ACE COMBAT 04 shattered skies

ページ名:ACE COMBAT 04 shattered skies

登録日:2010/11/21 Sun 21:54:11
更新日:2023/08/10 Thu 14:02:49NEW!
所要時間:約 6 分で読めます



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小惑星ユリシーズ(1994XF04)の落下から4年後。
もともと隕石を撃ち落とす目的で作られたエルジア軍の制圧兵器「ストーンヘンジ」は対空砲としての真価を発揮し、大陸の空を支配していた。
ISAF(独立国家連合軍)は「ストーンヘンジ」の空爆を試みるが、これに失敗。
逆に大陸の主な拠点を失い東海岸よりノースポイントへ撤退する。
ここで残存兵力の再構成をはじめたISAF総司令部であったが、
すでに大陸のほとんどを手に入れたエルジア軍は接収したリグリー飛行場に爆撃機を集結し
ノースポイントをその射程にとらえていた…







《ゲーム概要》

『ACE COMBAT04 shattered skies』はナムコが2001年に発売したフライトシューティングゲームである。
ゲームコンセプトは"IT'S CHANGING EVERYTHING AGAIN"(意訳:すべてが変わる、再び)。
PS2初のエースコンバットである。
テーマカラーは青。ジャケットを飾るのはメビウス1のF-22。
PS2初期のゲームにも関わらずほぼ完成したグラフィックと操作性、戦略性が高いスコアアタック、適度な熱さ・悲しさ・爽やかさのシナリオは非常に評価が高く、
「エスコン最高傑作」と呼ばれることも多い。中には絶賛を通り越して神格化する困ったチャンもいるが、まぁそれほどよくできたゲームってことさ。


《世界観・ストーリー構成》

前作から世界観構築のために様々な設定が設けられたが、
本作でも攻略本にて劇中に登場する人物などの設定が公開され、公式HPでは本編開始前に起こったユリシーズ落下や、
黄色中隊が有名となったストーンヘンジ防衛戦などの出来事を記事形式にして世界観の掘り下げを行っている。
またミッションの間にアニメ絵で描かれたサイドストーリーが展開され、黄色の13によって家族を失うものの偶然彼やその中隊と交流関係を持ち、
親の仇であるはずの黄色の13や彼らに対し家族と過ごすような居心地の良さを感じ葛藤する少年とその周辺人物の物語が展開される。
アニメ製作はSTODIO4℃、監督は後にアニメ版この世界の片隅にで一躍時の人となり、『5』そして『7』と後のエースコンバットシリーズにも携わることになる片淵須直氏。
エースとは言え単なる一兵卒のメビウス1、そして年若い少年と言う2つの視点から見ることのできるストーリーは、大筋はともかく細かいところがわかりにくく、想像の余地が非常に多い。



《あらすじ》

ユージア大陸西部一帯を支配する軍事大国・エルジア共和国とFCU(中央ユージア連合)を中心とする大陸東部諸国は、長らく「武装平和」と呼ばれる緊張状態が続いていた。
そんな折、1999年7月に小惑星ユリシーズがユージア大陸に落着し、このままでは地球の破滅が避けられない事が判明。
大陸諸国はこれを避けるために協力し合い、ユリシーズ迎撃のために超巨大レールガン「ストーンヘンジ」を建造する。
そして来る1999年7月、ユリシーズは1000個以上の破片に分裂して地球に落着する。ストーンヘンジの迎撃により地球滅亡こそ回避したものの被害を完全に抑え込むには至らず、大陸中で50万人の犠牲者と数千万人の難民を生むこととなった。


それら難民は他の大陸諸国により、大陸で最も被害を被ったエルジアにほぼ全て押し付けられる事となり、
2003年、遂に我慢の限界を迎えたエルジアは大陸諸国への侵攻を開始、大陸戦争が勃発する。
さしあたり、エルジア軍はまずストーンヘンジとそれが設置されている中立国サンサルバシオンを電撃戦の末制圧。
FCUを中心とした東側諸国もエルジアに対抗するために多国籍軍のISAF(独立国家連合軍)を結成するが、巨大対空砲として稼働し始めたストーンヘンジにより空軍が壊滅的な被害を被って制空権を喪失してしまい、
元々ISAF構成国の全軍事力に匹敵する規模を誇っていたエルジア軍の前にISAFは次第に劣勢になって行く。
精鋭パイロットを動員した決死のストーンヘンジ破壊作戦もエルジア軍のエース部隊「黄色中隊」の活躍で失敗に終わり、
遂にISAF総司令部はユージア大陸の放棄を決定、北東の島国「ノースポイント」へと大規模な撤退作戦を実施した。


ノースポイントに総司令部を置いたISAFはそこで残存戦力の再編成を開始。まず空軍を編成したが、それは機種もコールサインすらも統一されていない、各戦線で生き残ったパイロットをただ集めただけの寄せ集めであった。
一方エルジア軍はISAFに止めを刺すべく大陸北東部のリグリー飛行場を接収して大規模改修を行い、ノースポイント爆撃を行うべく戦略爆撃機部隊を集結させる。
更には「無敵艦隊」の異名を持つ主力艦隊・エイギル艦隊を大陸南東部の港湾都市・コンベース港へと派遣し、ノースポイントへの直接侵攻を行うべく緊急展開軍の空輸や各種物資の集積を進めていた。
――大陸ではノースポイント陥落は時間の問題と囁かれるようになり、最早ISAFの敗北を疑う者は一人も居なかった。
2004年9月19日。エルジア軍の戦略爆撃機が襲来する中、ISAFの敗戦を間一髪で救ったパイロットが、反撃の狼煙を上げるまでは。



《登場人物》


《こちら管制機スカイアイ、聞こえるか? 君のコールサインは「メビウス1」だ。》
独立国家連合軍(ISAF)所属のパイロット。主人公でありプレイヤーの分身。
最初はただの一パイロットに過ぎなかったが、度重なる出撃と黄色中隊との戦いを経ることで徐々に頭角を表す。
次第に敵味方からも一目置かれるどころかISAFのシンボルとなるほどの戦果を挙げ、
最終的に敵から「リボン付き」「死神」と恐れられ、味方を「メビウス1が来ている」という情報だけで勇気付ける程になる。
戦後に行われた分析では、その作戦遂行能力は一個飛行隊に匹敵する(=概ね戦闘機12機分の働きを一人でできる)とまで評価されるようになった。
本当に人間k(インカミンミッソー、ミッソー!


歴代主人公勢の中でも人気が高く、後のシリーズでもF-22のカラーリングバリエーションには必ずメビウス隊仕様が存在する。
そしてAC5のアーケードモード等、複数回登場した主人公も彼ぐらい。
…ACZでの登場はどう考えても時系列がおかしいが、あくまでもおまけという事で。


  • スカイアイ

《今日は俺の誕生日だ。勝利をプレゼントしてくれ!》
ISAF軍所属のAWACS(早期警戒管制機)・E-767のオペレーター。
メビウス1らパイロット達と共に空を翔るナイスガイ。
真面目に空軍のミッション遂行を支援する一方でジョークや軽口を飛ばす事もあり、多くのメビウス1から頼られる存在。
誕生日は9月19日。ゲーム中で2回来るので、彼に素敵なバースデープレゼントを送ろう。


《Omega11 I'm ejecten!!》
ISAFの伝説のパイロット。
出撃の度に必ずといっていい程の頻度で撃墜され、次の任務では何事もなかったかのように戦列に加わっている剛の者(そしてまた撃墜される)。
ストーンヘンジに吹っ飛ばされようが黄色にボコボコにされようが関係ない。むしろ黄色に墜とされるのが真髄。
ゲーム中最大規模の空戦ミッションでは一度の空戦中に2回撃墜される という尋常ではない怪現象を引き起こす伝説のベイルアウター。


……という扱いを受けているメビウス1の仲間の一人。
ISAF空軍には彼の他にもレイピア9、ヘイロー2、オメガ1などがいるのだが、
彼ばかりがこんなにもネタにされる様になったのは彼の声だけ妙に渋いダミ声だったから。
撃墜されてもなお次のミッションに出て来るのは、≪〇〇撃墜!≫や≪〇〇脱出する!≫といった無線音声が複数のミッションで使い回されているのが原因。
そして音声にフラグを立ててないために、ミッションを長引かせるとランダムで2度同じセリフが流れてしまうのである。
つまり実際の所は彼以外のパイロットも撃墜されては次のミッションに参加したり、同一ミッションで2度撃墜されるといった事をしている。
しかし彼はとにかく声が特徴的だったためプレイヤーの印象に残り、愛される様になったのである。
Infinityの特別機体(ラファールMのメビウス8仕様)解説にて「度々撃墜されるものの、その都度必ず生還する」という事でベイルアウトキングはほぼ公式設定に。
ちなみに直前に撃墜されて乗り捨てたのはF-15Eとのこと。
その後、エースコンバット7のVRモードで「メビウス1のウィングマン」としてまさかの再登場。
とはいえ長年メビウス1の相棒として戦い続けた勇者という事で、ベイルアウトどころか被弾すらしてくれない、残念。


ともあれメビウス1や黄色の13とは別ベクトルで人気が高く、ネタキャラとしての地位を欲しいままとしている。


  • 「私」

――僕らの町を出て行け 侵略者め!
サイドストーリーの主人公であり戦災孤児。
サイドストーリーは成長した彼が、当時を回想しながら書いたある人物に宛てた手紙という形で進行する。


元は大陸の中心に位置する中立国サンサルバシオンの郊外に住む普通の少年だった。
しかし物語の始まりにおいてエルジア軍がサンサルバシオンに侵攻。その最中、黄色で『13』と書かれた戦闘機に撃墜された戦闘機が自宅に墜ち、家と家族を同時に失う。
唯一の親族である叔父のもとに身を寄せ日銭を得るため、そして仇である『13』を探すため得意のハーモニカを手に酒場に足繁く通っていた。

+ 以下ネタバレ-

『13』を見つけた後は、彼を殺し家族の仇を討つ機会を待ち、遂にはナイフと銃を手にして『13』を襲おうとするが、
『黄色の4』に見咎められ仇を討つことを諦め、次第に『13』やその部隊員達と過ごす時間を心地よく感じてしまうようになる。
しかし、酒場を経営する一家がエルジアへのレジスタンス活動をしていた事、それにより『4』やその愛機が傷を負い程なくそれが原因で撃墜される、
『13』から『4』と出会った経緯やその当時の話を聞かされるなどして行くうちに複雑な心境になって行く。


だがそれも『13』に見つかり、見逃されたことでそれも終わりを迎える。
その後は酒場の娘と共に、サンサルバシオンが解放された事で撤退して行く黄色中隊に付いて行く。
メビウス1と『13』の戦いを見届けた後は、酒場の娘と共に彼の遺品となった『4』のハンカチをファーバンティ郊外の森に埋葬した。


数十年後、大人になった彼がメビウス1に宛て、以上の出来事を纏めた手紙を書いている場面で本作のストーリーは幕を下ろす。




  • 「私」の叔父

上記少年の叔父。
タクシー運転手をやっていたのだが、エルジア占領下の経済統制でタクシーの燃料が入手困難となりほぼ仕事ができなくなり。飲んだくれており少年の稼ぎを搾取する日々を送っている。
一見するとダメな人間であるが、自分も辛いのに甥を家に招き入れ、またエルジア相手に商売する酒場に文句を言いつつも同じことをしている彼に対しては何も言わず、暴力を振るったり追い出そうとはしなかった。
彼の稼ぎに頼らなければいけない事情もあっただろうが、どちらにせよ転がり込んできた少年に対する複雑な感情が垣間見える。

+ 以下ネタバレ-

物語後半、原因不明の失踪を遂げる。
少年は「寄った挙げ句の不穏な行動で秘密警察に連れ去られたか、自ら失踪したものか」と推測している。
後者だとせめて甥の邪魔にならないようにと願ったのか…、主人公の血族というのに謎が多い男である。
彼のタクシーも完全に廃車となり、挙げ句野良猫の住処となっていた。



  • 酒場の娘

「私」が通い、後に居候する事になる酒場『SKY KID』を経営する一家の娘。「私」より少し年上。
当時の「私」は彼女に憧れていたが、一方で彼女は『13』に惹かれていたようで、『4』に対して激しい嫉妬を見せた場面もある。

+ 以下ネタバレ-

実はエルジアに対するレジスタンス組織の一員。
『13』に対しては、後に彼がレジスタンス行為を「反吐が出る」と評した事から段々と幻滅して行く事になる。
サンサルバシオン解放作戦に際し、仕込みの最中に『13』に発見されてしまうが、「私」共々彼に見逃される事になる。


その後は「私」と共に撤退して行く黄色中隊に付いて行き、共に『13』の最後を見届けた。




  • 黄色の13

称えるに値する。


エルジア共和国空軍第156戦術戦闘航空団アクィラ、通称黄色中隊を率いるエルジア空軍のエース。
彼が率いる黄色中隊は、その名の通り灰色を基調としたスプリッター迷彩を主体に主翼両端と機体下部を黄色に塗装したSu-37を使用する。


己の戦果よりも僚機を欠かさず帰還することを第一に考える隊長。
また、民間人を巻き込む自軍や基地を襲撃するレジスタンスには怒りを露にする、力の限りを尽くした末に空で死ぬなら本望と語る、
無敵の黄色中隊に土をつけたメビウス1を好敵手として称賛するといった誇り高い軍人であるが、一方で上記の少年の発言に「そんなに俺たちが憎いのか」と返すなど、
言い換えれば自分もまた、サンサルバシオンからすれば侵略者の一員に過ぎない事を完全には自覚できていない節がある。

+ 以下ネタバレ-

戦況の悪化に伴い隊員が次々に引き抜かれるも任務に従事し、最期はエルジア首都・ファーバンティの上空でメビウス1との熾烈な空戦の末散った。


彼もメビウス1と並んで人気が高く、毎回Su-37には黄色中隊カラーがある。黄色カラーどころかSu-37自体が実装されていないと物議を醸すほど。
おそらくモデルは「黄色の14」の異名を持つドイツ空軍のエースパイロット"ハンス・ヨアヒム・マルセイユ"。
一方で「戦果より部下を失わない事こそを誇る」「騎士道精神を持つ人物」という面は、
同じくドイツ空軍の"エーリッヒ・ハルトマン"、"ゲルハルト・バルクホルン"の信条に通じるため、複数のドイツ軍エースを複合したものとも見られている。



  • 黄色の4

了解。撃墜します。
数いる隊員から『13』が四人を選んで出撃する黄色中隊にあって常に二番機として飛ぶ女性パイロット。
地上でも『13』を護衛するため油断は無く、酒場では『13』を殺害しようとする少年に睨みを利かせ、抑えつつ見逃す鋭さと優しさを見せた。
『13』の恋人であった事が示唆されており、そのため酒場の娘からは嫉妬の目で見られていた。

+ 以下ネタバレ-

レジスタンスの攻撃により負傷した上、機体が整備不良のまま*1出撃しストーンヘンジ防衛戦にて戦死する。
彼女がメビウス1が墜とした初めての黄色中隊機となった。





《ああっ!ジャン・ルイがやられた!》
最終ミッションに登場するエルジア軍決起部隊のパイロット。
同ミッションの敵パイロットでは唯一のフルネーム付きパイロットであり、撃墜されるとエルジア機から上記の無線が流れる。
上記の台詞といい出オチ感満載の存在からかオメガ11に次ぐネタキャラとして語り継がれている。


  • 最高司令官

その名の通り、エルジア軍の最高指揮官。

+ 以下ネタバレ-

ファーバンティにてエルジア軍を指揮していたが、ISAFが襲撃してきた為、妻と幼い娘と共にヘリに乗って逃げようとする。
だがファーバンティ開放戦が終了した際、逃げ遅れたヘリの中で死体となって発見される。ちなみに一緒にいた妻と娘は無事であった。
名前もわからない上呆気ない死に様であるが、家族を残して死した彼もまた人間だったのかもしれない。
…なのだが、発見時には既に死体になっていた為、もしかしたら妻やついてきた兵士に殺されたのかもしれない。
ほぼラスボスというのに顔も名前も人となりもわからないが、どちらにせよ彼の死で戦争は終結する事となった...はずだった




《用語》


  • ユリシーズ

エスコンの世界で度々語られる小惑星。正式名称は「1994XF04」。直径はおよそ1マイル。
ストーリー開始の5年前、1995年7月にユージア大陸を中心とした北半球に落着し*2
その被害によりユージア大陸では大量の難民が出ることとなり、結果戦争の根本的原因となった。
Xも6もこれが原因で戦争が起こり、3では巨大なクレーターを利用した地下都市が作られた。
その後も地球に落着しなかった破片が時々落下して来たり、地球の周辺を漂い続けて宇宙開発の妨げになっている。


因みに小惑星ユリシーズは実在しており、現実世界を舞台としたACEINFでは実在の小惑星ユリシーズと未知の小惑星が衝突した破片が地球に降り注いで来る。



  • ISAF

一言で言えば主人公陣営。
「アイサフ」と読む。意味は「独立国家連合軍」。ISAFはIndependent States Allied Forcesの略。
三つの鏃を組み合わせたシンボルマークを掲げ、そのことから「スリーアローヘッズ」の通称を持つ。
大陸戦争に際してエルジアに対抗すべく、エルジア以外では大陸で最も大規模な国家であるFCU(中央ユージア連合)擁するFCU軍を中心に、東部諸国が結成した多国籍軍。
ストーンヘンジによって大陸の制空権を奪われた事で形勢不利となり、じりじりと撤退が続いていたが、
ストーンヘンジ空爆作戦の失敗により、ストーンヘンジ攻撃のための拠点だった主要都市ロスカナスを失った事で一気に沿岸まで撤退、
間もなく大陸放棄を決断したため、ゲーム開始時点で残された領土は沿岸部の極一部と、大陸北東の島国ノースポイントのみであった。
戦力に関しても、最精鋭はストーンヘンジ攻略作戦失敗により喪失してしまっており、
ノースポイントでの再編時に残っていたのは各地から撤退して来た敗残兵同然であった。
……こんな状態から、メビウス1の戦いは始まるのである。
その絶望度合いはファンからは9回裏2アウトランナー無し得点差2桁と評される。


現実にもアフガニスタンで活動していたInternational Security Assistance Force国際治安支援部隊とは無関係。


  • エルジア共和国*3

ユージア大陸の西側1/3程を支配するユージア大陸最大の国家。
東部諸国とは歴史的経緯や地政学的・経済的な問題などからかねてより関係が悪く、長らく「武装平和」と称される緊張が続いていた。
一国でISAF全参加国の軍備に匹敵する程の高い軍事力を持ち*4、ストーンヘンジの威力と相俟って大陸戦争序盤ではISAFを圧倒していた。


ユリシーズ落着後は大陸各地で大量に生まれた難民の最大の受け入れ先として期待されていたが、エルジアもまた大小10個の破片が領内に落下するなど大きな被害を被っていた。
特に破片の1つが首都ファーバンティ沖合に落下した事で数万人の犠牲者と政治・経済両面の混乱が発生しており、大量の難民の受け入れなど到底不可能であった*5
エルジアは約20万人の難民を受け入れた時点でビザ発給条件の厳格化などで難民受け入れを拒否するが、大陸諸国はそれを批難し、難民達もエルジアの受け入れ再開を期待して国境に居座り続けた。
そればかりか、NGO団体が「人道空輸計画」と称して無計画に大陸中の難民をエルジア国境に集結させたために国境一帯はスラム化し、環境が悪化して行く。
この事態に国連も大陸諸国に対して難民受け入れ枠の拡大や避難計画の前倒しを要請するがまともに答える国は少なく、エルジア世論も難民を押し付け続ける大陸諸国に対する不満を溜め続ける。
そして、エルジア政府は東部諸国への武力侵攻によって事態解決を図ることを決定。サンサルバシオンへの電撃侵攻を行い、大陸戦争を勃発させた。
……以上の経緯からも分かる通り、エルジアは決して悪の帝国などではなく、彼らもまたユリシーズによって運命を狂わされた被害者の一人である。


ACE5以降の作品に登場する国々とは異なり明確なモチーフは無いと見られているが、一部からは、キャラのネーミングからフランスではないかとも言われている。
後のACE7ではフランスがモチーフと思しき描写が多用されるようになる。


  • サンサルバシオン

ユージア大陸のほぼ中央部にある中立国。
交通の要衝である事から過去何度となく戦場にされた経緯がある。
ストーンヘンジはこのサンサルバシオン領内のハッティーズ砂漠に設置されている。
「過去に何度も戦場にされた」、しかも「現在は中立国」であるかの国に、平和利用目的とはいえ巨大レールガンを置く事には当然反対の声もあったが、
ユージア大陸どころか地球の存亡がかかっているという事態を前に、結局設置される事となった。
サイドストーリーの語り部である「私」はこのサンサルバシオンに住んでいる。


  • ストーンヘンジ

正式名称「120cm対地対空両用磁気火薬複合加速方式半自動固定砲」。
ユージア大陸をユリシーズから守るために造られた超大型レールガンとその運用のための複合施設。
ユージア大陸の中心の中立国「サンサルバシオン」に位置し、その射程は1200kmとほぼ大陸全土を収める。
なお、ミッション前のブリーフィング画面に出て来る地図に描かれた点線がこのストーンヘンジの射程である。
その名の通り、弾頭の撃発に火薬を、加速に電磁力を使用したハイブリッド式。これは撃発にまで電磁力を使用したら砲身が負荷に耐えかねて溶けるためであることと、連続発射の際の電力供給問題があるため。


8基の巨大レールガンが円環状に並んでおり、その外観は正にストーンヘンジ。
地方都市にも匹敵する広大な敷地を有しており、地下には砲台と弾道計算用のスパコンを稼働させるための専用の原子力発電所の他、
大電力チャージ用として大量に設置されたコンデンサ群*6が存在する。
砲台の周りにある黒いリングに見えるものは原子炉の冷却水プールである。
弾道計算用スーパーコンピューターは8台×1024台を並列に繋ぎ合わせた計8192台が設置されており、
1台で1秒間に90億回、8192台合わせて毎秒100兆回もの浮動小数点演算を可能としている。
この演算システムで人工衛星や大陸各地の観測所で得られた大気状況を元にシミュレーションを行い、飛来するユリシーズの破片に正確に狙いを定める。
なお、8基ある内の1基はユリシーズの破片が直撃して破損しているため、稼働状態にあるのは7基のみである。


戦争初期にエルジアに接収され軍事用に転用された。
大陸ほぼ全土を収める射程距離、使用される広範囲の破片処理を目的とした特殊砲弾*7もさることながら、秒速6km(=およそマッハ18)*8で飛来する弾頭が広範囲に強力な衝撃波を放つため、
高度2000フィート(約600m)以上を飛ぶ航空機程度は、直接命中しなくても衝撃波だけで撃墜されてしまう*9
そのため、一たびストーンヘンジが火を噴けばISAF空軍はロクな作戦行動が取れなくなってしまい、
実質的に大陸の制空権はエルジアに支配されたも同然の状況となってしまっている。


因みに、一部の開発者はあくまで兵器ではないという意味でレール「ガン」という呼称を嫌い、「EML(電磁加速投射機)」と呼んでいたという。


+ 以下シリーズ別作品に関するネタバレ-

エースコンバット7にも登場しており、隕石の落下で損傷を受け、ISAFに破壊されなかった1基の砲台がアーセナルバード撃墜作戦の切り札として登場。
オーシア軍に接収・修復。機能を失った発電施設や射撃管制を、発電車や測量チームが補い、ユリシーズ迎撃時に装填された1発の砲弾によるアーセナルバード狙撃を敢行する事になり、阻止しようとするエルジア軍に対してプレイヤー側がストーンヘンジを防衛する事になる。
ミッション名も「ストーンヘンジ防衛」になっている他、戦闘中のBGMが04のストーンヘンジ攻撃の一部アレンジになっている等、まさに本作のファンなら歓喜する展開になっている。
今作ではストーンヘンジには射表が装備され、目視による直接照準が可能という事が明らかになっており、いかに当時の人々が人類存続の希望をこの砲に託していたかが窺い知れる。


  • メガリス

エルジア南部の外れの島・トゥインクル諸島に建造されていた巨大要塞。
隕石落着機能を持つロケットの発射センターであり、衛星軌道上に残るユリシーズの破片を意図的に落下させて地上を攻撃するという恐るべき兵器。前々作の最終ステージとなった要塞「イントレランス」にそっくりだが、それもそのはず、デザインはイントレランスのリメイクである。
ちなみに外部からの攻撃を一切受け付けない程の堅牢性を誇るが、建造途中であるためか対空兵器の類は一切設置されていない。


物語最終盤、エルジアの敗北を認めずに蜂起した若手将校が占拠して稼働を開始。ユリシーズの破片による落着攻撃が開始されたことから、ISAFは破壊作戦を決行する。つまりラストステージの舞台。
ちなみにこのメガリス破壊作戦の出撃前にはISAF総司令の演説が聴ける。是非耳を澄ましてみよう。                                
続編のエースコンバット7にもとある場面で地名のみカメオ出演している。


  • エイギル艦隊

「無敵艦隊」「不沈艦隊」とも呼ばれるエルジア海軍の主力艦隊。
近代化改修された戦艦タナガーを旗艦とし、空母ジオフォン、イージス艦レイブンの他多数の巡洋艦、駆逐艦、潜水艦などで構成される。
その規模はかなりのもので、ISAFによるコンベース港空襲時点で戦闘艦艇だけでも戦艦1・空母1・イージス艦1・巡洋艦9・駆逐艦10・潜水艦7、計29隻という大編成
他にも揚陸艦と補給艦が2隻づつあり、これも含めると計33隻というエースコンバット屈指の規模を誇る大艦隊である。
艦船のモデルはいずれもいわゆる西側諸国の戦闘艦艇。アメリカ海軍の戦闘艦が主体だが*10、中には海上自衛隊の艦艇*11やフランス海軍*12・イタリア海軍*13の艦艇も混じっている。


ゲーム序盤、エイギル艦隊は大陸南部の港湾都市・コンベース港に集結。本格的なノースポイント侵攻を行うべく、緊急展開軍や大量の物資集積を行って侵攻準備を進めていた。
このことからISAFは「侵攻準備が完了してエイギル艦隊が出航すれば我々の敗北が決定する」としてノースポイント侵攻の中核戦力となるエイギル艦隊を重要視し、補給線の寸断や製油施設の攻撃を敢行。
ついにメビウス1を筆頭とするISAFの航空部隊によるコンベース港空襲作戦に転じる事となる。

+ 以下ゲーム内とその後のネタバレ-

メビウス1以下ISAF空軍部隊の活躍によりエイギル艦隊は壊滅。集積物資も大部分が破壊され、これによってエルジア軍はノースポイント侵攻を無期限延期した。
また、エルジアの海軍戦力が片付けられた事でISAFは当座の危険を脱することに成功し、ついに大陸反攻への足掛かりを得る事になる。
この時の空襲による被害が尾を引いたのか、はたまたこの艦隊のみ違っていたのか、これ以降エルジア海軍は目立った戦力を出さず*14、また約15年後を描いた『7』に登場するエルジア海軍の艦隊はエイギル艦隊と違って現実世界で言う東側の艦艇が中核となっており、大陸戦争とは違う様相を呈している。
また、この時に沈没した旗艦の戦艦タナガーには、灯台戦争で潜水艦アリコーンを指揮するマティアス・トーレス艦長が搭乗しており、沈みゆくタナガーから多くの将兵を迅速に脱出させ、多くの命を救ったとされている。
もっとも、この時にメビウス1に蹂躙され、艦隊を多く失った事による経験が彼の危険思想をより一層深めてしまったのかもしれないが……



+ 以下ネタバレ-
  • X-02

本作の隠し機体で、エルジアが自国の航空技術・軍事技術の粋を集めて開発していた新型の双発ステルス戦闘機。
カナード翼と内翼が後退翼・外翼が前進翼という特殊な可変翼、速度域に応じて水平尾翼・垂直尾翼双方の機能を発揮する全遊動式尾翼で構成される3サーフィス機で、
速度域に応じて高い格闘戦能力を発揮する高機動形態と、高いステルス性と超音速巡航能力を発揮する高速飛行形態の2つの姿に変わるという特殊な機体。
開発当初から他のユージア大陸諸国にその存在は知られていたが、先述の2つの形態から「二つの戦闘機を同時並行で開発している」と誤認された。


1990年代後半に開発が始められていたものの、大陸戦争時にストーンヘンジを軍事転用した結果、「ストーンヘンジと既存機で防空体制を構築する」という政府と、
軍部やメーカーといった開発推進派が対立したことで開発は一旦ストップしてしまう。
ISAFの大陸反攻やストーンヘンジの破壊で開発が再開されるも、結局終戦には間に合わなかった。
その後開発施設を接収したISAFに注目され、完成後の試験飛行で「潜在能力でF-22を上回る」と評価された。



《余談》

本作からストーリー重視の路線に変更された。今までのようにクーデター発生→鎮圧の流れだったが、国対国の戦争、裏で暗躍する組織など、
ストーリーが壮大になっている。3?あれは時代が早すぎt(インカミンミッソー!ミッソー!


本作以降、最終ミッションではBGMが混声合唱付きのオーケストラサウンドとなる事が定番となった。
その壮大なBGMに、奮い立つ事間違いなし。


また、PS2版のマニュアルにも記載がある通り、今作ではエンジン音を収録するため、実際に自衛隊まで赴いて実機のエンジン音を直接収録するなど、細部までこだわっている。


片淵氏はその後エースコンバット5の脚本や12年ぶりのナンバリングタイトルであるエースコンバット7の脚本も手掛けている。
当初ディレクターは映画製作で忙しい片淵氏には7の制作依頼は難しいと判断し、「片淵氏ほど戦争や航空機に詳しい脚本家を知りませんか?」と尋ねたところ
片淵氏からは「残念ながらそういった人物は心当たりがないので私がやらせていただきます。」と粋な回答を得て参加が決定した。
同氏によると「エースコンバット制作に関わった経験があるおかげで今の自身がある。」と04や5での経験は非常に有意義であったという。
ちなみに片淵氏はアニメ業界でもあの宮崎駿が認めるほどの航空機マニアで、かつては作風も似ており宮崎駿の別名儀と誤解されたこともあった。




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  • エースコンバットの進化がこれで進化が止まった。アンチの進化もスカイ・クロラで止まった -- 名無しさん (2014-06-16 21:56:01)
  • またユージア大陸の話に戻してほしいね。現実世界マジいらない -- 名無しさん (2014-07-01 07:50:29)
  • やはり最強パイロットはメビウス1なんかな 次は単機で反乱軍壊滅させちゃうし -- 名無しさん (2015-02-09 01:05:28)
  • 「全機、メビウス1に続け!」からのMegalith - Agnus Dei -挿入が神すぎる -- 名無しさん (2015-02-11 14:29:03)
  • 13は自分たちが侵略者だと判ってると思う。故に、サンサルバシオンの人たちとも友好的接しようとしたし、「私」の事も逃がしてくれた。「私」もそれが判っていたから、13を追いかけた。 -- 名無しさん (2015-03-15 21:48:01)
  • ↑ 黄色の4が死んだ理由だから仕方ないとは言え、メビウス1を称える時に比較としてレジスタンスを「姑息な破壊活動をするヘドの出る連中」とディスりまくってるのがちょっとなーっていうのがある。個人としては良い人なのは間違いないんだが -- 名無しさん (2015-03-15 22:17:53)
  • ただ「私」が銃向けた時に13はショック受けた雰囲気だったし、病院の上に砲門拵える策謀に嫌悪感しめしたり、今一つエルシアの侵略者という立場を受け入れてなかった気が・・・・ -- 名無しさん (2015-03-15 23:34:34)
  • Xはまだ良かった……X2は…お察し下さい… -- 名無しさん (2015-04-28 07:03:21)
  • そう、13は決して聖人ではない。彼は戦士だが、自分たちが虐げる側であることを理解できていなかったのだ。その人間的な不出来さも俺が彼を好きな理由の一つだ。酒場の娘は一度は幻滅した彼を少年と共に追いかけ、彼の形見のハンカチを葬ったわけだが、その間の心情を思うとたまらなく切なくなる。 -- 名無しさん (2016-03-05 00:30:45)
  • 7のトレイラーで壊れたストーンヘンジに新生アクィラ(?)、更にはいきなり王国になってるエルジアとワクワクさせてくれる展開になってますな(0゚・∀・) -- 名無しさん (2016-12-07 22:43:23)
  • 7の映像に出てたミハイルって、もしかするとメガリスにいた黄色モドキ? -- 名無しさん (2017-07-14 23:52:03)
  • そういやエルジアのエースのミハイ爺は大陸戦争の前から黄色の13を指導してたみたいだね。 -- 名無しさん (2020-02-07 01:58:14)
  • ↑言い忘れてた、最新作のエースコンバット7の敵エースだった。 -- 名無しさん (2020-02-07 02:00:20)
  • シリーズの中でも最上級にエース感を感じられるエスコン。シナリオや無線内容の良さもあって、グラフィックと操作感を最新のものに合わせてリメイクorリマスターしてほしい。 -- 名無しさん (2021-10-12 09:31:09)
  • エスコン7のトーレス艦長のセリフ、≪三本線には「欲」がない。≫から始まる一連のセリフは、エスコン04でメビウス1に蹂躙された経験に由来しているのかもね。 -- FALL (2021-11-19 10:37:43)
  • ゴルゴの最終兵器小惑星爆弾というエピソードでレールガンで隕石(小惑星)を撃墜するのがあった -- 名無しさん (2022-02-11 10:51:32)
  • 味方だけでなく敵も魅力的な作品は大体ハズレ無しという良い見本の一つ。「私」視点で物語を描いてるのがメチャクチャ功を奏してるよね。悪いんだけど主人公をヨイショするだけではあまり面白くならないんだやっぱ。 -- 名無しさん (2023-02-11 13:44:20)

#comment

*1 本来彼女のSu-37には交換すべき部品があったが、戦局の悪化で補給が滞っていた上、レジスタンスの攻撃で予備部品が損傷してしまった。
*2 ユリシーズが丸々ではなく、正確にはロシュ限界を超えて地球の潮汐力により粉砕された破片が落着した。
*3 ACE7に登場する「エルジア王国」と同一の国家。ACE04本編後、作中2012年までに共和制から王制に移行した。
*4 それでも全面戦争に発展した場合相当な犠牲を払わなければならないことが予想されたことから、エルジアはストーンヘンジに目を付けることとなる。
*5 終盤ミッションで首都ファーバンティを訪れるが、落着から6年が経った2005年当時もなお湾岸部が水没しており、半壊したビル群がそのまま残されている状態であった。
*6 その面積はストーンヘンジ全体の敷地の20%を占めているほど
*7 その威力からか、本来は法的な使用制限が掛けられている程の代物である
*8 当初は秒速8km(=約マッハ23=第一宇宙速度)への加速を目指していたが、時間や確実性を重視した結果建造当時の技術レベルで実現できるこの速度に収まった
*9 巡航速度でも時速900km(=秒速250m)程の速度で飛ぶ航空機にとって、高度2000フィートなど地面スレスレと同じである。実際に劇中でも高度2000ft以下に下げろという指示に対して仲間のパイロットが「地面には潜れないぞ!」と叫ぶシーンがある。
*10 戦艦タナガー、空母ジオフォン、イージス艦レイヴンのCGモデルはそれぞれアイオワ級戦艦、キティホーク級航空母艦、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦で、更に潜水艦のCGモデルはロサンゼルス級原子力潜水艦を採用している。
*11 はたかぜ型ミサイル護衛艦が巡洋艦のCGモデルとして、とわだ型補給艦が補給艦のCGモデルとして採用。
*12 カサール級駆逐艦が駆逐艦のCGモデルとして採用。なおカサール級は現実では艦隊防空ミサイルを搭載したミサイル駆逐艦だが、作中での武装は対空砲のみである。
*13 サン・ジョルジョ級強襲揚陸艦が揚陸艦のCGモデルとして採用。
*14 エイギル艦隊の壊滅以降、まともに出てくるのは終盤のファーバンティ攻略戦で、それも座礁して浮き砲台として運用されている戦艦1隻と、駆逐艦と潜水艦が数隻という寂しいものだった。

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