登録日:2012/05/26(土) 02:48:53
更新日:2023/08/10 Thu 12:30:21NEW!
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パタリロ! 推理回 オカルト回 隠し子 コンパニオン 守銭道 パタリロ!エピソード項目 異色の推理物 三話~九話のこと クラリス殺人事件
「クラリス殺人事件」とは、パタリロ!の228話のエピソード。収録巻は54巻。
【ストーリー】
ある日、トイレで大便をしていたパタリロのもとに届いたタマネギからの報告、それは、公爵家で殺人事件が発生したというものだった。
被害者は公爵夫人の身の回りを世話をしていたコンパニオンの女性ミス=クラリス。
事件を解決すべく意気揚々と公爵家に向かおうとするも、既に犯人は捕まっているという。
現場の状況は鍵のかかった密室で部屋は血の海で床の上には出血多量で絶命した彼女が倒れ、そばには血文字で「ジャービス」と。
その名は亡くなった公爵の経営していた会社の一つの秘書の女性との間で生まれた、公爵の実子の名前で、母が病死した為それを証明する書類を持ってマリネラにやってきていた。
早速彼の宿泊先のホテルまで直行すると、そこにはベッドの上で熟睡している彼とこのそばで彼女の部屋の鍵と凶器があった為警察は逮捕する。
あまりにも「自分が犯人です」と言わんばかりの、かえって疑わしい状況にパタリロは当然首を傾げる。
ジャービス少年の言い分では、部屋につくとデキャンターに入ったワインが置いてあって飲んでベットに少し休む為に横たわるとそのまま警官に起こされるまで気がつかなかったという。
そのデキャンターは警察が踏み込んできた時にはなく、ホテルもそんなサービスはしていない。
動機は夫人は被害者にも財産を遺そうとしていたので、そんな事をされたら取り分が減るからと警察は考えているが、これは彼がその事を知っている事で初めて成り立つもので、非現実的、非合理的でこじつけの域を出ない。
面会に行き、ジャービス少年に嘘発見器を持って単刀直入に聞くが、その答えは当然否定。
霊感青年の44号を呼び出し、彼にミス=クラリスの霊魂を呼び出させ、犯人が誰かを尋ねるが、返ってきたのは「ジャービス少年が犯人」という。
彼女の証言も聞くが、同じ様に不自然な点だらけで、一本の線に繋がらない。
何もかもがおかしいこの殺人事件の解決にパタリロが挑む!
登場人物
- パタリロ=ド=マリネール8世
主人公。今回は便秘気味でクソの出はよくなく、何時もの半分しか出なかった(それでも常人を遥かに越える量)。
これと、彼が守銭道の信奉者だった事の二つが事件の真犯人とその動機を導き出した。
- 44号
タマネギ部隊に所属する霊能者。今回はラスト以外は素顔は出て来ない。
被害者の霊を呼び出す。
- 公爵夫人
マリネラ王家に次ぐ古い家柄の公爵家の夫人。未亡人。
とても優しく、パタリロを可愛がっていてお茶会等に招待してくれるので彼も祖父母のように慕っている。
公爵の事は心から愛しており、後述の台詞からもそれはよくうかがえる。
ミス=クラリスを気に入っていて、遺言状に遺産の半額を彼女に遺すよう書き直すつもりだった。
- ミス=クラリス
公爵夫人の身の回りの世話をするコンパニオン。その為、パタリロやタマネギ達とも面識がある。
高校を出た後国営のホテルでメイドとして働いていたが、五年前公爵が亡くなって夫人がお相手役を募集したのに応募して採用された。
働きぶりはよく、親切な女性と周りの人間やタマネギ達は評していたが、パタリロは彼女を守銭道者(要約すれば金に人生をかけた教え)だと見破っていた。これが犯人の動機と繋がっていた。魂は魔界に墜ちていた。
- ベンゴ氏
名の通り弁護士。公爵家顧問。
ジャービス少年の事を知って夫人に報告し、細々した事を話してホテルへ送らせた。
- デーブ警部
マリネラ警察の警部。この事件で初めて殺人事件を担当した。名前の通り太っている。
出世欲が強く、パタリロにお世辞を言って覚えをよくして出世しようとしていた。
- 公爵
故人。女好きだが子供嫌いで、奥さんとの間にも子供はもうけなかった。が、一度だけ失敗した。
妻を含めた女性たちには本心から愛情を注いでおり、また、ちゃんと認知して書類を渡す所から、責任感のある人物である事はうかがえる。
犯人(ネタバレ)
- ミス=クラリス
この事件と被害者と思われていた女性。つまりは自殺。
自分で自分の腹を切ってホテルと公爵家を移動するという、とんでもないトリックを用いてジャービス少年を殺人犯に仕立てようとした。元々罪を着せる事が目的だった為、呼び出されても彼が犯人だと言っていたのだった。
たった一言の矛盾と移動の際止血に使った布が見付かった事でトリックが暴かれ、パタリロ達を襲おうとするも44号の手で除霊された。
動機は公爵の実子、つまり正当な継承者が現れた以上財産が手に入らなくなると考えたので、それなら誰にも渡さないとする為(マリネラの法律では殺人犯は死刑)。こんなトリックを考え、やり遂げる事が出来たのもその一心が強かった為だった。
真相が明かされ、ジャービス少年は釈放される。
皮肉にも彼は公爵家の財産に興味はなく、ただ父である公爵の正式な妻である夫人に母の事を許してほしくて来ただけだった。
それに対し夫人は、
「いけない所もあったが私は主人を愛していた」
「主人のお相手をしてくれた女性たちには、あの人に安らぎをあたえてくれてありがとうとお礼を言いたいくらい」
と言い、一緒に暮らそうと手を差し伸べ、彼もその手を取った。
それを見ていたパタリロは自分を棚に上げた発言をして44号達を呆れさせた。
今回の事件は被害者の霊を呼び出して犯人を特定しようとする、推理物にしては噴飯物な展開がある。
結局の所ミス=クラリスの行動は無駄であり、取り越し苦労でしかなかった。
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- 自殺して霊魂になってまで冤罪を・・・・怖いな。見破ったパタリロも凄いけれど。 -- 名無しさん (2014-06-10 21:21:31)
- 公爵夫人マジ女神! -- 名無しさん (2014-06-10 21:40:41)
- 「被害者の霊を呼び出す推理物として噴飯な展開」←鎌倉物語では割とよくあるという -- 名無しさん (2015-08-08 20:31:34)
- しかもその被害者の霊が真犯人という、推理小説としてもなかなかに斬新な展開w魔夜先生の発想には感嘆させられる -- 名無しさん (2018-03-31 19:45:12)
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