○星・星工・スタアライク(興行)・星奮
・ハムスタア
星工に星として奮われる生物。高い知性を有している。節子の住む町には野良ハムが多く、害獣とみなされることもある。
・星
スタアライクにおいてはハムスタアのことを指す。星奉において人を模す存在。人の代理。
・星工(ほしく)
戦いのためのハムスタア=星を鍛える職業。星を奮う者。星工は星と心を通わすことができる。普通、星工は負傷した星を自前で治すらしい。スタアライクでは星工は私闘をしてはならないという掟がある。
・スタアライク
方分横丁を過ぎた先のバラック地区の天幕で行われる興行。入場は無料。星工が育てたハムスタア同士を戦わせて楽しむ。現在のスタアライクは訳あって興行を装っているが、本来は星奉と呼ばれる神事である。昔は仕合は五芒町の桔梗座で行われていた。星奉の忌名の儀式を隠すため、奉納試合としての表の顔が作られ、やがて興行のスタアライクとなった。星奉のシステムにおいて現在のスタアライクは、星奉で奉げる一番星を選出する見本市として機能している。見世物のスタアライクには、ハムスタアや星工同士の様々な物語がある。また、星工と星の番付表も存在している。
会場の様子については柵で仕切られた中央に「碁盤のような大きな板の台」、「頭上からは強い照明、周りに逆光となった大勢のシルエット」などと表現されている。また、天井付近に物見櫓のような足場がある。仕合の際には星工はステージの星工と観客らを分ける柵の内側に舞台を挟んで立つ。会場には星工の楽屋や、お手洗いなども存在する。飲食物の販売が行われており、イカ串焼き、ノンアルコールのルートエール、名物のハムカツ、ハムカツサンドなどの品目がある。方分商店街の福引では、スタアライクの会場内で販売されている飲食物の食券つき招待券が景品になっていた。
・星奮(ほしふり)
星工が星を奮い繰り出す奥義。
・星工房(ほしこうぼう)
星が生活する星工の仕事場。
・星乗(ほしのり)
節子が開眼した星奮の奥義。己が内に星の魂を見出し相乗させる、星奮の発展形。「背臨」「意臨」は臨書の手法からきている。星霊の影響によって疑似的に星乗のような状態になることは「逆星乗」などと呼ばれる。
・星種(ほしだね)
正造曰く、星を支配する要素で、肉、業、忍、運の四つが存在する。
・皇星(すめらぼし)
「勝ち星の命運を背負わされたる星。百年に一度現れるかどうかという極めて希なる星であり、一種の伝説とされる。皇星はその力強さゆえ一番星を約束されていると謂われる。しかし同時に流れ星とも称され、その燦然たる輝きはある種の儚さをもって語られることが多い」。
・来宮(きのみや)
今では少なくなった古い専業の星工の家系で、古くは月紫野の片割れで同じ月守の一族だった。ある時を境に月紫野を置き去りにして星工の役目を放棄し離散する。正造は節子が使用する工房とは別の場所で仕事の準備を始めており、来宮家は複数の星工房を所有しているとみられる。
○桔梗座・星奉・月紫野一族
・桔梗座(ききょうざ)
スタアライクを運営する団体。星工への報酬も桔梗座が出している。桔梗座の屋敷は五芒町にある。奉納試合である星奉を行いつつも、桔梗座は神社を名乗っているわけではない。屋敷は母屋と離れとにわかれており、研究室なども存在する。
・星奉(ほしまつり)
古から伝わる神事。4年に一度閏年の2月29日に、最も優れた一番星を忌名に奉げる儀式。闘犬飼いよりも古い歴史をもつらしい。原初の星は人で、代わりに人と魂を触れ合った動物を奉げるようになったとも伝えられている。儀式は祭神の忌名と一番星の仕合だが、圧倒的な力量差により実質的に忌名による一番星の虐殺となっている。祭神の名は桔梗座外部の資料に載っておらず、桔梗座内部ですらも祭神の名を呼ぶことを忌避したといわれ、「忌名」という呼び名が残っている。星奉は機屋という土地の起源ともなったとされる。機屋は本来、星奉を行うための森とそれに付随する市として発展してきた。星奉は本来星工にまでは危害が及ぶことは無いとされていたが、例外的に守矢とカラクリが挑んだ星奉では、時空間の壁を越えて忌名に傷を付けようとした行為が仇となってか、星工が消失する事態が起きてしまっている。
・月紫野(つくしの)
桔梗座の長の一族。
・月守の巫女(つきもりのみこ)
月紫野の女に課せられた神仕えの役目。忌名がこの世に顕現する依代として、常に一人、誰かが猫神憑きとして取られる。巫女は忌名の託宣の道具となる。月紫野の血縁かどうかは巫女の条件と関係がない。
・託宣
月守の巫女を介して血文字で記される忌名のお告げ。謎の文字であり、未だかつて解読できたという記録はない。
・猫神憑き(ねこがみつき)
神憑りとなった月守の巫女のこと。
・一等星
一番星とも。星奉で忌名に奉げられる存在である。一等星は星奉で奉られる際に、星奉の秘密とともに星工から多額で買い上げられる。そのため一等星について知る者は、一等星を得た者と桔梗座のみである、という掟がある。ニコライは例外的に星奉について知ってしまい、それ故に桔梗座に協力せざるを得なくなっていた。
・等星
星検儀を受けたハムは実力に応じた階級のこれを得る。スタアライクに出場する星に与えられる等星は最高二等星までで、一等星は欠番である。等星とは一等星になりうる資格であるという。
・星霊(せいれい)
星の霊。星霊や羅浦などの霊体、星乗の像は普通の人間は視認することができず、月紫野や来宮の星奉に関わる一族の血筋のほかは、星観役のナトリ、月紫野日向、青い星虹をもつ人物、星霊の影響で「逆星乗」状態となった人間が見ることができる模様。カラクリの星霊システムは、サイボーグ型カラクリの実験中の事故によって生まれた。カラクリ神威に搭載された星霊の自我には、ナトリの力によってある種の抑制が作用しており、野生状態に近い感覚的な動きをするらしい。抑制とは星霊につけられた仮面であり、神威の制御下に置くための呪術的リミッター。
・星検儀(ほしあらためのぎ)
星検役との模擬仕合によって、星の等星を検める儀式。スタアライクである程度仕合をこなし、実力を認められた星は通過儀礼として、星見櫓の上でこれを行う必要がある。実績のある星工は特別に未公開の星を受けさせることもできる。方分新報などには事前情報などは載らず、関係者しか知らない模様?活子自身もこの儀式には立ち会うことにしていると話す。
・星検役(ほしあらためやく)
星検儀の試験官。
・カラクリ(STR2『朧(オボロ)』)
第一次カラクリ計画における最終形。ハムスタアの生体脳を搭載している。二年の歳月をかけて製作された。守矢が星工となり星奉に投入されるが、力及ばず破壊される。
・カラクリ(STR4『吐月(トゲツ)』)
木村が製作した、星検儀の試験官役として仕合をする星型自動人形。星霊システムを採用したカラクリであり、星奮を実装した新型。木村の最高傑作だったが、主人公ハムスタア♂との仕合で破壊される。ニコライの協力で、ジェネラル・ロボの戦闘データが反映されている。持続制限のある偏移結界と、星奮によって発動する重エーテル砲を搭載している。
・カラクリ(STR5S『神威(カムイ)』)
星霊システムをクアッドコア化し、「七枝」、「九尾」、「望」、「鳴矢」の星霊と、星工・羅浦吾潟の魂を搭載、完全自律制御を可能としている。出力の向上により、偏移結界を常時展開可能。反対に偏移結界を有する忌名に対して時空照星システムで攻撃を可能とした。3対の腕のそれぞれに二門のエーテルガトリングとその他3つの武装を備える。第二次カラクリ計画の最終形。星検儀で節子達と決戦し、敗北する。
・星観役(ほしみやく)
ナトリの桔梗座における役職。
・星見櫓(ほしみやぐら)
桔梗座の屋敷の中に存在する蔵のような建物の中の、注連縄がかかった場所。もともとスタアライクはここで行われていた。現在は星検儀がここで行われている。
・月岩戸(つきいわと)
桔梗座の奥院。2600年の星奉の時期に忌名が現れた場所。
○大陸・国・地域名
・七曜大陸(しちようたいりく)
燈連邦や鏑がある大陸。かつては多くの国が国家間の戦争を繰り返していたが、形成された燈連邦によりほとんどの国がこれに連盟し、事実上の大陸統一がなされている。
・弥寅大陸(みとらたいりく)
羅海峡の東側に位置する大陸。超国家・伽藍が存在する。
・鏑皇国(かぶらこうこく)
機屋町のある国。東・北・南の三方を海に囲まれた半島の小国。堂摩・伊那・北神馬・南神馬の四地方からなる。かつては平地に天数夫が集まって暮らし、他種族は山間部に住んでいたが、後に平地へ合流、各種族固有の文学なども流入して独自の文化が形成された。国章は「鏑蛾」。星歴2606年9月17日時点では、大戦後に混乱に乗じて介入してきた燈連邦の立てた臨時政府によって動いている、実質的な占領状態。古くから伽藍とは海洋資源をめぐって争い、『七曜大陸の火薬庫』と呼ばれることもあった。
・白教(しろしえ)
燈連邦に連なる以前より、鏑の事実上の宗主国として対伽藍の軍事行動を支えてきた。鏑と白教は元々一つの皇家が分かれてできた兄弟のような国。白教が兄的存在。
・燈連邦(とうれんぽう)
燈藍を中心とした連邦。七曜大陸の国家のほとんどが加盟しているが鏑などの例外もある。これまで小国である鏑が伽藍と戦うことが出来たのは、西の連邦国家「燈」の後ろ盾によるところが大きい。かねてより鏑を連邦に吸収しようと目論んでいて、現在は鏑を間接的に支配している。燈連邦と伽藍は直接戦争をしたことはないが、隣の大陸の伽藍との摩擦を避けるため、鏑を直接支配はせず緩衝地域として残している。
・燈藍(とうらん)
燈連邦の中心的存在である大国。
・伽藍帝国(がらんていこく)
鏑の東の弥寅大陸の超国家。鏑と伽藍は海峡を挟み幾度と無く戦争を繰り返してきた歴史を持つ。
・羅海峡
鏑と伽藍を隔てる海峡。
・羅北海
鏑の北側の海域。
・羅南海
鏑の南側の海域。
・龍骨山脈
鏑皇国の地方を十字に隔てる山脈。貝殻山も山脈に連なる。
・北神馬(きたしんめ)
鏑皇国の北西に位置する地方。
・南神馬(みなみしんめ)
鏑皇国の南西に位置する地方。
・伊那(いな)
鏑皇国の南東に位置する地方。伊那平野を壊滅させた「緋の四月」以来は情勢が混沌としている。
・堂摩
鏑皇国の北東に位置する地方。節子の住む機屋市が存在する。
・機屋市(はたやし)
節子が住む綱場町が存在する市。綱場町をはじめとし、川沿いには林業が盛んだったころに定着した地名が多い。後に線路向こうで栄えた市街地よりも、かつての林業都市としての機屋市はむしろこうした名の土地にルーツがある。
・堂南市
機屋の隣市。「興行師の男性」がサーカスの裏で違法な商品を扱っていた場所で、興行師と暴力組織との関係が問題になっていた。
・綱場町(つなばちょう)
機屋市の町。節子が住む。職人長屋などとも揶揄され、酷いと廃村と言われることもあるらしい。綱場町、駅家町はかつて林業が盛んだったが、陸路での輸送が発達したことで、現在はその役目を終えている。
・駅家町(えきやちょう)
機屋市。莞爾とアジ君が住んでいる地区。綱場町、駅家町はかつて林業が盛んだったが、陸路での輸送が発達したことで、現在はその役目を終えている。
・機屋市市街地
淡島が住んでいる。
・方分横丁(かたわくよこちょう)
機屋市にあるアーケードに覆われた商店街。得物屋と精肉店と壊札屋があり、スター★ダム子が商いをしている。スタアライクの天幕があるバラック地区や、闇市にも近い位置関係にある。柄のいい場所と悪い場所の中間的な場所らしく、ジョーカー曰く、本当に恐いおじさん達がいるせいで、ある種の秩序があるらしい。方分横丁は楸川をまたいでできた水上バラックである。もともとこの場所は林業用の河川上プラットホームが造られるはずだったらしい。しかし、陸路での輸送が発達したことで、林業における役目を失い、大掛かりな桟橋は完成を待たずして建設中止となった。その跡地を不法居住者が勝手気ままに拡張したのが方分横丁である。殊に戦火に追われた難民が流入してからは規模が一気に増大し、方分横丁を門として楸川の東岸に一つの経済区域をなすまでにいたった。戦時下においては政府や自治体の取り締まりの手が回らず、また敢えて難民の受け入れ先として黙認されてきたことも、バラックの肥大化の一因である。桟橋内部は石造りで?水音が響く、迷路のような場所になっている。
・バラック地区
機屋市。スタアライクの天幕が存在する。廃品集積所もある。
・五芒町(ごぼうちょう)
桔梗座の屋敷がある町。現在は市街地と地続きだが、昔は森に囲まれていた。祭事を行う特別な場所だったともいわれる。
・楸川(ひさぎがわ)
方分横丁が上に建てられている川。
・曳山街道
機屋市を東西に通る街道。
・廿六木丘陵(とどろききゅうりょう)
市街地の西にある。柴神社が存在する。
・ういらう灘
機屋市とは他市にある、活子が買収した潰れかけの孤児院があった場所。
・伊那平野(いなへいや)
伊那地方。時枝湾のあった土地。「緋の四月」で壊滅。
・時枝湾(ときえわん)
鏑領で、羅海峡に面した湾。緋希石の埋蔵地であった。緋大戦の際に、埋蔵された緋希石の暴走により、時枝湾含む伊那平野は壊滅した。
・貝殻山
戦時中に集団疎開が行われた。
貝殻山の褶曲地層は国指定の天然記念物で、地理学の聖地。また、貝塚の堆積層は貝殻山の名前の由来ともなっている。貝殻山は希石の埋蔵地としても可能性の調査が進められている。
第拾弐話では節子達の修学旅行先となる。修学旅行の合宿先は学童疎開の為に整備された廃校。廃校の裏手には戦没者慰霊碑の佇む貝殻山墓地が存在する。麓には観光地も存在する。
貝殻山にはかつて傀儡子の一族が存在したが、時代とともに姿を消した。
○歴史・事件
・星歴(星暦表記も存在)(せいれき)
物語上の暦。第壱話から第陸話の仕合後の時点では2606年。星奉編第漆話は2607年から始まっている。
・窮鼠熱
星暦2600年に、堂摩地方を中心に蔓延し、不治の病と恐れられた熱病(工藤陣八など罹患後の生存者は存在する)。致死率が高く、死者2000人を出したと言われるがそれ以上とも。病名は鼠が媒介するという説から名付けられた。実際に窮鼠熱を発生させた元凶は忌名だと活子は語る。災厄の日には一部の人間が赤い光源を目にし、その中心地は機屋にあった。
・第三次羅海峡戦争(だいさんじらかいきょうせんそう)
鏑領内で発見された希石の埋蔵地を狙い、伽藍が鏑に侵攻を開始したことにより勃発した戦争。
・南神馬戦役(みなみしんめせんえき)
燈が鏑への戦争支援の代わりに希石埋蔵地の採掘権を要求したが、拒否されたことにより援軍の名目で白教軍が越境しようとし、鏑国境警備軍と衝突したことにより勃発した。
・緋大戦(ひたいせん)
第三次羅海峡戦争と南神馬戦役を併せて称する。呼名は、大爆発の元となった希石の高純度結晶「緋希石」に由来するとも、あるいは大地を焼き尽くした緋き太陽の如きものを指し示すものとも言われる。
・緋の四月
緋大戦で時枝湾が消滅した事件。希石の高純度結晶「緋希石」が爆発の元となった。遠くまで土砂が降り、伊那地方の空が赤く染まった。死者は四十万人を超え、負傷者は五十万人を超えるとも言われているが、正確な数は未だ判明していない。
・貝殻山集団疎開
戦時中、貝殻山には南北からの避難民が集中し、戦地の後方にありながら混乱を極めた。
物資が枯渇し、食料も医薬品も無いところへ病気が流行、少なくない命が失われた。病死者の多くは、お年寄りや子供だったと記録されている。
疎開では学校も存在したが、学童も野良作業に駆り出されるようになっていた。
○行事
・紫陽柴社の「夏祭り」
元々はかつて同地で起こった戦の死者の、鎮魂の為の祭であり、戦の起きた八月二十四日に毎年執り行われる決まりとなっている。
○種族名
・天数夫(あまかぞふ)
物語の世界人口の多くを占める種族。平野部で勢力を拡大した天数夫に対し、慧瑠夫、土倭夫、天狗は山や森を生活の場としていた。
・天狗(てんぐ)
元は山に住む種族で、膂力が強い。犬や狐のような耳を持っているのが特徴。
・慧瑠夫(えるふ)
元は山に住む種族で、耳長の種族。黒慧瑠夫と白慧瑠夫が存在する。鏑には黒慧瑠夫が多く、白慧瑠夫は異人という印象が存在する。現代語の元となった古語は慧瑠夫が作った言葉が原型とされる。賢い人種と言われ、伽藍でも白慧瑠夫は支配層に多く、ホワイトカラーなどという俗語もある。黒慧瑠夫は古来から錬金術がお家芸で、鉄器や貨幣と密接な関わりがあると語られる。ブラックスミスとも。鏑固有の古語表現にも錬金術の用語が多く含まれる。白慧瑠夫は鏑では敵国の人種のイメージがあるため、大抵は独自の集まりを形成して暮らしている。
・半慧瑠夫(はーふえるふ)
慧瑠夫との間の子。
・土倭夫(どわーふ)
元は山に住む種族で、腕の良い職人が多いとされる。がっしりした体格と濃い髭が特徴?ドワーフハムスタアの名称はこの種族を元にしており、がっしりした体格と濃い髭が特徴という設定がある。
・人鳥人
一種族。社会科の授業で紹介された他、スタアライクの会場にその姿が登場した。
○施設
・機屋第二小学校
節子が通う学校。駅家町の北に存在する。土曜日は学校が午前まで。動物の持ち込み禁止。
・機屋図書館
市街地に存在する。
・黒森珈琲(くろもりこーひー)
市街地の喫茶店。
・ういらう温泉
ういらうういすぷの昔話で有名。この世に未練を残した死者の魂が鬼火となって彷徨っているらしい。
・アモルフィス
天野が営む、方分横丁の地下にある得物屋。路地裏から薄暗い階段を下りた先の錆びた鉄扉の中にある。ガラス張りの陳列台の中に得物。店の裏は建設中だった桟橋の内部に通じている。
・加賀美精肉店
方分横丁の肉屋。店主は加賀美
・柴神社(しばじんじゃ)
柴神社は全国に存在し、全て戦場跡に建てられたもの。柴様はそこを巡っており、燕黒はそのお供である。
・献おでん(まつりおでん)
方分横丁の脇道の屋台通りにあるおでん屋台。犬肉をおでん種にしていたという噂がある。
・紫陽柴社(しようしばしゃ)
市街地を西へ抜けた先に広がる廿六木丘陵にある。町の人は柴神社と呼ぶ、由緒ある宮。紫陽柴社は全国の柴神社の一つ。茉莉はこの神社と由があるらしい。名前の由来は季節外れの夏の終わりごろに狂い咲く紫陽花で有名なことから。紫陽花は古の戦の傷跡を癒すため、兵の魂を天に導くために咲くものと云い伝えられている。柴神社の関係者には天狗が多い。
・ジョーカーの壊札屋
方分横丁の裏通り、鉄扉の中に存在する。ジョーカーの力によるものか、招かれざる客が来訪した時には店は扉ごと消え去る。
・野良ハムスタアの酒場
野良ハムスタアの溜まり場。阿鼻兄弟・兄の行きつけの場所。どんぐり酒なるものが提供されている。
・ラララ煙草店
綱場町のララの煙草屋。毒物取引の合言葉は「死ぬまで踊ろよタランテラ」。看板はひらがなで殴り書きされており、一見「ららら」に見えるが、「らうら」とも読めるようになっている。
・工藤貴金属加工(くどうききんぞくかこう)
方分横丁にある。表は副業で家族経営の居酒屋となっており、工房も壁が一面酒瓶で埋め尽くされている。シェフは陣八の父。主力商品は餃子。地下の倉庫は方分横丁地下の桟橋内部につながっている。希石の装飾加工が売り。略称はクドキン。
・景虎屋
市街地にある、桔梗座御用達の御菓子司。
・機屋第一小学校(はたやだいいちしょうがっこう)
学校。「一小」として機屋第二小学校とスタアライクの縄張りをかけて男子グループ同士で対決。一小は得物ありのルールを採用していた。
・庚子園球場
第拾弐話で作延と味埜が鷲羽の窓から見つけた球場。
・貝殻山墓地
貝殻山の廃校の裏手に存在する墓地。戦没者慰霊碑がある。
・機屋小学校
戦争前に節子達が通っていた学校。学校再開後は学区の分け方が変わっており、校舎はそのままで「機屋第二小学校」となる。
○団体・組織
・鏑の臨時政府
大戦後に燈連邦から鏑に介入してきた。現在鏑は臨時政府の下、実質的な占領状態にある。
・鏑駐屯軍(かぶらちゅうとんぐん)
安全保障を名目とし、鏑領内に駐留する白教の軍。白教が燈連邦に吸収された後も慣習として残る。南神馬戦役で軍事行動を実行するはずだったが、指令のルドニコフ准将が命令を無視したため動かず、結果的に鏑と白教の全面戦争は回避された。
・骸組(むくろぐみ)
北方のハムスタアの賊の集まり。かつてシューティングスターが鉄砲玉として所属。他の組との抗争に敗れ壊滅した。
・鏑軍(かぶらぐん)
鏑皇国の軍隊。記章は国章の「鏑蛾(かぶらが)」と、所属別のマークの組み合わせからなる。
・空色部隊
鏑軍の一部隊。記章は「鏑に朝顔」、通称「ヘブンリーブルー」。淡島の疎開先で話題に出ていた。「悪い子は空色部隊に連れていかれる」「子供を攫って少年兵に仕立て上げる」と淡島の疎開先の先生が脅し文句にしていたらしい。軍権を濫用した恐るべき人狩りの集団であり、戦時中マリアが所属していた。
・デスネル
黒藤がギター・ボーカルをつとめるバンド。『Guilty』はバンドメンバーによる作曲。
・リトル・スタアライク
機屋第二小学校の男子たちで形成されるスタアライクごっこの団体。ハムスタアの得物は無しのルールを採用している。作延莞爾がまとめ役だった。一小(おそらく機屋第一小学校の略)と縄張りを争って対立していた。
・貝殻山の傀儡子
かつては貝殻山に存在した、死者の魂を降ろすことで木偶に手を触れずに動かすといわれる芸能の一族。「伊座谷美那」とは全盛期の貝殻山を代表する女流の傀儡子で、古くから受け継がれてきた名。傀儡子の才、青い星虹は血筋に拠るところが全てであるという。「四魂活殺」は、傀儡の奥義。
○テクノロジー・エネルギー・希石
・希石(きせき)
数十年前にその応用技術が全世界にエネルギー革命をもたらすこととなった化石燃料。星歴2500年代に希石を燃やすエネルギーを利用した蒸気機関が発達。2607年時点の蒸気機関車にもこの技術が用いられている。蒸気機関は発電機にも応用され、電気時代の幕開けとなった。電気技術も発達し、電車なども登場。希石の確保は各国の重要課題となる一方、争いの原因にもなる。時枝湾での事件以降、世界中で扱いの見直しを検討されている。希石の結晶は二十面体の形をしているのが特徴。
・電希連鎖(でんきれんさ)
高純度の希石から電気を直接取り出す技術。2607年時点の三十年ほど前から注目され始めた。
・緋希石(ひきせき)
希石の高純度結晶で、時枝湾における大爆発の元となった。
・蒸気機関車
自家用車の一部がこれに当てはまる。
・電希機関車(でんききかんしゃ)
車。キエルフネリ号もこれに当てはまる。
・キエルフネリ号
白教製。一般車両では初の電希機関車で20馬力の出力を持つ。2607年6月時点の鏑国内では百台ほどしか出回っていないらしい。桔梗座も所有している。
・星型自動人形『カラクリ』
桔梗座が星奉に投入するために開発した、星を模した人形。
・武尊(ほたか)
戦で轟沈した戦艦。憂が賭博で手に入れた武尊の部品が、憂の家で五右衛門風呂として再利用される。
・ラジオ
実在の物と同様。
・テレビジョン
存在が言及された。節子の家にはまだ存在しない。
・輸送艦・鷲羽(ゆそうかん・わしゅう)
戦時中は海軍の所属で輸送任務を行い、機関砲を装備していた飛行船。強化ガラスも装備。現在は貨客船となっており、節子達が修学旅行で乗船した。
○ジョーカー関連
・ジョーカーのカード
ジョーカーが星工と星に与える力。全5枚。ジョーカーのカードの力を持ったハムスタアが死ぬと、そのカードはジョーカーの手に戻る模様。一方でカードの力を持ったハムスタアが生存している間も、そのカードを他の星工に譲ることができる。ジョーカー曰く、堕落に導く禁断の悪魔の力だという。
・壊札(えふだ)
ジョーカーが方分横丁の本通りを外れた脇道の鉄扉の店で販売。ジョーカー曰くジョーカーのカードと壊札はちょっと違うらしい。
○物品
・三ツ星ビール
得物「王冠」のビール。
・ガリアン・テイル
ジャン・ガリアンの得物。
・どんぐり酒
野良ハム酒場で提供されている酒。溜まり場のママの発言からすると、あまり強い酒ではないらしい。
・十字鎚(じゅうじつい)
赤十字の得物。
・妖刀・彗星
シューティングスターの匕首。
・カルチュア
主人公ハムスタア♀が持参した文化包丁。主人公ハムスタア♀の夫の遺品である。
・銘菓「ういらうういすぷ」
ういらう温泉の名物。
・「茸のカルデラ」「雪の宿場町」「カントリーファーム」「助六餅」「卒塔婆ぼうろ」「汁粉サンダー」「国策熊猫」「ホワイトロリヰタ」
保健所に山積みされていたお菓子。
・チェリ王
秘密基地に置かれていた瓶。
○その他
・星虹(せいこう)
眼の色が変化する現象。眼が特殊な力を持つ事例もある。奇病の一種とされるが、医学的には何一つ解明されていない。物語で確認されているのは琥珀色と青色。萬堂は星工が星虹の語の由来であるかもしれないと推察している。
・琥珀色の瞳
活子は日向の琥珀色の瞳はあの世と繋がっているのだと話している。物語中で琥珀色の瞳を持っている描写があるのはジョーカー、忌名、「発作」時の日向、主人公ハムスタア♂を奮っている際の臨死応戦・再臨発動時の節子と主人公ハムスタア♂、天野、ジョーカーの「親戚」、工藤陣八。ジョーカーは天野の取り込んだ眼を「呪い」とも語っていた。
・青い目
美那と媛菊がもっていた。また、節子と主人公ハムスタア♀がもつようになった。他には星霊に憑依された人物が発現。青い目を通して星工と星は視界を共有できる模様。節子の場合は、青い目の力は星工側に大きな負担がかかる。青い目については天野曰く「時空の扉を開く鍵」「偏移の力」であり、ジョーカー曰く「未来を映す望遠レンズ」「無間の扉を開いた」「まかり間違えば狂気の扉をも開きかねない危険な代物」。活子は「星奮の極みを見てしまった者が患うという、青い目」と語っていた。萬堂との話では、星工の共感能力が閾値を超えると青色が発言し、節子の虹彩の形の変化はその前段階ではないかと考察していた。偏移結界に対抗して、時空間の焦点を捉えるという使い方ができる。逆星乗で発現した星虹でも星乗の像や羅浦などを見ることができる。♀は、星虹のリスクは星工が抱えており、ハムスタアの言語などの翻訳は星工の脳に大きすぎる負担がかかるのではないかと危惧していた。
・方分新報(かたわくしんぽう)
方分横丁の商店会が発行する新聞。スタアライクのネタが多く掲載されている。
・蒼竜の志士(そうりゅうのしし)
慶維川柳(よしつぐ せんりゅう)作の娯楽小説。新聞の朝刊に掲載されていた。歴史上の人物の活躍を描いた作品であり、元は政府が新聞社に書かせたプロパガンダ小説としての側面があった。主人公が「虎穴に入らずんば~」と言うくだりがあり、名場面の台詞として流行した。
・偏移結界
通常攻撃を無効化する。時空間の焦点をずらし、攻撃を阻む壁のようなものらしい。壁は内側からの干渉も遮断するらしく、実際にカラクリ神威の攻撃時には結界の切れ目がある。カラクリの「時空照星システム」や、青い目の星虹の力などによって時空間の焦点を捉えれば、結界を越えて攻撃を届かせることが出来るという。
・海影流抜刀術(みかげりゅうばっとうじゅつ)
マリアの母方の家系が伝える剣術。
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