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ドッソレスホリデー_DH-4_トライアスロン_戦闘後
『龍威鼠心』はランの区間を順調に突破した。 スワイヤーとホシグマは、海の真ん中に浮かぶクルーズ船と大会のMCについて話しているようだ。
[D.D.D.] 試合開始早々、ほかのチームから狙われたものの、またも見事に突破してみせた『龍威鼠心』!
[D.D.D.] パンチョさんは第一ラウンドの時、彼女たちのチームワーク不足についてコメントしてたけど……今の所感を聞いてもいいかな?
[パンチョ] チームワークの問題は、これほど短い期間で解決できるようなものではない。
[パンチョ] しかし、あの二人も問題を自覚しているように見える。彼女たちが戦いの中で役割分担を明確にしているのは、そのためだろう。
[パンチョ] 結果として今回は、第一ラウンドでの戦いより、随分と無駄のない戦いを見せている。
[D.D.D.] なるほど! それってつまりは、彼女たちの勝率がさらに高まってる……ってことかな?
[パンチョ] そうとも言い切れまい。ほかの選手たちも、対策を取ってくるだろうからな。
[D.D.D.] うんうん、確かにそうかもね! とは言え、並大抵の妨害じゃ、もはや『龍威鼠心』には通用しなさそうだ。果たしてほかの選手たちがどう出てくるのか、大いに期待しておこう!
[ホシグマ] 確かにその通りですね。
[ホシグマ] しかも、二人の雰囲気がどことなく和んだようです。何かあったのでしょうか。
[スワイヤー] ――「イベリア時代の産物」……道理でね……
[ホシグマ] おや? お嬢様、試合も見ずに一体何をご覧になってるんです?
[スワイヤー] ああ、これ? あのクルーズ船の情報を確認してたのよ。
[ホシグマ] イベリアと聞こえましたが、何か面白い発見でも?
[スワイヤー] ええ。あのクルーズ船、実は元々イベリア時代に作られて、遺されていた物なんですって。
[ホシグマ] そんなに昔の物だったんですか?……しかし、言われてみれば、イベリア以外にあんな物を保有する国などなさそうですね。
[スワイヤー] そうね……
[スワイヤー] しかもあの船、カンデラ市長が大枚はたいてイベリア人から買い上げて、改造まで施したものらしいわよ。
[スワイヤー] それらすべてが、あの船をドッソレスの海に浮かべるためだけに行われたことらしいわ。
[スワイヤー] この大地でこんなことをやってのける人は、きっと彼女のほかにいないでしょうね。
[ホシグマ] 確かに、ある種の贅沢の頂点を極めていますね。
[ホシグマ] 市長といえば、この二日間お嬢様はその方について調べてたようですが、何か結論は出ましたか?
[スワイヤー] 結論は……まあ、至ってシンプルなものだったわ。
[スワイヤー] あのカンデラ・サンチェスという人は、ある意味、ウェイ長官にも匹敵する人物なのよ。
[ホシグマ] まさかそこまで?
[スワイヤー] ええ。方向性はまったく違うけど、どちらも自分の都市を完璧に理解し、手綱をとってる人だもの。
[スワイヤー] 龍門近衛局の一員としては、こんな都市を築き上げた人を尊敬してるだなんて口が裂けても言えないけどね。
[スワイヤー] でも、スワイヤー家の娘として、とてつもない辣腕だと認めるしかないわ。
[スワイヤー] この都市の根幹が見た目よりもはるかに安定したものだとすれば、それを築き上げた上層部は、輪をかけて優秀じゃないと説明がつかないもの。
[スワイヤー] ボリバルの三政府から、この都市へは毎日人が押し寄せていて、彼らの間で衝突や小規模な抗争が起きたと、ニュースでもたまに報じられているのよ。
[スワイヤー] それなのに、誰も気にしていない。
[スワイヤー] 彼らは密かに、あるいは公然とこの地にやってきて、暗黙のルールを守りつつ、外では味わえない楽しみをこの地で享受しているの。
[スワイヤー] 想像できる?
[スワイヤー] ここで初めて三勢力の誰かが衝突を起こした時、きっとカンデラ市長が自ら表に立って、アタシたちの誰にも想像できないような方法で彼らを「説得」したに違いないわ。
[スワイヤー] そして、それからというもの、この都市を訪れた人は皆、彼女の定めたルールに従わなければならなくなったんでしょうね。
[スワイヤー] だけどアタシには、その説得の材料が何だったのかわからないの。弱みでも握ったのかしら? それとも政治的な交渉材料があったとか?
[ホシグマ] カンデラ市長が、この都市を守れるだけの軍事力を有していることは確かです。
[ホシグマ] しかしそれ以上に有効なものがあります。答えはとても簡単だと思いますけどね。お嬢様は、もう気付いているじゃないですか。
[スワイヤー] 何のことよ?
[ホシグマ] ――酒、砂糖、コーヒー、そして娯楽のことですよ。
[スワイヤー] そんなものでどうやって……
[ホシグマ] 倹より奢に入るは易く、奢より倹に入るは難し、とはよく言ったものでして。
[ホシグマ] 日々贅を尽くした暮らしをされてる尊い方々はもちろんですが、私ですら、慣れ親しんだ良いものを突然失うことになれば酷く落胆するものです。
[ホシグマ] 人は誰しも、娯楽を失ってしまえば、再びクソみたいな現実だの人生だのに向き合うほかないんですよ。
[ホシグマ] 人間の意志とは、時として非常に弱くなるものです。ボリバルが今の姿になったことには、それも関係しているでしょう。仮に、ここには意志の強い人が多いと言われても少々信じがたい程度にはね。
[スワイヤー] ……
[ホシグマ] 恐らく、最初の内はそう上手くはいかなかったはずです。それでも時間が経つうちに、市長の行いを誰も否定できなくなっていき、いつの間にか皆それを当然のことと捉えるようになったのでしょう。
[ホシグマ] しかし、初めからこの都市を現在のような姿にすると決めていた市長は、確かに大変やり手だと認めざるを得ません。
[ホシグマ] 恐ろしいほどの実力者ですよ、彼女は。
[ユーシャ] この先にカーブがあるけど、近道する?
[チェン] いや、必要ない。地図を見るに、バイク区間には近道が多くあるようだ。誰かが事を起こすとしたら、恐らくその時を狙ってくるだろう。
[エルネスト] あっ、近道にはカンデラさんが部下を大量に潜伏させてるってことも忘れないでね。ひょっとすると、危険分子よりそいつらの方が危ないかもしれないよ。
[エルネスト] 探してる連中の方は、第一ラウンドで動きがなかった以上、第二ラウンドはもっと慎重に動くだろうしね。
[チェン] ああ。一歩ずつ、着実に行こう。
[ホシグマ] そういえば、お嬢様。あのMC、見覚えがありませんか?
[スワイヤー] えっ? 確かに。言われてみれば、どこかで見たことあるような……
[ホシグマ] ええ、私もどこかで見かけた気がするんですよね。
[シデロカ] 彼女はD.D.D.ですよ。
[ホシグマ] D.D.D.? ああ、思い出しました。有名なDJですよね。見覚えがあるのは、ポスターを見たからでしょう。
[ホシグマ] どうしてそんな人がMCなんて。
[ホシグマ] んっ? そういえば、あなたは……って、シデロカさん? 任務でいらしたんですか?
[シデロカ] そんなところです。ボリバルでの任務のついでに、エイヤフィヤトラさんの地質調査を手伝っていまして……それで、ここに都市があると伺ったので、用事を済ませた後休暇を申請して来たんです。
[シデロカ] そちらもお仕事で? もしや……チェンさんと一緒にいらしたんですか?
[ホシグマ] いえ、そういうわけでは。チェンとは違う用事で来ましたしね。
[ホシグマ] それにしてもD.D.D.の名前がさらりと出てくるとは、お詳しいですね。音楽がお好きなんですか?
[シデロカ] そこまででもないんですが、ロドスには彼女のファンが多いので、話を聞いているうちに影響されてしまって。あっ、よろしければ、向こうで座ってお喋りでもしませんか?
[ホシグマ] どうしましょうか、お嬢様。
[スワイヤー] いいわよ、ご一緒しましょ。この試合にもちょっと退屈してたところだし。
[スワイヤー] エイヤフィヤトラも来てるの?
[シデロカ] はい。彼女にものびのび過ごしてもらおうと思ったので、ここまで来た節があります。
[スワイヤー] あら、素敵な心遣いじゃない。アタシ、彼女の顔は見たことないのよね。今回は是非とも会っておかなくちゃ!
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