「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」に関する問題点

ページ名:デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

 

「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」に関する問題点

 

概要

デジモンアドベンチャーの続編である劇場版アニメ作品。

八神太一が22才である時間軸の物語。


6章公開前日の2018年5月4日に、描き下ろしのアグモンの絵と「冒険はさらに進化するー 新プロジェクト始動!!」との文章の画像が、twitterのtri.公式アカウントから公開された。

6章劇場公開の最後には、今までの章で毎回次の章のキービジュアルが表示されていた代わりに、上記の画像が表示され、坂本千夏氏の「みんな、映画館でまた会おうね」との声が流れた。

2018年7月30日のイベントでは中鶴氏デザインの22才の八神太一と22才の石田ヤマトのビジュアルが公開された。同日のニコ生とYouTubeLiveでも公開された。同日、twitterのtri.公式アカウントは、「劇場版デジモンアドベンチャー(仮題)」とアカウント名を変えた。

TVシリーズのプロデューサーであった関弘美氏をスーパーバイザーに、キャラクターデザインを中鶴勝義氏が、デジモンデザインを渡辺けんじ氏が手掛ける事が発表されるなど、TVシリーズのスタッフが再起用されている。

2019年7月7日に、正式タイトルが「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」である事と公開日が2020年2月21日に決定した事が発表され、新ビジュアル・特報映像・メインスタッフの情報も解禁された。

『tri.』の出来や下記の問題点などから出来を不安視する意見が非常に多かったが、作品としての出来は良く、基本的に評価は良好である。設定面での賛否はあれど、少なくとも『tri.』同様の強い批判は回避できたと言える。

問題点

無印と02のシリーズディレクター角銅氏の降板騒動

デジモン新プロジェクトについて 設定の継承で脚本の監修にという要請があり昨年より作業進めてましたが、TV版の設定と相容れないと思われるプロットが提出されプロデューサー陣がそれを支持した時点で降板を表明しました。経過を聞いてみたところそのまま進めてるそうなので、やはり降板します。

降板の表明についてはプロデューサーに了承してもらってます。

もともとシリーズディレクターは原作者というわけでもないし、TV版の設定にしてもまとめて明文化されてるわけでもありません。これまでの劇場版は放映当時のものでも自分と関わりないところで作られてたので設定にとらわれずお楽しみいただける方も多いと思います。

新プロジェクトについては別の展開がない限りこれ以上関わることはないでしょうし、以後何もツイートしませんが、音楽、ゲーム、フィギュア関連で要請があるものは協力続けていきます。

 

無印と02のシリーズディレクター(東映アニメーションのアニメにおける実質「監督」のポジション)、角銅氏の、2018年5月28日でのtwitter発言の引用。

tri.の惨状が未だ尾を引く中で、この発言により『絆』の内容はまたも過去作とは異なる設定で展開されていくことが決まったも同然であり、そのことを他ならぬ角銅氏に認められてしまった。

 

『絆』の全貌がまだ明らかになっていない為断定はできないが、本作は実質tri.の後継作品であると見られている。
前身であるtri.は、多くのファンや本wikiにおいても多方面から指摘されているほど、過去作(無印・02といったTVシリーズ)で描写された設定と相反する内容が多く見られた作品である。そのことについて『スタッフが過去作の設定を知らずに作ったのではないか』と言われているのが現状である。

設定だけを借りたパラレルワールドの話であるならばともかく、『続編』と銘打たれたうえで目に余るほど過去作と反する内容のものが公表されれば致し方のない冷評である。そんなtri.の『続き』であると目されている本作は、プロジェクト発表の時点でその内容を疑問視する声があったと同時に、本作でtri.で拾いきれなかった伏線の回収や、過去作との齟齬が解消されるのではないかという声もあった。

そんな折、上述の通り関氏や中鶴氏といったTVシリーズのスタッフが再起用される中で『アドベンチャーシリーズ』の基盤を作った一人でもある角銅氏が直々に降板を表明したことやその理由が語られたことで、tri.で意気消沈していたファンに更なるショックを与えた。

 

2006年放送開始のセイバーズも、2010年放送開始のクロスウォーズも、2016年放送開始のアプリモンスターズも、アニメ放送開始の少し前にはシリーズ構成や脚本家やプロデューサー等の主要制作陣から、「楽しみにしていて下さい!」「とても面白い作品になります!」「頑張ります!」といった旨の公言がされた。ゲーム作品や漫画作品でも同様である。アニメが放送される前から公式側主要人物がここまで明確に「この作品は設定が矛盾している」「この作品に不満があるので自分は誘いを断った。今後も永遠に関わらない」との旨の公言をしたのは、デジモンのメディアミックスの全ての歴史を通して恐らく、新プロジェクト(改めラストエボリューション絆)が史上初である。

なお氏は新作アニメである「デジモンアドベンチャー:」については普通に(仮に社交辞令であったとしても)言及をしており好意的にも取れるコメントをブログにも残していた事は追記しておく。

その後、2021年に発表された「デジモンゴーストゲーム」は久々に氏もスタッフとして参加するためか好意的なコメントを残しているが、同時に発表された「02」新作映画に関しては全く触れておらず上記の件が尾を引いている事が伺える。

 

角銅氏が「そんな設定あったらあの最終回になりません」と発言

角銅氏は2019年12月17日にTwitterにてファンからの

「02放映当時、子供達が大人になると、パートナーデジモンがいなくなってしまうという設定がありましたか? 今その設定があってもいいです、当時あったのかが知りたいのです」

という質問に対し

そんな設定あったらあの最終回になりません

と回答している。

この設定はラストエボリューション絆における「TV版の設定と相容れない」設定の一つであることは明らかである。今後の事前情報や映画本編内で「TV版の設定と相容れない」設定がこれからも増えていく可能性は十分に考えられた。

 

パートナー解消設定

今作最大の特徴であり、最大の問題点。恐らく角銅氏が発言していた「TV版の設定と相容れない」設定そのものである。

その内容は、「大人になるとパートナーデジモンとの関係が解消される」というもの。

理由は「大人になり何かを選択する度に他の可能性が切り捨てられ、その可能性の力が失われるから」らしい。

精神的に早熟だったメノアは早くに別れが訪れ、また将来と向き合おうとしていた空も同じく早くに別れがやってきた。

しかし、ここで言う可能性とは一体何なのか、いまいちはっきりしない。

将来の選択をしたから可能性が失われた、と言うが、そもそもの話として、選択は可能性を狭めるのだろうか。

メノアや空の例からも、ここで言う「大人になる」というのが、年齢のことを指しているわけではないのは確かだ。だが、何も選ぶことなく歳を重ねただけの者が、選択をして技能を手にした者よりも、可能性を持っているとでも言うのか?

子供の頃にプロスポーツへの道を決めていた者が途中で諦めて別の道に進むことはあっても、道を決めていない者が大人になったらプロスポーツ選手になっていたというのはまずないと言っていい。また、ある分野の知識や技能を得たことで、別の道に進む際にもその知識により違った視点で物事を考えられる、技能により出来ることが増える、ということもあるはずである。一般的な話をすれば、若くして何かを持っている者は、そうでない者よりも多くの可能性を持つ存在とも言えるのではないだろうか?

また「無理な進化をすることで別れを早める」という現象も出てくるのだが、可能性の力が失われるのが問題ならば、進化によってそれが失われる理由もよくわからない。

進化をすることで別れが早まるので、それ故に空はピヨモンとの別れを延ばすため、戦わず何も選ばないことを選んだ。

しかし、それが可能性が失われることを防ぐ行動なのか?あれこそ、全てを諦めて可能性を否定しているのではないだろうか?

「選択をすることで他の選択肢が失われる」という理屈なので、固定化された進化が問題ということなのかもしれないが、だとしたらクライマックスで、太一とヤマトは勇気の絆・友情の絆という新たな進化つまり新たな可能性を見せている。にも関わらず、結局アグモン達とは別れることになってしまった。可能性とは一体何なのか。

また、空やメノアが早くに別れがやってきた一方で、光子郎や丈などの他の子ども達よりも精神的に成熟しており既に進路も決めている者よりも進路に迷っている太一が早く進行していたりと、作品の中だけでも一貫性がない。

そもそもの理由が曖昧な上に、理屈と実際の行動や起きている現象との間にズレがあるせいで、結局は「進化できないピンチ」と「別れという感動要素」を演出するため、言ってしまえば話を作る都合だけで付け加えられた安易な設定やルールという印象は拭えなくなってしまっている。

また、この設定により02の最終回でパートナー達がいることに繋がらない(こちらは最後に太一達の決意を描いたことでパートナーと再会出来る世界になったと解釈はできなくもないが)、大人になってからパートナーを得た及川の存在など、過去作の描写と矛盾を起こしてしまっている。ただ、及川は「初めて会ってから随分と時間がかかった」と発言しており若い頃に既に出会っていたのでやはり「大人になってから得たパートナー」ではない可能性が高い。(「大人になってから再会出来たのがピピモン」というのが正確であり、この場合はむしろ前述のパートナーと再会出来る世界の解釈を補強してしまっている)

なければこの作品自体が成り立たない設定ではあるが、この設定があることで作品の評価が上がったという話はなく、むしろ作品自体は評価している人の中にも、この設定だけは受け入れ難いという声は多い。

 

空の扱い

物語の前日譚として個人に焦点が当てられた短編ストーリー「空へ」が公開されるなど、特別な扱いがされていた空。

そして本編ではピヨモンと別れたくないために戦わないことを選ぶ。そしてそのまま何も変えることが出来ず、失いたくないと願ったピヨモンまで失うことになった。

動くのをやめて立ち止まったまま、結局は最悪の結末を迎えてしまった彼女。そんな彼女を通して、一体この作品は何を描きたかったのだろうか?

「何もしなければ何も変わらない」と太一・ヤマトとの対比をさせたかったのだろうか?だとしても、空を使ってやることだったのか?空を使うのならば、違う選択をしたが故の行動を取らせたり、途中で間違いに気づいて動き出すなど、他にやりようはあったのではないか?

主人公達と反対の行動を取り、それを改めることなく結局は破滅する、というキャラクターは作品において珍しいものではない。しかしそれは基本的に悪役だったり主人公達と関わりの少ない脇役・モブキャラ、言ってしまえば破滅してしまっても問題ないようなキャラクターに対して与えられるような役割である。

選ばれし子ども達、初代における主人公だった空にそのような役割を与え、既に未来ある結末を掴み取っていた彼女に改めてバッドエンドを迎えさせるというのはあんまりではないだろうか。

もっとも太一やヤマト達も(メノアの暴走を阻止するという大立ち回りはしたが)結局はパートナーと別れることになったため、そういう意味では扱いは同じとは言えなくはないし、また空というキャラクターに関しては、02の最終回に繋がるのならばピヨモンと再会できることが決まっているため、そういう意味でも救いはあるとも言える。

しかし、なのであればこの作品においては、空が戦おうが戦わまいがあの選択には結局何の意味もなかったということにもなってしまい、このような立ち回りをさせた理由に関してはやはり疑問が残る。

新たに別れを描こうが、結局は将来の再会が提示されているデジモンアドベンチャーという作品で、このような描写で別れの悲しみを演出するというのは、そもそも無理があったのではないだろうか。

 

→ ただし、空が「もう戦わない」と決めた時点は、自分が戦わなければ世界が滅亡するとか仲間や家族が死ぬ等といった状況ではない。このような状況下で「戦いを通じてよりも友達としてピヨモンと一緒にいたい」と願うのは、理にかなった判断である。実際、他の登場人物も「人それぞれ事情があるのだから戦いに参加できないのは仕方ない」と納得している。

また、空がエオスモンの世界に囚われていなかったことは注目に値する。空のデジヴァイスにはOPでカウントダウンリングが現れており、エオスモンとの最終決戦の時点でピヨモンは消失している。ピヨモンと一緒にいたいと願った空が偽りの理想郷に囚われなかったことは、空がピヨモンとの別れを受け入れた上で自身の納得する選択をしていたことを示唆している(ただし、空がパートナー消失の事実を知っていたかどうか、知っていたとしていつ知ったのか、どのような手段で知ったのかは不明)。

したがって、空が戦わなかったことは「消極的な選択をして破滅を招いた」とは一概に言えないことには留意されたい。

 

こちらの外部リンクの「「デジモン」シリーズの核とは何か? 関弘美P&木下陽介Pが「ラスエボ」で最も大切にしたこと【インタビュー】」という記事ではこういった記載がある。

>――そういった様々な変化が描かれる中、8人の子どもたちの中では、空の立ち回りが独特だった印象を受けました。

>木下:今回の物語の根幹になる「いつまでもそのままではいられない」ということを8人の中の誰かで象徴的に描くならば、空が適任だと考えたんです。

>関:もう一つは、大人になった空を登場させると、「太一やヤマトとどうなってるの?」という疑問に答えを出さないとお客様は納得しないと思うのですが、今回の映画は90分なので、恋愛を描いても中途半端になってしまうおそれがありました。
なので、今回はシンプルに、『デジモン』の良さを出すことに特化した映画にしようと考えたんです。

 

賛否両論点

テレビシリーズスタッフの再起用

本作では、セイバーズ・クロスウォーズ・アプリモンスターズを除いたデジモンTVアニメシリーズでキャラクターデザインを務めた中鶴勝義氏が起用されている。
太一のキャラデザインは成長した事を入れても大幅に変化しており、ゴーグルは新たなデザインとなっている。
また、アグモンとガブモンのサイズはTVシリーズやtri.よりも大きくなっている。

あの頃のスタッフが戻ってきたことを喜ぶ声が上がる一方で、tri.でのキャラクターデザインであった宇木敦哉氏を挟んでの再起用である事や中鶴氏の絵柄の変化なども相まって「今更戻すのか」「何故最初からやらなかったのか」「これはこれで宇木氏に失礼ではないのか」という声も絶えない状況にあった。

 

2019年3月にデジモンと初音ミクのコラボが発表された。2019年9月には、デジモン初音ミクコラボのねんどろいどが発表されたり、「Butter-Fly~初音ミク Version~」がお披露目された。

2019年3月の発表の時点で公開されたデジモン初音ミクコラボのキービジュアルは、宇木氏が描いた絵であり、宇木氏による初音ミクとアグモンと蝶などが描かれた。

宇木氏は2010年の初音ミクの曲「こっち向いて Baby」のCDジャケットを手掛けた時から、 ボカロの絵を沢山描いている人物。デジモンとボカロの両方に深く関わっている絵師として、デジモン初音ミクコラボのキービジュアルに宇木氏が抜擢されたことは納得できる。だが、tri.からラストエボリューション絆でキャラデザが変更されたというこのタイミングでの宇木氏を起用したことには、デジモンの複数のメディアミックスを通じてズレが感じられる。

 

tri.の未回収伏線が全て放置された

伏線一覧のページを見れば分かるように、tri.は大量の伏線を未回収のままで6章が完結した。

それらの未回収伏線はラスエボで消化されるのだろうという声が多かったが、ラスエボが公開された結果、未回収伏線は一つも消化されなかった。

02でデジモンは世間に人類と共存する生物として広く認知されていたのが、tri.では何故かデジモンは世間に全然認知されておらず謎の害獣として扱われ、その奇妙な状況に対して理由は一切の説明が無いまま6章が完結した。ラスエボでは一切の説明が無いままそのこと(世間にデジモンが認知されていない状況)がほぼ無かったことにされ、02同様に広く認知された状況となった。tri.の展開により及川の魂の蝶が抹消されたことなども、無かったことになったのだろう(及川の魂の蝶は復活したのだろう)と推測される。

とはいえ、「tri.の未回収伏線のことは気にせず一つの映画作品として面白い作品を追求したのであろう。この考え方は英断だった。」という声もあり賛否両論であり、必ずしも問題点というわけではない。

そもそも6章にも跨ったtriでの未回収の伏線は前述の通りあまりにも膨大で余計なものも多く、単純に新作映画として作った場合1時間半の内容で割くスペースなどあるはずもない。スタッフの入れ替えや方針の転換、triに関わる要素が劇中チラッと登場した芽心ぐらいしかない事からして「triとは地続きではあるものの、triの続編という訳ではない」作品なのだろう。

 

太一は西島先生の最後の言葉から何を学んだのか

LAST EVOLUTION 絆の公式サイトにて、「勉強にもバイトにも明るくひたむきに取り組むが、実は将来どうするか決められていない。」とのこと。

大学4年生で将来が定まっていないことも問題であるし、tri.6章で西島先生からの最後の言葉が忘れられなくて進路を変えたことも何だったのかと思わざるを得ない。

(本編にて)

→ラスエボにおけるtri.の要素は芽心とメイクーモンが一瞬登場したくらいで、tri.とはほぼ繋がりの無い物語として脚本が作られたのであろう。tri.のストーリーと切り離して考えれば、太一のこのプロフィールは左程問題は無いと言える。

 

アグモン勇気の絆・ガブモン友情の絆

今作のアグモンガブモンの新形態。

ネーミングセンスとデザインから「あまりに人間過ぎる」「全裸のおっさんじゃないか」「ヴォルフモンの焼き直しじゃないか」「どの辺がアグモンガブモンなのか」「このネーミングは何なんだ」と否の声も多い。

一方で「テイマーズのマトリックスエボリューション、フロンティアのハイブリット体、セイバーズのバーストモードのオマージュ感がある」「人間との絆で進化した姿と考えればおかしくはない」「劇中でのアクションは格好いい」「安易にオメガモンの亜種・発展系に頼らなかった」と肯定意見もあり、こちらも賛否両論と言える。

とりあえず、「出す意味が無い」という意見がほとんど見られていないだけでもtri.のオメガモンマーシフルモードよりかは全然マシといえる。

 

「02最終回に繋がる」との公言

ラスエボは02最終回に繋がる、と公開前から頻繁に公言されてきた。

だが「02最終回に繋がる」という言葉はtri.でも公開前から全6章通じて散々言われ続けてきた言葉である。その上でtri.は02最終回に繋がるとはとても言い難い内容に仕上がった。そのことを踏まえると、ラスエボについての発言も説得力に欠ける。

(本編にて)

→上記の台詞の項でも触れているが、02最終回に繋がるとは言い難い内容という意見もあれば、02最終回に繋がるという意見も多く見られるなど、ハッキリ言って視聴者の間でも意見が分かれている点である。
最も、02第1話においても太一とアグモンが再会した時の反応も『ぼくらのウォーゲーム!』で再会した事を踏まえたとしても、3年の間にさらに何度か会っていたと推測できるほどにあっさりとしたものであり、こういった事実を踏まえた視聴者からは「最後の太一たちの決意を入れる事により、最終回までの間に無事に再会を果たす事が出来た」という解釈をされてもいる。

よく言えば想像の余地を残したと言えるし、悪く言えば「太一達はどのような手段でルールを解決したのか?あるいは捻じ曲げたのか?」「何か手段があるのなら、何故今回の話の中でそれが出来なかったのか?」といった疑問を解消せず丸投げしているとも言える。

懸念とされていたが杞憂に終わった点

クラウドファンディングについての不用意な表現

2019年7月29日のイベント「デジフェス2019」において、「メモリアルストーリープロジェクト」と題して、劇場映画で描き切れなかった物語をクラウドファンディングで短編映像化させる事が発表された。同日の公式サイトの更新では「描き切れなかった物語」、ツイッターでは「描き切れなかったストーリー」という表現が採用されており、この事から劇場版本編は欠落のある不完全な物語ではないかという推測が生まれ、ファンに不安を抱かせた。

その後、8月20日にクラウドファンディングの詳細が発表された際には「描ききれなかった映像」という表現に改められ、内容も「 劇場版のサイドストーリーや前日譚 」と紹介された事で、劇場版本編が未完成シナリオではないかという疑惑が一応は晴らされた形となった。

 

PVの内容(2019年7月7日公開)

  • 太一が大人になると僕たち一緒にいられないの?

PVでのアグモンの台詞。

02最終回でベリアルヴァンデモン撃破後の25年後の2027年で、大人になった選ばれし子どもたちとパートナーデジモンたちが共存していることは明確に分かり切っている。


  • これは“八神太一とアグモンたち”の最後の物語(アドベンチャー)

PVで表示された文章。

02最終回でベリアルヴァンデモン撃破後からラストシーン2027年までの25年間の間に、人類とデジモンの進化を脅かす宇宙からの敵との戦いがあったり、他にも苦難の連続だったことは、フロンティア終了後2003年発売資料本「デジモン公式超図鑑」とセイバーズ終了後2010年発売資料本「デジモンシリーズメモリアルブック」で公表されている。

02最終回アニメ本編内で、

「人の心の中にも、そして世界中にも、光と闇がある。これからも、ずっと光と闇は戦い続けるだろう。しかし、心の中の光を、夢を実現する力を忘れなければ、大丈夫だ。新しい冒険のページをめくるのは、君たちだ。」

とのナレーション(=大人のタケル)の台詞がある。02最終回ラストシーン2027年の後も太一とアグモン達は様々な敵と戦い続けるであろうことは、02アニメ本編を少し見ただけでも、少し考えればすぐ分かる。

「これは“八神太一とアグモンたち”の最後の物語(アドベンチャー)」との表記は過去作との齟齬を強調させている。

 

(本編にて)

→ 太一たちの物語が続くことは劇中ラストでも示唆されており、エンドロールには他のデジモンたちが健在でいる事から単なるキャッチコピーに過ぎなかったと考えられる。
02最終回と繋がらないという意見はあるものの、最後に太一とヤマトの「待ってろよ、必ず会いに行くからな」というセリフで締めくくられている事から別離したままという事になる訳ではなく、このセリフが果たされた結果が02最終回に繋がるとも言える。
最もそのために「どうせまた続編やるんだろう」とも思われているが。そして実際に続編をやることになった


  • アグモン、俺たちはずっと一緒だ

PVでの太一の台詞。

こんなことを改めて言われなくても、02最終回ラストシーン2027年で太一とアグモンがずっと一緒にいることは分かり切っている。

(本編にて)

→ パートナー解消という宿命を背負って戦いに臨む上での発言なので、ことさら重箱の隅をつくようにやり玉に上げるべき発言ではないとは言える。


  • これが俺たちの最後の進化だ

PVでの太一とアグモンの2人の台詞。

上記の「これは“八神太一とアグモンたち”の最後の物語(アドベンチャー)」の項目で記載したとおり、2010年の太一が大学4年生の時系列の後も、太一とアグモン達は進化をしながら敵や困難と戦い続けることは確定している。2010年の太一が大学4年生の時系列が「俺たちの最後の進化」になるわけがない。

(本編にて)

→最後の物語~の項と同様。少なくとも太一たちにとってこのように認識した覚悟を背負う事は別段おかしな事ではない。


以上の点をふまえると、『絆』も過去作や角銅氏が構想していた「デジモンアドベンチャー03(仮)」の設定と乖離した内容が制作されたであろうことが予測できる。

他にも、『絆』の上映後に「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 〇」(〇には何かの漢字一文字)といったタイトルで続編映画を制作・上映するのでは、と推測の声が多く挙がっている。

ただでさえtriで生じた過去作との矛盾点のほとんどが解消されないまま放置されているにもかかわらず、さらに新たな矛盾点になりかねない要素がPVの時点で推測できるというのはいかがなものだろうか。

過去にゲーム・デジモンストーリーサイバースルゥースシリーズのネットアンケートで、今後どんなデジモンゲームをプレイしたいかとの質問に、「02最終回の世界中の全ての人々にパートナーデジモンがいる世界を舞台にしたゲーム」との旨の選択肢があった。02最終回ラストシーン2027年を舞台にしたアニメやゲームが今後作られる可能性は十分に考えられる。ラストエボリューション絆を「最後!最後!」と強調するのは、様々な点から見て疑問に感じる。

→2020年1月21日発売のVジャンプと同日公開の公式サイトやニュースサイトで、2020年4月からデジモンアドベンチャーのリメイクアニメ、「デジモンアドベンチャー:」が放送開始されることが発表された。放送枠はフジテレビの日曜朝9時。「デジモンアドベンチャーLAST EVOLUTION 絆」は「“八神太一とアグモンたち”の最後の物語」「俺たちの最後の進化」「LAST」ではないと早くも確定してしまった。一応、リメイク作品であるため「別の世界の太一の物語」とは言えるのだが。

「デジモンアドベンチャー:」はこの放送枠なので2021年3月までの1年間は放送される可能性が高い。映画とテレビアニメの時期を合わせるために「デジモンアドベンチャー:」放送中の1年間の間に「LAST EVOLUTION 絆」の続編映画が制作・上映される可能性も十分に考えられる。「LAST EVOLUTION 絆」を「最後!最後!」と強調するのは不適切だと改めて感じられる。

 

PVの内容(2019年12月17日公開)

  • 「みんなは何故デジモンのパートナーに子ども達が選ばれるのか理解してる?そう、未来に広がる無限の選択肢、そのパワーが無くなれば、デジモンとのパートナー関係は解消される。」(メノア)
    「それじゃあ大人になったらデジモンと別れなきゃいけないってことか」(太一)

02最終回を見れば大人になった及川悠紀夫とピピモンがパートナーとして選ばれたのは周知の事実。

02最終回ラストシーン2027年の世界中の全ての人々にパートナーデジモンがいる世界観では、子どもも大人も全ても人間にパートナーデジモンが選ばれている事も周知の事実。

「大人になったらパートナーが解消される」という設定は、無印02制作時点での角銅氏による設定と相反している。選ばれし子どもとパートナーデジモンが表裏一体として共に成長していく事や、パートナーデジモンを持つ人間(選ばれし子ども)が増えていくことによる「人類の進化」を描くことが、デジモンアドベンチャーシリーズである。2003年発売のデジモン公式超図鑑や2010年発売のデジモンシリーズメモリアルブックで記載されている。おそらく角銅氏が降板を表明したのはこの設定によるものではないかとも推測できる。

02最終回で及川が自らの命をエネルギーに変えデジタルワールドに放ってデジタルワールドの守護霊になったことは、tri.のリブートの展開により抹消されてしまった。ラストエボリューション絆では及川の存在を否定するような発言を事前PVで言われてしまった。tri.以降の及川の扱いは酷過ぎると感じられる。

(本編にて)

結果的に言えば「大人になったらパートナー関係が解消される」というのは端的な表現であった。
少なくともメノアは14歳でパートナー解消を経験していることから、「大人になる」という事が年齢的・立場的なものではなく精神的な意味である事は明らかであり、02劇中で「大人になれていなかった大人」として描写されていた及川の設定とは矛盾するものではない。
アグモンとも離れて一人暮らしをしていた太一、そして大人になろうとして一飛びで成熟してしまったメノアを考えれば進化が終わった、つまり人間として進化を終えてこれ以上進化する必要がなくなった事を「大人になる」と示すのだと考えられる。実際劇中でパートナー解消を経験したのはこの二人の他、ヤマトと空のみであり、他のパートナーが消えたかどうかは定かでない。少なくともパタモン、テイルモン、02組はエンドロールで依然として残っている事が分かっている。及川は「初めて会ってから、ずいぶん時間が経ってしまったけどね」とピピモンとの再会時に語っていた事から、彼も「進化することがなくなってしまった」という別の形でだが一度パートナー解消をしていたと解釈する事も出来るため、やはり彼の存在は否定されている訳ではないだろう。

メノアの作ったネバーランドにはさり気なくピピモンの姿がある。ネバーランドが子供たちとデジモンが記憶の中で囚われ続ける世界ということを踏まえれば、及川が抹消されたと断言してしまったのは早急だったと言えよう。

→「tri.のリブート関連の展開で及川の魂の蝶は抹消された」という事実は本編を見て因果関係を少し考えれば断言でいきなくもないが、tri.本編で言及はされておらずあくまで推測でしかない。恐らく監督・脚本が制作から追い出された現在では真相は不明のままであろう。何らかの理由でtri.からラスエボまでの5年間の間に及川の魂の蝶は復活したという描写や説明は必要との声もあるにはあるが、90分程度の劇場作品であくまで無印を中核に据えた内容である以上、そこまでフォローをする尺と余裕はあるはずもない。実際子供とデジモンを含めても、一定以上の出番があったのは太一・アグモン・ヤマト・ガブモン・光子郎に限られている。この上02組にもある程度の出番を与え、ゲストのメノア達の背景を描写する必要があった以上直接登場しようのない及川について描写する枠があるはずもなく、ピピモンの存在でフォローするのが精一杯であろう。
結論から言えば及川を取り巻く扱いは必要だとしてtri.の散々な出来の尻拭いでしかなく、ピピモンを出しただけでも努力した方だと考えられる。

他にもバクモンの姿もあった。姫川はダゴモンの海で分解されたとされていたが、エオスモンによってサルベージでもされたのだろうか。

 

本作の悪役・エオスモンの名前の由来は脚本・大和屋暁氏が馬主の馬

本作で未知のデジモン・エオスモンが敵として登場する。

脚本・大和屋暁氏が馬主の馬にエオスモンという馬が存在し、これがネーミングの由来であると思われる。(「エオスモン」でグーグル検索して下さい。)

tri.の元永監督は自分の飼っている猫がモチーフのデジモンを作りtri.のラスボスにした。

tri.もラスエボ絆も主要スタッフが自分の思い入れのある動物を悪役にするという方針があるのだろうか。デジモンの知識がどうこうという以前の倫理観が壊れていないだろうか。

(本編にて)

→多少こじつけ気味ではあったが、劇中でのエオスモンの由来には言及されていた。
またエオスモン自身も純粋な悪役ではなく、どちらかといえば敵役と言える存在であった(デジモンハリケーンのケルビモンに近い)。

なお、大和屋氏は自身の馬に脚本を担当した作品が由来の名前を付けている事でも知られている(例:『銀魂』から「ジャスタウェイ」など)
つまり順序が逆(馬の「エオスモン」からデジモン「エオスモン」が生まれたのではなく、デジモン「エオスモン」を由来に馬に命名された)。
これに関しては流石に言いがかり以上の過剰反応であったと見るべきだろう。

 

キービジュアルで光子郎が烏龍茶を飲んでいる

2019年12月17日に公開されたキービジュアルでは、12人の選ばれし子どもと12体のパートナーデジモンが映っている。その中で光子郎が烏龍茶を飲んでいるのである。tri.の烏龍茶についての要素は視聴者から不評の声が非常に多いと知らないのであろうか。tri.の烏龍茶は好評だったと思っているのであろうか。

(本編にて)

烏龍茶を飲むシーンは全くと言っていい程出てこなかった。ただの小ネタでやはり過剰反応だったと言える。

 

「デジモンアドベンチャー過去作が好きなスタッフで作っている」との公言

ラスエボはデジモンアドベンチャー過去作が好きなスタッフで作っている、公開前から頻繁に公言されてきた。

だが上記の「02最終回に繋がる」発言と似たように、その言葉はtri.でも公開前から全6章通じて散々言われ続けてきた言葉である。その上でtri.はあのような内容に仕上がった。そのことを踏まえると、ラスエボについての発言も「(デジモンアドベンチャーシリーズ過去作が好きなスタッフで作っているからと言って)だから何なんだ」と言いたくなるのも無理はない。

(本編にて)

実際の内容が、本当にデジモンアドベンチャーへのファンサービスに溢れたものであった。

細かい設定についても取り上げている事からtri.スタッフが口だけの原作愛に欠けた、設定を読み込んですらいないという批判を認識した上での発言なのかもしれない(tri.の内容から警戒したファンを安心させる意図か)。

この点はtri.における批判が多い要素の一つであった02組の登場を繰り返し宣伝していた事からも伺える。

 

評価点

とにかくtri.のニの轍を踏まなかっただけでも成功と言える。
 

tri.では徹底的に省かれていた02の要素を、主要キャラ以外にもウォレスやマイケル、世界中の子供たちなどを一瞬だけながらも数多くゲスト出演させておりシリーズを通して視聴していたファンへのサービスに溢れていた。逆に言えばたった90分の尺でもここまでサービス出来るにも関わらず、それを「断念」の一言で片付け怠ったtri.スタッフの残念っぷりが余計浮き彫りになったとも言える。

もちろん無印をメインにした当作の要素も評価すべき点が多い。冒頭の戦いではエオスモン戦以降では太一・ヤマト両ペアの活躍が主軸になる分、エンジェモンとエンジェウーモンがしっかり大立ち回りを見せている。アグモンもグレイモン→メタルグレイモンへの進化を、「無印のアニメーションをリメイクし再現する形で」ばっちりバンクまで披露してくれた。対戦相手もパロットモンというチョイスや完全体という格に見合うてごわさを表現している。

また太一はやたらと葛藤してばかりなど暗いイメージばかりだったtri.と違い、光子郎に軽口を叩いたりと無印~02の頃らしい明るさを取り戻してもいた。

オリジナルキャラクターのメノア、エオスモン(モルフォモン)、京太郎もおおむね好評。特に人間二人は境遇や作中で起こした行動などから「姫川と西島のリメイクなのではないか」と思わせるほど共通点が見られる。

もっとも彼らと違いその行動理由にはきちんとした説得力と背景が持たされており、理不尽な結末を迎える事なく決着をつけている。黒幕だったメノアも、やらかすだけやらかしてダゴモンの海に一人で消えて行った姫川と違い、自分の過ちに気づいて失ったパートナーと向き合うことが出来るようになり、起こした事件については決着後に自首する形で罪を償うことになってもいる。

一方で上述のパートナー解消などの問題点もあり、謎の男や結局言及されなかった姫川やメイクーモンらtri.キャラの行く末など放置された点は多い。……が言わば「tri.の負の遺産」とも言えるものばかりで「ラスエボ」スタッフはこの尻拭いをさせられていた結果なのではないかとも言われている。少なくともここまでtri.に関わる要素が徹底的に触れられていないにも関わらず、tri.の最終章では直接の続編であるかのように制作決定をアピールしていた事からも「ラスエボの制作決定後に企画の大筋が決まってから、tri.の悪評により慌ててスタッフの入れ替えが行われたのではないか」とすら推測出来てしまう(事実ラスエボには芽心とメイクーモン役の声優が出演しているものの、肝心の芽心とメイクーモンには台詞が全く無く急遽話の変更が行われた推測が容易に立てられる)。

要するにラスエボの制作を以て、tri.は「完全には無視出来ないながらも黒歴史扱い」となったのではないだろうか。

その一方で「出来はどうあれ世に出した以上はシリーズの一作として扱うべき」という声もあり、芽心とメイクーモンをカメオ出演させた=無かったことにしなかった事を評価する声も多い。これはtri.からの出典が多く出たデジモンカードゲームも同様である。

 

その他

子ども用のノベライズ版

映画上映に先んじて2月7日に「ダッシュエックス文庫」と「集英社みらい文庫」の2種類のノベライズ版が発売された。後者は子ども用の内容だとされている。

「東映アニメーション2018年3月期決算説明会(18年5月16日)質疑応答概要」にて、

こちらの外部リンク 「平成30年3月期 決算説明会(平成30年5月16日開催)」の下の「※Q&A概要はこちら」をクリックして下さい。それで繋がらない時はパソコンの「F5」ボタンを押すと繋がったりします。)

>Q.デジモンシリーズの新プロジェクトが始動するようだが、お話し出来る範囲で構想について教えて欲しい。

>A.『デジモンアドベンチャーtri.』は、全6章で劇揚上映をしました。放送当時の視聴層である20代男女のコアターゲットに絞り15〜20館程度の小規模で展開し、成功を収めることができました。新プロジェクトについては、このターゲットに加えて、もう少し幅広い年齢層に向けた展開を考えております。

との記述がある。ここで語られた「もう少し幅広い年齢層に向けた展開」というのが子ども用のノベライズ版を指しているのだと思われる。

だが、tri.はクロスウォーズまでの展開と違い「かつての子ども達」「子どもだった頃に1999年~2001年に放送されたデジモンアドベンチャー・デジモンアドベンチャー02を見ていた層」をターゲットにした上で(出来はともかく)売り上げが成功した作品になったというのは周知の事実。tri .からラスエボになって新たに新規子ども層のファン・視聴者を獲得できているとは思い辛い。そのため子ども用のノベライズが発売されていることには疑問の声が挙がっている。

→集英社みらい文庫のノベライズ版は、小説慣れ・活字慣れしていない大人に向けた売り方としては良い売り方になっている。
また、デジモン以外でも『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』といった「かつて作品に触れた層」を主な対象にした作品にも子ども用のノベライズが発売されている。親子二代で楽しめるという意図もあるのかもしれない。

なお、ダッシュエックス文庫の方には映画未公開となった場面(メモリアルストーリー「空」など)も収録されているため、少なくともノベライズ版の価値が全く無いわけでもないと言える。

 

『アニメ! アニメ!』における関プロデューサー及び木下プロデューサーへのインタビューについて

『アニメ! アニメ!』における関プロデューサー及び木下プロデューサーへのインタビューにおいて、関Pは『tri.』について「正直に申し上げると、私は『tri.』のドラマに物足りなさを感じた部分があったんです。
例えば二人きりのときに、太一が黙っていて、アグモンも黙っている……というシーンがありましたけれど、そこで会話をしないとパートナー感が出ないと思うんです。
「無言の会話の中にも実は裏がある」と観客に委ねる方法論もありますが、話さないことには推測もできません。
」と語っている。
また、スタッフ内での試写会においても「私はスタッフとの試写で観たので、ファンの方の反響はまだ知らないんです。でも、社内の人は「これが『デジモン』だよね」と言ってくれたので、とてもホッとしました。」「「これが『デジモン』!」って、抽象的な言葉ですが、それぞれの求めていた作品だったということが表れているし、僕も聞いたときは安心しましたね。」と語っている。これらの事から公式側においても『tri.』がファンを傷つけた作品である事を認めている発言をしたとも取れる。

また、「映画は賛否両論あって当然なので、どんな声でも我々に届けて欲しいです。」という発言もしており、角銅監督が降板する事態となった設定の矛盾も受け止めているともとれる。

 

ちなみにこのサイトに限らず各コミュニティサイトでも批判ありきの論評が公開前から非常に多く、あろうことか失敗を祈るような発言まで見受けられていたが、公開後に評価がひっくり返ると共に一斉にそうした声は勢いを失っていった事も補足しておく。

 

ラスエボの続編について

2020年8月1日にYoutubeLiveでデジフェス2020オンラインが放送された。2014年8月1日にデジモンのイベントが開かれて以降、毎年8月1日またはそれに近い日の土日に、デジモンのイベントが開かれている。2020年はコロナウィルス騒動に配慮して、イベントは開かれず代わりにネット放送がされた。

こちらの外部リンクで、

2020年9月1日まで期間限定アーカイブ配信されていた。現在は視聴不可能。

 

この放送の中で、木下P、坂本氏(アグモンの声優)、山口氏(ガブモンの声優)の3人による対談で以下のやり取りがあった。

 

木下P「続編ありますかという質問が来てて。お二人も聞きたいのかと思いつつ。」

山口氏「あれ、だって、最後は作ってもいいような終わり方をしてました。」

木下P「いいような終わり方をしてました。」

坂本氏「もう、最後最後って言って、いっぱい、なんちゃってって言って、出てきてんだから、もう何やっても平気よ。こうなったら、ほらねまたどうせやるんでしょって思われてもしょうがないよ。」

木下P「一言だけお伝えしとくと」

坂本氏「はっ。もしや。」

木下P「やれって言われたらやるしかないと思ってます。」

坂本氏「今凄い強い目になったわよ。きらっと光ったわよ。目の奥がきらりと。」

木下P「いまんとこは、いまはまだ動いてないので、皆さんの声が届いてくれると、何かあるんじゃないかと思ってます。」

山口氏「これは来ますね。ありますね。あります。」

 

ラスエボの続編が作られる可能性は十分考えられると思っていいだろう。

ラスエボが「最後!最後!」と強調しているのがふさわしくないということは、主要スタッフや声優陣もネタとして捉えているようである。

 

また、2020年9月2日発売のBlu-ray・DVDのオーディオコメンタリーでも坂本氏が「最後最後って言ってるけど続きがあると思われている。」との発言をしている。

 

2021年8月1日に行われたデジフェスでは『デジモンアドベンチャー02』を題材とした新作映画の製作が発表された。
スタッフに山口監督及び大和屋氏が続投する事も明かされており、事実上のラスエボの続編として見てもいいだろう。
 

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コメント

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名無し
ID:NDUwYzFmM

まあ、記事に入ってこなければ、すべて無害なコメントだもんな

返信
2023-10-19 23:10:48

名無し
ID:MGRmZTNiY

ここは問題点を整理する場所であって、感想を書く場所じゃないし、ある映画が好評なのが気に入らないという愚痴を書く場所でもない

返信
2023-10-16 13:46:17

名無し
ID:YWEwNmM5M

>> 返信元

素晴らしいですね。完璧過ぎて返す言葉もございません。

返信
2023-10-14 20:47:07

名無し
ID:MzJkYWI0O

>> 返信元

で、これも何度も言われてることだが、
スタッフの降板だとか、後付設定だとか、
そんなもん気にしてるのは一部のオタクだけ

本気でそんなことが重要だと思ってるやつは
ルパン三世とかゴルゴ13とか、色んな名作を見たほうがいい。
自分がいかに了見が狭いかが分かる。

返信
2023-10-13 21:36:35

名無し
ID:MzJkYWI0O

>> 返信元

ラスエボが高評価な理由は、映画としてちゃんとした作品だったから。
tri. が低評価な理由は、そうでなかったから。

これだけの話で、ここを否定するのはただの逆張り。
そりゃ、個人的な感想で「お涙頂戴要素が好かん」とか言う人もいるかも知れんが、ラスエボは客観的に言って完成度が高かった。
ただそれだけ。

最近のアニメで言ったら、「リコリス・リコイル」とか「スパイファミリー」とかが、完成度が高いと言ってるのと同じ。
そりゃ、個人的なこだわりで、この2作品がおもしろくないと評価する人もいるとは思うが、アニメとして完成度が高くないと言ってしまうのはただの逆張り。

返信
2023-10-13 21:29:12

名無し
ID:MzJkYWI0O

>> 返信元

ある映画を見て、おもしろいと思う人もいれば、そうでないと思う人もいる。

なーんで、こんな当たり前のことが認められないのかねぇ……。
自分がおもしろいと思わなかった作品は、「普遍的につまらない作品」でないと気が済まないのか。

返信
2023-10-13 21:14:55

名無し
ID:MTEzZWI5Z

>> 返信元

ラスエボまで付き合った上で高評価してる人もいるからでんでん現象って線は薄い気もするような…

返信
2023-10-12 14:27:16

名無し
ID:NzNkNjYyZ

>> 返信元

証明してみせろ

返信
2023-10-11 18:36:25

名無し
ID:NGVlY2UwZ

ラスエボに高評価が多いのはでんでん現象では?
テレビからのファンはtriで結構離れ。
角銅氏の降板とその理由で離れ。
ラスエボ見た人も後付矛盾等で離れ。
面白いと思った人ばかり残るから高評価が多いのでは?
なんの根拠もないただの考察ですが。

返信
2023-10-11 17:19:27

名無し
ID:NDFlN2ExM

あくまで個人的には
①TVシリーズ→舞台版tri.→ラスエボの世界線
②TVシリーズ→映画版tri.
と似て非なるパラレルワールドとして見てる。
個人的な見方なので公式でもなく押し付けるつもりもない。

返信
2023-09-03 23:47:23

名無し
ID:NTE2ZDZiN

>> 返信元

意味不明とか言って話きかないなら、こっちで勝手に進めるからな

返信
2023-06-23 12:07:44

名無し
ID:NTE2ZDZiN

>> 返信元

とりあえず、石田ヤマトが宇宙飛行士になった理由に関する問題点の記述を全部削除して跡地にするべきだ。25年後の世界を修正するために聞いてきた可能性があるからヤマトが宇宙飛行士になった理由を監督が知らなかったとするのは真偽不明で事実とは呼べない。あと、このページの長文はなんだ?人に読ませる気ないだろ。

返信
2023-06-23 12:05:18

名無し
ID:NjlkNTYzY

>> 返信元

意味不明。

返信
2023-06-23 09:18:49

名無し
ID:NTE2ZDZiN

>> 返信元

矛盾点といえば、元永慶太郎監督がヤマトが宇宙飛行士になったことを知らなかったって記述があったけど、このwikiの矛盾点だから全て消してほしいな。事実たりえる記述をしてくださいという規定に反する。

返信
2023-06-22 21:49:16

名無し
ID:MDExMjU2O

繰り返しになるが、矛盾点があるなら、それをまとめてWikiに追記してくれ。

返信
2023-06-22 19:51:36

名無し
ID:ZWQ0MjdhM

>> 返信元

「論点のすり替え」という言葉の意味を勉強しなおすことをおすすめする。

返信
2023-06-22 15:52:43

名無し
ID:N2U1ODM2Y

>> 返信元

こんな賞味期限切れたWikiでかまってちゃんムーブして楽しいか?

返信
2023-06-22 12:28:28

名無し
ID:ZmE2ZTJkO

>> 返信元

>こんなん、スタッフに「このキャラ男ですか女ですか」って聞いて、「男です」って言ってんだから男なんだろ、ってくらい当たり前の話。 それをなんの根拠もなく「男だとすると不自然」とか「女の子じゃなきゃ嫌だ」とか言って騒いでるのが君たち。

このキャラ男ですか女ですか~なんて下らない論点のすり替えで騒ぎ立てているあなたと騒ぎ立てていると言ってバカにしている人たちは何も違わないんじゃないですか?(お前だって論法)

返信
2023-06-22 12:25:53

名無し
ID:ZmE2ZTJkO

>> 返信元

デジモンセイバーズからだったと思うけど、デジモンが電子機器を狂わせるって変な設定がついてしまったんだよ。当然のことだけど、宇宙に行くためには精密な電子機器をたくさん使うだろう。それでガブモンと宇宙に行ったらヤマトや他の宇宙飛行士の仲間が命の危険に晒される。これがクオンタモンが言ってた双方の世界の破綻ってやつだろう。02の25年後の未来から修正するためにお別れが必要だった。
以上のことを書こうとしても、ここは問題点をまとめるwikiだから、問題点と呼べない既に終わった修正なんて書けない。書こうにもどのカテゴリーで書いたらいいかわからない。

返信
2023-06-22 12:16:32

名無し
ID:ODVjNmUyO

>> 返信元

「公式を絶対視」というのも何を言いたいのか意味不明。
シナリオを監修している立場の人が「02最終回に繋がる」と明言しているのだから、繋がると解釈するほかないし、それで何の矛盾点もない。
もし矛盾があるなら、ちゃんとまとめた上でWikiに追記してくれ。

こんなん、スタッフに「このキャラ男ですか女ですか」って聞いて、「男です」って言ってんだから男なんだろ、ってくらい当たり前の話。
それをなんの根拠もなく「男だとすると不自然」とか「女の子じゃなきゃ嫌だ」とか言って騒いでるのが君たち。

返信
2023-06-22 08:41:42

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