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更新日:2024/03/28 Thu 13:40:36NEW!
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方法は何でも良い。「結果」が全てだ
画像出典:快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー #1「世間を騒がす快盗さ」より(2018年2月11日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG
ドグラニオ・ヤーブンとは、スーパー戦隊シリーズ第42作『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』に登場する敵組織のボスである。
CV:宮本充
【データ】
身長:181cm(巨大金庫身長/45.3m)
体重:229kg(巨大金庫体重/573.0t)
金庫の識別番号:「781116」(ナンバー1、ヒール(悪役))
犯罪歴:人間界襲撃、ルパンコレクション強盗殺人、金庫内拉致監禁
犯罪技:フィジカル・プロテクト・チェーン
【概要】
500年もの間ギャングラーのトップとして君臨している異世界の裏社会のドン。
恐竜人間のような外見で円盤ノコギリのような帽子を目深に被り、全身からマントのように鎖を垂らした小柄な老人だが、貫禄ある落ち着いた言動を取り常に優雅に構えている。
999歳の誕生日を迎えて引退を決意し、地球を掌握した者を後継者として指名することを宣言した。
ゴールド金庫の位置は胸のど真ん中だが、扉が鎖で雁字搦めにされており、「ステイタス・ゴールド・フィジカル・プロテクト」と呼ばれる超レアなギャングラー。暗証番号は本編では不明だったが、ファイナルライブツアーにて「781116」だと判明した。
そしてルパン家を襲撃してルパンコレクションを強奪しアルセーヌ・ルパンを殺害した張本人にして、パトレンジャーサイドの物語を締め括るラスボスである。
【人物像】
マフィアの首領という肩書の割に、半ば隠居を決め込んでいることもあって普段は温厚で度量も深い。
配下がどんな作戦を取ろうと「結果が全て」と笑ってワインを片手に受け止める器の大きさを持つが、
一方でナメーロ・バッチョが作り出した自分の彫像が砕けた瞬間「あっ…」と声を上げ、名残惜しそうにしたり、
ピッチ・コックが計画した自分を称えるプロパガンダ映画を本気で楽しみにしたり、
カンクス・ブチルメルカプタンの可燃ガスの悪臭に「見てるだけで臭えな…」と素でドン引きするなど何処となく愛嬌もある。
かつてルパン家からルパンコレクションを強奪して構成員に分け与えており、部下のことを「我が友たち」と呼んでいる。
そのカリスマ性から部下からの敬愛も深く、自身も後継者にならんとする若い構成員達の破壊活動や犯罪行為を楽しく眺めている。
…とはいえ何でもかんでも許すわけではなく、大言壮語を叩きながら醜態を晒したり、身の丈以上の報酬を自分に求めるような行為には厳しく、時には容赦なき制裁を科す首領らしい冷酷さも垣間見せる。
忠臣であるデストラ・マッジョの訃報には心からの献杯を捧げた。
ただし上記の威厳ある落ち着いた振る舞いはあくまで隠居を決め込んだが故の表向きの顔。
素顔は欲しいものがあれば他人を殺してでも奪い取ることを信条とする、ギャングラー怪人らしい己の欲望に忠実な強欲で残虐非道の極悪人。
「人質を取って快盗の素顔を世間の晒し者にする」といった悪趣味な嫌がらせを行った際、ザミーゴに昔のボスに戻ったと確信させる。
アルセーヌを殺害してルパンコレクションを強奪した理由も「面白そうな物があった。だから手に入れた」というあまりに単純な動機であった。
物語最初の引退宣言のスピーチで言ったように他人を殺害することに何の躊躇いもなければ罪の意識は微塵もない。
自分の部下も基本的には道具同然の認識でその中で大事にするのはデストラのように忠義に厚い者くらい。面白いものを見るためなら部下を平然と切り捨て、ゴーシュの身勝手には身勝手を返し彼女を破滅させた。
999歳の誕生日を迎えて引退を決意し、地球を掌握した者を後継者として指名するとの宣言に何ら嘘は無かったが、作中1年間でそのチャンスを得られる者はいなかった。実質組織を引き継ぐ意思と実力があったデストラが死んだ時点で後継者探しは破綻していたと言えよう。
そしてドグラニオは組織そのものに見切りをつけ、「組織の首領」という足枷が外れてからは積極的に人間界に足を運んで非常に生き生きとして暴れるようになった。
歴代戦隊の首領の中でも組織が解散・消滅したことで逆にスッキリしたかのように生き生きとして破壊と殺戮をエンジョイする首領はドグラニオ以外に前例が無く、まさにモチーフとされるティラノサウルスの如く獰猛で暴君のような怪人である。
ただしザミーゴが己の(身体の)自由を賭けてルパンレンジャーの決着を望みドグラニオの金庫に入る事を望んだ時は、そのザミーゴに無礼極まりない発言を言われたにもかかわらず彼の意思を尊重している。
組織も次世代の悪党も見限ったドグラニオが、最後に悪党のボスらしい威厳を見せたこの行動が、彼に皮肉な結末を招く事になる。
【戦闘能力】
戦闘では、常に携帯している杖に見せかけた刀「仕込み杖ギャングラディウス」を愛用。
杖形態でもレイピアの様に素早く斬りつけて攻撃するなど、高齢だが戦いの腕は全く落ちていない。
高い破壊力を持つビームブレードを放ったり、無数のビームバズソーを放って攻撃する事が可能。
金庫を縛り全身から垂れ下がる鎖は本人も「俺自身にも切れない」と豪語するほどの頑丈さを誇り、時には伸縮自在の武器や肉体を護る盾として操る攻防一体の犯罪技『フィジカル・プロテクト・チェーン』として機能する。
なお金庫を開閉させる際は鎖が自動的に巻き取られ一時的に消失する。
見た目は鎖で雁字搦めにされている以外通常のゴールド金庫と変わりはないが、最大の特徴が金庫の中が無限の空間となっており、何個ものコレクションを1つの金庫内に保持できるということ。
ギャングラー怪人たちの制約であった『金庫一つにつき、コレクションは一個しか使用できない』というものもなく、自身が収納しているコレクション全てを同時に使用することができる。
おまけに部下に分け与えたもの以外の全コレクションはドグラニオの金庫内にあるため、ドグラニオが操れるコレクションの力は膨大。
複数のルパンコレクションを組み合わせて操るその力は圧倒的で、小手調べと称した攻撃では一瞬でデストラ以上の被害を齎し、広範囲の都市区画を壊滅させ焦土に変えている。
【物語での活躍】
当初から積極的に人間界に足を運ぶこともなく、隠居を決め込んでギャングラー怪人達の活動を見守り、人間界側の抵抗も嘲笑ってきたが、
中盤ではライモン軍団が壊滅したことで、当初は敵とすら認識していなかった快盗・警察の両陣営に対し警戒を露にし、忠実な右腕だったデストラが倒された際には彼の死を悼みながら両戦隊に敵意を見せるなど心境が変化。
そして数多の後継者候補だったギャングラー怪人達の敗北に加えて、「ギャングラーの後継者争い」という組織の理念の形骸化や自身が最も信頼を寄せていたデストラの戦死。
更にザミーゴに「今時組織を背負って生きるなんて面倒、馬鹿しか選びませんよ」と正面から煽られたことで方針を転換。
後継者探しに見切りをつけると高尾ノエルを捕らえたゴーシュを唆し、自身が同席するノエルの公開処刑の生中継を企画させ、
ノエル救出に来たルパンレンジャー達に素顔を見せるよう脅迫するなど、威厳ある首領としてのメッキが剥がれ、本性であった悪辣な快楽主義の顔を覗かせるようになる。
そして、ノエルの公開処刑が失敗し、自分一人の力で戦わず実験体の助けを求めたのを理由としてゴーシュに渡していた全てのルパンコレクションを取り上げる事で彼女を実質切り捨てた。
今まで好き勝手にやってたんだ……俺にも好きにさせろ
俺は、面白い物が見たいんだァ!ハハハハ…!
事実上見捨てられたことを悟り動揺するゴーシュを尻目に一人異世界に帰還し屋敷でワインを飲んで楽しんでいたが、
自分の前に現れルパンレンジャー達への攻撃を止めるよう釘を刺しに来たザミーゴに対しては
組織にこだわるのは、馬鹿のすることなんだろ?
…だったら、若い奴らの事なんか知ったこっちゃねぇ!
1000歳越えようが、死ぬまで好きなように暴れてやるよ。この俺もな
あーあ。俺、余計なこと言ったかな…
と首領直々に組織の解散を堂々宣言。
完全に『ギャングラー』という組織に見切りをつけると、今まで窮屈だった首領の座から解き放たれた憂さ晴らしとばかりにいきなり巨大化して人間界に侵攻。
小手調べと称してルパンレンジャーをルパンコレクションの力で一蹴し、都市区画を焦土に変えながらそのまま悠々と姿を消した。
そして最終決戦、ルパンレンジャーとの決着を望むザミーゴを、ルパンレンジャーもろとも自身の金庫に取り込む。上述の「若い奴らの事なんか知ったこっちゃねえ」という宣言が事実ならザミーゴの勝負への執着に気を使う義理は無いはずだが、己の身体の自由まで賭けたザミーゴの意思を尊重した。
自分はそのままノエルを含むパトレンジャーと激突。
戦いの最中にザミーゴの敗北を知り、軽く笑い飛ばす。勝った快盗も自分の金庫から出す気は毛頭無かった。だが、この決断が彼の運命の分かれ道であった。
数多のルパンコレクションを使い圧倒的な力で4人を一方的に追い詰めたが、場所を変えようと移動したところで突如弱体化。
実は、ルパンレンジャーを金庫の中に残していたため、彼らの持っていたコレクション台帳を通じ、金庫の中のコレクションを全てアジトに転送されてしまったのである。
ドグラニオがコレクションを失ったことで形勢がひっくり返り、このチャンスを逃すまいと警察チェンジしルパンレンジャーに託された武器を使うパトレンジャーの猛攻に一気に圧倒される。
ドグラニオの体は彼自身が思っていた以上に老い衰えており、その力はルパンコレクションに大きく依存していた。そのため、コレクションを失ったことで本来持っているだけの能力に戻ってしまったのである。
それでもサイレンストライカーを使用したスーパーパトレン1号との撃ち合いを押すだけの力はあったが、パトレン2号、3号に支えられた1号が持ち直し逆転される。
勝負は付いたがまだ鎖は切れていない。パトレン1号は金庫を開けるよう要請したがドグラニオは断固拒否。
ドグラニオはこの期に及んで、正義の警察官が快盗を見殺しにする様を見てやろうとしていたのだ。
ヒルトップ管理官からドグラニオを倒す許可が降り、パトレン1号はドグラニオに銃を向け…
そして一年後、ドグラニオは国際警察の特別拘禁室に閉じ込められていた。
圭一郎の決断はドグラニオを倒すのではなく、金庫を開けられる手段が見つかるまでドグラニオを拘束する事であったのだ。
無敵を誇った自分の鎖に逆に縛られ拘束されたので脱獄は完全に不可能な中、老いさばらえた体で自由を奪われ死ぬことも許されないうえ、組織を解散してしまった為助けも絶対に来ず、生き恥を晒しながら牢獄で長い余生を無様に生き続けるというある意味彼が切り捨てたゴーシュ以上に悲惨な末路を辿ることとなった。
出せ…さもなくば殺せ!
この老いさらばえた体で無力に生き延びるくらいなら、死んだ方がマシだ!!
ルパンレンジャーの解放は最後まで拒否していたが、一年後に見つけられたジャックポットストライカーの精神操作能力で無理やり金庫を開錠させられている。
彼がパトレンジャーに仕掛けた命の天秤の罠はこれにて完全に破綻してしまった。
※ファイナルライブツアーにおける独自描写につき注意
【大悪党の最期】
ファイナルライブツアーにおいて最終話の後日談が独自の解釈で描かれ、ドグラニオの末路が語られている。
カーゼミーがルパンレンジャーとパトレンジャーとの三つ巴の混乱の中、ルパンレンジャーに奪回された「あの日をもう一度~Hier une fois de plus~」を再度奪取、その力でデストラたちを復活、彼らによって解放される。
脱獄を企てるドグラニオだが、ルパンレンジャーとパトレンジャーがそれを許すわけもなく立ちはだかり激突。金庫の中身は空だったため、両戦隊を攻撃してマジックダイヤルファイターとビクトリーストライカー、サイレンストライカーを奪い、マジックダイヤルファイターは自分が、ビクトリーストライカーはデストラに、サイレンストライカーはゴーシュに渡し戦力を獲得。そのまま両戦隊を振り切り脱獄した。
しかし、ルパンコレクションの大半はすでにルパンレンジャーが奪回していたうえ、両戦隊も相手がギャングラーとあって即座に共闘に踏み切ったため、本編とは異なり戦力的には互角がいいところだった。
その後、配下を引き連れて復活の狼煙代わりの破壊活動を行っていたが、両戦隊が配下を倒して駆け付け、正面対決に入る。
ここでもフィジカル・プロテクト・チェーンを振り回して猛攻をしのぎ、マジックダイヤルファイターで牽制しつつ優位に立ちまわったが、両戦隊を応援する人々の声にマジックダイヤルファイターが反応、その力でフィジカル・プロテクト・チェーンを消滅させられてしまう。
最後の武器を失って狼狽しているところでルパンレッドに飛び込まれ、金庫を解錠されてマジックダイヤルファイターを奪回されてしまい完全に無力化された。
そして、スーパー化したパトレン1号とルパンレッドを加えた7人の警察&快盗の一斉砲撃を浴び、ボスを守ろうと割り込んだデストラ、ゴーシュ共々爆発四散、ついにあの世逝きとなった。
長い年月を暴れまわった稀代の異世界大犯罪者は、ここに壮絶な最期を遂げたのであった。享年1000。
かくして、数多の世界を牛耳り荒らしてきた超凶悪な犯罪組織・ギャングラーは人間界にて完全に壊滅することになった。
……とはいえ、映像作品におけるドグラニオがあえて「生かされ続ける形での因果応報を迎えた」点から、
このファイナルライブツアーの結末は若干無粋もしくは蛇足気味ではないかという視聴者の声も少なからずあり、若干賛否両論。
実際、スーパー戦隊や平成仮面ライダーにおけるファイナルライブツアーなどの設定が、
映像作品の正式な後日談として展開されたVシネマや映画作品などと食い違うケースもシリーズを見渡すと少なからず見受けられる為、
これについても『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の正史に相当するか否かは視聴者の判断に委ねられる範疇、といったところだろう。
【余談】
名前の由来は「大親分」のアナグラム。
大(grand)おやぶん→dgranお・やーぶん→ドグラニオ・ヤーブン。
モチーフはナイフやノコギリ、剃刀などの刃物とティラノサウルス。
頭部はティラノサウルスの頭骨の形をしており、横から見るとこの恐竜の頭骨に見えて正面を見ると人間の頭蓋骨に見えなくもない。
CVの宮本充氏は本作が特撮作品への初出演となる。
ドグラニオのギャングのボスという肩書きや成果主義的な考え、更にその末路から、某漫画のラスボスを連想した視聴者も多いのではないだろうか。
また、実在のマフィアであるアル・カポネをベースにしているのでは?という声も見られる。
金庫の暗証番号は本編では明かされず、ファイナルライブツアーで明らかになった。
デザイン担当の久正人氏は、自身のTwitterにて「ルパパト本編から20年後、新たな異世界犯罪集団の脅威にさらされた世界で、当代のパトレンジャーが拘禁中のドグラニオに対して不本意を承知で協力を要請する」という内容のイラストを(あくまで氏個人の妄想という形で)掲載している。
最も秀逸な追記・修正をした奴に、このドグラニオ・ヤーブンが築いた全てを譲ってやる!
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