り込んで来た。
サザエ達4人は慌てて檻の中に入り避難した


波平「誰だ戸を閉め忘れたりした者は」
サザエ「今更怒っても後の祭りよ」


その時、バナナを持った猿が檻に近づいた。ワカメは猿にバナナを催促するが
「よしなさいワカメ!こっちがまるで動物園よ」と止めに入るサザエだが、全員ひもじい思いをしているのでバナナを遠慮なく受け取った。


??月×日


今日もたいくつである。


波平は弓矢を作り素晴らしい獲物を探しに出掛けた。
鹿を発見した波平の後ろから人喰い人種が現れ捕まってしまう。その後サザエが堂々と人喰い人種の前に現れて彼女も捕まってしまう。


縛り付けられたサザエの前に、調理器具を持った膨よかな酋長夫人が登場。


サザエ「わ、わたし日本デザイナー。といてくれたらファッション教えます」


サザエはとっさにを言って縄を解いてもらう。
「まず肉食をやめる、野菜を食べてスマートになりましょう!」


当時の日本の流行りの服を描き
「今や文明国はディオールのアローライン時代です」


次に酋長夫人のパウスカートをハサミで短く切り
「スカートは今年ショートが流行なの」


草花で作った帽子をプレゼントし
「あしがら草風流のハットをかぶって」


最後に自前の口紅を分厚い唇に塗り
「サテ、仕上げに私の口紅を……ウヘ~塗り出があるなァ~」


大きい葉っぱを差し出し
「塗りましたら紙で軽く押さえます」


ただでさえ分厚い唇だったので、葉っぱ一杯に口紅の跡が着いた。
大いに気に入った酋長夫人はお礼として波平の解放を許可する。


こうして磯野家は酋長から貰ったカヌーに乗って島から脱出し、日本に帰国したのであった……………


サザエ「ムニャムニャ、まだ日本につかない?」
波平「これ、サザエついたよ!」
カツオ「おねえさん、起きなさいッたら!!」


という公園のボートで居眠りしていたサザエの夢の話であった。


【解説】

以上のように『サザエさん』のエピソードにしてはかなりインパクトのある話で、漫画版の一つの最終回として後述の都市伝説にまで影響するのであった。
何よりも人種差別と思われるような人喰い人種を登場させた事により、後に発行された長谷川町子全集や朝日新聞社の文庫版ではこの話は収録されていない、所謂封印作品である。
従って、姉妹社版の単行本でしかこのエピソードをお目にかかる事が出来ない状態が長期にわたって続いていた。


【アニメ版】

…はずだったのだが。
なんと2010年1月10日放送、サザエさん新春福袋スペシャルにて映像化。
『別冊サザエさん』に収録された外伝作品を集めた「サザエさん小噺ぶくろ」の最初の話である。
原作との違いは


  • マスオ、フネ、タラちゃんも加わり一家全員揃って登場。
  • 事故のシーンはカットされ、イカダに乗ってを彷徨う所から始まる。
  • 日記の書き手が波平であると明確にされた。
  • 生け捕りにする動物がヒョウではなくトラ
  • 人食い人種が原始人のような外見の原住民に変更され、村を守る戦士に一家全員拘束(つまり縄張りの不法侵入で逮捕)されたことになっている。
  • ラストシーンで貸しボートに乗っていたのがサザエ、マスオ、カツオ、ワカメ、タラちゃんになっている。

【封印解除】

そして2020年、姉妹社版『サザエさん』の復刻版が朝日新聞出版より全68巻予定で同年1月より刊行が開始される。
およそ1年11ヶ月にわたって順次リリースされた復刻版、そのトリを飾った2021年11月発売の最終第68巻に本エピソードは……収録されていた
昭和末期に歴史の闇に葬られてしまった「ひょうりゅう記」は、平成を経た令和の時代、堂々と封印を解除されたのであった。


【余談】

『サザエさん』の都市伝説に「最終回は、ハワイ旅行に出掛けた磯野家が飛行機の墜落事故で一家全員海に還っていく」というのがあるが、この都市伝説の元になったのがこのエピソードである。
実際は作者である長谷川町子氏の度重なる体調不良による自主的な打ち切りによって完結した為に明確な最終回というのは存在しない。
しかしこのエピソードが単行本最後の話である事に加わえ、あまりにも現実離れした内容と封印作品と化した為に
誤った解釈が独り歩きして前述の都市伝説が生まれたと思われる。


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  • 単行本としての最終話はこれだけど新聞連載としての最終話はオイルショックネタ。まぁ磯野家の謎がソースなので若干信用性に欠くけど。 -- 名無しさん (2017-05-13 20:27:17)
  • ↑磯野家の謎ってソース自体はしっかり厳密に調べてるよ。あと、続編の方で訂正されてるんだけど、実際の最終回はそれじゃなかったことが判明してる -- 名無しさん (2017-05-20 11:29:30)
  • 朝日新聞での最終回はカツオの学校でお弁当持参になったけど、中島くん似のクラスメイトが教室で自炊するという内容になってる。 -- 名無しさん (2017-05-20 23:10:50)
  • 姉妹社オリジナル版『サザエさん』が今年の1月から新装版で刊行開始された訳で、順当に行けば来年2021年11月に最終巻の68巻がリリースされるはずだけど、このエピソードも収録してくれるだろうか?封印作品から脱却して欲しい…… -- 名無しさん (2020-03-03 20:35:43)
  • 少なくとも、本作は黒人差別撤廃団体からの抗議によって封印されたんじゃない? -- 名無しさん (2022-09-03 19:24:19)

#comment()

*1 厳密にいうとこの話の後に作者の別作品が収録されているが。

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