aklib_story_暗黒時代上_0-7_感染_戦闘前

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暗黒時代・上_0-7_感染_戦闘前

一息つく間に、一同はレユニオンの奇妙な行動について討論をする。 そして、その中でドーベルマンは、彼らのリーダーが想像通りの人物であれば、これは始まりに過ぎないのかもしれないと指摘した。


[アーミヤ] ――空が、だんだんと暗くなってきましたね。

[アーミヤ] ここは開けた土地だというのに、あの雲は微動だにしませんし……なんだか、地平線を押し潰してしまいそうにすら感じます。

[アーミヤ] こうして見ていると、人々の抑圧された感情が凝縮されて生まれた雲のような気がして……

[アーミヤ] ……風も止んできましたし、これは……

[ドーベルマン] 天災の前兆と見て間違いないだろうな。

[ドーベルマン] しかし、こうした兆候があれば、普通は天災発生の数週間前には退避を始めているものだ。この規模の移動都市なら、区画同士の連結を切り、分散するのが基本だが……

[ドーベルマン] それらしい動きがまったくないのが気にかかる。チェルノボーグの行政は、レユニオンによって完全に麻痺させられていると見るべきかもしれんな。

[ドーベルマン] とはいえ、そうなると……奴らはそれほど前から動いていた、ということなのか……?

[Ace] どうかな。あまり現実的には聞こえん話だが。

[Ace] 何せ今のレユニオンには、隠密に長けた精鋭部隊がいるとは思えないからな。

[前衛オペレーター] ですね。だってあいつらの大半は……チェルノボーグ人に怒りをぶつけて、街を荒らし回るだけのチンピラみたいなもんですし。

[アーミヤ] けれどそれでも、彼らが繰り返す戦闘と殺戮は、都市全体に戦火を広げるには十分なものです。

[ドーベルマン] まったくだ。この上さらに天災が来てしまえば、いくら堅牢さで知られたチェルノボーグといえど――

[ドーベルマン] もはや見る影もなく、源石に冒された巨大な廃都市へと成り果てることだろう。

[ドーベルマン] レユニオンの求めているものが資源であれ名声であれ、こんなことをしたところで、何の得にもならんだろうにな。

[アーミヤ] ……それにしても、彼らには本当に、正面からあのウルサス軍に立ち向かえるほどの実力があるのでしょうか? 指揮系統が混乱している様子とはいえ、厳しい戦いになりそうですが……

[アーミヤ] 考えてみれば、そもそもウルサス側はなぜ、援軍を投入していないのでしょうか?

[ドーベルマン] 確かに……私の知る限り、通常こうした場合には、完全武装の憲兵団が集められ、瞬時に暴動を鎮圧していたはずだ。

[ドーベルマン] その憲兵団が、レユニオンの手で袋だたきにされる様子を見たばかりで言うのもなんだがな……

[アーミヤ] ……

[ドーベルマン] とにかく、だ。先ほど出くわした、レユニオンの幹部とおぼしき人物――彼女は相当の手練と見えるが、一つの都市を落とすに足る力量とは思えなかった。

[ドーベルマン] しかし、一つ気になることがあってな……

[アーミヤ] 気になること……ですか?

[ドーベルマン] うむ。……それを語るにはまず、以前経験した戦役での話をすべきだろう。

[ドーベルマン] その戦いの時――敵方には、今のレユニオンのリーダーと似たような真似をする指揮官がいた。

[ドーベルマン] 奴は兵士を単なる駒だと考えていて、用が済んだら捨てればいいとでも思っているようだった。

[ドーベルマン] ゆえに必要な時だけ効率的に運用し、そうでない時は放っておく……という姿勢でな。

[ドーベルマン] まあ、兵士たちの訓練や維持管理のコストというのは馬鹿にならないものだし、その削減を狙ってのことだろうが。

[Ace] へえ。ってことは、雇うだけ雇って基本は放牧状態ってわけか?

[ドーベルマン] その通り。あとは敵への憎しみと恐怖を餌にして、適当に養っておくだけでいい、というのが奴の思想だった。

[ドーベルマン] そうして、兵が必要になった時は、彼らの背中を軽く押してやれば――自ら手を挙げ、熱狂的な戦力になってくれるというわけだ。

[ドーベルマン] さて、話を戻そう。今述べたような観点から見ると――レユニオンの打ち出した謳い文句が、期待された通りの働きを見せた場合――

[前衛オペレーター] ……謳い文句、っていうと……

[前衛オペレーター] 「同じ制服、同じシンボルを身につけるだけで、感染者は誰でもレユニオンになれる」……とかいう、アレですか?

[ドーベルマン] そうだ。

[ドーベルマン] 言うなれば、レユニオンは……その言葉に誘われて、賛同者となった人々を、いくらでも兵力として動員できるのだろう。

[ドーベルマン] 抑圧され、声を上げたがっている感染者は多くいる。――レユニオンが彼らにもたらす道が、どんなものだろうと……

[ドーベルマン] 出口を求め続ける人々にそれを与えれば、皆そこから飛び出そうとするものだ。たとえその外に火の海が広がっているとしても、な。

[医療オペレーター] そ、そんな……

[ドーベルマン] ――Dr.{@nickname}。その点において、お前と私との関係は、こうしたものとは違う。

[ドーベルマン] 私はまだお前を完全に信用しきったわけではないが、その能力には信頼を寄せている。だからこそ、指揮を任せているんだ。

[ドクター選択肢1] ......

[ドーベルマン] ……関係性もさることながら、お前と向こうの指揮官は、根本的に違う。

[ドーベルマン] どう考えても、奴らのリーダーは真っ当な指揮官ではないからな。

[ドーベルマン] 向こうは敵ばかりか、味方の命まで蹂躙するような奴だ。……ともすれば、味方どころか奴隷だとでも思っているのかもしれないが。

[ドーベルマン] ……ああ、いや。恐らくは奴隷ですらない、か。そのリーダーからすれば、暴動を起こした構成員たちは皆、単なる駒に過ぎまい。

[ドーベルマン] まったく……これでは「リーダー」というより、「暴君」と呼ぶほうがふさわしいだろうな。

[Ace] ハハッ。俺たちからすりゃ、何が相手でも変わらんさ。結局は自分の仕事をするだけだ。

[Ace] ひとつ、いい言葉を教えてやろうか? ある人の受け売りなんだが――

[Ace] 「チェスの駒ならそれを取り、砦であれば攻め落とし、王権ならば打ち倒せ。」……ま、つまりは、目の前のことをきちんとやれってこったな。

[ドーベルマン] ! ――待て、あれは……

[Ace] ……Dr.{@nickname}、正面に敵方の軽装甲部隊を確認した。

[アーミヤ] こちらに気付いた様子はありますか?

[Ace] いいや、まだ気付かれちゃいない。

[ドーベルマン] とは言っても……

[Ace] ああ、交戦は避けられんだろうな。最短ルートで進むには、ここを通るしかない。迂回する時間もなさそうだ。

[ドーベルマン] 了解。であれば、自分の仕事をするとしようか。――相手が何であろうが、立ちはだかるなら排除するのみだ。

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