aklib_story_翠玉の夢_DV-ST-1_逆行

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翠玉の夢_DV-ST-1_逆行

ライン生命本部のある都市、トリマウンツ。そこでサリアと会う約束をしていたミュルジスが襲撃を受ける。一方、都市外の359号基地では、通常業務を行っていたフィリオプシスたちが罠にかけられ、開拓隊に誘拐されてしまう。


こちらはライン生命統括クリステン・ライトのプライベートオフィスです。

ただいま電話に出ることができません。ピーという発信音のあとにご用件をお話しください。

[留守番電話] クリステン、あたしやっちゃったみたい……

[留守番電話] あの大佐は思ったほどバカじゃないわ。前回の受け渡しの時、あたしの「小細工」に気付いてたのよ。

[留守番電話] あいつとフェルディナンドの部下に監視されてたせいで、ここまで逃げてくるのに分身を何体もダメにしちゃった。

[留守番電話] ライン生命のほうでは、フェルディナンドがすぐ行動を起こすはず……ほかの主任たちは彼に従うか、知らんぷりするかのどっちかでしょうね。

[留守番電話] あーあ、もしかすると本当に逃げ切れないかも……

[留守番電話] 正直ちょっと不安なのよ。本当にちょっとだけね。……でも、あたしがこんなこと言うのって珍しいでしょ?

[留守番電話] まあとにかく、あなたとの約束はきちんと守るわ。

[留守番電話] ……ねえ、やっぱりこう思わずにはいられないんだけど……

[留守番電話] 彼女が今もそばにいてくれたら、あたしたちはきっと……

[???] 足掻くのもいい加減にしておいたら? ミュルジスさん。

[???] まさかライン生命本部から商業エリアまで逃げおおせるなんてね。お陰で一晩無駄にさせられちゃったじゃない。

[ミュルジス] ……はぁ……

[ミュルジス] これ以上は逃げたところで意味がない――そうよね?

[ミュルジス] あたしがトリマウンツにいる限り、捕まえる方法なんていくらでもあるでしょうし。

[???] あら、それはほかの都市でも同じことよ。

[???] だってここはクルビアだもの。法を犯した人間が裁きを逃れようだなんて、許されるはずもないわ。

[ミュルジス] ……あたしが軍との機密保持契約に抵触したって言いたいの?

[ミュルジス] それなら、重武装の傭兵を総動員してあちこち追い回したりせずに少し時間をくれないかしら? 弁護士に連絡させてもらうから。

[???] ここはクルビアだ、って言ったでしょう?

[???] 公的に存在しているはずのプロセスはすべて「その必要があるときだけ」実行され、そうでなければもっと効率的な手段を執るのがこの国の「常識」なのよ。

[ミュルジス] ……

[ミュルジス] いいわ。じゃあ、フェルディナンドと話をさせてくれない? そうすれば誤解が解けるかもしれないでしょ。

[???] 命令外のことだから無理ね。

[ミュルジス] あなた……彼に雇われてるわけじゃないの?

[???] そうよ。私にとって、フェルディナンド・クルーニーはただの一時的なパートナー。

[???] そもそも、私はライン生命の内輪揉めなんて興味ないし、雇い主も私も協力する相手が生態課だろうとエネルギー課だろうと別に構わないの。

[???] 私たちが求めているのはあくまで成果なのよ。ライン生命は製品を提供し、雇い主はそれをどう使うかを考える……それだけのこと。

[???] でもあなたは、以前犯した小さなミスでこちらの信頼を完全に失ってしまった。

[ミュルジス] ……そんなつもりじゃなかったって言っても、信じてもらえないかしら?

[ミュルジス] 研究者としての性分で、実験データをつい手元に置いといちゃっただけなのよ。

[???] 「性分」? 半日かけて用意した言い訳がそれ?

[???] 生憎だけど、あなたの魅力は私には通用しないわよ。

[???] あの実験の内容はすべて、関連法案が政府で可決されるまで少しも漏らしてはいけないとフェルディナンドからも言われていたでしょう?

[???] あなたがそれを忘れるわけないわよね。その若さを保っているエルフの血が、物忘れだって防いでくれるはずだもの。

[ミュルジス] ――!

[ミュルジス] どうしてそれを……

[???] ……あなたがエルフだってこと?

[???] 協力者のプロファイリングも仕事の内なのよ。

[ミュルジス] ……

[???] そういうわけだから、これ以上無駄な分身を作ろうとせずに、少しは協力的になってくれない?

[ミュルジス] 確かに、もう逃げ場はなさそうね。

[???] ——

[???] このために時間稼ぎをしていたのね……私を騙せるとでも思った?

[???] あなたの同僚と違って、私はラボに籠もりっきりってタイプじゃないし、力業だけの単細胞でもないのよ。

[???] 捕まえた。

[ミュルジス] っ、ごほっ……

[ミュルジス] この温度……水分子に、あたしの声が届かない……!

[ミュルジス] これはあなたのアーツ? ……それとも、何か特別な技術かしら?

[ミュルジス] 思うに、きっと――

[???] そんなこと言ってる場合? ミュルジス「主任」。

[???] 悪いけど、かくれんぼには飽き飽きしてるの。髪とか羽を突然水で濡らされるのにもうんざりなのよね。

[ミュルジス] あ、はは……あなた……普通の傭兵じゃない、みたいね……

[???] お褒めの言葉をありがとう。

[???] 最後に一つだけチャンスをあげましょうか――質問に答えてちょうだい。

[???] ライン生命統括のクリステン・ライト……彼女は、色々な企業から何年にもわたって大量にレアメタルの純化物を買い付けているけれど、一体どんな実験をしているのかしら?

[ミュルジス] はぁ……っ、はあ……統括の実験に、興味があるなら……あなたと雇い主さんは……どうして、フェルディナンドに……手を貸すの?

[???] 私が求めているのは質問ではなく回答よ。

[ミュルジス] うっ……

[ミュルジス] あたしは……あなたが望む答えなんて……持って、ないわ。

[???] プロファイルから判断するに、あなたはその血に由来する能力で他人を弄ぶのを楽しむタイプだと思うけど――そんなあなたが、ここまで統括に忠実だなんてね。

[ミュルジス] 忠実……ですって?

[ミュルジス] あたしは、ただ……自分の……ために……

[???] んー……質問に答えるつもりはないみたいだし……

[???] だったら――

[???] 協力関係はこれでお終いね。

[ミュルジス] お終い、って……

[???] 始末してちょうだい。

[ミュルジス] ……

[ミュルジス] サリア……

[ミュルジス] クリステンのこと……間に合うといいけど……

a.m. 2:43 天気/曇天

トリマウンツ中心部

[サリア] ……

[トリマウンツ市民] あの人、まだ来ないんですか?

[サリア] 10分前には来るはずだったんだがな。

[サリア] 彼女が時間を守るとは思っていないが……前回のやり取りからして急ぎで会いたがっているのは向こうのほうだ。

[トリマウンツ市民] でも、あの人のことですからまたすっぽかしたとか……

[トリマウンツ市民] いつもニコニコしてますけど、何考えてるかわからない人ですから……

[サリア] 私もミュルジスを信用してはいない。

[サリア] 彼女に限らず、今なおライン生命に残っている人間は、誰だろうと簡単には信じられん。

[サリア] とはいえ、信用だけが協力の前提条件になるというわけでもない。お前とてそうだろう。最初に私が訪ねてきた時、無条件に私を信じることができたか?

[トリマウンツ市民] えーっと……正直に言ってもいいですか?

[トリマウンツ市民] 玄関前にあなたが立っているのを見た時は……キッチンで身を護る物を探しつつ、保安局に電話しようかと思いました。

[サリア] 賢明だな。

[サリア] だが、一つ加えると、ライン生命は機密保持契約にサインした元従業員を武力で脅迫することなどなかった。

[サリア] ……少なくとも、私がまだ警備課にいた頃はな。

[サリア] ミュルジスか……?

[サリア] ……

[トリマウンツ市民] か、かなり険しい表情ですけど……どうかしましたか?

[サリア] 状況が変わった。

[サリア] ミュルジスは来ない。

[トリマウンツ市民] あ……あの人に何かあったってことですか? あなたに会おうとしたこのタイミングで……?

[サリア] ――エリクソン。手を貸してくれないか。

[トリマウンツ市民] な、何でしょう?

[サリア] 私が受け取ったメッセージを、ある製薬会社の事務所に届けてもらいたい。

[サリア] そして、そこにいるオペレーターに、至急ケルシー医師とDr.{@nickname}へ連絡するよう伝えてくれ。――最近クルビア内に来ていたはずだからな。

[サリア] 彼女たちの助けが必要なんだ。

a.m. 5:11 天気/曇天

トリマウンツ郊外 359号実験基地

[ライン生命研究員] おはようございます、ドクター。いつもお早いですね。

[ドクター選択肢1] 規則的な生活はコアデータの安定性を高めますので。

[ライン生命研究員] デ、データ……? ご自身の生体データのことですか?

[ライン生命研究員] ふふっ、本当にユーモラスな方ですよね。

[ライン生命研究員] でも、データと言えば……はぁ。一晩徹夜したのにたったこれだけしかデータを揃えられないなんて、きっと私、フランクス主任に怒られちゃうんでしょうね……

[ドクター選択肢1] 否定。それは彼女の通常時の振る舞いと一致しません。

[ライン生命研究員] ええと、慰めようとしてくださってるんですか?

[ライン生命研究員] ありがとうございます……でも、フランクス主任が見逃してくれたとしても、フェルディナンド主任に会いに行く自信はなくて……

[???] ヘレン、少し寝たほうがいいんじゃない?

[ライン生命研究員] エレナ……一週間後の審査のことを考えると、全然眠れないの。

[ライン生命研究員] 学生ローンの返済だってまだ終わってないし、この仕事を失うわけにはいかないから……

[ライン生命研究員] ……ごめんなさい。こんなふうに愚痴るのは良くないわよね。

[エレナ] うーん……じゃあ、こうするのはどう? 実験が終わったら、主任にキミのことを話しておく、ってことで。

[ライン生命研究員] ほ、本当に? ありがとう……エネルギー課の人で、フェルディナンド主任を怖がってないのはあなただけよ。どうすればそんなふうになれるのかしら?

[エレナ] そんなの、私みたいにやればいいだけだよ!

[ライン生命研究員] 月に三十日はラボにこもって、主任が満足する結果を出し続ければいいだけ、って? わ、私には無理よ……

[ライン生命研究員] あっ、そろそろフランクス主任の所に行かないと。じゃあまたね!

[エレナ] うん、またね。

[ドクター選択肢1] ......

[エレナ] コーヒーを淹れたところなんだけど、キミも一杯どう?

[ドクター選択肢1] カフェインの過剰摂取は鉱石病悪化に繋がる恐れがあります。

[エレナ] それはそうかもね。でも、単なる可能性で楽しみを諦めるのは嫌だから。

[エレナ] 何でもお医者さんの言う通りにすべきなら、私は今頃姉さんと一緒にロドスにいなくちゃいけないわけだしさ。

[エレナ] キミだってそうでしょ、ジョイス。医療部のオペレーターたちはみんな、キミがずっとロドス本艦にいてくれたらと思ってるんじゃない?

[ドクター選択肢1] これは規定に従いライン生命での定期報告を行うためです。

[ドクター選択肢1] この基地での医療サービス提供は一時的な任務です。

[エレナ] うん……あと二、三日したら、都市に戻ってサイレンスと合流するんでしょ?

[エレナ] 私もドロシーも寂しくなっちゃうな。

[???] その辺りにしてあげなさい。ジョイスには休憩が必要なのよ。基地での仕事はハードだもの。

[???] それと、エレナ……仮に、フェルディナンドがあなたのことを自分の部下で一番優秀な研究員だって推し続けていなければ、私も心を鬼にしてあなたを都市へ追い返してるわよ。

[エレナ] あっ、ドロシー。やっと来たね。

[エレナ] さっきヘレンがキミのところに行ったけど、会わなかった?

[ドロシー] あら、そうだったの? ごめんなさい、気付かなかったわ……

[エレナ] もー……忙しすぎてめまいでもしちゃってるんじゃない?

[エレナ] こっちの心配する前に、自分の身体に気をつけてもらわないと。一体何日寝てないの? この一週間の間に、ラボのゴミ箱がカフェイン剤の空き箱で一杯になってることくらい知ってるんだよ。

[ドロシー] ……今、実験が最終段階に入ってるのよ。なるべく早く家族と再会できるように、実験の進行ペースを早めるって被験者と約束してるし……

[エレナ] しょうがないなあ。実験が早く終わったほうが皆嬉しいのは確かだもんね。

[エレナ] それに、私はキミのアシスタントだから判断に従うしかないし……

[ドロシー] それじゃあ――親愛なるアシスタントさんにもう一つお願いしてもいいかしら?

[ドロシー] 私はあまりラボを離れられないから、このヒーターモジュールを外にいる友人たちに届けてほしいの。

[エレナ] ヒーターモジュール? 一ヶ月以上も荒野にいるのに、どう調達したの?

[ドロシー] ええっと……

[ドクター選択肢1] 警告。ライン生命の技術部品を検知しました。

[エレナ] ほら、私たちにはバレバレだよ。実験用の材料を勝手に改造したんだろうってことくらい、一目でわかっちゃうんだから。

[エレナ] 頭の固い商務課連中はあんまりいい顔しないと思うよ。いくらキミがアーツ応用課の主任でも、あいつらの口うるささには変わりないんだし。

[ドロシー] 商務課の人たちがどう思うかなんて、よく知ってるわ。

[ドロシー] それよりもっとよく知ってるのは――あなたが、こんな些細なことをフェルディナンドやほかの主任には報告しないってことのほうだけどね。

[エレナ] ……

[ドロシー] そんな些細な物でも、外にいる人たちには必要なの。最近寒くなってきたから、バラックでは冷たい風をしのげないでしょう。

[エレナ] ……ねえ、ドロシー。

[エレナ] ずっと言おうと思ってたんだけど……あの人たちを気にかけすぎてない?

[エレナ] あの人たちは……ライン生命に雇われてるだけの、ただの開拓隊なんだよ。

[エレナ] ああいう開拓者たちは一つところに留まることもなければ、私たちを友人として見てくれることもないのに……

[ドロシー] そんなことないわ。彼らは皆、普通の若者よ。

[ドロシー] それに……あなたは、開拓隊がいなくなったら私が喪失感に苛まれるんじゃないかと心配してそう言ってくれてるんでしょう?

[ドロシー] 私のアシスタントさんったら、本当に優しいんだから……

[エレナ] ……そんなふうににこにこしたってダメだよ。

[ドロシー] そう言わずに、ね? お願い、エレナ……

[エレナ] はあ……わかった、手伝ってあげる。これで最後だからね。

[エレナ] どのみち、実験ももうすぐ終わりだし。

[開拓隊の隊員] 準備は整ったぞ、リーダー。

[サニー] ……

[開拓隊の隊員] おい、リーダー……サニー。

[サニー] ……ん?

[開拓隊の隊員] どうした? 緊張してるのか?

[サニー] 緊張なんかするわけないだろ。

[開拓隊の隊員] ……でも、さっきからずっと小屋の周りをぐるぐる回ってるじゃないか。これで八周目だぞ。

[サニー] 俺はただ……考えを整理してるだけだよ。ここから先のことは、不確定要素が多いからな。

[開拓隊の隊員] なあ、考えてたんだが……本当に、こんなことしないといけないのかな?

[サニー] ……

[開拓隊の隊員] あの科学者たちも医者も、俺たちに良くしてくれてるしさ……

[サニー] ……前にも言っただろ。一度や二度の親切に意味なんかないって。

[サニー] 俺が法学部の学生だった頃、同級生たちは慈善活動に夢中でな。

[サニー] 感染者収容区に寄付をしたり、学内討論会で感染者の境遇のために立ち上がろうと訴えたり……

[サニー] だが、いざ俺がその不幸な病人になった時――奴らが何回俺に会いに来たと思う?

[開拓隊の隊員] ……何回だったんだ?

[サニー] ゼロだよ。一回も来やしなかった。

[サニー] 実は一年前、大学時代のルームメイトに金を借りようとしたんだ。その時にはもう、そいつはD.C.で一番大きな法律事務所で働いてたんだが……

[サニー] 電話に出たそいつは、どちら様ですかなんて抜かしてよ。

[サニー] 挙げ句の果てに「ごめん、お前療養のために休学してたから、卒業アルバムにも連絡先がなかったんだ」――だとさ!

[サニー] 最っ高に感動的だろ?

[開拓隊の隊員] とんでもないクズ野郎だな……! 俺たちも、そういう奴らを山ほど見てきたよ……

[サニー] ああ。安全圏から少し優しくするだけなんてのは、全部奴らの自己満でしかないし、単なる話の種にでもされるのがオチだ。

[サニー] 考えてもみろ。……今この瞬間も、あのご立派な科学者どもはラボでコーヒー片手に俺たちの話題で盛り上がってるかもしれないぜ。

[サニー] つまりは誰しも、自分が不利益を被らない限り親切ぶろうとするものなんだよ。

[開拓隊の隊員] わかったよ、リーダー。結局決めるのはお前だしな。

[開拓隊の隊員] お前は一番多くのことを見て、考えてきてるし、正しいのはいつもお前だから。

[サニー] ……こうするしかないんだよ、俺たちは。

[サニー] この基地には、本気で俺たちのことを考えてる奴なんて俺たち以外いないんだから。

[エレナ] さてと、このコーヒーを飲み終わったら仕事に戻ろっか。

[開拓隊の隊員] 医者は……医者はどこだ!?

[エレナ] ……キミ、開拓隊の人?

[エレナ] 悪いけど、勝手にここへ入っちゃダメだよ……ほら、まだ消毒もしてないし――

[開拓隊の隊員] いいから医者を出してくれ! サムが発作を起こしたんだ!

[エレナ] 発作って……鉱石病の!?

[開拓隊の隊員] あんた医者か!? お願いだ、サムを、俺たちを助けてくれ!

[開拓隊の隊員] あいつ、昨日の夜中からひどい熱を出してて……さっきから血まで吐くようになっちまったんだ! 前にあんたたちが教えてくれた通り、鎮痛剤を飲ませて、上半身を起こして寝かせてるんだが……!

[ドクター選択肢1] 患者の現在地を教えてください。

[開拓隊の隊員] ここから一番近くの小屋だ、来てくれるなら案内する!

[ドクター選択肢1] 了解、ただちに救急医療プログラムを起動します。

[エレナ] ジョイス……!

[ドクター選択肢1] 申し訳ありませんが、ほかのタスクは優先度を落とします。

[エレナ] わ……わかってる。

[エレナ] 安全規則に則った往診じゃないけど、だからってキミを止めるつもりもないし……

[エレナ] 私も一緒に行くよ。

[ドクター選択肢1] エレナさん。あなたは非医療従事者です。

[エレナ] そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。私だって基本の医療業務は研修を受けてるし、緊急事態なんだったら人手は多いほうがいいじゃない。

[エレナ] どのみち、こっちもドロシーからの預かり物を届けないといけないしね。ほら、行こう!

[開拓隊の隊員] 連れて来たぞ!

[エレナ] 患者さんはどこ?

[エレナ] ちょっと、邪魔しないで! 鉱石病の急性発作は一刻を争うことなんだよ!

[開拓隊の隊員] ……

[エレナ] まさか……

[ドクター選択肢1] 周辺をスキャンします。――治療対象、なし。

[開拓隊の隊員] 動くな!

[エレナ] それ……ネイルガン?

[ドクター選択肢1] この付近に鉱石病の急性発作に該当する患者はいません。

[エレナ] そうだね。みんな元気そう。

[エレナ] でなきゃ、危ない工具をこっちに向ける力なんてないはずだし。

[???] 手をあげな、お二人さん。

[エレナ] キミは……開拓隊のリーダーだよね。

[サニー] へえ、俺を覚えてるとは思わなかったよ。

[エレナ] 一体どういうつもりなの? 私たちを騙して連れて来るなんて。

[サニー] 今にわかるさ……ウビカ博士。

[サニー] あんたの名字、こういう読み方で合ってたかな。

[エレナ] ……! 発音までちゃんとしてる……

[サニー] そりゃよかった。じゃあ、悪いが通信機を貸してくれ。

[サニー] 開拓隊からあんたの上司に、いくつか聞きたいことがあるんだ。

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