タイムホロウ ~奪われた過去を求めて~

ページ名:タイムホロウ _奪われた過去を求めて_

登録日:2020/10/24 (土曜日) 11:11:45
更新日:2024/05/23 Thu 10:48:54NEW!
所要時間:約 21 分で読めます



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もし、自分に過去を変える力があったなら―。



タイムホロウ ~奪われた過去を求めて~』(TIME HOLLOW)とは、2008年にコナミより発売されたニンテンドーDS用ソフトである。ジャンルはアドベンチャー。



【概要】

主人公が過去に干渉する力を持つアイテム「ホロウペン」を使用して、過去を改変していきながら、真実に迫る内容のアドベンチャーゲームである。


ストーリーは「過去改変」「タイムパラドックス」をテーマに、過去のどこを改変したら現在はどう変わってしまうのか、というのを徹底して描いており、それによって失った元の日常を取り戻すという内容になっている。ストーリーそのものはテンポ良く、引き込まれる内容のシナリオとなっている。
また時折アニメーションが挿入され、DSというハードスペックの割に画質は良好。BGMのクオリティも高く評価されている。


ただ、問題点がないわけではなく、

  • シナリオがほぼ一本道でかつ、数時間でクリアできるほど短い。
  • 推理要素が含まれるが、初見でもゲームオーバーにならずにエンディングを迎えることが可能なレベルの難易度。
  • UI面やストーリーを進めるためのフラグが不親切で、ゲームオーバーにはならないが一度迷うと中々先に進めない。

などが挙がっており、発売当初から「内容と価格が釣り合っていない」と言われ、この手のアドベンチャーゲームの宿命か、発売されて1年もしないうちにワゴンセール行きになってしまった。
だがこれらの問題点、特に「シナリオが一本道でかつ短い」という欠点も、「ストーリーが良かったからこそ」余計に際立ってしまった部分もあり、評価点の裏返しだったとも言える。そのため、ニンテンドーDS及びその後継機であるニンテンドー3DSが生産終了となっており、ワゴンセールなどでワンコインで買える今だからこそ、手にとってプレイしてみてほしい作品である。




【あらすじ】

もし、自分に過去を変える力があったならー。


父と母と3人で暮らす普通の高校生・時尾歩郎は、17歳の誕生日を迎える前の日の夜、不思議な夢を見る。
それは火事に巻き込まれた両親が、宙に浮かぶ不思議な穴へと消えていく光景、そして行かないでと叫ぶ幼き日の自分。


その翌朝、歩郎が目を覚ますと何やらおかしいことに気付く。部屋は昨日までと微妙に異なっているし、なぜか家にはたまにしか顔を出さない叔父の保が住んでいる。
両親のことを周りに聞いてみると、2人は12年前から行方不明となっており、そのため歩郎は今、叔父の保と2人暮らししていることになっていた。


自分が両親と暮らしていた昨日までの生活は、夢だったのか?
そう思い悩んでいた歩郎だったが、「同じ場所の過去の時間に通じる穴を開く」という不思議な力を持つ「ホロウペン」を手に入れたことで、自分の周りで不可解な事件が次々と起きるようになる。


歩郎は、大切な人たちを守るため、そして両親と暮らしていた昨日の続きを取り戻すため、ホロウペンで過去を改変させながら大きな謎に立ち向かっていくのだった。


奪われた過去を求めてー。




【キーワード】

  • ホロウペン

時尾家に代々受け継がれてきたボールペン型のアイテム。「同じ場所の過去の時間に通じる穴を開く力」を持ち、その穴を通じて過去に干渉することで、過去の事実を書き換え、タイムパラドックスを発生させることができる。ホロウペンはホロウペンの継承者及び、資格者にしか視認することはできない。


「改変可能な過去をペンの所有者が知っている状態」で、「改変すべき場所に来る」とペン先が光り、力を行使できるようになる。ペン先が光ったホロウペンで空間に円を描くと、そこに過去の同じ場所に通じる穴を開けることができる。これを「ディギング」と呼ぶ。
ただしホロウペンで繋げられる過去は、ペンの所有者がディギングでつなぐ先の過去の状況を完全に理解できている状態でなければならないため、まずは頭に焼き付いたフラッシュバック(後述)の状況を調べて理解する必要がある。


なお、ペンの力を行使する間はペン所有者がいる現在の時間及び、穴を開けた先の過去の時間は停止状態になり、ペンの使用者などの過去改変の影響を受けない人間以外は動けなくなる。また、過去改変はホロウペンで開けた穴を閉じた瞬間に発生し、同時に停止していた時間も動き出すようになる。


ペンの力を使用するには使用者の寿命を消耗するとされており、歩郎はのちに病院で検査してもらった際に、医者に「年齢の割に肉体が老けている」と診断されていた。



  • フラッシュバック

一般的には、脳に焼き付いた過去の光景が瞬間的に頭に浮かぶ現象のことを指す。
今作においては過去改変が発生した際に、過去改変の影響を受けない人物が改変によって結果が変わった事実をフラッシュバックという形で断片的に見えるようになっている。ただし、たまに改変した過去とは関係ない過去の光景がフラッシュバックに出てくることもある。


歩郎はこのフラッシュバックで何が起きたのかを調べることで、次に改変しなければならない過去を探すというのを基本的な行動スタンスとしており、フラッシュバックの状況を完全に把握することで、歩郎はホロウペンを使用することが出来るようになる。


なお、ゲーム中では手に入れたフラッシュバックの状況が章を跨いで判明するということがよく発生する。



  • 時間の流れから外れる

ホロウペンで開けた穴を潜った先で起こる現象のこと。ホロウペンで穴を開けた過去と現在とで時間軸が異なるためか、穴を潜った者は「時間の流れから外れる」という現象が起き、異なる時間軸にいる間は老化現象が停止し、ホロウペンによる過去改変の影響をうけなくなる。
ホロウペンの所持者が穴を潜って時間の流れから外れた場合は、寿命の消費ができなくなるため、元の時間軸に戻るまではホロウペンの所有者としての資格を失ってしまう。




「現在の時間軸の人間」が穴を潜って過去へ飛ぶと、現在においては「過去に飛んだ人間」と「飛んだ先の過去に元々いた人間」とで、「過去に同一人物が2人いた」という事実が出来上がるが、その片方は現在の時間軸においてたった今「過去に飛んで存在しなくなった」ため、現在の時間軸においては「同じ人間は一人しかいない」ということになる。
それを過去へ飛んだ人間自身に当てはめると、飛んだ先の過去でもう一人の自分が存在することになるが、その過去の時間軸での時間が「過去に飛んだ元の時間」になると、そこから先は「同じ人間は一人しかいない」という事実により、過去の時間軸に元々存在した方は残り、過去に飛んだ方の人間は消滅してしまうことになる。


つまり「過去に送ったものは、過去に送った元の時間を越えて存在し続けることはできない」のである。これについては少々複雑で、劇中でも「今、目の前にある大金を5秒前の過去に送るとどうなるか」のたとえ話で説明されているが、理解できなかった人も多かったのではないだろうか?
このケースが適用されて消滅した人間は劇中では2人登場する。


なお、逆に「過去の時間の人間」を現在の時間に引っ張ってきたケースも劇中では描かれているが、この場合はどのような問題に発展するかについては不明。




【登場人物】

主要人物

  • 時尾 歩郎

本作の主人公。加古高校2年生。趣味は時計集めで、17歳の誕生日プレゼントにも新しい時計を希望していた。
17歳の誕生日を迎えた朝、昨日まで一緒に生活していた両親が、12年前に失踪して行方不明という状態になっていた。
この奇妙な出来事を解決するためにホロウペンを手に取り、事件に関わっていく。
至って普通の高校生だが、事件を一人で解決しようとする勇敢さを持っているが、やや無茶しがちな部分もある。
また、過去改変で本来は事件に巻き込まれなかった筈の人間の怒りや悲しみを黙って受け止めたり、
過去改変によって自分の立場が悪くなっても、そのことに嘆き悲しんで誰かに八つ当たりしなかったりと、精神面においてはタフで理性的。
過去がいきなり変わることで周りの状況がすぐに飲み込めず、友人たちから変に思われることもしばしば。



  • 十二林 かのん

本作のヒロイン。
歩郎の両親が12年前から行方不明の状態になってから、いつの間にか歩郎のクラスメイトになっていた長髪の女子生徒。
何故か過去改変の影響を受けず、ホロウペンの存在を知っており、歩郎の動向を監視している。



警告
ここからは物語の核心に関わるネタバレがあります。この先の内容を読みたくない方は上記の「ネタバレ」を押して閉じて下さい。




















実は歩郎の叔父の保や、現在はアンティークショップ「アイオーン」の店長を勤める一柳とは同級生で、ホロウペンで開けた穴を潜ったために外見が16歳のときのままになっている。


歩郎の動向を監視するように指示したのは一柳で、現在は一柳と行動を共にしている。保とは長い間会っていないらしい。



+ 更なるネタバレ-

警告
ここからは物語の核心に関わる更なるネタバレがあります。この先の内容を読みたくない方は横のボタンを押して閉じて下さい。




















かのんが潜ったホロウペンの穴を開けたのは、保の兄にして歩郎の父親である時尾亘。
亘がホロウペンを使用した理由は、高校当時保と相思相愛の関係にあったかのんが、ある日学校の屋上から何者かに突き飛ばされて落下死してしまい、保も後を追って自殺してしまったためである。そのため、亘は保の自殺の事実を消すために、ホロウペンで過去からかのんを連れてくることで、かのんが死亡する事実を消したのだった。
その後、かのんは自身を失踪扱いにして、亘が自分を元の時間に戻す方法を見つけるのを待っていたが、亘はその方法を見つけることが出来ないまま、12年前の火災事故に巻き込まれて行方不明になってしまう。


そしてそこにもう一つのホロウペンの継承者である一柳が現れ、一柳から自分を過去に帰してもらう代わりに、自分と行動を共にして協力するように求められ、かのんはそれを承諾する。そのためそれ以降、一柳の指示でホロウペンの継承者となった歩郎の監視を行っていた。いつの間に歩郎のクラスメイトになっていたのも、歩郎を監視しやすくするために一柳が過去改変した結果によるもの。
しかし、一柳が最初から自分を元の時間に帰す気がなく、一柳の復讐の道具にされていただけだったことに気付き、一柳との取引を反故にして歩郎に協力するようになる。


後に、かのんを学校の屋上から突き落としたのは一柳であり、一柳こそがかのんの運命を大きく狂わせた張本人だと発覚した。
最終的には全ての問題が解決したことで、かのんは元の時間で幸せな人生を取り戻した。



  • 時尾 保

歩郎の叔父で、歩郎の父である亘の弟。昔の事件を追うフリーライター、
性格はやや荒っぽいものの、心の内に優しさを秘め、自分の大切なもののためにその身を投げ出す覚悟も持ち合わせた男。
歩郎の両親が12年前に失踪したことになって以降、歩郎の親代わりとして一緒に暮らしている状態になる。保が歩郎の家に住まうようになってからは、自分の書斎を増築しており、そこを自室として使用している。
歩郎の両親が行方不明の状態になる前は、金銭に困って時折亘に金を貸してくれるように頼みに来ていた。


かのんの元同級生であり、かのんとは将来の夢を語り合う等、相思相愛の関係だった。


喫茶「黒の巣」を開業したのは保で、喫茶店経営は高校時代からの夢だった。現在、フリーライターをやっているのは、黒の巣の経営状況が悪化して店を売り払ったからだが、これには亘のホロウペンによる介入もあったようだ。
フリーライターになってからは35年前に一柳の母親がなくなったバス事故や、かのんの失踪の件、12年前の歩郎の両親の失踪についても調べていた。



+ 更なるネタバレ-

警告
ここからは物語の核心に関わる更なるネタバレがあります。この先の内容を読みたくない方は横のボタンを押して閉じて下さい。




















今作の真の主役。


保の高校時代の同級生であった一柳が目的としていた、時尾家への復讐は「一柳の母親の死」が原因で、その原因も大元をたどると「一柳がかのんに異様な執着心を抱き、かのんを殺害してしまう」という事実を変えられないことが根本的な問題だと結論付けた歩郎に対し、保はかのんが学校の屋上から突き落とされる時間へ行って、一柳からかのんを守り続けることを決意する。


それから歩郎のホロウペンで開けた穴から過去へ飛んだ保は、一柳がかのんのことを諦めるまで陰で守り続けたが、最終的には元の時間に帰ることができず、「過去へ飛んだ者が、飛んだ元の時間を越えて存在し続けることは出来ない」という運命に従い、消滅した。
その今わの際に保は歩郎に遺書ともいうべき別れの手紙を送っており、そこには「かのんが未来を取り戻し、もう一人の自分(保が飛んだ過去に元々いた保)と共に幸せに生きていることに満足している」と綴っており、歩郎に感謝と労いの言葉を送っていた。


なお、エピローグに登場する保は、かのんを助けるために保が飛んだ過去に元々いた「もう一人の保」であり、かのんと結婚した「もう一人の保」は喫茶「黒の巣」のマスターとして、夫婦睦まじく経営している。



  • 時尾 亘

歩郎の父親で、保の兄。年齢の割に老けて見える。
秋の薄味の料理を(自分で塩や醤油を加えたりはするが)黙々と食べているものの、本人としては濃い味のほうが好み。
歩郎が17歳の誕生日を迎えた日を境に、12年前から行方不明の状態になる。


亘は時尾家における先代のホロウペン継承者であり、歩郎の前のペン所有者であった。年齢の割に老けているのはホロウペンを使用していたことの弊害。


歩郎は17歳の誕生日の前日に「両親が火事に巻き込まれて、不思議な穴を潜っていく」という不思議な夢を見ているが、これは現実に12年前に起きた出来事で、亘と妻の秋はレストランの火災事故に巻き込まれて、その際に未来から開けられたホロウペンの穴を潜ったために失踪したことになっていた。



+ 更なるネタバレ-

警告
ここからは物語の核心に関わる更なるネタバレがあります。この先の内容を読みたくない方は横のボタンを押して閉じて下さい。





















後に、亘と秋が火事に巻き込まれたのは一柳によって過去改変されたせいであり、その際に2人が潜った穴は歩郎自身が両親を救うために開けたものだったと発覚。そのため、両親は12年前から穴を潜って現在に飛び越えてきたのが失踪の真相であり、厳密には失踪というより12年間存在が世界から喪失していたというのが正しい。


歩郎は両親を穴の向こうから連れてきて一時的とはいえ救ったことで、変わった形であるが両親と再会することになる、その後は12年前から現在にへ引っ張ってきた亘たちを元の時代に戻せるようにすることも、歩郎の新たな課題となる。



  • 時尾 秋

歩郎の母親。昔から不思議なことにはなれていたのか、非常にマイペースで余程のことがない限り驚かない。
料理の味付けが薄く、塩や醤油を付け加えないと味がしないらしく、歩郎もその点をよく注意しているが、本人としては直すつもりは全くないようだ。
昔は亘の好みに合わせていたようで、味付けは濃かったらしい。
歩郎が17歳の誕生日を迎えた日を境に、夫の亘と共に12年前から行方不明の状態になる。



  • フォ郎

歩郎の飼い猫。歩郎の持つホロウペンはフォ郎の首輪にくっ付いていたもの。
よく外を散歩しており、町のいろんなところで見かけることがある。
エピローグでは歩郎たちがフォ郎の意外な謎に迫る展開があるが結局は謎のまま。



加古高校

  • 三原 元樹

歩郎の幼馴染の一人で加古高校2年。マイペースでぼんやりとした性格。
昔はバスケをやっていたが、幼い頃に怪我をして現在はやっていない。
妹の和織とは口喧嘩が絶えないが、内心では和織のことをとても大切に思っている。



  • 四堂 駿太

歩郎の幼馴染の一人で加古高校2年。お調子者で自他認める美人のお姉さん好き。
少々気が弱いところもあるが、怒ると手がつけられなくなる癇癪持ちであり、仲間の中では三枚目担当兼トラブルメーカーといった感じが強い。
昔、シロという犬を空き地につくった秘密基地で飼っていたが、8年前の台風が接近した際の落雷でシロが死んだことを自分のせいだと今も責め続けており、それが原因で極度の犬嫌いになってしまった。



  • 五島 凪

歩郎の幼馴染の一人で加古高校2年。クールで頭の切れる二枚目だが、やや毒舌でキツイ物言いが多い。
「口調が柔らければモテるのに」とは歩郎の弁。
成績が良く、いつも勉強しており、有名大学への進学を希望している。
犬や猫に懐かれやすい体質であり、自身も動物好き。



  • 三原 和織

元樹の妹で、歩郎と同じ高校の後輩。元気で明るく男勝りで、一人称は『俺』の俺っ娘。
兄の元樹のことは、怪我でバスケをやめて以来、だらしない生活を送っていることに嘆いているものの、一応ながら自慢の兄貴だと思っている。
祥子ほどあからさまではないが、歩郎に片思いしているようである。



  • 九里 祥子

和織の同級生で友人。眼鏡をかけた引っ込み思案の女の子。歩郎に片思いしている。
最近は変な占いに凝っているらしく、何か事件の起こっていそうな場所をなんとなく言い当てることができる。
ちなみに彼女の眼鏡はディギングの際に外すことができ、その眼鏡をずっと所持しておくこともできる。
ただしその場合……。



  • 二宮 朔太郎

歩郎のクラスの担任で、昔は保の担任でもだった。
時間に関係することわざや格言についての問題を歩郎に出題することが多い。



加古町の住民たち

  • 八木 まゆ

喫茶店「黒の巣」でウェイトレスのアルバイトをしている女子大生。
四堂の憧れの人なのだが、残念ながら彼氏持ち。
「黒の巣」の外に置いてある自転車は彼女のもので、自転車絡みのトラブルが多いことから、彼氏の七沢に新しい自転車をおねだりしているらしい。



  • 六条 琴子

歩郎たちがたまり場にしている喫茶店「黒の巣」の店長。穏やかの性格のおばちゃん。
なお、「黒の巣」を開業させたのは彼女ではない。



  • 七沢 竜之介

高そうな時計や指輪をして、絡むと面倒そうな近寄りがたい見た目をした金髪の青年。
八木の彼氏であるが、最近は八木に色々ねだられてお金に困っているらしい。
「黒の巣」の常連客で、働く女性を見ているのが好きとは本人の弁。



  • 十倉 想乃香

図書館の司書として働く「クールビューティー」という単語が似合いそうな女性。
仕事の時は白のスーツをしっかりと着こなすが、普段着のセンスは独特かつラフで、しかもその格好のまま外を出歩くこともある残念な美女。



  • 十一谷 新

近所に住む小学生。飼い犬のジョンと散歩するのが大好きで、町のいろんな場所で歩郎たちと出会うが、なにかとトラブルに巻き込まれることとなる。



  • 一柳 清作

歩郎たちの通う学校の近くにあるアンティークショップ「アイオーン」の店長。
実は保の高校時代の同級生だが、同じ歳とは思えないほど老けている。


警告
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時尾家のものとは別に存在するもう一つのホロウペンの継承者で、保の同級生でありながらかなり老けた外見なのは、ホロウペンを使用していたことの弊害。


この一柳という男こそが歩郎の両親を12年前から行方不明の状況にした元凶。
その行動原理は「時尾家に対する復讐」であり、復讐に至った原因は35年前に赤ん坊だった自分と共にバス事故に巻き込まれ、そして死亡した一柳の母親が、後に事故が起こると予め分かっていたバスに乗るように指定して「時尾亘へ会いに行け」という手紙を受け取っていたためである。しかもホロウペンでバス事故の現場の過去を何度操作しても、バス事故で一柳の母親が死んで一柳自身だけが助かるというおまけ付きである。


そして、この一連の流れを「時尾家の人間が、一柳の母親が事故に巻き込まれて死亡するように差し向けたと結論付けて、母親を助けられずホロウペンの過剰仕様で肉体が年老いていく一方だった一柳は、時尾家に復讐することを決意し、歩郎の周りの人間を不幸に陥れていた。


最終的には母親をバス事故現場から助けるために、自身が開けた穴を潜って35年前のバス事故現場へ飛び、現在の時間軸からは喪失した。
これにより一柳の時尾家への復讐は終わったかに思われたが……。



+ 更なるネタバレ-

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一柳が過去に消えたことで「現在の時間軸の一柳清作」は確かに喪失したが、現在の時間軸の一柳と入れ替わる形で「過去の時間軸に元々いた一柳清作」、つまりは現在の時間軸から過去に介入してきた一柳によって命を救われたほうの一柳が現れ、歩郎たちの前に立ちはだかることになる。
その際に自分のかつての担任である「二宮朔太郎」を名乗っており、本物の二宮先生を抹殺して成り代わっている。


一柳がいなくなるまで一柳の陰として生きてきた二宮は、一柳がいなくなって自由の身になったのを機に改めて歩郎に復讐すべく、ホロウペンの力で歩郎を絶望させようとする。
そんな二宮によって短時間に何度も過去改変が行われる中で、和織や五島や保など多くの人間が二宮に殺害され、さらに歩郎はそれら一連の殺人事件の容疑に掛けられて、警察に追われる身になってしまう。


数多くの絶望的状況の中、ついに歩郎が消えた両親の謎を突き止めたところで歩郎を直接殺そうとした二宮だったが、歩郎をかばったかのんを誤って刺してしまう。そのことに半狂乱になって、かつてのバス事故現場まで逃げるが、歩郎のタックルを食らった二宮はガードレール下の崖から転落し、真下の海へと消えていった。


その後、行方知れずとなっていたが、全ての問題が解決しかけたタイミングで歩郎たちの前に再び現れ、最後の足掻きでなんとしてでも歩郎を殺そうとする。しかし歩郎の過去改変を止められず、この過去改変によって二宮の野望は完全に破綻した。


過去改変によって時尾家に復讐を誓う二宮の存在はなかったことになり、元の一柳もかのんに対する殺人未遂によって高校を退学になった後、加古町を去って二度と戻ってくることはなかったという過去を歩んだことになった。



なお、かのんとも同級生で、当時からかのんに対して異様な執着心を抱いており、これが全ての事件の発端となっている。



  • 一柳 奈緒子

35年前のバス事故で死亡したとされる一柳の母親。
バス事故当時は赤ん坊だった一柳も一緒に連れていた。


一柳がホロウペンを受け継ぐ前は、彼女が一柳家のホロウペンの継承者だった。


35年前に「指定したバスに乗って時尾亘に会いに行け」という手紙を受け取っており、その指定したバスが事故を起こしたことで死亡するに至ったため、何者かによって死亡するように仕向けられていたとされていた。



+ 更なるネタバレ-

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しかしその真相は、高校生であった息子の清作がかのんに異様な執着心を抱き、どんなに過去を変えてもかのんを殺害するため、清作が過ちを犯す前に共に責任を取るべく、一柳の母親自身が用意したのがあの手紙だった。
つまり、35年前に一柳の母親が受け取った手紙の主は未来の自分であり、バス事故に巻き込まれたのは、ホロウペンの力で自分の過去に干渉して、息子共々バス事故に遭って死亡するように仕向けた心中だったのだ。
歩郎や一柳がバス事故現場の過去に干渉しても過去を変えられなかったのは、その手紙が存在する限り、一柳の母親がバス事故に巻き込まれるという過去は覆せないため。


しかしながら不運なことにどんなに心中を試みても、息子の清作だけが生き残ってしまい、彼女の目論見は見事に外れてしまうことになる。
また、手紙の内容が「指定したバスに乗って時尾亘に会うように」という内容だったのは、過去の自分に手紙の内容が信用できるものであると思わせるための方便だったのだが、結果的にこの手紙の存在が一柳を時尾家の復讐へ走らせる原因となってしまい、彼女は不本意ながらも歩郎たちに不幸をもたらす元凶になってしまったのである。


ちなみに一柳がかのんに執着する理由の一つが、かのんの顔立ちが自分の母親である奈緒子によく似ていたからとされており、歩郎も過去の一柳の母親と会った際に「確かに言われてみれば、少しかのんに似てるかも」と感じていた。



  • ジョン

新の飼い犬。人懐っこく大人しい犬で、新といつも散歩している。



  • シロ

歩郎たちが昔、空き地に造った秘密基地で飼っていた白い犬。
8年前に台風が来た際の落雷で死んでしまった。




【主題歌】

  • オープニングテーマ

「Time Hollow」
作詞:HANNA KONDO/作曲:秋田真典/歌:Mouse


  • エンディングテーマ

「Unite As One」
作詞:野口圭/作曲:原一博/編曲:田中隼人/歌:伊藤由奈



※今作のオープニングテーマ曲「Time Hollow」はPS2版DanceDanceRevolution SuperNOVA 2に収録されていたりする。




【余談】

このゲームには2周目が存在するが、2周目ではプロローグの時点で「本作の結末を知っている」という状態の歩郎が、本作の黒幕となる人物と対面し、その人物によって事件が引き起こされる前に全ての問題を解決し、何事もなかったように日常を送るという裏技的な方法でエンディングを迎えるという、「エンディングのスタッフロールを見たい人向け」のおまけ的な内容になっている。


そんな中、発売してしばらくして「実は3周目が存在する」という噂が流れ、一時は沸き立った。しかし、どのような攻略を行ってもエンディングは変わらず、結局この情報はガセだということが判明。
これは本作のストーリーに対しての高く評価する声、もしくは惜しいと思う声が沢山あったことの裏返しだったという証左とも、言えなくはないだろうか。




追記修正は、修正すべき過去のフラッシュバックの状況を完全に把握してから実施してください。



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  • 子供の頃プレイして凄く面白かった -- 名無しさん (2020-10-25 07:56:26)

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