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統合戦略2 月次小隊6
[アブサント]あっ、ヘラグ将軍。
[ズィマー]……将軍?
[ヘラグ]ハハハ、どうやらその呼称が広まっているようだな?
[ヘラグ]確かに私はかつてウルサスの軍人だった。しかし、今はロドスに従う一介の武人だ。
[ズィマー](足音)
[アブサント]えっ、ズィマー待って……どこへ行くの?
[アブサント]……ごめん、恐らく彼女はウルサスの話を聞きたくないんだと思う。もうだいぶ時間も経ってるのに。
[ヘラグ]彼女もペテルヘイム高校の出身なのか? レユニオンの『大尉』はあの学校の保護を要求していたと言ってたが。
[アブサント]そうだよ……えっ? ど、どうしてため息なんかつくの?
[ヘラグ]私たちのような人間は、子供たちのことを守れなかったと知ると無念に思うのだよ。
[ヘラグ]だが君たちがうまくやっているようで安心した。この陸上艦で君たちと同年代の学生は数人しかいない。ましてやウルサス人ともなるともっと少ないからな。
[アブサント]うまくやってる? ……ま、それなりってところかな。
[アブサント]少なくとも彼女たちと知り合ってからの私は……多くのものに価値があるかどうかをそこまで頻繁に疑わなくなったし。
[アブサント]ふぅ……ズィマーの様子を見てくる。
[ズィマー]いつも言ってんだろ、アタシのことをつけ回すんじゃねぇよ。どうせ自治団の他の奴と同じように守ってほしいってんだろ? とっくにオーケーしたじゃねぇか。
[アブサント]違うよ。そもそも私はあなたの保護を必要としていない。たとえあなたが弱者を守る『冬将軍』だとしても、私は弱者じゃないもの……
[アブサント]……あっ、わかった。『冬将軍』がさっき本物のウルサス将軍に会っちゃったから、気まずくなったんでしょ?
[ズィマー]……違ぇよ。
[ズィマー]勘違いすんな。アタシはただうぬぼれた奴だって思われたくないだけだ。そのあだ名もアタシが自分で付けたわけじゃねぇ。
[ズィマー]でもアタシだってこれから戦功を挙げて、昇進してサッシュをもらってやる。たとえウルサスじゃなくてもな……
[アブサント]そういえば、ヘラグ将軍が言ってたらしいだけど、彼はまだウルサスの勲章を持ってるんだって。
[ズィマー]まだ持ってるのか? どの戦争があいつにとってそんな重要なんだ?
[アブサント]ヘラグ将軍は自分の過去について話さないから、その勲章がどの戦争でもらったものなのかは私も知らない。
[アブサント]でもヘラグ将軍の口ぶりだと、子供たちを連れてチェルノボーグを離れる時に、お金に換えられるものをできるだけ集めただけみたい。
[アブサント]もしロドスとの協力が失敗したら、別の道を見つけなければならなかったわけだし。
[ズィマー]は? 勲章を売るだと?
[アブサント]うん、ヘラグ将軍は、診療所の子供たちに必要なのは薬と冬の暖炉であって、自分の過去ではないって言ってた。
[ズィマー]……あそこにいた時に、感染者を治療する診療所があるなんて聞いたことなかった。
[ヘラグ]それは良かった。ということは、かつて君と診療所の子供たちは、全員安全な環境に住んでいたということだからな。
[ズィマー]あっ、ジジィ──ヘラグ将軍。
[ズィマー]あそこは「かつて」安全だった……だが今じゃ何もねぇ。もうその話はするな。
[ズィマー]おい、ウルサスの将軍のサッシュ、アタシにも見せろ……じゃない、見せてくれ……ください?
[ヘラグ]喜んで。だがすでにウルサスを去っているのでな、今はただの赤いリボンにすぎん。
[ヘラグ]若者の間では「将軍」は褒め言葉ではないと聞いているが。
[アブサント]最後のあの時、いつまで経っても軍は街に騒ぎを鎮めに来なかったから、みんな失望してるんだ……
[ズィマー]だがそれ以前から正直、誰も軍をそんなに信用してなかったけどな。
[ズィマー]だけど、そんなことはどうだっていいさ。アタシはあいつらが付けてくれたあだ名を気に入ってる。
[ズィマー]……自分と本物の将軍にすげー差があるのはわかってる。別に今アタシを見下そうと構わねぇ。
[ズィマー]だけど、アタシは自治団のみんなを守る。目の前のすべての障害をぶっ壊す。これは嘘じゃねぇ。
[ヘラグ]君がそこまでこの称号が好きというなら、このサッシュを持って行ってもいい。
[ヘラグ]だが、これは戦争中に二つに断ち切られており、何の価値もない。もっといいものをプレゼントしてやるべきかもしれん。
[ズィマー]じゃあ──じゃあ本をくれ。オマエは本を書いていると、イースチナが言っていた。みんな見たがってんだ。
[ヘラグ]私が書いた本? 過去に関する本だ、読む価値などない。
[ヘラグ]未来について書いてある本が他にあるかもしれん、探しておくとしよう。
[ヘラグ]キャンディでもなめるか? たくさん種類があるぞ。
[ズィマー]……いらねぇ。キャンディは嫌いだ。
[アブサント]……私も。
[ヘラグ]甘さに罪悪感を感じる必要はない、君たちはまだ子供なのだから。
[ヘラグ]ウルサスの冬は長く、そして寒い。しかし我々は雪が解けるその日のために冬を耐え抜くのだ。
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