aklib_story_喧騒の掟_CB-10_111A.M._戦闘後

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喧騒の掟_CB-10_1:11A.M._戦闘後

ペンギン急便が一丸となり、最終的にはバイソンの執事が撃ち込んだ鼠王への奇襲のおかげで鼠王を撃破した。バイソンは命を捨てて鼠王が残した爆弾を解除しようとしたが、その真相はあまりにも衝撃的なものだった。


[ジェイ] 俺ら……こうして見てるだけなんかね?

[ワイフー] こうして見てるだけなんです。どういうことか分かりませんが。

[ジェイ] でもどうせ無関係の人が巻き込まれることはねぇと思うけどな。

[ジェイ] あーあー、こんなにたくさんの食いもんが、無駄になっちまってよ……。

[ワイフー] こんなに無駄になっているのを見て、私も心が痛いです。ですがなんとなくこの殴り合いも、パーティーの一部に見えませんか?

[ジェイ] 事前に仕込まれたもんかね?

[ワイフー] でもそうは見えないですね。あ、誰か飛び出して来ましたよ。

[ジェイ] お?

[マフィア] うお……! なんだよ……相手を間違えた……みてぇだな……。

[ジェイ] ここでボーっとしてんのも、あんまり安全じゃねぇ気がすっけど?

[ワイフー] どうせ事務所に戻っても何もできないでしょうから。もうすぐ夜も明けますし。

[ジェイ] ところで明日はテストじゃなかったか? 午後からかい?

[ワイフー] ……。

[ワイフー] ……まずい。

[イース] そちらのお二方は、この茶番劇の関係者ではなさそうですね。

[イース] ここから離れるように進言するべきです。場合によっては怪我をするかもしれませんし。

[???] ……待って、あそこのお腹に穴が開いて倒れている人、ペンギン急便のエンペラーでしょ?

[???] 彼は死んだのに、あなたは慌てないの?

[イース] 慌てる? 必要ありませんね。

[イース] 毎月何回か自分から危ない目に遭っているのですよ、エンペラーさんは。我々にとって、もう日常みたいなものなんです。

[???] 彼が死んだとしても?

[イース] ええ。

[???] ……モスティマは、あなたたちに近づくべきではなかったかもしれない。

[イース] 彼女を心配しているんですか?

[???] 私はただ、彼女が異常なことをしてないか、確かめに来ただけ。

[???] でも、そうね。彼女は昔から演技が下手だから。あれだけ普通にしている以上、そんなに気をつけるべきことでもないかもね。

[???] じゃあ先に行くわ。それから、私がここに来たことは彼女に言わないで。落ち着いたら私から会いに行くから。

[イース] ……行ってしまいましたね。

[イース] 突然現れ、突然質問し、突然去っていく。

[イース] 最近のラテラーノはこんな感じに変わったのでしょうか?

[鼠王] ……ふぅ、君のような若者が少し羨ましくなったわい。

[鼠王] お主らは、いつも好き勝手に自分の往く道を決めるが、自分がどんな状況に置かれているのかは、全く顧みないのう。

[モスティマ] 私だって、ちゃんと仕事はしてるよ。

[鼠王] だがお主の裏を探ることのできた者は、誰もおらなんだ。

[モスティマ] もし本当に何かを探し当てたとしたら、それこそ一番面倒なことになるんだよ。

[鼠王] なるほど。確かに詮索すべきでないこともあるかもしれぬな。特にトランスポーター・モスティマが関わってる時はのう。

[モスティマ] これなに? 職業差別?

[鼠王] ただの経験則というやつだわい。

[鼠王] さて、今はしばし休戦といこうかの。

[モスティマ] うっ。

[モスティマ] アーツが抑えられた……?

[モスティマ] なんだ、ずっと手加減していたのは貴方だったのか。

[鼠王] それはお互い様だろうて。

[鼠王] だがお主の時間稼ぎは十分だったようじゃの。

[普通そうな住民] このクソガキ、どうしてこんなにしぶといなんだ……うっ……。

[バイソン] ハアッ、ハアッ。忍耐力なら、ぼくは、誰にも、負けない。

[モスティマ] うん、良くやってるね。

[モスティマ] よくもまあ、あんなにたくさんの敵をこんなに早く倒せたね。

[エクシア] ったく、もう一人で消えるなんて許さないから!

[エクシア] それにこいつが今回の黒幕でしょ? 一発殴ってやらなきゃね!

[クロワッサン] 今日の運動量はホンマ想定外やったわ。うぅ……請求書の長さもやけど。

[クロワッサン] テキサスはん、今夜は清算できひんもんがめっちゃ多い気がすんやけど……。

[テキサス] 私に聞くな、ボスに聞け。

[ソラ] でもボスは死んじゃいました……。

[テキサス] ……じゃ後に回そう。

[ソラ] そういえば、ボスの死体を回収しなくていいんですか? あんな風に地面に横たわって踏まれたりして、ちょっと可哀想……。

[鼠王] 皆、揃っておるようじゃの。

[鼠王] ……若者とは、いつも自分が正しいと思う道を選ぶものじゃ。

[鼠王] たとえ逆境で大変な思いをしても、いつも頑ななのじゃからな。

[エクシア] あの人何言ってんの?

[モスティマ] ご老人のお小言さ。忘れていいよ。

[鼠王] ではそういうことにしておこう。安魂夜は楽しめているかのう?

[クロワッサン] まぁまぁやな。二日酔みたいに、次の日のことを考えたらアカン。

[ソラ] だからあの、ボスの様子を見に行く人はいないの?

[鼠王] ……ペンギン急便、本当に捉えどころがない連中じゃの。

[モスティマ] 今さら気にしても仕方ないでしょう?

[モスティマ] ペンギン急便はペンギン急便。今回の喧嘩が始まった理由も、ただボスのセンスに文句をつけた人がいたから。それだけのことさ。

[バイソン] え? そうなんですか?

[モスティマ] 自分の美学を守るためなら命も惜しまない、それがエンペラーって存在でしょうね。

[鼠王] 少なくとも人を驚かせることに限っては、お主らはワシに失望させたことは一度もない。

[エクシア] うおわっ! どっかから砂が!

[ソラ] まだ余力があったの? あの人……。

[テキサス] ……そう、だから真面目にやれ。今までの小競り合いとは全くの別物だ。

[テキサス] 一瞬たりとも気を抜くな。

[テキサス] 油断したら死ぬぞ。

[鼠王] せっかくの安魂夜じゃ。盛り上がらんとのう?

[鼠王] さて見せてもらうとしようか。エンペラーがいったいどんな変わり者たちを飼っていたのかを。

[テキサス] ——っ。

[テキサス] 剣が砂に触れた途端に折れた……。厄介だな。

[鼠王] フム、そうじゃ。これのおかげで、直接ワシに剣を向けようとする者は少なくてな。

[エクシア] ならこれはどうだっ!

[エクシア] あっ、やっぱり通じないか! クロワッサン、任せた!

[クロワッサン] ダメや。ウチのハンマーも、もう砂に絡み取られとる。ビクとも動かせへん。

[鼠王] 無駄な足掻きじゃよ。この程度かの? ペンギン急便。

[モスティマ] まだまだ、こんなもんじゃないよ。

[鼠王] ……フム。

[モスティマ] 砂の盾は破ったよ。今だ、エクシア。

[エクシア] オッケー、弾幕射撃ターイム!

[鼠王] ……複数の守護銃だと? 本当に面倒な天使だのう。

[バイソン] そうはさせない!

[鼠王] ほう? まさかこれを防げたとは。

[エクシア] サンキュ、バイソンくん!

[クロワッサン] ウチもいるで! お年寄りに容赦しぃひんでも、責めんといてや。

[クロワッサン] あぁ! やっぱ当たらんかったか!! テキサスはん!

[鼠王] そうはいかんぞ。

[ソラ] あたしに任せて、テキサスさん!

[鼠王] ふむ、声を使ったアーツか、なかなか面白いお嬢さんじゃ。

[テキサス] よそ見をしている場合か?

[鼠王] ——ほっ。

[鼠王] ……。

[テキサス] あの角度で、まさか避けられるとはな……。

[バイソン] でも直立不動だったあの人を、一歩は動かせましたよ。ずっと動かないのは、ちょっとナメられた感じでしたからね。

[鼠王] ……ふむ、ペンギン急便よ。

[鼠王] このコートはな。ワシの娘が贈ってくれたプレゼントなのじゃよ。

[鼠王] この長い間、こいつに触れられたのは、お主らが初めてじゃ。

[鼠王] 龍門にお主らのような若者がどれほどいるかのう。果たしてお主らはこの龍門で、どんな立ち位置を望むのかの?

[モスティマ] ありのままでいればいいんじゃない。それとも、貴方は怒ってる?

[鼠王] いや。ただ、複雑な気持ちではあるがのう……。

[鼠王] さて、夜の時間はもう残されておらんからの。そろそろ——。

[鼠王] ――!?

[ソラ] う、撃たれた?

[テキサス] ……あのスナイパーだ。さっきから、ずっといる。

[執事] ……目標沈黙いたしました。確認に参ります。

[バイソン] お前、どうして——!

[執事] ……バイソン様をお守りするためです。

[執事] バイソン様と敵との距離が近すぎました。奴はアーツを発動させようとしており、この距離ではバイソン様は無事では済まなかったでしょう。

[執事] バイソン様の安全を一番に考えるのが私の使命でございます。

[バイソン] ……まさか、ぼくはただの撒き餌だったの?

[バイソン] 父さんはこのことを知ってて、だからお前をぼくに付けた——。

[執事] バイソン様……。

[バイソン] ……。

[執事] バイソン様……。事実はバイソン様が考えていることと少し異なります。いつか分かる日がくるでしょう。私が保証いたします。旦那様はそのような考え方をお持ちではないと。

[執事] もちろん、ペンギン急便の皆様にもご説明が必要かと思います。とはいえ、今は鼠王の生死を確認する必要がありますゆえ、奴の遺体を引き取らせていただきます。

[テキサス] ……構わない。ボスは不在だし、お前の説明を聞きたいという奴はいないだろう。

[執事] ご理解いただき、感謝いたします。それでは、バイソン様、また後ほど。どうかお気をつけて。

[バイソン] ……。

[テキサス] ——バイソン、今はまだこの件について深く追究する時ではない。

[テキサス] 鼠王は何かプレゼントと称して、置き土産を遺していったようだ。忘れるな。

[モスティマ] 爆弾かもしれないね。あのシラクーザ人は爆弾大好きでしょう。

[エクシア] それちょっとまずいんじゃない?

[バイソン] 敵も完全に壊滅したわけではありません。むしろぼくたちを待ち構えているようです。これはどういうことでしょうか?

[バイソン] 鼠王は連れて行かれたのに、奴らはまったくそれに反応してないなんて……。

[テキサス] ……そうだ、まったく反応がない。ふむ……つまりそういうことか……。

[テキサス] 二手に分かれよう。ソラ、クロワッサン、エクシア、我々は残った敵を制圧する。

[テキサス] バイソンとモスティマは、置き土産を処理してくれ。

[テキサス] もうすぐ日の出だ、時間は限られている。

[バイソン] くそっ、いったいどこに——。

[モスティマ] 慌てないで。焦ってはダメ。

[バイソン] いま気付いたんです。ぼくは何も知らされてなかったと。

[バイソン] ……モスティマさん、もしかしてぼくたち、前にも鼠王と顔を合わせたことがありました?

[モスティマ] そうだね。

[バイソン] つまりあなたは最初から分かっていたと?

[モスティマ] あはは——。

[バイソン] 誤魔化さないでください!

[モスティマ] そう言われてもね。私はあの人が何を考えていたかなんて、当てられないよ。

[モスティマ] でも時間は残りわずか。近衛局も腰を据えたままではいられないだろうね。

[モスティマ] このあたりはもうゴチャゴチャだね。ウロウロしている野次馬もいるし、捜査なんてできないな。

[バイソン] ……ヴィクトリアのグミ、アソート缶、もしかしたら手がかりになるかもしれません。

[バイソン] でも常識的に考えれば、同じ罠を二度も使うのは、かなり愚かな行為かと。

[モスティマ] だったら、どうして?

[バイソン] もし、鼠王が本当に今夜起こる全てのことを予測していたなら、ぼくたちが最初に彼と出会ったのも偶然のはずじゃありません。

[バイソン] 最初から、彼はぼくたちと対話している。

[モスティマ] それが彼の罠なら、どうして私たちにヒントをくれたのかな? 筋が通らないよ。

[バイソン] ぼくにもわからないですけど、もしかしたらぼくたち、なりふり構わずにあの人と敵対すべきではなかったのかもしれません……。ただの直感ですが。

[バイソン] でも、ただの妄想というわけではありません。鼠王に会ってから、あの人はずっと何かを暗示しようとしていた……そう感じました。

[モスティマ] うーん……なるほど。確かにまったく手がかりがないよりかは良さそうだね。

[モスティマ] あった。

[バイソン] ……これが——?

[モスティマ] 幅八十センチ、高さ四十センチってところかな。鉄の箱にまで入れてるなんて——これは、ビッグサイズのビックリ箱ってことかな?

[バイソン] ぶ、分解できそうでしょうか?

[モスティマ] いや、私にもさっぱり。

[バイソン] 今すぐテキサスさんたちに連絡すれば、もしかして皆さん——。

[モスティマ] 間に合わないかもね。多分これは時限式なんだ。

[バイソン] 本当に爆弾なんですか!?

[モスティマ] なんか古臭いよね。あ、この形の話ね。もちろん、今起きてるこのこと自体もだけど。

[バイソン] クッ……モスティマさん、先に行ってください。

[モスティマ] どうするつもり?

[バイソン] 一か八かやってみます。

[バイソン] この盾は特製なんです。ぼくの身体も、まあまあ丈夫ですし、もし間違えたとしても、生き延びる可能性はあるかもしれません。

[モスティマ] 本気?

[バイソン] ええ。

[モスティマ] じゃあ私も見届けてあげるよ。心配しなくていい。本当に爆発してしまったら、私も損害を抑えられるかもしれない。

[モスティマ] これも仕事だからね。

[バイソン] わかりました。ふぅ——。

[バイソン] ——やりましょう!

[モスティマ] ……。

[バイソン] ……。

[モスティマ] どっちの配線を切るか決めた?でもこの色は、私の髪と似てるね。

[バイソン] うっ!も、モスティマさん!いきなり冗談を言わないでください! 危うく——。(パチン)

[バイソン] あっ。

[バイソン] カウントがゼロに! ぼくの後ろに隠れて!!

[モスティマ] はいはい。

[バイソン] うわっ——。

[バイソン] あれ? この衝撃、どうして、熱くないんだ——。

[バイソン] これは? キャンディ!?

[モスティマ] そんなことより着地の姿勢に気をつけてね。そうしないと怪我をするよ。

[ソラ] ねぇ、これ何の音?

[クロワッサン] なんやろなぁ。でも——うわっ! 空から人が降ってきよった!?

[バイソン] いたたた、これで今日何回目……あ! ご、ごめん!

[クロワッサン] まぁええわ、あんさんが無事なようでなにより……。ところで何遊んでんの? 人間大砲でもしとったん?

[クロワッサン] あたっ! なんやこれ?

[ソラ] ……飴?

[ソラ] 空からキャンディが降ってきてる?

[テキサス] はぁ、甘ったるい匂いが一層強くなったな。

[テキサス] お前ら、もうそろそろいいだろう。

[マフィア] ……わかった。

[エクシア] ん? んん? テキサス、もしかして何か知ってるの?

[テキサス] 知らないよ。ただ大体のことは予想できる。

[エクシア] えっ!! もったいぶらないで早く言ってよ!

[テキサス] 安魂夜はもうとっくに終わってたということだ。

[鼠王の部下] ……さて朝のヤムチャでもするか?

[マフィア] この時間にか? それなら屋上に登って、日の出を見ようぜ。

[鼠王の部下] お前らマフィアは本当に面白いな。屋上で日の出を見るのがそんなに好きだとはな……。

[マフィア] チッ。キャンディが頭に当たって痛てぇな——これはストップの合図だ、手を引くぞ。

[マフィア] 手を引くって言ったってなぁ、元々俺らが一方的に殴られてただけだよな。イテッ、全身痛てぇよ……。

[バイソン] 奴らが本当に止まったみたい。どういうこと? なんか変……。

[クロワッサン] なんや突然静かになりよったな? コイツらみんなアメちゃん好きなんか?

[バイソン] ……キャンディの雨が止んだ。

[モスティマ] 本当だ。あっという間だったね。もしこの空が本当にキャンディを降らせることができたらいいのにな。

[バイソン] キャンディが降ってきたのはいいとしても……。

[バイソン] ちょっと待って、結局あの爆弾は?

[モスティマ] これのこと?

[バイソン] え? まるごと外したんですか?

[モスティマ] ちょっと退いて。

[バイソン] モスティマさん!?

[モスティマ] あれ、微妙にコントロールが上手くいってなかったみたいだ。焼け焦げてないといいんだけどね。

[バイソン] ただの鉄箱ってことですか?

[バイソン] ……中にはキャンディーがひと握り……だったのか…。うぅ、全部溶けきっちゃってる……。

[バイソン] この便箋は? メッセージ? 鼠王が遺した……?

[モスティマ] なんて書いてあるの?

[バイソン] 「良い安魂夜を」……。

[バイソン] ……。

[バイソン] ……。

[バイソン] ……はぁぁぁ?

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