登録日:2016/11/10 Thu 20:15:18
更新日:2024/01/29 Mon 13:23:36NEW!
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scp scp財団 scp foundation 所要時間30分以上の項目 djkaktus adminbright drclef dr gears tanhony 初心者殺し 所要時間60分以上の項目 コメント欄ログ化項目 scp-001 mrwrong agatharights qntm peppersghost kalinin dreverettmann spikebrennan twistedgears wrongjohnsilver lilyflower tufto roget the great hippo djoric kate mctiriss shaggydredlocks
現在この項目は【提案所】肥大化項目記述独立・簡約化等議論所において、
記述の独立・簡約化の議論対象となっています。本項目に詳しい方のアイディアを募っています。
以下のファイルは管理者の権限により
最高機密
に分類されています。
一般通告001-アルファ:SCP-001の情報漏洩の防止策として、偽造SCP-001ファイルが本当のファイルと共に複数作成されました(または作成されていない)。偽造を含む、全てのSCP-001の性質に関する資料にはミーム殺害エージェントによる保護が施されており、無許可の職員がファイルへのアクセスを試みた場合、即座に心停止が引き起こされるよう設定されています。████-███-██████下の要請を除き、SCP-001の本当の性質を一般人に公開する行為は処刑事由となります。
警告
このファイルにアクセスしている無許可の職員はベリーマン=ラングフォード・ミーム殺害エージェントにより即座に処分されます。適切なミーム摂取無しに下部へとスクロールを行えば、即座に致死性の心停止が発生します。
待機してください。
ミーム殺害エージェント作動
生命徴候の継続を確認
安全装置を解除
ようこそ、担当職員様。
SCP-001とは、シェアード・ワールドの一つである怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場していないオブジェクト (SCiP) 。項目自体の名前は「機密解除待ち[アクセス禁止]」、またの名を「SCP初心者殺し」。
……のっけから意味不明な記述で申し訳ないが、こういうことである。
SCP Foundationにおいては、財団が収容したSCPオブジェクトについての記録、という形で数々のSCPについての記事が存在している。
それらは全て、真相が不明であれ、所在が不明であれ、未解決であれ、少なくとも「このSCPはつまりこういうものだ」という最低限の事実が存在し、危険性に対してオブジェクトクラスが設定される。
が、このSCP-001、ナンバリングで言えば最初のSCPオブジェクトと言えるコレには、その「こういうもの」という概念自体が存在しない。
SCP-001についての執筆者はクレフ博士であるが、博士自身が本家において、「これに関する記述は機密漏洩対策のカバーストーリーであるかもしれない」という節のコメントを残しており、さらに多くの博士やエージェントによる、内容がまるで違うレポートや記録が多数存在しており、SCP-001の正体どころか、そもそも存在するのかどうか自体が全くわかっていない。
具体的に言うと『SCP-001』の記事は現在31種類ある。どれが本物でどれが偽物なのか、そもそも「本物」があるのかすらわからない。
実体としての形状やサイズ自体も記録ごとに異なる有様であり、そもそも収容されているのかまだなのかも不確定。
何も知らずに本家のSCP-001の記事を見て混乱した人はかなり多いのではないだろうか。
つまるところSCP-001という固有ナンバーを持ったSCPオブジェクトは未だ正体がわかっておらず(創作サイト的には決まっておらず)、その真実を知るのは執筆者であるクレフ博士ただ一人となっている。
…メタ的に身も蓋もないことを言うと、あまりにも多くのユーザーが「SCP-001」という特別なSCPについて書きたがるため、「じゃあもう全部SCP-001にすりゃいいじゃん」ということになり、それに関する投稿が増えているのである(カノン的には「真相を隠匿するために用意された大量のデコイ」ということになる)。
現在でもSCP-001に関する記述はかなりの数が存在するが、その特性上他のSCPの記事においてコイツに言及している部分はほぼない。だってどんなSCPか全然わからないし。
というわけで、SCPに親しむ財団職員の諸兄にとって一番困る質問は「SCP-001ってナニ?」という質問であろう。
何せ答えようがないのだ。あるのかないのか、あったとしてそれはどういうものなのか?
全くわからないならまだしも、候補が山ほどあるのだからわけがわからない。それこそまるで意味がわからんぞ!となっても仕方がない。
人々よ、それがSCP-001だ。
SCPにはたまにあることだが、中にはスパイが見てる記事とか番号が不確定のオブジェクトとか番号どころか文字にも言葉にも出来ないオブジェクトなんてのもあるので、001なんかはまだかわいい方である。
読む量が増えるだけだし。
現在存在するSCP-001は以下の通りである。
元の記事は他のSCPの例に漏れず何度か読み直さないとわけがわからないので、要約を付記しておく。
ちなみに提言全体の大ざっぱな傾向として、「財団または財団世界の成り立ちや根幹」に何らかの形で触れているのが特徴。
●目次
本部の提言
ジョナサン・ボールの提言 - 論文の束
未知のSCPについての報告書。オブジェクトクラスはKeter。
該当するSCPの発見後に書かれたものと全く同じ内容であり、コイツに書かれていないSCPが発見されたことは一度もない。
該当SCPが発見されると新たな報告書が追加される。つまり現在までに3000回以上読まれていることになる。
どうも当初は「読むことでSCPを発見できる」効果だと思われていたようだが、後になってO5評議会が「そもそもコイツを読まなかったら何も起きないんじゃないの?」と気づいて封印している。
ギアーズ博士の提言 - プロトタイプ
微小の特異点を作り出すモンスター。
この特異点を使って攻撃を防いだり、テレポートしたりできる。特異点自体は数秒で消えるが、面倒なことに消える瞬間大量の放射線をまき散らす。
おまけに主食が人間であり、元気な時は狡猾で素早い。ただしコイツ、湿気と高熱、要はサウナのような環境や強い光に弱く、そういう環境では著しく弱体化する。
さらにコイツのテレポートは鉛の障害物を通過できない。よって、現在は「鉛の壁に覆われた湿気100%のサウナ」に閉じ込められている。
他の生物的実体を持つSCPと大差ないように思えるが、実はコイツに関する報告書は体裁が古い。というのはこのモンスター、財団の前身となる組織が収容したオブジェクトなのである(だから001)。
クレフ博士の提言 - ゲートガーディアン
燃え盛る翼を持つ天使。オブジェクトクラスはEuclid/Keter。
340mの巨大な人型実体で大きなナイフを持っており、半径1Kmに近づいたものを問答無用で消滅させるか、頭の中に命令して追い払う。また、財団を作らせたのもコイツの命令によるもの。
ナイフは6000C°位だが、何故か熱放射は起こっていない。
サイズとその特性上収容は不可能だが、財団が発見してから全く動いていないためプロトコルは組まれていない。
どうやらコイツは「天国の門」を守る番人のようなものらしく、門の向こうについての記録がいくつか存在する(明らかに「生命の樹」らしきものもある。これほど[削除済み]が仕事していない記事も珍しい)。
で、近づかなければ何の害もないので、現在は監視にとどめられている。
……のだが、ある時財団職員の一人が謎の通信を受けると言うインシデントが発生。
緊急指令パトモス・オメガの開始
ATTN:全ての財団職員
今朝のほぼ████:██:██、サイト0からこのメッセージが届きました。
SCP-001が定位置を離れています。
門は開かれました。彼らは馬に乗っています。
ああ みよ、とても美しい…
主は支配する主は支配している主が永遠に支配するだろう主は支配する主は支配している主が永遠に支配するだろう主は支配する主は支配している主が永遠に支配するだろう主彼は神主彼は神主彼は神主彼は神主彼は神主彼は神主彼は神主彼は神選ばれし民よ聞け我々の神主は唯一の
SCP-995の脱走、SCP-616の開放、SCP-098の活動とともにこの出来事が起こったため、財団はXK-クラス世界終焉シナリオへの準備を早急に行わなければなりません。SCP-076とSCP-073は直ちに確保される予定です。全ての職員は緊急指令パトモスを解除、解読し、その中のすべての命令に従いましょう。サイト19は確保され、全ての必要でないSCPと職員は処分/破壊されます。
繰り返します。
SCP-995の脱走、SCP-616の開放、SCP-098の活動とともにこの出来事が起こったため、財団はXK-クラス世界終焉シナリオへの準備を早急に行わなければなりません。SCP-076とSCP-073は直ちに確保される予定です。全ての職員は緊急指令パトモスを解除、解読し、その中のすべての命令に従いましょう。サイト19は確保され、全ての必要でないSCPと職員は処分/破壊されます。
繰り返します。
SCP-995の脱走、SCP-616の開放、SCP-098のkつ動とともにこの出来事が起こったため、財団はXK-クラス世界終nシナリオへの準備をo急に行わなければなりません。SCP-076とSCP-073は直ちに確保される予て カインとアベル我が二人の息子たち、私は来た全ての職員は緊急指見よ、私は門の外に立って、叩いている だれでもわanayansdfysfしたが
aall alla khaf3242!$$@わたしはまたあたらしいてんとあたらしいちとをみたそしてみを
^&@#$@#@#$@#$███████
█████████
█████████
█████████
███ [信号途絶]
明らかにヤバい事態である。が、サイト0で監視にあたっているO5-14(!?)に問い合わせたところ、そんな事実はなかったのでO5-14の悪ふざけと結論された。
……が、後の調査でこのメッセージは未来からのものだったことが判明した。
さらに、コイツに一部人型SCPを接触させる実験が行われたが、二人とも拒否した。ちなみにナンバーは「SCP-076」「SCP-073」。コードネームは「アベル」と「カイン」である。
壮大な背景と黙示録を思わせる結末から、「本物っぽすぎて逆にダミーに見える」という意見も多く、実際別の提言ではダミーとして扱われている。
ちなみに未来からのメッセージにあった収容違反のオブジェクトの内、SCP-098は現在の「外科医蟹」ではなく、改稿前の「悪魔を生み出す機械」である。
qntmの提言 - ザ・ロック
楕円形で装飾が施された縞模様の石。オブジェクトクラスはSafeとなっている。
北極点の部分に鍵穴がある。その周りも彫刻が細かく、電子線顕微鏡でも詳しくわからないほど精巧。
元々は昔の貴族のコレクションで、ずーっと博物館に展示されていたが、色々な経緯で財団預かりとなった。
財団はこいつを開けようと色々な手を打ったが、最終的には核弾頭まで使ったものの傷もつかなかった。
発見者が「恐るべき神の寺院」と呼ぶ場所で見つけられたのだが、そこにあった文章によるとコイツの中には何かが封じ込められているらしい。
また、コイツの模様の斑点は、現在観測可能な宇宙のマイクロ波背景放射と全く同じである。
これを開けようとする試みをハック博士はやめるべきだと上申したが、ミールスキという別の博士に引き継がれて続行されている。
というのは、上申したハック博士はあることに気付いたのだ。
つまり、財団世界の宇宙そのものが巨大な収容室であり、SCP-001であるこの鍵穴のついた石はその「外側」である。
これを開けると当然ながら宇宙が崩壊してしまうため、開ける実験は危険すぎる。
なのでやめるよう申し出たのだが、続けたかったミールスキ博士によって抹殺されてしまった、ということである。
……というのが投稿者によるヒントなのだが、本部の方でもそんなこと書いてないじゃないか、いやそれはどうなんだと論争になっている。
ブライトの提言 - ファクトリー
後にSCPと呼ばれる「もの」を作り出していた工場。
エヴァレット博士が対面したとあるO5の述懐という形で記されている。
このO5は財団設立メンバーの一人であり、仲間の中には財団の名物・ブライト博士の父であるアダム・ブライトもいた。
工場の成り立ちやそこで起きた惨劇については省くが、とにかくそこでできた「もの」を収容するために財団が作られた。
しかし、後に「もの」の意志といえる「妖精」との戦争で敗北。創始者が工場の設立者と契約していた「悪魔」と新たに生贄の契約を交わし、戦争に勝利したことで持ち直した。
現在のSCPは何らかのエネルギーを「悪魔」に送り続けているが、創始者はそれがどんなものなのか、何のためかは聞かなかった。
マン博士の提言 - 螺旋の小道
円形の砂利道。オブジェクトクラスは通常のものから外れた「Embla」。
時計回りだと下り坂、逆だと上り坂ばっかり。それだけ。
なのだが、とある天才がここをたまたま歩き、その異常性に気付いた。気づいて調べた。
そこから天才は異常なものの研究にのめりこんだ。
そして彼はどんなものでも開けられる鍵=SCP-005を作り出した。
天才は仲間を集め、研究は大きくなり続けた。最初は無害なものだったが、ある時ミスでゾンビ病=SCP-008を産み出してしまった。しかし、費用をつぎ込みすぎていたためやめることが出来なかった。
どんどん危険なSCPが生み出されたが、研究は止まらなかった。SCPへの対策を作らねばならなかったのだ。
上手く行かず危険なものばかり増え続けたが、もう止まれなかった。
天才たちはSCP-008が生まれてしまった後、その存在を「我々が発見した」という体裁で政府に報告、収容のための財団を作った。それが上手く行っていると周囲をごまかすため、自作自演でSCPを「発見」したり「収容」したり「報告」したり、ということをやった。
要するにこの提言のオチは「財団はSCPを発見してなどいない。財団のトップが作ったんだ」というもの(いくつか「本物の」SCPもあるが、大半は人工物)。
なお、「Embla」とは北欧神話において最初に創造された女性の名前である。
マッケンジー博士の提言 - 遺産
未知の金属物質で構成された何かの機器。幅22cm、高さ30cm、厚さ1.5cm、重量8.6kg。オブジェクトクラスはEuclid。
現在も動いており、「23%」「██,███」の二つの数字が表示されている。
それとは別に、コイツの起動キーと思われる未知の金属でできた物体がある。
しかも、財団のトップである「管理官」の日記がセットになっている。
その中身と、日記の冒頭に挟まれていたメモからして、「管理官」は既に死亡しており、この日記を読んだ誰かがその責任を引き継ぐことになっている。
それによれば、「管理官」は別の世界―――非常に高度な文明を持ち、現実を書き換え、不老不死すら実現した世界の人間らしい。しかし、その反動で現実は歪み、彼らの世界どころか多元宇宙構造の崩壊を招いてしまった。
彼らは最後の手段として、その世界を犠牲に財団世界に「管理官」を送り込んだ。目的は現実崩壊を止める方法を見つけるまでの時間稼ぎである。
そして、「管理官」が連れてきた無数の世界の産物や欠片こそがSCPである。それらによる現実のほころびとそこから始まる崩壊を防ぐための希望は、日記に記された「方程式」と「技術」である。
これ自体は「管理官」がメモを書いている時点でほぼ完成しているようだ……が、肝心のそれが現在行方不明。財団世界の明日はどっちだ。
要するにこの提言のオチは、「別世界の住人が技術力に任せて好き放題やってたら世界が壊れて、別の世界まで波及したので何とかしようと頑張ってます」ということである。
S・アンドリュー・スワンの提言 - データベース
概要が全て削除されており、取り扱い方だけが残されているという謎の編集がなされている。
財団にとっては相当都合の悪い、あるいはどんな形だろうと絶対に世間にさらしてはならないものらしく、例えそれがたまたま個人が思いついたアイデアであろうと、単なるお遊びのネタであろうと、例外なく抹殺された(一人だけ記憶処理が限界だった)。
で、取り扱い方を簡潔に言うと、「収容を試みると世界が滅ぶかも」という意味不明なオブジェクトである。オブジェクトクラスは文句無しのKeter。
これについての情報を閲覧できるのはO5評議会の中でもっとも強い権限を持った者……つまり財団のトップただ一人である。
その内容は財団の極秘データベース、およびとあるサイトに勤めていた元職員の個人用サーバーにのみ残されている。
これによると、あらゆる記録やデータベースの内容は常に微妙に、しかし確かに変化しており、それに伴って現実の方が書き換えられているという。
現実改変型SCPの一種なのだが、元職員はSCP-001を「まさに神だ。ホラー作家の一団のような性格の悪い連中だ」と形容している。
このSCPについては補遺があり、それによると人間のような知能を持つ不特定多数の実体である。それを利用して攻撃を仕掛けようという試みがなされているが、001の干渉なくして世界が存続できない可能性があるため保留となっている。
……要するにこの提言は、「一人の職員がきっかけで第四の壁の向こうに気付いてしまったよ!」という盛大なメタネタ。ここでいうSCP-001とは画面の前の我々全員である。
スキャロントンの提言 - 財団
財団ではなくUIUの誰かが、そこの上層部に向けて書いた報告、という体裁。
とある高校が内部空間までまとめて改造されており、UIUから調査部隊が二つ派遣されたが誰も帰ってこなかった。
その後、部隊の一つのコピーがたくさんいることが判明。面談や交流は妨害されたが、何が妨害したのかは機密になっている。
その後、講堂に穴が出来、そこから現在のSCPが出てきた。
そして、SCP-001となった高校だった世界の住人達はこれを保護・実験し始めた。UIUはその後別の部隊を派遣したが、前に派遣した部隊のメンバーが出てきてSCP-001に引き込んでしまった。
この後UIUに贈られたメッセージについては省くが、要するにこのSCP-001とそこの住人が現在の財団である。
この提言のオチは「SCP-001とは財団という異常存在そのものである」ということになる。
ジョリッチ/ディーメティックスの提言 - 36
36人の人間たち。オブジェクトクラスは「Humanoid」となっている。
性別・国籍・民族・年齢と全てバラバラで、普通に死ぬ。
が、共通しているのは、彼らはあらゆるSCPを完全に無力化する力を持っていることである。
対応しているのは知性を持ったオブジェクトのみのようだが、いずれのオブジェクトもSCP-001個体をよく知っているかのような言動や対応を見せる。
詳細は翻訳Wikiに譲るが、彼らは「世界を若返らせる」希望である。
SCPの中では珍しい「前向き」な記事といえる。
ただし、そうは言ってもSCP、メリットだけではない。
このナンバーに分類された人々が死亡すると、その場所で複数の特異な現象や実体の兆候、つまりはオブジェクト発生を誘発する。収容中のSCP-001達によれば、これは「不在が通り過ぎることによる結果であり、刻が進むにつれて災害は過酷になる」という。
ちなみに実験記録ではいくつかのSCPの無力化が試みられている。
その結果はというと、
- SCP-361「青銅の肝臓」→会話の後、ただの電話になった
- SCP-738「悪魔の取引」→会話の後、異常性を失った
- SCP-1295「メグの晩餐」→出て行ったきり戻って来なかった
- SCP-073「カイン」→異常特性を喪失
- SCP-076「アベル」→会話の中で「私は許されたのか」と呟き、異常特性や暴力性を喪失
見事なものであるが、SCP-1348の事例のように、SCP-001個体が死ぬと余計タチの悪いことになってしまうらしい。
さらに、SCP-001-12は収容作業中にカオスゲリラの攻撃に巻き込まれて死亡。結果、現場である東サモトラケ・イスラム教共和国の現実性定義が揺らいでしまい、財団による修正プロトコルも不完全。このため、二つの可能性が同時存在するという異常事態が発生し、SCP-1173として分類されている。
また、境界線イニシアチブの指導者は「SCPがなくなったら財団は存在意義を失うが、安全に無効化できるのならその方がいい。SCP-001は自由にさせるべきだ」と述べている。
DJ・カクタス/ツイステッドギアーズの提言 - ウロボロス
これらの提言は、2019年になってDJ・カクタス氏自身が投稿してきた提言をハブ「ウロボロス」としてまとめたものである。
9人の子供たち。オブジェクトクラスはKeter-Thaumiel。
要注意団体「奈落の王国」を殲滅するためのプロジェクト「神の双子」に基づき、財団がいくつかのSCPを使って生み出した兵器である。
どんなものでも、どこからだろうと消し去ることのできる現実改変兵器だが、開発中になんとO5-1が反逆を計画。
最初の実験で財団のトップを抹殺し、その混乱に乗じて参加していたO5の他の4人や上級職員、いくつかのSCPを持って05-1は逃亡した。
詳細は省くが、この「子供たち」は実験によって魂を別の何かと入れ替えられたらしい。
O5-1の逃亡後、O5-13は「子供たち」をバッグに詰め、サン・マルコ大聖堂の地下50mに封印。
「奈落の王国」のせん滅作戦はO5-13が引き継いで別の形で実行され、何とか成功した。
ちなみにその後、O5-13がこの文書のロックを解除。それはO5-1の指示によるものだったという。
O5-13に届いたメッセージがこちら。
13へ。
我々がまだ若かった時、君は私に尋ねたね、我々の夢がいつの日か実現すると思っているのかと。我々が本当に世界の安全を保ち、永遠に維持する事が可能なのかと。我々がそうする手段を持っているのか、そのような手段が本当に存在してるかと思っているかと尋ねた。
君は私に完全に遂行する為には、どれだけ我々は時間を掛けなければならないのか、我々はどんな物を犠牲になければならないのか、どれほど我々は忠誠心を磨き上げなければならないのかとも尋ねた。
あの時、私には答えられなかったが今なら分かる。
財団が隠そうとした秘密が輝かしい演出を伴って砂から浮かび上がってくる時が、征服者がその捕獲者の束縛から解放される時が、彼らの火事に群がる者達によって進展の行進がもはや妨げられなくなる時が訪れ、これまで増大していた影達が蠢きだす。その日、財団は退けられ、残る全ては目的だけとなる。
黒い月の遠吠えを耳にしたか、13?まもなくだ。
反逆万歳(Vive l'insurrection)
「壊れた神」の部品群。オブジェクトクラスは独自の「Maksur」。
「壊れた神の教会」が信仰するもの、つまりは巨大な機械構造体の部品。
この構造体は、かつては「壊れた神の教会」の信者によって1943年に組み上げられた単一の機械的実体であった。
この中にはSCP-217、SCP-1139、SCP-882、SCP-629の部品も含まれている。
教会の信者は自らの神をよみがえらせるために機械を組み合わせ続けた。その結果、起動した「神=SCP-001」は神格化し、積極的に他のSCPを探し始めた。
これによってメキシコ周辺は大規模な環境の変化が起き、これに対する財団の記憶的対処は現在まででももっとも大規模なものとなった。
この神格化イベントの後、「神」の活性化部品は封じ込めのため財団サイトに移送。非活性部品はカリフォルニア湾の沖の海底に沈められた。
で、どれほど大規模な変化が起きたのかというと、「神」は全てを破壊し吸収しながら、山よりデカい体を無数の歯車の回転によって進行させていた。結果、ルート上の生物はほぼすべて死んだ。
最悪の場合XKクラスの世界終焉シナリオに繋がると危惧されたが、収容完了により水際で避けられた。
実はこの時、「神」は地球にやって来ていた宇宙戦艦=SCP-2399と交戦している。
激戦の末相打ちとなり、SCP-2399はテレポートか何かで離脱したものの損傷してしまい、木星に墜落しているところを後に財団が発見。
「神」も機能を弱め、SCP-882の部品を除去すると完全に機能停止した。
一連の事件の後、エージェント・ロバートソンは「神」の部品の回収任務にあたったが、心臓にあたるパーツの回収は難航した。何かに導かれるように自ら死ぬ者や、接近を拒否する者も多数出た。
教会のアーティファクトと分類された「神」のパーツには当然ながら製造元のタグなどなかったが、心臓にはあった。後に運んでいる船が座礁して心臓は所在不明となったが、ロバートソンはこの時、心臓についていたタグに「ザ・ファクトリーの資産」と書かれているのを思い出している。
記事の最後には元教会の信者であり、「神」と接触した経験のある人物のインタビューが引用されている。
彼曰く、SCP-001と称される神格的機械実体は「神」のパーツにすぎず、彼らのいう「神」とは万物全てがかみ合って回る、まさに万物そのものなのだという。
何故彼らが「壊れた神の教会」なのかと言えば、その人物のこの主張が全てを物語っている。
個々人では、我々は壊れたままです。団結すれば、我々も神になれます。
武装次元収容エリア-11に収容されている、人型の重力特異点。オブジェクトクラスはKeter。
長いので噛み砕くと、まずコイツはペトリカウ・フォンテイン空間安定化装置による特異点発生実験の最中、偶然の重なりから裸の特異点に曝露してしまったカルヴィン・デスメット博士の特徴を転写されたナニモノカである。
こいつは重力操作の応用により、不可逆な現実改変が可能であり、それはهلاك-クラス「ダークボディ」全世界群終焉シナリオをもたらす。
しかも、コレはコイツを生み出した空間安定化装置以外はいかなる手段を以てしても防御不能であり、財団屈指の便利アイテム・スクラントン現実錨ですら効かない。
この事故で壊滅したサイトはその後修復されたが、さらにその後に行われた実験で特異点が生成された際、デスメット博士の特徴を受け継いだ人型特異点が生成された。
会話を試みたところ、SCP-001はO5評議会との接触を要求。対価として「活路」を与えるとしたその要求に従い、O5-1を始め評議会メンバーはSCP-001と対話を行った。
内容とSCP-001の言い分を噛み砕くと、
- 宇宙はいずれ完全なる無秩序となる。それは止められない
- デスメットが最期に見た真実によれば、オブジェクトはそれらを説明できる法則によって成り立つ別の次元から流れてきたもの
- それは異なる現実同士の接触であり、それはやがて全ての現実の共倒れを招く。猶予は数十年
- この世界の未来を保証するには、他の現実を全て抹消するしかない
- そのためには、SCP-001の力によって、この世界以外の現実の障壁を全て取り去る。消される世界の方は気づかない
O5評議会は討議の末、この提案を受け入れて、合意された現実の保持のためSCP-001を利用することを決定。
まず、その実験の最初としてSCP-884を抹消し、それが元々あった現実の特定が試みられた。
これによってSCP-884とその属する現実は抹消されたが、その直後に立ち会っていたO5-1が特異点化を強制され消滅。
SCP-001の宣告がこれ。
子供たちは恐怖のうちに死ぬことなく自由な暮らしを謳歌できる。君たちの果てしなき戦いの終焉。暗闇の終焉。光の中に生きる自由。全ての痕跡は消し去らなければならない。この世界は洗い清められなければならない。財団が贖罪を逃れることはない。これこそが唯一の活路だ。
現実を保護すると言っても、他の現実を犠牲にしていることは変わらない。
財団がそれを購わない、という選択はそもそもないのだ。
財団の本質と定義されるナニカ。オブジェクトクラスはPrincipal、頂点。
ぶっちゃけてしまうとこの提言は、財団から分派した要注意団体であるカオス・インサージェンシーの司令部「デルタコマンド」による、O5評議会の抹殺計画「Summa Modus Operandi」である。
本当に簡単にまとめると、「O5評議会の連中はO5-13を介して死神と契約し、不死となって財団を膿ませている。ゆえに彼らを抹殺し、財団は破壊されねばならない」という話。
カオス・インサージェンシーのメンバーの一人であるカルヴィン・ルシェンがこの契約を解除する方法を見つけ出し、13を抹殺し死神を解放、彼あるいは彼女が、残り12の評議員の死を回避しないことを確認した上で次に向かう……という話である。
だが、O5を次々と抹殺する中で仲間を失い、一人になったカルヴィンは最後にO5-1のもとにたどり着き、これを抹殺した。
しかし、そんな彼のもとに、O5-1が抹殺したはずの「管理者」から電話がかかってくる。
「管理者」は言った。自らこそがカルヴィンの言う「癌」であり、このまま立ち去り財団を終了してもよいと。
そんなことをすれば財団の指揮系統は崩壊し、収容態勢が破綻し世界は終わる。
自らのしてきたことが無意味だったと思い知らされたカルヴィンは、続くO5当ての電話を取った。
そして、エピローグ。
サイト-01のファイルサーバ、O5評議会のメンバーのリスト。ほとんどが空白の中、ただ一つO5-1の部分だけにデータがあった。
O5-1“簒奪者”カルヴィン・ルシェン。
ケイト・マックティリスの提言 - 記録
あるバンドのアルバムの初期盤パッケージ……ではなく、その情報を記録するページそのもの。
書かれた事象を事実にするという単純ながら強烈な効果。要するに未来ノートとかあらかじめ日記とかそんな感じ。
SCPの例えとしてひみつ道具はぴったりである。
で、パッケージのSCPを管理していたメアリー・ナカヤマ博士という女性がいた。
彼女はいろいろ自分に関する記述を書き足して試していたところ、記述が実際に起きていることに気付いた(ネームプレートは緑になると書けば緑になり、昇進すると書けば昇進した)。
最終的にナカヤマ博士は、「自分は神になる」と書いたところ本当に神になってしまった。
博士は物事を正しくすすめる=SCPを消し去ることを望んでいるらしい。
そして、博士のコンピュータにはあるテキストドキュメントが保存されていた。
O5評議会あてのこれによると、彼女は10代の頃に失恋のショックで自殺しようとしたのだが、そこを神に救われたのだという。そこからこのSCP-001たるページに接触したことで、全ての構造が自分に解放されているのだと理解したらしい。
というわけで財団はこのページをThaumiel認定。現実改変型のKクラスシナリオへの対抗策として保持している。
ただしこのページの特性は「客観的視点から記述された内容が全部真実になる」というもので、報告書の形式だとエラいことになる。なので、このページの特性については、あえて筆者の主観一辺倒で書かれている。
カリーニンの提言 - 過去と未来(※別の項目に移動します)
ロングの提言 - 総意
かつて起きたCK-クラス“再構築”シナリオの実現例。つまり、「どうやって収容するんだシリーズ」の一つ、現象系のオブジェクトである。オブジェクトクラスはEuclid。
これによると、現在の世界は以前の世界の1900年6月1日に発生したSCP-001によって改変された結果生まれた未来であり、以前の世界で起きていたオカルト絡みの事件が、現在我々の知る史実のそれへと置換されているらしい。
「部分的SCP-001免疫」と呼ばれる13人の人物はこの改変前の世界の記憶を保持しており、彼らからもたらされた情報がこの報告書に記録されている。しかし、この免疫がなぜ存在するのかというメカニズムは不明であり、新たに保有者を発見する試みも05により無期限延期となっている。
どの事件がどう改変されたのかは元記事に譲るが、SCP-001の発生起源や原因は一切不明。さらに、これがCK-クラスシナリオの典型例なのか、イレギュラーなのかも不明である。かてて加えて性質上免疫を持たない人類の記憶も書き換えられてしまうため、それ以前の情報を記録することは不可能である。
現在のSCP-001の定義はO5による評決で決定されたもので、1901年、中国・紫禁城にて条約が締結。結果、免疫を持つ13人=現在のO5を筆頭に、彼らがそれぞれ率いていた13の組織を統合、現在の財団が誕生した。
ちなみにこのカノンでは、初代O5は全員男性である。
この報告書には補遺があるが、これはアクセスしているO5のアカウントによって変わる。
つまり、財団を設立した初代O5から、自らのナンバーを継承する者へのメッセージである。ただし、「管理者オーバーライド(CODE HOWLING BLACK MOON)」のログイン資格であれば、全てのメッセージを閲覧可能。
それぞれのメッセージを意訳すると以下のようになる。なお、ここでいう「我々」は、それぞれの初代O5がかつて率いていた組織であり、財団のことではないのに注意。
- O5-1:北京での会合ではO5-2とO5-12が反対の意見を出したが、評議会で率直に意見し合うための第一歩と見ればよいことだ。この報告書の中に、私が書くべきことは全て書いた。
- O5-2:SCPオブジェクトによって生まれたものはSCPオブジェクトだ。SCP-001とこの世界も同じだ。この世界は少しずつ元に戻り、本来の流れを取り戻そうとしている。だがそれまでは混乱が続くだろう。だから待つだけでいい。つまりKeterだ。
- O5-3:異常も正常も総意の対象です。O5-9が暴いたスキャンダルもそうです。総意とは価値のあるものであり、「正常」の定義は総意に従うことです。多くの人々にとって存在しないものは、存在してはならないのです。
- O5-4:私は過去と現在、二つのオカルト戦争を最前線で戦ったが、今の時代のそれはつまらん。私の中の血の渇望がでしゃばってきている。私はもうすぐ死ぬが、君は戦うためにここにいる。安らかに終われるとは思わないことだ。
- O5-5:この世界は制御されていない事象によって、完全なる壊滅を一度は免れた。しかし、それが再び機能するかどうか、機能したとして有益か、それは保障できない。しかし、人類はかつての夢を技巧として実現させた。ならば世界のやり直しも同じだ。もうすぐ最高傑作(=SCP-2000)が完成する。そうなればSCP-001は問題ではなくなる。
- O5-6:SCP-001が発生したことには同意する。しかし、それが今回唯一のものなのか、再び起こったとして世界は破滅するのか、どの程度なら十分なのか、わからないことだらけだ。この「わからない」を定量化するための起爆剤がEuclidというクラスだ。目的は収容と保護ではない。知識を得ることだ。SCP-001を理解するための知識を。
- O5-7:免疫を持っていたのは初代O5だけではなく、ジブリール・マニという男もだ。ジブリールは混乱の渦中だった中東にて、自らの愛する者を守るために財団には参加しなかった。私は財団に彼の存在を報告していない。彼に敬意を表する。
- O5-8:SCP-001に至るには選択肢が三つあったが、O5-1の提言が実質唯一の選択肢だった。O5-2は我々の組織にアナーキストであることを要求し、O5-12は我々を東洋の薬が必要な狂人の集まりだと思っていた。我々は以前からオブジェクトを収集していた。財団を構成する組織のうち、半分は財団と同じようなものだが、半分は要注意団体と同じようなものだ。
- O5-9:SCP-001は総意による現実の再構築、つまりは現実改変だ。O5-2は、この現実がいずれ世界修正のために逆転すると述べたが、これはあのスクラントンの演説と同じだ。スクラントンは逆転は現実改変者によって起きると言っていたが。だが、それが制御できれば、SCP-001を逆転させ、かつての世界を取り戻すことが出来る。私にはもう無理だが、君には時間がある。
- O5-10:財団を構成する13の組織は平等ではない。少なくとも私とO5-12の組織は衰退していた。私が免疫を持ち、過去世界の記憶を持っていなければ要注意団体となっていただろう。O5-1の提言に賛成するのは私の仲間を死地に投げ込むことだったが、O5-8が団結を説いたことで諦めた。ならばせめて、怪物に対して意味のある死にざまを用意してやろうと。
- O5-11:オカルト戦争iにおいて、京都はダエーバイトの手に落ちた。我々は蝦夷へ逃げた。私はそれを後悔した。だから北京で票を入れたのだ。全てを忘れるために。しかし、最初の13人であったがゆえにそれは許されなかった。我々は運命共同体であり、並ぶものは現れないとO5-1は言った。それが総意だった。君の時代のO5については知らないが、彼らが君の仲間であることは理解してくれ。
- O5-12:財団が使う記憶処理薬は、本来錬金術師であったある一族の秘伝だった。私はその女性と婚姻し、調合の権利を得た。私は元々、今では過去世界の記憶だとわかっている謎のビジョンを消すために作った。だがO5-5は、その効果がSCP-001に少し似ており、記憶を逆転させられることを有益だと結論した。一族はそれを良しとせず逃げ、最初の要注意団体になった。彼らは滅ぼされたが、子供たちの何人かが知識を持って逃げた(=SCP-484)。そういうわけで、今の記憶処理薬がある。
- O5-13:SCP-001への免疫を実際に持っていたと確定できるのは12人だ。O5-1と私は古い付き合いであり、同数票を阻止するために自分に賛成するよう彼は私に頼み、私はそうした。彼はそのために、私にイギリスへのダエーバイト侵攻について伝え、私の知らないことがあれば、イギリスが私の連隊を受け入れなかったことを非難すると言った。13のナンバーを恥じるかもしれないが、私がそうせねば財団は三つに分かれて戦争になっていたかもしれない。だが、君はあくまでも自分の意志で票を投じてくれ。
要するに、この提言におけるSCP-001はかつて起きた現実改変型のK-クラスシナリオの情報であり、改変前の記憶を持つ13の組織のトップが同盟を組んで、同様の事態に対処し、同様のオブジェクトに対応するために財団を作った、ということである。
何でこんなことが起きたのかというのは定かではないが、人類の「総意」に従った結果ではないか? という仮説がある。
S.D.ロックの提言 - 夜明けの刻
オブジェクトクラスはまさかの「Apollyon」。ヨハネの黙示録における「破壊者」アバドンから取られている。
これに分類されるオブジェクトを記した報告書はこれが2つ目である(元祖はSCP-2317)。
この提言におけるSCP-001とはあるイベントの後の太陽のこと。
現在の太陽の光(反射光である月光含む)に触れると、記憶や精神を保ったまま肉体だけがスライム状に融解されるが、当初は全世界で68億人もの犠牲者が出たという。
で、このスライム生物たちは、単体では生前の姿と行動を再現しようと試み、人間の場合はある程度の知性が残る。生物系のオブジェクトが曝露した場合も末路は同じだが、異常性が失われる。
また彼らは結合・融合する能力を持ち、寄り集まって融合体となる。融合体からは含まれた個体の四肢や胴体が突き出しては分解されるというカオスな状態になる。そして、動く場合はアメーバに近い形態をとる。 しかも融合された元人間はその状態をこの上ない快感、幸福と感じるらしい。
財団はこれに対し、サイト-19への避難を呼びかけると同時に別世界への移住を進めていた。
ちなみにこの提言、生き残りの職員である「あなた」がサイト-46にたどり着き、そこでSCP-001に関するファイルを確認している、という形態。
そこの隔離された一室で、「あなた」は財団の研究者であるローガン・イゴッタ女史のメッセージを見た。当初サイト-46にはイゴッタ博士他数名が生き残っていたが、秘密のトンネルを通じた脱出を試みた際にスライム生物たちに襲撃され、イゴッタ博士を残し全員スライムになった。しかもイゴッタ博士の同性婚のパートナーであったアリはスライムと化してなお、トンネルからイゴッタ博士に仲間になるよう呼びかけてくる始末。
イゴッタ博士はアリの精神の奥底に生前の性格が隠れていると考え、何らかの儀式を用いてアリの精神の抽出を試みる。ここは明記されていないが、霊体化か、自らがイタコとなったのか、あるいは全てはイゴッタ博士の妄想か。しかしそのアリもやはりスライム化に影響されたままで、SCP-001報告書もスライム化の素晴らしさを説くバージョンに書き換えられる。
イゴッタ女史は拳銃自殺を考えるが、音によって融合体を呼び寄せ死後スライム化される可能性を考え、オピオイド系薬物の大量摂取により自殺を試み、メッセージは終了する。
「あなた」は撤収しようとするが、おそらくはアリの霊体によりPCにさらなる報告書のアップデートが出現。
- アイテムナンバー:
サフラン色の空が燃え盛る太陽を引き上げる
その時は戸惑いを見せながら来る
いつの日か、私の愛しい人、我らは一つとなる
- オブジェクトクラス:
二人が一つとなり、歩み始めた
あの熱狂的で、粗野で、輝く霞の中を
藍色の空が輝く太陽を抱く
- 特別収容プロトコル:
私達が走ると、空に光が広がる
あの島に降り注ぎ、狂おしく焼いていく
その日に、愛する人よ、私たちは一つとなった
未来が解ける―――私達が勝ち取る人生
掲げた家族のつとめと約束
深い空色が揺らめく太陽を運ぶ
- 説明:
運命に縛られ、埋められて
怒りと憂鬱に流されていた
昨日、愛しい人、私たちは一つであった
今あなたは横たわり
彼女の恵みの届かない暗闇に押し込められた人生は去った
真紅の空は私達の太陽の恵みを孕む
今日、愛しい人、私たちは一つとなる
この直後、「あなた」を後ろから撮影するライブ映像が写る。驚いた「あなた」はイゴッタ女史の残した拳銃で応戦し―――はい、わかりましたね?現れた融合体に「あなた」は捕まり――――――トンネルの向こうには、光がある。
ダメだ、終わった。
…詰まる所、このSCiPが引き起こしているのは「人間を含むあらゆる生命の再構築」であり、既存の全ての生命が光によって生み出されたゼリー状の集合体へととって代わられるというK-クラスシナリオである。
そしてここでこの太陽光の性質を思い出していただきたい。
生物系のオブジェクトが曝露した場合も末路は同じだが、異常性が失われる。
この文から、一つの可能性が見えてこないだろうか?
…本当は、「人類含む生命が個としての肉体を持つこと」そのものも異常性の一つなのだ、と。
そして、あの太陽光を浴びることによって「正常」に戻るのだ、と。
地球のほぼ全人類が光の下で「正常」になる中で、「異常性」を持ったままの財団職員は闇に潜み、やがては滅びてゆくのだ、と。
そうは考えられないだろうか。
これが001提言として書かれた理由は、「人類が健全で正常な世界で生きていけるように、他の人類が光の中で暮らす間、我々は暗闇の中に立ち、それと戦い、封じ込め、人々の目から遠ざけなければならない」という財団理念そのものを象徴するオブジェクトであるからではないかと思われる。
財団の生き残りである「あなた」が暗闇の中に潜む傍らで、再構築された「新人類」は太陽の下に「夜明けの刻」を迎えるのだ。
余談だが、この提言、当初はSCP-3000コンテストに投稿されていた。
「ホラー」がテーマなこのコンテストの紹介文として、「we die in the darkness so you can live in the light.」というものが存在した。
この文を直球で表現したのがこのオブジェクトである、とも取れそうだ。
スパイク・ブレナンの提言 - 神の盲点
オブジェクトクラスは独自のものである「Yesod」。セフィロトの樹における第9のセフィラで、意味するところは「基礎」、すなわち「Foundation」である。
この提言におけるSCP-001は、アフリカとアジアの境界にあるシナイ半島に存在する65,000立法メートルの空間である。
この空間は「アキヴァ放射」なるエネルギーが絶対0となる唯一の天然の領域なのである。
アキヴァ放射というのはここではいわゆる「奇蹟論」におけるエネルギーとして扱われており、これが0ということはすなわち、この空間内では神学的な力が一切作用しないことを示す。
つまりSCP-001は「神の盲点」なのだ。
結果として、空間内のヒトが、激しい負傷によるものを除き不老不死になるという副次利益があるほか、神学的なオブジェクトの研究にも適しているという理由から、財団はこの地にT-01棟を建設し、O5評議会員をはじめとする財団トップクラスの役員たちを居住させている。
かつてSCP-001内には宿があり、かのモーセが利用していたという。
モーセがこの地に宿泊した際、彼は神の怒りに触れ、神はモーセを殺そうとした。しかしモーセの妻が息子の割礼を行い、その儀式によってモーセを神から救った(出エジプト記4:24–26)。
実在の物理学者、アイザック・ニュートンは、この節は神がモーセを殺そうとして失敗を犯したことを示しており、神は全能ではないことー少なくとも、この宿があった地においてはーを確定させる証拠であると指摘している。
また、「黄金の夜明けの錬金術会」の一員であったブラム・ストーカーは、アキヴァ放射の測定を可能とする機器を用い、モーセの足跡をたどることにより、その宿を発見した。黄金の夜明けはその後財団の前身団体のひとつとなり、その中心人物であるウェストコット卿は1916年にこの地を財団の本拠地と定めるべく提言を行った。
(※ブラム・ストーカーは「吸血鬼ドラキュラ」などの小説を著した実在の作家であり、黄金の夜明けにも所属していたとされる。黄金の夜明けおよびウェストコット卿も実在のオカルト結社及び人物である。)
一方、財団は1924年に、人工的にアキヴァ放射が0となる領域を作成しようとして実験を行ったが失敗し、更にはこの実験を境に世界各地のアノマリー出現頻度が急増。
増加したアノマリーに対応するために、それまでは純粋な研究組織だった財団はその業務を拡張し、フィールドオペレーション部署として機動部隊を設立。ここに「確保・収容・保護」の三原則の基礎が成り立ったのである。
なぜアノマリーが急増したのかは明記されてはいないが、要するに財団が神の怒りに触れたということだろう。
報告書は、「神の預言者」たるシェルドン・カッツ氏がO5評議会に送った覚書で締められている。
そこには財団のSCP-001利用に関して、「我々の契約相手」(すなわち神のことである)と再交渉している様子(=ウリエル計画)が記されている。
その内容では、SCP-001に一人の人物が留まる時間は120年以内にすること、倫理委員会の議事録を提出すること、財団の重要人物は他の宗教を信仰しないこと、といった項目が記され、"盲点"の利用を快く思わない神から妥協を引き出している様子が伺える。
WJSの提言 - 正常性
財団データベース内のある文書。オブジェクトクラスはNon-Anomalous、つまり「異常ではない」。
……それはオブジェクトなんですか? と問いたくなるようなぶん投げようだが、答えはこの次のセンテンスにある。
ここでのSCP-001とは、合意の取れた現実を記した文書である。ただし、この合意とはO5評議会による合意のみを示している。
ここに記された「現実」から外れた全てのことは異常として扱われ、財団の収容対象となる、という話である。
ぶっちゃけると、「新しい発見とかあったらO5評議会で審議して、アップデートが決まったらSCP-001に追記して、現実として扱います」「そうでなかったら収容します」という話。バッサリ一言で言ってしまえば、正常とはO5が決定するものですという話。
もちろん好き勝手に決めているわけではなく、新しい発見や発明があったら、「そこには精神的影響はあるのか?」「それは科学的見地に基づいたものなのか?」「それは財団が確保できるものなのか?」と意見の衝突を繰り返した末に決まる。
とまあ、まとめてしまえば非常に簡単であり、当然ながらオブジェクトクラスが示す通りこれ自体には異常性はない。
元記事の最後にはO5のみがアクセスできる折り畳みがあり、超自己性のアノマリーに関する提言がある。
が、これについては討論の内容がなく、代わりに「(現実とは、あなたがそれを信じるのをやめたときにも消え去らないものだ。―フィリップ・K.ディック)故に、君は現実ではない。」と書かれたミーム殺害エージェントが展開されている。
さらに、その先にあるSCP-001はダミーであり、代わりにアクセスして来たであろう知性を持つアノマリーへのO5からのメッセージがある。
異常な特徴の定義は、単純な科学的試験を通して説明できないということだ。このことは君と君の性質を異なったものにする。ユニークですらある。そしてその説明できなさは、それを価値あるものとする。
しかしそれは君の価値を皆が好意的に見るという意味ではない。時として、それを君に向かって使おうとするようなものによってしか評価されない。
科学で説明できないことは、怪物が君を利用するときの道具でもある。他のものは君の異常性には慣れておらず、その描写を事実とは受け取らないだろう。
このことは、悪意ある人物が知識の欠損を利用し、君を楽しみのための超自然的な駒とする機会を提供する。彼らは君を孤立させ、消費し、君の異常性を破壊の道具として使い、君の存在で嗜虐的な渇望を満足させることができる。
私は、君がそれが起こったのを見たことがあると確信している。周囲と異なる何者かがいたとして、彼らの欲望、必要、彼らの現実の力は世界によって全体としては障害される。彼らは孤独になる。おそらく友だちがいないわけではないが、疎外され、繋がりを渇望する。そのときに誰かが襲いかかる。素晴らしいことを約束し、しかし君が渇望した繋がりは君を消費し、君の世界を破壊し、君の現実を阻止することを通してしか提供されない。
君はやり返して、誰かに君の苦境を話そうとする、だが他のものは答える、「ああ、こんなことはありえない。これは現実ではない。君は誤解されたに違いない。」君は君の異常性の中で孤独で、苦しむままに放置される。
我々はそれを起こさせる事はできない。そう、そのまま、君を燃やそうと望んでいるかもしれないいくらかの虐待者と同様に、確実に、少なくとも同じくらい確信して我々も君を孤立させ、ゆっくりと君と君の存在を消費していると指摘してくれ。我々を怪物と呼んでくれ。それでいい。
だが我々は君を追跡し、もみ消し、監禁しながらも、まだ君が存在し続け、君がこの世界から完全に取り除かれないことを確実にしたいと思っている。君はあらゆる存在する権利を持っている。君はあらゆる、君がありのまま違った存在であり続ける権利を持っている。
君は外の世界では怪物で、ここでも怪物で、そして全く、ただ我々と同じくらい現実だ。君の苦しみを知らずにいる、沢山の、非理性的で、自己破壊衝動のある人類と同じくらい現実だ。そして結局は、我々は全て同じもので作られている。君がこのことを慰めとしてくれることを願うよ。
そう、君は怪物だ。しかし、我々は異常と考えられようが考えられまいが、一人残らずそうなのだ。そしてそのことは、君が存在するに値することを意味する。
我々は君を確保する。
我々は君を収容する。
我々は君を保護する。
そしてもし君がまだ何故私がこれをするのか理解できなかったとしてさえも、私がまだ君を愛していることだけは理解してくれ。
人型オブジェクトの有無を言わさぬ収容は一見非人道的ではあるが、彼ら自身を守るためでもあるのだ。
ビリスの提言 - とらわれざる世界
冒頭、EE-00059と名付けられた異常な天体現象についての記述があるが、説明の都合上後述する。
この提言におけるSCP-001は地球そのもの。オブジェクトクラスは独自のものであるNetzach。「永遠」を意味するセフィラである。
財団の調査によると、観測可能な範囲の宇宙にあるあらゆる惑星と比較して存在し得ないはずの性質を持つため地球は異常であると認定された。つまり、地球のような酸素と水が豊富で生物が生存可能である惑星は存在し得ないということであろう。このことは一般には正常であると認識され、特に収容プロトコルは設定されていない。
さて、それだけでは何も面白みがないが、ここでチリの砂漠で発見された奇妙な残骸についての記述がある。これは地球の起源に関わるためかSCP-001-E1と指定された。現代の技術では解析しきれない素材で構成された宇宙船であったと考えられ、着陸後は住居に組み替えられて使用されていたらしい。さらに、高度な冷凍睡眠ポッドであるSCP-001-E2も発見され、その中で唯一冬眠状態で発見された人物の提言により財団そのものが設立されたようだ。
残骸から唯一回収された記録装置のデータを要約すると以下。
- 現在の地球は「彼ら」にAXIOM-8と呼ばれていた。
- 「彼ら」はもとの住居(第一地球)からの移民であり、AXIOM-8と第一地球の類似に驚いている。
- とはいえ、第一地球は酸素のない環境であり、現在の地球の環境に適応するためにA.89という肉体改造計画を実施し、地球に適応したが、酸素の毒性により寿命は5分の1になってしまった。
さて、ここで冒頭のEE-00059についての読解に戻る。EE-00059は地球から160万光年の位置に発生したワームホールと、そこから発信された通信である。
通信内容は不明な言語であるものの英語に似ており翻訳に成功、不明瞭な点が多いが、危機的な状況のなか、仲間を失い、生き残った「人間輸送艦」の艦長が「地球は消えた」と発言し、超光速航行に移行する様子が聞き取れる。
一方ワームホールの振る舞いが天文学的な常識から考えられないものであったため、財団は探査プローブであるアルトルイスト-9を建造、打ち上げた。具体的な年数は黒塗りされているが、桁数から考えて超光速ドライブを持ってしても到着に千年単位の時間がかかったらしい。しかし到着するとアルトルイスト-9は再度発生したワームホールに飲まれて通信途絶してしまう。
ここから先は、関連Taleである「あなたの家と呼べる場所」で描かれている。そこでは、アルトルイスト-9に搭載されたドローンである「Buddy.aic」がワームホールの反対側の惑星に着陸、調査と現地の人類と会話する様子が描かれる。ここで判明したことを要約すると以下。
- 人類はかつて「第一地球」と呼ばれる星に住み、栄華を誇っていた。
- 高度な精神を持った存在を生み出すのは巨大なエネルギーを消費する。人類が栄え、増えた結果、宇宙のエネルギーは足りなくなり、「虚無」が発生、銀河を飲み込み始めた。
- SCP-1548(きらいきらい星)はこれに気づき、人類を滅ぼさなくてはならないと決意、移動を開始し、第一地球を滅亡させる。
- 脱出した人類は混乱の中二手にわかれた(EE-00059の通信)。一つはAXIOM-8つまり現在の地球に漂着、酸素に適応するため肉体改造し、地球に定着。しかしその歴史は失われた。
- もう一方は片方がSCP-1548にやられたと思い込んだままEE-00059のワームホールに飛び込んだ。SCP-1548はワームホールを抜けられなかったため、逃げ延びた人類はその先にあった惑星に定着。宇宙船の残骸をスタックと呼ばれる積層都市に組み替えて定住した。
- Buddyの眼の前でスタックの人類が集団でトランス状態に陥り、SCP-3200と関連すると思われるある精神からの警告の言葉を語る。
「とらわれざる世界(The World at Large)」とは、SCP-1548に「まだ捕まっていない」「世界ごと逃げ続けている」という意味なのだ。
さらに続きとなるTale、「Tales from a Scorched Planet」が予定されているがまだ書かれていない。
タンホニーの提言 - 死せる者たち
死の概念そのものと融合した老人。オブジェクトクラスはThaumiel。
現在は解散した要注意団体「悠久の円環」によって作り出されたオブジェクトで、この男の持つ障害は死の概念そのものの変質をもたらす。そこで財団は記憶処理を応用し、彼にO5評議会特異的な容貌失認を誘導した。これによってO5は死に見つからない、つまり死なない、という話である。
この「死亡免除ステータス」は、将来的にはその他の重要人物にも拡張される予定である。さらにSCP-001が将来的に死亡した場合に備え、Dクラスを用いて同様の特性を持った複製をつくる「フラメル-17手続」が用意されている。
……というのがオブジェクト報告書の内容であるが、この記事は、O5司令部のAIに「何者か」が特別な権限を用いてログインし、この報告書と関連情報を閲覧するという形で書かれている。「何者か」はO5が全会一致で不死化を望み、さらに報告書に書かれた重要人物への拡張も実際には行うつもりがないことを確認し、倫理委員会に報告。
同時に自身の直轄の機動部隊レッシュ-1「意識の座」にスクランブルを下し、動き始めた。
もとより要注意団体の被害者を利用し、「財団の資源」であるDクラスを使ってまで死ぬまいとするO5評議会を訝しんでいた倫理委員会はこれによりO5評議会の排除を決定。彼らのメッセージを要約するとこうなる。
今、O5評議会がSCP-001を用いて行っていることは、理念に照らし合わせても許容できるものではなく、正当化も出来ない。ヒューマノイドタイプのオブジェクトを、わずか13人の利益のために用いるのは財団のすべきことではない。しかもその副作用として、死の形態そのものにも歪みが生じている。
我々倫理委員会による、これらの行動中止命令は無視された。O5評議会の暴走はもはや看過できない。よって我々は、O5評議会の現在のメンバーを全て解任し、そのための武力行使を行う。同時に、後任のO5の暴走を防ぐため、SCP-001を無力化する。
O5評議会の行動が、財団ではなく彼ら自身の利益を求めるものとなった時、それを止める。それが、財団創設時に「管理者」から我々倫理委員会へ与えられた仕事だ。我々がこのようなことを行うのは、これが最初ではないし、最後でもないだろう。
というわけで、倫理委員会は強権発動に踏み切った。
倫理委員会直属の機動部隊オメガ-1「法の左手」はO5メンバーの制圧に向けO5直属の機動部隊アルファ-1「赤い右手」と交戦、委員会のAIはO5司令部のAIを妨害し、記録を消去した。
そしてこの時、所属不明の第3の機動部隊に警備されてSCP-001の収容セルに一人の「男」が訪れ、持参したファイルに書かれていたO5メンバーの名とその略歴をSCP-001に見せた。これにより、O5メンバーはSCP-001≒死に認識され、不死性を失った。
そしてその男は、かつて異常なオブジェクトを見る機会のある仕事をしていたこと、正義感に駆られ、その情報をもって当時のO5たちと出会い、財団に加入したこと、その後お飾りのような仕事をさせられ、何故か何度死んでもO5評議会に蘇生させられ、仕事を続けてきたことを述べ、SCP-001の眼前で自殺=死に認識されることにより、確実に死亡した。
倫理委員会の行動は成功し、O5評議会のメンバーは死亡または捕縛され総入れ替えとなり、SCP-001はいずこかの「休める所」へと連れ去られた。
新たなO5-01は前任者解任の経緯を訝しみ、司令部AIにログイン、消去されずに残ったデータの断片を発見する。そこには、自らの役職と配下の機動部隊の指揮権を後任者に譲渡し、SCP-001の収容セルへと向かう「何者か」=「男」=管理者の姿があった。
確保、収容、保護。
その理念は、正常な世界のためだけになくてはならない。それが財団の使命である。
リリーの提言 - うつくしい世界へ
地球上の全ての命に死が訪れる直前、具体的にはその24時間前に発生する特異事象。
発生が確認された時点でXK-クラス:世界終焉シナリオが確定するが、オブジェクトクラスは「不必要」となっている。
さらに奇怪なのは特別収容プロトコルで、まとめると、
- 特別に収容の必要はない
- イベント発生確認とともに、Dクラスを含む全ての財団職員は名誉退職となり全ての義務が消失
- 知性があって、攻撃的でないSCPオブジェクトは収容を終了し、解放する
- 知性がなく、破壊可能なSCPオブジェクトは破壊される
- 残った施設は自動システムの管理下に置かれる
というもの。さらに、このイベントの際、SCP-514「鳩の群れ」(自身を中心とする一定範囲に兵器や武器を無効にするフィールドを張るカワラバト)を放鳥することが予定されている。
「発生時点でK-クラスシナリオなら何で報告書があるの?」と思うだろうが、これは基底世界ではなく、他次元の財団やそれに相当する組織との通信、および付随する様々な情報から得られたデータによって確定したものである。
ちなみにイベントの内容は本当に単純で、全ての兵器や武器=争うための道具は無力化され、空は晴れ渡り、大気は澄み渡る。そして地上には花々が咲き乱れ、人々は地球の運命を知り、それを自然と受け入れることになる。
この提言にはオチはない。
内容そのものを一言でまとめると「今日で世界が終わるとしたら」である。
最後に許された1日だけの、平穏な楽園。
そのとき あなたは なにを しますか ?
日本支部には、この様子を描いた『たんぽぽが咲く頃に』というTaleも存在する。
タフトの提言 - 緋色の王(※別の項目に移動します)
ジム・ノースの提言 - 一介の玩具作り
I・H・ピックマンの提言 - あなたの人生の物語
とあるネクサス(異常の巣窟となった街)に存在する異次元生命体。オブジェクトクラスは「Archon」。
正確にはここでの001は「SCP記事の執筆者」であり、ウェスト研究員が仲間たちとともに001の収容報告書を書き上げるまでを描いている。
試行錯誤の末ウェスト研究員が考案した収容の方法とは、
- オブジェクトを遠回しに皮肉ることで記事の改稿を促す
- 収容フラグになりそうな発言をして収容に繋がるストーリー展開へ誘導する
- 平穏や退屈を描写することでトラブルを回避する
- 仲間を励ましたり財団職員としての信念を語ったりして絶望的結末を回避する
と言ったもの。
通常のオブジェクトより面倒な「どうやって収容するんだシリーズ」については著者を嘲り笑うことでDV削除に持って行く。
こうすることで、合意された現実を平穏な方向に持って行こう、という話である。
ちなみに報告書が削除されてもそのアノマリーがなくなるだけで登場した面子はそのままとなる。
第四の壁を飛び越えての干渉という、SCP世界では割とあるギミックだが、アノマリーではなく財団が現実側に積極的に干渉してくる、という点で面白い記事に仕上がっている。
ザ・グレート・ヒッポの提言(feat. ペッパーズゴースト) - 良い子(※別の項目に移動します)
weizhong|deedlymoose|Drewbear|Dexanoteの提言 - 防柵計画
キャプテン・カービィの提言 - O5-13(※別の項目に移動します)
ペダンティークの提言 – 釣針
オブジェクトクラスどころか全項目が[データ削除済]。
説明セクションの部分はハイパーリンクになっており、そこから先はTaleとして「クリアランスなしにSCP-001にアクセスした職員に対する尋問」を描いた分岐式のノベルゲームになっている。
詳細な内容は実際に見てもらうとして、オチを言うならば書かれている内容は全部幻覚。
SCP-001のページを見ればわかるが、この記事にもあるミーム殺害エージェントのフラクタルアートが存在する。
これに引っかかって死亡した職員の脳内で起きていた出来事、つまりミーム殺害エージェントに引っかかるとどういう風に死ぬのかを追体験する記事である。
ノットガルの提言-港の空
Meta Ikeの提言 – ソリューション
ノワール・ボックスの提言 - ティンダロス・トリニティ
タンホニーの提言 II - 黒き月
ロジェの提言 II - The Conspiracy
Arbelictの提言 - You Are The Anomaly, Tumor Of The Worlds
McDoctorateの提言 - The Placeholder
ラウンダーハウスの提言 - 死を想え
Dr.Eatesの提言 - A Test of Character
Ihp/Lockeの提言 - Keter Duty
Pickman/Blankの提言 - The Frontispiece
ROUNDERHOUSE's Gold の提言 - AMONI-RAM
ラリストンの提言 - 妖精女帝の策謀
D. Ulysses Fooleの提言 - Last Ride of the Day
現在SCP-001のページに存在しない提言
LurkDの提言 - 幕開け
投稿者自身によって削除された提言。
巨大なコンピューターとその付属装置。
元々は「化学管理委員会異常存在課」という団体が管理していたものを財団が引き継いだ。
SCPには珍しくもないが、電力供給がなくなった今も動いている。
で、コイツは移動することも破壊することも変更することも出来ず、さらに周りに新しい収容施設を作ることも、コイツに通じる道を塞ぐことも出来ない。
幸いというか元々は委員会が持っていたもので、収容施設内にあった。
コイツのなかには一つのテキストファイルが保存されている。
それは要約すると、SCPの代表からのメッセージである。
それによれば、SCPとは元々異世界の存在であったが、異世界によって財団世界へと排斥されてしまったらしい。
SCPオブジェクトは恐ろしいものだが単体では脆く、SCPという枠で集合することによって強いのだという。
交渉のためのエージェントとしてSCP-173を送り込んだが正常に作動しておらず、これを踏まえた上でSCPオブジェクトへの対策をやってほしい、ということだった。
委員会のリーダーはこのメッセージの内容と、他の要注意団体への対策のため委員会を一度解体したのち再編成。これが現在の財団である……という内容であった。
本家wikiの元記事は削除されているが、日本支部に翻訳されたものが残されている。
エベルストロムの提言 - ARC-サイト-19
実は現存する最古の001提言である。「ARC」となっていることからわかるように、現在では削除の代わりとしてArchived化されているが、「クラシカル・リバイバル」というカノンではこれがSCP-001として扱われている。
最大の財団サイトであるサイト-19が立地している土地そのもの。オブジェクトクラスはEuclid。
この土地は約2週間間隔で数百箇所に及ぶ世界各地に転移し続けている。幸いなことに現れるのは僻地ばかりで、人口密集地に転移した事例は確認されていない。
財団は、後にサイト-19と呼ばれることになる研究施設を建造する時には既にこの土地の異常性を把握しており、膨大な数のオブジェクトの収容のためにその異常性を活用している。
この提言では、サイト-19には移動可能なオブジェクト全てが収容されていることになっており、サイト-19のSCP-001指定はこれらのオブジェクトが集約されていることの危険性も加味して行われているのかもしれない。
なお、レベル4セキュリティクリアランス未満の職員がSCP-001ことサイト-19の外に出ることは禁じられており、脱出を試みた者は即座に終了される体制が整えられている。
財団はサイト-19駐留職員向けの飲食物に抗うつ剤を混ぜることによって、この状態への不満を押さえ込んでいる模様。
ARC化されただけあって、正直ほかのSCP-001と比べると凄みに欠けているような気がしないでもない。
ロジェの提言 - Keter任務
元の記事は削除済みだが、別の著者二人の共著で同タイトルの提言が投稿されている。
ある建物。
全てのKeterクラスオブジェクトの出所とされている。また、初のThaumielクラスでもある。
Keterクラスは実は全てここに収容され、かつ二つ以上を並べることで異常性をうまく相殺している(財団データベースのKeterクラスに関する報告は全て偽物)。
それぞれの収容室の前にはシンボルが存在している。封印のために不可欠らしく、どんな些細な損傷でもただちに修復される。
凄まじいことに、収容されている全てのKeterクラスが封じ込めから解放された場合、宇宙の全てをリライト出来る可能性があるという。
封じ込めの具体例として、どっちも危険なテディベアであるSCP-1048とSCP-1055を並べている。
この場合、「認識されると大きくなって攻撃用の人体を出す」SCP-1055が巨大化し、その攻撃用有機体を使ってSCP-1048が仲間を作り、その仲間をSCP-1055が破壊する、というループに落としている。
ちなみに本家版だと他のSCP-001であるS.D.ロックの提言 - 夜明けの刻もこの提言で封じ込めが可能とのこと。その相手は同じくSCP-001であるリリーの提言 - うつくしい世界へが挙げられている。
支部の提言
SCPは既に12の公式支部とそれ以外の非公式支部を持っている。
これらの支部でも001提言枠の投稿は行われている。
詳細はSCP-001/支部提言、もしくはSCP-001-JPにて。
Joke SCP-001
ついでに言うと、これ以外にも001のナンバーを持つ記事は存在する。
ただし、それらのナンバーは「SCP-001-J」「SCP-001-EX-J」
そう、SCP-001にすらJoke記事が存在するのである。
せっかくなので、翻訳済の5つをここで紹介する。
シメリアン-カクタスの提言 - 財布の紐が壊れたる神
オブジェクトクラスは「Iyov」。「全知全能で、全時空に存在するMichael Kain」を名乗る人型実体。
ある種の現実改変に近い能力を備えているが、この御仁、自身の財産管理能力が皆無。
常に借金取りに追われて逃げ回っており、ある時はカローラに乗って宇宙に逃げたことも(この時は捕まり、車は差し押さえられている)。
このオブジェクトだが、ニューヨークに出張に行ったO5-1のベーグルを盗もうとしたのを当人に見つかって阻止されている。
この時は単なるコソ泥だったので、とりあえずO5-1はタクシー代をくれてやったのだが、後になって異常性があったことが発覚。
で、味を占めたらしく、O5-1宛てに幾度となく金を催促するボイスメールを送り付けてきている。宛先がよく分からないのか、GOCやカオス・インサージェンシーに連絡したこともあるらしい。
デイブユーフールの提言 - 冷静に、壊し続けよ
ポロナイズ博士の提言 - 質問
SCP-001-J - 例の赤いボタン
その名の通り、キャンディーのような赤色の大きなボタン。オブジェクトクラスはKeter。
端的に言うと、このオブジェクトは「世界そのものの自爆スイッチ」である。少なくとも財団はそう推測している。本当に押すと世界が滅びるのか、具体的にどのようにして世界を滅ぼすのかは不明だが、押してみればわかる。
さらに、このボタンはその存在を知った者全てに「押してみたい」という衝動を生じさせる。意志の力で抵抗できる程度の弱い衝動なのが救いではあるが。押せばいいのに。
ただし、衝動は弱いと言っても、職員が幾度となくこれを押そうとしては解雇されていたり、何人もの職員が中毒症状を発症してこいつの類似品を押すのを止められなくなったり、こいつを押すことだけを目的とした要注意団体が活動していたりするという。
このボタンの発見者は某国の大統領であり、彼はSCP-001-Jを押したいという衝動に抗いながら、異常存在から人類を守るとともに、何よりもまずSCP-001-Jが押されることを防ぐための組織の設立を推進した。その組織こそが財団である。
さあ、押してみよう!
SCP-001-EX-J - CKG族の記録
フランスのある洞窟で発見された、原始時代の部族による「もの-I-わ」というオブジェクトの記録。
そのため、記事自体も「原始人が書いた」という体裁のユーモラスなものになっている。
オブジェクトクラスはExplained。その原理が完全に解明され、異常とは見なされなくなり、一般社会で広く使われるようになったオブジェクトに与えられるクラスである。
もの-I-わは熱く明るく黄色い非実体であり、木や葉や脂身などの上に生じ、尿をかけると消え、濡れているものを乾かすことができ、上に肉を乗せると美味しくなる。
CKG族はもの-I-わを有効活用していたが、それは自然に発生したもの-I-わを洞窟内に持ち帰り、なるべく長く保たせるという方法によるものであり、もの-I-わはあくまで「わからない」存在だった。
しかし、試行錯誤の末にあるまじない師がもの-I-わを一から発生させる方法を確立し、もの-I-わはもはや異常なものとは見なされなくなった。
その特徴の説明で気づかれたかも知れないが、もの-I-わとは「火」のこと。
つまり、SCP-001-EX-Jは人類が異常なものを異常でなくした最初の記録なのである。
そして、火の起こし方を学んだ人類は、神秘から抜け出すための一歩を踏み出した。財団が守る世界へと繋がる一歩を。
なお、「CKG」は「Catch,Keep,Guard」の略である。
最後に
SCP-001はブライト博士のペ█スではありません。
追記・修正は適切なセキュリティクリアランス所持者にお願いします。
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本部の提言
SCP-001
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Jonathan Ball's Proposal
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Dr Gears' Proposal
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Dr Clef's Proposal
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qntm's proposal
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SCP-001:O5
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Dr. Mann's Proposal
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Document 001-O5
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Dr. Mackenzie's Proposal
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S Andrew Swann's Proposal
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Roget's Proposal
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djkaktus's Proposal
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Billith's Proposal
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A Place To Call Your Home
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Tanhony's Proposal
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SCP-001-EX-J
by VAElynx
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Macro-7happy7 Proposal
by DrMacro , 7happy7
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yzkrtの提言
by yzkrt
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SCP-001-KO-J
by Salamander724
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最後に
The Things Dr Bright Is Not Allowed To Do At The Foundation
by AdminBright
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