攻殻機動隊 S.A.C.シリーズ

ページ名:攻殻機動隊 S.A.C.シリーズ

登録日:2011/07/28(木) 14:31:31
更新日:2023/08/09 Wed 11:53:41NEW!
所要時間:約 7 分で読めます



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あらゆるネットが眼根を巡らせ
光や電子となった意思を
ある一方向に向かわせたとしても
"孤人"が
複合体としての"個"になる程には
情報化されていない時代・・・



『攻殻機動隊 S.A.C.シリーズ』とは、士郎正宗原作『攻殻機動隊』のテレビアニメとその続編である長編アニメ作品である。
監督は神山健治、制作はProduction I.G。



原作漫画と、押井守監督の長編アニメ映画(『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『イノセンス』)に続く「第3の攻殻機動隊」。
人形使いを中心とした物語を描く前2作と違い、「もし草薙素子が人形遣いと出会わずに公安9課に残っていたら」というパラレルワールドが舞台。


これまでの要素のオマージュを各地に散りばめながらも、ゴーストを通じて「人間の定義」を問う前2作に比べ、
犯罪に立ち向かう公安9課というチームそのものを主人公とした娯楽性の強いサイバーパンクとなっている。
ただし原作の哲学的要素は薄れたものの、当時の社会問題をSFガジェットに落とし込んだ社会風刺の面は強まっている。


各作品ごとに扱っているテーマはそれぞれだが、全体的なコンセプトとして、
「意思と情報が並列化し、個が無意識化に集団となることで引き起こす様々な事象」が
物語の根底にある。
タイトルの「S.A.C(スタンド・アローン・コンプレックス)」はそれを表す造語。


SFを活かした緻密な世界観、硬派で奥深い物語、見事なアクションなど、正に大人の鑑賞に堪えうる作品となっている。
今もなお根強い人気を誇り、特に一作目と二作目は平成アニメ屈指の傑作と評されることが多い。


【背景】
西暦2030年の日本。
政府は急増する凶悪犯罪、特にサイバーテロや諜報活動に対処するため、
内閣総理大臣直属の非合法組織公安9課(通称・攻殻機動隊)を内務省傘下の組織として設立した。


この公安9課は表向き、国際救助隊創設の名目で多額の予算を引っ張り、その救助隊の下部組織に偽装されているが、
実際の設立にあたってはもっと複雑怪奇なルートをたどっている。


公安9課は犯罪に対し受け身ではなく攻勢であることを信条とし、
これを実現する為に「採用は現隊員による引き抜きのみ、自薦不可」「階級不問」「組織のトップは総理のみ」と
徹底した実力主義で運営される。


これに加え、荒巻がいろいろやって集めてきた多額の予算により、正規軍に匹敵する装備を保有する。
話だけ聞いてると、もうどっちがテロリストだか分かったものではない。
実際、任務の大半は実力による「カウンターテロ」である。


  • 荒巻大輔(CV. 阪脩)

公安9課の課長で実質的なトップ。元陸上自衛軍(陸自)*1情報部出身で殿田塾三羽烏の一人。それ故に人脈は非常に広い。
捜査案件に私情は持ち込まず、相手が政府であろうと毅然として犯罪に対して立ち向かっていく。
しかしながら柔軟性も持ち合わせており、現在の9課のメンバーを信頼している。
課員のポテンシャルを最大限に発揮させてやろうと努めている。


我らが少佐。
主人公で公安9課のリーダー。
女性型義体のサイボーグであり、課員からは少佐と呼ばれている。
優れた義体使いであり、天才的なハッカーでもある。
荒巻曰く、その才能はエスパーよりも貴重であるとのこと。
S.A.C.では原作と比べてコミカルさが無くなり、シニカルで知的で大人な女性としての側面が強い。
しかしながらそれが時折見られる感情面の揺れを視聴者に強く伝えることにもなっている。


両目が義眼の大男で素子の相棒的な役割。
非常にコミカルな人物で、要所要所で皮肉の効いた冗談を言う。
人情に厚く、仲間想いで他の課員の心配などをよくする。
元陸自レンジャー4課出身で、義眼も4課の制式義眼。断じてペットボトルの栓ではない。
全身義体にも関わらず筋トレが趣味で筋トレグッズを買い集め、車の趣味も前時代的なスポーツカーが好きなようである。
また後で並列化を行うにも関わらず、搭乗するタチコマを一機に定め、
そいつにブレードアンテナを取り付けてみたり、禁制品の天然オイルを与えたりと可愛がって(?)いる。
この特に意味の無い行為が、タチコマに思わぬ影響を与えていくのだが…。
S.A.Cシリーズでは素子に恋愛感情を抱いている節があり、
時々アピールしたりするも軽くあしらわれている。


「モトコオオオオオオ!!」
よく素子の名を叫ぶ。


少佐が警視庁から引き抜いた元刑事。
電脳化は施しているが、義体化はしておらず殆ど生身。
よって軍出身が多い9課の行う荒事は不得意で、単独行動任務では良く深手を負う。
このため、一見9課には向かない人材のようだが、
素子の「異質な者がいない組織は緩やかに衰退する」という持論により、あえてスカウトされた。
作中では刑事あがりの情報の収集や分析などで事件の核心や端緒を掴むことが多い。
妻子持ちで家庭では良き父親。
正義感がとても強く、目の前で行われる悪事はどんなことでも見逃せないようである。
義憤に駆られることもしばしば。
使用拳銃に9課制式のセブロを使用せず、マテバ社製リボルバー拳銃を愛用している。


  • イシカワ(CV. 仲野裕)

9課で情報戦を主に担当している。
9課では一番少佐との付き合いが長く、自衛軍時代から少佐の部隊にいる。
少佐をメスゴリラと名付けたのもイシカワ。
副業としてパチンコ屋を営んでいる。


  • サイトー(CV. 大川透)

9課のスナイパー。天才的な狙撃の名手だが、もちろんオールレンジで戦闘が出来る。
左眼の義眼はタカの眼と呼ばれる支援システムで、人工衛星とのリンクで狙撃に必要な情報を取得し精確に狙撃を行う。
システムによる支援無しでも狙撃手としての能力は高く、課員の中ではトグサに次いで義体化率が低い。
昔は国連軍の侵攻を受けたメキシコの暫定政権側の義勇軍に参加しており、その最中に少佐やバトー、イシカワが属する国連軍特殊部隊と交戦。
優れた狙撃術と巧みな戦術で戦闘を有利に進めるも、最終的に少佐との一騎打ちに敗北、その腕を買われて少佐にスカウトされて部下となった。


  • ボーマ(CV. 山口太郎)

イシカワとともに情報戦を主に担当している義眼の大男でバトーよりも大柄。
ウィルスの解析やワクチン作製などその技術力は確か。
しかしよく罠に嵌まる。
軍にいた頃は爆発物を仕掛けることに従事していたためその解体技術も有している。
よくピザ食ってる。


2nd GIGで合田の個別の11人ウィルスに感染発病してしまったということは……。
生身の女に興味が無いという疑惑があるという疑惑がある。



そして漫画版のオマケ「タチコマな日々」ではフィギュアオタクとみられる描写がある。
ボーマェ…


  • パズ(CV. 小野塚貴志)

見た目ヤクザやマフィアな男。
情報収集や内偵などを担当するバックアップ役。
もちろん実戦も行える。実際2nd GIGでは一般人相手に徒手空拳で圧勝している。
かなりのプレイボーイで、曰く、「同じ女と二度寝ない主義」。
この台詞は彼をスカウトに来た少佐にさえ口にした。(ちなみにこの時パズと少佐は初対面である)


9課が9機保有する多脚思考戦車。
高度なAIを搭載しており、性格は無邪気で悪戯好き。
任務による様々な経験で個体差が生まれないように任務終了後に情報の並列化をしなければならない。
にも関わらず、彼らは個体差を獲得していく。
これは物語全体のテーマに深く関わる事柄である。


全タチコマがバトーさんのことが大好き。


S.A.Cの25話および、2nd GIG最終回は視聴者全員の涙腺を崩壊させた。



  • STAND ALONE COMPLEX

記念すべき第1作。放送は2002年。
笑い男事件』を主軸として物語が動く。テーマは薬害。


2024年、日本中を震撼させた連続企業テロが発生する。
それは、後に笑い男と呼ばれるハッカーによって引き起こされたとして『笑い男事件』と呼ばれるようになった。
それから6年経ったある時、一連の事件の捜査を行う警察内部での不審な動きに呼応し、再び笑い男が現れるようになる。
公安9課も事件の捜査を行っていくが、政治家や官僚組織の利権構造の深い闇が見えてきて……。




  • S.A.C. 2nd GIG

第2作目。前作S.A.C.の直接の続編である。放送は2004年。
こちらは『個別の11人事件』を主軸としている。テーマは難民問題。


前作最終回時から2年経過しており、S.A.Cの終盤の衆院選により連合与党が担ぎ出した茅葺を首班とする政権に移行している。


中国大使館において、日本政府の難民政策に不満を持つ個別主義者のテロリストグループによる立て篭もり事件が発生。
事件は秘密裏に行動していた9課により鎮圧されるが、これ以降、個別主義者によると思われる難民への犯罪が横行。
それに反発して難民側にも自主独立した自治区の設置を求める動きが激化するようになる。
日本人と難民の潜在的な対立が、ネットを媒介として徐々に大きくなるなか、それを扇動する内閣情報庁の合田一人という男の存在を9課が知ることになり……。



  • S.A.C. Solid State Society

第3作目。初の長編アニメーションとして制作された。テーマは高齢者問題。
2nd GIGから2年経過している。


難民問題に関する施策が国際的に非難されることを避けるため、
日本政府は崩壊したシアク共和国軍事政権のカ・ルマ将軍の亡命を受け入れた。
しかしカ・ルマとその残党による無差別テロが計画される中、
その残党が謎の超ウィザード級ハッカー『傀儡廻し』によって次々と自殺に追い込まれる事案が発生。
9課はテロの阻止と傀儡廻しを追う中で「ソリッドステート」と呼ばれる存在に気付く……。


原作の攻殻機動隊とは物語の展開を異にし、原作のパラレルワールドとして物語が進行している。
しかしながら物語各所に原作や原作の劇場版のオマージュが散りばめられていて
原作を読んでおくとより物語の理解が深まる。


2011年、3D映画『攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D』としてリメイク。
単なる流行に乗ったデジタル3D化ではなく「観客が電脳化を体感できる」というコンセプトで製作された。



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  • SACは元ネタのヤバさから少し驚いた。 -- 名無しさん (2014-07-02 07:50:05)
  • サイトーさん腕買われてっていうか、腕持っていかれただろwww -- 名無しさん (2014-08-04 02:17:16)
  • 基本的にトグサ視点の話運びでいいのかな -- 名無しさん (2014-08-04 06:57:50)
  • 2期ボロクソに言われてるけど信念 意志を明確に持ってたのはクゼとゴーダぐらいだったし面白かった、追い詰められてばっかな2期クソザコ九課くんは見てて確かに面白くなかったけどね -- 名無しさん (2016-07-08 13:32:14)
  • サイトーさん目視のほうが命中させてる印象 -- 名無しさん (2017-12-28 09:40:39)
  • 10年以上経過した今でも古さを感じさせなくて凄い(OPのCGを除く -- 名無しさん (2019-05-26 13:19:36)
  • SNSの発達でネット世論の流動化が進み、官民問わずインフルエンサーが台頭してきた今こそ二期が再評価されるべきだと思う。人工英雄で大衆を操ろうとする陰謀に、その目論見を超えて出現する真の電脳英雄……2020年代にも通用する恐ろしいほどの“現代性”を持った作品。(すなわち、当時にして予知じみた先見性を備えていたということでもある) -- 名無しさん (2022-04-27 22:09:30)
  • ↑↑↑↑笑い男事件も今回も連合与党の掌だったし -- 名無しさん (2022-06-18 22:53:24)
  • 少数精鋭だから数を生かした狡猾な相手には後手に回りやすいのよね、薬師寺とか一人相手に終始後れを取ってたのはこの辺が一番の要因かなと -- 名無しさん (2023-06-23 13:52:21)

#comment

*1 S.A.C.シリーズでは自衛隊は日本国憲法第9条の改正によって軍に昇格し、「自衛軍」となっているという設定。

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