aklib_story_光冠残蝕_10-4_砲声の警告_戦闘後

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光冠残蝕_10-4_砲声の警告_戦闘後

都市防衛砲の爆撃の中、ダブリンは大きな損害を被り、撤退せざるを得なかった。そしてアーミヤとドクターたちも謎の人物によって地下へと「拉致」されるのだった。


[ダブリン兵士] あっ! 昇降機が倒れて――

[ダブリン兵士] もう少しずれていたら、お、俺の足が……

[マンドラゴラ] ……掴まりなさい。

[マンドラゴラ] あたしじゃなくて造物に掴まりなさいって言ってるのよ!

[マンドラゴラ] このバカ……あたしまで道連れにする気じゃないでしょうね! バランスを考えなさい! あんたたちを連れてると、ただでさえ浮くのが難しいんだから!

[ダブリン兵士] じょ、上官……ありがとうございます……

[マンドラゴラ] 次はもっと素早く動きなさい、面倒かけないで。

[ダブリン兵士] 上官、危ない!

[マンドラゴラ] なにこれ……砲弾?

[マンドラゴラ] いや、普通の榴弾砲よりもはるかに威力がある……

[マンドラゴラ] ……それに、この狭いエリアだけを狙ってる?

[マンドラゴラ] ……

[マンドラゴラ] マンフレッド……最初から見てたのね!?

[マンドラゴラ] あの陰湿なクソ魔族っ!

[マンドラゴラ] 聞きなさい、全員行動停止して! サルカズたちはもう追わなくていいわ、運転手は……

[マンドラゴラ] ……もう死んでるじゃないのよ。

[マンドラゴラ] ついてない……ほんっとに。

[ホルン] ……

[ロンディニウム市民?] 中尉、こ、これは……

[ホルン] …………

[ロンディニウム市民?] 都市防衛砲がどうして……

[ホルン] ……ロンディニウムの防壁は建設されて七十年近く経っているわ。

[ホルン] でもこんなの初めてよ……

[ホルン] 防衛砲が……本来外に向けられるべきものが、市内に発射されるなんて。

[マンフレッド] 素晴らしい威力だ。

[マンフレッド] 一割程度の火力でも、普通の構造物はやすやすと熔解する。

[ヘドリー] ……ロンディニウムの都市防衛兵器だからな。

[マンフレッド] しかも副砲にすぎない。

[マンフレッド] 我らの武器専門家が言うには、もし主砲を起動できれば、どんな高速戦艦の装甲だろうと簡単に貫通できるそうだ。

[ヘドリー] 武器専門家……あの都市防衛軍工兵隊の将校のことか?

[マンフレッド] 君が彼とその家族を捕らえてくれたおかげだ。

[ヘドリー] ……彼はまだ生きているのか?

[マンフレッド] サルカズにとって利用価値がある限り、死ぬことはない。

[マンフレッド] 砲兵、十一番昇降機に狙いを定めなさい。

[マンフレッド] ……ずれたか。

[マンフレッド] 残念な結果だ、精度はまだ改善せねばならない。

[ヘドリー] これらの砲口は、元々外敵に向けることしか想定されていなかったからな。

[マンフレッド] 外敵……我々がロンディニウムに入るまでは、これら都市防衛砲の照準は外の大公爵の軍隊に向けられるものだった。

[マンフレッド] 我々が公爵たちの争いを鎮めるという名目で都市に入った時、この大砲は沈黙を保ったまま起動すらしなかった――

[マンフレッド] それでも外敵に向けていると言えるのか?

[ヘドリー] ガリアの敗戦、そしてイベリアの斜陽の後、ヴィクトリアは長きにわたって実質的な外敵に対応する必要がなかった。

[マンフレッド] ああ、だからこそ殿下はこのような機会を我々に与えたのだ。

[マンフレッド] このように優れた兵器は、その機能を発揮させるべきである。装飾品として置いておくのではなくね。

[マンフレッド] 砲兵、移動目標に対する追跡機能を起動せよ。

[マンフレッド] 素晴らしい、成功だ。

[マンフレッド] 方向を調整するのに丸々一ヶ月もかかったのだ……

[マンフレッド] 幸い効果はおおむね基準に達している。

[マンフレッド] これらの兵器を支配下に置いている。つまり、我々は間違いなくロンディニウムの出入ゲートを掌握しているということだ。

[マンフレッド] すべての都市防衛砲の調整が終われば……鋼鉄の壁の陰に隠れられる者はもういない。

[ホルン] 砲撃はダブリンに引き寄せられてるみたいね。

[ホルン] これは……実験をしているの? 奴らの目的はまさか……検証したいだけ?

[ホルン] いえ、奴らの本当の目標はこのゲートではないわ。

[ロンディニウム市民?] 中尉、どうしますか?

[ホルン] ……引き続き都市の内部に向けて撤退よ。

[ホルン] ただ……サディアン区内の他の場所も、もう安全ではない。

[ホルン] サルカズのロンディニウムに対する支配は厳しくなっているわ。都市防衛砲の照準が都市内に向けられている限り、私たちの命は常に奴らに握られているの。

[ホルン] ただし……

[ロンディニウム市民?] 何か考えがあるんですか、中尉?

[ホルン] 何でもないわ。行きましょう、話は撤退してからよ。

[マンドラゴラ] ウザったい城壁と砲撃ね!

[ダブリン兵士] 上官、造物がまた粉砕されました……

[マンドラゴラ] まったく……次から次へと!

[マンドラゴラ] ぼさっとしてないで、逃げなさい、できるだけ早く!

[マンドラゴラ] ……あたしたちを無理やり追い出す気ね? マンフレッド、今日ここであたしをもてあそんだこと、いつか必ず……

[ダブリン兵士] 上官、たった今見覚えのある人影が反対方向に走っていきました……

[マンドラゴラ] あいつ……ブラウンの髪のループス? あいつなの!?

[マンドラゴラ] 止めなさい――

[マンドラゴラ] うっ!

[ダブリン兵士] 上官、危ない!!

[マンドラゴラ] あんたなにバカなことしてんの!?

[ダブリン兵士] 上官、私が止めます。あなたは早く、行ってください……あなたはまだリーダーのために……さ……探し……

[マンドラゴラ] ……うん。わかったわ。

[マンドラゴラ] あんたは十三人目よ。

[マンドラゴラ] あんたたち十三人のターラー人の命は、リーダーに代わってあたしが覚えておく。いつの日か、あたしがこの手で、倍以上にしてサルカズから取り立てるから。

[サルカズ戦士] 将軍、ダブリンの部隊を完全に追い払いました。

[マンフレッド] ああ、見ていた。

[サルカズ戦士] ですが、反乱軍が見つかりません……あの狡猾な害虫どもめ! ほんの一瞬姿を見せて、都市防衛砲が起動すると、またどこかへ消えました。

[サルカズ戦士] あるいは……奴らはすでに死んでいる可能性も?

[マンフレッド] そう思うのか?

[サルカズ戦士] わ……我々の仕事はそう楽なものではないと思っております。

[マンフレッド] わかればよろしい。

[サルカズ戦士] では逃げた群衆に紛れているのでしょうか? 巡回隊に知らせて、一般市民を止めて捜索を続けさせますか?

[マンフレッド] 必要ない。

[マンフレッド] ゲートへの砲撃を続けるのだ。そうだ、火力を上げてな。

[サルカズ戦士] 火力を上げる? ゲートはすでにぼろぼろです。人が隠れているとは考えにくいですが……

[マンフレッド] 徹底的に潰せば、今後奴らがこの道を使うことはなくなる。それに剣を半分しか抜かないサルカズなど見たことがあるか?

[マンフレッド] 剣を抜いたからには、奴らにしかと見せてやろうではないか。我らの力をね。

[ヘドリー] ……あえて力を示すか。あなたは……奴らの退路を断ち、自ら出てくるよう迫るつもりだろう。

[マンフレッド] かくれんぼにはもう十分付き合った。私が耐えられたとしても、殿下たちや王庭たちはもうこれ以上は待てないだろう。

[マンフレッド] どこの誰でもいい、企みがある連中はさっさと出てきてほしいところだ。

[アーミヤ] ドクター、この付近に確実に安全と言える場所はありません。

[アーミヤ] たとえ全員がこの構造体の下に撤退できたとしても……

[クロージャ] ……いつこの砲撃に貫かれちゃうかわからないよ!

[クロージャ] ざっと計算してみたけど、あの大砲が火力全開で撃ったらね、あたしたちの頭の上のこの壁どころか、ちゃんとした移動都市の地盤も貫いちゃうよ!

[クロージャ] シージちゃん、君たちロンディニウムの大砲はほんと冗談きつすぎだよ!

[シージ] ……大規模に起動しているのは私も初めて見た。

[クロージャ] つまり、あたしたちは手厚い歓迎を受けてるってことかな?

[シージ] これ以上のもてなしを受ければ、我々は城壁から五十キロの場所で跡形もなく消えるだろうな。

[クロージャ] うっ……

[クロージャ] わああもう無理だよ――!

[クロージャ] アーミヤちゃん、あたしのドローンでもこの基盤構造は補強できないからね! こんなドッカンドッカンやられてたら、いつ吹っ飛ばされちゃってもおかしくないよ!

[アーミヤ] ここから離れなければいけません。

[アーミヤ] ダブリン兵も素早く撤退しています……ですが彼らはアーツの造物を遮蔽物として利用しています。そして負傷した兵士を置き去りにしている……

[ロンディニウム市民] うぅ……あぁ……どうして私たちがこんな目に……

[ロンディニウム市民] みんなここで死ぬの?

[シージ] ここの市民たちを見捨てるわけにはいかない。

[アーミヤ] 偵察チームのみなさん、砲兵を見つけましたか?

[アーミヤ] ダメでしたか……

[シージ] 恐らく砲兵は見つからない。

[シージ] ロンディニウムの都市防衛砲は、この目の前の壁と一体になっているんだ。

[アーミヤ] ……つまり壁を登るか、もしくは内部に入ることができなければ、この砲撃は止められないということですか?

[ドクター選択肢1] 砲撃の中で壁を登れる者はいない。

[ドクター選択肢2] 内部に入る方法は見つからない。

[インドラ] こんなとこで隠れても死んじまうだけだ!

[インドラ] なんなら俺が出て砲撃を引きつけるか? 俺なら、少なくとも数分は持つだろ……

[シージ] ダメだ。

[ダグザ] ……インドラ一人でダメなら、私たちも一緒に行けばいい。

[モーガン] あんたたち、余計なことしないでくれない? ダグザちゃんさ、インドラちゃんと一緒にいすぎて、頭の中にまで筋肉になっちゃったのかな?

[ダグザ] うっ……

[モーガン] もし誰かを囮にしたくらいで解決するなら、とっくに他の人がやってるでしょ。

[モーガン] 吾輩たちの防具はね、せいぜい正規軍の矢を二発しのげるくらいの強度だよ。これでもエンジニア部のみんなが数ヶ月頑張った結果だから……

[モーガン] あんたたちそんなに死に急ぎたいなら、そもそもロンディニウムまでついてくるなって話だよ!

[インドラ] ……

[インドラ] わかったよ。でもヴィーナは絶対にこんな場所で死なせねぇ!

[インドラ] 俺たちはまだ……家の門すらくぐってねぇんだぞ!

[ドクター選択肢1] 君たちが出ても確かに意味がない。

[ドクター選択肢2] まだそんな話をする時ではない。

[シージ] ドクター、何か考えがあるのか?

[ドクター選択肢1] ドローン。

[クロージャ] ドローン……あー、わかった……やっぱり、そういう方向性ね。

[インドラ] それってどういう意味だよクロージャ? ドクターはぺちゃくちゃ話す方じゃないけどよ、お前まで何も言ってねぇのと同じしゃべり方すんなって!

[クロージャ] ごめんごめん、計画を考えてたんだって。

[クロージャ] この大砲はなかなか利口で、射程範囲もこんなに広いんでしょ。つまり完全に手動照準なんてのはありえないんだよ。だからきっと何らかの方法でターゲットにロックオンしてる。

[クロージャ] 一人二人が出てったところで、砲撃をあたしたちからそらすことはできないよね。

[クロージャ] でももしあたしのドローンが全部出動すれば、照準アルゴリズムの判定で、ドローンの脅威度があたしたちの小隊と市民全員を合わせたものを超えるかもしれない……

[インドラ] 「かもしれない」だけか?

[クロージャ] そんなの誰も保証できないもん!

[ロドスオペレーター] クロージャさん、補強は失敗だ。ドローンの耐圧限界を超えたぞ!

[ロドスオペレーター] 三十秒もしないうちに、この基盤は崩れる……

[アーミヤ] やってみるしかありません。

[アーミヤ] 全員撤退準備をしてください、ドクターの指示に従って。

[クロージャ] 五、四、三――

[クロージャ] 二――

[ドクター選択肢1] 行こう!

[クロージャ] ドローン発射!

[アーミヤ] みなさん走ってください!

[アーミヤ] ……成功ですか?

[シージ] これほどの短時間では、数歩も離れていない場所に移動した程度だ……この場所も先ほど同様いくらも持たないだろう。

[クロージャ] それに次のチャンスもないよ。あたしの大事なドローンたちも全部やられちゃったし。いくらこのあたしでも、ここで新しく作るのは無理だからね……

[アーミヤ] 前も後ろも安全とは言えません。爆撃エリアを抜け出すには、やはり大きなリスクを背負う必要があります。

[アーミヤ] ここを避けて通れるルートがあればいいのですが……

[???] あんたら道を探してるんだって?

[アーミヤ] えっ?

[シージ] 誰だ!?

[???] コータスのお嬢さん、少し話をしようか。

[???] だけどその前に、俺の体から武器をどかすよう部下に言ってやってくんないか。

[アーミヤ] あ――あなたは何者ですか?

[???] 自己紹介は後にしようぜ。

[???] 鋼の爪にナタ、それとこっちは……えーっと、ハンマーか? お姉さん、あんたの武器めっちゃカッケーな。けど俺の頭に向けるのはやめてくんね?

[シージ] ……

[???] でなきゃ、こっちの人の命が危ないかもよ。

[アーミヤ] ――ドクター!!

[ドクター選択肢1] え? 何が起きたんだ?

[ドクター選択肢2] ……

[ドクター選択肢3] 彼が言っているのは自分のことか?

[???] 誰も近づくなよ。

[???] あと一歩でもこっちに来たら、この人の後頭部はどっかんしてなくなるよ、いいね?

[クロージャ] ア、アーミヤちゃん、ドローンだよ……!

[クロージャ] あたしたちが見てないうちに、ドローンがこっそり回り込んで、ドクターの後頭部に貼りついたんだ!

[???] 尖った耳のお姉さん、あんた鋭いね。

[???] マジな話、あんたらにますます興味が湧いてきちゃった。

[アーミヤ] ……

[アーミヤ] みなさん、武器を下ろしてください。

[???] うん、それでオッケー。だけどさ、隅の方にあるクロスボウも忘れないでくれよな。賭けてもいいぜ、俺が姿を現わしてから、あんたらの狙撃手は一度もまばたきしてないだろ。

[アーミヤ] ……彼の言う通りにしてください。

[???] それでいい。

[アーミヤ] ――あの。

[アーミヤ] 信じてください。私たちがこれまで、見知らぬ人に積極的に危害を加えたことは一度もありません。ですが――

[アーミヤ] あなたがその人を傷つける気なら、私は武器を使わなくても、今すぐに、他者を脅かす能力をあなたから消すことができます。

[???] コホンコホンッ……

[クロージャ] え~っとね……この場所はもう十分すぎるほど危ないんだよ。戦う前にみんな爆発でぶっ飛ばされちゃうって!

[???] そうさ、もしここで仲良くサルカズがぶっ放す砲撃の餌食になりたくなけりゃ、武器を向け合ってる時間はないよな。

[???] そこで皆さんに、提案がありまーす。抵抗はやめて、俺と一緒に来てくんねぇかな。

[???] 目的地に着くまで、この方はお借りするよ――

[ドクター選択肢1] それは良くないと思うが。

[ドクター選択肢2] ……

[ドクター選択肢3] 断ってもいいか?

[???] わりぃ、今あんたに選ぶ権利はねぇの。いいから大人しくいい子についてきてくれって、フードくん。

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