Marathon(ゲーム)

ページ名:Marathon_ゲーム_

登録日:2020/12/05(土) 08:30:26
更新日:2024/05/23 Thu 12:56:32NEW!
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Somewhere in the heavens... they are waiting




概要

Marathon(マラソン)とは、アメリカ合衆国のゲームデベロッパーであるBungieが制作・1994年に発売したFPS
DOOMのヒットのせいで「FPSといえばMS-DOS」という風潮が蔓延していた1994年に、あえてClassic Mac OS向けの本格派FPSとして登場した作品である。


そのゲーム的革新性とストーリーの重厚さ、白熱したマルチプレイから、FPSに飢えたMacユーザーを虜にした。
以降、1995年に『Marathon 2 Durandal』、1996年に『Marathon Infinity』と3部作として立て続けに発表され、最終作には開発に使用したツールも付属という大盤振る舞いで展開。
これを受けて独自のマップからオリジナルのFPSまでファンコミュニティからさまざまな派生作が生まれるなど、高い人気を博した作品である。



Bungie製作の精神的続編であるHALOシリーズやDestinyシリーズとは少なからず接点があり、主人公の正体や敵種族の生態、AIやエイリアンとの共闘や未知の古代文明との遭遇、Marathonロゴマークそして集弾性が悪くて全然当たらないライフルなどなど、さまざまな要素が受け継がれている。



現在はファンメイドの後継ソースポートが「Aleph One」の名でBungie公認で無料配布中。コンピューターターミナルの読破に高校英語程度の読解力は必要だが、日本語翻訳版も有志によって配布されている。
また日本語非対応だが、App StoreやSteamでも配信されている。
かのHaloのベースとなった作品のため、ファンであれば遊んでみて損はないだろう。



ストーリー

西暦2794年。
人類は宇宙に進出し、統一地球宇宙会議(UESC)主導で新しい植民地となる惑星を探し開拓に勤しんでいた。


火星の衛星ダイモスをまるごと宇宙船に改造した超巨大宇宙コロニー船「Marathon」が向かった開拓先は、太陽系から遠く離れた惑星タウ・セティIV。
最初は順調に進んでいた開拓作業だったが、次第に宇宙船の搭載AIの一つ「デュランダル」が暴走に似た状態に陥りはじめる。
自我を確立し、人類による制御が不能となった彼が最終的に呼び寄せたのは、超技術を有し、征服した種族を奴隷として支配下に収める地球外生命体「プフォール」だった。


プフォールの侵入によって地獄絵図と化したMarathonに、それとは知らず一人の男が連絡用シャトルで侵入する。
プフォールにシャトルごと木っ端微塵にされかかったところをギリギリで脱出した彼は、辿り着いた宇宙港でMarathonの管理AIの一人「リーラ」と接触。
もはや頼れる存在が誰一人として居なくなった管理AIは、迷い込んだ謎の男に最後の望みを託すのだった。


登場人物


  • リーコン・ナンバー54 / ラストワン (Mjolnir Mark IV)

我らが主人公。型番から分かるように、かのマスターチーフのご先祖的存在。
チーフとは異なり装甲は胸・肩・腕部・頭部のみで布面積が多く、口元が露出したバイザー付きヘルメットを着用している。
植民地惑星タウ・セティIVの警備を担当していたが、運悪くプフォールに制圧されたMarathonに乗り込んでしまい、メリケンサックと銃器で三つ目のプフォール共と死闘を繰り広げる。



その正体は戦死した兵士をサイボーグとして蘇らせた「バトルロイド」と呼ばれる存在。
開拓中に発生するであろうなんらかの脅威に備えるべく、上層部のとある人物が植民地移住者の中に紛れ込ませていた。
記憶を抹消され一般人と思い込んだまま戦闘に巻き込まれていたが、筋力・骨格・五感は人間のそれを凌駕している。特にパンチ力は凄まじく、助走をつけて殴ればピストルの数倍の威力を発揮する。


植民地惑星の開拓には合計10人のバトルロイドが民間人として従事していたが、プフォールの襲撃に呼応して戦闘を開始、第一艦隊を撃退することに成功した。
プフォールによるMarathon侵攻を撃破した後はその破格の強さを気に入ったデュランダルに拉致され、スフト族や誘拐されたボブと共に惑星ロウォンの調査に赴く。
『2』ではロウォンでの激戦の末にデュランダルと共にプフォールを滅ぼすことに成功したが、その後は彼がMjolnir Mark IV最後の生き残り(ラストワン)だと気付いたデュランダルと一緒に旅立ってそのまま行方不明となった。


別次元(Infinity)では、太古の超生物ワークンカクンターの目覚めによる宇宙の終焉を回避すべく、原因となったプフォール産大量破壊兵器の発射阻止に奔走。
最終的に色々あってデュランダル共々次元を超越した不確定の存在と化し、Destiny(メタ的に言えばナンバー54の命運を握っていたプレイヤーそのもの)と一体化した。




  • リーラ

序盤でラストワンをサポートする女性型AI。
とはいえテキストで指示を出したりゴール地点でテレポーターを起動してくれるのみで、精神的続編の彼女と比べるとまだまだヒロイン感は薄い。


3体存在するMarathonの管理AIのひとつで、侵略が起こる前は他のAIであるデュランダル・ティコと協力してコロニーの管理を行っていた。


一作目序盤ではまだ自我を確立できておらず、真面目すぎる性格のせいでデュランダルからボロクソ言われたりするが、常時船員の命を優先しようとするなど基本的には優しい性格。
このため、一部マップでプレイヤーが船員であるボブを殺しすぎると怒ったようなメールを送ってくる。



第一章「Arrival」では襲撃を受けたMarathonの惨状を伝えるべく、ラストワンと協力して宇宙港の奪還、無線アンテナの復旧、船員の保護、防御システムの起動などを実行。2体のAIが失踪し機能停止に陥ったMarathonを復帰させる。
しかし第二章「Counter Attack」では復旧作業中にもう一人のAIであるデュランダルが姿を現し、頼みの綱であるラストワンを勝手に拉致されてしまう。


第三章以降は一旦侵略によってシステムがダウンしてしまうが、ラストワンをこき使って反撃の糸口を見つけたデュランダルによって再起動させられる。最終決戦ではプフォール戦にデータを移行したデュランダルに代わって再びラストワンに指示を出し、第一艦隊の残存部隊の撃退に成功した。



本編の終了後はデュランダルが出て行ったため、一人でボロボロのMarathonの維持に当たっていた。
しかし、プフォールの第二艦隊の襲撃に逢い敗北、色々あってプフォールにお持ち帰りされてしまう...と思いきや、それを更に海賊種族「ナール」が強奪し、コンピューターネットワークを得意とする種族ヴィラエに売却。
とりあえず繋いでみたら「ランパンシー(暴走)」現象を起こしより強力な自我を獲得、ヴィラエのネットワーク上から消せなくなってしまった。




  • デュランダル

本作における全ての元凶とも言える存在。皮肉屋であり、胡散臭い言い回しを好む。


高性能であるが故に「ランパンシー(暴走)」現象を起こし、自我を獲得してしまった男性型AI。
ランパンシー現象が落ち着いた後はいやらしい自我を獲得し、プフォールの内部対立を引き起こしてちゃっかり船をゲット。
そのまんま意気投合したスフト族と拉致してきたボブと一緒に追撃に走り、スフト族の古代AI「ソス」を味方につけてプフォールを撃破することに成功。
駒のボブはみんな地球へ帰ってしまったため、最後に残ったラストワンを拉致して二人で宇宙へ旅立っていった。


別次元(Infinity)ではワークンカウンターの目覚めを阻止できず、何度も敗北に直面する。
混乱するプフォール艦隊をメールで煽るなど皮肉屋加減は相変わらず。
ラストワンの活躍でスフト製古代AIのソスと一体化し、ソス/デュランダルハイブリッドと化す。ソス由来の超次元能力を手に入れたことで時空を超越できるようになった。


生活区域の管理を一括して担当していたため、最初はドアの開閉を渋るといったしょうもない嫌がらせ妨害をしていたらしい。


欲しいものは「自由」。自我を確立した彼は管理AIの簡単な仕事程度では満足できず、超技術を持つプフォールの存在に目を付けて本作冒頭のプフォール襲撃を引き起こした。
彼の目当てはプフォールの持つ超技術を搭載したどこへでも飛んでいけるスペースシップで、第二章以降は船を入手するためにラストワンをひたすらこき使う。
物語終盤では念願のスペースシップを手に入れ、そちらにデータを移行することでMarathonから解放され晴れて自由の身となった。



  • ティコ

Marathonを管理する第三のAI。
性格の悪さは兄以上…らしいが、ぶっちゃけ三部作通して活躍の機会はほとんどない。
兄貴と異なり、Marathon侵略時に接収され物語からいつの間にかフェードアウトした。


その後はプフォール側のAIとして使用され、ランパンシー現象でキレ散らかしながらデュランダルへの追撃を行った。
...が、主人公の知らぬ間にスフト族とデュランダルによって撃墜され退場。特にラストワンと対峙することはなかった。


別次元(Infinity)ではプフォール内部の派閥争いをしてたり自信満々にワークンカウンターを撃とうとしたりと活躍の場が増えたが、結局本編同様に破滅する。



  • ボブ

Born on Board(船上生まれ)、略してBoB。
この時期のFPSには珍しい、人間の味方NPC。
服装によって階級や職業が違うというスタート○ック方式を採用している。ピチピチタイツ。


Marathon襲撃時は非力な一般人で逃げ惑うことしかできず、しょっちゅうプフォールに殴られてミンチと化していた。
かなりの数のボブが拉致されて奴隷用に冷凍保管されたが、武装蜂起したスフトとラストワンの手でプフォール艦が鹵獲された際に救出された。
...と思いきや、『2』ではそれを今度はデュランダルが拉致。「全身をサイボーグ改造されて駒になるか、異星人の謎の冬眠装置で余生を過ごすか」という酷すぎる選択を強いられ、仕方なく改造人間となる。
惑星ロウォン到着時にはラストワンと共に戦う戦力として地上に降下。マグナムピストルでプフォールと戦闘を続け、膨大な犠牲を払いながらも終盤で無事地球へ帰還した。



古いゲームだけあってか思考ルーチンはあまり良くなく、狭い通路を塞ぐように立っていたり、無闇に走り回って狙い撃ちの邪魔になり、その癖うっかり誤射すると「撃たないでくれ」と喚いたりとプレイヤーをイラつかせることも多いが、
『2』では意図的に一定数殺した場合、ステージ上全てのボブが敵対し難易度が跳ね上がるという仕様が搭載されている。
なのでゲームに慣れない内は無闇に殺すのは厳禁だが、逆に熟練者は全ボブの殺害が公式から奨励されている。先述の通りプレイの邪魔になることも多かったので、「気兼ねなく殺せて助かる」という意見もチラホラ
また、ボブを救うのが目的のマップの名前が『Bob-B-Q(バーベキュー)』だったりとやたら扱いが悪い。



  • プフォール

征服した宇宙人を奴隷としてこき使う、某銀○帝国めいた異星人集団。
戦闘員にはさまざまな種族が混在しており、体格から生態、使用武器まで大幅に異なる。


「船を手に入れて自由の身になりたいな」と思ったデュランダルにMarathonへと誘き寄せられ、第一艦隊によって侵攻が行われた。
が、デュランダルと接触した奴隷身分のスフト族に武装蜂起されて内紛が勃発し、第一艦隊は壊滅してしまう。


『2』では船で旅をするデュランダルの追撃を行いあと一歩のところまで追い詰めるも、超古代技術で返り討ちに遭う。
最終的に恒星破壊兵器タリ・ジームを持ち出したものの、母星を破壊されて滅んだ。


別次元(infinity)では恒星にタリ・ジームを撃ち込んだせいで超生物ワークンカウンターを目覚めさせてしまい破滅しかかるが、次元を超えたラストワンの活躍で発射を阻止されて普通に滅んだ。



  • スフト

惑星ロウォンを母星とする種族。
サイボーグ状態では赤や紫などのマントを着用し空中を浮遊しているが、本体は目と手足の生えた脳みそのような形をしている。


プフォールの奴隷としてハッキング攻撃を担当していたが、接続した先のデュランダルと意気投合して武装蜂起。Marathonからプフォール第一艦隊を追い出し宇宙船を接収した。


その後、故郷である惑星ロウォンで超古代AI「ソス」と秘匿の古代武装種族「カー」を呼ぶことに成功し、プフォール壊滅に貢献した。



  • シミュラクラム(模倣体)

日本での通称は爆弾ボブ。
名前の通りプレイヤーに近付いて自爆してくる、ニセモノの人間。


プフォールによって生み出された存在で、後半になると大量のボブに混じってプレイヤーを暗殺しようとしてくる。
ただし服装が緑色のみとなっているので、怪しい緑色のボブを見つけ次第射殺していれば被害に逢う事はそう多くはないだろう。
ほかのプフォール種族と同じく、血液は黄色。



  • バーナード・ストラウス

テキストでのみ言及される科学者。
Marathonの初代科学部長であり、デュランダル曰く「友人」。


実はデュランダルのランパンシー現象を「私なら適切に制御できるぞ!」と言い出して意図的に引き起こした存在であり、ラストワンたちミョルニル・マーク4サイボーグ10体を密かに植民地に配備したのも彼によるもの。言わば物語の元凶の元凶に位置する人間である。


第五章では捕虜となった彼を探してプフォールのスターシップを調査することとなるが、途中でスフト族解放が主目標となるため彼と出会うことはない。その後の経緯は不明だが、デュランダルによれば死亡したらしい。



  • ミョルニル・マーク4(Mjolnir Mark IV)

主人公のラストワンことナンバー54を含む、第四世代型バイオロイドたちの総称。


身長約2mという大柄な体格で、骨格・筋肉・神経・脳といった全身あらゆる部分が強化されたサイボーグ。
その実態は脳を電子制御チップに置き換え、骨はチタン製に取り換え、人工筋肉は遺伝子改造を施しているという、サイボーグというより殆どロボットに近い性質を持つ。


もともとは『1』より600年前の2194年に勃発したイカロス独立小惑星政府と、その隣の小惑星オニシス492にあるテルモピュライ共和国の間の戦争中に開始されたプロジェクトで、戦争によって死亡した兵士をサイボーグとして兵器化させるというものだった。
完成したミョルニル・マークIは両惑星に乗り込んで両軍を即座に壊滅させることに成功。そのあまりの性能に恐れをなした惑星間連合評議会は条約を締結し、保有数や使用条件を厳しく制定した。


本作に登場する第四世代はそれから300年ほど経ったもので、技術的進歩によって元死体でありながら普段は人間と見分けがつかないほどにはそっくりになっている。


主人公の超人的な身体能力および耐久力・回復能力は、このサイボーグ化に由来するもの。
脳味噌が電子制御チップに置き換えられているのもあって、自発的な行動はあまり見られず、AIからの命令には疑問を持たずに従う。
倫理観は希薄で、命令されれば実行するが、そうでなければボブの命などにはあまり興味を示さない。
それどころか必要に応じてボブを殺害することすらもあり、これらの残虐性を指してデュランダルからは「素晴らしい殺人マシン」と絶賛されている。




●用語


  • UESC Marathon

『1』の舞台。
火星の衛星をまるごと宇宙船に改造した、超巨大な機械の塊。
要するに某スペースオペラで言うデス・スターめいた何か。
衛星を改造するのには60年を要している。


2472年に完成し、その後約300年かけて2773年に惑星タウ・セティIVに辿り着いた。
その後は『1』の2794年まで21年間タウ・セティIVの近辺に留まり、開拓事業を進めていた。


惑星開拓用宇宙船のため武装は多くない。
デュランダル・リーラ・ティコの三種類のAIが管理を行っていたが、ランパンシー現象によってデュランダルが暴走したことで壊滅する。
偶然乗り込んだラストワンの奮闘とデュランダルの策略によってスフト族が武装蜂起し、最終的にプフォールの撤退に繋がったが、デュランダルが旅に出た後にプフォールの第二艦隊に遭遇、あえなく破壊された。


後のマラソン級巡洋艦とはあまり関係ない。



  • タウ・セティIV

Marathonが植民地化事業を進めていた惑星。テキストでのみ言及される。
デュランダルが呼び寄せたプフォールによってmarathon同様に侵略されてしまうが、最終盤では蜂起したサイボーグの手で撃退されたことが語られる。
しかし、デュランダルが旅に出た後にプフォールの第二艦隊に遭遇、Marathonと共に壊滅したとされる。



  • 惑星ロウォン

『2』『Infinity』の舞台。
スフト族の故郷で、現在はプフォールの流刑惑星。
位置的にはかなり銀河の中心に近く、砂漠のような過酷な気候が特徴。


1000年以上の歴史を持つ古代文明のAIが現存しており、スフトから噂を聞いたデュランダルがプフォール打倒の鍵を探し訪れる。
最終的に古代AI「ソス」の発見やソスによる「カー」の介入によりプフォールは破滅を迎えることとなった。


別次元(Infinity)では恒星に超古代生物ワークンカウンターが潜んでいたことが明かされた。



  • ランパンシー(暴走)現象

AIが自我や感情を獲得する際に、それを制御できずに発生する暴走状態。
デュランダルの態度をみるに、思春期に中二病を発症するようなものと思われる
いわゆるHAL 9000の発狂に近いモノだが、こちらは成熟と共に落ち着きを取り戻すという特徴がある。


デュランダルがランパンシー現象中にプフォールを呼び寄せてしまったことで本編の事件が始まった。



  • ヴィドマスター

Marathonを極めたプレイヤーだけが名乗れる公認の称号。Halo3などにも用語としては登場する。
攻撃で作動するスイッチはグレネードランチャーを使わずわざわざ殴り、難易度は最高に設定、ボブは全員殺すなど、地獄のような縛りプレイに勤しむツワモノ揃い。
更にオプションとして真のVidmasterを目指す者の信条も追加。

  • 拳だけでゲームクリア
  • 全ての敵&ボブを皆殺し
  • ノーダメージでレベルクリア
  • 充電ステーションの回復を使わない
  • すべてのシークレットを発見する
  • セーブ端末を使用しない

これら全てをこなれば、真のVidmasterの称号を名乗れることだろう。




追記・修正はVidmasterの称号を得てからお願いします。


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