出口ゼロ

ページ名:出口ゼロ

登録日:2020/09/06 Sun 13:10:50
更新日:2024/05/23 Thu 10:19:24NEW!
所要時間:約 32分で読めます


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なかよし 出口ゼロ 少女漫画 演劇 瀬田ハルヒ


これが私の夢への扉 光に満ち溢れている


『出口ゼロ』は2012年から2017年にかけてなかよしで連載されていた漫画。全14巻。
作者は瀬田ハルヒ。


演劇をテーマにした漫画であり女優志望の主人公・赤羽夕日が全寮制の演劇学校で学び成長していく物語。
学校から与えられる課題を即興演劇で取り組んでいくのが毎回の流れ。


『なかよし』本誌では、「続きが気になるno.1」と紹介されている。
人気があったのか電子書籍限定で後日談が発行された。


【あらすじ】
日本でトップクラスの人気を誇る全寮制の俳優養成所ことD・A・アカデミー。
女優志望の高校生・赤羽夕日は試験をパスしついに入学が決定する。
夕日は課題に取り組んでいき女優としての腕を磨いていくことになる。


【登場人物】

  • 赤羽夕日

女優になるを持つ15歳。ライバル兼片思いの相手である先輩の高城咲良を追ってアカデミーに入学した。
持ち前の明るさで演劇に取り組んでいく。


  • 河合ゆみか

夕日がはじめに出会った同期生で親友。気弱だが演技力は高い。


  • 葛西誠

夕日の同期。口数が少なく常におどおどしている。


  • 水野伊吹

小柄な少年。内向的で周囲に引っ張ってもらうことが多い。


  • 横手陽菜

最年少である10歳の少女。真面目で礼儀正しい。


  • 守屋カルロ

有名なモデル。嫌味な性格だが実はヘタレ。


  • 佐久間杏樹

有名なタレント。カルロと仲がいい。


  • 神奈汐里

夕日と同じくまだ無名の女優志望。明るい性格。


  • 梶虎太郎

快活な少年。舞台をやっていた。


  • 五十嵐蓮

童顔で目つきの悪い少年。口数こそ少ないが判断力に優れている。


  • レディ・クイーン

天才若手女優。とある事情から母校であるアカデミーで教師を務めることになる。














これが私の夢への扉 に満ち溢れている


ハズだった……





















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憧れの学園は、「監獄」だった。




『出口ゼロ』とは演劇漫画……の皮を被ったサスペンスホラー漫画である。
ただしなかよしで連載されていた少女漫画というのはマジ。


作者は瀬田ハルヒ。双子の姉である茶匤も漫画家であり本作でもアシスタントをしていたらしい。


連載期間は2012年から2017年で全14巻。実は打ち切りスパンの速いなかよしでは結構続いた方である。
のちに前日譚と後日談が収録された15巻が電子書籍限定で発売された。


厳しい試験をクリアして憧れのアカデミーに入学した夕日たち。
アカデミーは「良い役者になるためには自我を捨てなければならない」と考えており、殺人・傷害・洗脳と非人道的な教育を行う洗脳施設であった。
さらに全寮制という名目で学校に監禁され、課題をこなせないものは退学として廃人化させられる。


ダンガンロンパって言った奴表に出ろ。


唯一マトモな状態で学校を出る方法は優秀な成績を取り「デビュー」することであり、夕日たちは学校側が与える課題に取り組んでいくことになる。
だが課題は基本的に無理難題・もしくは犠牲を強いるものになっており、誰一人欠けることなく脱出することを願う夕日はルールの裏を突きながら犠牲を最小限にしつつ課題をクリアしていく。
要するに本質的にはデスゲーム物が近い。
てか第1話が「演劇漫画が始まると思ったらいきなりどんでん返しが起きてデスゲームが始まる」という最近のデスゲームの美しいテンプレである。


演劇漫画という名目はまあ忘れた方がいい。
……一応演技力も課題を解決するために必要ではあるが、どっちかと言えば心理戦を有利に運ぶためのサブウェポンとして使っている奴が多い気がする。
この世界の演技は「ハッタリ」「詐欺」「超能力」と同義である。本当に演技さえあれば何でもできる。


【用語】


◆D・A・アカデミー
ダイヤモンド・アクターズ・アカデミー。
役者としてのダイヤモンドの原石を磨くために設立された全寮制の俳優育成所。
日本でもトップクラスの人気を誇り毎年倍率は50倍以上を誇る。ここからデビューした学生は必ず成功すると言われている。
裏でどっかとつながっているのか15歳未満の子どもでも入学できるようである。
……というのは表の顔で実態は「良い役者になるためなら自我を捨てなければならない」という考えのもと非人道的な行為も平気で行われる洗脳教育機関。
生徒を監禁し、彼らを自我のない一流の役者にするために鬼畜な指導を行っている。
このアカデミーに一度入ってしまえば「デビュー」か「退学」しか出る道はない。


◆即興演劇
舞台設定だけ決められセリフはアドリブで進めていく演劇のこと。本作の課題はほぼすべて即興演劇で行われる。



◆課題
この学校から抜け出すための唯一の手段。
与えられた演劇の課題を行い、それに沿ってクリアすることで経験を積み、最終的にはデビューすることを認められる。……しかし上述の通り課題は基本的に難易度が高く、クリアすること自体が至難の業。カイジのごとくルールの裏の裏まで見破って攻略方法を考え付く推理力が必要になる。あれ、演技力は?
また一部除いて課題はライフ制度が敷かれている。課題の意に沿う行動をすることでライフが増え、逆にそぐわない行動をすればライフが減る。そしてライフがゼロになれば即退学



◆退学
課題を失敗した生徒の末路。『舞台裏』の中にある調教室に閉じ込められることとなる。調教室は暗く狭い部屋であるため常人であれば短い時間で廃人化する。まあ夕日とか耐える奴もいるけど。そして完全に廃人化した者は「自我との決別」を成しえたとしてまた新しい役割が与えられる。



◆オーディション
表舞台に復学する方法。退学者が出た場合、その埋め合わせとして舞台裏の住人がその退学者に成り代わって表舞台に復帰することができる。そして誰がその退学者を魅力的に演じられるかを選ぶためにオーディションが行われる。
オーディションには退学となった本人が参加することも可能。しかし選考基準は再現度ではなく魅力であるため本人が負けることもありえる(実際夕日は負けた)。



◆ユートピア
アカデミーの外にある箱庭の町。
オーディションを通過できず舞台裏にいることに絶望した者たちが行く町。
ここに来るともう学生に戻ることはできず与えられた役割に従って一生この町で暮らすこととなる。何十年もこの町に暮らしている者もいるらしい。



【登場人物】



◆赤羽夕日
本作の主人公兼ヒロイン。多分なかよし史上トップクラスにヒロインという言葉が似合わない女。アカデミー50期生の15歳。
根っからの演劇好きであり、2年前にアカデミーに入学した片思いの先輩兼ライバルである高城咲良を追って入学した(夕日は一昨年と昨年も受験していたが試験をパスできなかった)。
公式に「超前向きな主人公」とか書かれちゃうレベルでどんな時でも挫けない強いメンタルを持っている。推理力・行動力・リーダーシップを高い水準で備えておりその力を持って仲間たちのリーダー格として課題に立ち向かっていく。
そして彼女を語る上で欠かせないのが……





いちいち表情が男前なことである。
ロングヘアなので分かりにくいが顔立ちは結構中性的。そのため髪をしばるだけで男装が出来る。実際中学時代は男役の方が多く男子より女子から人気が高かったとか。
扉絵ではかわいらしいドレスを着たり女の子っぽいことをしているのがなかなかシュール。
行動もやたら男前であり

  • 僅かでも犠牲を認めない正義感
  • 仲間を助けるためなら身体を張る
  • 何故か指の関節の極め方を知っている
  • 出口がない!→窓ガラス割るぞ!
  • 行き止まりだ!→壁壊すぞ!
  • ゆみかが部屋から出てこない!→ドア壊すぞ!

己の道は己で切り開く(物理)。アカデミーでの生活で心が壊れた仲間たちにも(物理的に)体を張って親身に接しようとする。彼女に救われ影響された人物は少なくない。その姿はまさにヒーロー。ここら辺がヒロインっぽくないとか言われる所以。14巻のおまけに「夕日は女の子らしくなったよ☆」とか書かれているので男前な性格は多分確信犯。あまりにハイスペックすぎて「コイツ役者より軍人とかスパイの方が似合ってないか?」と思ってしまうのは本作ではよくあること。
弱点としては静に協調性のなさが指摘されている。要するにリーダーとして引っ張っていくのは得意だが、周囲と歩調を合わせて行動するのはやや苦手。正義感は強いが一歩間違えば独りよがりにもなりかねない。また演技中はともかく『赤羽夕日』としてはをつくのが苦手。ただし地頭はいいので嘘をつけないことを逆手にとって危機を脱したことも。
7巻おまけコーナーでの作者コメントは『ルールブレイカー』。



◆レディ・クイーン/乙女香澄
ある意味もう一人の主人公。ダンロンのモノクマ枠。あと爆乳
今をときめく天才若手女優。とある事情から母校であるアカデミーで講師を務めることとなる。
性格は基本温厚で明るくハイテンション。課題ごとに嫁に行けなくなるんじゃないかと心配になるようなオーバーリアクションをしている。
その正体は役者をつくるためなら非道な行為もいとわない異常者。「自我の決別」という人間性を捨てて真っ白にならなければよい役者にはなれないという考えを持つ。……この考え自体はまあ一理あるのだが、それを実行するために洗脳し最悪の場合は廃人化させようとする。
人間らしくいなければ真の演技ができるはずない」と考える夕日とは真逆の人間。
プロとして演技力は高い……というか超能力の域に達しており、場の主導権を握り迫真の演技をすることによって周囲を幻覚に呑ませるという力を持っている。夕日はこれを「感覚が汚染される」と評している。
またプロ意識も高く、生徒たちの演技のクオリティが高ければ手放しでほめちぎり、演劇について相応の信念を持っている相手には相応の敬意を払う。逆に演劇を侮辱する相手には温厚な顔を捨てて激しい激情を見せる。
まあ間違いなくいいキャラしているのだが、



嫁に行けなくなるような顔芸さらしたり、

キレてゴンさんみたいなオーラに発現したり、


巻が進むごとに明らかにおっぱいが大きくなっていたり、


ネタキャラとしての地位を確立している人物である。
作者コメントは『顔芸』。




◇50期生


◆河合ゆみか
夕日の親友にして、本作の真のヒロイン。というか夕日の嫁
夕日とは入学した直後に出会い、気が合ってすぐに友達になった。スクリーントーンのせいでよく間違えられるが、髪色はゴールドではなくピンク。
優しい少女なのだが引っ込み思案かつ気弱なでありいつも夕日の陰にいることが多い。基本自己主張は少なくおとなしめ。そんな性格のためか友達は少なかったらしく、夕日と友達になれたことを何よりも喜んでいた。
一瞬でハイテンションな少女を演じるなどアカデミーに入学できる程度に演技力は確かなものだが、その性格のため活かしきることが出来ずピンチになってしまうことが多い。……しかし役者としてのスキルかアドリブ力は地味に高くとっさに機転を利かし夕日たちをサポートすることも少なくない。
基本的に夕日が身体を張って道を切り開き仲間を守っているのに対し、ゆみかは課題の中で高確率でピンチになって夕日に助けられまたある時は夕日の賭けを信じて共に立ち向かうというまごうことなきヒロイン。夕日と友達になれたことには本当に感謝しており、彼女のためなら退学になることもいとわない。
……というか夕日がヒーローすぎるせいで、相対的に本作のヒロインポジを一人で担うことになってしまっている。ゆみかちゃんマジヒロイン。実は夕日に顎クイとかお姫様抱っことかされている。
作者コメントは『夕日LOVE』。

それは『課題2』でのこと。
内容は後述するとして、まあざっくり説明すると夕日以外の50期生が『夕日をいじめるフリをする』ということでクリアされる課題だった。
誰一人欠けることなくクリアしたいと呼びかける夕日。
しかし……


欠けるのはあんたひとりだよ



突然のゆみかの裏切り
『フリ』で十分であるにもかかわらず、ゆみかは本気で夕日に殴りかかったのである。しかも金属バット使って。


そしてゆみかの壮絶な過去が明かされる。
ゆみかは12歳の時、自分のいじめへの復讐で傷害事件を起こしていた
結果少年院に入ることになり家庭は崩壊、それ以来施設を転々とする日々だった。


そのため彼女は自分自身について強いコンプレックスを感じており、だからこそいつでも前を見て進み続ける夕日に嫉妬し逆恨みに近い感情を抱いていた。
なおいじめの後遺症は残っており地肌には痛々しい傷が残っている。そしてこれを証明するために衆人環視の前で服をはだいた。


夕日はそれでもゆみかを信じようとするが……。


↑の素晴らしい顔芸とともに拒否られた。






~以下『課題2』のネタバレ~
















演技でした☆
結論から言うとゆみかの過去は事実だが、夕日と仲たがいしたように見せたのは全て演技。
『課題2』のクリア条件は「夕日をいじめるフリをする」ことだが、それを成功させるためには採点者であるレディ・クイーンすら騙すようなリアリティの高い演技をしなければならない。
要するに過去の事実を設定に混ぜることによってゆみかは『夕日に苛立ち本気で暴行を加えるゆみか』を演じ演技に最大限のリアリティを足したというワケ。
クイーンもまんまと騙された。


なので上の顔芸も演技。
ゆみかさんの演技力マジパネえッス……。


ゆみかの気弱さの原因はいじめの際に親友に裏切られ人間不信になりかけていたことだが、親身に接してくれる夕日をもう一度信じようとしたのである。


なお作戦を考えたのは夕日の方だがゆみかへの伝え方はほぼアイコンタクトのみ。
そしてゆみかが過去を演技に利用したのはアドリブであり、夕日は全く知らなかった
そのため夕日はゆみかが本気でキレているのではなく飽くまで演技であると信じゆみかは夕日なら自分の行動の真意に気がついてくれると信じていたわけである。
……お互い信頼強過ぎである。


ちなみにゆみかの加えた暴行一覧

  • 金属バットで殴打
  • 幾千の釘をたたきつける
  • ナイフで頬を切り裂く
  • 照明用ライトで殴りつける(未遂)
  • クツを舐めさせる

ついでに暴言集
「…わたし…ずっと、ずっとウザかったのよ!」
「あんたにはもっと思いしらせなきゃダメみたいね。わたしがいままで受けてきた苦しみぜんぶ!!」
「さっきから生きてる価値なさすぎだよー」
「いまのわたしを否定するなあああ!!」
「あははは! みんな死ねばいいんだーー!! あはははは」
「そこまでわたしのコト好きならクツなめなよ。なめたら親友になれるかもよぉ~~!?」


※すべて夕日との絆が可能にした演技です。


……この状況で最後まで「ゆみかは演技をしているだけ」と信じようとした夕日は褒められていい。
というか身体張り過ぎである。


ともかくこれにより二人の友情は一層強められたのである。

本名は道本愛子。
本当は46期生であり「河合ゆみか」としての経歴は全て嘘


本編開始から4年前に入学しておりアカデミーへの恐怖だけを糧に課題に取り組み続けていた。だがある日課題に失敗し退学になってしまう。
死に物狂いで舞台裏であがき続けた結果オーディションに優勝し「河合ゆみか」の名を奪い表舞台に戻ることとなる。


その後でデビューまでこぎつけたが本物のゆみかのことが気になり、卒業できないでいた。
そんな時理事長に、「河合ゆみか」としてもう一度入学しデビューが出来れば名前を本物に返すと取引を持ち掛けられる。


そうして本物のゆみかのためだけにもう一度学園生活を送っていた。



◆水野伊吹
内向的な15歳の少年。
歳の割にはかわいらしい外見であり作者及び作者の姉から女装が似合うと熱弁されている。実際作中では計3回女装させられた。
……ネタバレ抜きだと意外と書くことないキャラだな。
作者コメントは『女装罰ゲーム』。

実は48期生組に脅されて序盤から同期の情報を流し続けていた。内通者の存在はほのめかされていたが『課題3』にてついに明かされる。『課題2』ではゆみかに闇討ちしたりといろいろやっていたらしい。
当のゆみかは「脅されていたのなら仕方がない」と慰めようとするも夕日に「私が気が付かなかったら誰が犠牲になっても見捨てるつもりだったよね?」と痛い一言を食らい沈黙。『課題3』は1日にひとり実質的な生贄を差し出すルールだったので、その日は50期生の総意で水野が生贄となる。
……が、犠牲を嫌う夕日が本気でそんなことをするはずもなく裏で逃がす準備をしていた。
だがその最中誰も予想できなかった事態により夕日が最悪のピンチを迎え、それをかばうため身代わりなり、退学となった。
……夕日を守れたことで晴れやかな表情で退学となったが、その後モニターに映された『調教室』での彼は苦しみからかこの世のモノとは思えない顔芸苦悶の表情を浮かべていた……

ケジメをつけるため敢えて退学となった夕日。そして舞台裏では退学者たちが夕日に成り代わるための『オーディション』が行われていた。
……そしてその中には水野の姿もあった


調教室でよっぽどひどい目にあったのか心がねじ曲がってしまい、夕日を踏み台にのし上がることをいとわない残虐な性格になっていた。
オーディションでは水野の裏切りに動揺を隠せない夕日に対して徐々に優勢に立っていく。
そして特別審査役として現れた咲良にキスをして決意を伝えるという形で「咲良に片思いをする夕日」を演じ切りオーディションを合格した。
なんで作中初のキスシーンが男同士なんですかね。


そうして『赤羽夕日』として表舞台に舞い戻ることとなった。
その後本物の夕日も表舞台に戻るのだが『赤羽夕日』を賭けて戦うことになる。


◆葛西誠
17歳。50期生の中では最年長でついでに背も高いが、実際はゆみかレベルで気弱な少年であり口数が少なくいつもおどおどしている。あと機転が利きにくいのかときたまわけのわからないことをして首を絞めることも。
実は実家は金持ちであり葛西自身もお坊ちゃん。そのため若干金銭感覚がおかしい面もある。
『課題2』までは順調に進んでいたが『課題3』にてとんでもないポカを犯しそのまま退学になった。『調教室』の中で佇んでいたところクイーンに取引を持ち掛けられ『課題4』にて便利アイテム『KASAI』として登場する。クイーン曰く『KASAI』を演じ切れば表舞台に復帰できるという約束だったらしい。そうして夕日たちの活躍もあり見事復活した。
普通なら心を壊してもおかしくないような『調教室』の中でも自我を失わず、「暗いところに閉じ込められるのは慣れている」と言い出すなど何か秘密があるようだが……。
作者コメントは『ユートピア回避』。



◆横手陽菜
50期生最年少の10歳。夕日たちからは妹のようにかわいがられている。
押しに弱いが真面目な女の子。最年少ということもあり自分から動けることは少ないが仲間のために頑張っているいい子。
ゆみか並みにピンチになることが多く夕日たちに助けられる場面が多い。『課題4』ではついにに轢かれた。まあなんとか無傷だったが。轢かれた時にとっさに顔をかばうあたりなかなかプロである。
作者コメントは『運気低迷中』。
実は腐女子であり妙、小瑠璃と組んでエロ同人を書いていた。



◆守屋カルロ
◆佐久間杏樹
◆梶虎太郎
◆神奈汐里
◆五十嵐蓮
ルールを分かっていなかったこともあり第2話で退学に
メインキャラかと思ったら速攻で死亡するデスゲームキャラの鑑。



◇48期生

メインとなる先輩組。2年前からアカデミーに在籍している。高城咲良の存在により、生徒たちの間には常に不安な空気が流れ続けている。




◆高城咲良
夕日の中学時代の2つ上であり片思いをしていた憧れの先輩。……とはいっても取っ組み合いのけんかとかよくしていたようだが。あの夕日を女の子に戻すことができる唯一無二の存在
アカデミーに入学しているはずだが48期生の中に姿は見えず現在行方不明。
尊大な口調の自信家な少年。その自信に見合うだけの天才的な演技力を持っており、アカデミーの中でも特に一目置かれた男だった。ついでに自他ともに厳しいタイプであったらしく中学時代は実践派で理論を覚えるのが苦手な夕日をよくなじっていた。しかし根はやさしく夕日がスランプに陥った時には遠回しだが温かい言葉をかけていた。夕日も今の自分があるのは咲良のおかげと考えている。
アカデミーに来てからもこの気質は変わらなかったらしく持ち前の行動力と推理力、どんな課題にも毅然と立ち向かうメンタル、何より周囲を気遣い不可能も可能にするカリスマから同期の中でもリーダーとなっていた。周囲は「咲良さえいれば大丈夫」と言い出すほどだった。
……しかし実は2年前の課題により謎の不審死を遂げている。このことは48期生全員に暗い影を落とすことに……。
作者コメントは『そろそろ出番です』。

実は生きている。現在は3年生として活躍している。



◆望月怜士
現在の48期生のリーダー格。何故か常にヘッドホンを装着している。本人曰く目つきが悪いと言われがちだが実際はいたって勤勉らしい。
何故か課題以外の時間も役になりきっており本当の顔を見せようとしない。その上演技力が高くチンピラからフレンドリーな少年まで何でも演じられるために実際の性格すらどんなものなのかわからない。というか表情の変え方がかなり上手いためどんな役をやっても大体に合う。だが時折見せる素の顔には「たとえひとりになっても生き残る覚悟がある」と冷酷なものが見え隠れしている……。
『課題2』では凶暴な先輩である『矢車菊』を演じどっから持ち出したのか日本刀を持ちだして50期生を苦しめた。『課題3』では明るく無邪気な夕日の相棒である『黒花風露』を演じた。……というようにマジでどんな役でも演じられるため夕日を混乱させた。
2年前は咲良の親友だった。咲良の不審死をアカデミーの犯行によるものであると考えておりこの2年間その証拠を探し続けていた。彼の以来心を閉ざしており、彼の遺言から「ひとりになっても生き残る」と考えるようになってしまった。そのため情に流されることを何より嫌う。実際夕日と分かりあった後も課題で敵になった時は割り切って接していた。そして常に役になりきっていたのは情に流されないよう、自分ではない誰かを演じ続けていたかったから。一応『課題3』のあとからは夕日に素を見せるようになった。素の性格はややガラが悪いが真摯に役者を目指している少年である。
作者コメントは『髪の毛かきにくい』。ごもっともです。



◆十文字静
ネコ目ロリ巨乳先輩
序盤から登場していたがメインを張るのは『課題4』から。そこで夕日たちと組んで立ち向かうことになる。
冷静沈着で冷酷に見えるほどの合理主義者。個人の感情よりも公平に全体の利益を考える。大きなものを守るためなら小さな犠牲もいとわない。個人の感情で動こうとする夕日のことを疎んでおり最初は厳しい態度をとり続けていた。だが『静』という個人も含めて捨てているため、失敗の多い夕日を嫌ってはいるが最低限の忠告をするだけで余計なことは言わず、彼女に利用価値がある間は見捨てずにいた。ここら辺は合理主義者ゆえか。また課題中に熱を出した際も全体のことを考え誰にも言わず耐えていた。
実は入学当初は今とは真逆の気弱で純朴な少女だった。誰だお前レベルでかわいいので必見。咲良のカリスマを信じておびえながらも毅然とアカデミーに立ち向かっていたがある日の課題で咲良が死んでしまう。そのことで何もできなかった弱い自分を恨み、「強い自分を演じなければここでは生きていけない」と今の性格になった。夕日のように理想を追い求めたい気持ちもあるが、咲良のことが負い目で合理的にしか動けないでいる。
……おっぱいは本当に大きい。7巻裏表紙では横乳が拝めるがすごいサイズになっていた。
作者コメントは「気合で解熱」。実は『課題4』での熱はいつの間にか回復している。



◆富田疾風
眼帯をかけたとげとげしい態度の先輩。……もっとも素は3枚目らしくオフの時は調子のいいことを言って怜士や静ににらまれているけど。
静と違った意味で合理主義者であり仲間をあまり信用していない。2年前は咲良を最も頼りにしていた同期だった。そのため咲良の死について「咲良を頼りにして何もしなかった自分のせい」と考え、仲間にドライに接するようになった。
実は女好きでありよくナンパっぽいことをしている。役者になるのもモテるためらしい。特に静にはひとめぼれだったらしく今もよくアタックしている。というか初対面でかけた言葉が「ところでキミおっぱい大きいね! オレとつき合おうぜ~~!」だった。よくアカデミーに入れたな……。2年前ならともかく現在の静には言うたびに殴られている。というか尻にしかれている。夕日曰く一応両想いらしい。
作者コメントは『チャラチャラ眼帯男』。



◆熊谷健
ダウナーな14歳。……14歳にはとうてい見えない老け顔。なぜかクマを模したパーカーを着ている。もしかしたら名前にかけているのかもしれない。
物静かで口数は少ないが結構言いたいことはいうタイプで主に疾風に対してのツッコみ役になっている。疾風があまりにも調子乗り過ぎているとも言う。
こんな性格のために今まで人に引っ張ってもらう人生だったが、それゆえに疾風と同じく咲良の死に後悔し続けていた。
葛西と同じく実家は金持ちで許嫁がいるらしい。
作者コメントは『お坊ちゃま(許嫁アリ)』。



◇49期生

咲良の死によって余裕がなくなった48期生に厳しく指導されており常におびえた態度でいる。


◆御園小瑠璃
ロリ担当の13歳。というか4頭身くらいしかない。前髪がやたら長く目までかかっており表情がよくわからない。
一人称が「うち」で偶に言葉が訛っているため関西人疑惑がある。
同期の中でも特に48期生におびえており、目を付けられないように必要最低限のことだけをやる消極的な少女。48期生に逆らえず生きることで精いっぱいな自分に嫌気がさしている。
しかし48期生には事情があることをそれとなく理解しており、事情を知らない夕日が静たちを責めた時にはやんわりとかばっていた。
作者コメントは『チラリズム要因』。多分瞳のことを言っている。



◆毛利妙
小瑠璃と同じくロリ担当の12歳。
本作の登場人物にしては珍しく歳相応に明るく無邪気な性格。まだ幼いためにかちょっとひとこと多く、迂闊な面がある。
小瑠璃ほどではないが48期生におびえており夕日が余計なことをしないように忠告し続けていた。
幼いが1年間ここにいたせいか、役者について割り切っている節がある。
ぶっちゃけメインキャラの中で一番活躍が少ない気がする。
作者コメントは『いろいろ不器用』。



48期生&49期生はあと20人くらいいるが実質的にモブキャラなので割愛。
作者コメントで『ちっともキャラが立たない』とか『所詮モブ』とか言われてしまっている。
双子の女子生徒とか面白そうなキャラもいる。



◇3年生


◆阿部美雪
3年生の課題から登場する少女。……とはいっても夕日の策略によりあっさり退学となったが。
そして夕日が退学となり舞台裏を奔走していた際に再登場する。
長年のアカデミー生活から最早課題をクリアして卒業することしか考えられないでいる。要するに精神にちょっと異常をきたしている。といってもオーディション経験者で生き残るために他人に成り代わり、動機が全員他人に成り代わっているという常軌を逸脱した状況のためまあ普通狂いそうなものだが。
根はツンデレ気味であり決して悪い子ではない。
何故かゆみかを恨んでいるようだが……

本名は河合ゆみか
「阿部美雪」は生き残るためにオーディションで誰かから奪い取った名前。ゆみかが名乗っている「河合ゆみか」は彼女がオーディションで奪ったもの。
ゆみかの「いじめの復讐で傷害事件を起こして少年院行きになり家庭崩壊を起こした」という経歴は本来彼女のもの。


最初こそ自分の名前を奪ったゆみかを恨んでいたが、夕日の説得やゆみかの事情を知って少しずつ心を開いていく。


◇教師陣


◆遠藤先生
白目が極端に大きく見える謎のメガネをかけた男性教師。
「~のだ」という口調で話すマイペースな男。ネタ的な意味で割と人気が高いらしい。キャラが濃すぎてそこそこ出番がカットされたとか。
去年までは主要講師であったらしいが、レディ・クイーンにその座を譲ったことにより今年からは補助に回っている。大胆な指導を行うレディ・クイーンと理事会の板挟みになっている。
実はメガネ外すと作中屈指のイケメン



◆理事長
50年前にこの学校を設立したアカデミーの最高責任者。
その立場ゆえに普段は姿を見せずやたらグロテスクな人形を介して会話をしている。
その正体は謎に包まれているが……。
演技力万能説を決定づけた人



【即興演劇】


上述の通り本作におけるデスゲーム。ライフを保ちながら課題を成功に導いていくのがキモとなる。



◆課題1
[内容]
あなたたち十人はアカデミーの新入生
しかし担任のレディ・クイーンはおそろしい殺人鬼
はやくにげないと一人残らず殺されてしまいます
このアカデミーから脱出しようと奮闘する即興を二十四時間おこないなさい
[配役]
赤羽夕日:神代剣 15歳(男)カリスマで自信家。みんなを引っぱる行動力がある。
河合ゆみか:姫小百合 15歳(女)自己中なギャル。ワガママで文句ばかり
横手陽菜:淡雪てまり 15歳(女)まがったコトが大キライなインテリ美少女
水野伊吹:あづま紅 弱虫で人に口ごたえできない臆病者
葛西誠:上総紅葉 ドSで手に入れたいものはすべて手に入れる男
レディ・クイーン:レディ・クイーン 非常で残酷で生徒から恐れられている


初見殺しの課題1。要するにレディ・クイーンから逃げつつ学園から逃げるというもの。
電流が流れる扉をはじめとして至るところにトラップが仕掛けられているなどガチで殺しにかかってきている。
演技の勉強をしに来たはずなのにいつの間にか命の危機に巻き込まれた生徒たちはパニックに陥り、結果的に10人中5人が退学となった。
しかも退学になった5人のうち4人は、最初に犠牲になったカルロを助けようと戻った結果クイーンに配役の放棄と見なされたためなので後味が悪い。
この課題はあくまでもリハーサルであり、夕日たちはここから本格的な課題に巻き込まれることとなる。



◆課題2
[内容]
1年生:この教室の生徒たちみんなで1か月間青春しなさい
2年生:1か月間どんな手を使ってでも1年生を退学に追い込みなさい
[配役]
1年生:課題1と同じ
望月怜士:矢車菊
他の2年生は不明


本格的に始まった課題。今回からライフ制度が設けられており1年生が青春をすればライフが増え出来なければ減る。そして2年生の課題は退学に追い込むことだがライフ0=退学というルールなので、基本的には1年生のライフが減れば2年生は増えることになる。逆もまた然り。そのため2年生は1年生が青春の演技をできないように暴行を加え続けた。
というように相反する課題であり1年生と2年生はどちらかしか生きられない
48期生が一番ピリピリしていた時期であり、割と容赦なく1年生を殺しにかかった。2年生の武装は確認できるだけで日本刀、バトルアックス、さすまた、ナイフ、釘バット、大鉈、長爪など。どっから用意したのかは永遠の謎。しかも怜士は日本刀を課題3でも使っているし。2年生が武器を構える中ひとりだけ飴をなめてイキっているだけの小瑠璃ちゃんはかわいい。

夕日がレディ・クイーンに取引を持ち掛け、自分以外の1年生を2年生に進級させた
これによってゆみかたちの課題は夕日ひとりを退学に追い込むことになり、夕日の課題はひとり青春をすることになる。


実はライフ0で退学になるルールだが、ライフを一定数集めなければクリアできないとかそういうルールは一切存在しない
そのため課題期限である1か月後までライフをひとつでも保っていればクリアできることになる(だからといって何もしなければ「配役を放棄した」としてライフを減らされるが)。


ゆみかたち2年生は夕日に暴行を加える演技をしてそして夕日は2年生にあらがう演技を続けることを「自身を退学に追い込もうとする上級生に抗う青春物語」に見立て1年生と2年生の課題内容を両立させた
これによってライフを一定に保ちクリアする算段だった。


……しかしその最中ゆみかが離反し、夕日を本気で殺そうとする
その真意と顛末はゆみかのネタバレにて。


まあ結論から言うと課題をクリアし、夕日も2年生に進級した。



◆課題3
[内容]
今回みなさんは「探偵」としてこのお屋敷の主であるレディ・クイーンの食事会に招かれました。
しかし事件が起こります。被害者は客人の一人。死体は警察が搬送した直後です。
昨日からお屋敷に出入りした者がいないことから犯人はみなさんの中にひそんでいます。
この状況から自由に演じてください。
期限は1か月
探偵は犯人を推理し捕らえなさい
犯人は探偵になりすまし逃げ切りなさい
毎日17時。集めた証拠を元にわたしの前で犯人を推理してみせてください。
[配役]
赤羽夕日:考えるより感じろがモットーの名探偵「有明菫」
河合ゆみか:探偵ごっこが大好きな異国のお嬢様「エミリア・ソンチフォリア」
望月怜士:菫の相棒でわりと常識的な名探偵「黒花風露」
水野伊吹:自分のペースが乱されるのがきらいな理数系「小峰楓」
葛西誠・十文字静・横手陽菜:信濃三兄妹
富田疾風:熱血探偵「羅生門かずら」


今回はミステリー。学校を探索し証拠や暗号を見つけていくことによって事件の真相を探っていく。二転三転するどんでん返しが魅力的な課題。
この課題ではクイーンが「今回一番優秀な成績をおさめた生徒はここからでられます」と発言したため全員が沸き立つこととなった。
学校側に渡された資料によると「事件は2年前の5月21日。被害者の名前は朝倉若也」というもの。実はこの課題は本当に起きた事件を再現しており、夕日たちは本物の未解決事件に挑むことになる。
夕日は怜士とまさかのコンビを組むことになり、上述の通り「黒花風露」は明るい少年探偵だったため「矢車菊」とのギャップにビビっていた。
この課題の難しさは毎日17時に投票で犯人が誰であるかを選ぶこと。犯人として選ばれた人間は退学処分とされる。推理が進まなければ毎日ひとり生贄を差し出すこととなるという人狼ゲーム状態。そして課題は1か月で2年生は31名なので犯人を見つけられなければ2年生は全滅する
さらにキャラ設定用紙に「犯人役」という文字は存在しないことが発覚し……。

実は渡された資料に書かれていた事件はフェイク
情報をよく見ると最後に「…という舞台設定の下開始されたD・A・アカデミーの課題の最中に起きた事件」と書かれている。
本当の事件概要は「事件は一昨年の6月16日。課題の即興演劇終了間近の朝アカデミー生徒の死体が発見された。被害者の名まえは高城咲良」というものだった。


48期生が2年前課題中に咲良を殺された事件の真相を暴くというのが、今回の本当の課題
2年前の課題内容は「キミたちはまだ13歳という朝倉若也くんを殺して逃亡中の殺人犯。配役を生かしもっとも殺人犯としてふさわしい演技をした者があらわれた時点でこの課題は終了する」というものだった。要するに「殺人犯の逃走成功」、言い換えれば「学園から出る」ことがクリア条件。
ついでに当時の配役は
高城咲良:黒花風露
望月怜士:信濃秋桐
十文字静:有明菫
熊谷健:羅生門かずら


であった。配役名自体は今回の事件と同じものが使われている
2年前の顛末は咲良の死によって課題は「中止」となり、次の日からは何事もなかったかのように新しい課題が開始された。
なお学校側曰く咲良の死因は「不明」。
さらにクイーンが「犯人はこの中にいる」と言ったため、咲良を殺した犯人は自分たちの中にいると48期生は互いに疑心暗鬼を深めていく。


だが水野の調べで「中止」になったはずのこの事件には課題をクリアした人物が一人いることが発覚し……。

咲良は実は生きていた。というか、死んだふりをしていただけだった。


2年前の課題のクリア条件が「殺人犯の逃走成功」で終了条件が「もっとも殺人犯としてふさわしい演技をした者が現れる」こと。
そのため咲良は死を演じて搬送され学園の外に出ることによって「殺人犯の逃走成功」という条件をクリアしたのだった。そして『死体』という「もっとも殺人犯としてふさわしい演技をした者」が現れたため課題は終了となった。
つまり二年前の課題は「中止」したのではなく、クリア者が現れたことで「終了」していた。


ついでに言うと2年前も現在もこの課題のクリア方法はこれしかないのでクイーンの「今回一番優秀な成績をおさめた生徒はここからでられます」というのはクリアするなら必然的にここから出来る必要があるという意味。


ということで結論は咲良は死んだふりをしたということだが、即興演劇としては死体役を演じて自殺したということなので殺したのは咲良自身ということになる。
よって犯人は咲良が2年前に演じた黒花風露
現在のキャラ設定用紙に「犯人」という文字が無かったのはこのため。



◆課題4
[内容]
期限は一週間
「人生すごろく」をプレイし三チームでゴールを競い合いなさい
1位「3年生への進級試験を受ける権利」
2位「ここ3か月で失ったライフの全回復」
3位「全員退学」
[配役]
全員:m9(^Д^)


人生すごろく編。後半の怒涛の伏線回収が魅力。
自分自身(=おまえ自身=プギャー)を演じながら演劇人生を模したリアル人生すごろくをするというもの。うさぎ、パンダ、ネコの3チームに分かれ順位を競っていく。……ちなみに生徒たちはチーム名に対応した動物の耳をつけることになる。うさ耳をつけたゆみかはかわいい。猫耳をつけた夕日と静先輩もかわいい。うさ耳をつけた怜士は……うん。
だがアカデミーの人生すごろくがまともなはずもなく「車に轢かれる」というマスでは本当に轢かれたり、「カラオケを200曲歌うまでコマを進められない」とあったり肉体的・精神的にキツイものとなっている。ついでに危険なマスに止まってしまった場合死亡扱いになり、助けることが出来なければ退学となる。
さらに最下位になったチームが全員退学となるため生徒たちは徐々に焦っていくこととなる。
今回はライフが資金扱いとなっており1ライフ1万円相当として使える。逆に「1万円を落とす」というコマがあればライフを失うことになる。借金をしてライフを増やすこともできるがクリア時点で借金が残っていた場合即刻退学になる。
また「鉢合わせバトル」というルールがあり同じマスに止まったチーム同士は勝負をして、負けた方はアイテムを持っていかれる。渡すアイテムが無い場合はチームのメンバーを引き渡すことになる。その場合引き渡されたメンバーはチーム変更という扱いに。
初のチーム戦でおこなう課題だが前述の通り夕日は正義感が強いあまり協調性が低いため、一時の感情で動いてチームの輪を乱し、前半はかなり苦戦を強いられた。その上鉢合わせバトルで仲間の大半を持っていかれたため静とコンビを組んで戦うこととなる。

鉢合わせバトルではチームメンバーを奪うことが出来るが、もしメンバー全員を奪えれば実質的なチームの合併が出来る
これを繰り返していけばチームはひとつとなり最下位は存在しなくなるので誰も退学せずにクリア可能



◆面接
[内容]
あなたがこの進級試験を合格するために失ってもいい仲間の名まえとその理由を答えなさい


3年生進級試験として出された課題。2年生が進級するためにひとりを生贄に選ぶこととなる。
犠牲を出すことを嫌う夕日は本気で悩むが……。

夕日が選んだのはレディ・クイーン。
レディ・クイーンは私たちにとって仲間です!」と連呼し続けた。
ぶっちゃけ屁理屈であるがクイーンの「場の主導権を握り空気を変える」という演技力を2年生全員の勢いで押し切ることによって再現し反論させず押し切ろうとした
全員の白々しい演技が見れます。


しかしクイーンに「わたしはあなたたちの仲間なんかじゃない。敵よ」と論破され場の主導権を握り返されてしまう。


……だがその言葉に反応したゆみかが、
「敵と考えていた」

「分かり合う気がなかった」

「舞台は全員の心をひとつにするものであるにもかかわらず、それを拒んでいた」

そんな実力でなにがプロフェッショナル? 乙女香澄、いますぐ女優をやめるべきね!(顔芸)
と再論破し、ゆみかたちの役者としての考えに納得したクイーンが全員の進級を認めた。



◆3年生の課題2
[内容]
D・A刑務所所長レディ・クイーンが戻るまで囚人と看守に分かれ監獄生活をおくりなさい。
[配役]
赤羽夕日:冷徹な看守長「駿河蘭」
望月怜士:新人看守「蓮華升麻」
熊谷健:新人教育係「苗代ぐみ」
高城咲良:孤立した看守「御所左近」
毛利妙・阿部美雪:一般看守
※残りは囚人役


リアルスタンフォード監獄実験。今回から咲良が参戦する。
今回の課題では配役ごとにセリフが提示されており即興演劇の中でそのセリフを話すことによって達成率が上がっていく。夕日たちは達成率を上げることが課題のクリア方法だと考えるが……。
「役と現実の区別がつかなくなる」という有名な超危険実験の再現だけあり夕日たちの精神を最も苦しめた課題。演技であったとしても刑務所という非日常の場所では精神が疲弊していくことになる。そのため相手は達成率を上げるために演技をしているのか本当に苦しんでいるのかを見極める必要がある。
さらに答えは明示されていないがNGワードも設定されておりそれを口に出せば退学となる。
さらにクイーンは「全員が牢屋から出るまで刑務所に戻らない」と囚人側を全滅させることを命じる。
これに対し咲良は「怜士とともに退学になった生徒を復帰させる方法を考えている」と告げたため夕日は彼を信じ全員にNGワードを踏ませることを決意する。
だが怜士は復帰させる方法など知らないと言い出し……。

仲間を切りはなしたあとにとりもどす……
そんな方法、本当はないんじゃないの?
わたしを誘導してわざと仲間を犠牲にさせたの?


やっと気づいたのか
おまえが気づくまで15人が犠牲になったぞ
かわいそうに



咲良は最初から犠牲を出すことを前提に考えており、そのために夕日を利用していたのだった。


この事実にキレた夕日は駿河蘭として咲良を檻に入れる


……その日から夕日の行動はおかしくなっていく。
セリフの書かれたタブレットを全員分没収し、その上で自分に対して出来る限り話すように命令した。まるでムリヤリNGワードを言わせようとしているかのように。
さらに看守たち全員を囚人として檻に閉じ込め処刑すると宣言した。


仲間たちはあまりの変貌に自棄を起こし全員を退学にしようとしているのではないかと考えるが……。




~ネタバレ~












夕日の真の目的は囚人たちに脱獄を起こさせることにより全員が牢屋から出た状態をつくること。
そのため自分以外が全員囚人という圧倒的に囚人側に有利な状況をつくり、必要以上に冷酷な看守を演じて囚人のヘイトを集めようとした。自棄になったように見せかけたのも「自棄を起こした赤羽夕日」を演じ暴動を起こしやすくするため。
つまりすべて演技である。








※演技です。
作者「夕日が嫁に行けなくならないように顔芸控えたつもりが、時すでに遅しな雰囲気♡」



そして咲良の煽動もありついに囚人による暴動がおこる。
夕日はけじめをつけるため咲良と1対1の勝負を挑む。頭脳戦の末咲良がNGワードを踏むように誘導し退学に追い込む。


これにより条件を満たしクイーンが帰還し課題が終了する。


だが夕日は犠牲を出したうえでの勝利が認められないこと、学園の秘密を知ること、そして咲良の真意を知ることのためにクイーンを挑発し、敢えて退学になる道を選ぶ……。




◆特別課題
[内容]
起・生徒全員が力を合わせて脱出を試みる
承・しかし内部分裂が起こり生徒の半数が退学に!
転・残った生徒たちは思いがけない行動に出る
結・生徒たちは脱出に成功したが一人の生徒だけがアカデミーに取り残される
イエス・アンドの即興で台本通りの舞台をつくりあげなさい


実質的な最終課題。退学となり舞台側で退学者たちに呼びかけ暴動を起こした夕日。連帯責任として全員の自我のリセットが宣告されることとなるが、最後のチャンスとして学園を脱出するための課題を行うことになる。
キモとなるのは演劇において基本中の基本と言われる「イエス・アンド」。相手の言葉を否定せずに肯定していきそこから話を広げていくという演技手法。相手の言葉に「ノー」や「バット」で返せば「イエス・アンド」が出来ていないとして即退学になる。「ノー・バット」が使えないのが恐ろしいところであり一度誰かが言い出した設定は覆せないということになる。
さらに相手の感覚を汚染するほどの演技力を持つレディ・クイーンも参戦し即興演劇は混沌を極めていく……。








追記・修正はアカデミーに入学してからお願いします。



出典:出口ゼロ、1巻、瀬田ハルヒ、講談社、2013年
出典:出口ゼロ、2巻、瀬田ハルヒ、講談社、2013年
出典:出口ゼロ、6巻、瀬田ハルヒ、講談社、2014年
出典:出口ゼロ、9巻、瀬田ハルヒ、講談社、2015年
出典:出口ゼロ、11巻、瀬田ハルヒ、講談社、2016年
出典:出口ゼロ、12巻、瀬田ハルヒ、講談社、2016年
出典:出口ゼロ、14巻、瀬田ハルヒ、講談社、2017年




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  • 今回の演劇・・・は残念ながら出口ゼロ! -- 名無しさん (2020-09-06 13:30:54)
  • これどんな事態になっても大抵の事は演技でした!でひっくり返せるな… -- 名無しさん (2020-09-06 14:02:53)
  • ラスボスの強さが「演技達者で擬態が上手いから」で今一つ伝わらないのが… -- 名無しさん (2020-09-06 16:42:02)
  • ブックオフで見つけたので何冊か買って来た……キャラ濃っゆい!! -- 名無しさん (2020-09-06 18:35:01)
  • 演技ってなんだよ(哲学) -- 名無しさん (2020-09-08 00:12:40)
  • ラスボスが噂屋の上村滝太郎(コスプレキャラになりきると身長、性別、記憶、手相等もなり切る、人どころか人形にもなりきれる……ぶっちゃけ這い寄る混沌の化身)みたいな演技能力で草生えたわ、本当に人間か…? -- 名無しさん (2020-09-16 03:03:16)

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