パロディウス ~タコは地球を救う~

ページ名:パロディウス _タコは地球を救う_

登録日:2021/12/13 Mon 18:33:40
更新日:2024/06/17 Mon 11:51:53NEW!
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コナミが発売した横スクロールシューティングゲーム。「パロディウス」シリーズの記念すべき第1作。


1988年にMSX用ソフトとして発売された。アーケードには登場せず移植が少なかったため知名度は高いとは言えず、アーケード第1作である「パロディウスだ!」がシリーズ自体の第1作と誤解されがち。
元々は内輪で作った作品であり、当時はMSXソフト「スナッチャー」の開発が遅れていて、スタッフが「グラディウス」シリーズのMSX版外伝作品「グラディウス2」(グラディウスIIにあらず)の開発エンジンでストレス解消に作り始めた、同人ゲームやまかない飯のようなものだったと言われている。
開発期間は1ヶ月ほどであり、BGMの製作時間を節約するためにパブリック・ドメインのクラシック音楽を大幅にアレンジして使用、そこから「だ!」以降もクラシックや民謡のアレンジBGMが伝統となった。音源は「グラ2」で初搭載されたSCCチップによりクオリティの高い曲が聞ける。


◆特徴
「だ!」以降とは雰囲気が若干異なり、関西ノリ的なおふざけが全開。ザコ敵の被弾・爆発エフェクトの代わりに「ひ」「で」「ぶ」「!」という文字が一文字ずつ表示されたりする。一方で、転びながら移動して弾を撃つペンギンダッカーや、過去のSTGのステージやボスのパロディ、プレイヤーキャラに他のゲームからの客演、ベルパワーやルーレットカプセルといった独自のパワーアップシステムなど、すでにパロシリーズのお約束は完成されている。
OP・EDデモは「グラ2」のパロディであり、主人公・タコの独白という形でストーリーが分かりやすく説明される。
MSXソフトは本来STGに対応していないため、このゲームも8ドットスクロールでガクガクとしたスクロールになっている。
PSPソフト「パロディウス ポータブル」ではシークレットタイトルとして後続4作品と共に収録された。パワーアップアレンジ版と称してリファインが施され、よりカラフルな色遣いとなめらかなスクロールで遊べるようになっている。一方、デフォルトで設定されているリミックスBGMや、「ひでぶ!」が無くなり普通の爆発エフェクトになっていることなどもあり賛否両論。



◆プレイヤーキャラクター
本作では5人のキャラが登場するが、自機とパワーアップカプセルの見た目、オリジナル版のやられエフェクトが変わるのみ。武装は本家グラディウスに準じるが、「迷うなんて速うなんで!(SPEED UP)」「多い日も安心(LASER)」などふざけた名前になっている。


  • タコ

本作の主人公。その名の通りのタコで、ハチマキを付けている。後に「おくとぱすタコ」「Mr.パロディウス」と呼ばれることになる。
かつて芸人を目指すも挫折したが、宇宙に修行の場を求め、新しいエンターテイナー「夢と希望プログラマー」となる。全宇宙に夢と希望を与え、平和の芽を植えるのが彼の究極の芸。
しかし、プログラムし終えた星に次々と現れる宿敵バグによって夢や希望を食い蝕まれ、イタチごっこが続いていた。そんな折に地球近くにバグが現れたと聞き、4人の仲間と共にバグを倒すべく立ち上がったのだ。
通常弾は水鉄砲、ミサイルは凧、バリアは底が平たい蛸壺。パワーアップカプセルはサントリーの「タコハイ」にちなんで酎ハイの缶の形。オリジナル版のやられエフェクトは「あ」「ん」「ぎ」「ゃ」。


  • ペンギン

「けっきょく南極大冒険」「夢大陸アドベンチャー」の主人公。後のシリーズに登場するペン太郎は彼の息子(デキ婚らしい)。
ビジュアルは『グラ2』にて、MSXのダブルスロット機能でペンギンに変身したメタリオンと同一。
通常弾は魚の形、ミサイルは巻貝、バリアは傘。パワーアップカプセルは鯛。やられエフェクトは「お」「っ」「と」「っ」「と」。


  • ゴエモン

「がんばれゴエモン」の主人公。後にSFC版極上パロディウスにも登場する。
MSX版の同ゲームに近い見た目だが、技術的な都合で服と一緒に髪も赤くなっている。リファイン版では時代に合わせて青いギザギザの髪に。
通常弾は小判、ミサイルは唐傘お化け、バリアはおそらく編み笠。パワーアップカプセルも小判の形だが、弾を撃ったからと言ってパワーアップを消費することは無い。やられエフェクトは「ま」「い」「っ」「た」。


  • ポポロン

「魔城伝説」シリーズの主人公。魔物退治と聞いて喜び勇んで参上。
通常弾はナイフ、ミサイルは矢、バリアは盾。パワーアップカプセルはルークが描かれた四角いジュエル。やられエフェクトは「ち」「ゅ」「ど」「ん」。


  • ビッグバイパー

ご存知グラディウスシリーズの主役機……のようだが、名前が「ビッバイパー」ではなく「ビッバイパー」になっていたり、グラフィックが「沙羅曼蛇」のサーベルタイガーだったりする。その他のグラフィックは本家に準ずるが、ミサイルはしっかり歩行式。やられエフェクトは「ぼ」「ん」「ぶ」「!」。尚、リファイン版のやられエフェクトは5人全員とも爆発の上に「ぼんぶ!」の文字が表示される。
後のシリーズと違い5番手と最後のキャラになっている。太陽系小惑星帯にいたバグを発見したのは彼。





◆ステージ
ステージの名前はいずれも「第○惑星 □□星」で統一されている。これは「グラ2」のパロディ。
尚、中ボス・山場BGMは「クライシス第4楽章」、ステージボス戦は「ボスBGM」で統一されている。それぞれベートーベンの「第9」第4楽章、リムスキー=コルサコフの「熊蜂の飛行」のアレンジ。「だ!」でもそれぞれの曲が(ボス戦は「ボスBGMだ!」と名を変えて)登場しているが、細部のメロディラインが異なる。


  • 第一惑星 ウル星

氷の惑星。下が海になっていたり、狭い場所でルーレットカプセルが出現したりと、「だ!」1面「アイランド・オブ・パイレーツ」の原型になったと思われる。
BGMは「クライム・オブ・センチュリー」。チャイコフスキーの協奏曲第1番のイントロが使用されている。


中ボスは「巨大常連戦闘要石/ビッグモアイ」。ムカつくニヤけ顔のモアイ。
口からイオンリング、鼻から鼻提灯を飛ばして攻撃してくる(グラシリーズの他のモアイと違い、リングは放物線を描いて落下する)。弱点は口元で、攻撃し続けるとピヨピヨ状態になり早く先に進める。
ステージボスは「第一巨大戦闘母艦・愛嬌鳥/ビッグペンギン」。ペンギンダッカーが巨大化したようなボスで、当時のサントリーの缶ビールのCMがモチーフ。
「だ!」1面ボスの原型ともいうべきボスで攻撃方法もほぼ同じだが、周囲を回転する小型ペンギンが撃墜不能(オブジェクト判定)、一時的にゴルゴのような目つきになり小型ペンギンが高速回転する、本体もビール瓶を投げてくるなどより多彩な攻撃を持つ。
やはり弱点はでべそであり、ダメージを与えていくとやがて表情が焦ったようなもので固定される。倒すと目玉を剥き、小型ペンギンを口に収納してから爆発する。オリジナル版の被弾エフェクトは「ほ」「ん」「げ」「ー」という文字が一文字ずつ表示される。



  • 第二惑星 勝負星

浮遊する陸地により入り組んだ地形のステージ。所々に耐久力の高い「固形悪臭機雷」が浮かんでいる。
BGMは「ライト・オブ・オクトパス」。ベートーベンの「月光」第3楽章のフレーズが引用されている他、クレジットされていないがドビュッシーの「月の光」のようなフレーズもある。


山場は「イキナリレーザ砲地帯」。画面の上下左右から即死レーザーが飛んでくる(予兆あり)。スクロールが止まるとBGMが中ボスBGMに変化する。ザコ敵も一緒に現れるので油断禁物。
ステージボスは「第二巨大戦闘母艦・三択手/ジャンケンポン」。巨大な左手型のボス。オリジナル版では真っ青だがリファイン版ではメカらしい銀色に。
直前にはジャンケンの手3つが並んだ壁があり、いずれかの隙間を通ってジャンケンでボスに挑む。ボスにジャンケンで勝てばボスはそのまま自爆、負けたor出さなかった(白ベルパワーの「ヨコワープ!」で壁を躱した)場合は2面最初の空中戦に戻されるという、STGの常識を覆すようなボス。
あいこの場合は通常のボス戦となり、指先をロケットパンチのように飛ばしたり、ボス自ら突進してきたりする。弱点も指先で、被弾エフェクトは「ど」「し」「ぇ」「ー」。


  • 第三惑星 迷惑星

MSX版グラディウスの骨ステージのパロディで、洞窟のステージ。工事現場のおじさんのような風貌の巨大モグラ「モール」と、上下を往復しながら迫りくるピコピコハンマー型のザコの抗争に巻き込まれる。
BGMは「幻想蛸興曲」。グラ2のヴェノム艦風のイントロから始まり、「山の上の魔王の宮殿にて」とショパンの「幻想即興曲」のメロディが大幅にアレンジされて登場する。初代パロディウスのBGMでは特に人気が高く、GB版「だ!」の氷面で「Frozen Symphony」として再登場した。


山場は「破壊不可能ツブツブ石落下地帯」。その名の通り8×8ドットの落盤をひたすらよけ続ける(予兆として落下する部分が点滅する)。後のちちびんたリカさながらに長いので集中力が肝要。ザコが出てこないのがせめてもの救いか。
ステージボスは「第三巨大戦闘母艦・天気祈願手抜坊主/テヌキテヌキボーズ」。上下に動くてるてる坊主で、顔がへのへのもへじになっている。本体が上に動く際に「一見水子霊風小型手抜坊主/コテヌキ」を2体ずつ繰り出す。
顔に攻撃すると目の文字が「(へ)わっ」「いてっ」に変化し、さらにオリジナル版では本体に攻撃しても被弾エフェクト「や」「め」「て」「ー」が出るが、実は弱点はヒモであり、ここを攻撃しないと倒せない(リファイン版ではエフェクトはヒモにしか出ない)。残り体力に応じてヒモが細くなっていき、倒すとヒモが切れて本体が「わっ」の表情で落下していく。


  • 第四惑星 迷菓星

スポンジケーキ型の迷宮ステージ。黄緑ベルパワーの「タテワープ!」の仕様を転用して無限スクロールを再現している。後半ではMSX版「沙羅曼蛇」のような停電が発生して一時的に地形が見えなくなる。
BGMは「お菓子な世界」。ドボルザークの「新世界より」のフレーズが引用され、ループ部分にイェッセルの「おもちゃの兵隊の観兵式」(キユーピー3分クッキングの曲)のイントロが使われている。


中ボスは「変態三品卑猥唇/クチビール」&「一点集合型入歯/イレババ」。ほぼ「だ!」のホット・リップスそのものだが、結構固い。リファイン版ではやたらツヤツヤしてまさに卑猥唇。
ステージボスは「第四巨大戦闘母艦・太女中/メイズ」。デフォルメされたおばさんメイドで、2人いる。メイドの複数形(maids)と迷宮(maze)をかけているのか。
クチビールのように前後から挟撃してくる。クッキーを投げてくる他、スカートを持ち上げて前後から体当たり攻撃も。弱点は胸のあたりで、被弾エフェクトは「あ」「ら」「っ」。右の個体を倒すと左の個体が右に移動する。


  • 第五惑星 妖星

宇宙の墓場ステージで、「だ!」9面の直接的な元ネタと思われる。「だ!」と比べると中ボスが存在しないが、敵のほとんどが破壊不能であり難易度が高いため、後述のエクストラステージや白ベルのヨコワープで抜ける人が多いだろう。
BGMは「ザ・ワルツ・オブ・オクトパス」。チャイコフスキーの「白鳥の湖」ワルツ部分のアレンジで、メロディの変化は抑え目だが音色のイメージが大きく変わる。


ステージボスは「第五巨大戦闘母艦・一目妖女/ゲ・ゲ・ゲ・アーント」。目玉おやじをモデルにしたボスで、巨大化した頭に化粧をした目(瞳ではなく)、折りたたまれた女性の裸体がついている。おやじならぬおばさん(aunt)というわけである。
目から巨大なリップルレーザーを発射しながら上下に移動しつつ迫りくる。弱点はその目であり、ある程度ダメージを与えると何度か涙をこぼす。被弾エフェクトは「い」「や」「ん」。


  • エクストラステージ

1面ビッグモアイ後頭部、4面の行き止まりの一つ、5面の動く墓の下から行けるツブツブ地形ステージ。4面は破壊不能地形で「今年もコナミをよろしく」と書かれている。
BGMは「スゥイート・エモーション」。「運命」のイントロでワープした後、ビゼーの「カルメン・闘牛士の歌」とヘルマンの「クシコスポスト」のメロディが流れる。
このステージでは色違いのパワーアップカプセルがあり、得点や残機を稼ぐものや、ツブツブ地形を突破する2種類のパワーアップの全4色が存在する。


1面エクストラのステージボスは「超小型第七戦闘瑕疵艦/バグ・ミスフィッツ」、4面エクストラは「超小型第八戦闘瑕疵艦/バグ・メイヘム」、5面エクストラは「超小型第九戦闘瑕疵艦/バグ・アバドン」と、グラ2のボスがSDサイズで襲い掛かってくる。被弾・爆発エフェクトは中ボスに準ずる。



  • 第六惑星 要星

太陽系小惑星帯に存在する要塞ステージ。スパイク付きの落下天井やハンマー、ツブツブ地形など強烈な仕掛けが満載。
あげく完全な行き止まりが2か所も存在する。まだフォースフィールドもボムや巨大化もない時代なので突っ切ることは出来ないが、白ベルの「ヨコワープ!」を取れれば超えることができる。
BGMは「フェイト・オブ・オクトパス」。ワーグナーの「ワルキューレの騎行」のアレンジで、ループ部分はベートーベンの「運命」のメロディが引用される。


中ボスは「腐敗直前極地戦闘臓器/オーガンズ」。初代グラディウスのラスボス・ゼロスブレインのパロディで、8本の筋繊維が付いた透明の膜に、消化器官と心臓が包まれたボス。何かとギャグ的な姿をした敵が多い中で、こいつは本家グラディウスに出てきてもおかしくないくらいまともとも言える。
上下動しながら細胞や弾を飛ばしてくる。ゼロスブレインとは逆に弱点は本体の内臓部分で、ダメージを受けるほど動きが速くなる。
元々ラスボスのパロディであったためか、リファイン版では被弾・爆発エフェクトがステージボス達と共通のものになっており、さながらもう一体のステージボスのような扱いになっている。
ステージボスにして本作のラスボスが「夢食妖獣/バグ」。タコがプログラムした夢と希望を喰らい続けた宿敵であり、地球人のメンタルに悪影響を及ぼしていた。
夢を食うバグということで、赤いマレーバクの尻に濁点が付いた姿をしている。
グラディウス/パロディウスシリーズには珍しい攻撃型のラスボスで、上下動しつつ時折停止しては、口から煙のような巨大な弾をばらまいたり、鼻からレーザーを撃ったりする中々の強敵。弱点は鼻で、被弾エフェクトはビッグペンギンと同じ「ほ」「ん」「げ」「ー」だが、コイツの場合被弾するたびに驚いた表情をする。



バグを倒すとタコ達は地球人の夢を取り戻し、エンディングとなる。取り戻した夢を見たタコは何を思ったのか、感動のEDは是非自分の目で確かめてほしい。





追記修正はヨコワープしてからお願いします。


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  • 自分はラスボスの前座の中ボスが見るのも嫌な程トラウマだったな…ただ、何でその前座だけまとも?な見た目をしてたのだろうか -- 名無しさん (2021-12-13 19:41:48)
  • 中学生の頃にMSX仲間のあいだでカセットを貸し借りしながらメッチャ遊んだ思い出が。カクカクする8ドットスクロールが青春だった... -- 名無しさん (2021-12-14 10:05:27)
  • 本作のエンディングが今でも通用するんじゃないか?ってくらい深い。そういや「だ!」以降のエンディングって爆発オチ的なのが多い(ついでに自機が酷い目に遭う事も多い)けど本作はそんな事無いからここの部分は方向性が固まってなかったのかな? -- 名無しさん (2024-02-27 20:28:28)

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