aklib_story_理想都市-エンドレスカーニバル-_IC-2_落下_戦闘後

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理想都市-エンドレスカーニバル-_IC-2_落下_戦闘後

ガヴィルたちは、地下の滝から飛び降りてゼルウェルツァにやってきた。スディチはドームを改修するより、ガヴィルたちに鉄道橋を直してもらい、源石観測を復活させようとするのだった。


[エリジウム] ありがとう、トミミ。この恩はロドスに戻ったら必ず返すからね!

[トミミ] み、見張りはあまり得意ではありませんが、頑張ります!

[エリジウム] よし、じゃあ景気付けに味見しようかな!

[エリジウム] うん、スグリ酒の口当たりはやっぱり独特だね、でも……

[トミミ] エリジウムさん、エリジウムさん!

[エリジウム] ど、どうしたんだい? もしかしてミードとスピリットの人たちが来ちゃったの? 敵のお酒は飲んでないよって言っといてもらえるかな──

[トミミ] スディチさんが来ました!

[スディチ] ふぅ、随分と探したぞ。

[スディチ] おい、どうしてこいつがここにいるんだ?

[キャッチ] やあ、スディチ。

[キャッチ] 会うのはいつ以来かな? ひどいよね、僕の「どでかい水たまり」を見に来てくれないんだもんな。

[エリジウム] 合流したことだし、君も一緒に遊ばないかい? サーフィンエリアはサイコーだよ!

[キャッチ] 水上滑り台の流水バルブをこっそり開けてあげてもいいよ。君たちに本当の──

[スディチ] 必要ない、急いでるんだ。

[スディチ] アンタたちももう充分楽しんだろ? 次は本題に取り掛かるよ、ついてきて。

[キャッチ] スディチ、そんなに急がなくても、時間ならたっぷりあるだろ! 僕たちは──

[スディチ] いや、「オレに時間」はないんだよ。デザイナー代表であらせられるキャッチ先生の身体はさぞや健康だろうけど、オレは鉱石病患者なんだ。あと何年も生きられないんだ。

[キャッチ] あっ、ごめん、そういう意味で言ってるわけじゃないんだ!

[キャッチ] 僕はただ、もう一度ちゃんと話せば、あの時の誤解を──

[スディチ] よく聞け、キャッチ。

[スディチ] 認めてもらいたいってんなら、アンタはもうゼルウェルツァの市民から充分愛されてる。オレ一人にこだわる必要なんてない。

[スディチ] 存在感が欲しいってんなら、超巨大ウォーターキャノンでも何でも作ればいいだろ。真っ赤にでも、真っピンクにでもしろよ、オレは止めやしないから。

[スディチ] ただオレの時間を奪うのだけはやめろ。オレが自分の心に嘘をついてまでアンタの……ハッ、「建築作品」にお世辞を言うことは永遠にない。

[スディチ] ほら行くよ、地上人。オレの計画について話すから……

[キャッチ] 待って、スディチ、僕の話を聞いて──

[スディチ] キャッチ、アンタに対するアドバイスは一つだけ。もうオレに関わるな。

[スディチ] オレたちの道は交わらない。

[キャッチ] スディチ。今度、君がさっき言った超巨大ウォーターキャノンについて話し合おうよ。とても興味があるんだ。

[キャッチ] だけどその前に……何か音が聴こえないかい?

[スディチ] どうせまたあの飲んだくれたちが、バカをやらかしてるんだろ。

[キャッチ] 違う……

[イナム] まさかドームから……?

[キャッチ] それは絶対にない、こういった構造物に関しては僕の言葉を信じてくれていいよ。

[トミミ] あ、あれは!

落ちていく感覚だ。

風が耳を擦る音が、すげぇうるさい。

ロドスには、この感覚が病みつきだっていう訳わかんねぇのが何人かいるが、全く理解できないな。

アタシか? アタシが高い所から飛び降りる理由はただ一つ。問題を解決するには飛び降りるしかねぇからだ。

拳でも、アーツユニットでも、斧でもいい。

問題に向き合って、悪者を見つけて、そいつを片づける。何も難しいことはない。

これから何が目の前に現れようと──

たとえ斧がぶっ壊れて、アーツユニットが折れて、拳が握れなくなろうと。

とにかくやるだけだ。

[ガヴィル] 陰謀だろうが獣だろうがキノコだろうが火の雨だろうが! それ以外のウゼー何かが出てこようが!

[ガヴィル] 全部アタシが殴り倒してやるよ!

[ユーネクテス] おい、ガヴィル。なんだかおかしいぞ、前に見えるのは……

[ガヴィル] あ?

[ループス] あの、いい加減、下ろしてくださらないかしら!

[ガヴィル] おっと、悪いな。

[ガヴィル] ……こりゃなんだ? 滝か? 滑り台か?

[ドゥリン人] ヒャッホー!

[エリジウム] あれ、ガヴィルじゃん。遅かったね、今ついたの?

[エリジウム] ようこそ、ドゥリン人の「どでかい水たまり」へ!

[ガヴィル] はぁ??

[トミミ] ううう、ガヴィルさん、ごめんなさい! あの手紙、私の間違いでした!

[ガヴィル] お前なあ!

[ユーネクテス] つまり、野獣もいなければ、火の雨や空を覆うキノコもないのか?

[トミミ] エリジウムさんが、それは比喩の一種だって言うので……

[ガヴィル] アイツ、あとでぶん殴ってやる。

[イナム] トミミも完全に間違ってはいないわ。ドゥリン人は確かに困ってるみたいだもの。

[イナム] 見た限りじゃ全然わからないけど、少なくともスディチはそう主張しているわ。

[スディチ] ……もちろんちゃんと理由がある。

[ループス] 待ってくださいまし! 貴方がた傲慢な地上人は、強引にこんなところにやってきて、どんな狂ったことをする気ですの!?

[ループス] 斧を担いで無理やりゼルウェルツァに侵入しておいて、ドゥリン人を助けるですって?

[ループス] 冗談はおよしなさい。ドゥリン人は自分たちの手で問題を解決できますわ。偉大なる地上人の皆様の救いの手など、必要ありませんのよ。

[ループス] それに、貴方がたの身体に沁みついている地上の不潔さと醜悪さだけでも、この平穏なる街を汚すには充分ですわ!

[イナム] えーっと、あんたはループスよね? あんたも地上から来たんじゃないの?

[ループス] 地上のものは全て捨てましたの。今のわらわは、ゼルウェルツァの一市民ですわ。

[ループス] したがって、わらわはゼルウェルツァ市民として要求いたします。この都市から立ち去りなさい!

[ループス] もしも頑として拒むとおつもりなのでしたら、わらわは貴方がたを追い払うためにあらゆる手段を用いる覚悟ですわ。

[スディチ] ちょっと、アヴドーチャ、この人たちはオレが呼んだんだよ。

[アヴドーチヤ] スディチさん……戻っていらしたのね。

[アヴドーチヤ] 貴方がどんな計画を立てていらっしゃるのかは存じませんが、かつて彼らの一員だった立場から忠告させていただきますわ。地上人の力を借りてもゼルウェルツァに害をなすだけですわよ。

[アヴドーチヤ] ゼルウェルツァ市民は、真の「貪欲と陰謀」とは何なのかを、全く理解しておりませんわ。

[キャッチ] アヴドーチャさん、でも彼女たちは市民の多数決を通ったんだよ……

[アヴドーチヤ] もう一度、決を採った方がよろしいと思います。それもドゥリン人の考え次第ですけれど。

[アヴドーチヤ] 何をしてもここから立ち退かないと言うのでしたら……ええ、貴方がた地上人が最も得意な「流血」によって解決するおつもりなら、わらわも最後までお付き合いいたしますわ。

[ガヴィル] チッ、わけわかんねぇ奴だなお前。ただの誤解だろ。

[ガヴィル] アタシが聞いた限りじゃ、アカフラの地下のご近所さんがトラブルにぶち当たってるから、アタシらで助けてやろうっつー単純な話だよ。こいつらのため、アタシら自身のために力を貸すだけだ。

[アヴドーチヤ] ハッ! ご近所のお手伝いにチェーンソーを引っさげて現れるのかしら。きっとテーブルの脚を取り付けに来てくださったのでしょうね。ついでに斧で果物もカットしてくださるの?

[アヴドーチヤ] その手には乗りませんわよ。温和な使者が瞬きの間に残酷な顔つきに変わるのを、わらわはこの目で見てきましたわ。利益の追求と略奪への渇望が地上人の本性ですのよ。

[アヴドーチヤ] 善良なるドゥリンの同胞たちなら騙せたかも知れませんが、わらわは欺けませんわ。貴方がたのやり口など見飽きていましてよ。

[ガヴィル] はぁ。信じるかどうかは別としてな、この斧は単に、えーっと、護身用なんだよ。

[ガヴィル] だがよ、もしお前が喧嘩でしか解決できないと思ってんなら喜んで付き合ってやるぜ。

[ドゥリン人] ……

[ドゥリン人] おい、そこの斧を持った奴。

[興奮するドゥリン人] お前、なかなかイカしてんじゃねーか!

[ガヴィル] ん? あぁ……あんがとよ。

[感動するドゥリン人] アヴドーチャ、あなたすごいのね!

[感動するドゥリン人] 普段はノートを持って書き物ばっかりしてるあなたにも、こんな一面があるだなんて!

[アヴドーチヤ] わらわは別に……

[興奮するドゥリン人] これどんだけの高さがあるんだ? 飛び降りた感じはどうだった?

[感動するドゥリン人] 滝のてっぺんから飛び降りるだなんて! どうして今まで誰も思いつかなかったのかしら?

[興奮するドゥリン人] この二人はお前の友達か? お前って奴はなんで今までこんな友達がいたことを黙ってたんだ!

[アヴドーチヤ] 彼女たちは危険かもしれませんのよ、そのような──

[感動するドゥリン人] 私のことも抱えて滝上から飛んでくれないかしら。彼女に頼んでもらえない?

[興奮するドゥリン人] アヴドーチャ、今回の遠足で何か面白そうなものを持って帰ってないのか? こないだみたいな野生の果物とかさ!

[感動するドゥリン人] あらやだ。そういえば私たち、もう何時間も会ってなかったわね。再会を祝して一杯飲みましょ!

[アヴドーチヤ] ちょ、ちょっとお待ちくださいまし!

[もの好きなドゥリン人] お姉さん、ガヴィルっていうの? この斧、触ってみてもいい? すごく重いの?

[ガヴィル] いや、そこそこってとこかな?

[情熱的なドゥリン人] ガヴィル姉さん、今暇かい? 「どでかい水たまり」にはすんごい面白い秘密のアトラクションがあるんだ! 絶対に超クールな体験ができるぜ!

[もの好きなドゥリン人] これは私の住所よ。もし明日空いてたら、うちでやる予定のお腹たぷたぷがぶ飲みビールパーティーに来てね!

[情熱的なドゥリン人] 明日まで待つ必要あるか? いっそのこと今からやろうぜ!

[もの好きなドゥリン人] ナイスアイディアね!

[エリジウム] いいね! キャッチくん、もっとお酒を持ってきてよ!

[ガヴィル] ……ドゥリン人はどうなってんだ? エリジウムのが何かうつったのか?

[イナム] トミミ、あんたのその表情は何なの?

[トミミ] さすがガヴィルさん、どこへ行っても皆さんの中心ですね!

[イナム] ……はぁ。

[イナム] 私に言わせれば、マヌケな連中が、一番バカな奴の後をついて回ってるだけよ。

[イナム] だけど、こういう魅力を持ってる奴っているのよね。

[スディチ] 彼女がアカフラ人がよく口にしていたあの「無敵のガヴィル」か。

[スディチ] だけどどうして彼女は滝の上から飛び降りてきたんだ? アンタらと約束でもしてたの?

[イナム] ……いいえ、類は友を呼ぶってやつでしょ。

[ガヴィル] トミミ、助けてくれよ! 囲まれちまった!

[トミミ] 今行きます!

[スディチ] ここじゃ落ち着かないから、場所を変えよう。

[ガヴィル] ──で、お前がそのドゥリン人か。

[スディチ] アカフラにいた時に、住民たちからアンタの名前をよく聞いたよ、ガヴィル。

[ガヴィル] 教えてくれ、ゼルウェルツァの危機ってのは一体何だ? そいつがアカフラにどう影響するんだ?

[スディチ] それは……実を言うと、その話はとても複雑になるんだ。地理学や地質学、社会形態とか色んな領域にまで話が及ぶから。

[ガヴィル] いいから話してみろよ。

[スディチ] そして最もやっかいなのは、この話が文学的領域にもちょっとだけ関わってるってことなんだ……

[スディチ] ……トミミ同様、オレも少しばかり比喩表現を駆使しちゃってて。

[イナム] 私たちに話したあれも誇張だったってわけ?

[スディチ] 誇張なわけないだろ! オレはただ、えーっと、少し巨視的な時間の観点から話をしただけだ。

[スディチ] ジャングル全体が地下へと沈んでいる可能性が高いのは事実なんだ……数千数百万年後には。地殻変動があるから。

[ガヴィル] このガキンチョ、ぶん殴ってもいいか?

[イナム] 好きにしなさい。

[スディチ] 待て、待ってくれって! 本当にアンタらの助けが必要なんだよ。これは本当にゼルウェルツァと関係してるんだって!

[スディチ] 損得の観点からも考えてくれ! アンタたちも見たでしょ、ドゥリン人の技術は、地上のジャングルでも絶対に役に立つって!

[スディチ] アンタのアカフラの仲間たちだって、これからは廃棄された旋盤機をお宝みたいに崇める必要はなくなるんだよ!

[イナム] そうね、もし本当に役に立つのなら。

[スディチ] 約束するよ、今後アンタらアカフラ人に技術的な問題で困ったら、オレが何でも答えてやるから!

[スディチ] (小声)フッ、言ったことを理解できればの話だけどね。

[ガヴィル] 今なんつった?

[スディチ] えーと、理解できなくても可能な限り説明するって言ったんだよ。

[イナム] それじゃ早速本題に入りましょう。あんたは一体何がしたいの?

[スディチ] 簡単だよ。オレと一緒に他の人を説得して、前の地震で壊れた、都市の外に繋がる鉄道橋を修復してほしいんだ。

[スディチ] そうすれば、あのムカつくドームを改修せずに、ゼルウェルツァに源石観測装置を取り付け直すことができる。そしてオレもどっかのうるさいじじいから解放される。

[スディチ] さらに鉄道橋の進路を塞ぐ巨大滑り台も爆破できるんだ、まさに一石二鳥、いや一石三鳥だよ!

[トミミ] どうして直接ドームを直さずに回りくどいことをするんですか? それに、あの滑り台を爆破するのはもったいないですよ!

[スディチ] あの穴を残して「どでかい水たまり」を作るってことは、当時全員で採決して決めたことなんだ。

[スディチ] それにドームの修復は非常に難解な技術に関わることなんだ。アンタたちに説明したところで理解できないよ!

[スディチ] とにかく、オレたちの計画を推し進めるために、もう一回採決を行う必要があるんだ!

[イナム] 気乗りしないわね、私もあの滑り台を気に入ってるってのに、爆破しなくちゃならないなんて……

[イナム] あんたたちドゥリン人の技術力はすごいんでしょ? ならどうしてアカフラ人にその橋を修理させるの?

[スディチ] ……まあいいか、アンタらには教えても。

[スディチ] もしこの鉄道橋修復計画の提案が通れば、設計責任者はきっとオレになる。

[スディチ] しかしだ! アンタたち鉄道橋の設計図って知ってる? オレは学生時代に見たことがあるんだけど、シンプルがモットーであるオレのデザインコンセプトに完全に反してるんだよ!

[スディチ] あのゴチャゴチャした線路、きったないトラス構造!

[スディチ] だからオレ、橋や鉄道の設計に関する授業は、全部寝てたんだよ。

[ガヴィル] ……つまり、お前は鉄道橋なんて全く造れないってことか?

[スディチ] 認めたくないけど、それはオレの唯一の欠点だろうね。

[スディチ] だからこの重要なプロジェクトを下請けに出そうと考えて、この手の作業に造詣が深いアカフラ人に助けを求めたんだ!

[スディチ] どう? 完璧な計画でしょ。

[ガヴィル] ドゥリン人の社会っつーのは寛容なんだな。こんなガキンチョでもここまで無事に成長できるなんてよ……

[スディチ] おい、どういう意味だ!

[ガヴィル] 幸い、ズゥママも来てるんだ、鉄道橋の修復に関しちゃ、おそらく簡単に解決できるだろ……

[ガヴィル] ん? そういや、ズゥママはどこ行った?

[ユーネクテス] やはり、見間違いではなかったか。

[奇怪なロボット] ……警戒シマス。

[ユーネクテス] ……チビすけ、こっちへおいで!

[奇怪なロボット] 不審者発見、危険デス! 回避準備シマス!

[ユーネクテス] おい、待ってくれ!

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