王家の跡継ぎ/The Royal Scions(MTG)

ページ名:王家の跡継ぎ_The Royal Scions_MTG_

登録日:2021/05/07 Fri 16:30:00
更新日:2024/05/27 Mon 10:56:46NEW!
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mtg プレインズウォーカー マジック・ザ・ギャザリング 双子 共闘 エルドレインの王権 王家 ウィル 王家の跡継ぎ ローアン



《王家の跡継ぎ/The Royal Scions》とは、Magic the Gatheringに登場する双子のプレインズウォーカーローアン・ケンリスウィル・ケンリスのこと。
初出は『バトルボンド』。
項目名は『エルドレインの王権』で登場した際のカード名だが、同時に紹介することを考慮しこの名称とした。



概要

騎士とおとぎ話の次元、『エルドレイン/Eldraine』出身のプレインズウォーカー。双子で一つの灯を共有しているという特異な性質を持ち、そのため片方が別の次元に移動すると同時に移動することになる。
ローアンは稲妻系統の魔法を得意とし、活発で考えるより先に行動するタイプで好戦的、ウィルは氷の魔術を操り、慎重で優柔不断、行動する前にまず考えるタイプと性格は対照的。性格の違いで揉めることこそあるが仲自体は良好であり、戦闘時は互いの魔法を組み合わせたコンビネーションを得意としている。


父は白の領域であるアーデンベイルを治める崇王、アルジェナス・ケンリスであり、年下の兄弟も2人いる……が、現妻のリンデンの子であるその2人と違い、双子はかつて僻境で非業の死を遂げた女性との間に授かった子である……とされている。


性能

ローアンは赤単色のPW。ただしチャンドラとの差別化のため純粋な汎用火力は持たず、やや癖の強い火力やコピー関連の能力を持つことが多い。
ウィルは青単色のPWで、ライブラリーに関わる能力が多いジェイスと違い、相手のクリーチャーを一時的に封じることを得意としている。


王家の跡継ぎ

The Royal Scions / 王家の跡継ぎ (1)()()
伝説のプレインズウォーカー — ウィル(Will) ローアン(Rowan)
[+1]:カードを1枚引き、その後カード1枚を捨てる。
[+1]:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+0の修整を受け、先制攻撃とトランプルを得る。
[-8]:カードを4枚引く。そうしたとき、クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。王家の跡継ぎはそれに、あなたの手札にあるカードの枚数に等しい点数のダメージを与える。
初期忠誠度:5


『エルドレインの王権』で登場したウィルとローアン。時系列的には最初だが、カードとしてはそれぞれ2枚目。
双子の性質を反映し、プレインズウォーカー・タイプを2つ持つ史上初のPW。


1つ目のプラス能力はウィルの能力を表したもので、シンプルなルーティング。エルドレインの王権では「2枚目のカードを引いた時」というサブテーマがあるため、そちらを継続的に達成できる点が強み。
2つ目のプラス能力はローアンの能力を表したもので、持続時間が短いがチャンプブロックと相打ちを封じられるため、ダメージ源としても悪くはない。
奥義は2人のコンビネーションで、4枚ドローしつつ手札枚数分のダメージを与える。ある程度時間はかかるがアドバンテージ面で大きく優位に立てる。ただし《覆いを割く者、ナーセット》などのドロー制限には注意。条件がドローしたらなので、ドロー後の火力まで封じられてしまう


全体的に効果の影響力は小さいが、代わりに初期忠誠度が高く相手にとっては処理しにくい。シナジーを意識して運用すれば継続的なアドバンテージ源とフィニッシャーの双方として役に立つだろう。スタンダードでは《型破りな協力》などの2ドローシナジーを使う【青赤コントロール】で採用される。


不敵な火花魔道士、ローアン

Rowan, Fearless Sparkmage / 不敵な火花魔道士、ローアン (3)()()
伝説のプレインズウォーカー — ローアン(Rowan)
[+1]:クリーチャー最大1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+3/+0の修整を受け先制攻撃を得る。
[-2]:クリーチャー最大2体を対象とする。不敵な火花魔道士、ローアンはそれらにそれぞれ1点のダメージを与える。このターン、それらのクリーチャーではブロックできない。
[-9]:ターン終了時まで、すべてのクリーチャーのコントロールを得る。それらをアンタップする。ターン終了時まで、それらは速攻を得る。
初期忠誠度:5


『エルドレインの王権』のPWデッキのローアン。PWデッキは初心者向けのためカードパワーが意図的に低く調整されているため、説明は割愛する。
ウィルの方は?


ローアン・ケンリス

Rowan Kenrith / ローアン・ケンリス (4)()()
伝説のプレインズウォーカー — ローアン(Rowan)
[+2]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーの次のターンの間、そのプレイヤーがコントロールしている各クリーチャーはそれぞれ可能なら攻撃する。
[-2]:プレイヤー1人を対象とする。ローアン・ケンリスは、そのプレイヤーがコントロールしていてタップ状態の各クリーチャーに、それぞれ3点のダメージを与える。
[-8]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは「あなたがマナ能力でない能力を起動するたび、それをコピーする。あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。」を持つ紋章を得る。
ウィル・ケンリス/Will Kenrith》との共闘
ローアン・ケンリスは統率者として使用できる。
初期忠誠度:4


『バトルボンド』で登場した、カードとしては1枚目のローアン。双頭巨人戦という2VS2のフォーマット向けの性能となっている。
プラス能力は攻撃強制。マイナス能力の下準備でもあるが、自身が倒されてしまっては本末転倒なのでブロッカーはしっかり用意したい。
マイナス能力はタップ限定の全体火力。1つ目の能力が前提となるが、アドバンテージを獲得しやすい。
奥義は能力起動をコピーする紋章の獲得。プレイヤーが対象なのでチームメイトに獲得させることも可能だが、移し替えには要注意。


○○との共闘は普通の共闘*1とは違い、『戦場に出た時にプレイヤー1人を対象とし、そのプレイヤーは共闘指定のカードをライブラリーから手札に加えることができる』という能力も持つ*2。なのでチームのどちらかが双子を出せば、チームメイト(もしくは自分)はもう一方をサーチできる。


ウィル・ケンリス

Will Kenrith / ウィル・ケンリス (4)()()
伝説のプレインズウォーカー — ウィル(Will)
[+2]:クリーチャー最大2体を対象とする。あなたの次のターンまで、それらはそれぞれ基本のパワーとタフネスが0/3となるとともに能力をすべて失う。
[-2]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを2枚引く。あなたの次のターンまで、そのプレイヤーがインスタントかソーサリーかプレインズウォーカーである呪文を唱えるコストは(2)少なくなる。
[-8]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは「あなたがインスタントかソーサリーである呪文を唱えるたび、それをコピーする。あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。」を持つ紋章を得る。
Rowan Kenrith / ローアン・ケンリス》との共闘
ローアン・ケンリスは統率者として使用できる。
初期忠誠度:4


『バトルボンド』で登場した、カードとしては1枚目のウィル。双頭巨人戦向けの調整なのも同様。
プラス能力はクリーチャーの無力化。2体止められるが、それだけなので6マナとしてはやや力不足ともいえる。
マイナス能力はドローと一部呪文の軽減。チームメイトの補助もできるが、ローアン同様に移し替えには注意が必要。
奥義はインスタントとソーサリーをコピーする紋章の付与。リミテッドでは少々使いにくいが、構築では勝利に直結させられるだろう。やはり移し替えに注意。


どちらも互いに連携することを想定しており、ローアンの攻撃強制のリスクをウィルの無力化で軽減する、ローアンの火力をウィルの無力化で射程範囲に収めるといった強力なコンビネーションが可能。ローアンの奥義でウィルの奥義をコピーしてもいいだろう。


火花の学者、ローアン/霜の学者、ウィル

Rowan, Scholar of Sparks / 火花の学者、ローアン (2)()
伝説のプレインズウォーカー — ローアン(Rowan)
あなたがインスタントやソーサリーである呪文を唱えるためのコストは(1)少なくなる。
[+1]:火花の学者、ローアンは各対戦相手にそれぞれ1点のダメージを与える。あなたがこのターンに3枚以上のカードを引いていたなら、代わりにこれは各対戦相手にそれぞれ3点のダメージを与える。
[-4]:あなたは「あなたがインスタントやソーサリーである呪文を唱えるたび、あなたは『(2)を支払い、その呪文をコピーする。あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。』を選んでもよい。」を持つ紋章を得る。
初期忠誠度:2
Will, Scholar of Frost / 霜の学者、ウィル (4)()
伝説のプレインズウォーカー — ウィル(Will)
あなたがインスタントやソーサリーである呪文を唱えるためのコストは(1)少なくなる。
[+1]:クリーチャー最大1体を対象とする。次のあなたのターンまで、それの基本のパワーとタフネスは0/2になる。
[-3]:カード2枚を引く。
[-7]:パーマネント最大5つを対象とする。それらを追放する。それらのコントローラーは、自分がコントロールしていてこれにより追放されたパーマネント1つにつき青赤の4/4のエレメンタル(Elemental)・クリーチャー・トークン1体を生成する。
初期忠誠度:4


『ストリクスヘイヴン:魔法学院』で、両面のPWカードとして登場したローアンとウィル。
共通の常在型能力はインスタントとソーサリーの軽減。自衛手段は多くないため、打ち消しや火力呪文と併用したい。
ローアンのプラス能力は本体火力で、3枚ドローしていると威力が上がる。ターン最初のドローと、2枚ドローする呪文で条件を達成することになるだろう。盤面には影響はないので、あくまでも奥義までの繋ぎ。
奥義は2マナ払うことでインスタントとソーサリーをコピーする紋章の獲得。打ち消しへの耐性を得るのと同義であるため強力で起動自体も遅くはないが、それまでどう守るかが課題となる。


ウィルのプラス能力はクリーチャーの無力化。身を守れはするが、できれば軽減を活かして火力でそのまま処理してしまいたい。
マイナス能力は2枚ドロー。忠誠度は1になってしまうため除去が怖いが、逆に言えば最低限のアドバンテージは確保できる。
奥義はパーマネントを追放してのエレメンタル生成。サイズが4/4と大きめなので、フィニッシャー級の除去か、自分の必要ないパーマネントを追放しての打点形成が主になるだろう。


両面どちらもPWということで取れる選択肢自体は多いが、その選択肢の癖がいずれも強い。どの能力を使っていくかを明確にして運用したいところ。


ストーリー

エルドレインの王権

プレインズウォーカーとして覚醒する以前の出来事。双子はそれぞれエルドレインの異なる宮廷に赴くことを夢見ていたが、王が突如失踪したことで、僻境の奥深くで王を見つけ出すこととなる。


オーコは王を大鹿へと変え、それをエルフの女王であるアヤーラに狩らせることによって、僻境のエルフたちと宮廷の間で戦争を引き起こそうとしていた。
双子と協力者たちによって戦争への突入は避けられたものの、尽力空しく王は命を落としてしまう。そしてリンデンによって隠されていた真実が語られる。

+ 出生の真相-

双子は王=アルジェナス・ケンリスがかつての探索で行方不明になっていた時に、僻境の魔女の薬によって記憶を奪われたアルジェナスと、その魔女の間に産まれた子であった。
リンデンはある日僻境で桶を井戸に運ぶアルジェナスを見つけ、口づけによって記憶と正気を取り戻した。


その桶に満たされていたのは、延命の秘薬の材料となる幼子の血……すなわち、双子は魔女が不死となるためだけに欲した子であり、双子は既に出血で死んでいた
だが、《探索する獣》に選ばれた者には、一度だけ命を甦らせる剣を与えられる。探索に向かう者は、少なくとも一度は死に目に遭うからだ。
そしてリンデンはその力を使って双子を蘇生した……己の探索の完遂と引き換えに。双子の灯を共有するという特異な性質も、一つの蘇生する力で蘇ったことに由来すると思われる。
幸いアルジェナスはその力をまだ使っておらず、剣の力によって王は蘇生した。


だが、真実を知り、それを伝えてこなかったことにローアンは激高。失望と怒り、稲妻と冷気の奔流とともに、双子はエルドレインではない何処かへと引かれていった。


バトルボンド

ケイレムの武勇の場で力を試すために、エルドレインでの恩から保護者役を買って出たガラクの付き添いで訪れている。なぜ力を試そうとしているかを知る者はいないが、互いを強化するその力は侮れないものだと、相対したものはすぐに理解することになる。


ストリクスヘイヴン:魔法学院

ケイレムの武勇の場で栄誉を手にしてからしばらくして、カズミナから魔法学院へ来ないかとの誘いを受け、プリズマリ大学への入学を決める。ガラクは置いてきたのでリリ……オニキス教授も安心
だが、その裏では魔道士狩りの組織、オリークの陰謀が蠢いていた。
その一方で、ウィルは二人で協力して魔法を放った時、今まで完璧だったはずの連携が崩れたことに違和感を覚え……?



追記と修正、うまく行くと思ってる?」とウィル。 「まさか。」とローアン。「でも、もしも成功すれば、すごい項目が出来るわよ。

[#include(name=テンプレ2)]

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  • 必ずセットでプレインズウォークするって設定上どっちかしか出ないセットは刷らないしカード作る上での制約が多くて大変そう -- 名無しさん (2021-05-07 16:36:18)
  • 保護者枠のガラクが出なかったのはオニキス教授と会わせないためってのもあったのか… -- 名無しさん (2021-05-07 16:38:46)
  • ↑2 特に難しい設定もないのに1セットで出なくなるPWもいるわけだし、難しい設定ひっさげながらもこんだけカード化されてりゃ今後出なくても十分といえば十分かもしれない -- 名無しさん (2021-05-08 02:42:03)
  • ティボルトなんてなんだかんだ話題になりながらも灯争対戦を除けばカルドハイムまで出てこなかったし -- 名無しさん (2021-05-08 21:17:31)
  • ひょっとして二人の色の組み合わせ、『バトルボンド』の時点で出自に関する設定が固まっていたならば(少なくともドビンやケイヤはラヴニカでの決戦でボーラスの手下として出る人物としてデザインされた構想が決まってからそれ以前のカードセットで先行登場することになったことが明かされている)母親の正体の伏線だったのかな……?赤と青の共通点といえば……? -- 名無しさん (2021-05-08 21:38:48)

#comment

*1 共闘を持つ2枚を同時に統率者として使える
*2 代わりに指定されたカードとの組み合わせでしか統率者にできない

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