十二神将(東京レイヴンズ)

ページ名:十二神将_東京レイヴンズ_

登録日:2015/03/06 Fri 01:14:44
更新日:2024/01/12 Fri 10:44:29NEW!
所要時間:約 32 分で読めます



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概要


ライトノベル東京レイヴンズ』に出てくる国家一級陰陽師たちの総称。


この作品の世界観では陰陽庁という行政機関が存在し、呪術者はそこで国家資格を取得し、公務員として働いている。


国家資格はⅠ~III種に分かれ、大半の呪術者たちを『陰陽Ⅱ種』を取得する。


対して『陰陽Ⅰ種』の取得者はほんの一握りであり、庁内にも十数人しか存在しない。


この『陰陽Ⅰ種』の試験を突破したキャリアだけが国家一級陰陽師となり、『十二神将』と呼ばれることになる。






名称


この『十二神将』という言葉は公称ではない。


世間一般で認知されているが、それはマスコミが用い始めたから広まっただけであって、あくまでも俗称に過ぎない。


そのため実際に12人いる訳ではないし、このネーミングに特別な意味がある訳でも(たぶん)ない。



実際の十二神将の意味は複数ある。


仏教では「薬師如来を守護する天部十二尊」を示す※1。


陰陽道では「占術を行う際に用いられる象徴体系」または「安倍晴明が使役していた式神たち」のことを指す※2。


前者の象徴体系は、北極星を中心とする星や星座をモチーフにしているらしい。


ちなみに作中で『十二神将』たちが全て出そろうのは本編の十二巻。


副題も“Junction of STARs”(直訳するとたちの連結点”)と『十二神将』に関連したものとなっている。


これ偶然か?


 ※1 余談だが、日本で薬師如来は泰山府君の本地(本来の姿)であるとされている。


 ※2 陰陽道におけるそれらの呼称は十二将が正確であり、十二神将という呼称は本来は正しくないらしい。マスコミぇ…。






類型(タイプ)


陰陽庁に務める呪術者を大別すると、以下の五つの役職に分かれる。



霊的災害(以下霊災)を修祓する祓魔官(ふつまかん)。


霊災の探知を行う霊視官


呪術犯罪を取り締まる呪捜官(呪術犯罪捜査官の略称)。


呪術の実験を行う研究者


呪具の開発を行う開発者



陰陽庁の職務は多岐に渡り、当然呪術者たちに求められるスキル・特性も様々である。


おおよそのイメージで言えば、祓魔官タイプは強い霊力を持つ者が、呪捜官タイプは駆け引きに長けた者が、霊視官タイプは見鬼(霊気を視る力)に優れている者が、研究者・開発者タイプは分析力やアイデア力の高い者がそれぞれ多い傾向にある。


こうした分類は『十二神将』にも当てはまる。


彼らはその“職務ごとで求められるスキル”に特化した呪術者たちであり、それぞれの職務においては一騎当千の働きを見せる。


だが、それ以外の分野では適性を示せない場合もある。






メンバーの変遷


物語の初めでは



天将


神童


神通剣


鬼喰い


神扇


炎魔


結び姫


天眼


大佐


又又 目童 女臣



以上、計11名の国家一級陰陽師が陰陽庁に在籍していた。


過去では他に『黒子』『導師』の2名も在籍していたが、現在はそれぞれの理由で現役を退いている。


第二部では新たな『陰陽Ⅰ種』取得者が1名生まれ、新旧合わせて14名となった。


ちなみにその内わけは祓魔官タイプが5名、呪捜官タイプが3名、霊視官タイプが3名、研究者タイプが2名、その他が1名となっている。






第一部の『十二神将』たち


使用呪術一覧にある黒字は『汎式陰陽術(以下汎式)』で、青字は『帝国式陰陽術(以下帝式)』。


以下では重大そうなところは伏せてるけど基本的にネタバレしまくりなので、そこのところは注意。


名前の元ネタのところもファンの推測か記事主の妄想しかないので、生暖かい目で見てください。






『天将』倉橋源司

 てんしょう  くらはしげんじ


嘘ではない。当然だろう。君は、私にとって次期宗家なんだからな


CV:小杉十郎太
登場:原作7巻・アニメ13話
役職:陰陽庁長官(祓魔局局長も兼任)※1
式神:白阿※2・黒吽※2・モデルWA1スワローウィップ
呪具:なし
類型:陰陽師※3
年齢:五十代


 ※1 原作7巻、アニメ17話ネタバレ。

+ -


呪捜部部長である天海大善が行方不明となり、以降は倉橋がそのポストも兼任することになる。




 ※2 原作14巻ネタバレ

+ -


倉橋家に代々仕える古い式神。名の通り白と黒の巨大な獅子で、その威容にふさわしい実力を持つ。
夜光の時代においては当時の倉橋の当主と共に、飛車丸たちと轡を並べ戦った過去を持つ。




 ※3 原作14巻ネタバレ

+ -


陰と陽の調和を司るもの。
例えば霊災なども単に倒す以上に、その強すぎる陰の気を祓い、陽の気とのバランスを整え、五行の霊気の循環を正しい形に直すことを重んずる。
この考え方は一種の思想のようなものであり、2部の東京レイヴンズにおいてキーワードの一つになっている。




当代最高の陰陽師と謳(うた)われる『十二神将』の筆頭
名門『倉橋』家の現当主にして陰陽庁長官でもあり、実力・地位ともに呪術界の頂点に立つ男。
立場上すでに一線を退いてはいるが、英気はいまだ鋭く、衰えの気配は微塵もない。
引き締まった眉、険しい目つき、謹厳さのにじみ出た表情、遊びの無い佇まい、その揺らぐことのない在り様は鍛えられた鋼を連想させる。
陰陽庁の長官という立場からか、仕事では陰陽師の正装である束帯を着用している。
束帯を纏う姿は、まさに平安時代の陰陽師そのものであり、古き“呪”の意志と威風を感じさせる。


『倉橋』家は本来『土御門』家の分家であり、彼らを支える立場にあった。
しかし太平洋戦争時、当時の陰陽頭(おんみょうのかみ)であった土御門夜光が実験に失敗し、東京に大きな災厄をもたらしてしまったことで『土御門』家は没落。
以降は『倉橋』家が呪術界の導き手という役割を背負うことになった。


落ち着いた姿とは裏腹に即断即決の人であり、通常業務はもちろん人事などにおいてもその辣腕をふるっている。
だがその手腕は内以上に外で、政治の方面で発揮されている。
現行の陰陽法は太平洋戦争の終結直後に制定されたものであり、現在の世情を反映したものとは到底言い難い。
陰陽法の改正は陰陽庁の、ひいては呪術界全体の悲願であり、それを叶えるために彼は、現与党を務める政党内の有力派閥と幾度も折衝を重ねている。


原作7巻、アニメ17話ネタバレ。

+ -


土御門夜光』の遺志を受け継ぐ組織『双角会』の関係者。
彼の遺志を実現させるために『相馬』家と手を組み、二度の霊災テロを引き起こした。
陰陽法の改正も、これらの計画の一部である。




陰陽塾塾長である倉橋美代の息子であり、倉橋京子の父親でもある。忙しい立場なためか、家族との会話や交流は少ない模様。
だが仲は悪くないようで、厳しくも立派な父親として京子からは尊敬されていた。


二つ名の『天将』だが、その由来については不明。
『十二神将』という星々を束ねる者という意味という意味なのか、
あるいはかつて安倍晴明に仕えていた式神『十二天将』になぞらえ「自分もまたその血筋の意志に恭順する」という決意の表れなのか。
シンプルなネーミングな割に、けっこう意味深な二つ名である。案外、間違って使っているマスコミへの皮肉という線も…ないか。


使用呪術一覧
神道系:最上祓いの祝詞
密教系:不動明王の火界咒、胎蔵大日如来の真言※1
詳細不明:霊力の封印、多軌子の偽装で用いた魂の呪術※2


 ※1 胎蔵大日如来の詳細は大日如来を参照。


 ※2 原作7巻、アニメ17話ネタバレ。




『神童』大連寺鈴鹿

  しんどう  だいれんじすずか


なんだよ仲間外れって!? そもそも仲間じゃねーし! てか、お前らマジに『十二神将』舐めすぎじゃねっ!?
偉いんだよ? あたし国内に十数人しかいないうちの一人なんだからね、あたしっ?


CV:佐倉綾音
登場:原作1巻・アニメ1話
役職:開発研究部の個人研究員(→陰陽塾の塾生)
式神:ソハヤ※・モデルM3阿修羅・機甲式『土蜘蛛』
呪具:聖書
類型:研究者
年齢:十代中ごろ


 ※ 円盤1巻特典小説ネタバレ。

+ -


鈴鹿の父親『大連寺至道』の実験によって作り出された生成りの猫。
憑いている霊的存在の影響で知性を持ち、人間との会話も難なくこなす。
元々は鈴鹿の兄『大連寺利矢(としや)』の式神だったが、彼の死後に鈴鹿の式神となった。
男の子のような声でしゃべる、猫らしいマイペースさを残した式神で、鈴鹿の毒舌にも慣れた対応を見せる。
物語開始時点ではすでにこの世を去っている。ソハヤはその最期の瞬間まで、彼女が独りになってしまうことを案じていた。
…もしかしたら、ソハヤは死んだ利矢の代わりの意味も込めて鈴鹿の幸せを願っていたのかもしれない。
名前の元ネタはおそらく坂上田村麻呂の愛刀『ソハヤノツルギ』。




史上最年少で『陰陽Ⅰ種』を取得した天才少女。得意分野は研究であり、『帝式』を専門にしている。
この『帝式』は現在使われている『汎式』のベースとなった呪術体系であり、その中には現在では禁呪に指定されている危険な呪術も数多く存在する。


本業は研究だが、その年齢と話題性から陰陽庁のイメージガールを務めたりもしている。
その容姿も相まって、世間では『十二神将』のアイドルとして認知されている。
だが、実際は無精で口の悪いツンデレ娘。普段はブリっ子キャラで通しているが、素をさらしていい相手になると途端に横柄な態度となる。
ただ横柄なのは強がりの一種であり、その内面はけっこう純粋。対人経験の少なさからか、相手から積極的にアプローチされると非常に弱い。
学生組の中では図抜けた力を持つ陰陽師として頼られている反面、倉橋京子をはじめとして仲間みんなに妹分としてイジられ可愛がられてもいる。
鈴鹿も口では嫌がりながらも、内心では彼らとの関係をとても大切に思っている。
仲間と過ごす時間は、家族のいない彼女にとって掛け替えのないものなのかもしれない。


鈴鹿は産まれる以前から、実の父母の手によって様々な呪詛をかけられ、霊的な強化を施されていた。
両親からの扱いはほぼモルモットに等しく、彼女の兄はそれが原因で死亡している。
彼女にとって家族と言える人物は、亡くなった兄『大連寺利矢(としや)』だけであり、その兄への想いが1巻の事件へと繋がっていく。


鈴鹿の二つ名は『神童』。だがその才能は神ではなく、人間の呪(エゴ)によってもたらされたものだと考えると、何とも皮肉な二つ名である。
作中のキャラの言によれば、彼女は何等かの霊的存在を降ろす依代ではないかと語られているが…


呪術戦では聖書のような呪具を使用する。聖書のページは全て符のようなものであり、戦闘ではそれらの紙を使って、折り紙の式神を多数作製し、その物量をもって敵を圧倒する。
折り紙の式神は動物の姿を模したものが主であり、獅子、蛇、鷹など様々なバリエーションがある。
ただ彼女はあくまで研究者であり、その呪的能力もまた、それほど戦闘に特化していない。


機甲式『土蜘蛛』は太平洋戦争時代に開発された軍事用の式神。陰陽庁が保存していたものを、鈴鹿が黙って借用した。1巻の事件後、陰陽庁へと返還された。
モデルM3阿修羅は陰陽庁製の汎用式。本来は雑務一般を処理することを目的にした式神だが、鈴鹿のこれは戦闘用にカスタマイズしてある。1巻の事件時に、土御門夏目の式神『北斗』に破壊された。


ファンの間では、キャラのモチーフは鈴鹿御前ではないか?という意見がある。
鈴鹿御前には蘇りの逸話や元は敵側にいたエピソード、『大通連』という武具を所有しているなど、関係ありそうな要素がいくつか見受けられる。
他の候補として鈴鹿連胤(つらたね)という江戸時代末期の国学者がいる。
彼は同じ国学者であった平田篤胤(あつたね)や六人部是香(よしか)たちと交流があったと言われている。


アニメ1話について。

+ -


さて、実は東京レイヴンズという作品はアニメ化されている。
その1話で、彼女はとんでもない言葉を残していった。
以下1話シーンのセリフ抜粋。




「土御門夏目に伝えなさい」


「必ず捕まえてやるって」


「伝えなかったら…」



チンコもいじゃうから♪




チンコもいじゃうから♪





チンコもいじゃうから♪






  }二ニ==--  ※※※ ′    /   l       |i.     |  ※※※´ ̄`ヾ≫_,ノ }  {_______※※ i   |   ′  │     八     | |   ※※`¨¨¨¨¨¨¨´  {   ///    ※※ .|   |   i    /|      厶斗---、│   ※※ー―-     }   {ー――――※※ |   |   |   / j|   ../    \j│  ※※________,,..斗く  │  ----==※※ v|   |   レ'´ ̄〈j  ./ /         | |   ※※    У _,ノ}   {_____※※   |   | /|/     ; / /    ≫-==| |   i※※ ̄ ̄ ̄   /   / / /   ※※   |   |   {  ,.斗/ /{/    ″   レ|   |※※ニ==--   }  ./ /ィ__  ※※   |   | 、ハf´  {ィヾ   '    ::/::/:::|   |※※____,,..ノ  { ̄ `ヾil\_※※   |   |  \}              j   ,ノ※※   乂 {   }---  \》⌒ヽ   /   「i|>‐ヘ::/::/:::  r‐    ̄|    〈 r=彡i:※※⌒>r=彡.}    {______j\   \乂 {`ヽ:|  \    ゝ. /》′ イ个ト 、_,!※※:入 )<    /  / ※※、  ヽ \| i ̄「`ヽ个:.   /il彡 / *’,ノ {_:_※※: } ∨_,ノ     {_ ⌒7 ※※|\   、| |  |  i ;‘,/ /ー   ,{ ̄   }:.:※※ア  ∨う___     {_,,.ノ ※※|   >   ゝ'゙  |  | |/ /    ,’ {_,.彡 厂 ̄::/   ∨ー=テ     / {___, j⌒ヾ  乂ヽ    ′ レ   / `“''・*・’,   /...} ト、:_/   厂`ヾイ .    乂___ノ 廴,イ}、  乂\      `ヽ,*''’    ‘'*{イ__j }:::::: アフー/: : : :ノ、           ヾ{_八ー=彡:\      }    、    乂,ノ*::,ィ: : : : : : : : : :∧             }: : : : : : : : :.〉ヽ     厂}  }:..i      厂ノ:}ハ: : : : : : : : : :.∧

big(){チンコもいじゃうから♪}






年頃の声優さんに何言わせてるんだスタッフ。
ちなみにこんな台詞は原作にはない。
脚本にも当初はなかったが、収録現場で誰かが発案し、それが採用されたらしい。
…思いついたやつ怒らないから手を挙げなさい。


もう一度言うが、こんな台詞は原作にはない
そもそも下ネタ自体わりと少ない。
言うキャラは一応いるが、鈴鹿はちがう。鈴鹿はそんなこと言わない
むしろ親友の巨乳美少女からのセクハラに振り回されるポジションである。


スタッフの発言によれば、清純派ビッチのイメージが鈴鹿にはあったらしいので、それも手伝って上記の台詞が生まれたのかもしれない。
確かに初対面の春虎とファーストキスぶちかましている辺り、そう言われても仕方ないかもしれないけれど…
一応フォローしておくと、春虎にキスしたのは計画を彼に邪魔されたことの仕返し(その場にいた春虎のガールフレンドへのあてつけ)であり、またキスすることで彼の口を通して腹の中に呪術を仕込むためで、決してムラムラしてやった訳ではない。


まあ、今更フォローしても後の祭りである。
ちなみにこの発言のためか、東京レイヴンズ一話がニコニコ動画でランキング1位を獲得した。
視聴者がふえたよ! やったね、鈴鹿ちゃん!
このニコニコ動画の一話は現在も無料であり、いつでも視聴可能になっている。
上記の台詞に興味のない方は是非原作か漫画を買ってみてください。


興味があるってやつはチンコもいじゃうから♪




使用呪術一覧
陰陽道系:五行符、折り紙の簡易式、簡易式、護符、泰山府君祭
修験道系:不動金縛り






『神通剣』木暮禅次朗

  じんつうけん  こぐれぜんじろう


陰陽塾(ここ)は、この世界で生きるやつにとっては、特別な場所だよ。


CV:高橋伸也
登場:原作1巻・アニメ1話
役職:独立祓魔官※
式神:機甲式のバイク
呪具:二つ銘則宗
類型:祓魔官
年齢:二十代後半


 ※ 原作10巻ネタバレ。

+ -


9巻の事件後に呪捜部へ異動。
呪術犯罪者である土御門春虎大友陣を追っている。




祓魔局の若きエースにして『十二神将』の花形
霊災が跋扈(ばっこ)する現代の東京において、それらを祓(はら)う祓魔官は安寧の象徴であり、木暮はその代表格とも言える人物である。
霊刀『二つ銘則宗』をもって魔を祓う姿は陰陽師というより、武をもって悪鬼羅刹を降してきた古(いにしえ)の英傑たちを想起させる。


バイクを乗り回しているためか、アウターに分厚い生地のフライトジャケット、ボトムスはダメージ系のジーンズに雪駄(せった)と、通常の祓魔官と比べてとてもラフな服装になっている。
夏頃の巻になると、アウターを脱いでアロハシャツ姿になる。
11巻ではスーツ姿にイメチェンした。


小ざっぱりとした服装、引き締まった四肢、精悍ながら人好きのする顔立ち、屈託のない性格、飾ったところのない好漢であり、春虎をはじめとした学生組にとって頼れる大人の一人でもあった。
陰陽塾の36期生(春虎たちは47期生)で、大友陣とは同期生で悪友。
当時はもう一人つるんでいた少女がおり、彼女と合わせて『三六の三馬鹿三羽烏』と呼ばれていた。
当時から素直な性格をしており、三羽烏ではイジラレ役でもあった。その頃の様子については原作のEX2巻で詳しく描かれている。


戦闘では、日本刀を用いたダイナミックな修祓方法を取る。
愛刀の名は『二つ銘則宗』またの名を『天魔刀』。日本八天狗の第一位として名高い愛宕山太郎坊の加護を受けた神刀である。
自身の膨大な霊力を神刀によって収斂し、斬撃として放つ呪術はまさに圧巻。
神通剣』の異名は伊達ではなく、彼の神通力を宿したその剣は常識では考えられないスケールの威力を誇る。


機甲式のバイクは、ウィッチクラフト社の特別製。災害発生時、現場へと急行する際に用いられる。
バイクには烏天狗たちが宿っており、名前はそれぞれ「黒龍」「獺祭(だっさい)」「醴泉(れいせん)」「鳳凰美田」という。※1
マスコットチックな見た目をした式神たちで、その言動も見た目同様に無邪気で可愛らしい(CV:南央美)。
戦闘能力はそこまで高くないが、飛行能力や隠形、呪力を秘めた鳴き声を発するなど、多様な能力を持つ。
式神たちの名付け親は『天狗使い』として高名な修験者『銀鷲行者』※2。
彼は木暮の師でもあり、木暮の呪具や呪術に天狗縁(ゆかり)のものが多いのは、そうした関係であろう。


 ※1 烏天狗たちの名前の由来は全て実在する日本酒。この設定は物語の本編でも語られている(円盤8巻特典小説参照)


 ※2 銀鷲行者の名の由来は、おそらく奈良時代の金鷲行者。


木暮の名前の元ネタとして候補を挙げるなら、登山家として有名な木暮理太郎。
あるいは『上州の大天狗』と言われる木暮安由という競輪選手(おい)だろうか?


本作のスピンオフ漫画『東京レイヴンズ Sword of Song』でも登場。
登場する割合だけで言えば原作より多く、主人公たちの頼れる大人の一人として描かれている。


使用呪術一覧
陰陽道系:護符、隠形
修験道系:不動金縛り、天狗経※1
密教系:不動明王の火界咒、大威徳明王の種子真言、阿字観の瞑想法、毘沙門天の調伏の陀羅尼・真言を用いた刀の投擲※2
詳細不明:呪力の斬撃、呪壁


 ※1 江戸時代中期の書物『真言行者祈祷秘経』にある祈祷文。書物自体は密教系だが、この祈祷文は四国石槌山の修験道から来ているらしい。


 ※2 毘沙門天の詳細は四天王(仏教)を参照。






『黒子』大友陣

  シャドウ  おおともじん


それが、呪術というもんやからや


CV:遊佐浩二
登場:原作2巻・アニメ4話
役職:(呪捜官→)陰陽塾の講師
式神:モデルWA1スワローウィップ・蘆屋道満※1・ゼンタロー※2・モデルM2小彦(すくなびこ)※3
呪具:特になし
類型:呪捜官
年齢:20代後半


 ※1 原作9巻、アニメ24話のネタバレ。


 ※2 円盤8巻特典小説ネタバレ。

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大友が呪捜官時代に使役していた犬蠱の式神。
元は呪術犯罪者の所持していた呪詛式であったが、当時開発研究部に在籍していた早乙女涼の手によって瘴気を抜かれ、護法式へとリライトされた。
以降は大友の相棒として、彼と行動をともにするようになる。
主である大友との関係はドライなものであったが、ゼンタロー自身は彼の式神であることに満足していた。
小説のラストで、蘆屋道満から大友を逃がすために囮となる。
呪詛式として人を呪うために生まれた式神は、最後はその業を己の意思で捨て、主を守る護法式としてその生を全うした。
ちなみに、この犬蠱の作り方はえぐいことで有名。詳細は割愛するが、興味があればネット検索でどうぞ。




 ※3 EX3巻ネタバレ

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陰陽庁製の小型の人造式。元ネタは日本神話の神スクナビコナ。
またこの神は一寸法師の源流と言われている。




呪術界の暗部にその名をとどろかせた影の『十二神将』
汚れ仕事をこなすことが多かったため、その存在は公表されず、ゆえに『黒子(くろこ)』の二つ名を冠することになった。
現場での叩き上げであり、その呪術は百戦錬磨の凄みを宿す。
かつて蘆屋道満を名乗る呪術犯罪者“D”と対峙し、彼から逃げるために自身の足を切り落とした。
以後は呪捜官の職を辞し、上司であった天海の伝手で、陰陽塾の講師となる。


ヨレヨレの服、野暮ったいメガネ、時代錯誤な棒の義足、三枚目臭がただよう関西弁、二十代とは思えない老け顔、調子の良さそうな笑み、飄々とした態度、うさんくさいという言葉が似合う陰陽塾の新人講師で、土御門春虎土御門夏目たちのクラス担任。
悪い意味でノリのいい性格をしており、短編ではこの人のせいで事態が悪化したり、ややこしいことになったりすることもしばしば。
木暮禅次朗の項で述べた通り、『三六の三羽烏』の一人であり、当時から結構なトラブルメーカーだった模様。
性格はけっこうな愉快犯だが、それとは裏腹に、人と人とのつながりには繊細な面を覗かせることもある。


陰陽師の世界は実力主義であり、陰陽塾の教育方針も落伍者は切り捨てていく厳しいものである。
だが、大友自身は「そうした方針はあんまり好かん」とのこと。
大友の考えは陰陽塾の方針と矛盾するが、彼曰くそうした矛盾もまた呪術であるらしい。
陰陽塾の講師としての自覚は強く、要所では教師として襟(えり)を正す。
教職となってから日が浅く、生徒と向き合う際は自分の若さや未熟さに迷うこともあるなど、意外と初々しいところもある。
6巻のギャップ燃え、8巻のギャップ萌えでやられた読者は多い(と思う)。


他の十二神将内と比べると霊力はさほど高くなく、また強力な呪具も式神も持たないが、呪術戦では『十二神将』屈指の実力を持つ。
当人曰く、得意なのは嘘とはったりと小技の応酬。
卓越した呪術の腕と、それを客観的に運用できる頭脳を併せ持つトリックプレイヤー。
甲種と乙種―――呪の技術と詐術の両方に秀でており、ある意味ではバランス型の呪術者とも言える。


ちなみに黒子とは歌舞伎や人形浄瑠璃で、顔を含めて全身を黒い衣装で覆い、舞台をサポートする人間のこと。
現代では黒子呼びの方が馴染みはあるが、正しくは黒衣(くろご)と言うらしい。


おそらく名前の元ネタは大友高聡(おおとものこうそう)。
百済より渡来した僧、観勒(かんろく)に師事し、天文・遁甲術を修めたとされる。


使用呪術一覧
陰陽道系:五行符、五行相生、五行変転、五行連環、簡易式の身代わり、百鬼夜行避け甲種言霊、複数の護符を連携させた捕縛用結界、隠形を応用した高等符術、鮫を模した呪詛式、生首を模した呪詛式、八門法陣(遁甲術)
修験道系:不動金縛り、九字、摩利支天の神鞭法
密教系:不動明王の慈救呪・火界咒、摩利支天の隠形法・結界、熾盛光法、大威徳明王の真言
神道系:蛇避けの呪※1、遠当法、八目の荒籠鎮めの呪詛(とこい)※2、禹歩
詳細不明:歩行法、一時的な封印緩和、幻術


 ※1 呪文が五・七・五・八・五(字余り)で日本ぽかったので、ここに分類しました(小並感)。


 ※2 古事記にある逸話を元にした呪詛。逸話では母神が息子の兄弟神たちの喧嘩をいさめるために、この呪詛を使っている。






『鬼喰い』鏡伶路

 オーガイーター かがみれいじ


……そいつはクールだ


CV:吉野裕行
登場:原作3巻・アニメ7話
役職:独立祓魔官
式神:シェイバ※
呪具:髭切
類型:祓魔官
年齢:二十代初め


 ※ 原作7巻、アニメ17話ネタバレ。

+ -

2m近い長身の優男然とした式神(CV:寺島拓篤)。性格は子どもっぽく、自分の興味のない事柄にはひどく無気力で陰鬱な態度をとる。
一方で強力な霊的存在を斬ることに異常なまでに執着しており、獲物を前にした際は狂った獣の顔を見せ、自身の形代でもある霊刀『髭切』をもって敵の命を吸うことに強い歓喜と快楽を覚える。
基本的に主と式神の関係は『絶対服従』が原則であるが、鏡とシェイバの間にはそうした規律めいた呪はない。
彼らの主従関係が成立しているのはひとえに鏡の強さと「強い敵を倒したい」という互いの欲望が合致しているからであり、裏を返せばどちらか一方が欠ければ、その関係が崩壊する危険性をはらんでいる。
彼ら二人がそうした関係性にあるのは、主である鏡がそれをベストの形だと判断したからなのだが、周囲の人間からすれば実にいい迷惑である。
そのため鏡が陰陽庁に入ってからはシェイバは髭切ごと封印されており、非常時にのみ鏡の元へと変換される。
東京レイヴンズにおいて人間型の霊的存在の多くはタイプ・オーガに分類されているが、シェイバがどういった分類になるかは不明。
髭切を由来とする霊的存在なのか、あるいは他のものを由来とする霊的存在が髭切と結びついただけなのか、この辺についてはまだ考察の域を出ない。





呪術への野心から優しさや良識を丸ごと引っこ抜いたような人間で、公僕とは思えないような言動をとる。
十二神将の異端児で、ぶっちゃけチンピラ。
原作3巻のあらすじでは“『十二神将』最凶の陰陽師”などと煽られている。
実際おみくじの大凶みたいな男で、彼と積極的に関わろうとする者は作中おらず、あまつさえ彼の話題が出るだけで拒否反応を示すキャラさえいるほど。
方々から凄い勢いで嫌われている彼の明日はどっちだ?
2chの作者スレでの彼の愛称はかがみん


ファー(毛皮)付きのジャケット、ミラーコーティングしたサングラス、銀色に染められた短髪、額に彫られた×字型のタトゥーなど、えらい傾(かぶ)いた格好をしている。
お前のような公務員がいるのか
見た目がアレなかがみんだが、中身もやっぱアレ。
唯我独尊な性格をしており、他者のために行動するという事にとことん関心がない。
基本的に自分の興味・関心を優先するタイプで、またそうした態度を隠そうともしない。
他者を害することに積極的な訳ではないが、他者を害しても全く気にかけない性格破綻者。
一方で呪術には貪欲で、誠実な姿勢を示す。
自身の未熟さを向上心に昇華できる人間であり、単なるチンピラと言い切れない側面も持つ。
会話で故事を引用したり、古事記を熟読していることが窺える場面があるなど、根はけっこう勤勉なのかもしれない。


人間として色々と間違っているところの多いかがみんだが、呪術者としてのスタイルは極めて真っ当。
霊力は天性のものを持ち、その強大さは『十二神将』内でもトップ3に入るほど。
また符術、真言、式神行使…どの分野の呪術も高レベルでまとまっており、呪術戦においては多彩な攻めを見せる。
本編3巻では高等呪術のオンパレードで、を手玉にとってみせた。
…とはいえ呪術者としてはまだ若く、荒削りで未完成な部分もあり、呪術戦ではそうした自身のアドバンテージを活かしきれない場合も多い(某『黒子』の人相手だと特に)。
霊力が封印されていたり、呪具も没収されていたりと、色々とハンデも多いので、第二部ではそうしたマイナス要因は全て排除して、是非ともかがみんには伸び伸びと戦って欲しいものである。


 14巻ネタバレ

+ -


傷つくことを厭わず、かけられていた霊力の封印を強引に破壊。
これまで求めていた『冷静さ』や『センス』よりも、自身に潜む『情熱』を選んだ彼はとても生き生きとしていた。




7巻ネタバレ。

+ -


ちなみにかがみんの持つ『髭切』。
この刀には平安時代にとある鬼の片腕を斬り落としたという逸話がある。
切り落とされた鬼の名は茨木童子
原作7巻で、かがみんはこの鬼と対峙することになる。
一触即発の状況。
だが、今は戦う気がない去る隻腕の鬼。
その去り際、必死の挑発をするかがみんへと、はこう言った。


そのときは、坊主。渡辺綱と比べてやろう


この渡辺綱(わたなべのつな)こそが頼光四天王の筆頭として名をはせ、そして彼(か)の鬼の腕を切り落としたという伝説の武将である。
ちなみにこの綱さん、源融(みなもとのとおる)というイケメン(一説には光源氏のモデル)の血を引いており、当人もまたすげえイケメンだったという話が残っている。
…良かったね、かがみん。比べられるのがじゃなくて。
鬼喰い』の名の通り、かがみんは鬼だって平気で食っちまう男なんだけど、角さん相手だと逆に食われそうで心配。
他にも大友陣阿刀冬児、夜光の転生体とも因縁を抱えており、ある意味では作中No.1のフラグ建築士である。
尚、東レ世界では、はタイプ・オーガというカテゴリに属する霊災であり、かがみんの二つ名『鬼喰い』がオーガ・イーターと横文字で呼ばれるのには、そうした背景がある。




名前の元ネタは道鏡だろうか?(道=路)。
ちなみにこの道鏡、弓削氏の出であり、後述する弓削麻里の元ネタである可能性もあるが…ちょっとアレな逸話持ちな人なので、その可能性はなしの方向でいこうと思う。
ちなみに作者あざの耕平氏の作家仲間に鏡貴也氏がおり、そっちが元ネタではないか?という意見もあるが、3巻あとがきで「名前が一緒になったのはたまたま」とあるので、多分違うと思われる。



使用呪術一覧
陰陽道系:甲種言霊、五行符、五行相生、五行変転、骨の猛獣を模した簡易式、ナイフを模した簡易式、百鬼夜行避け
修験道系:不動金縛り、早九字の略式
密教系:不動明王の小咒・火界咒、軍茶利明王の種子真言、尊勝仏頂陀羅尼法
神道系:禹歩※、八目荒籠の鎮めの呪詛(とこい)
詳細不明:呪力による身体強化、呪力の斬撃


 ※ 東京レイヴンズにおける『禹歩』は、仙術の『縮地』と組み合わされたオリジナル呪術。






『神扇』天海大善

  しんせん  あまみだいぜん


今から質問できるのは、一方的に、俺だけだ


CV:石丸博也
登場:原作3巻・アニメ7話
役職:呪術犯罪捜査部部長
式神:モデルG1仁王・モデルWA2キャットバンテージ・機甲式『朧』・トリックスパイダー
呪具:※1
類型:呪捜官
年齢:70代※2


 ※1 原作7巻、アニメ16話ネタバレ。

+ -















一体いつから───────甲種言霊を使っていないと錯覚していた?



[[なん・・・だと・・・?>なん…だと……?]]








 ※ 台詞はイメージです。


裏に呪文を記した扇で、天海が甲種言霊を展開させる際にキーとなる呪具。
この扇には精神に干渉する呪力が微弱ながら込められており、戦闘の際に天海が相手へ語りかけることでその呪力に指向性をもたせ、相手の精神へと潜入させる。
通常の甲種言霊が相手の精神を縛る鎖ならば、こちらは相手の精神をからめとる糸。
その呪力の微弱さゆえに、敵は気付かぬ内に天海の術中にはまっていく。
扇ひとつで敵を惑わし陥れるその呪術は、幻術の大家『神扇』の名に相応しい神業と言えよう。




 ※2 イラスト・描写からの推定年齢。


陰陽庁呪捜部の部長を務める『十二神将』の最古参
その呪術の能力はもちろん、政治的にも重要な立場にいる陰陽庁No.2の長老格。
呪い呪われることが常である呪術界の闇を生き抜いてきた老人であり、その中で研ぎ澄まされた彼の呪術は毒のような凶悪さを秘めている。


鶴を思わせる細い体、老いを感じさせない若々しい所作、鋭くも温かな瞳、上品なアルマーニのスーツを伊達に着こなす、粋でいなせないい爺様(じさま)。
立場のわりに口調は大ざっぱでフランク。
豪放な性格で、会話する相手に遠慮をさせない不思議な魅力を持っている。


だがそうした性格とは裏腹に、その呪術は老獪そのもの。
相手を嵌める手練手管は『十二神将』でも最高とされ、対人呪術において彼に敵う者はいないとさえ言われている。
常に扇を持ち歩いており、二つ名『神扇』の由来はおそらくそこであろう。


陰陽塾塾長である倉橋美代とは古い付き合いでツーカーの間柄。
大友が呪捜部から陰陽塾へ移ったのも彼の人脈によるもの。
面倒見の良い性格をしており、円盤1巻収録の特典小説では当時孤立していた鈴鹿に新たな居場所を作ろうと様々な便宜を図っていた。
ちなみにその小説の木暮曰く「弱点は酒と女と子ども」とのこと。


護法はモデルG1仁王の金士(きんじ)と銀次。
その名の通り金色と銀色をした人造式であり、ともに天海のカスタマイズを受けている。
モデルWA2キャットバンテージは、ウィッチクラフト社にて絶賛販売中。
機甲式『朧』は扇の形をした特殊な式神。
高度な知能・判断力を有しており、術者に依らない単独行動さらに呪術の行使も可能な、彼特製の高等人造式。
トリックスパイダーはウィッチクラフト社が試作したクモ型の検知式。
サイズも能力も普通のクモとほぼ変わらないが、代わりに操作性と隠密性に秀でた式神。
潜入工作や情報収集の際に高い適性を示す。


おそらく名前の元ネタは江戸時代に活躍した天台宗の僧、南光坊天海(てんかい)。
陰陽道の知識も豊富な人物で、南光坊天海はその知識をもって江戸の都市計画に大きな貢献をしたとされている。


ちなみに能楽には脇能という曲がある。
これは神をシテ(能の主人公)とした曲であり、それで使用される扇のことを神扇(かみおうぎ)と言う。


使用呪術一覧
陰陽道系:甲種言霊、五行符、呪詛、隠形、隠形を応用した高等符術、簡易式を応用した高等符術
密教系:広目天の真言を用いた水の呪術※
詳細不明:霞の幻術、結界破り


 ※ 広目天の詳細は四天王(仏教)を参照。






『炎魔』宮地磐夫

   えんま   みやちいわお


畏れ多いにも程があります。自分など所詮俗物なれば、せいぜいが『呪術職人』といったところで


CV:石塚運昇
登場:原作3巻・アニメ8話
役職:祓魔局修祓司令室室長(独立祓魔官も兼任)
式神:特になし
呪具:特になし
類型:祓魔官
年齢:40代※


 ※ 年齢は原作の描写から推定したもの。


霊災修祓を指揮する司令室の長で、祓魔官たちの束ね役。
強大、という言葉が生ぬるく感じられるほどの霊力を持つ。
某キャラ曰く、空海さん並みの法力を持つ化け物。


さほど大きくない体格、口とあごをわずかに覆うヒゲ、彫りの深い渋い顔立ち、愛嬌のある表情、軽妙な物腰、祓魔官として数々の武勇伝を持つ呪術者なのだが、纏う雰囲気はそうとは思えないほどに軽くゆるい。
現場を離れて久しいため、彼の本当の実力を知る者は、ベテランの呪術者を除けばほとんどいない。
若い祓魔官たちは彼の二つ名の由来を知らず、そのヒゲ面から『閻魔』と呼ばれているのでは?などと噂し合っているが、実は『閻魔』は誤った呼び方で、宮地の現役時代を知っている古株の祓魔官は、深い畏敬の念を込めて『炎魔』と呼んでいる。
部下の弓削麻里とは「マリリン」「ヒゲ室長」と呼び合う仲。
昼行燈なところのある人物だが、陰陽庁と陰陽塾との微妙な関係を正確に把握していたり、塾長に政治的牽制をして陰陽庁への干渉を封じ込めるなど、有能さの目立つ描写も多い。
一方で、その情の深さゆえに冷徹になり切れない面も持つ。


原作14巻ネタバレ

+ -


呪術を暴走させた過去のため、自身の力は自身のものではないという考えを抱くようになっている。
長官たちに与しているいるのも、その考えのため。倉橋は宮地の主であり、自身の力の用途の決定権を彼に移譲している。
ただそうした主体性のなさとは裏腹に、独断で長官たちの不利益となりえる行為を行うこともある。
友達を失った京子の言葉に動揺し、天海の命を密かに救い、弓削の成長を期待しているなど、虚無的とは言えない一面を持つ。
人間的な感情と陰陽師としての考えが矛盾した、複雑な人物。
宮地のそうした面について三善は「屈折している」「甘ちゃん」「こんなの部下とか長官も大変」と評している。三善さん、もっと言ってやってください。




原作7巻ネタバレ。

+ -


『閻魔』の呼称は宮地の現場を知らない若い世代が、彼のヒゲ面から勘違いしただけで、実際の異名は異なる。
本当の二つ名は『炎魔』。
火界咒を極めており、不動明王の申し子と呼ばれるほどの使い手である。
不動尊の御心を現したその炎はあらゆる不浄を、魔を焼き払うと言われる。
『十二神将』最強の呪術者であり、その力は同じ『十二神将』と比較してなお規格外と言われる。
…というか、対人最強であるはずの天海に絶対に勝てないと言わせる辺り、もうこの人の実力は人間のそれとしてカウントしなくていいかもしれない。




原作14巻ネタバレ

+ -


それまでは実力の片鱗を見せるにとどまっていたが、14巻では大暴れ。
その実力はもはや超人の域を通り越して災害級。本気を出しただけで周囲の建物は焼け崩れ、アスファルトは溶け出し始め「こいつ出る作品間違えてね?」というレベルで読者を驚愕させた。
単純な出力も恐るべきものだが、それほどの呪術を休みなく連続して行使しているにも関わらず、疲れる素振り一つ見せないその異常なまでの霊的なタフさも特筆すべき点であろう。
ただ無尽蔵という訳ではなく、春虎の八目の荒篭鎮めの呪詛で封じられた際はわずかに疲労の色を見せていた。申し訳程度の人間アピールお疲れ様です。




おそらく名前の元ネタは宮地堅磐(みやぢかきわ)と宮地厳夫(みやぢいづお)。
ともに近代に活躍した神道家である。


使用呪術一覧
陰陽道系:甲種言霊、五行術
密教系:不動明王の火界咒・小咒、独鈷杵の投擲、大威徳法
修験道系:不動金縛り
詳細不明:結界






『結び姫』弓削麻里

  むすびひめ     ゆげまり


――了解しました。が、マリリンは止めて下さい


CV:井上麻里奈
登場:原作8巻・アニメ13話
役職:独立祓魔官
式神:特になし
呪具:特になし
類型:祓魔官
年齢:20代中頃


独立祓魔官の紅一点で、結界のスペシャリスト。
結界に関しては『十二神将』随一の腕前を誇り、その非凡さから『結び姫』の二つ名を冠する。
堅塁を敷く呪術は華こそないが、神域を守る聖縄のごとき霊威を誇る。


防瘴戎衣(ぼうしょうじゅうい)のスカートとジャケット、バレッタでアップにまとめた髪、薄い化粧を施した整った顔立ち、キャリアウーマン然とした女性で、『十二神将』では珍しくいかにも公務員っぽい感じの人。
いかにも仕事のできそうな容姿だが、性格はわりと庶民派。
公務のついでに観光の算段をつけたり、愚痴代わりに上司の登録名を「ヒゲ」にしたりと、微笑ましい面を持つ。
『十二神将』の普通担当。俺のオアシス的存在。
不満があると、子どものように頬を膨らませるクセがある。
当人はそのクセがコンプレックスらしく、人前ではあまり出さないよう努めている。
12巻でツンデレ娘にババア呼ばわりされた際には、頬を膨らましかけた。かわいい。


 14巻ネタバレ

+ -


入庁時から宮地とは接する機会が多く、弓削と彼とは師弟関係にあった。
真面目で人の好い弓削は宮地にとって可愛い弟子であり、また弓削も宮地のことを――決して態度に出すことはなかったが――師として深く敬愛していた。
ただ尊敬の念が強すぎる故か、やや弟子根性の強すぎるきらいが弓削にはあり、14巻でそのことを宮地から悲しい形で指摘されることになる。




能力特性は防性で、ディフェンスに定評がある…というかチート。
敵の本拠地の結界を数秒で解析し無効化したり、数百人が常駐する建物の結界を一息で補修・強化するなど、結界に関しては常人離れした手腕を見せる。
ただ騙し合いや駆け引きは不得手であり、呪術戦はやや苦手な模様。


おそらく名前の元ネタは弓削是雄(ゆげのこれお)。
陰陽頭も務めた平安時代の高名な陰陽師。式占の達人であったと伝えられている。


またマリリンの祖父によれば、弓削家は平安時代末期から続く由緒正しい陰陽師の家柄らしいのだが、彼女自身はあまり信じていない。


使用呪術一覧
陰陽道系:百鬼夜行避け雷避け
修験道系:不動金縛り
密教系:烏枢沙摩明王の真言の結界強化、不動明王の結界護身法、阿字観の瞑想法
詳細不明:結界の複数展開、およびそれらの有機的連携






『導師』大連寺至道

プロフェッサー だいれんじしどう


もしも願いがひとつ叶うなら、私は、かつての君と同じ時代に生まれ、君の味わった興奮を、君と共に味わいたい


CV:櫻井孝宏
登場:原作8巻・アニメ18話
役職:宮内庁御霊部部長
式神:モデルWA1スワローウィップ・モデルWI2アウルアイ
呪具:特になし
類型:研究者
年齢:不明※1


 ※1 死亡時の年齢は不明だが、倉橋長官と同年代であることは作中で語られている。


宮内庁の御霊部にて、魂の呪術を研究していた『十二神将』の鬼才
至道が『十二神将』となった経緯は不明だが、『プロフェッサー』という二つ名から察するに、彼がその研究者としての才覚をもって『陰陽Ⅰ種』を取得したであろうことは想像に難くない。
彼の提唱した学説『霊的災害のフェーズ5』は、本作品のキーワードにもなっている。


現代陰陽術の基盤を一代で築き上げた入神の天才『土御門夜光』の熱狂的な崇拝者であり、彼を『北辰王』と崇める秘密結社『双角会』の幹部。
大連寺鈴鹿の父親でもあるが、彼女にとって至道は育ての親というより己を縛る支配者であり、また彼自身も意図してその関係を築き、恐怖という“呪”を娘に与えていた。
倫理観を欠いた最悪の人間だが、その偏重とも言うべき呪術肯定主義によって、人を狂信へと誘うほどのカリスマ性を持つ。
本来『導師』とは仏教用語で、人を正道に導く者を指す。
双角会幹部として、彼が多くの若者を呪術の闇に導いたことを考えると、何とも皮肉な二つ名である。


物語が始まる二年前に起きた霊災テロ『上巳の大祓』の首謀者。
その際に、自身へと高位の霊的存在を降ろし、フェーズ4の霊災『百鬼夜行』を引き起こした。
至道はその儀式によって“”へと変貌し、死亡した。


8巻ネタバレ。

+ -




私は、夜叉丸と言う。どうぞよろしく





魂を操る禁忌の呪術『泰山府君祭』により、相馬多軌子の式神『八瀬童子』となって復活を果たす。
至道は霊災テロの際に死亡したが、それは偶発的なものではなく、予め計画されたものであったことが作中の描写から推測される。
復活後は『夜叉丸』と名乗り、『土御門夜光』の遺志を実現するために倉橋源司『蜘蛛丸』六人部千尋たちと共に暗躍している。


本来ならすでに年齢は五十歳を超えているが、式神となったことで若返った容姿となっている。
外見の年齢は16,7歳ほど。シャツにベスト、スラックスに白手袋、さらに英国人が身につけるようなアスコットタイに、古風な片眼鏡(モノクル)と、まるで一昔前の西洋の貴族のような出で立ちをしている。
怠惰で退廃的な雰囲気を纏っており、さながら道楽を好む放蕩貴族のような印象を受ける。
だが、その本質は人道を笑いながら無視し、人の死を摂理と流す人でなしである。


呪術者としてはかなりの凄腕で、元は研究者とは思えない戦闘能力を持つ。
スワローウィップとアウルアイを併用した式神の高度な運用、ボクシングに由来する格闘能力、乙種と甲種の両方に精通した呪術の応用力。
その自由自在な戦闘スタイル、加えて『八瀬童子』としての極めて高い霊的スペックも合わさり、『十二神将』内でも別格の強さを手に入れている。




名前の元ネタはおそらく河野至道。
近代の神道家で、前述した宮地厳夫は彼の門人だったと言われている。


使用呪術一覧
陰陽道系:甲種言霊、八陣結界、複数の式神の有機的連携
修験道系:不動金縛り
密教系:孔雀明王の種子真言、羅刹天の真言
神道系:八幡神の唱名
詳細不明:呪壁防御








第二部以降に登場する十二神将たち


以下、第二部10巻以降のネタバレ


第二部はまだアニメ化してない部分なので、これから原作読もうとしている方は注意。






山城隼人

やましろはやと 


こっちは先手を取ってるんだぜ?


登場:10巻~
役職:呪捜官
式神:モデルWA1スワローウィップ・モデルWA2キャットバンテージ・呪詛式『蠱毒』
呪具:特になし
類型:呪捜官
年齢:19歳※


 ※ 陰陽塾の四十五期生(春虎たちは四十七期生)。


若干19歳で『陰陽Ⅰ種』を取得した駆け出し『十二神将』
幼い頃に『倉橋』家の門弟となり、一時期は倉橋源司から直々に指南もされた。
『倉橋』家の秘蔵っ子で、呪捜部の大型新人である。二つ名はまだ無い。


鋭い物腰、すらりと伸びた手足、スマートな体つき、ラフな髪型、冷ややかな目つき、いかにもエリート然とした、不遜さの目立つ青年。
プライドが高く、大体の相手には尖った態度をとる。
ただ相当な自信家である一方、自身がまだ若輩であることを痛感しており、強い向上心も抱いている。
我の強い印象の青年だが、意外と良識があり、仕事には生真面目な面を見せる。


手札の切り方、状況判断能力、戦術の組み立て方。対人呪術における才覚はどれも高く、彼の確かな実力がうかがえる。
堅実なスキルと、合理的な呪術運用能力を併せ持つ腕利き呪捜官。
ただ、まだ実践経験が少ないせいか、詰めの甘い部分も目立つ。


おそらく名前の元ネタは山背日立(やましろのひたて)。
上記の大友高聡と同様、観勒に師事し、方術(占術や医術)を学んだとされる。
また『倉橋』家の出身・根拠地が『山城国(今の京都府南部)』であり、そちらも関連しているかもしれない。
かつて朝廷転覆の反乱を起こした妖術使い『滝夜叉姫』を討伐した英雄たちの一人に『山城光成』という人物がいる。
この滝夜叉姫は相馬多軌子のモデルとなった人物であり、もし山城の名前の由来にこの人物が含まれているなら、かなり意味深なフラグに思える。



使用呪術一覧
陰陽道系:五行符、五行相生、雷避け、蠱毒、隠形、護符、簡易式の身代わり
修験道系:不動金縛り
密教系:不動明王の結界護身法
詳細不明:幻術






『天眼』三善十悟

  てんがん  みよしとおご 


貴方に行かれると、誰がわたくしを守るんですか


CV:土田大
登場:原作10巻・アニメ13話
役職:祓魔局情報課霊視係係長(特別霊視官も兼任)※
式神:特になし
呪具:特になし
類型:霊視官
年齢:40前後


 ※ 11巻ネタバレ。

+ -


10巻の事件後、呪捜部へ移動。
山城木暮とチームを組む。




情報課霊視係の係長で、呪術界最高の眼を持つ『十二神将』の識
優れた見鬼の力を有し、その才能は『十二神将』の中においても希少と言われる。
三善は霊災発見の要であり、その能力の希少性から、かなりデリケートな待遇を受けている。
要するにお姫様状態。最弱の『十二神将』で、当人もそれを認めている。
…作者はなんで三善さんをおっさんにしたし


年相応に白と黒の入り混じった髪、丹念に整えられた髪型、洒落たダブルスーツ、痩せた長身、妙に血色の悪い顔、情感の薄い表情、淡々とした口調、落ち着いた態度、読書が趣味の中年男性で、微妙にインドア臭ただよう人物。
『十二神将』ではあるが、戦闘はからっきし。そのため自分を守ることを他者に求めてくる傾向にある。
いい歳したおっさんが、自分が弱いことを根拠に淡々と護衛を要求するシーンは、中々にシュール。これもクーデレの一種か?
だが臆病な訳ではなく、自身の能力の貴重さと戦闘能力の無さに自覚がありすぎるせいと言える。


二つ名は『天眼』。これは仏教用語で、すべてを見通すことのできる眼のことを言う。
広い探知範囲、霊的な偽装を見抜く洞察力、霊気の質と量を正確にはかる測定力。
見鬼に関してのスキルはどれも抜きんでており、その名に相応しい能力を有する。
また見鬼の能力もさることながら、その博識さや思慮深い性格も彼の強み。
その才覚は異常の発生を感知すること以上に、潜んでいる異常を探知することに向いているのかもしれない。


おそらく名前の元ネタは三善清行(みよしきよゆき)。
平安時代の高名な漢学者で、天文・陰陽・易学に通じていたと言われている。


使用呪術一覧
わたくしが呪術を? ご冗談を(真顔)






『大佐』滋岳俊輔

   たいさ  しげおかしゅんすけ 


そのわずかな『差』を疎かにする者は、本当の意味でプロフェッショナルにはなれん


登場:12巻~
役職:独立祓魔官
式神:モデルML28迦桜羅(かるら)・モデルG1仁王改・モデルG2夜叉改・モデルFAR.Ver7
呪具:不明
類型:祓魔官
年齢:30代半ば


 ※ 14巻ネタバレ

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陰陽庁開発研究部と重工業メーカー富士川重工の共同制作によって開発された最新の機甲式。
多脚歩行型汎用機甲式―――装甲騎兵『土蜘蛛』をモチーフにした式神で、軍用式としての面を強く持つ。
胴体の大きさは高さ・幅それぞれ2m強で、4本の脚が展開すれば視覚的にはさらに大きく映る。
『土蜘蛛』と比べるとコンパクトなサイズとなっているが、その分機動力は増しており、またジャンプ力も高い。車輪走行が可能であり、その際のスピードは『土蜘蛛』を大きく上回る。
脚部には軽量硬質のシールドが装着されており、また攻撃手段として敵を絡めとる特製のネット弾を数発所持している。
Verの通りまだ試作段階の代物で、正式名称はまだ決まっていない。
完成度はまだ80%程度であり、未搭載のマニピュレータ、可動部や汎用マウントの調整など、まだ完全な形ではないらしい。
特に汎用マウント周りの調整が終われば、さまざまな武装が可能となり、更なる性能強化が期待できる。





独自の修祓メソッドを確立させた『十二神将』の理論家
その才能以上に努力をもって『陰陽Ⅰ種』を取得した不撓不屈(ふとうふくつ)の人物。
霊災修祓に特化したその能力から、最優の祓魔官との呼び声も高い。


無愛想で気難しそうな顔つき、苦み走った表情、斜(はす)に被ったベレー帽、軍人めいた神経質さを感じさせる防瘴戎衣の着こなし様、妥協を許さない合理的思考、規律を重んじる性質、風貌・性格ともに張り詰めた雰囲気があり、作中では狷介な人物と述べられている。
大佐』という奇妙な二つ名も、このような滋岳の人となりが由来となっている。
だが、彼の二つ名の由来はおそらくそれだけではなく、その修祓スタイルにも関係していると思われる。


基本的に、滋岳の修祓は式神のみで行われる。
霊災発見と同時に、飛行能力を持つ『迦桜羅』が現場へと急行。
『迦楼羅』が上空から『仁王・改』『夜叉・改』の式符をばら巻き、部隊規模で式神を生成する。
それらの式神部隊で霊災を包囲し、修祓を行う。
強襲と同時に包囲殲滅を行うその鮮やかな手際が、彼の二つ名『大佐』の由来となったのであろう。


モデルML28迦桜羅(かるら)※は陰陽庁製の汎用式。その形状は大型のラジコン飛行機のようだと作中では描写されている。
検知式と輸送式の能力を兼ね備えた開発研究部三課による特別仕様の式神で、滋岳はこの『迦楼羅』をもって自身の修祓メソッドを最適化した。
ただ『迦楼羅』はピーキーな性能であるためか、ユービザリティではまだ難がある。
もし、この『迦楼羅』が普通の祓魔官たちにも運用可能になれば、滋岳の修祓メソッドは公的な修祓システムとなり、霊災修祓はより高度で洗練されたものになるだろう。


 ※ おそらく『迦楼羅』の元ネタは仏教の守護神である『迦楼羅天』。この尊はインド神話のガルーダが、仏教に取り込まれた姿であると言われている。『迦楼羅天』の詳細については天竜八部衆を参照。


平均より大きな霊力、高い呪術センスを持つが、それはあくまで平均と比較してのこと。
彼個人の才能は他の『十二神将』のように、天才と呼べるほど大きなものではない。
滋岳が『十二神将』となれたのは上記で述べたように、自身の修祓技術をたゆまぬ研鑽によって培ってきたためである。
呪術戦においてはそれほど優れてはないが、こと修祓においては誰にも負けないという彼のスキルの特性は、滋岳の不器用で愚直な内面を象徴していると言えるだろう。


名前の元ネタはおそらく滋岳川人(しげおかのかわひと)。
陰陽頭も務めたこともある平安時代の人物。式占・遁甲の大家であったと伝えられている。


使用呪術一覧
陰陽道系:複数の式神の有機的連携






『又又 目 童 女臣』幸徳井白蘭幸徳井玄菊

  そう   と う   き    かでい びゃくらん  かでい  くろぎく 


そうだわ、お姉さま。お休みが取れるようになったら、三善様もお誘いして旅行に行くのはどうですか?
あら、素晴らしいわ。どこに行きましょうね、玄菊さん。温泉がいいかしら。それともスキー?


登場:12巻
役職:特別霊視官
式神:モデルAR4『守人』
呪具:不明
類型:霊視官
年齢:20代後半


 ※ 12巻ネタバレ

+ -


陰陽法の改正に伴い、東京全体に設置された小さな社(やしろ)。
霊災の感知と報告に特化した特殊な機甲式で、厳密には個人の式神ではなく、公共物の一種である。
管理も霊視官たちが共同で行っている。




名門『幸徳井』家の庭で蝶よ花よと育てられた、『十二神将』に咲く一対の高嶺の花々
天性とも言うべき見鬼の才を持ち、その能力は呪術界の至宝と言われるほど。
ただそうした環境で育ったせいか、その性格はやや浮世離れしたものになっている


双子の姉妹で、姉は白蘭、妹は玄菊となっている。
二人ともフリルを多用したブラウスとスカートを着た、どこか幼さの残る可愛らしい女性。
容貌の差異はほとんどなく、異なるのは頭に付けた髪飾りと服装の色。
白蘭は蘭をあしらった髪飾りと白い衣装を纏い、玄菊は菊をあしらった髪飾りと黒い衣装を纏っている。
ともにマイペースな性格で、筋金入りの箱入り娘。結構な似たもの姉妹で、仲はとてもよろしい。
性格面であえて差異を挙げるなら、コンビニに行くと緊張しちゃうのが白蘭ちゃんで、コンビニに行っても堂々と買い物できるのが玄菊ちゃんである。


マリリンとは年齢が近いこともあって、度々ランチを共にしていたりと、かなり仲がいい模様。
また同じ特視官であり上司であった三善のことを強く慕っており、12巻では休暇には一緒に3人で旅行したいと述べていた。三善さん爆発しろ
のほほんとした印象の強い二人だが、そこはやはり十二神将。お嬢様とは思えない大胆な決断をすることもある。


個人での見鬼の能力は三善に及ばないが、二人が協力した際のパフォーマンスは彼の倍以上となる。
初登場の12巻では、隠形中の土御門夏目たちをなんとなく発見するという離れ業をやってみせた。
一応今までも隠形中の相手に気付いた術者はいたが、それらは総じて相手が近くにいたり、あるいは相手に意識を集中していたから気付いたのであって、彼女らのように特に意識することなく気付くといったことはなかった。
私的な例えになるが、これは「真っ暗闇の森のなかで葉に擬態している昆虫を見つけるようなもの」だと思われ、何気なくできることじゃない。ってか、チートだろこのスペック。


二つ名は『又又 目童 女臣』。双瞳とは、1つの眼球に2つの瞳孔を有する身体的特徴のことであり、中国においては貴人の相であると言われている。
双瞳とは、2つの瞳孔を持った片目だけでは成り立たず、その両の眼―――4つの瞳を以て成立するのである。
同様に幸徳井姉妹の見鬼の才は、片方だけでは完全ではない。彼女二人がそろって、『天眼』三善すら凌駕する神懸かった才能を発揮するのである。


白蘭・玄菊の生家である『幸徳井』は『賀茂』家を起源とする陰陽道の名門である。
賀茂家の代表的な人物として、安倍晴明の師である賀茂忠行や、暦法の発展に大きな貢献をした賀茂保憲が挙げられる。
かつては安賀両家と呼ばれ、『安倍』家と並び称されるほどの家であった。
だが室町時代に『賀茂』の血を継ぐ『勘解由小路(かでのこうじ)』家が没落。断絶の憂き目にあう。
そして江戸時代にそれまで庶流であった『幸徳井』家が勃興。以降は彼らが『賀茂』の血を継ぐ者として…細々と活躍するようになる。


使用呪術一覧
詳細不明:霊気の共鳴を用いての見鬼能力のブースト









うわ。ダサ。何ミスって全消ししとんねん、禅次朗



あーあ。肝心の記事は、またしてもあぼーんですか。また締まらない幕っスね



う、うるせえっ! あの記事、最初から自動削除する呪詛、自分で自分にかけてやがったんだよっ。そんなのどうしようもねえだろ!?



ちょっ!? いい加減にしろよ、テメー!? 返せよ、私の個別記事!



まあまあ、細かいことはいいじゃねえか。それより、wiki篭り。ちょっとここの記事、追記・修正してくれよ



このアニヲタwikiのwiki篭りとして生まれたからには、八百万の記事を追記・修正してみたいと願うのも当然じゃないか



もっとも、俺はアニヲタwikiには二年までしか通わなかった。追記・修正することがなくなったんでな



――何せ、お前で片が付くなら、俺は楽ができるからな



(せめて推敲しろ)



記事が開いておる



少し考えればわかることではありませんか。『わたくしの項目を追記・修正する』ためですよ。何しろ、わたくしは特別霊視官です



つまり、そのアニヲタwikiというサイトの記事をお作りする準備を、皆さんが総出で行っているということですのね



そうですわ、お姉様。でも、勘違いなさらないでね? この場合お作りと言うのは、協調するのではなく、やりたい放題で書くという意味ですわ



それでも、追記・修正の道は、途絶えてはならない――




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  • 一瞬ガイバーの方かと思ったわ -- 名無しさん (2015-03-06 10:13:04)
  • しかしこうやって見るとキャラ濃いなこいつら・・・そしてラノベらしからぬオッサン率の高さ -- 名無しさん (2015-03-06 15:20:08)
  • ↑ -- 名無しさん (2015-03-07 01:08:46)
  • ↑マリリン以外はね・・・ -- 名無しさん (2015-03-07 01:09:45)
  • ↑3 あざの作品ではデフォ でも全員素敵なオジサマ -- 名無しさん (2015-03-07 23:02:22)
  • 十二神将と東レへの愛で満ち溢れてるな -- 名無しさん (2015-05-06 20:53:21)
  • 宮地さん「炎魔」だったと思うんだけど「閻魔」って書かれてたっけ? -- 名無しさん (2016-01-04 03:08:37)
  • ↑すげー今更だけど、6巻P71参照。 -- 名無しさん (2016-10-07 02:59:59)
  • 俺も最初「あれ、少年少女ばっかだな。BBBから路線変更したかな」と思った。そして、すぐにそれは誤解だったとわかった -- 名無しさん (2016-10-15 15:35:36)
  • 改めて列挙されると、出番多いとはいえ大友先生の手札の数がヤバい… -- 名無しさん (2019-05-17 04:57:48)

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